活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2017年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年05月

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好調を続ける企業の経営者は いま、何を考えているのか?

満足度★★★
付箋数:23

著者の鈴木博毅さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

東証一部上場企業は、現在、約1900社あります。

この内、過去5年間に飛躍的な成長を遂げ、
かつ、財政的にも安定している企業は、
一体、何社くらいあるのか?

売上高は2~5倍に増え、成長という点では
日本企業の中でトップ層に位置し、
ファイナンスでも良好な企業です。

この条件に当てはまるのは、わずか50社程度。
一部上場企業の2.6%の割合に留まります。

企業戦略の専門家の鈴木博毅さんは、
この50社の中から8社を厳選し、
1年かけて、CEOに直接インタビューを
行いました。

本書は、その成長企業の秘密を
まとめた本です。

インタビューを行ったのは、次の8社です。

  ・ユーグレナ
  ・ディップ
  ・ファンコミュニケーションズ
  ・朝日インテック
  ・LIFULL(ライフル)
  ・イーブックイニシアティブジャパン
  ・日本M&Aセンター
  ・オプティム

この8社も、創業してから現在まで、
順風満帆に成長してきたわけではありません。

当然、苦境を経験した時期もありました。

彼れらは、どのようにして苦境を打破し、
現在の飛躍的な成長を成しえたのか?

鈴木さんが各CEOに行ったインタビューでは、
次の5点を中心に話を伺っています。

 「過去のターニングポイント」
 「現在の成長の原動力」
 「現在のビジネス環境と今後への視点」
 「躍進を続ける企業と閉塞する企業の違いとは」
 「後進の皆さんへのメッセージ」

そして8社が共通して行っていることは、
新しい顧客を獲得するために、何らかの
「業態改革」を行っていることでした。

例えば、本書で1社目に紹介されている
東大発の技術系ベンチャー企業、ユーグレナ。

動物と植物の栄養素を同時に持つミドリムシを
世界で初めて屋外大量培養に成功し、
ミドリムシクッキーでも話題になった企業です。

ユーグレナが行った業態改革は、
技術力だけに頼ったベンチャーから脱し、
販売力を持つ他の企業と提携することでした。

自社ですべてを行うという考えを捨て、
伊藤忠商事、ANAホールディングス、清水建設、
電通、東京センチュリーなどと協力して、
販路を拡大し、知名度も高めていきました。

また、本書で紹介されていた企業で、
私が注目したのは、電子書籍を販売する
イーブックイニシアティブジャパンです。

私の中では、「電子書籍=Kindle」という
固定観念がありましたが、コミックの分野では、
アマゾンよりもeBookJapanの方が、
ラインナップなどで先行しているようです。

同社は電子書籍の黎明期から市場に参入し、
現在は月刊150万冊を販売するまでに
成長しました。

2016年にはヤフーグループに入り、
世界を視野に入れた成長戦略を描いています。

成功する企業は、成長を維持するための
「戦略」と、市場の変化に対応するための
「柔軟性」の両方を兼ね備えています。

この2つがあるからこそ、時代が変化する
タイミングを逃さず、業態改革を行うことが
できたのでしょう。

この本から何を活かすか?

鈴木さんは、8社のインタビューを終え、
最後に「未来を切り開くための8つの原則」
として、次のようにまとめています。

  1. 自社に都合の悪いトレンドも
   逆に利用しようと挑戦する

  2. 顧客および社内との並外れた
   コミュニケーションの努力、能力

  3. 既存事業の売上増と、新規事業の
   育成を並行させる

  4. 時代の新しいトレンドに
   独自のやり方で乗る

  5. 陳腐化しにくい大きなビジョンを
   持ちながら、刷新を躊躇しない

  6. 人材から最高の能力と意欲を
   引き出す仕組みを作る

  7. 好調のうちに次のハードルを
   設定し、立ち向かう

  8. 競合他社と異なる視点で引く
   事業の境界線

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 07:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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イケてる大人 イケてない大人

満足度★★★
付箋数:22

お金を持っている50~60代生活者の
マーケットを狙って、数多くの企業が
「シニア向け」の商品やサービスを
提供しています。

しかし、当の50代、60代の方は自分が
シニアと呼ばれることを認めたくありません。

商品に「シニア」を匂わすフレーズが
ついていると、かえって自分のことではない
と思うのです。

当然、高齢者、シルバーといった呼称も
この世代には届きません。

では、どんな呼び方だったら届くのか?

この層は歳を経て社会生活を積んできた
自分たちのことを、若者ではないと
思っていますが、おじいさん、おっさんとも
違うと思っています。

そんな彼らが、唯一抵抗なく受け入れている
呼称があります。

それが、「大人」という呼び方。

本書は、そんな「大人」と呼ばれたい層の
中でも、マーケットを牽引し、若い世代から
支持される「イケてる大人像」を
アンケート調査等によって炙り出す本です。

調査したのは、広告会社博報堂の
「新しい大人文化研究所(新大人研)」です。

新大人研は、博報堂の社内組織として
発足して、40代後半から70代までの
大人世代のリサーチとマーケティングを
専門に扱うプロフェッショナル集団。

実は、イケてる大人像といっても、
大人世代が考える「イケてる」と
若者世代が考える「イケてる」は違います。

新大人研が実施した調査では、その両方の
世代にアンケートを取り、その認識の違いを
浮き彫りにします。

大人世代の人が、後輩や部下と2名で食事を
したとき、お勘定はどうすべきか?

実際に大人世代がどのように支払っているか
というと、一番多いのが「全ておごる」で、
37%を占めました。

一方、若者世代にお勘定の何割を
おごってくれる大人が、「イケている」かを
聞くと、ちょっと違った答えが返ってきました。

一番イケているのは、全ておごるではなく
「8割」という回答でした。

  「えらい人だったら、全おごりして
  もらうのがありがたいけど、直属の上司
  だったら、気がひけるので多めくらいが
  ちょうどいい」

今の若者世代は、空気を読む力が高いので、
上司のお財布事情まで察してくれるようです。

また、20代~30代の働く女性「キャリジョ」
が行った座談会では、「イケてる上司」の
飲み会の誘い方も紹介されていました。

誘う側の上司に知っておいて欲しいのが
「3分の2の法則」。

これは、お店・メンバー・タイミングの
3つの項目のうち、どれか2つがGoodなら、
その飲み会には行きたくなるという法則。

この3項目のうち、2項目を揃えられるのが、
イケてる上司なのです。

メンバーについては、上司が部下の人間関係
の本音を把握していなければ難しいですが、
お店とタイミングの判断は、実は簡単です。

お店選びのイケてるポイントは、
「同世代だけでは行きにくいお店」かどうか。

ちょっと高級、通っぽい、大将が強面、
こういった店だと歓迎されます。

タイミングの判断は、プライベートタイム
として楽しみたい次の2つを避けるだけ。

1つは毎週の金曜日の夜、そしてもう1つは
キャリジョにとって大切な誕生日やクリスマス
近くのイベント繁忙期です。

キャリジョを誘って飲みに行きたい上司は、
「3分の2の法則」は、押さえておいた方が
いいようです。

この本から何を活かすか?

本書では、アンケート調査や座談会、
インタビューなどを通じて、新大人研は
「イケてる大人の7か条」をまとめています。

  第1条 誰に対しても気遣う、励ます
  第2条 人前でいつも元気、明るい
  第3条 丁寧に話す、礼節がある
  第4条 挑戦し続ける、勉強し続ける
  第5条 「家族と仲良く」に努力する
  第6条 責任を持って知恵を伝える
  第7条 見た目によく気を配る

この第1条とは逆に「愚痴る・威張る・不機嫌」
が、嫌われる大人の特徴のようです。

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| マーケティング・営業 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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いらない部下、かわいい部下

満足度★★★★
付箋数:25
アジア・ひと・しくみ研究所さんより
献本いただきました。ありがとうございます。

人事評価に対して、常に不満を言っている人と、
ほとんど言わない人がいます。

どういう人が、常に不満を言っているのか?

それは、成果の出せないローパフォーマー。

もし、あなたが上司や人事評価に対して、
常に不満を言っているなら、それは自分が
ローパフォーマーであることを認めている
ことになります。

 「自分は、はっきりとモノを言い過ぎて、
 上司に嫌われている」

 「上司は自分の働きぶりを見ていない、
 見ようともしていない」

 「ゴマすりやヨイショの上手い同僚に、
 手柄をもっていかれる」

 「上司は部下の手柄を自分の手柄に、
 責任は部下に押し付ける」

このような不満を言っている人は、
会社という組織自体を大きく誤解しています。

そもそも、査定する側の上司と、
される側の部下の関係は理不尽なもの。

詰まるところ、待遇や出世は、最終的には
上司が部下を「えこひいき」するか否かで
決まります。

だから、「えこひいき」されている部下は、
上司や評価への不満は口にしないし、
その反対に「えこひいき」されていない部下が
不満をぶちまけるのです。

では、どんな部下が「えこひいき」されるのか?

それは昔からいる、太鼓持ち、イエスマン、
腰ぎんちゃくといったタイプではありません。

上司が求める部下のタイプも時代とともに
変わりました。

 ・自分から離れたところで、上司としての
  自分の価値や評判を上げてくれる部下

 ・明るく元気に、大きな声で挨拶をする
  知性があり過ぎない部下

 ・時には上司に議論をしかけ、時には相手が
  上司であっても毅然とした態度で苦言を
  呈する「健全なイエスマン」

大きな声では言えなくても、このような部下が
欲しいのが、いまどきの上司の本音です。

昔の腰ぎんちゃくタイプは、上司にすり寄る
だけで実務能力がありませんでした。

しかし、いまの「かわいがられる部下」は、
成果も出せて、上司を盛り立ててくれる、
「社内接待」ができる部下なのです。

著者の新井健一さんは、誰も書かなかった
サラリーマン社会にある「暗黙のルール」を
本書で明文化しています。

若手のビジネスパーソンにとっては、
「そんな理不尽な話は納得できない」
と思うかもしれません。

しかし、組織の中で経験を積めば積むほど、
ここに書かれていることが真実であると、
身に沁みてわかるはずです。

中堅以上の組織人でわからない人は、
その人はローパフォーマーなのかも
しれません。

本書は、どんな部下になるべきかについて
だけに言及した本ではありません。

上司と部下の健全で現実的な関係の築き方。

部下にとっても、上司にとっても、
これからの時代を生きていくために
必要な考え方について書かれています。

部下の立場でも、上司の立場でも参考になる
ということは、「生涯キャリアの築き方」
がわかることを意味しています。

社会の変化を的確にとらえながらも、
人間関係の変わらない部分に注目した
「こらからの働き方」がわかる本です。

 第1章 かわいい部下は「お土産」を欠かさない
 第2章 無視していい上司、侮ってはいけない上司
 第3章 選ばれる部下は上司を見ていない
 第4章 部下の人間性は飲み会の支払いでバレている
 第5章 大企業サラリーマンこそなぜ副業が必要か

この本から何を活かすか?

