活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2017年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年10月

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理系脳で考える

満足度★★★
付箋数:22

野村総研が2015年にまとめた研究結果では、
2030年には日本の労働人口の49%が、
AI(人工知能)やロボットによって
代替されるとレポートされていました。

あなたは、将来、AIやロボットに、
仕事を奪われる人でしょうか、
それとも、奪われない人でしょうか?

本書の著者、成毛眞さんは、
あなたの仕事が奪われるかどうかは、
「脳の種類」によって決まると言います。

それは、「文系脳」か「理系脳」か。

文系脳の人は、AIやロボットに仕事を奪われ、
理系脳の人は奪われないというのが、
成毛さんの主張です。

ここで注意したいのが、文系脳と理系脳は、
学生のときに文系出身だったか、あるいは
理系出身だったかには関係ないことです。

学んだ科目や学部では決まりません。

文系学部卒で理系脳の人もいれば、
理系学部卒で文系脳の人もいるのです。

では、AI時代にも生き残っていける、
理系脳の人の条件を見ていきましょう。

条件1. 新しいものに興味がある・変化が好き

 ここでの「新しいもの」とは、新しい技術の
 ことをいいます。

 最新のスマホに常に買い替えている人は、
 この条件に当てはまります。

条件2. 刹那主義で未来志向

 刹那主義は、一時的な快楽を求めようとする
 悪い意味で使われることがありますが、
 逆に、ここではいい意味で使っています。

 過去にこだわらず、現在に没頭することが、
 未来につながるという意味です。

条件3. コミットの範囲が明確

 理系脳の持ち主は、この分野のことならば、
 この程度のことはできると冷静に分析し、
 取り組みます。

 根拠のない万能感に溺れたり、自分が世界を
 変えられると妄想することはありません。

条件4. コミュニケーションが合理的

 理系脳の人が話す内容にはムダがなく、
 盛り込まれる情報には過不足がありません。

 対面でも文書でも、愛想を振りまくより、
 必要な事が最短で伝わるコミュニケーションを
 心掛けます。

本書では理系脳を持つ代表的な著名人として、
以下の名前を挙げていました。

イーロン・マスクさん、ジェフ・ベゾスさん、
マーク・ザッカーバーグさん、北野武さん、
習近平さん、豊臣秀吉さん。

もし、「イーロン・マスク」と聞いて、
ピンとこなければ、あなたは文系脳の
持ち主である可能性があります。

理系脳の人にとっては、マスクさんが
手掛けるテスラ・モーターズやスペースXの
事業は、新しい技術として興味の対象と
なるからです。

これらの特徴や著名人を見て、もし、
あなたが理系脳ではなく、文系脳だと
わかっても大丈夫です。

思考法を変えることで、文系脳から
理系脳に変えることができるからです。

そして、将来的に自分の仕事が奪われるか
どうかよりも、理系脳になると幸せな人生を
送ることができるかもしれません。

  「理系脳になることはストレスフリーに
  なることだ。理系脳の定義を思い出してほしい。
  新しいものに興味があって、刹那主義で
  未来志向で、コミットの範囲が明確で、
  コミュニケーションが合理的。
  これは移り気でその場しのぎでよく、
  世の中の難しいことを考えることも
  人付き合いに疲弊する必要もないという
  ことだ。」

この本から何を活かすか?

理系脳の人は、「仮説と検証」を繰り返します。

それが、遠回りしているように見えても、
確実に成功するための最短のルートです。

しかし、どれだけ仮説を立てても、
検証が追いつかないことがあります。

ここで重要なのが、何がなんでも検証する
ことにこだわらないこと。

世の中には、検証不可能なことは、
いくらでもあります。

できないことは、できないと割り切って
未来志向で前に進むことが大切なのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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武器としての経済学

満足度★★★
付箋数:24

  「近年はカーシェアリングやシェアハウス
  など誰かが所有しているモノや空間を
  複数の人で共有する “シェアエコノミー
  (共有型経済)” が広がってきたが、
  これからはウーバーやエアビーアンドビー
  のように空いているモノや空間を
  ニーズのある人に提供して活用する
   “アイドルエコノミー(余剰活用型経済)” 
  (私の造語)が主流になるだろう。」

ウーバー(Uber)とは、スマートフォンの
アプリを利用した配車サービス。

一般個人の空いている車をタクシー代わりに
使い、アプリに乗用場所と行き先を
入力すると、近くにいる登録済みの車の
到着時間や料金の目安が表示されます。

その便利さと料金の安さが人気を集め、
世界中に事業を拡大しています。

エアビーアンドビー(Airbnb)は、
世界最大級の宿泊予約サイト。

個人が所有する空き部屋や一軒家などを、
インターネットを介して、宿泊希望者に
仲介する民泊のプラットフォームです。

登録されている物件は、城、ツリーハウス、
ボート、島まるごとなどもあります。

いずれのサービスも、日本では法律面で
簡単にクリアできないところがありますが、
世界ではインターネットを通じて
「空いている」ものを手軽に利用する
サービスの流れが起きています。

こうしたサービスが経済の中心となることを
大前研一さんは「アイドルエコノミー」と
呼んでいます。

日本でも、不動産会社が扱っていない、
「軒先」の物件やスペースを対象にして、
ウェブ上で貸したい人と借りたい人を
マッチングするサービスを提供する
「軒先.com」があります。

また、空いている月極や個人の駐車場を
一時利用できるサービスを展開しているのが、
「akippa(アキッパ)」。

空いているものを有効活用するサービスは、
少子高齢化社会だからこそ、まだまだ広がって
行く可能性があるようです。

これは、ひとつのビジネスモデルと言うより、
資産を持たずに、空きリソースを有効活用する
「経済の新しいフレームワーク」。

これまでの経済の流れを変える本質的な
変化だと、大前さんは見ています。

本書は、「経済学」という学問ではなく、
実際の企業の活動や新しいサービスから、
どのような経済活動が繰り広げられるかを
俯瞰した本です。

個人的には、日本の自動車産業が今後、
どうなっていくかが気になっていたので、
なかなか興味深い内容でした。

大前さんの見立てでは、自動運転技術は、
単なる技術革新ではなく、業界そのものを
根底から覆す可能性があるというものでした。

本書は、大前さんが連載している小学館の
国際情報誌「SAPIO」で、経済に関する
疑問を読者から集め、それに対する答えを
25のテーマでまとめたものです。

「週刊ポスト」に連載している記事と
書き下ろしを加えて編集したようです。

為替、物価、株式、金融政策、不動産市況、
年金、税制、チャイナリスクなど、
扱うテーマは多岐にわたっています。

雑誌の連載を読んでいる方にとっては、
聞き慣れた話かもしれませんが、
わかりやすく、大前さんらしい視点が
取り入れられた本だと思います。

この本から何を活かすか?

大前さんは、日本の自動車産業は、
今後10年で窮地に立たされることを
予想しています。

その鍵となる大きな変化は、次の3つです。

 1. カーシェアリングのさらなる普及
 2. ガソリン車から電気自動車(EV)への移行
 3. 都市の自動運転化

もし、こうした変化に対応できなければ、
自動車産業は「遠くない未来になくなる」と、
大前さんは予想しています。

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| 経済・行動経済学 | 05:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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他人をバカにしたがる男たち

満足度★★★
付箋数:22

  「なぜ、優秀なミドルほど、転職して
  しまうのか? なぜ、これだけ女性活用と
  いいながら、いまだ日本の男女格差は
  世界最低レベルなのか? なぜ、いっこうに
  非正規社員の賃金は上がらないのか?
  答えはひとつ。 “ジジイの壁” は不滅
  だからです。」

本書で言う「ジジイ」とは、年齢的なものを
指しているのでも、男性のことを指している
のでもありません。

あくまで「ジジイ的なるもの」の象徴として、
「ジジイ」という表現を使っています。

ジジイ的なるものとは、自分の保身のため
だけを考えている人のことです。

保身だけを考えているので、会社の中では、
上だけを見て仕事をします。

その一方で、ジジイは自分を脅かさない、
部下のことを見下し、バカにします。

さらに、自分が会社にしがみつくことに
影響しない、社外の人もバカにします。

特にジジイは、社外の人は肩書だけで
判断しますから、立場の弱いコンビニの
店員や、タクシーの運転手に対して、
暴君になることも多いようです。

では、ジジイ化する人と、そうでない人の
違いは、いったい何か?

本書の著者、河合薫さんは、「SOC」が
欠けているかどうかの違いと説明します。

SOCとは、Sense Of Coherenceの略で、
日本語にすると「首尾一貫感覚」となります。

わかやすく言うと、人生のつじつま合わせ
をする力のことです。

これは、ユダヤ系アメリカ人の健康社会学者、
アーロン・アントノフスキーさんが提唱した
概念です。

誰もが認める成功者やレジェンドと呼ばれる
人たちは、例外なくSOCが高いようです。

SOCが高いと、仕事や人生の満足感も高く、
健康状態も良好で、やる気に満ちあふれて
います。

一方、人生のつじつま合わせをする力が
ないジジイは、他人をバカにして低く
見ないと、自分の実力では不安で、
自分を保っておくことができないのです。

  「本書は、他人をバカにして会社に
  しがみつく “ジジイ” にならないための
  指南書です。SOCに欠けているジジイの
  言動を分析し、それを反面教師に
   “高いSOC” を獲得することを目的として
  います。」

私たちは、ある程度の年数を生きていると、
自分の意思では止めることも、避けることも
できない、危機や困難に遭遇します。

「なぜ、自分だけが?」と思うかも
しれません。

特に会社員として働いていると、
理不尽なことのオンパレードと感じます。

しかし、実際は経営者になったり、
独立しても、それはなくなりません。

もっと大きな社会の理不尽さに直面する
だけなのです。

雇われる立場でも、雇われない立場でも、
人生を歩んでいく上では、それほど大きな
違いはありません。

理不尽なことや、困難なことに遭遇しても、
「ま、仕方がない」と自分の中で、
なんとかつじつまを合わせる力が必要です。

自分の気持ちに折り合いをつけることで、
嘆き続けることをやめ、顔を上げて、
前を向いて歩くことができるのです。

本書は、健康社会学の観点から、
現代人の生態を鋭く分析しています。

ただ、個人的には「ジジイ」という表現が
連呼されていて、あまり気分が良くない
ように感じました。

これは、私が「ジジイ」的要素を持っている
からなのかもしれません。

この本から何を活かすか?

