活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2016年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年02月

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欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」

満足度★★★
付箋数:23

人は誰でも、「健康」でありたいと願うもの。

特に年齢が上がって、衰えを感じるほど、
こうした欲求は強くなります。

少しでも「◯◯は健康にいい」という情報が
あれば、盲目的に飛びつく人が多いため、
誤った健康法が広まっていることもあります。

では、次のよく聞く健康法の中で、
間違っているものはどれでしょうか?

 1. 筋トレで筋肉をつけると基礎代謝が上がり、
  「やせ体質」になる。

 2. オリーブ油は心臓病の発生を抑える
  働きがあるので、健康にいい。

 3. カルシウムは骨を強くする働きがあるため、
  牛乳や乳製品を多く摂っている。

 4. 赤ワインには動脈硬化を防ぐ働きがある。

 5. ヨーグルトを毎日食べると、身体に有益な
  腸内細菌が増えて健康になれる。

 6. 暑い夏には夏バテを防ぐために、
  しっかり食べる必要がある。

 7. 食物繊維を摂取すると便秘が防げる。

 8. お茶やコーヒーには健康に役立つ成分が
  入っているため、積極的に飲んだほうがいい。

 9. 糖質予防やダイエットのため炭水化物
  (糖質)を控えている。

あなたも、これまでに実践したことがある
健康法もあるのではないでようか。

実は、これらの健康はすべて「間違い」。

本書の著者、内科医の奥田昌子さんは
このように指摘します。

「完全な間違い」と言い切るのもちょっと
言い過ぎで、正確に言うと「日本人には
あまり効果が期待できない」のが本当のところ。

一般的に健康法は、その人の「体質」によって
効く場合もあれば、効かない場合もあります。

人の「体質」は、遺伝によって決まって、
一生変わらない部分と、環境要因によって
変わる部分から作られます。

日本人は欧米人は異なる遺伝子を受け継ぎ、
食生活や運動などの環境要因も異なるため、
体質も欧米人とは異なります。

つまり、健康法も欧米人には効果があっても、
体質が異なる日本人には効かないものが
あるのです。

最初に挙げた9つの健康法もその類で、
日本人の体質を考慮すると、以下のように
訂正されます。

 1. 日本人は欧米人と違って筋肉における
  「白筋」の割合が低いので、筋トレだけでは
  基礎代謝が逆に下がってしまう場合がある。

 2. オリーブ油は悪玉コレステロールや
  中性脂肪を減らすほどの効果はなく、
  もともと心臓病の発症率が低い日本人には
  あまり効果がない。

 3. 骨粗鬆症の発生率が米国白人の半分以下
  である日本人には、カルシウム源として
  牛乳の摂取にこだわる必要がない。

 4. 心臓病の発症率が低い日本人が赤ワインを
  飲んでも、ポリフェノールの持つ動脈硬化を
  抑える働きは少なく、アルコールによる
  肝臓への負担が大きくなることがある。

 5. もともと欧米人に比べ腸内細菌に善玉菌を
  多く持つ日本人がヨーグルトを毎日食べると
  かえって食物アレルギーを起こすことがある。

 6. 日本人は夏に基礎代謝が下がるのが一般的で、
  食が細くなるのが自然なこと。夏にシッカリ
  食べると単に太るだけになってしまう。

 7. 食物繊維の摂取は便秘解消に効果はあるが、
  脂肪の取り過ぎも大きな便秘の原因のため、
  食物繊維だけでは不十分。

 8. 日本人にはカフェインが合わない体質の
  人も多く、飲むと情緒不安定になることもある。

 9. 欧米人に比べインスリンの分泌が少ない
  日本人が炭水化物の摂取を減らしても、
  糖尿病を予防する効果は少ない。

本書では、欧米から入ってきた健康法を
鵜呑みにせず、体質面から日本で暮らす
日本人にとって有効な健康法を考えます。

ズバッと言い切る表現が多いため、
ブルーバックスにしては珍しく扇動的な
印象を受ける本でした。

この本から何を活かすか?

国や人種による体質の違いによって
発生しやすい「がん」も異なります。

日本人は胃がんの発症率は米国の4倍で、
前立腺がんは米国の10分の1、
乳がんも米国の半分程度のようです。

また、生活習慣を含む環境要因が、
がんの発症の約70%にかかわっています。

つまり、生活習慣の改善により、
がんの発症はかなりの部分が予防できる
ということです。

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| 科学・生活 | 06:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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僕らが毎日やっている最強の読み方

満足度★★★
付箋数:22

  「この本では池上さんと二人で、多忙な
  ビジネスパーソンが “新聞”  “雑誌”
   “ネット”  “書籍” をどうすれば深く、速く
  読むことができるのか、その技法について
  話していきます。私たちが日々実践している
   “読み方” をここまで体系的に解説するのは、
  この本がはじめてになりますね。」

  「そうですね。たとえば佐藤さんも私も、
  世の中を “知る” 基本ツールとして、
  新聞を重視していますが、当然ながら、
  読んでいる新聞や読み方には、それぞれ
   “共通点” もあれば “違い” もあります。
  雑誌や書籍、そして日々激変する
  ネットメディアにつても同じです。
  私たちが “何をどう読んでいるのか” 、
  読者には “何をどう読んでほしいのか” 、
  その両方についてできるだけ具体名を
  あげながら詳しく紹介したいですね。」

本書は、わかりやすく伝えることに関しては
右に出る者がいないジャーナリストの
池上彰さんと、圧倒的な知識量で知の巨人
とも呼ばれる作家の佐藤優さんの対談本です。

新聞、雑誌、ネット、書籍、それに加え、
教科書・学習参考書について、何を選び、
どのように読むべきかについて、
お互いの愛読紙・愛読書等を紹介しながら
語り合います。

それぞれの媒体について、お二人が読む際の
ポイントとして挙げていることをいくつか
紹介します。

<新聞>
 ・情報収集の基本は新聞だが、全国紙1紙
  では不十分。最低2紙に目を通さないと、
  ニュースの一部しか拾えない。

 ・「見出しだけで済ませる記事」「リード
  まで読む記事」「最後の本文まで読む記事」
  の3段階に分けて読む。

<雑誌>
 ・電子雑誌の定期読み放題は、まさに革命。
  雑誌との付き合い方が劇的に変わる。

 ・新聞と同じで、雑誌も「拾い読み」が基本。
  隙間時間には雑誌、まとまった時間には
  書籍を。

<ネット>
 ・ネットは「上級者」のメディア。
  情報の選別には、かなりの知識とスキルが
  必要。

 ・「非常に効率が悪い」メディア。
  同じ時間なら、新聞や雑誌を読むほうが
  効率的。

<書籍>
 ・世の中を「理解する」には書籍がベース。
  いい基本書を熟読し、基礎知識を身につける。

 ・いい本に出会うコツは「本をたくさん買う」
  こと。本は「迷ったら買う」が原則。
  本の情報は安い。

<教科書・学習参考書>
 ・読書で「知の型」「思考の型」を身につける。
  基礎知識を強化するには、小中学校の
  教科書が最適。

 ・歴史の学び直しには「日本史A」「世界史A」
  を活用。「基本」と「大まかな流れ」が
  いっきにわかり、効率的。

また巻頭にはお二人のオフィスの写真も
掲載されています。

書棚、スマホやタブレットのホーム画面、
スクラップやノート、その他使っている
小物まで惜しみなく公開されています。

佐藤さんが休憩する仮眠用のベッドには
動物のぬいぐるみが置いてあったのが
意外でした。

知の扱いについては突出したお二人なので、
完全に真似することはできませんが、
参考にできることは多いと思います。

この本から何を活かすか?

池上さんは、本にはA4コピー用紙の裏紙を
四つ折りにして挟んでおいて、気になる内容や
参考になる文章があると、その紙に書き込んで
おくそうです。

手を動かしながら読むことで、記憶にも定着し、
A4の紙をそのままクリアファイルに入れて
保管することもできるから。

書込みには速記用のシャープペンシルを使い、
芯の太さは0.9ミリで濃さは2Bを愛用して
いるようです。

私も書込みにはシャーペンを使っていて、
濃さは同じく2Bですが、太さは0.7ミリです。

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| 読書法・速読術 | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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会議でスマートに見せる100の方法

満足度★★★★
付箋数:29

  「労働時間のじつに75%が会議に費やされる
  そうだ。しかし、それらの会議のうち3分の1
  以上は次の会議の計画に使われる。
  そして全体の6分の1がボンヤリしているせいで、
  いま言われたことを聞き返すために使われ、
  さらに6分の3は、本来はメールで済ませる
  べきだったことに使われる。
  会議ではだれもがウワの空だ。だから、先を
  越すためには、だれよりもウマくウワの空に
  なることが必要だ。
  会議はじつは、リーダーの素質、社交能力、
  そして分析的でクリエイティブな思考能力を
  アピールする絶好のチャンスなのだ。」