  「実は、上司から、かわいい部下として
  認識されるサラリーマンは、同期に先んじて、
  あることを押さえている。
  それは会社のノリと上司のノリを把握する
  ことだ。」

上司のノリを把握すると、「パーッとまとめて」
とか「いい按配で」といった非常に抽象的な
指示でも通じるようになります。

すると余計に話のわかる部下として、
上司から贔屓されるようになるのです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ウケる! 大人の会話術

満足度★★★
付箋数:19

  「会話をうまく勧めることができれば、
  他人と心がつながりあう。
  話がはずめば心もはずんで生活が楽しくなる。
  会話がうまくなる方法を、いろんな角度から
  雑談風に考えてみよう。
  会話のことはいくつかの実例から学んで
  いくしかない。具体例をあげて、
  そこからくみとっていくことにしよう。」

本書は、作家・清水義範さんが、
様々なシチュエーションでの「会話」
について論じた本です。

ご存じの方も多いと思いますが、
清水さんはパスティーシュ作家の第一人者。

パスティーシュとはフランス語で、
作風の模倣のことです。

かなり昔の作品ですが、司馬遼太郎さんの
文体で猿蟹合戦を語った短編を含んだ
蕎麦ときしめん』。

英語教科書でおなじみのジャックとベティが
50歳でバッタリ再会した設定で書かれた
作品を含む『永遠のジャック&ベティ』。

予備校講師の学習参考書のパロディーなどを
収録した『国語入試問題必勝法』。

これらは短編小説で、いずれもユーモアに優れ
笑える作品集でした。

また、清水さんの作品は短編だけでなく、
長編小説も秀逸。

コピーライターと大女優の恋愛から、
ニッポンの言葉をめぐる問題を取り扱った
愛と日本語の惑乱』も爆笑必至です。

もし、清水さんの小説を読んだことがない
方がいれば、Kindleでダウンロードするなり、
図書館で借りて読んで欲しいですね。

その優れたユーモアのセンスに、
思わず顔がほころんでしまいます。

こういった清水さんの作品群があるので、
本書には「ウケる!」というタイトルが
ついたのでしょう。

しかし、残念ながら本書はそこまで、
ウケなかった。

実例が満載というより、紙面の半分くらいは
対話例が掲載されているようなイメージですが、
小説と違って、個人的にはそこまでの面白さは
感じませんでした。

これは、清水さん書く本だから面白いという
高い期待値があってのことです。

本書で私が参考にしたいと思ったのが、
不意に受けた悪口に対しての切り返し方法です。

特に職場での会話では、軽口で言っている
相手に対して、正面切って反論してしまうと、
気まずい状況になってしまいます。

本書で紹介されていたのは、
次のような返し方です。

 悪い切り返し例)
  「しかしまあ、やっつけ仕事だねえ」
  「失礼なこと言わないでください。
  どこがやっつけ仕事なんですか。(怒)」

 良い切り返し例)
  「しかしまあ、やっつけ仕事だねえ」
  「◯◯さんとは違います(笑)」

これをあくまで冗談のように言います。

相手が軽口めかして言っているのに対して、
こちらも軽口めかして言い返すのがコツ。

そして、本書ではうまい会話の極意として
次のようなアドバイスで締めくくられて
いました。

  「会話を楽しくして、相手を気持ちよく
  させるのは、一種の介護なのだ。
  相手の心を前向きなものにするのだから、
  立派な介護である。そして、介護の必要が
  ある時はそのための労を惜しんではいけない。
  真面目にきっちりとやるべきなのである。」

この本から何を活かすか?

話しがうまい人は、上手な比喩を使います。

しかし、本書ではオリジナルな比喩が
考えつかない場合の「比喩探しの裏ワザ」が
紹介されていました。

それは、ことわざやよく使われる言い回しを
引用する比喩です。

  「そんな、火中の栗を拾うような
  危ないことはやめておきなさい」

  「それじゃあまるで、盗人に追い銭の
  ようなものじゃないの」

  「そんな、寝た子を起こすようなことを
  しちゃいけない」

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| コミュニケーション | 06:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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すべての教育は「洗脳」である

満足度★★★
付箋数:24

このように書くと、両方のファンの方から
反感を買いそうですが、本書を読んで、
私は、あらためて実感しました。

堀江貴文さんと、大前研一さんは似ている。

私のこの感想が、お二人の耳に届くことは
ないと思いますが、こう言われると、
きっとご本人たちも嫌がることでしょう。

それは、お二人とも他人とは違う人生を
歩んできたという自負があるから。

大前さんの方が、主張もやっていることも
大人のやり方で、「国家」を敵とみなします。

堀江さんは、若い世代に届きやすい言葉で語り、
世間の「大人」を敵とみなします。

それでも主張に耳を傾ければ向けるほど、
同じことを言っていることがわかります。

さて、本書は堀江さんによる学校不要論です。

「学校教育=洗脳」という、良くも悪くも
世間が過敏に反応しそうな言葉を選んでいる
ところが堀江さんらしいところです。

どんな言葉を使うと、世間の大人たちが、
目くじらを立てるかをよくわきまえています。

  「日本には、僕のような “我慢しない人” を
  軽蔑する文化がある。
  そして “我慢強い人” を褒め称える文化がある。
  どんなに不満があっても、どんなに理不尽な
  状況に置かれても、それを耐え忍ぶことを
  美徳とし、耐えしのいだ先にこそ “成功” が
  待っているような言説がまかり通っている。
  ほとんどマインドコントロールに近い
  不条理なこの呪いが、この国全体を覆っている。

  その原因は何か?

   “学校” なのである。
  旧態依然とした学校教育の中で、日本人は
  洗脳されている。やりたいことを我慢し、
  自分にブレーキをかけ、自分の可能性に
  蓋をすることを推奨する恐ろしい洗脳が、
  白昼堂々なされているのが今の学校なのだ。」

学校はもともと、子どもという原材料を
使って、「産業社会に適応した大人」を
大量生産する工場だった。

それは、優秀で従順な国民を
作り出すための国家が考えた戦略。

しかし、インターネットの登場によって、
そもそもの「国民国家」という概念が
消失しつつあると堀江さんは考えます。

大前さんが昔から主張していることでは、
インビジブルコンチネント(見えない大陸)
の出現に該当する考えです。

これまでの国という概念が違っているので、
必要とされる人材も異なります。

当然、それを作り出してきた学校の
存在意義も問われるべきだと
堀江さんは考えます。

そして、本書で最も堀江さんが伝えたいのが、
「ハマることの大切さ」です。

寝食を忘れるくらい、自分がやりたいことに
没頭する体験をしてみる。

そうすると、新しい道が拓けてくる。

堀江さんが考える「学び」の本質とは、
「没頭」です。

脇目もふらずに没頭し、がむしゃらに
取り組める体験のすべてを「学び」と
考えます。

やりたいと思うことがあれば、
我慢せずにやってみればいい。

そして、没頭できることが見つかれば、
それが学びになり、ビジネスになることもある。

会社だって、やりたいことの邪魔になるなら、
いますぐ辞めればいい。

会社をいますぐ辞められないと考えるのも、
長い間、学校で洗脳され続けてきたかた。

学校では、「常識」を植え付け、
人生にブレーキをかけることを教えている
と堀江さんは考えます。

本書で堀江さんが提唱するのは、
「遊ぶ」「働く」「学ぶ」を同化させた、
三位一体の生き方です。

個人的には、最近の堀江さんの本の中では、
熱いパッションを感じる本でした。

この本から何を活かすか?

堀江さんは、これからの時代、
3種類の人材がいることを説明しています。

1つ目は、国家の幻想を捨てて、
インターネット空間の感覚そのままに、
自分のやりたいことを、グローバルに、
合理的にやっていく「G人材」。

2つ目は、仲間との絆を大切にして、
地元にとどまる、ローカル重視の「L人材」。

この人材は変化を嫌う特徴があります。

基本的には、「G人材」と「L人材」の2つに
分かれていくようですが、このどちらにも
行けない人は、3つ目の「N人材」になります。

「N人材」は、時代の変化について行けず、
グローバルな価値観も受け入れられず、
ローカルで穏やかに過ごすことにも
踏ん切りがつかない、国家に縛られた人材。

本書が最も避けたいのは「N人材」で、
目指すのは「G人材」になることです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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起業家のためのマーケティングバイブル

満足度★★★
付箋数:20

株式会社ウェイビーの伊藤史織さんより、
献本いただきました。ありがとうございます。

株式会社ウェイビーは2010年に設立された、
比較的新しい起業家を支援するための会社。

同社は「起業家とともに世界を変える」ことを
ポリシーとして掲げています。

現在は支援する起業家数は年間3000社を超え、
国内屈指の起業家支援会社に成長しました。

本書は、ウェイビー代表取締役社長の
伊藤健太さんが、起業家が必ず知っておくべき
マーケティングについて書いた本です。

ところでマーケティングとは、一体、何か?

今さら、そんな常識的なことを聞かなくても、
マーケティングなんて知っていて当然と
思った人も多いことでしょう。

しかし、市場調査や新し商品を作ること、
あるいは売れる仕組みをつくって集客する
ことがマーケティングだと考えている人が
多いと、伊藤さんは指摘します。

もちろん、これらの考えが完全に
間違っているわけではありません。

ただし、これらはあくまで手段であって、
マーケティングの根本ではありません。

  「マーケティングはツールではありません。
  企業の目的である “お客様を守る” 
   “お客様を豊かにする” ということを
  達成するための根源的な考え方なのです。
  市場調査にも、研究開発にもマーケティングの
  エッセンスが必要となります。
  マーケティングとは何かと問われたら、
   “お客様を守る”  “お客様を豊かにする” 
  という発想のことだと、考えるように
  してください。」

本書は、具体的なノウハウよりも、
このような起業家が押さえておくべき
大切なことについて書かれている本です。

ところで、自社の商品を売るための営業活動に
あまりいい印象を持っていない人もいます。

それは営業が、売上を上げるために、
お客様にゴリ押しするイメージを
強く持っているからだと思います。

まず、前提として、自分たちが提供する
商品やサービスは、相対的、もしくは
比較ができないレベルで、自社にしかできない
価値をつくっていかなければいけません。

だからこそ、お客様にとって価値のある
商品やサービスを知らせなければ、
お客様は他のサービスレベルの低いものを
買ってしまうことになります。

結果として、しっかりと営業しなければ、
お客様は不幸になってしまうのです。

  「問題を抱えるお客さまの役に立ち、
  その結果売上があがり、企業が成長し、
  さらにお客さまの役に立てるように
  なるのです。だからこそ、お客さまに
  しっかりと価値を提供していかなければ
  なりません。
  そのような気持ちがあるかないかで、
  商品やサービスの売れ行きは
  変わってきます。」

本書で伊藤さんが熱く語っているのは、
このような本質論です。

本書にマーケティングのテクニックを
求めて読むと、あまり期待したノウハウが
書かれていないと思うかもしれません。

しかし、本書には広義のマーケティングに
ついて書かれていて、それは起業する方が
見失ってはいけない大切なポイントに
なっていると思います。

  第1章 起業家が知っておくべき
     基礎的マーケティング術
  第2章 起業家必見 徹底的にマーケティングを
     大切にした発想
  第3章 お客さまのことを考え抜いた販売術
  第4章 商品&サービスや販売&営業を
     決定的に強化するための提携術
  第5章 お客さまとの関係強化、
     成長をしていく術
この本から何を活かすか?

食べログとホットペッパーは競合していない?

飲食店のマッチングを提供する2社。

実はお客様に提供する価値で考えると、
それほど競合していないと伊藤さんは
指摘します。

食べログが本来提供すべき価値は、
「失敗しないお店選び」です。

そのための手段が「口コミ」です。

一方、ホットペッパーのベネフィットは、
「安いお店の検索」です。

だから、安さを提供するために、
クーポンを配布しているのです。

つまり、食べログは失敗しないお店選びで、
ホットペッパーが安さという、
異なったベネフィットを提供しているので、
この2社は両立しているのです。

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| マーケティング・営業 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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定量分析の教科書

満足度★★★★
付箋数:25

もともと「定量分析」とは、試料中に
どれだけの成分が含まれているかを測る
化学分析のことを指しました。

試料の中にどんな成分が含まれているかを
調べる「定性分析」と対で使われる
化学用語でした。

そこから、ビジネスなどで一般的に
数字を使った分析のことを「定量分析」、
数字を使わない分析のことを「定性分析」
と呼ばれるようになりました。

ビジネスは、問題解決の繰り返し。

問題解決するには、解決すべきイシュー
を押さえ、そのイシューに対する
仮説を立てることから始めます。

そして仮説を検証するために、
データを集め、それを「分析」する
というサイクルを回します。

ここで行う分析の本質は「比較」すること。

比較のない分析はありません。

では、一体、どのように比較すればいいのか?

比較するには「軸」を揃えなくてはなりません。

この軸が定量分析を行う際の視点となります。

  1. インパクト → 大きさは?
  2. ギャップ  → 差異は?
  3. トレンド  → 変化は?
  4. ばらつき  → 分布は?
  5. パターン  → 法則は?

