活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2017年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年03月

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日本につけるクスリ

満足度:★★★
付箋数:24

  「今回、一人の勇猛果敢な若者が私のもとを
  訪ねてくれた。彼の名は、安部敏樹。
  1987年生まれ、29歳の社会起業家だ。
  じつは、この “はじめに” の文章は対談が
  すべて終わってから書いているのだが、
  彼との対談はとても刺激的だった。
  団塊の世代同士とも、経済学者同士とも、
  政治家経験者同士ともまったく違う、
  エキサイティングな時間。
  いい議論をするのに年齢や立場は関係ない、
  とあらためて実感した対談でもあった。
  安部さんをご存じの方はまだ少ないかも
  しれない。だが、みなさんが10年後に
   “あいつが20代のころから知っていた” と
  友達に自慢できるような活躍をしている
  ことは間違いないだろうと思う。」

本書は竹中平蔵さんと安部敏樹さんの対談本。

竹中さんについては、ご存じの方も多い
はずですが、対談相手の安部さんについては、
知らない方も多いことでしょう。

私も本書で初めて安部さんの存在を知りました。

安部さんは、東京大学在学中に、社会問題の
現場を学ぶ旅行「スタディツアー」などを
提供する「リディラバ」を立ち上げた方。

その経験から、24歳のときに史上最年少で
東京大学教養学部にて授業を担当しました。

そもそも、なぜ安部さんが若いうちから
社会問題に興味を持ったかというと、
安部さん自身が社会問題だったからです。

中学のときには、母親をバットで殴って、
家を追い出され路上生活していた時期が
あったそうです。

高校に入っても、毎日コンビニの前で
タバコを吸ったりケンカをしていました。

高校3年のときにクラスメイトが立ち上げた
「ドラゴン桜プロジェクト」で猛勉強して、
奇跡的に東京大学に合格。

東大に入学してからは、普通の学生生活が
あまりに退屈だったため、マグロ漁師として、
毎年オーストラリアやギリシャへ行っていた
という変わり種です。

竹中さんと安部さんは、65歳と29歳という
親子ほどの年齢差があります。

また、高度成長もバブルも経験した
「逃げ切り世代」と、そのツケを払わされる
若い世代という立場の違いもあります。

本書は、そんな世代間のギャップを超えて、
「日本を変える具体的な方法」について
議論した本です。

安部さんは、社会問題が解決されない
一番の理由は「社会問題の現場と、
その問題に関わりがない人との距離が
縮まらないこと」と考えています。

この距離を縮めるためには、当事者でない人に
いかに振り向いてもらえるかがポイント。

そのためには越えなければならない
「3つの壁」があると指摘します。

 1. 関心の壁  関心を持つきっかけがない
 2. 情報の壁  関心を持っても情報が手に入らない
 3. 関与の壁  情報を手にしても実際に
       どう関わっていいかわからない

本書では、この3つの壁を越えて、
社会問題に無関心でいられなくなるような
熱い対談が繰り広げられています。

お二人が大事にしているのは、「そもそも論」を
理解したうえで、事実に基づいて議論すること。

「そもそも、税金とは?」を知らずして、
「消費税を増税すべきかどうか」について
議論しても表面的な話しかできません。

税金、格差、政治、地方自治、メディア、教育

本書では、この6つのテーマについて、
何が問題なのかを詳らかにして、
日本を変えるための処方箋を提示します。

お二人の意見は、大筋では一致しているものの、
細かい部分では違いがある点が、対談としては
読み応えを感じるところです。

この本から何を活かすか?

  「最後に、安部さんは非常に独特の
  キャラクターの方で、言いたいことが溢れて
  時折タメ口になることがあった。
  読者のみなさんは目くじらを立てず、
  寛容な心で読み進めていただければと思う。」

数々のバッシングを受けてきた竹中さん
ならではの、安部さんに対する配慮です。

しかし、本当に安部さんのことを思うなら、
文字になる前に指摘してあげた方が
本人のためには、良かったように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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