本書は、小手先のテクニックだけを使って
会議でスマートに見せる裏ワザを紹介した本。

著者のサラ・クーパーさんはYAHOO!に
勤めていた当時、ヴァイス・プレジデントら
との会議の経験から、裏ワザを留めるように
なったそうです。

その裏ワザを駆使して、7年後には、
Googleでマネージャーになり、
それまで以上に会議に呼ばれるように
なりました。

本書で紹介される100個の裏ワザは、
とにかく、バカバカしくて最高です。

いつも無駄な会議や非効率な会議に出ていて、
イライラしている人をスカッとさせることは
間違いありません。

非常にくだらなくて、表面的なテクニック
ですが、会議に参加している人の心理を
鋭く突いています。

そして、たまに役立つものもあります。

では、本書から3つの裏ワザを紹介します。

まずは、苦痛・不要・退屈のいずれかに
当てはまる、普段の会議でスマートに
見せる裏ワザ。

 No.1 ベン図を描く

  「立ちあがり、ベン図を描くのは、
  スマートに見せるすぐれた方法だ。
  ベン図はデタラメでも構わない。
  むしろ、デタラメなほうがいい。
  あなたがマジックを置く間もなく、
  同僚たちは領域の名称や円の大きさに
  ついてああでもないこうでもないと
  議論しだすだろう。そうなればしめたもの。
  あなたはこっそり席に戻り、
  スマホゲームを再開できる。」

次に、あなたが本当は何をしていても
相手には見えない、電話越しの会議に
参加する場合の裏ワザ。

 No.21 全員そろっているか聞く

  「会議がはじまる前に、全員そろっているか
  聞く。特定の人の名前を出し、その人が
  いるかどうかを聞いて、もしいなかったら、
  彼女は出席すべきじゃないかとたずねる。
  みんながあなたの細やかな配慮に感心する
  だけでなく、あなたは真の社交家に見える。」

3つ目は、ブレインストーミングで、
存在感を発揮して、勝者となる裏ワザ。

 No.63 シンプルだが深遠そうなたとえを言う

  「問題を明らかにしようとするとき、
  ケーキ作りなど、まったく関係のないことで
  たとえる。あなたのたとえが議題とどう関係
  するのか理解できなくても、みんなうなずいて
  みせるだろう。みんなが理解できない話を
  することで、あなたは近寄りがたいほど
  超越的にクリエイティブに見える。実際は、
  ただケーキが食べたいだけだとしても。」

会議で本書の裏ワザを使うかどうかは
別にして、会議に出る機会が多い人なら、
「会議あるある」として、笑えること間違いなし。

本書を1冊会議室にそっと置いておくだけで、
反面教師となって、意味のある会議が
できるようになるかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書で紹介される「描くだけでスマートに
見える21個の無意味な図形」もなかなか
秀逸です。

会議で、おもろに立ち上がって、
ホワイトボードに殴り描きしてみましょう。

 ・VISIONと書いて、丸で囲む。

 ・三角形と、そのてっぺんに向けた矢印を
  描いて「私たちは、集中すべきところを
  見失っていない?」と聞く。

 ・X軸とY軸を描き、ホッケーのスティック
  みたいな折れ線を加える。

 ・左下から右上に上がった一本の矢印を描き、
  左下にA、右上にBと書き加え、「A地点から
  B地点に行くにはどうしたらいい?」と聞く。

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| 会議術・ファシリテーション | 11:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事の結果は「はじめる前」に決まっている

満足度★★★
付箋数:23

あなたの仕事ぶりを振り返ってみてください。

・忙しいばかりで仕事の成果が出ない

・一生懸命やっているのにお客様や上司から
 評価されない

・いつもバタバタしていて、締め切りギリギリ、
 または間に合わない

これらの状況に1つでも当てはまるなら、
仕事に取りかかる「段取り」に問題があるかも
しれません。

 「もし8時間、木を切る時間を与えられたら、
 そのうち6時間を私は斧を研ぐのに使うだろう。」

これはアメリカ合衆国第16代大統領の
エイブラハム・リンカーンさんの言葉です。

木を切るつながりで、「木こりのジレンマ」
という話もあります。

 ある日、旅人が森の中を歩いていると、
 一生懸命、木を切っている1人の木こりに
 出会いました。

 旅人は、木こりが木を切る姿を見ていて、
 一所懸命切っている割には、なかなか切れない
 ことを不思議に思いました。

 そこで木こりが使っているのこぎりを見てみると、
 かなり刃こぼれしていることが分かりました。

 そこで、旅人は言いました。

 「木こりさん、そののこぎりは随分
 刃こぼれしているようだ。のこぎりの刃を
 研ぎ直してから、あらためて木を切ったら
 どうだろうか。」

 すると、木こりは旅人に向かって言いました。

 「あなたの忠告は非常にありがたいが、
 私は今、木を切るのにとても忙しく、
 それどころではないのです。」

 木こりは、その刃こぼれしたのこぎりを
 使って、一心不乱で木を切り続けました。

最初に挙げた状況で仕事をしている人は、
もしかすると「木こりのジレンマ」に
陥っているかもしれません。

さて、本書の著者、大嶋祥誉さんは、
元マッキンゼー・アンド・カンパニーの
コンサルタントです。

大嶋さんは、マッキンゼーを辞めて、
違う環境の中で仕事をしたときに
「みんなこんなにゆっくり仕事をしているんだ」
と感じたそうです。

そう感じるぐらい、マッキンゼー時代に、
仕事の質とスピードの両方を上げる方法を
鍛えられたのです。

その仕事の仕方のベースになっているのが、
本書で紹介される「ミニマム思考」です。

ミニマム思考とは、限られた時間の中で、
最高の質のアウトプットを出す思考法。

そのためには、より多くのことをやろうと
せず、もっとも重要なことにフォーカスし、
それ以外のことは捨てて、成果を出します。

このミニマム思考で仕事をすれば、
ムダを省き、重要なことのみに集中するので、
質もスピードも自然とアップするのです。

そのために最も重要なのが、「段取り」です。

段取りは、リンカーンさんが、斧を研ぐのに
費やす時間であり、木こりのジレンマに
陥っている人が、できていないことなのです。

では、どうしたら、最小の力で最大の成果を
得られるミニマム思考ができるのか?

大嶋さんは、本書で次の3つの技術を中心に
解説します。

  1. 仮説を立てる技術
  2. 全体を設計する技術
  3. アウトプットをデザインする技術

これらの技術を身につけて、しっかりと
段取りができれば、結果が出ることは、
仕事を始める前に、すでに決まるのです。

本書で解説されるのは、コンサルタント独自の
仕事術というより、一般的な段取り術です。

仕事の経験の浅い人をメインターゲット
として書かれた本だと思います。

この本から何を活かすか?

質の高いアウトプットをするためには、
数ある情報の中から、特定の情報を
ピックアップして、それをアレンジする
「編集力」が求められます。

それは、どんな切り口で情報を切り取るか
ということ。

情報を切り取るときに有効なのが、
2軸(2×2)のマトリックスです。

センスのいい2軸が取れれば、ぐっとくる
「セクシー」な切り口が見つかるようです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 05:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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面白い生き方をしたかったので仕方なくマンガを1000冊読んで考えた

満足度★★★
付箋数:18

  「少し前は、 “マンガばっかり読んで
  遊んでいないで、勉強しなさい” と
  言われたかもしれない。しかし気づけば
  今、科学の最先端で起こっていることの
  ほとんどは、昔マンガに描かれていた
  ことばかりだ。(中略)
  マンガは未来を教えてくれる格好の
  メディアなのだ。本書は私がオススメする
  マンガを目一杯盛り込んだ、
  現時点のオールタイム・ベストだ。」

本書は、堀江貴文さんがビジネスや人生で
参考になる面白いマンガを紹介した本です。

「仕方なく・・・マンガを読んだ」と本書の
タイトルに入っていますが、私はこれに
少し違和感がありました。

それは堀江さんが、自他共に認める
マンガ好きだからです。

堀江さんは、これまでも著書で何度も、
好きなマンガについて語ってきました。

そして、今ではマンガ好きが高じて、
マンガ書評サイト「マンガHONZ」を主宰して
います。

マンガHONZは、『宇宙兄弟』の編集者で、
作家エージェント「コルク」の代表を務める
佐渡島庸平さんとの共同主宰です。

さて、本書で紹介されるマンガは60冊。

それに加えて巻末に約300冊のマンガリストも
掲載されています。

オススメのマンガを探している方にとっては、
丁度いい本だと思います。

私もマンガは読みますが、マンガにはいつも
狭間の期間が生じます。

それは、お気に入りで読んでいるコミックの
最新刊が出るまでの期間です。

私は、この定期的にやって来る待ちの期間に、
新しいマンガにチャレンジしたくなります。

「何か面白いマンガない?」と人に聞くのも
この期間です。

そんな時に参考になるのが本書です。

通常、マンガの書評というと、先に紹介する
マンガがあって、その内容について批評します。

しかし、本書では堀江さんの語りたい
テーマが先にあります。

そのテーマ合う、いくつかのマンガを
堀江さんの語りの中で紹介する構成です。

 第1章 「仕事はセンス」と教えてくれるマンガ
 第2章 想像力は観察力だ。
 第3章 人は情報を食べて生きている
 第4章 鉄文という生き方
 第5章 栄光なき天才たちが社会を動かす。
 第6章 著者で読むマンガ
 第7章  “読書家” に負けない知識がつく、
    実用マンガ
 第8章 いろんな「if」
 第9章 忘れられないトラウマ・マンガ
 対談 マンガは新しい「遊び」をつくる

本書は、マンガを作品として論じたり、
その作品の魅力を紹介することが
メインの本ではありません。

マンガを題材に、堀江さんの考えを語る
ことが中心の本です。

そのためかもしれませんが、私は本書で
紹介されているマンガで、読みたくなった
マンガは5つほどでした。

これを多いと見るか少ないと見るかは、
判断が別れるところですが、
個人的には、1つでも当たりがあれば
十分に元が取れると思っています。

この本から何を活かすか?