これら5つの視点で比較を行うわけですが、
そのためにデータを集約するアプローチは
3つに大別されます。

1つ目は、目で見て比較するアプローチ。
すなわちグラフ化することです。

人間は目で見る動物との言われていますので、
見て分かるようにグラフ化すること自体が、
効果的な分析なのです。

2つ目は、数字に集約して比較するアプローチ。

ここでは、多数のデータの特徴を1つの数字に
集約して比較します。

数字への集約は、データの中心が
どこにあるかを見る「代表値」への集約と、
データがどのよにバラついているかを見る
「散らばり」への集約があります。

3つ目は、数式に集約して比較するアプローチ。

数式にまとめる方法は、大きく分けると、
データから帰納的に式を求める「回帰分析」と、
データからではなく演繹的に式を求める
「モデル化」の2つがあります。

本書では、この流れでビジネスで必要な
定量分析について体系的に学びます。

グロービスの人気講座「ビジネス定量分析」を
書籍化したもので、同講座を担当する講師の
一人、鈴木健一さんが執筆しています。

本書の帯には「前提知識なし&
初学者でもきちんと学べる」と書かれています。

後半の「初学者でもきちんと学べる」
という部分は、まさにその通りだと思います。

一方、前半の「前提知識なし」の部分は
ちょっと難しい部分があるかもしれません。

回帰分析について解説するパートは、
少し統計の知識があれば問題ありませんが、
そうでなければ、雰囲気がわかる程度に
留まってしまう可能性があります。

しかし、全体的には非常に良くできた本で、
順を追って定量分析が一人で学べるように
丁寧に書かれた教科書です。

各章の最後には「章末問題」も掲載されていて、
しっかり演習できるのも非常に良い点です。

 第Ⅰ部 分析の考え方
  第1章 分析の本質
  第2章 分析と仮説思考
  第3章 分析の5つの視点(比較の軸)
 第Ⅱ部
  第4章 目で見て「比較」してみる(グラフ)
  第5章 数字に集約して「比較」してみる
  第6章 数式に集約して「比較」してみる
    (回帰分析とモデル化)
  付録 回帰分析に関する補遺

この本から何を活かすか?

  愛の値段はいくらか?

いきなり、女性にこんな質問をしても
「お金には換算できない」と言われるでしょう。

そこで、アクサ生命が行った調査では、
面白いアプローチ方法で、働く独身女性の
本音を探り、愛の値段を明らかにしました。

最初に質問したのは、男性に求める理想年収です。

この結果で、男性に求める理想の平均年収は
552万円となりました。

次にもう1つ質問しました。

 「心から愛せる相手が現れたとします。
 その男性の年収が、理想の年収から
 最低いくらまで減っても
 結婚することができますか?」

この質問の回答は平均270万円でした。

この2つの結果から「愛の値段」は次の式で
求めることができます。

男性に求める年収-愛する人に求める年収
=552万円-270万円=282万円

これが女性が考える1年間の愛の値段です。

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| 経営・戦略 | 07:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「週刊文春」編集長の仕事術

満足度★★★
付箋数:23

その圧倒的なスクープ力から「文春砲」として、
著名人から恐れられる週刊文春。

なぜ、週刊文春だけが、大きなスクープを
連発することができるのか?

記者の取材能力に依るところもありますが、
やはり編集部の体質が大きく影響しています。

  「週刊文春がやっていることは、極めて
  シンプルである。毎週いいネタをバンバン
  取って来て、 “フルスイング” する。
  スクープを連発して部数を伸ばし、
  世の中の注目を集める。
  いいものを作るために全身全霊を捧げる、
  という “正攻法” でここまでやってきた。
  それによって多くの読者の支持を得た
  ことが素直にうれしかった。」

週刊文春は常に注目度の高いスクープを狙う
「フルスイング主義」。

週刊ポストや週刊現代が、ヘアヌードブームに
乗って部数を伸ばしたり、高齢者を狙った
「死ぬまでセックス」などの企画で当てた
こともありました。

しかし、そんなときも、週刊文春だけは、
目の前の「生ネタ」を追い続けていました。

人間の「知りたい」という好奇心を信じ、
スクープを狙う戦い方を変えませんでした。

その徹底して貫かれた姿勢が、大きな威力を
持つ現在の文春砲に成長したのです。

週刊文春のなかには、「マーケティング」という
考えは全くないようです。

特定の読者層を狙ったりせず、自分たちが
おもしろいと思ったネタを追い続けます。

計算のない、究極の「結果オーライ」ビジネス。

やってみないと、どうなるかわからないから
余計におもしろい。

本書は、そんな雑誌をづくりを行う、
週刊文春編集長、新谷学さんの仕事術を
まとめた本です。

新谷さんはダイヤモンド社の編集者から
「日々大量の仕事をさばき、最高の
パフォーマンスを発揮する編集長の仕事術は、
あらゆるビジネスパーソンに役立つはずだ」
と口説かれて、本書を執筆したようです。

語られている内容は、「仕事術」というより、
仕事への姿勢を示す「仕事論」。

役立つノウハウよりも、仕事への向き合い方や
考え方が中心に語られている本です。

週刊文春があれだけスクープする裏には、
山のような失敗があります。

「張り込んだけどダメだった」、「直撃した
けど否定された」、「裏が取れなかった」
などは日常茶飯事です。

ポイントは、そうした上手く行かなかった
記者に対して、上司がどう接するか。

トライしたことを尊重し、結果が出なくても、
現場を一切責めないことが、次の取材へ
記者を向かわせる秘訣です。

ネガティブな報告こそ寝かせずに、
一刻も早く報告できる組織にしていかないと、
組織は傷んでいく。

新谷さんは編集長として、このような考えで
記者に接しているようです。

週刊文春のやっている事自体は、
好ましくないと思う方もいるかもしれませんが、
突き抜ける結果を出す仕事への取り組み方は、
非常に参考になると思います。

 第1章 全てのビジネスは「人」から始まる
    情報/人脈
 第2章 予定調和はおもしろさの敵である
    企画/発想
 第3章 難攻不落の相手から「YES」を引き出す
    依頼/交渉
 第4章 ヒットを生み続かるチームはこう作る
    組織/統率
 第5章 リスクを恐れず壁を突破する
    決断/覚悟
 第6章 「売れない」時代のマーケティング
    戦略/本質

この本から何を活かすか?

週刊文春のショーンKさんのスクープは、
みんなが「右だ右だ」と言っているときに、
「ちょっと待てよ、左はどう?」という
発想から生まれたようです。

ショーンKさんが、フジテレビ「ユアタイム」の
キャスターに抜擢されたとき、超イケメンで、
声もいい、高学歴な新スターが出てきたような
扱われ方をしていました。

しかし、週刊文春では「生身の人間性」が
伝わってこないという違和感を持ちました。

それがショーンKさんを追うきっかけになり、
あのスクープが生まれたようです。

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| 仕事論 | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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素数はめぐる

満足度★★★
付箋数:23

次の数字がどのような規則性で
並んでいるかわかりますか?

  142857
  428571
  285714
  857142
  571428
  714285

恐らく数字さえ読むことができれば、
幼稚園児でも、すぐに決まった6つの数字が
巡回していることに気がつくでしょう。

実はこの数字、ある数字に掛け算をした
結果なのです。

ある数字とは、最初の「142857」です。

  142857×1=142857
  142857×3=428571
  142857×2=285714
  142857×6=857142
  142857×4=571428
  142857×5=714285

142857に1、2、3、4、5、6の数字を
掛けると、同じ数字が巡回する
不思議な結果になります。

このような数を「ダイヤル数」と呼びます。

この不思議な性質はどこからくるのか?

142857の性質には、素数7が関係しています。

素数とは、1とその数自身以外には、
約数を持たない自然数。

確か、中学校の数学で習いましたね。

142857は分数1/7を小数で表したときに
現れる数字。

1÷7=0.142857142857142857142857・・・

このように同じ数字の列が繰り返される
小数のことを循環小数と呼びました。

循環小数で、繰り返される部分は、
循環節と呼ばれています。

ダイヤル数と素数の性質を一般化すると
次のようになるようです。

  素数pにおいて
  1÷pの余りの列にp未満の自然数が
  すべて現れるとき、1/pの循環節に
  1からp-1の数をかけると、循環節が
  巡回する。

実は、ダイヤル数には循環する以外にも、
興味深いちょっと変わった性質が
隠されています。

ところで、142857以外にもダイヤル数は
存在します。

しかし、ダイヤル数が無数に存在
するかどうかは、まだ証明されていない
未解決問題です。

  「本書は、循環小数をテーマにして、
  数学の面白さや奥深さを紹介するものです。
  循環小数のような簡単な対象で1冊の
  本になるのだろうか、と思われるかも
  しれません。しかし、1冊ではとても
  足りないほどの数論の世界が、
  循環小数の周辺に存在しているのです。」

本書の著者は、広島国際大学工学部
住環境デザイン科教授の西来路文朗さんと、
岡山大学・岡山理科大学非常勤講師の
清水健一さんです。

お二人がコンビで執筆するのは、
今回が2回目。

前回は2015年3月にブルーバックスから
素数が奏でる物語』を刊行しています。

前著では、2つの等差数列によって見えてくる
素数の神秘を紹介して好評を得ました。

本書では、循環小数に現れる現象の
不思議さや面白さをわかりやすく伝えます。

簡単な四則演算から、数論の奥深い世界の
一端を垣間見ることができます。

本書には、なぜ、不思議な現象が
起こるかの「証明」も、可能な限り掲載
されています。

ただし、どこまで読み込むかは、その人次第。

いくつか定理や法則も出てきますが、
難しいと感じたら、純粋に循環小数の面白さ
だけに注目して読むこともできます。

この本から何を活かすか?

本書は、ブルーバックスの第2003巻目。
この「2003」も素数です。

本文での素数談義が終わったと思ったら、
本書のエピローグでは、この素数2003が持つ
性質についても解説されていました。

2003はソフィー・ジェルマン素数です。

ソフィー・ジェルマン素数とは、
フランスの女性数学者に因んで付けられた
素数で、2p+1もまた素数であるような
素数pのことです。

P=2003のとき、2P+1=4007が
素数になります。

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| 数学 | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リーダーの一流、二流、三流

満足度★★★
付箋数:21

著者の吉田幸弘さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

プレーヤーのときに活躍していたからといって、
リーダーになっても同じように活躍できるとは
限りません。

これはスポーツでも、ビジネスでも同じこと。

リーダーになっても、うまくいく人と
うまくいかない人の違いは何なのか?

実は、リーダーになって、うまくいく人は、
あることを知っています。

それは「リーダーとしての役割」です。

プレーヤーのときに求められていたことと、
リーダーとして求められる役割は、
当然ながら違います。

しかし、リーダーになってつまずく人は、
プレーヤーとして優秀だったがために、
その延長線上で仕事をしようとして
失敗してしまうのです。

本書は、仕事の進め方や、時間術、会議術、
部下への指示やコミュニケーション方法方など、
リーダーが押さえておくべきスキルと考え方を
まとめた本です。

吉田さんが会社員時代に接してきた
一流のリーダーや、コンサルティング活動や
研修を行うようになってから関わった
仕事がデキるリーダーたちに共通する視点を
48の項目にまとめました。

本書の良い点は、各項目のタイトルが、
三流は◯◯し、二流は△△するが、
「一流のリーダーはどうするか?」のような
ちょっとしたクイズ形式になっていること。

このように問いかけられることで、
一流のリーダーの考え方を知る前に、
一度自分で考えていますから、
より脳裏に焼きつくようになっています。

それでは、本書から三流、二流、一流の
リーダーの違いを紹介しましょう。

  「三流は、厳しさを重視し、
  二流は、楽しさを重視し、
  一流は、何を重視する?」

三流のリーダーは、人は管理しないと
サボるものと、「性悪説」で考えるので、
部下の指導で「厳しさ」を重視します。

できていない点の指摘や叱ることが、
多くなるので、部下のモチベーションは
どんどん下がります。

部下は怒られないことを重視する
ようになり、言われたことしかやらなく
なってしまいます。

これに対して、二流のリーダーは、
部下が自発的に仕事に取り組めるように、
仕事に「楽しさ」を見出すことを重視します。

「成功体験を味わってもらう」、「ほめる」、
「工夫する」などを取り入れることで、
部下が前向きで仕事ができるようにします。

しかし、一流のリーダーになるためには、
これだけでは足りず、もっと先まで考えます。

  「一流は、部下の成長を重視する」

現時点で、厳しいとか楽しいという視点
ではなく、常に先を見据えた指導を行います。

少し上の目標に挑戦させ、部下の成長に
つながることを考えて仕事を振ります。

ひょっとすると、その時点では部下から
感謝されないかもしれませんが、
3年後、5年後になて、後から振り返ると、
部下から感謝してもらえるようになります。

一流のリーダーは、人を育てることを重視し、
部下の将来像から逆算して必要な試練を
与える指導を行っているのです。

一流のリーダーを目指すには、
本書で紹介されている48項目のすべてを、
一気にやろうとしてはいけません。

まずは自分ができていない項目を1つ選んで、
確実に1つずつ身につけていくことが、
一流のリーダーになるための秘訣です。

この本から何を活かすか?