個人的に、SOC、つじつま合わせの力で、
凄いと思うのは、プロサッカー選手の
三浦知良さんです。

1998年のワールドカップフランス大会の
日本代表から三浦さんが外れたときは、
日本中に衝撃が走りました。

W杯メンバーから落選という最大の衝撃を、
自分の中でつじつま合わせをして消化したから、
50歳を過ぎても現役という「生ける伝説」に
三浦選手はなったのでしょう。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと

満足度★★★
付箋数:24

TAC株式会社出版事業部の藤明さんから
献本いただきました。ありがとうございます。

あなたは、自分が興味があることを試すために、
せっかくもらった内定を辞退して、
1年間没頭して取り組むことができますか?

大学を卒業して、企業に就職することは、
人生の中でも大きな決断の1つです。

本書の著者、クリス・ベイリーさんが、
そんな重要な就職を投げ打ってでも、
どうしても試してみたかったのは、
「生産性」を上げる実験です。

なぜなから、ベイリーさんは、生産性を
上げることが、人生の「質」を上げることに
直結すると考えているからです。

  「2013年5月に大学を卒業して、ぼくは正式に
  2社からの内定を辞退した。それからすぐ、
   “生産性の1年(A Year Of Procutivity)” 、
  略してAYOPという名前のプロジェクトを
  スタートさせた。AYOPの内容はいたって単純。
  丸々1年間、生産性についてなんでも貪欲に
  取り入れて、自分のウェブサイトに知り得た
  ことを書き込む。」

ベイリーさんは丸1年かけて、次のことに
取り組みました。

 ・生産性に関する書籍や学術書を片っぱし
  から読む。名の知れた研究は深く掘り下げる。

 ・生産性の専門家に取材し、彼らがどのように
  生産的な毎日を送っているかを確かめる。

 ・生産性に関する実験をできるだけ多く行う。
  自分が実験台になって本当に役立つか調べる。

本書は、ベイリーさんが身を削って、
1年かけて行った壮大な実験と研究の記録です。

「6日間で35時間瞑想する」「週90時間労働を
数週間続ける」「毎日5時半に起床する」
「TEDトークを1週間に70時間見る」
「筋肉を10ポンド増やす」「完全にひとり
きりで生活する」「1ヶ月、飲み物は水だけ
にする」などなど。

ベイリーさんが、数々の実験を行って
わかったのが、3つの要素が生産性に大きく
関わっているということでした。

その要素とは、「時間」「集中力」「活力」。

この3つの要素をコントロールすることが、
生産性を高める鍵となっているのです。

ちなみに、「毎日5時半に起床する」実験では、
早起きはベイリーさんにとって有効でない
ことがわかりました。

無理して、早く起きることで、かえって
集中力と活力が落ちたそうです。

  「生産的かどうかは、目覚めている時間に
  何をしたかによって左右される。
  早寝早起きはすばらしい。だが、ぼくには
  もっと遅い時間に起きるほうがあっていた。」

また、ベイリーさんは現代人の誰もが、
つい依存しがちな「ネット断ち」の実験も
行っています。

インターネットは魅力的すぎて、
仕事の生産性を根こそぎ奪い取っています。

ベイリーさんも、実際にネット断ちしてみると、
最初の数週間はかなりキツかったようですが、
時間が経つとその誘惑は消え、時間の浪費と
集中力が削られることが減ったそうです。

  「ネットの接続を切ることは生産性を高める
  最良の手段だ。浪費する時間が減るだけで
  なく、仕事と生活の両面でもっとも実りが
  多く意味あるタスクに注力できる。」

実際に、体を張って実験したからこそ、
実感できたことが多かったのでしょう。

本書では、ベイリーさんが生産性の実験に
没頭して発見した25のことを紹介します。

その内容があまりにもユニークなため、
FORTUNE誌で注目されたり、TEDが取材に
来たというのも納得できる内容です。

日本版では、「4コマまんが」を挿入して、
さらにユニークさを際立たせています。

この本から何を活かすか?

英語版となりますが、ベイリーさん
ご本人のAYOPに関する解説映像です。



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| ノウハウ本 | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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国連で学んだ修羅場のリーダーシップ

満足度★★★★
付箋数:24

あなたは、もう一度生まれ変わったら、
今と同じ仕事に就きますか?

この質問に、迷わず「ハイ」と答えられる方は、
それほど多くないかもしれません。

今の仕事が余程充実したものでなければ、
なかなか同じ仕事をしたいとは、
言えないでしょう。

本書の著者、忍足謙朗(おしだり・けんろう)
さんは、生まれ変わっても、
もう1回、同じ仕事をやると言います。

その理由は、忍足さんは、さまざまな
困難や危険を経験してきましたが、
ひとえにその経験が面白かったからです。

本書は、大学を卒業して就職してから、
引退するまでの、忍足さんの職業人としての
回想録です。

忍足さんは、国連世界食糧計画(WFP)で、
アジア地域局長を務めた方です。

以下、忍足さんのプロフィールです。

  「30年以上にわたり国連に勤務し、
  人道支援、開発支援の現場で活躍。
  WFPでは、ボスニア紛争、コソボ紛争などの
  紛争地、カンボジア、スーダンなどでも
  大規模な緊急支援の指揮をとる。
  北朝鮮の食糧支援にも関わり、何度も視察に
  入った。2015年に帰国し、国際協力に興味を
  もつ若い世代の育成に貢献している。
  TBS “情熱大陸” やNHK “プロフェッショナル
  仕事の流儀” に出演して話題となった。」

ちなみに、日本テレビ「世界一受けたい授業」
にも出演しています。

忍足さんは、小学校から高校までは日本の
インターナショナル・スクールに通いました。

高校を卒業してから、アメリカの大学に
進学して修士号まで取ります。

最初に就職したのは、国連開発計画(UNDP)
という組織で、すぐにアフリカのリビアでの
勤務が命じられました。

その後、国連人間居住計画(UN-HABITTAT)
という組織に移り、ケニアに赴任。

さらにその後、国連世界食糧計画(WFP)へ
転職し、25年以上にわたり活躍しました。

WFPは、1961年に設立された、
国連の中では、比較的新しい組織です。

世界80カ国で活動する、世界最大規模の
人道支援組織で、年間平均300万トンもの
食糧を世界中に配給します。

どこかの国で自然災害があり、緊急支援が
始まると、支援の寄付が集まるまで、
一時的にWFPが国連本部からお金を借りて、
建て替えます。

そして、WFPは他の国連組織やNGO
などの輸送任務も代行しています。

なんと、1日に飛行機50機、船30隻、
トラック5000台を稼働させるロジスティクスの
プロ集団でもあります。

世界中には、毎日の食べるものが十分にない、
食料安全保障が実現していない人たちが、
約8億人いると言われています。

そうした人たちが、紛争や自然災害などの
被害を受けたときに、食糧を配給する
中心的な役割を担うのがWFPなのです。

その組織の中で、忍足さんは紛争地などの
修羅場に飛び、緊急支援でリーダーシップを
発揮してきました。

とにかく、忍足さんの唯一無二の経験は、
読んでいて面白い。

本書で、リーダーシップが学べるかどうかは、
別にして、読む価値の高い本だと思います。

 プロローグ 国籍のないパスポート
 第1章 アフリカで国連職員として働く
 第2章 紛争地域で緊急支援する
 第3章 カンボジアと北朝鮮
 第4章 本部で学んだリーダーシップのあり方
 第5章 スーダンの修羅場で判断を下す
 第6章 生まれ変わっても、またこの仕事を
    やるだろう

この本から何を活かすか?

  「最後に、最も好きな言葉を紹介しよう。
   “Do the Right Thing v.s. Do Thing Right”
  その意味は、判断を迫られた時に、
   “ことを正しくやるよりも、正しいことやれ”
  である。僕のキャリアの中でも、特に修羅場と
  なった緊急支援において、組織のルールを
  破ってでも正しいと思う決断をしてきた
  つもりだ。」

いつも物事を大局的に見ていないと、
何が「正しいこと」か見失ってしまいます。

ましてや、組織のルールを破ってでも、
正しいことを選択するのは、相当な勇気が
いることだと思います。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:01 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

満足度★★★
付箋数:24

  「2012年の春の日にエージェントが電話を
  よこして、本の共著に興味あるかと尋ねた。
  真っ先に言ったのは “ない” の一言だった。
  物書きが集まって苦労話をするとき、
  最もぞっとするものはクリエイティブな
  協働作業がおかしくなったものについての
  話なのだ。ほんの好奇心で “ちなみに相手の
  書き手は誰?” と尋ねた。
   “伊藤穰一” とエージェント。
   “おっと。それなら、ある” と私は答えた。」