  「全ての巻がオススメの一言に尽きる傑作の
  マンガがある。『栄光なき天才たち』だ。
  このマンガは、歴史の中で比類なき才能を
  発揮し、時代を前進させた研究や成果を
  挙げていながらも、栄光に輝かなかった
  人々にスポットライトをあて、ストーリーに
  して伝えているものだ。(中略)
  このマンガはしっかり語らなければならない。
  本1冊書いてもいいぐらいだ。」

私が本書で紹介されているマンガで、
一番読みたくなったのがこれです。

週刊ヤングジャンプで1986年から1992年まで
連載されたマンガで、コミックでは17冊が
刊行されています。

中古でもKindleでも、どちらでも手に入るので、
今週末に読んでみようと思います。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?

満足度★★★★
付箋数:24

・個人で特許を取れば、特許料が入ってきて、
 働かずして収入を得ることができる。

・特許をたくさん取っている会社ほど儲かる。

・特許を取れば、そのアイディアは盗まれない。

特許について、このように思っている方も
多いかもしれません。

これらは、特許に抱く幻想であり、
大きな誤解のようです。

日本で最も特許出願の多い企業の一つに、
パナソニックがあります。

そのパナソニックが大赤字を出した2013年に、
当時、同社の知的財産センター所長だった
豊田秀夫さんは、次のようなコメントを
残しています。

  「特許をたくさん持っているだけでは
  競争相手と戦えないことがよく分かった。
   “この職場で50件” などど決めて特許を
  取っても、使えるのは1、2件ということも
  あった。取得数が多いのは技術者に対する
  発明奨励のため、積極的に出願させたことが
  一因だ。その結果、取得数がノルマ化し、
  実際に活用できる特許は限られていた。
  特許の取得や維持のコストもかさんだ。」

実際にビジネスで使えない「休眠特許」は、
コストだけがかかる不良在庫です。

自己満足でしかありません。

しかし、特許を取ることのデメリットは
それだけではありません。

本書の著者、知財コミュニケーターの
新井信昭さんは、特許を次のように表現します。

  「私なりの言い方をすると、特許という
  ものは “知財に着せた透明な防護服” です。
  放射線から作業者を守る放射線防護服や
  火災から消防士を守る消防服のイメージです。
  防護服を着ていれば、外敵からは守られる
  かもしれませんが、透明なので中身は
  丸見えになってしまっている。
  これが特許なのです。」

新井さんが、特許を「透明な防護服」と
形容するのは、出願してから1年半経つと、
そのアイディアはインターネットを通じて
全世界にさらされてしまうからです。

特許が取れた、取れないにかかわらず、
出願された全てのアイディアが公開されます。

アイディアを守ろうとして出した特許が、
守るどころか、逆にそのアイディアを
全世界にさらす行為になるのです。

特許が取れなかった場合、そこにあるのは、
「大事なアイディアが世界中にさらされる」
というリスクのみ。

では、無事に特許が取れれば安心なのか?

実は、そうでもありません。

なぜなら、アイディアには国境はありませんが、
特許には国境があるからです。

特許は国ごとのものなので、
その効力は国内限定です。

世界中でそのアイディアを守ろうとすると、
何十カ国でも同じ特許を取得しなければ
ならないのです。

新井さんは、特許への誤解を解くために、
このようなデメリットを並べていますが、
特許を完全に否定している訳ではありません。

特許は、出願したほうがいい場合と、
出願しないほうがいい場合があるのです。

本書のタイトルにもなっている、
レシピ公開のサントリー「伊右衛門」と
絶対秘密主義を貫く「コカ・コーラ」の
どちらが賢いかは、その企業の取る
戦略次第なのです。

本書は、私たちの特許に対するイメージを
覆し、特許・知財についての新しい常識を
わかりやすく解説します。

特許の実例を挙げてた説明には、
なるほどと、思わず膝を打ってしまいます。

ただし、後半で知的財産管理技能士の
資格取得を推奨するくだりは、
個人的には、そこまで重宝される
ようには思えませんでした。

この本から何を活かすか?

本書で解説される特許を取得すべきかどうか
見極めるポイントは、次の3つです。

 1. その特許が現在または将来の自分の
  ビジネスに役立つかどうか。

 2. 自分のアイディアをもとに作られた製品を
  見たただけで、他者がそのアイディアを
  真似できるかどうか。

 3. 自分のアイディアをパクった者が現れた
  とき、裁判を戦う覚悟と勇気と費用が
  あるかどうか。

新井さんは、この3つのポイントに加え、
特許を取得する「目的」を、しっかり考える
ようにアドバイスしています。

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| マーケティング・営業 | 06:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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脳を最適化すれば能力は2倍になる

満足度★★★★
付箋数:28

2004年アテネオリンピックで金メダル、
2012年ロンドンオリンピックで銅メダルを
獲得したハンマー投の室伏広治選手。

室伏選手が、ハンマーを投げる直前に、
大きな声を出すところをテレビで見たことが
ある人も多いでしょう。

よく見ると室伏選手に限らず、ハンマー投の
選手の多くが、同じように投げる直前に
大声を出しています。

なぜ、ハンマー投の選手は、大声を出すのか?

「気合を入れる」ために、大声を出している
ように思えるかもしれません。

もちろん、そういった心理的な面の効果も
あることでしょう。

しかし、大声を出す最も大切な理由は
他にあります。

それは脳内物資の1つである「アドレナリン」
を分泌させること。

大きな声を出して叫ぶことで、脳に刺激が
与えられ、アドレナリンが分泌されるのです。

アドレナリンには、大きく2つの効果があります。

1つ目は、身体機能や筋力を一時的に
アップさせる「身体に対する効果」。

2つ目は、集中力や判断力を高める
「脳に対する効果」です。

このシャウティング効果は、実験的にも
確かめられていて、他のスポーツでも
用いられています。

元プロレスラーのアニマル浜口さんが、
「気合だー、気合だ―!!」と連呼すると、
応援する相手よりも、浜口さん自身に、
アドレナリンが分泌されているのです。

しかし、アドレナリンが分泌されると、
プラスの効果だけでなくマイナスの効果も
あります。

アドレナリンが過剰分泌されてしまうと、
血圧が上がり過ぎて、筋肉がこわばって
しまいます。

また、冷静さを失って暴走してしまう
可能性もあります。

更に、アドレナリンは依存性もあるので、
常にその状態を求めてしまう
アドレナリン・ジャンキーになる
危険性もあるのです。

アドレナリン・ジャンキーになると、
心臓疾患、脳卒中、糖尿病、癌などの
身体の病気だけでなく、うつ病などの
心の病気になる可能性もあります。

アドレナリンは、あくまで「勝負物質」なので、
オンにするのと同様に、オフにすることも
重要なのです。

さて本書は、米国で脳科学の研究にも
携わっていた精神科医の樺沢紫苑さんによる
脳内物質を活用した仕事術の本です。

本書で紹介される脳内物質は以下の7つです。

  ・ドーパミン(幸福物質)
  ・ノルアドレナリン(闘争か逃走か)
  ・アドレナリン(興奮物資)
  ・セロトニン(癒やしの物質)
  ・メラトニン(睡眠物質)
  ・アセチルコリン(記憶と学習)
  ・エンドルフィン(脳内麻薬)

実際に脳内物質は50以上ありますが、
その中でも脳の重要な役割を担っている
7つを厳選して仕事術としてまとめています。

これまでにも、どれか1つの脳内物質を
扱った本はたくさんありますが、
樺沢さんは、あえて1冊の本の中で、
7つの脳内物質を紹介しています。

その理由は、脳内物質は「バランス」が
重要だからです。

どれか1つの物質が多過ぎてもダメで、
脳や身体がうまく働かなくなるので、
バランスをとるために、7つの脳内物質を
まとめて紹介しているのです。

本書は非常に濃い内容の本で、
1冊でここまで内容が詰まっている本は
珍しいと思います。

こんなお買い得の本は滅多にありませんが、
1点だけ注意が必要です。

それは、本書が2010年にマガジンハウスから
刊行された『脳内物質仕事術』の改訂版で
あることです。

以前の本を持っている方だけは、
本書を購入する必要はないと思います。

私はそうと気づかず、本書を読みましたが、
改めて樺沢さんの本の凄さを実感しました。

この本から何を活かすか?

セロトニンは癒やしの物質で、覚醒や気分、
心の安定と深く関わっています。

このセロトニンをうまく活用すると、
朝の時間がゴールデンタイムになり、
量と質の両方で仕事の効率が上がります。

では、どのようにするとセロトニンが
うまく生成されるのか?

その方法は、ズバリ「カーテンを開けて寝る」。

カーテンを閉めずに、朝日を浴びて
目覚めることが、セロトニンの合成を促し、
朝のゴールデンタイムを作るのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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やり抜く力 GRIT(グリット)

満足度★★★
付箋数:24

成功する人と、失敗する人の違いは何か?