会議をやると、「議事録」の作成はつきもの。

議事録作成は、リーダー自身がやる仕事では
ありませんが、部下にどのような議事録を
取らせるかで差が出てきます。

三流のリーダーは、部下に出席者の発言など
途中経過も細かく書かせます。

二流のリーダーは、会議での決定事項と
アクションプランをシンプルに書きます。

誰がやるのか、いつまでにやるのがが
すぐにわかるようにポイントを絞って
議事録に残します。

一流のリーダーは、これに2つを加えます。

それはアクションプランの「経過確認日時」と
「確認方法」です。

会議で決まったことを確実に実行するために、
ここまでを議事録に盛り込むのです。

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| リーダーシップ | 06:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人質の経済学

満足度★★★★
付箋数:26

  「これは恐ろしい本です。
  かけがえのない生命を持った人間が、
  単なる商品として取引されている実態を
  克明に描いているからです。」

これは、本書の解説者、池上彰さんの言葉。

池上さんの推薦があったので、
本書を読んでみましたが、
そこには私たちが想像もしない
ものすごい現実が描かれていました。

本当に平和ボケした日本人には、
必読の書だと思います。

海外で日本人の誘拐事件が起きると、
日本での報道は、その命が救われるか
どうかの1点に集中します。

もちろん、人命を救うのは何より優先すべき
ことですから、違和感はありません。

しかし、誘拐する側にとっては、
「人質ビジネス」、「身代金ビジネス」
であることを忘れてはなりません。

人質を確実に助けたければ、すばやく交渉
することが最大のポイントです。

なぜなら、人質を拘束しておくことは、
誘拐組織にとってもコストがかかる
ことだからです。

誘拐犯にとって、人質は拉致した瞬間から、
毎日毎日コストのかかる投資対象なのです。

彼らが望むのは、長くても数週間で
ケリをつけ、カネを手にすること。

ですから、とにかく早く交渉して、
身代金を払うことを決断すれば、
数週間のうちは、人質は数千ドルで
解放されるのです。

しかし、相手のニーズを読み違えて、
交渉が長引いたり、反応が鈍かったりすると、
人質は売られたり、交換されたりします。

最終的には、人質を長期にわたって拘束できる
規模の大きな組織の手に落ちて、
要求される身代金が莫大になるのです。

  「9・11以来、誘拐の件数は飛躍的に増え、
  身代金の要求額もうなぎ上りになっている。
  2004年には、200万ドル払えばイラクで
  誘拐された欧米人を解放することができたが、
  今日では1000万ドル以上払わされることも
  ある。(中略)
  10年前には1日1000ドルが相場だったが、
  いまや3000ドルに跳ね上がっている。
   “人質の経済学” には、通常の経済学の
  法則が当てはまらないのだろうか。」

本書は、誘拐組織が行う「人質ビジネス」を
解き明かし、そこに働くインセンティブや
経済効果をつまびらかにする本です。

著者のロレッタ・ナポリオーニさんは、
マネーロンダリングとテロ組織の
資金調達に関する研究の第一人者です。

歴史上初めてテロリストが国家をつくる
ことに成功するかもしれないと、
イスラム国に早くから注目していた方です。

とにかく取材は入念で、女性でありながら
危険な組織について、よくここまで
調べ上げたなと感心するばかりです。

日本では、ほとんど報道されることのない、
誘拐組織やテロリスト組織の裏側と、
そのビジネスの仕組みを解き明かします。

本書は、私が今年読んだ本の中では、
最も衝撃的で、人に勧めたい一冊でした。

  序章 スウェーデンの偽イラク人
  第1章 すべての始まり9・11 愛国者法
  第2章 誘拐は金になる
  第3章 人間密輸へ
  第4章 海賊に投資する人々
  第5章 密入国斡旋へ
  第6章 反政府組織という幻想
  第7章 ある誘拐交渉人の独白
  第8章 身代金の決定メカニズム
  第9章 助けたければ早く交渉しろ
  第10章 イスラム国での危険な自分探し
  第11章 人質は本当にヒーローなのか?
  第12章 メディアを黙らせろ
  第13章 助かる人質、助からない人質
  第14章 あるシリア難民の告白
  第15章 難民というビジネスチャンス
  終章 欧州崩壊のパラドクス

この本から何を活かすか?

実は、好調だった誘拐ビジネスにも、
陰りが見えてきているようです。

そこでジハーディストが目をつけたのが、
移民や難民を扱う、人間密輸のビジネスです。

人間密輸は、外国人の誘拐以上に儲けが多く、
はるかに容易なビジネスとして注目されて
いるようです。

中東とアジアからヨーロッパへの移民を
扱うビジネスは、5億~10億ドルもの売上が
あると言います。

本書を読んでから、移民問題のニュースを
聞くと、今までとは違った新しい視点で、
問題点を考えられるようになると思います。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術

満足度★★★
付箋数:17

  「現在、ビジネスパーソンに求められて
  いるのは、場所や時間に応じて最適な
  ツールで必要な情報を引き出し、編集し、
  他人と共有すること、できるだけ無駄を
  排除し集中できる環境で仕事するという
  ことです。つまり、スマホやパソコン、
  アプリ、通信回線、クラウドサービスなどを
  使う上で、どれを選んで活用するかで、
  仕事の質が変わるということとなのです。」

私は、スマホにあまり多くのアプリを
入れていません。

できるだけアプリを増やさずに、
スマホを快適に使えるようにしたい。

そう思って手にしたのが本書です。

結果、何度も自分のスマホの設定を
見直しましたが、新しいアプリを
ダウンロードすることはありませんでした。

快適に使えるようになるかどうかは、
これからの活用次第です。

本書の著者、石川温さんは、雑誌を中心に
スマホ関連の記事を多く書いてきた方です。

NHK Eテレ「趣味どきっ!はじめてのスマホ」
の講師や、All Aboutでは携帯・スマホの
ガイドも務めています。

  「私は初代iPhoneを手にしてから10年間、
  100種類以上のスマホを試し、アプリも
  数えきれないほどダウンロードし、
  あれこれ通信会社を比較、検討して大量の
  原稿を書いてきました。この本にはその
  試行錯誤から得られた、今最も快適だと
  思えるスマホとパソコンの活用術を
  詰め込みました。」

クラウド、メール、スケジュール、名刺管理、
オフィスアプリ、写真整理、メモ、SNS、地図

本書では、スマホとパソコンを効率的に使う
49のメソッドをわかりやすく解説します。

この手の本は、「旬」がありますから、
できれば刊行されてから6ヶ月以内には
読んでおきたいところです。

また、最新情報を追いかけ続けるのは
けっこう疲れるので、毎月でなくても、
1年に1、2回は、自分のスマホやパソコンの
環境を確認しておきたいものです。

その意味では、本書で自分の環境をチェック
したのは、ちょうどいい機会になりました。

石川さんが、本書を執筆した時点での
オススメのクラウドサービスは以下の通りです。

 ・メール → グーグル「Gmail」
 ・文書作成 → マイクロソフト「Office365」
 ・ストレージ → マイクロソフト「OneDrive」
        +グーグル「Googleドライブ」
 ・写真の保存 → グーグル「Googleフォト」
 ・手書きのメモ → マイクロソフト「OneNote」
 ・仕事上のメモ → グーグル「Google Keep」

この中で、私が活用しようと思ったのが、
グーグル「Google Keep」です。

このアプリはスマホに入れていましたが、
これまであまり使っていませんでした。

チェックボックス形式のメモが作れたり、
いつも画面の上部に固定するピン刺し機能が
あったり、リマインダー機能があったり、
必要最小限の機能が揃っているようです。

リマインダーが、InboxやGoogleカレンダーと
連動するのが、使おうと思った理由です。

  第1章 自分に合った最強のクラウド環境を
    手に入れる
  第2章 未処理・見落としのないメールの
    仕組みを作る
  第3章 スケジュール調整や名刺管理の
    ミスをなくす
  第4章 ファイルの作成&管理にはコツがある
  第5章 浮かんだアイデアは確実に
    「メモ」に残す
  第6章 SNSをビジネスでも最大限活用する
  第7章 スマホの力をもっと引き出す
  第8章 セキュリティ術を身に付けて
    情報漏れを防ぐ

この本から何を活かすか?

私が使っていないアプリで気になったのが、
名刺管理アプリ「Eight」。

基本的な機能であれば、無料で使えるにも
かかわらず、アップされた名刺の画像を
「人力」で入力してくれるそうです。

  「Eightのセンターで人が1枚1枚目視で
  確認し、手入力でテキスト化され、
  ユーザーのデータベースを更新していきます。
  機械で読み取るわけではないので、
  かなり正確なのです。」

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| IT・ネット | 06:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宇宙に「終わり」はあるのか

満足度★★★★
付箋数:24

宇宙が誕生した瞬間は、「ビッグバン」である
ことがよく知られています。

つまり、宇宙には「始まり」がありました。

では、宇宙に「終わり」はあるのでしょうか?

この疑問が本書のタイトルになっていますが、
結論を先にいうと、宇宙に「終わり」はあります。

宇宙の終わり方には、いくつかの可能性が
ありますが、最も可能性が高い終わり方が、
「ビッグウィンパー」です。

宇宙の始まりがビッグバンなので、
それに呼応するように終わりにも「ビッグ」
をつけるのが宇宙理論研究者の習わしです。

ウィンパーとは、すすり泣きの声を表わす表現。

20世紀を代表するイギリスの詩人、
T・S・エリオットさんの『うつろな人間』という
長詩の中の一節に由来するようです。

本書は、ビッグバンからビッグウィンパー
までの全宇宙史を俯瞰する本です。

時間にすると、「10の100乗年」という
途方もない長い時間の宇宙史を扱います。

著者は科学哲学や科学史をはじめ
幅広い分野の研究を行っている吉田伸夫さん。

まず、一般的なイメージが覆されるのが、
宇宙の始まりの「ビッグバン」についてです。

「バン」の意味が、大きなバーンという爆発音
であるため、最初に何やら「爆発があった」と
イメージしている人も多いことでしょう。

しかし、実際にビッグバンで「爆発」が
あったわけではありません。

そこにあるのは、名前のイメージとは真逆で、
密度や温度がきわめて大きいにもかかわらず、
かなり整って秩序だった状態。

高度な一様性があって、異常に高温の中で
膨張が始まるという、かなり不自然で
奇妙な状態です。

宇宙は、そのものすごく整った状態から始まり、
物質の凝集によってその整然さが徐々に崩壊
していきます。

そして、凝集と拡散がせめぎ合う中で、
銀河やガス流が作られ、更に元素合成のある恒星や
造山活動のある惑星などが作られます。

凝集と拡散のせめぎ合いは、最終的には拡散の
方向にながれ、その極限状態に行き着きます。

ビッグバンから10の20乗年後には、
銀河がブラックホールに飲み込まれ、
ブラックホールと漂流天体だけが残ります。

10の40乗年後には、漂流天体などの物質を
構成していた素粒子が崩壊。

最終的に10の100乗年後には、最も大質量の
ブラックホールがホーキング放射で蒸発し、
新たな構造形成の可能性は失われます。

それが、宇宙の終焉、ビッグウィンパーです。

宇宙の終わりといっても、この宇宙が、
自然界から忽然と姿を消すわけではありません。

生物でいうと、死骸と同じ状態です。

そこにあるだけで、宇宙の生命活動ともいえる
新たな構造を生み出す物理現象が何ひとつ
起こらない、完全なる活動停止になります。

構造形成を起こす材料もエネルギーもなく、
後は、永遠の沈黙が支配した状態です。

このビッグウィンパーまでの時間軸で考えると、
宇宙が生まれてから、現在までの138億年は
刹那ともいえる短い期間のようです。

  「本書の “はじめから始めて、終わるところ
  まで終わらない” 叙述を通じて、
  想像を絶する宇宙の巨大さと、ちっぽけな
  存在であるにもかかわらず宇宙の全貌を
  知ろうとする人間の気骨を、実感して
  いただきたい。」

あまりにも私たちの普段の時間感覚とは
かけ離れた壮大な宇宙のストーリーに、
今まで仕事や生活で悩んでいたことが、
ほんの些細なことに思えるかもしれません。

本書は、専門的知識がない人でも、
非常に興味深く読める良書だと思います。

この本から何を活かすか?