こう語っているのは、本書の共著者の一人、
ノースウェスタン大学助教授で、
MITメディアラボ客員研究員のジェフ・ハウさん。

ハウさんは、現在、普通に使われている
「クラウドソーシング」という言葉の
生みの親です。

ハウさんが、名前を聞いただけで、
一緒に仕事をしたいと心変わりした相手は
伊藤穰一さんです。

伊藤さんはベンチャーキャピタリストとして
世界的に有名で、現在はMITメディアラボの
所長を務めている方です。

日本ではNHK Eテレのる語学教養番組、
「スーパープレゼンテーション」の
ナビゲーターとしても知られています。

恐らく、本書を手に取った方のほとんどは、
「伊藤穰一」という著者名を見たからに、
違いないでしょう。

ハフさんをはじめ、みんな伊藤さんが
何を語るのかを知りたいのです。

原題「Whiplash: How to Survive
Our Faster Future


Whiplashとは、むち打ち症のことです。

むち打ち症になってしまうほどの
急激な速さで変化する未来を、私たちは
どう生き延びるかを論じた本です。

その未来を生き残るための術が、
「9つの原理(ナイン・プリンシプルズ)」
としてまとめられています。

  1. 権威より創発
  2. プッシュよりプル
  3. 地図よりコンパス
  4. 安全よりリスク
  5. 従うより不服従
  6. 理論より実践
  7. 能力より多様性
  8. 強さより回復力
  9. モノよりシステム

伊藤さんの哲学がまとめられているので、
具体的なノウハウではなく、少し抽象的な
内容です。

未来を生き抜くための術ですから、
あまり内容が具体的過ぎると、
すぐに陳腐化してしまいます。

そのため、この程度の抽象度は
必要だと思います。

個人的に気に入ったのは、5つ目の原則
「従うより不服従」です。

  「不服従、特に問題解決のような極度に
  重要な領域での不服従は、しばしばルール準拠
  より大きな見返りをもたらす。
  イノベーションには創造性が必要で、
  創造性は―善意の(そしてあまりに善意でない)
  管理職たちの大いなるフラストレーションの
  源ではあるけれど―しばしば制約からの自由を
  必要とする。(中略)
  偉大な科学的進歩に関するルールは、
  進歩のためにはルールを破らねばならない
  ということだ。言われた通りにしているだけで
  ノーベル賞を受賞できた人はいないし、
  だれかの設計図にしたがっていただけで
  ノーベル賞をもらえた人もいない。」

社会の役に立つ、良心を持った「不服従」が
イノベーションを生むのです。

解釈が少し難しい部分もありますが、
なかなか刺激的な本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「台風が吹き荒れたとき、鋼鉄のように
  強い樫の木は砕けるが、柔軟で回復力のある
  葦は低くたわみ、嵐が通り過ぎるとまた
  跳ね起きる。失敗に抵抗しようとして、
  樫の木はかえってそれを確実にして
  しまったわけだ。」

本書では、サイバーセキュリティの分野で
「強さより回復力」が語られていました。

個人的には、この原則は他の分野でも
広く応用が効くと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 05:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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苦労して成功した中小企業のオヤジが新人のボクに教えてくれた 「上に立つ人」の仕事のルール

満足度★★★★
付箋数:26

著者の嶋田有孝さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「本書は、私が社長を務める株式会社
  日経サービスにおいて研修資料として作成
  したもので、文中にでてくるオヤジは、
  当社の創業者、近藤勲です。」

株式会社日経サービスは、大阪に本社がある
アウトソーシングの総合企業。

主にビルメンテナンス、警備保障、人材派遣、
メディカルサービス、駐車監視などの
人材派遣を行っている会社です。

本書は、同社の創業者、近藤勲さんから、
嶋田さんが学んだ「教え」を小説仕立てで
まとめた本です。

近藤さんは、既に10年以上前に引退。

しかし、嶋田さんは、創業者の経営に
かける思いを、後輩たちに伝えたいと考え、
当時の経験を研修で語るようにようにしました。

本書は、その研修用のエピソードを
まとめて、書籍化したものです。

  「本書に出てくるエピソードは、二十年以上
  前のものばかりです。当時と比較すると、
  社会の環境も、人々の意識も、大きく変化
  しました。しかし、いくら時代が変わっても、
  決して変わらないものもあります。
  それが、原理原則であり、仕事のルールです。
  オヤジは、いつの時代も変わらない仕事の
  ルールを私たちに教えてくれたのです。」

話は、嶋田さんが入社した当時の平成元年、
バブル景気の真っ只中から始まります。

舞台は、ビル管理を営む大阪の中小企業。

嶋田さんは、入社後、社長室勤務を命じられ、
配属された初日から毎日1時間以上、
近藤さんから叱られる日々を送ります。

しかも、たしなめられるような叱り方
ではなく、凄まじい勢いの罵倒でした。

  「連日のように “アホ”  “ボケ”  “帰れ”
  と言われ、ときに書類を投げつけられた。
  今の時代だったら完全にパワハラだろう。
  何度も辞めようと思った。でも、辞めることは
  できなかった。それは、オヤジの叱り方が
  表面上は厳しかったが、中身はとても
  温かかったからだ。
  オヤジは、典型的な大阪の中小企業の経営者だ。
  とんでもなく時代遅れだが、その教えは、
  深く考えさせられる内容が多かった。」

まさに、「ザ・昭和」的な雰囲気ですが、
さすがに実体験に基づくストーリーだけあって、
どのエピソードも非常に説得力があります。

嶋田さんは入社後数ヶ月で、会社案内の
パンフレットを作ることを命じられます。

さまざまな企業の会社案内を研究し、
写真もふんだんに使い、デザインも優れた
パンフレットが出来上がりました。

しかし、近藤さんは、パラパラと数ページ
見て、「全然あかん、やり直せ」と一蹴。

嶋田さんが、どこがダメなのかを聞いても、
「全部ダメや」と納得できる答えは
返ってきませんでした。

その後も、嶋田さんは同じように、
納得できないまま何度もやり直しを命じられ、
やっとのことで会社案内は完成しました。

しばらく経ってから、嶋田さんは、
何度も却下された理由を聞くことができました。

  「お前に一つ教えといてやるわ。
  仕事をやっている本人は、『これが限界』
  『これで最高』と思ってる。だが、そこは
  まだ80点。すでに合格点やけど、もう一段
  上も目指せる。そういうケースがあるわな。
  ダメな上司は、そういうときに
  『まぁ、いいか』と妥協してオーケーする。
  これでは、最高のものはできへん。
  今回のケースだけでなく仕事すべてに
  言えることや」

近藤さんの教えは、仕事をしていく上で、
本当に必要な本質的なものばかりです。

本書は、特に若い世代の方には、
読むことを勧めたい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「まずゴキブリは、なんといっても
  スピードが速い。そして、普段は目立たへん。
  小さな隙間でひっそりと生きとる。
  しかも少しの物音にも敏感や。
  中小企業は、ゴキブリのようにならなあかん。
  スピード、隙間、敏感。
  この3つを常に意識する。
  そうすれば大手も怖がる存在になれる。
  中小企業生き残りのコツは、そこにあるんや」

これは近藤さんが語る「中小企業ゴキブリ論」。

うまく伝えるのが上手い人は、
このように、予想外のものに喩えるのが
上手いですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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齋藤孝の 知の整理力

満足度★★★
付箋数:24

  「本書のテーマにもなっている “知性” ですが、
  いったいどのようなものなのでしょうか。

  私は、 “言葉” こそが知性と考えます。

  ですから、言葉をたくさんストックしており、
  なおかつ、言葉を自在に操れる人が、知的な人
  と言えます。」

齋藤孝さんは、「知性」とは「言葉」であると、
定義しています。

知性がある人は、相手のレベルを瞬時に読み取り、
そのレベルに合わせた「言葉」を使い、
適切で知的なコミュニケーションをとることが
できるのです。

では、知的な人は、普通の人とどこが違うのか?

齋藤さんが指摘するのは、「頭の整理の仕方」。

言葉としてアウトプットするためには、
集めた知識をどのように整理するかが重要です。

整理の方法は、大きく分けて「外的整理」と
「内的整理」の2つがあります。

外的整理とは、自分の頭の外側の記録媒体で
整理する方法です。

書類をファイルに入れてまとめておいたり、
パソコンからデータを取り出しやすいように
整理しておくことが外的整理に当たります。

これは「やらないより、やったほうがマシ」
という程度で、齋藤さんは外的整理を
あまり重視していません。

本書で重点的に解説されるのが、
頭の中を整理する「内的整理」です。

情報過多の時代だからこそ、
内的整理で、どのように情報を整理して、
記憶するかが重要になってくるのです。

齋藤さんは、本書で内的整理をするための
2つの方法を紹介しています。

1つ目は、カオス型整理法。

これは、自分が面白いと思った知識を記憶し、
整理するときの方法です。

自分の中の好奇心のセンサーに反応した
情報を集め、個人的な経験とつなげて、
整理していきます。

自分の経験に引き寄せるので、
生きた知識として記憶されます。

2つ目は、秩序型整理法。

この方法では、すでに体系立っている
知識を記憶し、整理する方法です。

具体的には、本や教科書の「もくじ」を
コピーして、そこに書かれている内容を
メモして情報を整理します。

この方法は「もくじ勉強法」として
紹介されていました。

最初は、紙を使ってそこに書き込むことで、
情報を整理していきますが、最終的には、
そろばんの暗算をするように、頭の中だけで
キーワードを整理することを目指します。

他にも、要約して骨組みだけ記憶したり、
知識を図にしてキャプションをつけて
整理したり、レジュメを作成する方法などが
紹介されていました。

また、本書でページを割いて解説されて
いるのが、知を磨くための「読書」です。

読書は、想像力、要約力、俯瞰力、バランス力、
発想力、つなげる力、時間的空間的視野などの
「知性の基礎力」を養うことができます。

  「本を読むことは読み手が言葉の意味を
  どれだけ捕まえられるかの戦いとも言えます。
  ともすれば、読書は受動的に見えるかも
  しれません。しかし、実際、読書は
   “知的な狩猟” とも言える、能動的な行為
  なのです。」

本書では、知識をインプットする方法、
頭の中の整理法、強化法、プレゼンテーションや
会議でのアウトプット方まで、広く知的生産の
技術を公開しています。

今まで、齋藤さんが他の本で書いてきた内容と
大きくは変わりませんが、「知」に関する
ノウハウが1冊に上手くまとめられています。

この本から何を活かすか?