それは、生まれながらに持っていた
「才能」ではありません。

重要なのは、最後まで「やり抜く力」です。

このやり抜く力のことをGRIT(グリット)と
呼びます。

偉業を達成するには、才能よりもグリットが
重要であることを科学的に突き止めたことで、
2013年にマッカーサー賞を受賞したのが、
本書の著者、アンジェラ・ダックワースさん
です。

ちなみに、マッカーサー賞とは、分野を問わず
「人並み外れた独創性、創造性探究への献身、
顕著な自己実現能力」を発揮した人に贈られる
アメリカ国民を対象とした賞で、ノーベル賞に
匹敵するほどの栄誉ある賞と言われます。

「やり抜く力」は「情熱」と「粘り強さ」の
2つの要素でできています。

あなたの「やり抜く力」がどの程度あるかを、
こらから紹介するグリット・スケールと
呼ばれる簡単なテストで調べてみましょう。

次の各5項目に、同僚や友人、家族と比べて
どうか、または、たいていの人と比べて
どうかをあまり考え込まずに答えてください。

<情熱>
5、4、3、2、1の5段階評価でスコアを付け、
まったく当てはまらないを「5」、
非常に当てはまるを「1」とします。

 ・新しいアイディアやプロジェクトが出て
  くると、ついそちらに気を取られてしまう。
 ・目標を設定しても、すぐべつの目標に
  乗り換えることが多い
 ・達成まで何ヶ月もかかることに、ずっと
  集中して取り組むことがなかなかできない。
 ・興味の対象が毎年のように変わる。
 ・アイディアやプロジェクトに夢中になっても、
  すぐに興味を失ってしまったことがある。

<粘り強さ>
同じく5段階評価ですが、先ほどとは逆に、
まったく当てはまらないを「1」、
非常に当てはまるを「5」とします。

 ・私は挫折をしてもめげない。
  簡単にはあきらめない。
 ・私は努力家だ。
 ・一度始めたことは、必ずやり遂げる。
 ・私は勤勉だ。絶対にあきらめない。
 ・重要な課題を克服するために、
  挫折を乗り越えた経験がある。

すべての項目に5段階で答えたら、
「情熱」、「粘り強さ」それぞれを5で割って
平均を出します。

数値が高ければ高いほど、「やり抜く力」が
あることになります。

アメリカ人の成人の平均は3.8。

スコアの目安は、下位20%の人のスコアは3.0、
下位40%の人は3.5です。

上位は30%で4.1、上位20%は4.3、
上位10%は4.5、上位5%は4.7です。

もし、あなたのスコアが4.1なら、
上位30%に入るので、全体の70%の人
よりも「やり抜く力」が強いことになります。

ちなみに、ダックワースさんは本書を
執筆中にこのテストをやったところ、
「情熱」は4.2で、「粘り強さ」は4.6の
スコアだったそうです。

「やり抜く力」は、伸ばすことができます。

その方法は2つあり、1つは「内側から伸ばす」
方法で、もう1つは「外側から伸ばす」方法。

内側から伸ばす方法は、興味を掘り下げる、
自分のスキルを上回る目標を設定しては
それをクリアする練習を習慣化するなど。

外側から伸ばす方法では、親、コーチ、教師、
上司、メンター、友人など周りの人々の力を
利用します。

本書はあなたの「やり抜く力」を高める方法を
解説するだけでなく、子どもの「やり抜く力」
を高める子育て方法にも言及しています。

この本から何を活かすか?

少し前のものになりますが、ダックワースさんが
TEDでスピーチした映像がこちらです。



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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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感じるままに生きなさい ―山伏の流儀

満足度★★★
付箋数:20

さくら舎、松原さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「 “修験道って何ですか?”
  私はいつもこう答える。
   “大自然のなかに身を置いて、
  感じたことを考える哲学” 
  まず感じること。それから考える。
  その場に身を置かないと
  わからないことって、あるからね。
  だから説明しない。
  俺は修行に入ったらほとんどしゃべらない。
  山伏から聞くんじゃない。
  大自然が先生だ。
  山伏はただつなぐ人。」

修験道とは、山へ籠もって厳しい修行を
行うことで、悟りを得ることを目的とする
平安末期に成立した宗教です。

霊験を得るための山中の修行と加持、祈祷、
呪術儀礼を主とします。

修験道の実践者を山伏と言います。

本書は、山伏の生き方や感じ方を伝える本です。

著者は、羽黒山伏の星野文紘さん。

星野さんは、関ヶ原の戦いの頃から続く
山形県出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)の
宿坊「大聖坊」の13代目。

宿坊とは、お山参りの人たちが泊まるところ。

星野さんの職業は宿坊です。

そして、山伏は世襲の生き方です。

山伏は、山に入り、山中をめぐって、
祈りをあげたり、水があればそこで禊をしたり、
滝に打たれたりします。

夜は夜で勤行、祈ったりする修行をします。

かつては山に籠もりっぱなしの山伏も
いたようですが、出羽三山の羽黒山伏は、
昔から修行しつつ、宿坊を営む
半聖半俗のスタイルのようです。

星野さんは、普段は山麓の宿坊にいて、
修行の時に山に入ります。

また、奥さんもいる妻帯山伏です。

ところで、山伏は、なぜ修行するのか?

  「簡単にいうと、昔の人のような魂に
  するためだ。昔の人たちは魂が強いんだよ。
  だから昔の人の魂の段階に、自分の魂を
  持っていけばいいわけだ。
  魂を強くして、その感じたことが答えだから。」

魂を強くすると、見えないものが見えてくる。

それは、考えのではなく、
感じれるようになることです。

すべての基本は感じることにあり、
感じることを中心に生きると、
トラブルにならないと星野さんは言います。

頭を使うから、トラブルになり、
考えるから難しくなると。

これは、あのブルース・リーさんが、
映画「燃えよドラゴン」で言ったセリフ、
「Don't think. Feel!(考えるな!感じろ!)」
と同じ考えですね。

では、なぜ、修行をするのは山なのか?

山を神聖なものとする山岳信仰は、
古代ギリシャのオリンポスや中国の五岳信仰
など古くから世界中で見られます。

日本では縄文時代から、狩りの獲物を
もたらすのは、山であることから、
山に対する感謝と畏敬の念をもって
始まったとされています。

山は生命の源で、生きとし生けるものは
すべて山から生命をいただいていると
考えるから、山で修行をするのです。

また、星野さんは、ハイキングや登山の人は、
「もったいない」と思っています。

なぜ、もったいないかというと、
山に入っても「お祈り」をしないから。

ハイキングや登山で、自然を感じるのは
いいことですが、お祈りをすると、
その先が見えてくるといいます。

私はこれまで山伏の方の言葉を聞く機会が
なかったので、本書は非常に新鮮でした。

この本から何を活かすか?

星野さんの宿坊、大聖坊では、
山伏の修行体験ができます。

出羽三山をめぐる2泊3日の修行で、
毎年、7月から8月にかけて行われています。

白装束を着て山を歩きますが、
これは、実は死に装束。

山に入って修行することで、いったん死んで、
生まれ変わるということだからです。

修行体験は、死と再生、生まれ変わりを
体験できるようです。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方

満足度★★★★
付箋数:25

私たちの健康は、遺伝に大きく左右されています。

遺伝に関する情報は、染色体のDNAに
含まれるゲノムによって伝えられます。

このゲノムを書き換える技術として、
「ゲノム編集」が食品や医療技術に
応用されることが期待されています。

ただし、この遺伝子操作技術はある種、
神の領域に踏み込むことを意味し、
人間のゲノム編集には、生命倫理感の観点から、
反対の声が世界的に挙がっています。

もし、倫理面を気にする必要のない、
体重や気分、長期的な健康に影響する、
第二の「柔軟な」ゲノムがあるとしたら
どうでしょうか?

しかも、そのゲノムが、ある特定の生活習慣の
選択によって変えられるとしたら?

実は、この第二の柔軟なゲノムは存在します。

それは私たちの腸内に棲みつき、いろいろな
意味で私たちの健康全般に欠かせない、
「細菌のゲノム」です。

ヒトの腸内には100兆個を超える細菌が
暮らしています。

この腸内細菌のことを「マイクロバイオータ」
と言います。

がん、糖尿病、アレルギー、喘息、自閉症、
炎症性腸疾患などの病気の研究が進むに連れ、
マイクロバイオータがこれらの病気の発症や
症状に重要な役割を果たしていることが
わかってきました。

私たちの体内で暮らす細菌は、ヒトの健康の
あらゆる側面に、直接、間接に影響を与えて
いるのです。

このマイクロバイオータは、特に免疫系を
支配していて、腸内細菌が健康だと、
免疫も良好な状態で、腸内細菌が不健康だと、
自己免疫疾患やがんを発症する恐れが多いと
されています。

ヒトゲノムは簡単に書き換えることが
できませんが、第二のゲノムである
マイクロバイオータは入れ替えが可能。

しかし、私たちは初期の人類に比べて、
腸内に持つ細菌の種類が大幅に減っています。

それは、現代の生活が招いたものです。

過剰に加工された食事や抗菌物質の乱用、
殺菌が進んだ家屋などによって、
私たちの腸内細菌の種類は激減しています。

より多様な腸内細菌をもつ社会では、
肥満や糖尿病、自己免疫疾患などの病気は
あまり見られませんでした。

つまり、今の生活を続けていると、
腸内細菌の数が更に減って、現代病に罹る
リスクが高まるのです。

では、どうしたら腸内細菌の種類を
増やすことができるのか?

その最も効果的な方法が、食生活を変える
ことです。

本書では、最新の研究からわかってきた
私たちと腸内細菌の関わりを解説し、
腸内細菌を復活させ、健康な人生を過ごす
方法にまで言及します。

本書の著者は、ソネンバーグさんご夫婦。

ご主人は、スタンフォード大学
スクール・オブ・メディスン微生物学・
免疫学部准教授のジャスティンさん。

奥さんも同じ学部の上級科学研究員の
エリカさんです。

お二人ともマイクロバイオータ研究の
第一人者で、日本では2016年1月に
TBSで放送された「世界ふしぎ発見!」で、
育腸の実践者として紹介されました。

ヒトと細菌の共生については、私たちの健康に
直接関わるので、興味深く読むことができます。

しかも本書の巻末には付録として、
「マイクロバイオータにやさしい1週間の
メニューとレシピ」も掲載されています。

読んで知るだけなく、実際に食生活を変える
ことができる本になっています。

この本から何を活かすか?