H・G・ウェルズさんの古典SF小説、
『タイム・マシン』では、最後は燃え尽きる
太陽の姿が描かれていました。

その描写では、光りが次第に弱々しくなって、
最後には冷えて赤みを帯びた巨星になります。

しかし、現実の太陽は、核融合の効率を上げ、
次第に高温になっていきます。

そして膨張を始めた太陽は、ガスを放出して
軽くなっていき、核融合のエネルギーが
なくなると、最後は白色矮星になるようです。

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| 科学・生活 | 07:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「だから女は」と言わせない最強の仕事術

満足度★★★
付箋数:23

オトバンクの上田さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

  「結論から先に申し上げます。
  仕事で何より必要な力。それは、間違いなく
  コミュニケーション力です。
  コミュニケーション力を極めることが、
  必ず仕事の成果につながります。
  これは営業職や接客業など日ごろから
  お客様と接する仕事をしている人に限りません。
  専門職で一日中パソコンの前に座っている人
  にとっても、やはりコミュニケーション力は
  欠かせないスキルです。」

コミュニケーション力というと、その人が
持って生まれた「性格」と思いがちです。

 ・あの人は社交的で、人に好かれる性格
 ・誰とでも話せる性格って得だよね
 ・私は人と話すのが苦手だから・・・

あなたは、コミュニケーション力を
このように「性格」のせいにしていませんか?

しかし、本書の著者、朝倉千恵子さんは、
コミュニケーション力を左右するのは、
「性格ではない」と断言します。

では、一体、何がコミュニケーション力を
決める要素なのか?

それは、「礼儀・礼節」。

カタチを変えるだけでコミュニケーションは
うまくいくようになり、それは何歳からでも
身につけられるスキルなのです。

実際に朝倉さん自身も30歳を過ぎてから、
表情や立ち振舞い、言葉遣いなどの
礼儀・礼節を徹底的に身につけることで、
飛躍的にコミュニケーション力を
伸ばしたといいます。

なぜ、礼儀・礼節を身につけると
コミュニケーション力が伸びるかというと、
それは相手に対する思いやりや優しさを
形にしたものだからです。

本書は「前を向く女性の努力を
結果に変える本」というサブタイトルが
ついていますが、女性だけに役立つ本では
ありません。

男女の違いを踏まえてコミュニケーション力を
伸ばすためのヒントが書かれているので、
男性が読んでも十分役に立つ本です。

  「そもそも男性と女性では身体的特徴が
  違うように、価値観や考え方、脳の構造まで
  全く違います。そのことを理解せずに、
  型にはめようとしたところで、女性たちが
  イキイキと仕事ができるようにはならず、
  結局女性の能力を活かすことができません。
  まず男性と女性の違いをしっかり認識した
  上で、それぞれの長所は活かし、
  短所は補いあっていくような関係性に
  シフトしていくべきではないでしょうか。」

本書では、女性が中心ではあるものの、
男性の上司・部下・同僚との付き合い方、
女性の上司・部下・同僚との付き合い方の
シチュエーション別に対処方法を解説します。

男性の私から見ても、朝倉さんは
「男性心理がよくわかっているなー」
と感心しました。

また、「女性って、こういう考えなのか」
という発見がいくつもありました。

特に「男性に媚びない女性の言動や仕草」や
「女性の涙」などは、多くの男性上司にとって
有益なアドバイスになると思います。

そして、職場で悩みのタネである人間関係も、
男女で使い分けたコミュニケーション力を
身につけると、かなり円滑にいくようになる
ことでしょう。

 Chapter1 仕事で何より必要な
     コミュニケーション力

 Chapter2 社内の人間と向き合う(男性編)
  ~「だから女は」と言わせない最強の仕事術~

 Chapter3 社内の人間と向き合う(女性編)
  ~女の敵は女!? 仕事で結果を出すには
  女性を味方につけろ!~

 Chapter4 お客様と向き合う
  ~押しは強いのに、しつこくない!
  最強の営業術~

 Chapter5 パートナーと向き合う
  ~「仕事と私どっちが大事?」から
  「仕事とオレどっちが大事?」の時代に~

 Chapter6 自分自身と向き合う
  ~夢は叶う! なりたい自分を鮮明に描こう~

この本から何を活かすか?

本書の最終章は自分のやりたいことを見つけ、
理想の姿を明確にするワークが掲載されています。

目の前の仕事をこなすことも大事ですが、
人生の目標を持っているかどうかが、
日々の仕事への取り組み方に影響します。

ぼやっとした夢があっても、それをどう
実現したらいいかわからない方にも、
本書の書込み式ワークは有効だと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| コミュニケーション | 05:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち

満足度★★★
付箋数:23

あなたは部下を潰す、「クラッシャー上司」に
なっていませんか?

こう聞いても、誰一人、「自分はなっている」
と答える人はいないでしょう。

なぜなら、「クラッシャー上司」は、
自分がクラッシャーである自覚がないことが
一つの特徴だからです。

もし、あなたの部下がメンタルの問題で、
出社できなくなったり、辞めていった部下が
いたなら、それは部下の問題ではなく、
あなたの指導がそうさせたのかもしれません。

それも、良かれと思って部下の失敗を
サポートしたり、会社の業績に貢献しようと
した結果、知らず知らずのうちに、
部下を精神的に追い込んだ可能性があります。

あなたが、「仕事がデキる」方なら、
なおさら、クラッシャー上司にならないよう
注意が必要です。

クラッシャー上司は、もともと「潰し屋」と
呼ばれていて、東京慈恵会医科大学精神科
教授の牛島定信さんが命名したものでした。

牛島さんの元で学んでいた松崎一葉さんが、
その事例の研究をすすめ、「クラッシャー」
という名称に置き換えました。

クラッシャー上司とは、部下を精神的に
潰しながら、自分はどんどん出世していく人。

  「 “クラッシャー上司” は基本的に能力が
  あって、仕事ができる。しかし、部下を
  ときには奴隷のように扱い、失敗すると
  ネチネチ責め続け、結果的に潰していく。
  部下は心を病んで脱落していくが、
   “クラッシャー上司” 自身の業績は社内でも
  トップクラスであることがほとんどだ。
  だから、会社が問題性に気づいても
  その者を処分することができない。
  次々と部下を潰しながら、どんどん出世
  してしまう。」

本書は、実例からクラッシャー上司の
特徴と、クラッシャーが生まれる背景を知り、
その対策を考える本です。

松崎さんは、クラッシャー問題の被害者に
とって、その状態から脱するための
「実用書」を作ろうと考え、本書を執筆
しました。

松崎さんの15年間の研究の知見を、
多くの事例を挙げながら、わかりやすく、
リアルに、具体的に伝えています。

クラッシャー上司の中には、ドラマで
見かけるような小悪人的上司もいますが、
ほとんどの場合、本人に悪意はありません。

自分は正しいことをやっているつもりで、
共感力が弱い「鈍感」な上司なのです。

なぜ、部下をドンドン潰していく
クラッシャー上司を会社は放置するのか?

それは、会社は利益を追う組織だから。

ほとんどのクラッシャー上司は、
仕事がデキて、短期的には会社に利益を
もたらす存在です。

中長期ではなく、短期の利益確保だけに
目が行っている会社も多いので、
利益をもたらすクラッシャー上司の行為は
見て見ぬふりをせざるを得ないのです。

クラッシャー上司は、仕事はデキるのに、
精神的には未熟であるため、会社にとっては
根深い問題になっているのです。

 第1章 いったい彼らは何者か
  ― クラッシャー上司の実態
 第2章 クラッシャーの精神構造
  ― 未熟なデキるやつ
 第3章 クラッシャーを生む日本の会社
  ― 滅私奉公の時代の終わり
 第4章 クラッシャー対策
  ― その暴力から身を守るために

本書は、実際にクラッシャー上司の被害を
受けている方や、クラッシャーの存在に
困っている会社にとって役立つ本です。

また、部下を持つ方は自分がクラッシャーに
ならないよう、セルフチェックするために
読むのがいいと思います。

この本から何を活かすか?

部下の努力を認めたり、褒めることをしない
のもクラッシャー上司の1つの特徴です。

本書には、部下を褒める4つのステップが
まとめられていました。

 1. 成功までの努力の「過程そのもの」を褒める
 2. 成功した結果を「論理的に評価して」褒める
 3. 成功を共に喜び、共感する
 4. 次の成功への期待を表明して課題を呈示する

部下を効果的に褒めるには、このような
ステップを踏む必要があるのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界一やさしい読書習慣定着メソッド

満足度★★★
付箋数:24

大和書房の若林さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

世の中には、「読書が苦手だ」と思っている
人がけっこう多くいます。

もちろん、ディスレクシア(読字障害)という
障害を持つ方も実際にいますから、
本当に本が読めない人もいることでしょう。

しかし、「読書が苦手だ」というのは、
ほとんどの場合、単なる「思い込み」。

読書に対する固定観念がそうさせているのです。

  「 “本を読むのが苦手” というのは、
  詰まるところ思い込みでしかないという
  ことです。たとえ本を読むのが苦手だと
  いっても、それは現時点でのプロセス(過程)
  が苦手だというだけであり、 “本が苦手” 
  だということとは根本的に違う話なのです。
  でもコンプレックスのようなものが先に
  立ってしまうからこそ、必然的に “苦手だ” 
  という部分だけが強調されてしまい、
   “自分は読書に向いていない” とうような
  考え方につながってしまう。
  ただそれだけのことなのです。」

本書の著者は、ライフハッカー[日本版]
などで、ビジネス書を中心とした書評を
毎日書き続けている印南敦史さんです。

印南さんの前著『遅読家のための読書術
では、「本は好きだけど、読むのが遅い」
という方を対象にしていました。

今回は、もう少し本と距離がある方、
読書に苦手意識がある方を対象としています。

「本が苦手だ」と思っている方の多くが、
読書に対する「義務感」を持っています。

 ・きちんと読まなければいけない
 ・読んだら理解していなければならない
 ・1行でも読み飛ばしがあってはいけない
 ・積読なんてとんでもない
 ・ぜんぜん先に進まない自分に幻滅する

こんな「義務感」を持っていては、
ますます読書が嫌いになってしまいます。

読書に守るべきルールなんてありません。

本来、読書は自分のための体験だから、
ひたすら「ワガママ」でいい。

人の読書方法を参考にすることはあっても、
他人と比較する必要はありません。

本書は、読書に対する固定観念を振り払い、
「自分にとって心地よい読書スタイル」を
身につけるための本です。

本書でノウハウとして紹介されているのは、
「本が読みたくなる」読書術です。

 1. 「読みたくなる」メソッド
  100%理解するのを目指すのではなく、
  自分にとって価値のある1%を見つける
  ことを考えて読む。

 2. 「読み進める」メソッド
  読み進められないときは無理しない。
  読書には相性とタイミングがあるので、
  一度読むことをやめても、なんらかの縁が
  ある本は、いずれ読む機会がやってくる。

 3. 「習慣づける」メソッド
  短く、確実にライフサイクルに組み込む。
  「あらかじめ決めた数十分」と「細切れ読書」
  を組み合わせていけば、読書は必ず
  習慣化できる。

印南さんも、以前は読書に対する苦手意識が
非常に強かったといいます。

それが今では、年間700冊以上の本を読み、
1日1冊以上レビューを書き続けるように
なりました。

本書には、読書への苦手意識を克服して、
短期間で圧倒的読書量を誇るようになった
印南さんのノウハウが詰め込まれています。

しかし、本書を読む場合も、
「この本で読書の苦手をなくそう」などと
意気込んではいけません。

気になる部分だけでも、つまみ食いして、
1つでもヒントになる部分があればいい。

それぐらい軽い気持ちで読むことが、
一番大切なポイントです。

この本から何を活かすか?