  「私は、SNSが全盛になったことによる
  知性の鈍り方は、かなり危険なものがあると
  考えています。」

齋藤さんは、SNSが知性を奪うと指摘。

SNSで使われる言葉は、基本的に
「友人とのおじゃべり」レベルなので、
学びの時間にはならないのです。

SNSで時間を消費するよりは、少しでも読書に
時間を使って、偉大な先人の思考をなぞる
ことが推奨されています。

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| ノウハウ本 | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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本当は中国で勝っている日本企業

満足度★★★
付箋数:21

オトバンクの上田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「この本のタイトルは『本当は中国で
  勝っている日本企業』だが、現在、中国で
  成功している日本(日系)企業は、
  皆さんが思っているよりずっと多い。

  なぜ中国で勝っている会社ほど、
  あまり知られていないのか?

  ひとつは中国企業に売ることが増えたから
  である。一般の中国人消費者に売る消費財
  と違い、メディアも企業も、積極的には
  伝えてこなかった。」

日本国内での市場の伸びが限界に近づいた
企業にとって、巨大な人口を抱える中国は、
どうしても押さえておきたい市場です。

しかし、日本企業が中国で成功することは
簡単ではありません。

これまでにも多くの企業が、一度は中国に
進出するものの、日本でのやり方が通用せず、
撤退を余儀なくされてきました。

しかし、日本ではあまり知られていなくても、
中国市場で成功を収めている企業があります。

中国では、どんな日本企業が、どのように
して勝っているのか?

本書は、中国でビジネスを行う日本企業と
現地のビジネスパーソンに丹念に取材を重ね、
中国市場で勝つための秘訣を探った本です。

著者は、ダイエーと中国の合弁会社で
5年間勤務した後、北京大学経済学部に留学し、
そのまま北京で執筆・創作活動を続けている
谷崎光さんです。

谷崎さんの本では、商社時代の中国での
ビジネスの様子をコミカルに描いた
中国てなもんや商社』が大ヒットして、
1998年に松竹で映画化もされました。

谷崎さんは、今年で北京在住17年目。

本書で紹介される日本企業は7社あります。

 第1章 三菱電機
  中国全土にファクトリーオートメーション
  を売れ!
 第2章 富士電機
  スマホ支払い自動販売機で中国大陸を
  制覇する
 第3章 伊勢半
  アジア全域の口コミパワーが爆売れを
  呼んだ
 第4章 キユーピー
  中国人の舌と胃袋をとりこにした
  「味」の秘密
 第5章 良品計画 ユニ・チャーム 名創
  中国人を離さない、
  品質の良さ×デザイン性×マーケティング
 最終章 中国で本当に勝つ方法
  匿名でしか語れない本音のホンネ

個人的に気になったのは、中国で自動販売機の
ビジネスが成立するかです。

自販機の中の現金や商品が盗まれたり、
売上がごまかされることが多かった中国。

しかし、フィンテックが発達することで、
スマホ決済が可能になり、この問題が
解決しました。

現在の中国の自販機には、お金をスマホで
支払える液晶パネルが搭載されています。

この決済方法が可能になってから、
中国での自販機の設置台数は、
劇的に伸びました。

何よりも、このスマホでの支払い方法だと
日本では考えられないリスクも回避できます。

それはニセ札をつかまされるリスクです。

日本では、固定電話から携帯電話を経て、
スマホと段階を踏んで普及しましたが、
中国では地域によっては最初からスマホが
普及しています。

こうした一足飛びで物事が進化する波が、
中国では何度も訪れているようです。

本書では日本で聞く「中国経済崩壊論」
では伝わってこない、中国の実情を
リアルに、かつコミカルに伝えています。

この本から何を活かすか?

中国のマヨネーズ市場は99%はキューピーが
占めています。

キューピーが中国で躍進したのは、中国人の
舌にあった商品を開発したからです。

それはキューピースイートマヨネーズ。

果物に使う酸味を抑えて甘くした味付けの
マヨネーズです。

中国では、果物にこのマヨネーズを
和える食べ方が、大好評を得たようです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!

満足度★★★★
付箋数:23

日本人は、どうやったら英語が話せるように
なるのか?

本書は、作家・編集者の大橋弘祐さんが、
こんな素朴な疑問を専門家にぶつけた本です。

話を伺った専門家はスティーブ・ソレイシィさん。

英会話を勉強している方にとって、
スティーブさんは説明不要かもしれませんが、
念のため、簡単なプロフィールを紹介します。

スティーブさんは、1999年から2003年まで
NHK教育テレビで「はじめよう英会話」の
講師を務めました。

実は、私もこの番組でスティーブさんの
ファンになりました。

2012年からは、NHKラジオ第2放送で、
英会話タイムトライアル」を担当しています。

また、スティーブさんの英会話本では、
次の2冊が最も有名です。

  『英会話なるほどフレーズ100
  『英会話ペラペラビジネス100

私もこの2冊を使って、随分、練習しました。

なぜ、日本人は英語が話せるように
ならないのか?

スティーブさんが挙げる理由は主に2つです。

1つ目の理由は、日本人は、英語を使えない
ように教育されてしまったから。

学校で、一語一句間違えない100点満点の
答えを導くことを重視して教わったことが
英語を話す時の足枷になっているのです。

2つ目の理由は、大人になってからも
間違った勉強や勉強方法に走りがちだから。

「聞き流すだけで英語が身につく」
「2週間で英語がペラペラになる」

こういった安易な教材に走ってしまい、
英語を身につける前に挫折してしまうのです。

また、TOEICで高得点をとるための勉強も
英語が話せるようになるには回り道。

受験勉強の延長でTOEICの勉強を頑張って、
高得点なのに話せないというのが、
日本人にありがちなパターンです。

スティーブさんは、TOEICの勉強が
まったく無駄とは言っていませんが、
これを突き詰めるよりも、スピーキングに
時間をかけることを勧めています。

  「650点くらいまで行ったら、それ以上は
  すごく細かい試験対策やマニアックな知識が
  必要になるから、その時間で話す練習に
  力を入れたほうがいいよ」

では、どのように練習をすると、
英語が話せるようになるのか?

スティーブさんが、やるべきこととして
挙げるのは2つです。

1つ目の方法は、「オンライン英会話」を
活用することです。

  「泳げるようになるためにはプールに
  入って泳がなければいけないし、
  漢字を書けるようになるためには、
  漢字を書かないといけないよね。
  同じように、英語を話すためには、
  実際にイングリッシュスピーカーと
  話をする必要があるの」

2つ目の方法は、「スピーキングテスト」
を受けること。

  「オンライン英会話で少し話せるように
  なってきたら、人に評価してもらう
  必要がある。そうしないと “話せる気がする”
  で終わっちゃうからね」

実際にスティーブさんが、20年以上、
英会話のコーチの仕事をしていて、
スピーキングテストを受ける人のほうが、
明らかに伸びることがわかったそうです。

スピーキングテストを受けると、
レベルアップのスピードが違うのです。

本書でお勧めされていたスピーキングの
テストはアルク社の「TSST」。

電話で24時間受けられる15分間のテストで、
9段階で評価されます。

受験料が8000円と、ちょっと高いですが、
費用対効果を考えたら、やる価値があると
スティーブさんは言っています。

この本から何を活かすか?

スティーブさんが、本書で教える英会話の
コツは「短い複数の文章で説明」することです。

  「先週、新しいiPhoneを買ったけど、
  落として壊れてしまった」

この文は次のように説明します。

  I got new iPhone last week.
  It's white.
  But I dropped it.
  So it's broken.

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| 勉強法 | 05:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事にやりがいを感じている人の 働き方、考え方、生き方。

満足度★★★
付箋数:21

著者の毛利大一郎さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「仕事で悩んでいる方々に、仕事の楽しさを、
  働くことの喜びを伝えたい。その想いを叶える
  ために、私はこの本を書こうと思い立ちました。
  おこがましいことは承知の上です。
  でも、本を通して、ひとりでも多くの方の
  仕事観を変えることができたらと、
  真剣に思っています。」

著者の毛利さんは、企業の採用や社員教育を
支援する会社に勤める方です。

そこで、求人や広報を作る仕事をしています。

毛利さんは、求人や企業PRの記事を書くために、
これまでアルバイトの方から社長さんまで、
年齢・性別・職位を問わず、1000人以上の方に
取材をしてきました。

本書は、毛利さんが取材した中で、
特に印象に残った10人の方の「働き方」を
紹介した本です。

  「本書にご登場いただいた十名は、私が心から
  尊敬できる方々であり、多くの方々にとって
  教訓となり得るような働き方や生き方を
  実践されています。しかし、十名とも、
  誰もが知るような有名人ではありません。
  私たちの近くにいる方ばかりです。
  近くにいるからこそ、 “なろうと思えば、
  なれる” 存在であると私は考えています。
  なれなくても “近づく” ことはできるはずです。
  つまり、本書は、本気で “なろう” と思って
  読んでいただける本であると思うのです。」

本書は、有名人ではない普通の人が、
普通の人について書いた、普通の人のための本。

紹介されているのは、いろいろな人生を
歩んできた一般の方々。

それぞれ生き方も、考え方も違います。

唯一共通しているのは、現在は「やりがい」
を感じて働いていることです。

だから、すごい偉業は達成していないけれど、
リアルな話としてスッと聞けて、
自分も「ちょっと頑張ってみようかな」と
思えるのです。

スティーブ・ジョブズさんや孫正義さんの
話を聞いて、異次元すぎて真似できないと
感じた方でも、本書なら大丈夫。

本書に登場するのは、本当の市井の人々です。

生き生きと働いている「職場の先輩」の話を
聞いているような印象でしょうか。

十人十色ですが、こんな考えを持っていれば、
今の職場にいても、楽しく働けて、
充実した人生を送れると感じるでしょう。

構成は、その方の写真、簡単なプロフィール、
現在の働き方をするようになった経緯、
本人からのメッセージ、となっています。

1人分、約20ページ程のボリュームです。

例えば、1人目として紹介される方は、
大手メーカーが扱う全館空調システムの
販売代理店事業を行う株式会社テクノスに
勤める、今津辰徳さん。

次のようなプロフィールの方です。

  「今津さんは、甲子園を目指した高校球児
  でした。その後、プロのミュージシャンに
  なる夢も追いかけました。現在の今津さんは
  テクノスで働くことに幸せを感じ、これからも
  ずっとテクノスで働こうと考えています。
  そんな今津さんが大切にしてきたのは、
  人との出会い、人とのつながりです。
  類まれなる義理堅さが、今津さんの人生を
  切り拓いていきました。」