 腸内細菌のためのブラウニー

 材料
  無塩バター・・・大さじ5
  ダークチョコレート(カカオ含有量70%)
   ・・・約170グラム
  アーモンドプードル・・・1カップ
  砂糖・・・1/3カップ
  カカオニブ・・・大さじ1
  卵・・・大2個
  バニラエクストラクト・・・小さじ1
  シナモンパウダー・・・小さじ1
  海塩・・・小さじ1
  オレンジゼスト・・・大さじ1

今週末、このブラウニーを作ってもらうよう、
妻に頼んでみようと思います。

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| 科学・生活 | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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最後の資本主義

満足度★★★★
付箋数:24

  「大企業のCEOや金融界のトップトレーダーや
  ポートフォリオマネージャーは、
  インサイダー情報を使って自らの取り分を
  膨らませつつ、企業収益を増大することが
  できるような市場ルールを推し進め、
  自分たちの報酬を自分たちで効率よく
  決めている。
  一方、平均労働者の給与は政治面でも
  経済面でも対抗できる影響力を失ったために、
  ずっと上がらないままだ。」

これはアメリカについて述べられた文章ですが、
日本でも対岸の火事ではありません。

フルタイムで働いても貧困から抜け出せない
「ワーキング・プア」。

日本でもこの言葉を聞くようになって、
しばらく経ちますが、これと真逆の層に、
「ノンワーキング・リッチ」があります。

増えているのは、ワーキング・プアだけでなく、
ノンワーキング・リッチも増えています。

この両極端の層が増えているということは、
もはや報酬が努力と連動していないことを
意味しています。

今の資本主義下では、明らかに二極化が
進んでいます。

このままで、資本主義は大丈夫なのか?

現在の自由市場のメカニズムはどうなっていて、
何が原因で二極化が進んでいるのか?

今の市場のルールは、富裕層だけが勝ち続け、
富が一方的に増える仕組みになっています。

富裕層が富を得た後で、その再分配について
議論しても、根本的な問題の解決には
なりません。

最初の市場のルール自体を変えなければ、
継続性のある社会は築けないのです。

資本主義そのものを見直す時期にきています。

原題『Saving Capitalism(資本主義を救え)』。

邦題の『最後の資本主義』よりも、原題の方が
しっくりくるような感じがします。

本書の著者は、米政治経済学者で文筆家の
ロバート・B・ライシュさんです。

ハーバード大学ケネディスクール教授、
ブランダイス大学社会政策大学院教授、
カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院
教授を歴任し、ビル・クリントン政権では
労働長官を務めた方です。

1991年の著書『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ
では、格差社会の到来を予言しました。

2007年の著書『暴走する資本主義』では、
大企業が政治活動に大きな影響力を持ち、
民主主義を脅かすまでになっていることを
指摘しました。

ライシュさんは本書で、格差社会を
生み出しているルールの作られ方と向き合い、
資本主義を希望ある仕組みとして、
もう一度、蘇らせる方法を提示します。

その方法とは、現在、ゲームのルール作りに
対する影響力を失っている圧倒的大多数の
人々を、50年前に広範な繁栄のカギであった
「拮抗勢力」として再結集させること。

そのために、拮抗勢力を組織化して
統一することです。

本書の拮抗勢力とは、大企業、ウォール街、
富裕層の政治的影響力を抑制する勢力。

主に中間層と貧困層で持つべき力です。

本書は、米国の資本主義について書かれた
本ですが、日本でも資本主義の新しい未来が
見えてくると思える本です。

350ページを超えるページ数で、
難しいテーマについて論じていても、
非常にわかりやすく書かれているため、
意外とスイスイと読めると思います。

  第1部 自由市場
  第2部 労働と価値
  第3部 拮抗勢力

この本から何を活かすか?

  「人類が直面しているのは、単に労働力を
  代替する技術ではなく、知力を代替する技術
  なのだ。高感度センサー、音声認識、人工知能、
  ビックデータ、テキストマイニング、
  パターン認識アルゴリズムが組み合わさって、
  人間の活動を素早く学習し、さらに相互学習
  する機能も備えたスマート・ロボットが
  生み出されつつある。」

単純労働だけでなく、頭脳労働でさえも、
ロボットにとって代わられる時代です。

本書でライシュさんが提案している
新しい資本主義の形を作っていく
必要があるように感じました。

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| 経済・行動経済学 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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結果から原因を推理する 「超」入門 ベイズ統計

満足度★★★
付箋数:17

  「ベイズ統計は、18世紀英国の牧師であり
  数学者だったトーマス・ベイズの書き遺した
  遺稿を、ベイズの友人リチャード・プライスが
  整理し、さらにピエールラプラスが
   “ベイズの定理” としてまとめた式が、
  出発点となっています。
  ベイズ統計とは何なのでようか?
  多少の誤解は恐れず、簡潔に紹介するなら、
   “原因の確率を結果から予測する” 
  ための統計が、ベイズ統計です。」

スパムメールの振り分けやマーケティング、
将棋を指す人工知能など、様々な分野で
応用されているベイズ統計。

近年注目を集めている新しい統計学です。

ベイズ統計の特徴は3つあります。

1つ目は、通常、数値化できないものも
数値にして計算できること。

2つ目は、少ないデータ量であっても、
その時点での結論を出すことができること。

3つ目は、原因と結果という因果関係に対し、
関係性を明らかに計算できること。

厳密さを要求される数学においては、
かなり柔軟な発想をするために、
当初、数学者から何度も攻撃され、
受け入れられるまでに時間がかかりました。

しかし、現在では、パターン認識、
有向グラフを使ったネットワーク、
情報検索、医学的診断などの分野で応用され、
注目を浴びています。

  「この本は、ある犯罪の捜査をめぐる愉快な
  ストーリーを読みながら、ベイズ統計の
  一番重要な出発点であるベイズの定理を
  中心に、学んでいきます。
  ストーリーの舞台は、ベイズの故郷でもある
  英国に設定しました。」

著者は統計コンサルタント、統計アナリスト
の石村貞夫さんです。

第Ⅰ部の推理編では、ロンドン郊外の
静かな田舎町で起きた殺人事件を追う、
ミステリー仕立てのストーリーで
ベイズ統計を学びます。

美しいオープンガーデンで起きた、
悲惨な殺人事件。

それをスコットランド・ヤード殺人課の
ベイズ警部がベイズ統計を使って
犯人の絞り込みを行います。

殺人事件を捜査する大枠に、
図表を組み込んで、確率計算をしながら、
ベイズ統計の概念を理解する構成です。

見て直感的に理解できるように配慮されて
いるものの、物語をさらさらと読むだけで
理解できる訳ではありません。

超入門と言えど、手を動かして考えないと、
分かるようにはならないと思います。

ストーリーを楽しみながら学べるかどうかは、
ちょっと微妙な感じがしました。

第Ⅱ部は数学編と題して、ベイズの定理を
少し教科書的にまとめて、応用例として、
有名なモンティ・ホール問題を紹介しています。

本書のウリではありませんが、個人的には、
この第Ⅱ部がスッキリとまとまっていて、
わかりやすく読めました。

ちなみに、モンティ・ホール問題とは、
アメリカのゲームショー番組で行われた
以下のゲームに関する論争です。

プレーヤーの前に閉まった3つのドアがあります。

1つのドアの後ろには新車があり、
2つのドアの後ろにはヤギがいます。

プレーヤーは新車のドアを当てると、
景品の新車がもらえます。

プレーヤーが1つのドアを選択した後、
司会のモンティ・ホールさんが残りの
ドアのうちヤギがいるドアを開けて見せます。

ここでプレーヤーは、最初に選んだドアを、
残っている開けられていないドアに
変更してもよいと言われます。

この時、プレーヤーはドアを変更すべきか?
という問題です。

肌で感じる確率と実際の確率に
違いがあるため、大きな論争になりました。

本書では、ベイズ統計使って正しい確率を
計算する過程が解説されています。

この本から何を活かすか?

条件付き確率では、過去に早稲田大学の
文学部で出された入試問題が有名です。

  「5回に1回の割合で帽子を忘れる癖のある
  K君が、正月に A、B、C 3軒を順に年始回りを
  して家に帰ったとき、帽子を忘れてきたことに
  気がついた。
  2軒目の家Bに忘れてきた確率を求めよ。」

ちなみに答えは、20/61です。

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| 数学 | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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国家は破綻する 「日本は例外」にはならない!

満足度★★★
付箋数:23

2016年の夏に、「International Economy」
という世界的な権威から意見を集めている
雑誌に藤巻健史さんは寄稿しました。

テーマは、「今、誰も予想していないが、
次の10年で起こりうるショッキングな出来事」。

藤巻さんが予想したのは、「日銀の倒産」です。

この10年、実際に誰も予想しなかったことが、
いろいろと起こりました。

最近ではトランプさんの米大統領就任が
ありましたし、英国のEU離脱もありました。

2016年に日銀が採用したマイナス金利政策も
その1つかもしれません。

しかし、今から20年以上前、マイナス金利政策
の導入を主張した人がいました。

それが、本書の著者、藤巻健史さんです。

  「私は将来、マイナス金利時代が来ることを
  予想するとともに、政策としての
  マイナス金利政策導入を唱えていました。
  当時は “奇人変人” 扱いをされていましたが。
  その十数年後、ECBがマイナス金利政策を
  導入し、日銀までも導入するようになって、
  私はやっと “奇人変人” から“ 普通の人” に
  戻してもらえたのです。」

さて、藤巻さんが「日銀の倒産」を予想
するのは、「異次元の質的量的緩和」を
行ったからです。

ちなみに、量的緩和はお金をジャブジャブに
するために法定準備預金以上に、
日銀当座預金に積ませようという政策。

「質的」とは、通貨量を供給するために、
10年債、30年債という長期国債の爆買いを
行っている状態を言います。

実は、一般の人から見ると違和感のある
マイナス金利政策は、学問上も実務上も
その効果が実証されている伝統的な金融政策
だと言います。

一方、「異次元の質的量的緩和」は、
学問的にも実務的にも効果が検証されておらず、
一度始めたら出口がない政策のようです。

  「日銀は “ルビコン川” ならぬ、 “三途の川” 
  を渡ってしまったのです。
  Xデーは先に延びましたが、衝撃はその分、
  非常に大きくなってしまうのです。
  私は今回起こるXデーは、明治維新、
  第2次世界大戦の敗戦に匹敵するぐらいの
  大激震だと思っています。
  それに対処し、生き延びるための基本中の
  基本は、 “事態を的確に理解しておくこと” 
  だと思います。」

日本の財政は、今のままではいずれ限界が
来るのか? それとも永遠に安泰なのか?

自分の生きているうちは大丈夫だと思って、
特に準備をしないのも1つの考え方です。

しかし、藤巻さんの言う「国家破綻」に
煽られなくとも、いざという時のために、
何かしらの準備をしておくことは賢明だと
思います。

藤巻さんは、自身がオオカミ少年ならぬ、
オオカミおじさん、あるいはオオカミ爺さん
という認識はあります。

それが分っていて、何十年も同じ主張を
繰り返しているのです。

個人的にはイソップ寓話のオオカミ少年は、
普段の伝え方に問題があったと思います。

いつも「狼が出た!」と言う代わりに、
「万一、狼が出た時のために備えましょう!」
と言っていれば聞く耳をもってくれた人も
いたはずです。

藤巻さんの本書の主張も言い方の問題で、
可能性の1つとして、いざという時の
準備のために読むのは十分アリだと思います。

また、藤巻さんの本はいつも内容は同じですが、
今回は、いつもより内容は濃かったと思います。

この本から何を活かすか?

  「日本は25年間経済を前進させられず、
  赤字を積み上げるだけだったため、
  日本が行っていることは実際のところ
  非常に危険だ」

これは、かつて藤巻さんの雇い主だった
ジョージ・ソロスさんの発言です。

藤巻さんも、ソロスさんに同意しています。

  「今、円は “避難通貨” という認識が
  市場で広がっていますが、二十数年間も
  経済が停滞して、危険な施策を打っている
  国の通貨が、避難通貨なわけがありません。
  暴落の危険があるとの認識を、
  私はソロス氏と共有します。」

私も個人的には円が避難通貨と思われて
いることには違和感があります。

しかし、論理的に考えてそうなるはずの
方向になかなか動かないのが、
マーケットの難しいところです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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若者よ、アジアのウミガメとなれ 講演録

満足度★★★
付箋数:22

2050年には、人口の60%の人が働いていない
時代が日本にやって来ます。

ほとんどが、高齢者の社会ですが、
高齢者がそれだけ多くなると、日本の市場は、
いったいどうなるのか?

高齢者というのは、刺激を受けにくいので、
ブランドスイッチが起こりにくくなります。

ブランドスイッチとは、今飲んでいるビールを
やめて、他に乗り換えることです。

それはなぜかと言うと、高齢者の脳は、
失敗することを恐れるからです。

高齢になると、「成功したら嬉しいな」という
感覚より、今までと違う消費行動を取って、
「失敗することを恐れる」ようになります。

日本が超高齢社会になって、ブランドスイッチが
起こりにくくなると、アース製薬や日清食品
といった会社は、ずっと1位のままです。

一方、業界では6位くらいのフマキラーや
8位のエースコックなどは、2050年になったら、
食えなくなってしまいます。

日本の人口が9500万人になり、GDPも減ると、
下位の会社ほど厳しくなります。

では、業界で下位にいる会社は、これから
生き残ってことはできないのでしょうか?

そんなことはありません。

椅子取りゲームの椅子が減るのは、
あくまで日本での話し。

下位の会社は、これから椅子が増える市場に
出ていけばいいのです。

これから椅子が増えていくのは「アジア」。

椅子=GDPが増える社会に出ていけば、
生き残っていけるようになるのです。

実は、フマキラーは25年以上前から、
インドネシアに進出しています。

インドネシアで、殺虫剤の会社といえば、
フマキラーです。

エースコックはベトナムで圧倒的に一番です。

それも今から30年以上前から、ベトナムで
インスタントラーメンをつくってきたからです。

フマキラーやエースコックは、将来的に
日本市場から撤退してしまうかもしれません。

しかし、これからGDPが増える
インドネシアやベトナムでは圧倒的一番なので、
日本が超高齢化社会になっても、
潰れることはないのです。

  「若者よ、アジアのウミガメとなれ」

これが、加藤順彦さんのメッセージです。

加藤さんが言うウミガメとは、海外で起業し、
海外で名を挙げ、日本に凱旋する人。

中国ではアリババのジャック・マーさんや、
バイドゥのロビン・リーさんのような存在です。

加藤さんは、そんな存在がこれからの
日本にも必要だと説きます。

本書は加藤さんが2010年から、100回以上
取り組んできた、同タイトルの講演をもとに、
再構成したものです。

加藤順彦さんとは、日本でエンジェル投資家
として8社を上場させ、その後シンガポールへ
移住した方です。

日本を外から揺さぶり、刺激を与える存在に
なりたいと考え移住を決意したそうです。

現在はシンガポールで、日本人が起こす
企業の資本と経営に参画しています。

本書は2013年にゴマブックスから刊行された
『講演録 若者よ、アジアのウミガメとなれ』
の改訂版です。

学生の頃から起業し、ライブドアショックが
きっかけで海外に目を向けるようになり、
現在はシンガポールを拠点に、広くアジアで
起業支援を行っている加藤さん。

これまでの自身の経験を交えながら、
新しい時代を担う若者が、アジアに飛び出して
行くことの重要性を熱く熱く語ります。

  第1章 環境が人間を創る
  第2章 成長の尻馬に乗るということ
  第3章 アジアのウミガメを創る

この本から何を活かすか?

加藤さんが7年前に初めてホーチミンに
行った時の話です。

明け方、5時半ぐらいに、ものすごい数の
バイクの音で起こされました。

加藤さんは、現地の人に聞きました。

  「彼らはどこに行くんですか?
  5時半からバイクに乗って行く工場って
  どこですか?」

すると現地の方は言いました。

  「彼らは出勤しているんじゃない。
  朝が来て嬉しいから走っているんだ。
  彼らは朝が来たことを喜んでいるんだ。
  会社には歩いていってる人も多いよ」

加藤さんは、朝が来たから嬉しいという
感覚に驚き、大笑いして、その後、
じわじわと泣けてきたといいます。

そしてアジアとはとういうものなんだと
悟ったそうです。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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自分の時間を取り戻そう

満足度★★★
付箋数:20

  「 “自分の時間を取り戻そう” 
  ―この本のタイトルは、仕事や家事、
  育児に多忙な日々を過ごしているすべての
  みなさんへのメッセージです。」

本書で、ちきりんさんが論じるのは、
自分の人生を取り戻し、これからの社会を
生き抜くための鍵となる概念の「生産性」
についてです。

仕事でも家庭でも、忙しすぎて自分の時間が
まったく持てない人は、「生産性が低すぎる」
という共通の問題があると、ちきりんさんは
指摘します。

もしくは、「生産性の概念を理解していない」
または「生産性の向上こそが問題解決に必要と
理解できていない」とも言っています。

生産性の向上とは、少ないインプットで、
多くのアウトプットを得ることですから、
単に時間短縮のことだけを言っているのでは
ありません。

時間以外の資源も含めて、あらゆる貴重な
資源を最大限に有効活用することが、
生産性の向上です。

今後の社会では、生産性が高いものが残り、
生産性の低いものが淘汰されていくため、
生産性は、生き残っていくために必要な
判断軸になっているのです。

社会派ブロガーのちきりんさんが、
ツイッターやブログで学校教育について
これまで批判してきたのは、「学校は
学びの場としてはあまりに生産性が低い」と
考えているからのようです。

また、ちきりんさんは生産性について、
日本では誤解が多く、正しく理解されて
いないと考えています。

  「生産性が高くて “よくない理由” など
  存在しません。ビジネスパーソンだけでなく、
  芸術家や福祉に携わる人、専業主婦なども
  含め、誰であれ生産性を上げて損をしたり
  しないのです。」

本書では、忙しすぎる4人の登場人物の
物語を通して、問題点を洗い出し、
生産性を上げて、自分の時間を取り戻す様を
わかりやすく伝えます。

4人の登場人物は、第一志望の会社でバリバリ
活躍する正樹、仕事と育児を両立しようと
奮闘するケイコ、リーマンショック、
ブラック企業、底辺フリーランスと苦境の
数々を経験してきた陽子、そして、起業に成功
しながらも踊り場を迎えて悩む勇二です。

本書の目的は、あくまで生産性向上の
必要性を「論じる」ことです。

生産性を向上させるノウハウを伝えることが、
目的ではありません。

ですから、今まで生産性を意識したことが
なかった方や、プライベートにおいて生産性の
向上は必要ないと考えている方が読むには
いいと思います。

本書が、考え方を変えるきっかけとなります。

一方、すでに生産性の向上につて理解している
方にとっては、「そうだよね」と同意しつつも、
「だからどうするの?」と不満が残るかも
しれません。

もちろん、本書にもインプットを制限する
方法や、無駄な時間を減らすための方法は
紹介されています。

しかし、本当に生産性を上げられなくて
困っている人にとっては、それらの方法は
絵に描いた餅であったり、現実にはできない
ことだと感じるかもしれません。

私には、生産性に関しては、
先日紹介した伊賀泰代さんの『生産性』の方が、
より具体性のある内容で参考になりました。

この本から何を活かすか?

  「やたらと長いメールを送ってくる人や、
   “とりあえずご挨拶を” と言ってくる人は、
  それだけで、生産性の概念を持たない人だと
  わかります。自分の時間の貴重さに気づいて
  いないため、他者の時間の貴重さにも無頓着
  なのです。このため生産性に敏感な人たちは、
  彼らに会う前から、 “こういう生産性を理解
  していない人とは一緒に仕事をしたくない” 
  と判断しています。」

ちきりんさんは、自分と同類の人の例として、
堀江貴文さんを挙げています。

確かに、お二人は世間からの見られ方も
共通したところがあるように感じます。

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| 時間術 | 10:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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一言力

満足度★★★★
付箋数:25

あなたの職場でのシーンを思い浮かべて
みてください。

会議などでクドクドと長い発言をする人に、
「結局何が言いたいの?」と思ったことは
ありませんか?

要領を得ないダラダラとした長い文章を
読むとイライラしませんか?

長くしゃべればしゃべるほど、長く書けば
書くほど、物事の本質は伝わりにくく
なります。

あなたは、「そんなことはわかっている」
と思ったかもしれません。

しかし、他人の長い発言や文章にはイライラ
するのに、知らず知らずのうちに自分も
「同じあやまち」をおかしている可能性は、
ありませんか?

本書の著者、コピーライターの川上徹也さんは
読者にこのように問いかけます。

  「この本を読めば、 “一言力” が身につきます。
   “一言力” とは、 “短く本質をえぐる言葉で
  表現する能力” のことです。身につければ、
  あなたにとって一生の武器になります。」

本書では、一言力を7つの能力に分解し、
「短く本質をえぐる言葉」の紡ぎ方を
解説します。

一言力の7つの能力は、各章の冒頭で
ズバッと言い切られていますので、
その冒頭の部分を見ていきましょう。

第1章
 「一言力」に必要な能力の1番目は「要約力」です。
 「要約力」とは、多くの情報の中から、
 「重要な部分を簡潔にまとめて伝える力」
 のことをいいます。要約できなければ、
 一言で言える道理はありません。「一言力」に、
 まず「要約力」が必要なのは自然の理です。

第2章
 「一言力」に必要な能力の2番目は「断言力」です。
 断言することは、話者の意思を明確にする
 ということです。自然に力が生まれ、信頼を
 勝ち取りやすくなります。歴史を振り返っても、
 優れた政治家・宗教家・経営者などは、
 必ずこの「断言力」を用いて引っ張ってきました。

第3章
 「一言力」に必要な能力の3番目は「要約力」です。
 誰かに何かを「問いかける」「語りかける」
 「質問する」という能力です。「質問」と
 「発問」は似ていますが、あえて違いを言えば、
 わからないことを聞くのが「質問」で、
 語りかける側が問いをつくるのが「発問」です。

第4章
 「一言力」に必要な能力の4番目は「短答力」です。
 相手から何か質問された時に短く鋭い答えを
 言えたり、何かについて意見や感想を
 求められた時に的確なコメントが言えたりする
 能力のことをいいます。「コメント力」と
 言い換えてもいいでしょう。

第5章
 「一言力」に必要な能力の5番目は「命名力」です。
  “興味をひく名前をつける力” のこと。
 「ネーミング力」「タイトル力」「造語力」
 とも言えます。「名前」はその人や物を表す
 「顔」とも言える、重要なポイントです。
 的確な名前をつけることで、長々と説明しなければ
 ならないことを、ずばり言い表すことができます。

第6章
 「一言力」に必要な能力の6番目は「比喩力」です。
 何かを説明する時、別の何かにたとえて表現する
 ことです。話し言葉においても、書き言葉に
 おいても、うまい「比喩」を使える人は、
 一目おかれます。うまいたとえ話があると、
 本来長々説明しなければならないことが、
 シャープにまとめられます。

第7章
 「一言力」に必要な能力の最後は「旗印力」です。
 「旗印」とは別の言葉に置き換えると、
 「標語」「指針」「合言葉」のこと。
 英語の「スローガン」もほとんど同じ意味です。

本書では、一言力に必要な各能力について、
手本となる事例を挙げ、わかりやすく説明します。

それらの事例を参考に7つの能力を駆使できる
ようになると、あらゆる場面で当意即妙な一言が
言えるようになると思います。

この本から何を活かすか?

私が本書で最も気に入ったのが、
壇蜜さんのコメント力です。

ある番組で、壇蜜さんと久米宏さんが、
話題の本をサカナにトークをしていました。

その本の中で、「最近の若者はラブホテル代も
割り勘」という記述を見つけて、
壇蜜さんは驚きます。

久米さんは「僕と君がラブホに行ったら
どちらが払うのかね」と質問をします。

「それはないと思いますよ」とかわす壇蜜さんに
久米さんは「万が一だよ」と重ねます。

その時の壇蜜さんの一言。

  「文春が払うと思います」

視点を変えて答える、秀逸なコメント例ですね。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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障がい者の就活ガイド

満足度★★★
付箋数:19

左右社の樋口さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

本書はタイトルの通り、障がいを持つ方が
就職活動するための本です。

就活の準備から面接、内定、そして就労まで、
その流れとノウハウを解説します。

正直に言うと、献本いただかなければ、
私は読むことはなかった本です。

が、結果として読んで良かったと思います。

その理由は2つあります。

1つ目は、もし、障がいを持って就活する方や
そのご家族に知り合いがいれば、間違いなく
参考になる本として、本書を薦められること。

2つ目は、障害者雇用の制度やその実態を
知ることができたことです。

障がいを持たない方も読むべき本とまでは、
偽善っぽくなるので言いませんが、
こういう本があることを知っていただくのは
いいことだと思い紹介させていただきます。

  「働くことであなたの人生は劇的に変わるの
  です。私がある障がい者の方から聞いたお話で、
  印象に残る言葉があります。その方は、
  いままで人に “ありがとう” とばかり言って
  いたのですが、会社で働くことで、
  逆に人から “ありがとう” と言われる人生に
  変わったそうです。そのとき、これまでにない
  充実感をもったといいます。」

本書の著者、紺野大輝さんも生まれつき
脳性麻痺という障がいを持つ方です。

大学卒業時には一般採用で就職し、
その後、障がい者採用で転職し、
2社で15年間働いている現役会社員の方です。

紺野さんが就活した当時は、障がい者を
雇用することに理解のある企業が少なく、
就職するまで、かなり悪戦苦闘しました。

紺野さんは、重度の脳性麻痺がありましたが、
幼稚園から普通学級に通い、大学入学まで
していますから、それまで自分の障がいを
意識することは、あまりなかったそうです。

しかし、アルバイトを含む就活をして、
初めて「自分は障がい者なのだ」ということを
強く意識し、現実の厳しさを知りました。

面接室に入っただけで「うちの会社は、
障がい者は雇わないから」と言われたり、
椅子に座らせてもらえず「出て行け!」と
言われるような、差別的な対応が当たり前の
ように行われていました。

現在は障害者雇用促進法と納付金制度があり、
以前より働きやすい環境に変わってきています。

また、企業側からすると労働者が減少する中で、
必要な労働力を確保しなければなりませんから、
障がいを持つ方が就職するには、
追い風の就労環境となってきています。

障害者雇用促進法では、従業員が50人以上いる
企業に対しては、障がい者を雇わなければ
ならない法定雇用率を設定しています。

現在の法定雇用率は2%、50人に1人の割合で
障がい者を雇うことが義務付けられています。

この2%を達成できない企業は、不足人数1人
につき、毎月5万円の納付金を払わなければ
なりません。

一方、障がい者を2%以上雇っている企業は、
2%を超えた人数につき月2万7千円の
調整金をもらえることになっています。

この納付金制度があることを知っていても、
「罰金」と解釈している方が多いといいます。

しかし、この制度は障がい者を雇った企業も
雇えなかった企業も、全体で障がい者を
支える制度ですから、懲罰的な意味合いとは
違うものです。

こういった点をちゃんと理解できただけで、
私にとっては読む価値のある本でした。

この本から何を活かすか?

さて、実際に障がいを持つ方は、本書を読むと
次のような疑問を解決することができます。

  どうやって求人を探すの?
  障がいのことはどう伝えればいいの?
  応募や面接のしかたは?
  相談できる機関や制度はあるの?