  「僕はときどき意識的に、興味のない本を
  読むようにしています。(中略)
  自分の興味に引っかからないものを
  あえて読んでみると、そこから自分の
  好奇心の容積が広がっていく可能性が
  あるわけです。」

印南さんは、「興味がない」のは、
その時点での自分の主観でしかないと
説明しています。

私もたまに、あまり興味がない本を
読んでみることがあります。

すると、いつもではありませんが、
「こんな世界もあるのか」と
パッと視野が広がることがあります。

それも読書の1つの醍醐味です。

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| 読書法・速読術 | 06:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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東大が考える100歳までの人生設計 ヘルシーエイジング

満足度★★★
付箋数:20

あなたは、何歳まで生きるつもりですか?

私は、100歳まで生きるつもりでいます。

そこで、「100歳」というキーワードが
目を引いたのが本書でした。

  「本書は、これから定年を迎える、
  あるいはすでに定年を迎えた読者の皆さんが、
  これからの自分の生活をデザインする際の
  手引になるよう、東京大学高齢社会総合研究機構
  に集まる同年代のメンバーの知恵を集結して
  コンパクトにまとめた “ヘルシーエイジングを
  実現するための生活の指針集” 。
  つまり60歳からの “食う・寝る・遊ぶ
  (+活動する・仕事する)” のライフデザイン
  の方法を示したマニュアルだ。」

「食う・寝る・遊ぶ」と聞いて、
むかし、井上陽水さんがやっていた、
日産セフィーロのTVコマーシャルを
思い出した方は、そこそこの年齢に
なっているはずです。

本書にさらっと目を通しておいても、
損はありません。

本書のメインターゲットは、アラウンド60。

60歳が迫っている方は、真剣に読んだほうが
いいでしょう。

しかし、そのときでは一部手遅れになって
いることもあるので、アラ50になったぐらいで、
将来何が必要となるかを軽く見ておいた方が
いいと思います。

本書が目指すのは、永遠に歳をとらない
フォーエバーヤングではありません。

また、「老いてなお盛ん」を目指す
アクティブエイジングでもありません。

ヘルシーエイジングとは、心身が衰えてきても、
そこそこ元気に楽しく、自分らしく、
自立的に暮らし続ける、ほどほど穏やかな
歳のとり方を目指す考え方です。

現在の平均寿命は男性84歳、女性89歳で、
医療の発達で更に寿命は延びることが
予想されていますから、100歳まで生きることが
あたり前になる時代がやってきます。

しかし、100歳まで生きたとしても、
寝たきりや要介護となってしまっては、
人生のゴールデンイヤーを謳歌できません。

定年後、そこそこの健康が維持できれば、
それはあなたの人生にとって、
素晴らしい期間になるのです。

  「65歳以降の人生後半期は、小学3年生の頃の
  夏休みのような、自分のやりたいことだけを
  していて良い時代。学生の頃のように
  何者でなくても良く、何にチャレンジしても
  許される時代なのだ。人生の後半は、
  そのように、自由で自発的で自立的な生活を
  自分でデザインして楽しむことができる
  時代になりうる。」

何も考えずに、楽しいことだけをやっていた
「小3の夏休み」。

あの時代がまたやって来ると考えると
ワクワクしますが、今度の「小3の夏休み」は
しっかりと準備した人にだけやって来ます。

 第1部 基礎理論編
  ヘルシーエイジングのための基本原則
 第2部 戦略編
  第1章 健康編
   食事・運動・休養
  第2章 生活環境編
   住まいと身の回りの環境を整える
  第3章 生きがい編
   あそび・たのしみ・しごと・居場所
  第4章 制度活用編
   いざという時に備える

正直、読んでいて楽しい本とは言えませんし、
メインターゲットの世代意外が読むと、
「まだ早いよ」と思うかもしれません。

しかし、本書はあらゆる生活環境のことが
網羅的に書かれているので、ぼやっとしか
想像できなかった未来が、細部まで具体的に
イメージできるようになると思います。

この本から何を活かすか?

健康な身体はバランスの取れた食事から

  「食物繊維が玄米よりもっと多いのは蕎麦。
  そば1枚は約300kcal、タンパク質12.5g、
  食物繊維4g。もりそばを1日に5枚食べれば、
  それだけで必要なタンパク質が摂れる。
  アミノ酸バランスも良く、ビタミン、ミネラル、
  食物繊維も豊富なので、蕎麦は完全食品と
  いわれる。」

蕎麦の中でも、さらに栄養豊富でバランスが
いいのが「月見そば」と「キツネそば」。

私は、ラーメンを食べる機会を減らして、
少し蕎麦に切り替えようと考えていたので
丁度よいアドバイスになりました。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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自分の頭で考えて動く部下の育て方

満足度★★★★
付箋数:24

  「私の身の回りには、いわゆる “指示待ち人間” 
  が1人もいない。不思議なことに優秀な人の
  周りに限って指示待ち人間がいたりする。
  それはなぜなのか、考えてみた。」

世の中の「上司」の愚痴を聞いていると、
部下が「指示待ち人間」であったり、
自分の頭で考えて行動できないことが、
悩みのタネであることが多いようです。

しかし、本書の著者、篠原信さんの部下には、
そんな「指示待ち人間」は1人もいないと
言います。

この違いはいったい、何なのでしょうか?

実は篠原さんは、ビジネスマンではなく、
農業・食品産業技術総合研究所機構の
上級研究員です。

篠原さんは、水耕栽培では不可能と
されていた有機質肥料の使用を可能に
する栽培技術を研究、開発しました。

この研究に派生した技術で、2012年度
農林水産研究成果10大トピックス賞を
受賞した方です。

篠原さんの部下に接し方は、次の通りです。

まず、部下が指示を求めてきたときに、
「どうしたらいいと思いますか?」と
必ず反問します。

部下が戸惑って、どうしても具体的に
指示して欲しいと言っても、
引き下がりません。

  「いや、私もどうしたらいいか分からない
  んですよ。でも何かしなきゃいかないから
  考えるきっかけがほしいんですけど、
  何か気づいたことありますか?」

と、なんでもいいから口にしてくれたら
ありがいたい、という形で意見を求めます。

すると、おずおずと意見を口にして
くれるようです。

すると篠原さんは、こう言います。

  「あ、なるほどね、その視点は
  なかったなあ」

  「今の意見を聞いて気づいたけど、
  こういうことにも注意が必要ですかね」

意見を聞いたことがプラスになった
ことを伝え、さらに意見を促すと、
だんだん意見を言うようになって
くれようです。

部下から的はずれな意見が出たときは、
むやみに否定せず、次のように伝えます。

  「なるほどね。
  ただ今回は、こういう仕事を
  優先したいと思っているんですよ。
  その方向で考えた場合、何か別の意見が
  ありませんかね?」

もし、部下が自分の考えとはズレたことを
すでに行ってしまった場合はこう言います。

  「私の指示があいまいだったので、
  仕方ないです。私の責任ですので、
  気にしないでください。
  ただ、実はこう考えているので、
  次からはそのように行ってください。」

この部下との接し方をまとめると、
3つのステップになります。

  1. 自分の考えを折に触れて伝える
  2. 後は自分で考えて行動してもらう
  3. 失敗があっても、「しょーがない」
   とし、改めて自分の考えを伝えて
   次回から軌道修正してもらう。

この3つのステップを繰り返すだけで、
上司の考えを忖度しながらも、
自分の考えて行動できる部下が育つようです。

ポイントとなるのは、3ステップ目の、
失敗したときの対応。

実は、上司が優秀過ぎて、細かく指示を
出しすぎるほど、部下は自分の頭で
考えなくなります。

そして、失敗したときに、それを責めると、
次は指示通りにやって叱られないように
しようとします。

こうして、「指示待ち人間」がどんどん
製造されてしまうのです。

「最近の新人は指示待ち人間ばかり」
と嘆きながら、実は自分が細かく指示をして、
指示待ち人間をつくっているのです。

篠原さんの語り口は、ユーモアに溢れ、
肩の力を抜いて読めるので、
無理なく頭に入ってきます。

目からウロコの部下指導方法が満載で、
子育てにも活用できる良書です。

職場や家庭には、是非、1冊置いて
おきたい本だと思います。

この本から何を活かすか?

本書には、上司として知っておきたい
心構えとして、「上司の非常識な六訓」が
まとめられていました。

  1. 部下ができたら楽になろうと思うなかれ
  2. 上司は部下より無能で構わない
  3. 威厳はなくて構わない
  4. 部下に答えを教えるなかれ
  5. 部下のモチベーションを上げようと
   するなかれ
  6. 部下を指示なしで動かす

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ささやかな知のロウソク―ドーキンス自伝2

満足度★★★
付箋数:23

  「『好奇心の赴くままに』とちがって、
  私の自伝のこの第二巻は、単純に時系列に
  沿ったものではないし、私の70歳の誕生日
  からの1回のフラッシュバック的回想でさえ
  ありません。むしろこれは、テーマによって
  分けられ、横道への脱線と逸話によって
  区切られた、一連のフラッシュバックです。
  厳密な年代順に従うことをやめたので、
  テーマの順序はいくぶん恣意的であります。
  第1巻で私は “私をかくあらしめるに
  与ったものが何かというかぎりにおいて、
  オックスフォード大学こそそれだった” 
  と言いました。ならば、その鮮やかな
  大理石の壁をもつ大学に私が帰還した
  ところから始めない理由はないでしょう。」

本書は、リチャード・ドーキンスさんの
自伝2部作の完結編。

ドーキンスさんは、どのようにして、
「利己的な遺伝子」、「延長された表現型」、
「ミーム」などの概念を着想したのか。

その当時を思い出して振り返っています。

ドーキンスさんと言えば、世界で最も有名な
進化生物学者の1人です。

その名声は、1976年の著書『利己的な遺伝子
の発表によってもたらされました。

それ以降は、純粋な科学者というよりも、
科学「啓蒙者」として精力的に活動しています。

生粋のダーウィニストで無神論者、
それどころか宗教批判者として有名です。

キリスト教文化が背景にある欧米において、
神は妄想であるThe God Delusion)』
なんていう本をよく執筆したなと思います。

進化論さえまともに学校で教えていない
文化の中で、反迷信、反・非合理主義を
徹底して主張しているのは凄いことです。

ちなみに『神は妄想である』も150万部以上の
ベストセラーになっています。

本書は、世間を騒がしてきたドーキンスさんの
論争を振り返っている部分もありますが、
目を引くのは、自慢話も含んだかなり豪華な
交遊録です。

どうしてこんなに凄い人脈を持つのかと
思ってしまいますが、これはドーキンスさん
ならではの特別なことです。

登場する科学界の著名人の一部を挙げると、
ジョン・メイナード・スミスさん、
ウィリアム・ドナルド・ハミルトンさん、
スティーヴン・ワインバーグさん
ピーター・メダワーさんなどなど。

その綺羅びやかな交遊録は巻頭に24ページの
カラー写真としても収められています。

私が本書で興味を持ったのは、英国王立研究所の
クリスマス講演をドーキンスさんが引き受けた
経緯です。

クリスマス講演とは、イギリスの科学者、
マイケル・ファラデーさんが1860年に
子供向けに行った由緒あるレクチャーです。

有名な『ロウソクの科学』はその講演内容を
収めたもの。

この王立研究所の講演は、季節は違いますが、
日本でも実施されたこともあり、
ドーキンスさんは、その時に来日しています。

クリスマス講演での来日や小笠原諸島への
訪問は「至福の島」の章に書かれています。

本書は600ページを超えるかなり分厚い本ですが、
ドーキンスさんファンにとっては、
そのウィットに富んだ文章をもっと読みたいと
思うことでしょう。

翻訳は、『利己的な遺伝子』の増補版以降、
ドーキンスさんの著作のほとんどを担当する
垂水雄二さん。

神は妄想である』、『進化の存在証明』、
好奇心の赴くままに』など、最近の本は、
ずっと垂水さんが翻訳しているので、
安心して読むことができます。

この本から何を活かすか?

「コンコルドの誤謬」もドーキンスさんが
生み出した表現です。

これは経済学で言う「埋没費用効果
(サンク・コスト)」の比喩表現です。

それまでの投資を惜しんで、途中で開発を
やめられなかった音速旅客機コンコルド事業の
失敗例から名付けられたもの。

タムシン・カーライルさんとの共同論文で
発表され、『利己的な遺伝子』の中でも
使われている表現です。

こういった種類の表現が本当にドーキンスは
上手いですね。

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| 科学・生活 | 07:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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テクノロジー4.0 「つながり」から生まれる新しいビジネスモデル

満足度★★★
付箋数:21

18世紀後半から19世紀前半にかけて、
イギリスで起きた産業革命がテクノロジー1.0。

20世紀になって生産技術が進歩し、
大量生産時代がもたらされたテクノロジー2.0。

通信・インターネットの時代が幕開けして、
情報革命が起こったテクノロジー3.0。

そして21世紀に入り、今起こりつつあるのが、
テクノロジー4.0です。

これは「つながり」から生まれる新しい世界で、
単なる技術革新ではありません。

テクノロジー4.0を生み出した要素は次の4つ。

 1. リアル(実態)経済
  これまで長きにわたって行われてきた、
  市場を通じてモノとカネが交換される
  実態のある経済活動です。

 2. ボーダレス経済
  ヒト、モノ、カネが国境を超えて行き来して、
  消費者から見ると、世界の最も安いところ
  から製品を手に入れる経済です。

 3. インターネットによる見えない大陸
  インターネット革命によってもたらされた、
  目に見えないサイバー空間で営まれる経済。
  
  FinTech、位置情報、IoTなどの新しい技術を
  支える空間です。

 4. マルチプル
  マルチプルとは、現在の株価が今年の収益の
  何倍かを示し、マーケットで企業の価値が
  いくらと見て取れるかの指標。

  テクノロジー4.0の原動力になっています。

この4つの要素のうち、2番目から4番目までは、
これまでの大前研一さんの著書のタイトル
そのものです。

暗に、大前さんが来るべきテクノロジー4.0
の世界を予見してきたと言っています。

  「本書では、FinTech、位置情報、IoTといった
  テクノロジーについて、どんな利点があり、
  どのようなビジネスが生まれているかを
  考察します。その中に、それぞれの
  テクノロジーがつながることよって生まれる
  相乗効果も見て取れます。
  テクノロジー4.0は、ビジネスモデルや
  経済のあり様を変えています。
  インターネット革命の次に来る未来には、
  どんな世界が広がっているのか、
  そして私たちはそこでどんなビジネスモデル
  を構築すべきか、ともに考えていきましょう。」

このテクノロジー4.0の中心にあるのは
「スマホ」です。

スマホが、あらゆるテクノロジーの媒介役
として機能して、「つながる」世界を創造し、
新しいエコシステムを生み出しています。

この全てのテクノロジーがスマホに
集約されている状態のことを
「スマートフォン・セントリック」
と呼びます。

本書は、新しいテクノロジーがもたらす、
「つながり」の世界を技術と経済の視点から
俯瞰した本です。

大前さんが企業経営者向けに行っている
勉強会「向研会」での講演資料とコラムを
中心に加筆・編集したものです。

個別の事例はさて置き、本書で目を引いたのは
FinTechの本質です。

FinTechを理解するためには、次の4つの原理を
知る必要があると解説されていました。

 原理1. 価値あるものは何でも貨幣と
    置き換えられて考えられる

 原理2. 価値は時間の関数である
 
 原理3. 通貨に依存しないスマホ経済

 原理4. 国家や金融機関に代わり、
    FinTechが信用を提供する

こうした本質を捉えた解説は大前さんらしい
ところだと思います。

ただし、本書全体を通して見ると、
テクノロジーの技術的解説と事例紹介が多く、
他の著書と比較すると、大前さん独自の視点は
少なかったように思えます。

この本から何を活かすか?

  「これからは特定の技術やサービスを
  ひとつずつ別々に勉強していては駄目なのです。
  半年に1回程度で良いので、全体を俯瞰し、
  新しい事例や面白い会社が出ていないか
  どうかを見渡すことをお勧めします。」

これは大前さんもやっている勉強法です。

本書のベースになっている「向研会」の
講演が、まさにそのような位置づけで
行われている勉強会なのでしょう。

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| IT・ネット | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃

満足度★★★★
付箋数:25

  「国立社会保障・人口問題研究所の推計に
  よれば、2035年には15歳以上の未婚率は
  男35.1%、女24.6%となり、有配偶率は
  男55.7%、女49.3%と、女性の有配偶率が
  初めて50%を切る。離別死別による独身者も
  男は9.2%だが、女は26.1%にまで達する。
  そうして、15歳以上の人口に占める
  独身者率は、48%に達する。
  約20年後、人口の半分が独身という国に
  日本はなる。日本の “ソロ社会化” は
  不可避で、確実にやってくる。」

本書は、日本の来るべき「ソロ社会」の姿と
そこにいたる背景を示し、「ソロで生きる力」
の必要性を問う本です。

著者は、博報堂でソロ活動系男子研究の
プロジェクトリーダーを務める荒川和久さん。

日本では、少子高齢化の問題ばかりが
取り沙汰されていますが、ソロ社会化こそが、
日本が世界に先駆けて突きつけられた課題
であると、荒川さんは指摘します。

ソロ化の内訳の中で、最も大きな割合を
占めるのが、男女ともに結婚しなくなたこと。

かつては、結婚するのがあたり前の社会
でしたが、なぜ、こんなにも未婚化が
進んでいるのか?

それは、簡単に言うと、女性に「結婚しない」
という選択肢が増えたから。

かつては、そんな選択肢がなかったからこそ、
男性はほぼ結婚できたのです。

女性が結婚しなくてもいい選択肢は、
経済環境の変化や働く女性の増加などに
よってもたらされました。

ちなみにアンケート調査によると、
結婚のメリットもデメリットも「お金」
であることがわかっています。

女性は、今までの社会的な関係性を放棄
してもいいくらいの経済的余裕がなければ、
結婚するメリットを感じない。

逆に男性は、自分のためにお金を使える
自由を捨ててまで、結婚をする必要性を
感じていない。

未婚化の原因の1つが「お金」であるならば、
ソロ化社会で注目すべきは「消費」です。

荒川さんは、モノ消費からコト消費へ、
そして次の段階の「エモ消費」へと
移行していくと考えます。

エモとは、ネット用語でエモーショナルの略。

ロジカルの対極にある、感情が高ぶった
様子を表す、「スゴい」「ヤバい」の上の
意味で使われているようです。

ここから、「もう一度その感情を味わいたい」
と思わせる精神価値としての消費のことを
荒川さんは「エモ消費」と名付けました。

これがソロ社会での消費のポイントです。

ところで、「ソロ化する」と聞くと、
旧世代の人間は、「幸せでない」とか、
「孤立している」といったマイナスの
イメージを持ってしまいます。

しかし、実態はそんなことはありません。

ソロ化している社会では、孤立している
どころか、実は、人とつながっていることが
前提となっています。

ですから、荒川さんが本書で必要性を説く
「ソロで生きる力」とは、他者と接触せず、
孤独に耐える力ではありません。

  「 “ソロで生きる力” とは “精神的自立” を
  意味するが、自立とは何者にも依存しない
  ということではない。むしろ、依存する
  ことのできる多くのモノや人に囲まれて、
  自ら能動的に選択し、自己決定できる人
  こそが “精神的自立” と解釈したい。」

ソロ化社会は大きな社会構造の変化ですが、
それは悲観すべき未来ではないようです。

本書では、そんな未来像を詳細なデータや
チャートを示しながら説明しているので、
非常に説得力のある内容でした。

この本から何を活かすか?

  「明治初期の日本人は、今よりも離婚率が
  高く、世界トップレベルだったが、
  江戸時代にさかのぼるとさらに離婚率は高い。
  一説には、町民でも人口千対離婚率が4.8
  あったと言われる。これは、現在の倍以上
  だし、ロシアや米国よりも高い。」

江戸時代は、離婚が多かったため、
それに伴って、再婚も多かったようです。

皆婚状態になったのは、明治以降、
西洋的な婚姻制度が導入されてから。

あまり想像がつきませんが、今よりも、
江戸時代の方が、男女ともに結婚も
離婚も再婚も自由で、双方自立した
関係性があったようです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人もチームもすぐ動く ANAの教え方

満足度★★★
付箋数:24

  「本書はANAのベテランスタッフたちに取材し、
  彼らが先輩から伝えられ、後輩に伝えてきた
   “教え方のコツ” を、1冊にまとめたものです。」

本書は、ANAビジネスソリューションによる
シリーズ第3弾。

第1弾が2014年7月刊行の『ANAの口ぐせ』で、
第2弾が2015年12月刊行の『ANAの気づかい』です。

ANAビジネスソリューションとは、ANAグループの
ノウハウを活かし、研修事業、人材派遣業を行う
ANAホールディングスの100%子会社です。

  「 “先輩は、後輩が自律成長するための
  サポーターである” 
  これが、ANAの教え方の基本です。
  私たちの会社においては、先輩は後輩を
   “動かす” のでもなく “引っ張る” のでもなく、
  サポートすることに重きをおいています。
  なぜ、ANAでは先輩がサポート役に徹する
  のでしょうか?
  その理由は、自分以外の人を育てない限り、
  会社は絶対に成長しないからです。」

本書に書かれている内容は、「あたり前」
過ぎるぐらい、あたり前の話しです。

しかし、実際の人を育てる現場では、
その「あたり前」がなかなかできません。

いかにその「あたり前」を1つ1つ拾い上げて
腹落ちするように、後輩を指導するか。

ミスしないことが当然の職場において、
いかにスタッフのモチベーションを維持するか。

こういった点に、大きな組織を動かしてきた
ANAグループの経験と叡智が詰め込まれている
ように感じました。

ANAグループが人財育成の際に、最も大切に
していることが、社員1人ひとりの「自律」を
促すことです。

自律とは、自分自身で成長の過程を考えて
意欲的に成長することを意味します。

なぜ、自律を重視するかというと、
ANAの置かれている空港や飛行機という
職場環境では、「臨機応変な対応」と
「意思決定のスピード」が常に求められて
いるからです。

状況によってお客様ごとに正解が異なり、
先輩に聞いていると判断が遅くなってしまう
こともあります。

その時の状況から、最善と思えることを
自分で判断して、すぐに行動することが
求められているのです。

だからこそ、ANAでは自分で考えて行動できる
自律的な人財の育成を重視しています。

先輩が後輩をトップダウンで指導する方法は、
すぐに仕事を覚えるという点で短期的には
効果を発揮します。

しかし、それだけを続けていると、
言われたことを言われたとおりにしかできない
「他律」の人に育ってしまう可能性があります。

求められているのは、1教えて10考えられる、
言われなくても、自分で成長することが
できる人財です。

ANAのように現場での対応力が必要な職場では、
一見遠回りに視える「後輩をサポートする」
という方法論が長期的に見て、自律的な人財を
育てる点では最も有効だったのです。

  第1章 ANAの先輩は、後輩の「サポーター」
  第2章 ANAの先輩は、思い切って「任せる」
  第3章 ANAの先輩は、一人を「チーム」で育てる
  第4章 ANAの先輩は、「ほめる、叱る」に
     心を込める
  第5章 ANAの先輩は、自分自身も「教わる」

本書は、行間も広く文字数も詰まった感じが
しないので、非常に簡単なことが書いてある
ように見えます。

しかし、意外と、と言っては失礼ですが、
個人的には非常にシックリくる内容が
多かったように思えます。

私は、このシリーズを読むのが初だったので、
ANAビジネスソリューションの第1弾と第2弾の
本も読んでみようと思いました。

この本から何を活かすか?

ANAグループではPDCAサイクルの最後に、
もうひとつ「S」という工程を加えています。

「S」とは、「Share(共有)」する工程。

ひとつのチームがPDCAサイクルによって得た
知見や情報を、他チームも活用できるように
して、共有知を蓄積しているようです。

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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フィードバック入門

満足度★★★
付箋数:24

2000年代後半頃から各企業の管理職研修には、
「コーチング」が次々と導入し始められました。

上司は部下に問いかけて、部下が自発的に
語ることを重視して、相手の中にある
答えを引き出すコーチング。

それまで行われていたティーチングを否定して、
育成においては、むやみやたらにコーチングが
もてはやされた感もありました。

しかし、蓄積された業務経験がない新人に、
「君はどうすればいいと思う?」と聞いても、
その問いに答えようがありません。

実際、ティーチングがいいか、
コーチングがいいかは、ケースバイケース。

この両方の要素を含んで部下育成を行うのが、
本書で解説される「フィードバック」です。

フィードバックは、次の2つの働きかけを
通して、問題を抱えた部下や、能力・成果が
あがらない部下の成長を促進させます。

 1.【情報通知】
  たとえ耳の痛いことであっても、部下の
  パフォーマンス等に対して情報や結果を
  ちゃんと通知すること(現状を把握し、
  向き合うことの支援)

 2.【立て直し】
  部下がパフォーマンス等を認識し、自らの
  義務や行動を振り返り、今後の行動計画を
  立てる支援を行うこと(振り返りと、
  アクションプランづくりの支援)

フィードバックの2つの働きかけのうち、
「情報通知」がティーチング的側面を含み、
「立て直し」がコーチング的側面を含みます。

本書は、人材育成の要となるフィードバック
についての入門書です。

著者は、東京大学 大学総合教育センター
准教授の中原淳さん。

「大人の学びを科学する」をテーマに
企業や組織での人材育成やリーダーシップ
開発の研究を行っている専門家です。

さて、本書のメインとなるフィードバック
技術の概要は以下の通りです。

 【事前】…情報収集:SBI情報の収集
 【フィードバック】
  1. 信頼感の確保
  2. 事実通知:鏡のように情報を通知する
  3. 問題行動の腹落とし:対話を通して
   現状と目標のギャップを意識化させる
  4. 振り返り支援:振り返りによる真因探求、
   未来の行動計画づくり
  5. 期待通知:自己効力感を高めて、
   コミットさせる
 【事後】…フォローアップ

フィードバックで最も大切なことは、
「フィードバックから始めない」ことです。

「事前」と「事後」を含めた全体が
フィードバックで、特に事前に相手を
よく観察して、情報収集しておかなければ、
相手に刺さるフィードバックはできません。

準備しておくSBI情報とは、「どんな状況で、
部下のどんな振る舞いが、どんな影響を
もたらしたのか」を明確にしたものです。

S=シチュエーション、B=ビヘイビア、
I=インパクトの頭文字をとった情報です。

そして、フィードバック面談が終わった後、
フォローアップとモニタリングをすることも、
行動を改善するためには、決定的に重要です。

これまでフィードバックという言葉自体は
よく耳にしたことと思いますが、
体系化された技術として学んでいる方は
少ないと思います。

本書ではケーススタディやQ&Aを含め、
職場で使える実践的なスキルとして、
フィードバックの技術をわかりやすく
解説しています。

対人スキルですから、今日覚えて明日から
使えると言えるほど簡単ではないと思います。

しかし、本書の解説を読むことと
フィードバックの実践を繰り返しながら、
身につけたい技術だと思います。

この本から何を活かすか?

フィードバック実践の5つのチェックポイント

フィードバックの際、特に気をつけておきたい、
難しいポイントは以下の通りです。

  1. 相手としっかり向き合っているか?
  2. ロジカルに事実を通知できているか?
  3. 部下の反応を見ることができているか?
  4. 部下の立て直しをサポートできているか?
  5. 再発予防策をたてているか?

効果的なフィードバックをするためには、
この5つを自分に問い、チェックする必要が
あるようです。

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| コミュニケーション | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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チームで考える「アイデア会議」

満足度★★★★
付箋数:25

アップルシード・エージェンシーの山田さん
から献本いただきました。ありがとうございます。

本日紹介するのは、前回の記事に続き、
加藤昌治さんの『考具』からの派生本です。

アイデアはどこからやってくるのか』や
考具』では、アイディアパーソンになる
方法が説明されていました。

あなたが、アイディアパーソンになった
としても、「会議」は必要なのでしょうか?

実は、この世の中にはアイディアは、
3種類しかありません。

  1. 自分に出せたアイディア
  2. 自分にも出せそうで・・・
   出せなかったアイディア
  3. 自分にはまったく想像もつかなかった
   アイディア

どんなアイディアパーソンでも、
1人で考えられることには限界があります。

しかも、本人は気づいていませんが、
アイディアの方向性は限定されているもの。

実際、1人でアイディアを考えるだけでは、
最初の「1番」しか出ていないことになります。

そこで、必要になるのが「会議」です。

しかし、「いきなり企画会議」をやっては
いけません。

「いきなり企画を持って来い会議」は
逆に、いい企画が生まれることを邪魔します。

それは、企画の核となるアイデアよりも、
実現性に目が向いてしまうから。

たとえブレインストーミングをやっていた
としても、企画の芯となるアイディアを
考える時間が取れていないのです。

企画会議では、アイディアを考える時間と、
それを企画に整える時間をしっかり
分けることがポイントとなります。

本書で解説されるのは、この2つを
しっかり分けた「アイディア会議」です。

アイディア会議は、次の2つのステップに
分かれます。

第1ステップ=アイディア出し尽くし会議
第2ステップ=イチ押しアイディア選び出し会議

この第1ステップが「拡散」の段階で、
第2ステップが「収束」の段階に当たります。

この2つの段階を一緒にやらないために、
参加者の役割も明確に分けます。

主に第1ステップで活躍する、アイディアを
たくさん考える役割の「プランナー」。

そして、主に第2ステップで活躍する、
選択肢として出てきたアイディアの中から、
チームとしてのイチ押しアイディアを決める
「ディレクター」です。

役割を決めたら、アイディア会議で覚えるべき
ゴールデンルールは3つだけ。

ルール1 持ち寄る(手ぶら禁止)

 アイディア会議に手ぶらで来るのは禁止です。

 事前にアイディアの数を出して、持ち寄って、
 みんなに会議で披露します。

ルール2 発言と発言者を切り離す

 「部長のアイディア」のように
 人とアイディアが一緒になっていては、
 純粋にアイディアだけにフォーカスして
 意見を言うことはできません。

 出てきたアイディアだけを紙に書き、
 発言と発言者を完全に切り離して考えます。

ルール3 選ぶ

 アイディアを絞り込むとは、選ぶことであり、
 捨てること。

 この段階では、合議制よりも独断の方がいい。
 その仕事をするのが、ディレクターです。

 意見は十分に聞くけれでも、最終的に判断
 するのはディレクターの独断となります。

ディレクターが判断する軸は2つあって、
1つ目の軸は、そのアイディアが面白いか
どうか。

もう1つの軸は、筋がいいかどうかです。

筋がいいには、そのアイディアで、
問題解決できるか、文化・風土とマッチ
しているか、社会との調和性があるか
などの意味が含まれています。

本書で解説される「アイディア会議」は、
チームでの企画力を最大化します。

この方法で、昨日までグダグダだった会議が、
いい企画を次から次へと生み出す会議へと
生まれ変わるでしょう。

ちなみに、本書は2006年に大和書房から
刊行された『アイディア会議』に加筆・修正
して、改題したものです。

この本から何を活かすか?

  考える、とは紙に描くこと!

紙に描かれていないことは、ないのと一緒
と言うぐらい、描くことが重要。

このとき大きく描くことがポイントで、
A4かB5のサイズの紙1枚に、1案だけ描きます。

アイディア会議では、この紙を並べて見るので、
広めの机も必要です。

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| 会議術・ファシリテーション | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アイデアはどこからやってくるのか

満足度★★★★
付箋数:24

アップルシード・エージェンシーの山田さん
から献本いただきました。ありがとうございます。

  「この本の位置づけは、『考具』で
  書き足りなかったところを補足するような
  役割になっているのかなと。
  併せてお読みいただければ幸いです
  (カブっているところはそれだけ重要視
  している、ということで…お許しを!)。」

考具』とは、加藤昌治さんが著した
アイデア発想術の名著で、2003年に
刊行されてから、今でも売れ続けている
ロングセラーです。

私も、この本を多くの人に勧めてきました。

本書は、その『考具』の基礎編に位置づけられた
アイディアパーソンになるための本です。

アイディアパーソンとは、本書では、
次のように定義されています。

  「まずは、公私を問わず、どんな課題に
  対してもくだらない案を含めて
  アイディアをたくさん出す人。
  そして、公私を問わず、どんな課題に
  対しても素敵なアイディアをたくさん出し、
  それを企画として仕上げる能力のある人。」

では、そもそもアイディアとは、
一体、何なのか?

本書で中心として使うのは、
ジェームズ・ウェブ・ヤングさんによる
有名な定義です。

  「アイディアとは既存の要素の新しい
  組み合わせにしか過ぎない」

これは古典的名著『アイデアのつくり方
の中で示されていた考えです。

アイディアを生み出すには、
既存の要素をどこかから見つけてきて、
それを組み合わせればいいのです。

ここで重要なのは、組み合わせよりも、
既存の要素をどうやって集めるか。

既存の要素の出どころは、
自分が知らないことを外から持ってくるか、
すでに知っていることを自分の内から
思い出すかのどちらかです。

ここで問題となるのが、知っていることが
すべて思い出せるわけではない点です。

「知っている≠思い出せる」なのです。

  「地味かもしれませんが、意外に大事で
  効くのは “既存の要素” の取り扱い。
  直接体験、間接体験、知識をどのように
  探し出し、脳裏に取り込み、
  かつ忘れないように活性化しておくか。
  アイディアパーソンにとって必要な
  既存の要素を常に、自分の手の届く場所に
  引き寄せておくのか。他人事でなく
  自分ごと、として続けられるか? が焦点。」

そのための方法として本書で紹介されて
いるのが「たぐる」という技法です。

「たぐる」の技法を使うと、自分の知らない
ことを外から手元に引き寄せることも、
自分の知っていることを、記憶の表層に
上がらせることもできるのです。

「たぐる」で自分ごと化する技は、
「ぶつかる」、「思い出す」、「押さえる」、
「ほる」の4つの小技に分解されます。

この4つの小技をいくつか組み合わせ、
できるだけ多くの既存の要素を集めます。

本書では、この技をケーススタディで学び、
細かな疑問点は章末のQ&Aで答える構成で
書かれています。

本書は2009年に講談社より刊行された
『アイデアパーソン入門』の改訂新版です。

旧版から30%ほど改稿さているようで、
私は2009年当時、旧版を読んでいますが、
結構変わった印象がありました。

本書と『考具』、そして後日紹介予定の
チームで考える「アイデア会議」』。

これら加藤さんの3部作は、
アイディアを考える人にとっては、
是非、揃えておきたい本だと思います。

この本から何を活かすか?

アイディアは、量が質を生むので、
まずは、たくさん出すことが重要です。

そしてアイディアは、ちょっとの違いが大違い。

少しズラしただけで、平凡なアイディアが
斬新なアイディアに生まれ変わります。

だから抽象度を上げて考えてはいけません。

  「アイディアを出すときは、抽象度を上げない。
  あえて固有名詞など具体的な表現を使って
  みてください。ちょっとの違いを尊重する
  ことがアイディア量産のヒケツです。」

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| アイディア・発想法・企画 | 11:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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