本書に登場する10人の方の話を聞いていると、
どんな職場にいても、考え方ひとつで、
「自分らしい働き方」ができることが
よくわかります。

仕事に悩んでいる方は、働きがいのヒントを
何か見つけられるかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「仕事は、紛れもなく人生の一部です。
  その人の一部であると言い換えてもいい。
  人生そして自分の一部を好きになれなければ、
  自分自身を好きになることもできないと
  思います。まずは、仕事を好きになる方法を
  探すことから始めてみてはいかがでしょうか。」

仕事は仕事と、割り切って働く考えも
ありますが、自分の仕事を好きになることが、
充実した人生を送るための一番の近道です。

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| 仕事論 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アマゾノミクス データ・サイエンティストはこう考える

満足度★★★
付箋数:25

  「私はかつてアマゾンのチーフ・サイエン
  ティストとして、ジェフ・ベゾスとともに
  会社のデータ戦略を策定し、顧客を中心に
  モノを考える文化を創りあげた。
  社内の編集者が書いた製品レビューと、
  消費者が書いたレビューでは、どちらのほうが
  商品購入後の顧客の満足度は高くなるのか。
  従来型の人口動態に基づくプロファイリング
  から導き出したお薦め商品と、個人のクリック
  に基づくお薦め商品では、どちらのほうが
  購入に結びつきやすいのか。数々の実験を
  通じて、われわれはこうした疑問への解を
  見つけていった。その結果、メーカーが
  スポンサーとなったプロモーションより、
  本音のコミュニケーションのほうが有効
  であることが明らかになった。われわれが
  アマゾンで開発したパーソナライゼーション
  ・ツールは、消費者の意思決定のあり方を
  根本的に変え、eコマースにおける新たな
  スタンダードとなった。」

本書の著者、アンドレアス・ワイガンドさんは
アマゾンのチーフ・サイエンティストを務めて
いたため、本書の邦題は『アマゾノミクス』
とつけられています。

しかし、本書にはアマゾンの事例はたくさん
登場するものの、アマゾンに特化した本
ではありません。

原題『Data for the People: How to Make
Our Post-Privacy Economy Work for You
』。

本書は、企業はいかに個人データを扱うべきか、
個人はいかにデータが取得され、行動を把握
されるリスクと付き合うべきかを論じた本です。

本書はデータエコノミーの新たなルールを
検討しています。

  「われわれの生活はデータ企業につつぬけだ。
  データ企業は個人のデータを収集・分析し、
  売買することもある。(中略)
  われわれは自分たちに関わるデータの変更、
  交換、販売に対してある程度の発言権を
  持つべきであり、データ使用に関する条件の
  設定にもかかわる必要がある。
  われわれデータを作成する側とデータ企業の
  双方が、透明性と主体性を持たなければ
  ならない。そのためには、個人データや
  われわれ自身に対する考え方を根本的に
  変えなければならない。」

本書では、前半でわたしたちのデータが
実際にどのように取得され、活用されて
いるのかを、実例をあげて解説します。

後半では、わたしたちの身の回りにある
無数のセンサーが、様々な情報を取得する
ことが語られています。

センサーは2020年までに、世界中で1兆個が
配置され、わたしたちの位置のみならず、
人間関係や感情さえも読み解かれる可能性が
あるようです。

全米では毎月1億件のナンバープレート情報が
集められ、車がどこにいたか特定されます。

肌に貼れる最新の無線センサーは、
汗からストレスを探知し、視線追跡装置は
従業員の注意力を測定します。

さらに意思決定の際に、わたしたちの脳の
なかで起きていることを読み取る
fMRIスキャナーも登場しています。

ジョージ・オーウェルさんが『一九八四年
で描いたビッグ・ブラザーに監視される社会が
実現する可能性もあるのです。

そうならないために重要となるのは、
「透明性」と「主体性」の2つの原則です。

データの取得は危険だからやめるのではなく、
考えるべきは、わたしたちの生活の質を
高めるために、データをどう活用するかと、
そのルール作りです。

本書は、アマゾンの秘密に期待して読むと、
ちょっと期待外れと感じるかもしれませんが、
わたしたちとデータの付き合い方を考える
良書だと思います。

この本から何を活かすか?

アマゾンで、以前に買ったことのある
商品をカートに入れようとすると、
「過去に同じものを買っています」
と警告が出ます。

これは売る側にとっては、販売機会を
損失するリスクとなるかもしれません。

しかし、アマゾンが大事にするのは、
「できるだけ顧客を後悔させたくない」
との考えです。

最終的にそのほうが、顧客はアマゾンを信頼し、
よりアマゾンで買い物をするようになりす。

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| IT・ネット | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アメリカを動かす『ホワイト・ワーキング・クラス』という人々

満足度★★★
付箋数:24

オトバンクの上田さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

2017年1月20日、第45代アメリカ合衆国大統領に
ドナルド・トランプさんが就任しました。

当初は、誰もがトランプさんが大統領に
なることを予想せず、ただのジョークとして
語られることさえありました。

なぜ、トランプ大統領は、生まれたのか?

それは、トランプさんが「忘れられた人々」
と呼んだ層からの支持を得たからです。

この「忘れられた人々」が本書で解説される
「ホワイト・ワーキング・クラス」と呼ばれる
層です。

ホワイト・ワーキング・クラスとは、
その名の通り、「白人労働者」層のことです。

白人労働者層は、貧困層でもなければ、
エリート層や富裕層でもありません。

かつてのアメリカの製造業を支えていた
いわゆるブルーワーカーです。

彼らは1つの企業で真面目に勤め上げ、
家族を養うことを美徳としてきましたが、
時代の流れとともに、居場所を失いました。

白人労働者層は、これまでの政府やメディア
からは軽んじられ、大きな怒りと失望を
抱えていました。

彼らの怒りは、ポピュリズム=反権威主義
として政治的に大きな力となって、
トランプ大統領誕生の原動力となりました。

従来の白人至上主義が、アメリカ社会全体
から黒人やユダヤ教徒などの異分子を
排除しようとしたのに対し、トランプさんの
掲げた白人至上主義は異なりました。

トランプさんは、白人労働者こそ社会の
犠牲者であるという被害者意識に立って、
アイデンティティや尊厳の復権を訴えました。

こうした白人労働者の怒りがアメリカ社会の
背景にあったため、トランプ大統領は
生まれるべくして生まれたとも言えます。

ところで、ホワイト・ワーキング・クラス
とは、一体、どのような人々なのか?

実は、トランプ大統領が誕生するまで、
彼らはメディアからも疎外されていたので、
日本に住む私たちは、その実態をよく知らない
というのが本当のところでしょう。

実際、アメリカのエリート層にとっても、
「なぜ、ホワイト・ワーキング・クラスは?」
という疑問がたくさんありました。

本書の著者、ジョーン・C・ウィリアムズさんは
大統領選挙の日の夜から、この「なぜ?」に
答える記事をハーバード・ビジネス・レビュー
誌のウェブ版に発表してきました。

この記事は「アメリカのワーキング・クラス
について多くの人々が知らないこと」という
タイトルで掲載され、同誌の歴史において
最大の読者数を誇る記事となっています。

本書はそれをベースにまとめられた本です。

  ・なぜ、ワーキング・クラスは貧困層に
   反感を抱くのか?

  ・なぜ、ワーキング・クラスは専門職に
   反感を抱き、富裕層を高く評価するのか?

  ・なぜ、ワーキング・クラスは仕事がある
   場所に引っ越さないのか?

  ・なぜ、ワーキング・クラスは大学に
   行こうとしないのか?

  ・なぜ、ワーキング・クラスは子供の教育に
   熱心に取り組まないのか?

  ・ワーキング・クラスは製造業に仕事が
   戻ってこないことを理解していないのか?

私たち日本人は、この「なぜ?」という問い
によって、そもそも白人労働者に
そのような考えがあることを知ります。

本書は、世界に吹き荒れるポピュリズムを
支える「真・中間層」の実態をレポートする
良書です。

なかなか日本のメディアでは伝えられない、
ホワイト・ワーキング・クラスの真の姿と
その政治的影響がよくわかります。

この本から何を活かすか?

ホワイト・ワーキング・クラスの人々は、
自分たちより階層が下の、貧困層に対しては、
怒りを持っています。

それは貧困層に仕事を奪われ、彼らを救済する
医療保険制度によって、自分たちの負担が
増えているからです。

一方、ホワイト・ワーキング・クラスの人々は、
富裕層に対しては反感がないどころか、
逆に高く評価しています。

それは、そもそも富裕層とはあまり接点がなく、
彼らに対しては、手を差し伸べてもらいたい
という欲求があるから。

自分たちのすぐ上の階層の専門職からは、
日常的に差別や侮辱を受ける機会が多いので、
それと対比して富裕層がよく見えるのです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 05:58 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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感じる科学

満足度★★★
付箋数:22

  「この『感じる科学』は、私にとって転換点と
  なった作品です。それまでアホとかボケとかが
  口癖の旅行作家として活動していた私が、
  初めて執筆した旅行記以外の本がこの作品
  でした。」

さくら剛さんと言えば、個性的なタイトルの
旅行記で知られています。

書こうと思ったのか?

それは、専門家が「入門書」を書いても、
一般の人にとっては「難解」な本にしか
ならないから。

  「それにしても、毎回執筆の準備でたくさんの
  入門書・解説書を読むにつけ、この世には
   “入門させてくれない入門書” がいかに多い
  かを思い知らされます。タイトルで “入門編” 
   “簡単”  “誰でもわかる” を謳っているのに、
  中身は専門用語の羅列でちんぷんかんぷん、
  文章のあまりに不親切、理不尽さに、
  思わず激怒して八つ裂きにしてしまった本も
  数知れず・・・・」

私も、過去に「入門書」を読んでも、
難し過ぎて断念した本が何冊もあります。

やはり専門家は、専門家であるがゆえに、
一般の人との「わかりやすい基準」が、
ズレてしまっているのです。

本書は、そんな入門書が難し過ぎる問題を
解決するために、一般の人と入門書の
ギャップを埋めるために書かれた本です。

  「はじめに言っておきますが、この本は、
  バカバカしい本です。もちろん、取り上げる
  テーマはいたって真面目です。
  光りとはなにか? 相対理論とは?
  宇宙の外はどうなっている? タイムトラベル
  は可能か? 透明人間は作れるのか?
  テーマはこうした重厚で真面目なものばかり
  ですが、しかし、真面目なのはテーマだけ
  です。はっきり言ってこの本は、
   “光や宇宙や相対理論について説明した本”
  としては、過去にこの地球上で発売された
  中でも最もバカバカしい本だと自信を持って
  断言できます(涙)。」

相対理論や量子論など、各研究分野で
解明された事実は、初めて聞いたら誰もが
衝撃を受けて面白いと感じるものばかりです。

しかし、入門書が難しいばかりに、
その面白さに辿り着くまでに、
挫折してしまう人が多いのです。

そこで、本書では科学の各分野の中でも
「一番おもしろい」部分に的を絞って、
たくさんのバカバカしい話とギャグを
交えながら解説します。

例えば、「動いている物体の上や中では、
時間が遅れる」特殊相対性理論では、
こんな例が用いられています。

  「たとえば、婚活中のアラフォー女性の方で、
   “職場の年下男子を仕留めようと狙っている
  のだけど、彼は彼で年下女性がタイプ
  みたいで私なんて相手にされないの(涙)” 
  と苦悩している方がいたとします。
  そんなときは、一度職場に休職願を提出し、
  日曜大工で光速99.9パーセントのスピード
  が出るロケットを自作して1年ほど
  宇宙旅行に行くと良いでしょう。
  そのまま地球に帰還すればあら不思議、
  その1年間に意中の彼は20歳も歳を取って
  いるのです。これでめでたく、あなたも
  彼にとっての “年下の女の子” になる
  ことがデキますね。」

この本から何を活かすか?

「キリンは高いところの葉を食べるために
首が伸びた」と勘違いしている方は
意外と多いのではないでしょうか。

しかし、事実は「キリンの首が長いのは
ただの個性」なのです。

もともとキリンには、個体差がありました。

ちょっとだけ首の長いキリンは、
他のキリンよりちょっとだけ高いところの
木の葉などを余計に食べることができました。

そうして、ちょっとだけ首の長いキリンが
生き残って、首の長いもの同士で子孫を作り、
また、もうちょっとだけ首の長いキリンが
生まれていきます。

これを繰り返したのが自然選択(自然淘汰)
による進化なのです。

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| 科学・生活 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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40歳が社長になる日

満足度★★★
付箋数:24

日本では、ベンチャー企業や中小企業では、
40歳で社長になる方はいても、
伝統ある大企業において、40歳で社長になる
例はほとんどありません。

  「本書は『40歳が社長になる日』という
  タイトルですが、本意は “2025年、共創の
  リーダーたる40歳の社長を輩出する” 
  というものです。」

本書の著者、株式会社プロノバ社長の
岡島悦子さんは、遅くとも2025年には、
大企業においても40歳の社長が誕生すると
考えています。

本書は、大企業の経営者と大企業に勤める
30歳以下の社員の方に、そのような変化が
訪れるていることを知ってもらい、
覚悟と準備を勧める本です。

現在、大企業に勤める40歳以上の方には、
岡島さんが予想する大きな変化は、
「不都合な真実」です。

本書は、大企業以外の方が読んでも、
非常興味深く、なかなか刺激的。

ただし、40歳の社長が生まれる社会の変化が
起きていることは十分わかるものの、
話しが散漫で、少しロジックに弱さが
あるように感じました。

イノベーションには、持続的イノベーションと
破壊的イノベーションの2種類があり、
非連続の成長が必要な現代においては、
破壊的イノベーションが求められています。

ベンチャー企業では、1人のカリスマリーダーが
破壊的イノベーションを推し進めることが
できても、伝統的な大企業においては、
そうしたアプローチはうまく機能しません。

大企業では、チームでイノベーションを
創出していくため、リーダーに求められるのは、
破壊的イノベーションが起こりやすい土壌や
企業文化、ルールなどの環境を整えることです。

本書では、リンダ・A・ヒルさんの
ハーバード流 逆転のリーダーシップ』から
「羊飼い型のリーダーシップ」という表現を
借りています。

また、岡島さんは恩師でもあるヒルさんの
本から「逆転のリーダーシップ」という
コンセプトも引用しています。

これは、これまでのトップダウンによる
ピラミッド型の構造とは逆の意思決定を
行うモデルです。

顧客に最も近い現場の最前線の人たちが
専門性を駆使してチームで顧客インサイトを
探り、その情報が会社に取り込まれて、
最終的にリーダーのところまで流れて、
意思決定されます。

そして、この新しいリーダーシップに
対応するために、後継者育成計画を立てて、
今の30歳以下の世代を10年かけて育てるのが
岡島さんの構想です。

では、なぜ社長は、今の30歳以下の
世代でなくてはならないのか?

それは、今の30歳以下の世代には、
上の世代にない強力な武器があるからです。

それは、テクノロジー・リテラシー。

「デジタル・ネイティブ」であることが、
この世代の持つ大きな武器になっています。

個人的には、このデジタル・ネイティブ
であることが、リーダーとして
それほど重要な要素とは思えませんでした。

また、本書の後半では一度、
話しがダイバーシティの方に振れます。

ここでは「妙齢女性のかかりやすい10大疾病」
などが紹介されていて、面白い話題では
あるものの、少し話の焦点が定まらない
印象を与えていました。

この本から何を活かすか?

本書では、最後に新時代のリーダーとして
求められる「10要件」がまとめられています。

 1. 課題設定力、先見性、仮説構築力、大局観
 2. 変化中出力、変化適応力、カオス耐性、胆力
 3. 素直さ、伸びしろ、学習能力
 4. 自己効力感
 5. 比較優位となる強み(タグ)の自己認識と、
  機会開発力
 6. 多様性受容力
 7. 越境力、領域をつなぐ力、違う領域の人脈
 8. 共感力、熱量、物語力、チャーミングさ
 9. 機会提供力、コーチング力、環境整備力
 10. 意思決定力、実行力、仮説検証スピード

「10要件」と言いつつ、これだけ羅列されると、
一体何が重要なのかが、ぼやけてしまいます。

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| リーダーシップ | 09:45 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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西郷どん式 リーダーの流儀

満足度★★★
付箋数:21

著者の吉田幸弘さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「なぜ今、 “西郷隆盛” なのでしょうか?
  来年2018年、NHKの大河ドラマは『西郷どん』
  に決まりました。そう、西郷隆盛が注目
  されているのです。
  私は西郷さんこそ、リーダーのあり方を
  学べる人物だと思います。リーダー育成の
  講演を多くこなし、数冊の著書も上梓いたし
  ましたが、私自身、西郷さんにたくさんの
  ことを学ばせていただきました。
  いよいよ、時期が来たと思ったのです。」

NHKの大河ドラマは大きな影響力があり、
当ブログでも今年、西郷隆盛さん関連の本を
紹介するのは、これが2冊目。

本書の著者は、年間130本以上の講演や
研修を行う、経営者・管理職向けコーチングの
カリスマ、吉田幸弘さんです。

西郷さんが活躍した幕末維新の時期と、
現代には共通している点があります。

それは、時代が大きく変化する過程にあり、
誰もが先が読めず、手探りで不安な状態に
あることです。

そんな大きく変化している時代にこそ、
リーダーの本当の力量が問われます。

吉田さんは、現代の悩めるリーダーにこそ、
西郷さんのリーダーの流儀を学んで欲しいと
言います。

今年は西郷さんの没後からちょうど140年。

西郷さんが活躍した幕末維新の時期からは、
1世紀半以上が経過し、日本人を取り巻く
環境は大きく変わりました。

しかし、それでも西郷さんのリーダー論が
現代でも通じるのには、理由があります。

それは、西郷さんのリーダー論の本質が、
「情で人を動かす」ことにあるからです。

いくら時代が移り変わっても、
「人の心」だけは変わりません。

だから、西郷さんの人の心に訴える
リーダーのあり方は、現代でも十分に
通用するのです。

  「西郷さんの、 “人心を動かした
  リーダーシップ” は、現代の悩めるリーダー
  こそが役に立てるべきものだと思うのです。
  なぜなら時代が変わっても、リーダーが
  動かさなければいけない相手は人間である
  ことに変わりがないからです。」

個人的に、西郷さんの流儀の中で、
凄いなと思ったのが「ゆるす力」です。

戊辰戦争で、最後まで徹底抗戦した、
旧幕府軍の庄内藩に対しても、
「ゆるす力」が十分に発揮されました。

西郷さんは、敗北を認め切腹覚悟で降伏した
庄内藩士に「切腹して詫びるなどとんでもない」
と伝えました。

そして、降伏の証として武器一切の目録を
提出した庄内藩側に、「貴藩は北国の雄藩。
ロシアなどに備えて北方の守りをして
もらわねばいけません。武器はそのまま
お持ちいただければよか」と返したそうです。

さらに、新政府の面々にもこう伝えました。

「敵となり味方となるのは運命である。
一旦帰順した以上、兄弟も同じと心得よ」

降伏したといっても、1年近く戦争で争って
反乱を起こす可能性のある相手です。

そんな庄内藩への、あまりにも寛大な措置に、
藩主の酒井忠篤さんをはじめ、家老、藩士の
面々は感動し、一気に西郷さんを慕うように
なったと言います。

ここまでの度量を持って、相手を「ゆるす」
ことができる人は、なかなかいません。

  「敵対関係がある相手でも、
  詫びはちゃんと受け止める」

本書では、このように西郷さんの行動を
1つずつ紐解き、現代のリーダーが学ぶべき
流儀としてまとめています。

この本から何を活かすか?

西郷さんは、名だたる優秀な部下を
多く残してきました。

西郷さんは、どのようにして優秀な人材を
見抜いてきたのか?

西郷さんは、過去の実績や家柄などには
とらわれず、次の2点に重点を置いて、
人材を見極めたようです。

  ・いかに誠実であるか
  ・いかにリーダーにふさわしか

西郷さんは、自分ひとりでできることの
限界を知っていたので、部下を育てること
にも注力していたのでしょう。

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| リーダーシップ | 05:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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外資系コンサルのビジネス文書作成術

満足度★★★★
付箋数:26

  「 “外資系コンサルタントが扱う書類” と
  聞くと、PowerPpintによるチャートやExcelの
  表を思い浮かべる読者も多いだろう。
  しかしビジネスを動かすベースはWordで
  作成した文書である。PowerPpintやExcelは
  プロジェクトを加速させることはあっても、
  単体でビジネスを進めることはない。
  これはコンサルティング業界に限らず、
  すべての業種業界で言えることだ。」

本来、プレゼン用にはPowerPpint、
項目操作や数値計算を伴う表作成はExcelで
作成し、それ以外の「文書」はWordで作成
するのが適しています。

しかし、普段からWordで文書を作っている人は
それほど多くないかもしれません。

それどころか、これまでWordの文書など、
全く作ったことがない人もいることでしょう。

多くの人が、Wordを敬遠するのは、
箇条書きのマークが自動で変わってしまうなど、
設定を外さない限り、ありがた迷惑な修正が
起こり、煩わしさがあるからです。

それでも、1ページに収まらない文書や
変更履歴を残したいときなどは、
Wordで作成する方が適しています。

  「本書は単なるWordの使いこなしガイドブック
  ではありません。ビジネスシーンで求められる
  Word文書を、コンテンツの作り方とツールの
  使い方、その両方を合わせて解説する
  実践的なビジネス書です。」

著者の吉澤準特さんは、外資系コンサル会社の
日本支社で、ビジネスからシステムまで
幅広くコンサルティングを手がける方。

これまでに、次のような本も執筆しています。

 『外資系コンサルが実践する 資料作成の基本
 『外資系コンサルの仕事を片づける技術

ただのWordの操作方法の解説した本なら、
いくらでもありますが、ロジカルシンキングや
ラテラルシンキング、クリティカルシンキング
なども用いた、わかりやすく、魅せる文書の
作成方法を解説した本は珍しいと思います。

本書はロジックを構造化して、「4つのS」に
沿って文書を作成します。

 S1.ストラクチャー(Structure)
 ~論理構造を組み立てる~
  1.文書の目的をはっきりさせる
  2.ロジックを組み立てる

 S2.スタイル(Style)
 ~体裁を整える~
  1.更新しやすい文書を最初から作る
  2.推奨しない表記を避ける
  3.正しく記号を使い分ける

 S3.センテンス(Sentence)
 ~文書を整理する~
  1.言葉を簡単にする
  2.構造を単純にする

 S4.スキーマ(Schema)
 ~図表を活用する~
  1.Wordで表・図を使う
  2.チャート・グラフを使いこなす
  3.色を使い分ける

「ロジックを組み立てる」パートなどは、
さすがに外資系コンサルだけあって、
PREP法による論点のまとめ方などが
解説されています。

ちなみに、PREP法とは、Point(主張)、
Reason(理由)、Example(事例)、
Point(まとめ)からなるフレームワーク。

本書は、内容を盛り込み過ぎていて、
少し図表の文字が小さくなっています。

しかし、文書作成は、下手な本を何冊も
買うより、本書だけあれば十分です。

本書は文書作成の際には、すぐに引っ張り
出せるように、手元に置いておきたい一冊。

この本から何を活かすか?

本書では、「~性」「~的」「~化」の
熟語を使い過ぎないよう注意されています。

これらの接尾辞を持った熟語を多用すると、
文字数を節約できる反面、読みにくい文章に
なります。

「~性/~的/~化」を使うと読みにくく
なるようなら、その一部は熟語化せずに、
あえて文章で表現します。

例)課題性の高い物流安定化プロジェクトの
優先的推進によって、海外事業早期黒字化の
実現性を検証する。
       ↓
改)重要課題を抱えた物流安定化プロジェクト
の推進を優先することで、海外事業の
黒字達成を早めることができるか検証する。

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| 文章術 | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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頭がよくなる謎解き国語ドリル/算数ドリル/中学受験 見るだけでわかる理科のツボ

中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1さん
関連の本を3冊、献本いただきました。

ありがとうございます。

本日は、この3冊をまとめて紹介します。

最初の2冊は、以前に理科編と社会篇
紹介したことがある「謎解きドリル」シリーズ。

1冊目は国語ドリルです。

  「本書は、小学校低学年~中学年で身につけて
  おきたい言葉を中心に収録しました。
  パズル形式、クイズ形式の問題もあるので、
  楽しみながら語彙力を強化することができます。」

主に「言葉」関連の問題が掲載されていて、
入り口は、語彙力の強化ですが、
その先にあるのは、思考力を伸ばすことです。

なぜなら、世界は言葉でできているから。

目の前にある事柄も、言葉で表せて初めて、
頭が動き出すのです。

単なる中学受験用の問題集ではなく、
少し大袈裟な言い方をすると、生きていく力を
養ってくれると思います。

大人でも、これぐらいの教養は身につけて
おきたいと思える、言葉に関する問題が
収録されています。

2冊めは算数ドリルです。

  「本書では、低学年でも取り組むことができる
  問題から、中学入試レベルの問題まで、
  幅広いレベルの問題を収録しました。
  おおむね、各パートのはじめから5分の2は
  導入レベルの問題、次の5分の2は中学入試の
  基本となる問題、最後の5分の1は実践問題
  という構成になっていますので、学年に
  関係なく現在の学力に見合ったところから
  取り組むことができます。」

算数好きになるか、算数嫌いになるかの
分かれ道は、こういたクイズ形式の問題を、
解く楽しさを知ったか否かによると思います。

算数の問題といっても、文字と数字だけだと、
とっつきにくいところがありますから、
本書のように図や表、イラストをふんだんに
使った問題は、取り組みやすいと思います。

特に「数学」ではなく「算数」ですから、
知識として覚えているかどうかではなく、
純粋に思考力や想像力を鍛えられるのが
いいところですね。

では、本書から「速さ」に関する
初級レベルの問題を紹介します。

  「カメさんとウサギさんが50m競争をしました。
  同時にスタートしましたが、ウサギさんが
  ゴールしたとき、カメさんはまだ1mしか
  進んでいませんでした。このときと同じ速さで
  カメさんとウサギさんが進むとき、同時に
  スタートして同時にゴールするためには、
  ウサギさんのスタート位置を何m後ろに
  すればよいでしょう。」

考えるポイントは、時間が同じであれば、
距離は速さに比例すること。

カメさんが1m進む間にウサギさんは50m
進みますから、カメさんが50m進む間に、
ウサギさんは50m×50=2500m進みます。

「何m後ろにするか」を聞かれていますから、
元々の50mを引いて2500m-50m=2450mが
答えとなります。

頭を使い慣れていない人は、このレベルの
問題からやって、徐々にレベルを上げて
いくのがいいのかもしれません。

この本から何を活かすか?

さて、最後の1冊は「理科」に関する本です。

この本、何がいいかと言うと、
どうしたら理科が好きになるかという、
本質的な部分について書かれていることです。

理科ほど、日常の実体験が興味に直結する
科目はないと思います。

理科を単なる暗記科目と扱ってしまっては、
理科嫌いになってしまうかもしれません。

しかし本書では、普段の生活の中で、
「なぜ」かを考え、身をもって「驚き」を
体験することで、理科の面白さを知ることが
勧められています。

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| 科学・生活 | 05:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

満足度★★★★
付箋数:26

  「なぜ、世界のエリートは “美意識” を
  鍛えるのか?
  この、本書で立てた “大きな問い” について、
  忙しい読者のために、ここでまとめて回答を
  述べておきたいと思います。この回答以降の
  本書の内容は、すべてこの短い回答の
  脚注に過ぎないということになります。」

本書では、冒頭の14~21ページにかけて、
タイトルにもなっている「問い」の回答が、
書かれています。

つまり257ページ全部を読まなくても、
わずか7ページ程に目を通すことで、
すぐに答えを知ることができるわけです。

合理性に考えると、この7ページを10分程度で
読んで、残り250ページを読まないのが、
最も生産性の高い読み方でしょう。

しかし、美意識を鍛えることの本当の意味を
理解したなら、「短い回答の脚注に過ぎない」
と表現されている「本文」を読むことの
大切さがわかるはずです。

なぜなら、合理的で生産性の高さだけを求める
アプローチでは、誰もが同じ答えにたどり着き、
今日のような高度に複雑化した世界では、
その方法論は限界を迎えているからです。

