活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2017年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年11月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

フロックの確率

満足度★★★
付箋数:23

あなたは、米ネバダ州ラスベガスに住む、
ジョーン・ギンザーさんという女性の名前を
聞いたことがあるでしょうか?

彼女は1993年7月14日、テキサス州のビショップ
のあるスーパーで、スクラッチの宝くじを
何枚か買って540万ドルが当たりました。

これは地元のニュースになりました。

数年後、ギンザーさんはテキサス州のコンビニで
ホリディ・ミリオネアというスクラッチの
宝くじを何枚か買い、200万ドルが当たりました。

このときはテキサス州のニュースになりました。

2年が経ち、ビショップの国道77号線沿いの
マーケットでミリオンズ・アンド・ミリオンズ
の宝くじを何枚か買ったら、また300万ドルが
当たりました。

これは全国のニュースになりました。

さらに2年後、前と同じビショップのマーケット
に行ったときに、エクストリーム・ペイアウト
という宝くじを50ドル分買うと、また1000万ドル
が当たりました。

今度は世界中のニュースになりました。

1度でも当たると非常に幸運な宝くじを、
同じ人が4回も当たることがあるのでしょうか?

こんな事が特定の個人に起こる確率は、
18兆兆分の1で、1000兆年に1度くらいという
起きにくさとなります。

彼女はスタンフォードで博士号も取った
元数学教授で、宝くじのシステムを出し抜いて、
何か不正をするか、当たりくじが置かれている
場所を決めるアルゴリズムを解明したという
噂話さえ流れました。

  「このように(宝くじに)複数回当たることは
  めったにないが、めったにないことも偶然で
  必ず起きることを知っている統計学者には
  意外ではない。宝くじに4回当たるのは、
  1人の身の上に起きることとして考えれば
  ほとんどないが、集団全体で考えればまずまず
  よくあることになる。実際にその率は結構
  高く、ギンザーのような当たり方は、
  3億2000万人いるアメリカ人の集団の中では
  相当起きる可能性がある。」

ポイントは、ジョーン・ギンザーさんという
既に当たった人物に起きた出来事として
見ているので、到底起こることのないような
確率と思えることです。

世界中のどこかの誰かが4回の宝くじを当てる
確率を計算すると、実は極めて「1」に近いのです。

ほぼ「1」とは、ほとんど起こる確率という
ことを意味します。

本書は、偶然の巡り合わせを数学的に
解明する読み物です。

2016年に刊行された、「Fluke: The Math
and Myth of Coincidence」の邦訳本。

著者は、米マールボロ大学数学科名誉教授の
ジョセフ・メイザーさん。

メイザーさんの著書は邦訳されている本も多く、
これまでにも『ギャンブラーの数学』、
数学と論理をめぐる不思議な冒険』、
ゼノンのパラドックス』などが日本でも
出版されています。

本書で扱うテーマは「Coincidence」。

これは、偶然の一致と訳される言葉です。

しかし、「それは本当に偶然なのか?」そして、
「めったに起こらない珍しいことなのか?」
という視点で考えるのが本書のテーマです。

この手の問題でよく知られているのが、
「誕生日問題」です。

これは23人の集団があれば、そこには
同じ誕生日の人が2人いる確率の方が、
いない確率より高くなるというものです。

直感では、「珍しい」あるいは「奇遇」と
思えても、実際に起こる確率の計算すると
意外と高い確率となるのです。

本書では、人の感覚とはそぐわない
偶然の一致や巡り合わせを数学的に考察します。

私たちが「何かの運命」と感じていた出来事が、
普通の出来事になってしまうかもしれません。

およそ数学の知識がなくても読める本ですが、
一部数式などが登場する部分もあります。

この本から何を活かすか?

本書で、なかなか興味深かったのは、
DNA鑑定についての考察です。

  「血縁関係のない2人の人物が、完全に一致する
  DNAを持っているということはあるろうか。
  可能性は想像を絶するほど小さいが、
  ありえないことはない。可能性は低いと
  いっても、たかが10億分の1ほどだ。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 数学 | 06:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |