活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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フィードバック入門

満足度★★★
付箋数:24

2000年代後半頃から各企業の管理職研修には、
「コーチング」が次々と導入し始められました。

上司は部下に問いかけて、部下が自発的に
語ることを重視して、相手の中にある
答えを引き出すコーチング。

それまで行われていたティーチングを否定して、
育成においては、むやみやたらにコーチングが
もてはやされた感もありました。

しかし、蓄積された業務経験がない新人に、
「君はどうすればいいと思う?」と聞いても、
その問いに答えようがありません。

実際、ティーチングがいいか、
コーチングがいいかは、ケースバイケース。

この両方の要素を含んで部下育成を行うのが、
本書で解説される「フィードバック」です。

フィードバックは、次の2つの働きかけを
通して、問題を抱えた部下や、能力・成果が
あがらない部下の成長を促進させます。

 1.【情報通知】
  たとえ耳の痛いことであっても、部下の
  パフォーマンス等に対して情報や結果を
  ちゃんと通知すること(現状を把握し、
  向き合うことの支援)

 2.【立て直し】
  部下がパフォーマンス等を認識し、自らの
  義務や行動を振り返り、今後の行動計画を
  立てる支援を行うこと(振り返りと、
  アクションプランづくりの支援)

フィードバックの2つの働きかけのうち、
「情報通知」がティーチング的側面を含み、
「立て直し」がコーチング的側面を含みます。

本書は、人材育成の要となるフィードバック
についての入門書です。

著者は、東京大学 大学総合教育センター
准教授の中原淳さん。

「大人の学びを科学する」をテーマに
企業や組織での人材育成やリーダーシップ
開発の研究を行っている専門家です。

さて、本書のメインとなるフィードバック
技術の概要は以下の通りです。

 【事前】…情報収集:SBI情報の収集
 【フィードバック】
  1. 信頼感の確保
  2. 事実通知:鏡のように情報を通知する
  3. 問題行動の腹落とし:対話を通して
   現状と目標のギャップを意識化させる
  4. 振り返り支援:振り返りによる真因探求、
   未来の行動計画づくり
  5. 期待通知:自己効力感を高めて、
   コミットさせる
 【事後】…フォローアップ

フィードバックで最も大切なことは、
「フィードバックから始めない」ことです。

「事前」と「事後」を含めた全体が
フィードバックで、特に事前に相手を
よく観察して、情報収集しておかなければ、
相手に刺さるフィードバックはできません。

準備しておくSBI情報とは、「どんな状況で、
部下のどんな振る舞いが、どんな影響を
もたらしたのか」を明確にしたものです。

S=シチュエーション、B=ビヘイビア、
I=インパクトの頭文字をとった情報です。

そして、フィードバック面談が終わった後、
フォローアップとモニタリングをすることも、
行動を改善するためには、決定的に重要です。

これまでフィードバックという言葉自体は
よく耳にしたことと思いますが、
体系化された技術として学んでいる方は
少ないと思います。

本書ではケーススタディやQ&Aを含め、
職場で使える実践的なスキルとして、
フィードバックの技術をわかりやすく
解説しています。

対人スキルですから、今日覚えて明日から
使えると言えるほど簡単ではないと思います。

しかし、本書の解説を読むことと
フィードバックの実践を繰り返しながら、
身につけたい技術だと思います。

この本から何を活かすか?

フィードバック実践の5つのチェックポイント

フィードバックの際、特に気をつけておきたい、
難しいポイントは以下の通りです。

  1. 相手としっかり向き合っているか?
  2. ロジカルに事実を通知できているか?
  3. 部下の反応を見ることができているか?
  4. 部下の立て直しをサポートできているか?
  5. 再発予防策をたてているか?

効果的なフィードバックをするためには、
この5つを自分に問い、チェックする必要が
あるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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