さて、本書の残り250ページは、
そんな理屈抜きで、非常に面白いので、
正直、読まないと損だと思います。

そうは言っても、このブログは部分的な
サマリーに過ぎませんので、冒頭7ページの
「回答」について紹介しておきます。

世界のエリートが「美意識」を鍛える理由は、
次に挙げる3点に集約されます。

 1. 論理的・理性的な情報処理スキルの限界が
  露呈しつつある
 
  多くの人が分析的、論理的なスキルがあると、
  正解がコモディティ化し、方法論としての
  限界を迎えます。
 
  限界を超えるには、「直感」による感性が
  求められます。

 2. 世界中の市場が「自己実現的消費」へと
  向かいつつある

  経済成長によって生活水準が向上したことで、
  現代は巨大な自己実現的消費の市場に
  なりつつあります。

  その市場で戦うためには、人の承認欲求や
  自己実現欲求を刺激する感性や美意識が
  重要になってきます。

 3. システムの変化にルールの制定が
  追いつかない状況が発生している
 
  現在のように変化の早い世界においては、
  ルールの整備が後追いになることがあります。
 
  そんな世界でクオリティの高い意思決定を
  するためには、内在的に「真・善・美」を
  判断するための「美意識」が求められます。

本書の著者、山口周さんは、電通、ボスコンを
経て、コーン・フェリー・ヘイグループの
パートナーになった方です。

これだけ見ると「ロジック偏重」を地で行く
経歴のように見えますが、実は山口さんは、
大学院で「美術史」を専攻したバックボーンを
持っています。

そんな山口さんだからこそ、サイエンス重視の
意思決定では足りない、「アート」の部分に
ついて語ることができるのです。

経営の意思決定だけでなく、私たちの日常的な
意思決定においても、「論理」だけでなく、
「直感」が必要であることを、あらためて
実感させてくれます。

ただし、「アート」や「直感」は限界を超える
ために重要であっても、「非論理的」では
ダメなのです。

あくまで、論理や理性だけでは決着がつかない
領域において、アートや直感が生きてくる
ということです。

この本から何を活かすか?

どのように「美意識」を鍛えるのか?

その方法の1つとして、本書で紹介されて
いる方法が、「VTS」です。

VTSとは、Visual Thinking Strategyの略で、
ビジュアルアートを用いた、鑑賞力を鍛える
ためのワークショップです。

選ばれた作品を見て、次のような問が
投げかけられるようです。

  1. 何が描かれていますか?

  2. 絵の中で何が起きていて、これから何が
   起こるのでしょうか?

  3. どのような感情や感覚が、自分の中に
   生まれていますか?

これらの問いは、ビジネスの世界で経営者が
議論しなければならない論点と共通している
ようです。

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| 経営・戦略 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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武器化する嘘 ──情報に仕掛けられた罠

満足度★★★
付箋数:24

私たちは、テレビ、インターネットなどの、
メディアを通じて、毎日、多くの情報に接して
暮らしています。

あなたは、それらの情報の中に、
どの程度の「嘘」が紛れているかを、
考えたことはありますか?

  「われわれが過去5年間に創出した情報量は、
  それまで全人類史が生み出した情報量を
  超えている。残念ながらウェブサイトや動画、
  本、そしてソーシャルメディアには、
  真実に交じって、そうでない情報が非常に
  多く含まれている。虚偽情報の存在は
  昨日今日の問題ではない。何千年にもわたって、
  人間の生活に定着しており、聖書の時代や
  古代ギリシャ時代にも記録されている。
  ただ、現代に特有な点は、虚偽情報が
  あまりにも蔓延しているという事実だ。
  嘘が武器として使われ、本来ありえない
  ような社会的、政治的目的が達成される。」

例えば、次のようなコメントがあるメディアで
伝えられていたとします。

あなたは、その嘘を見抜けますか?

  「カリフォルニア州で大麻法が失効して
  からの35年間、大麻の喫煙者の数は、
  毎年倍増してきた。」

カリフォルニアに大麻法があったのか
どうか、それが本当に35年前に失効した
のかどうか。

それが、事実か確認できなくても、
この主張に隠されている嘘は簡単に
見抜くことができます。

それは、「35年間で毎年倍増した」という
部分です。

仮に35年前のカリフォルニア州で、
大麻の喫煙者が1人だけだったとします。

すると、そこから倍に増えた34年前は
2人、更に倍に増えて33年前は4人。

このように1人を35回倍にすると、
いったいどのくらいの数字になるのか?

実は、大麻の喫煙者は170億人を超えて、
全世界の人口より多い人数になって
しまいます。

さすがに、そんなことはありません。

このように少し考えるとわかることでも
多くの人は、立ち止まって考えずに
鵜呑みにしてしまうことが多いのです。

  「本書のテーマは、見聞きする情報に潜む
  問題点、すなわち、読者を間違った結論に
  導く問題点を、いかに見抜くかである。
  (中略)提示された情報が信用に値する
  かどうかを明らかにする効果的な方法を、
  誰もが必要としている。」

本書の著者、ダニエル・J・レヴィティンさんは
カナダのマギル大学の心理学・神経学教授。

レヴィティンさんは、本書で3つの視点から、
情報の中に仕掛けられた「嘘」を見抜く方法を
紹介します。

パート1では、「数字」にフォーカスします。

いかに不正確な統計やグラフが、大きく歪んだ
視点をもたらし、誤った結論に導くかを
解説します。

パート2では、「言葉」に注目します。

私たちは、その言葉の中に、少しでも真実が
含まれていると、容易く信じてしまいます。

人を納得させ、心に訴えながらも、
事実とかけ離れた話をすることが、
どれほど簡単なことかを解説します。

パート3では、科学的手法を取り扱います。

ここでは論理的思考をどう適用すべきかを
示すため、法廷、医療、物理学、陰謀論など
幅広い事例を取り上げて説明します。

どこに嘘が潜んでいるかわからない、
現代で生きていくには、本書の嘘を見抜く
目線は必要です。

ただし、本書の内容をすべて理解するには、
少しだけ確率・統計の知識があった方が
いいと思います。

この本から何を活かすか?

レヴィティンさんは、本書の着想を得たり、
参考にした本として、次の3冊を挙げています。

 ・『統計でウソをつく法
 ・『統計はこうしてウソをつく
 ・『統計学をまる裸にする

私も、これら3冊は読みましたが、
いずれもオススメできる本です。

是非、本書と併せて読みたいですね。

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| 数学 | 06:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マネジャーのロジカルな対話術

満足度★★★
付箋数:21

あなたの職場では、上司と部下による、
実のある「対話」が行われていますか?

 上司「◯◯君、最近、残業が多いようだね」
 部下「ええ、仕事が立て込んでいまして…」
 上司「キャンペーン企画の締切は大丈夫かい?」
 部下「ええ、まあ何とか…」
 上司「じゃあ、しっかりやってくださいよ」
 部下「はい…」

これは日本の職場でありがちな表面的な会話です。

この会話では、上司は部下の抱える問題の
原因がまったく理解できていませんし、
その対応策も示されていません。

そもそも上司は、部下が抱えている問題が
何なのかさえ、分かっていないことでしょう。

単に「ひと声かけました」という程度の、
「なあなあ」の対話です。

それでは、問題の原因や対策を明確にする
次のようなやり取りはどうでしょうか?

 上司「◯◯君、先月と比べて残業時間が35時間
    増えています。原因を説明してください」
 部下「来月キャンペーン企画の締切が迫って
    いるところに、予算申請書類の不備が
    見つかり、やり直しになりまして…」
 上司「◯◯君のミスが原因ということですね。
    ちゃんと報告してもらわないと困ります」
 部下「すみません…」
 上司「キャンペーン企画と予算申請のうち、
    他のメンバーに応援をお願いできそう
    なのはどちらですか?」
 部下「キャンペーン企画のほうでしょうか…」
 上司「わかりました。では至急、△△君に
    応援してもらうよう指示しておきます」
 部下「ありがとうございます…」

最初の会話に比べると、「なあなあ」な
状態は解消されいますが、弁護士が詰問して
いるような印象を与えます。

部下からすると、「言うことはわかるけど、
こっちにも事情があるし…」と感情的には、
納得できていないかもしれません。

本書では、「なあなあ」でもなく「詰問調」
でもないロジカルな部下との対話の仕方を
学びます。

目指すのは、上司と部下が「対話」によって
合意形成し、協創を実現することです。

以前の日本の職場には阿吽の呼吸が通じる
「ハイコンテクストな関係」がありました。

しかし、現代の日本の職場は、
メンバー同士の関係性が希薄になった、
「ローコンテクストな関係」に変貌しました。

もはや、部下には以心伝心では伝わりません。

そこで必要なのが上司と部下の対話型の
コミュニケーションです。

マネジャーには、ロジカルで、
かつ、感情的にも納得できる対話術が
求められています。

上司と部下の対話は大きく分けると
3つのプロセスで進みます。

 1. 導入

  話しやすい場を作って、部下を対話に誘う。
  本論に入る前に、前提条件や制約条件、
  足りない情報を確認する。

 2. 意見交換

  イシューを明確にする。主張は論拠とセットに
  して、発展的な意見を引き出す。
  コンフリクトを解消し、論点の漏れがないかも
  確認する。

 3. 合意・まとめ

  対話を収束に促し、決定基準を確認して、
  解決策を決定する。対話のプロセスと結果を
  振り返る。

本書では、この3段階のプロセスに沿って、
マネジャーが身につけるべき対話の技術が
解説されています。

具体的な対話例が多く掲載されているので、
かなり実践しやす本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「マネジャーは、自分の主張を明確にする
  必要があります。(中略)ただし、部下との
  対話では、マネジャーが最初に主張するのは
  避けるべきです。」

立場が上のマネジャーが最初に主張すると、
部下は対立しないように、当たり障りのない
ことしか口にしません。

マネジャーは、最初は自分の主張を押し殺し、
聞き役に回る必要があるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| コミュニケーション | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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