活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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2030年ジャック・アタリの未来予測

満足度★★★
付箋数:26

  「 “起きるわけがない” と決めつけても、
  どんなことだって起こりうる。
  こうした最悪の事態を予測することこそが、
  最悪を回避する最善の手段なのだ。
  だからこそ本書で開示する数々の予測は、
  われわれ個人、家族、国家、人類のサバイバル
  に必要不可欠なものなのである。」

これは日本版を出版するにあたり、
本書の著者、ジャック・アタリさんが、
日本の読者へ向けた言葉です。

本書は2016年にフランスで刊行された
「Jacques Attali, Vivement apres-demain」
の邦訳本です。

タイトルを直訳すると「明後日を生き生きと」
という意味になるようです。

ジャック・アタリさんは、「ヨーロッパの知性」
とも称される経済学者です。

1980年代からフランス大統領特別顧問を務め、
サルコジ政権以降には「アタリ政策委員会」
を作り、大統領に政策提言を行ってきました。

現在のエマニュエル・マクロン大統領を
発掘したのもアタリさんだったといいます。

アタリさんは、これまでもソ連の崩壊、
金融バブル、テロの脅威、トランプ大統領の
誕生などを予測し、的中させてきました。

本書では、今から2030年までに世界中で
起こるであろう、さまざまな重要な出来事
について語ります。

執筆の目的は、誰もが世界の明るい展望と
脅威を知る術をマスターし、それらの機会と
リスクを推し測ることができるように
することです。

シェアリングエコノミー、高齢化する世界、
加速する富の偏在、民主主義の行方、
気候変動と環境問題、報道の自由、教育、
医療、金融システムなどなど。

さまざまな角度から未来に起こりそうな
ことに言及しています。

よく言えば複眼的で考えられるすべての
可能性から未来を検討している。

悪く言えばハズレのない占いのように
イイことも悪いことも一通り羅列している。

どちらと感じるかは読者次第ですが、
本書の目的からすると、それはあまり
重要なことではありません。

未来予測の目的は、最悪の事態にならない
ように今から行動を変えることなので、
まずは最善も最悪も両方のシナリオを
揃えることから始まるのです。

アタリさんの予測する未来は、運命として
受け入れるものではなく、行動を起こして
変えていくことを前提としています。

  「自分と世界とは相互依存していることを
  自覚するのだ。そこで、次のことを理解
  すべきである。自分が不幸になる原因は、
  ほとんどの場合、他者の不幸に対する
  われわれの無分別やあきらめからである。
  他者を喜ばせることができないのなら、
  あるいは他者の役に立てないのなら、
  それは自身の成功とは程遠い。
  そしてとくに、次世代に対して利他的に
  なることは自分自身の利益なのだ。」

本書で、個人がとる行動としてキーワード
として何度も登場するのが「利他的」という
言葉です。

現状で起こりうる問題を直視した上で、
各自が合理的な利他主義者になることが、
明るい未来をつくると述べられています。

この本から何を活かすか?

本書の最後に記載されているアタリさんの
10の提言は以下の通りです。

 1. 学校や法律の教科書など、いたるところに、
  利他主義、寛容な精神、誠実さを養うための
  学習を取り入れろ。

 2. 国連総会のもとに、安全保障理事会、
  次世代会議、世界環境裁判所の3つの機関を
  設立せよ。

 3. 世界的な紛争が勃発するリスクと闘え。

 4. 法の支配と暴力を抑制する合法的な手段を
  強化せよ。とくに、女性や子供に対する
  暴力を撲滅するのだ。

 5. 世界経済の連携を組織せよ。

 6. 世界通貨を導入せよ。

 7. 小規模農家の農地を守るために、
  農地に関する所有権を世界的に強化せよ。

 8. 積極的な経済を推進するための世界的な
  基金を創設せよ。

 9. 新たな技術進歩を世界中の人々が利用
  できるように支援せよ。

 10. 最後に、今までに述べたことに対する
  取り組みの進行状況を、企業、都市、地域、
  国、世界という単位で、客観的な指標を
  用いて計測せよ。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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