また本書は、実際に就労した後の、
働き方のポイントまで解説しているので、
大きな助けになる本だと思います。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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生産性

満足度★★★
付箋数:23

マッキンゼー・アンド・カンパニーで
17年間勤務した伊賀泰代さんは、
日本企業と米国企業では、優秀な人材に求める
資質やその育成方法に関して、
2つの大きな違いがあると感じました。

1つは「リーダーシップ」の意識の差です。

リーダーシップについては、伊賀さんの前著
採用基準』で言及されています。

もう1つ、極めて差が大きいのは「生産性」。

本書で伊賀さんは、いかに組織と人材の
生産性を上げるかを語ります。

  「日本の製造現場の生産性は、長らく他国を
  圧倒してきました。しかし、まさにそのために
  日本では、生産性という概念がまるで
   “工場のオペレーションの効率化の話” 
  であるかのように捉えられてしまっています。
  それ以外の分野における生産性への関心の
  低さは、国際的な産業別の生産性比較の
  結果にも顕著に表れています。
  日本のホワイトカラーやサービス業の
  生産性は、欧米先進国に比べて著しく低いと
  何度も指摘されているにもかかわらず、
  その状況はいまだ改善されることはありません」

生産性とは、「成果物」と、その成果物を
獲得するために「投入された資源量」の
比で計算されます。

簡単に言うと、アウトプットをインプットで
割ったものですから、生産性を上げるには、
インプットを少なくしてアウトプットを多く
するしか方法がありません。

日本で生産性向上というと、時間やコストの
削減にばかり目がいってしまいますが、
改善や改革によって成果を上げることでも、
生産性向上は可能です。

本書では、そこに至るアプローチの違いにより、
生産性を上げる方法を4つに分類しています。

 1. 改善=インプルーブメントにより、
  投入資源を小さくする
 2. 革新=イノベーションにより、
  投入資源を小さくする
 3. 改善=インプルーブメントにより、
  成果を大きくする
 4. 革新=イノベーションにより、
  成果を大きくする

特に、多くの企業で生産性の低さが指摘される
ものの代表に「会議」があります。

そのため、「いかに会議の時間を短くするか」
が会議の生産性を上げることと同意と
考えられていますが、大切なのは
会議の成果を高めることなのです。

会議で一番疲弊してしまうのが、時間だけ
ダラダラとかかって、結局何も決まらなかった
というパターン。

それを避けるためには、会議の達成目標を
次の5つのどれかに定めて、それが達成できる
ように準備して会議に臨む必要があります。

 ・決断すること
 ・洗い出しすること(リストを作ること)
 ・情報共有すること
 ・合意すること=説得する=納得してもらう
 ・段取りや役割分担など、ネクストステップを
  決めること

ただし、目標が「洗い出し」だからといって、
その場で「何か意見はありませんか?」と
募っても、時間だけかかってしまいます。

事前に議論のたたき台となるリストを
作っておいて、会議ではその資料を見ながら
不足しているものを追加する方法を取ります。

本書は、生産性をテーマにした本ですが、
自分自身の生産性よりも部下の生産性、
個人の生産性よりもチームの生産性に
フォーカスした本になっています。

それは伊賀さんがマッキンゼーで人材育成、
採用のマネジャーだったバックボーンに
よるものです。

この本から何を活かすか?

  「そもそも “成長する” とは “生産性が上がる”
  ということに他なりません。」

生産性の向上による「成長」とは、
次の4つのサイクルを回すことのようです。

 1. 今まで何時間かかってもできなかったことが、
  できるようになる。
 2. 今まで何時間もかかっていたことが、
  1時間でできるようになる。
 3. 今まで1時間かかって達成していた成果より
  はるかに高い成果を、同じ1時間で達成できる
  ようになる。
 4. 生み出せた余裕の時間で、今はまだできて
  いないことにチャレンジを始める。

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| 組織・社内教育・コーチング | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ルービンシュタイン ゲーム理論の力

満足度★★★
付箋数:24

同じ休暇先から同じ土産物を買って帰ってきた
2人の旅行者がいました。

彼らの土産物だけを入れたスーツケースは
空港で紛失してしまい、空港の遺失物係員は
スーツケースの荷物分の損失を補償しなければ
いけません。

係員は紛失物の価値について、180ドルから
300ドルの間だろうという大まかな認識しか
ありません。

そのために、遺失物係員は2人の旅行者の
申告にそって補償しようという計画を立てました。

しかし、旅行者は紛失物を誇張しがちであり、
真実を語る義務は感じていないだろうと
いうことをわかっていました。

そこで遺失物係員は2人の旅行者を
別々の部屋に連れて行き、土産物の値段を
180ドルから300ドルの間でそれぞれ
申告させました。

遺失物係員は両方の申告された値段のうち
低い方を2人に補償すると約束しています。

さらに、もし2人が異なった値段を申告した
場合には、高い値段を言った者に「罰金」
として5ドルを科し、低い値段を言った者に
「褒美」として5ドル与えるとしました。

2人の旅行者は、できるだけ多くのお金を
受け取りたがっている場合、土産物の値段を
いくらと申告すべきでしょうか?

まず、この場合一番高い300ドルを申告する
という判断は旅行者にとって合理的なのか。

もし、相手が300ドルを申告するであろうと
信じていた場合、自分は300ドルを申告すると
300ドルもらえます。

しかし、299ドルと申告すれば、
299+5=304ドルもらえます。

相手も300ドルと申告するのが合理的でないと
気づいた場合、299ドルを選ぶでしょう。

そうすると自分が選ぶべき最適な申告額は
298ドルとなります。

さらに、相手もそのことに気づき298ドルを
選択する場合、297ドルが最適となります・・・。

このゲームでは、相手の立場になって、
相手の最善の行動を予見し、そこから自分の
行動を導くことが必要です。

それを繰り返して、もうそれ以上行動を
変更したいというインセンティブが働かない
状態のことを、ゲーム理論では「ナッシュ均衡」
と呼びます。

この問題では、両方の旅行者が180ドルを
選択するのが唯一のナッシュ均衡です。

果たして、このナッシュ均衡の概念を用いて、
180ドルを選択るのは、旅行者にとって
本当に合理的なのでしょうか?

実際にこのゲームをやってみると
45%が300ドルを選び、19%が295ドルから
299ドルの間を選び、16%は181ドルから
294ドルの間を選びました。

ナッシュ均衡の180ドルを選んだ人は
わずか20%だったという実験結果が
あるようです。

つまり、現実の世界ではゲーム理論のような
合理的な判断をする人は多くないため、
そこまで考えずに本能的に判断した方が
多くの利得を得られる場合もあるようです。

さて、本書はイスラエルの経済学者、
アリエル・ルービンシュタインさんによる
経済学とゲーム理論の本質を伝える本です。

ルービンシュタインさんは、経済モデルを
「科学」ではなく、「寓話」ないし「物語」
として捉えます。

寓話はポイントを絞り、「人生の理」を
私たちに伝えます。

経済モデルもそれと同様に「社会の理」を
伝えると考えるのです。

  序章 経済学という物語
  第1章 合理性と非合理生
  第2章 ゲーム理論:ビューティフル・マインド
  第3章 ジャングルの物語と市場の物語
  第4章 経済学と語用論、そして7つの落とし穴
  第5章 (ある種の)経済政策

本書では、これまでのルービンシュタインさんの
人生を振り返りながら、ゲーム理論の説明をします。

恐らくその点が、読者の好みがはっきりと
別れるところだと思います。

この本から何を活かすか?

2001年の米映画『ビューティフル・マインド』。

ジョン・ナッシュさんがノーベル経済学賞
を受賞することが決まり、教授たちが次々と
彼のところにやって来て、敬意を表するために
ペンをテーブルに置くシーンが描かれました。

ルービンシュタインさんは、偶然その場に
いたそうですが、ペンを置くようなセレモニーは
実際にはなかったそうです。

また、映画のようにナッシュさんを
「マスター」と呼ぶ人は誰もいなかったとも
ルービンシュタインさんは語っています。

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| 経済・行動経済学 | 06:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大前研一 IoT革命

満足度★★★
付箋数:20

  「IoT(Internet of Things)とは、
  センサーを組み込まれた通信機能をもった
   “モノ” がインターネットによって
  あらゆるモノとつながるようになった
  状態を指す。
  私がIoTと関わるようになったのは、
  まだIoTという言葉も存在していなかった
  2000年頃だ。
  USWest会長だったソル・トルヒーヨ氏が
  サンディエゴの全米初のM to M(Machine to
  Machine)の会社を立ち上げ、私はそこの
  社外取締役として加わったのである。」

本書は、IoT革命について大前研一さんが
網羅的に解説した本です。

但し、大前さんが書いているのは第1章のみで、
第2章は村井純さん、第3章は島田太郎さん、
第4章はヴェルナー・ケストラーさんが
担当しています。

  「IoTといえば、なにかハイテクで非常に
  難しいことといった印象を持つ人もいるだろう。
  だが、要するに、オリジナルデータを集めて、
  プロセシングし、結果から意味を引き出す
  という一連の流れを、機械同士で担わせる
  ということなのである。いまはInternet of
  Everything、すべてのものがネットでつながる
  時代なので、発振子とセンサーがあれば
  それらが可能になるのだ。」

表面的な現象を見るのではなく、本質を捉えて、
そこに過去の自分の経験を加えて説明するのが
いかにも大前さん的です。

大前さんのパートは、全部で50ページ程で、
最初の約20ページでIoTの全体像を語り、
残り30ページで事例を紹介しています。

充実しているのはこの事例のパート。

先進国の製造業におけるIoTの取り組み、
22事例が紹介されています。

ドイツのインダストリー4.0、
米GEのインダストリアル・インターネット、
コマツのKOMTRAXとKomConnect、
クボタのKSAS、ウエザーニューズ、
仏ミシュランのサービスとしてのタイヤ
などなど。

私が個人的に知りたかった自動車については、
「車の自動運転と高度交通システムの新しい形」
としてヴェルナー・ケストラーさんが
解説していました。

高齢になっても、生活するために車の運転が
どうしても必要な人たちがいるため、
高齢者の自動車事故がニュースになることも
多くなっています。

歳をとって自分で運転するのが困難になっても、
完全な自動運転が実現していれば、自動車事故
などの問題は解決します。

こらからの高齢化社会においては、
自動運転の技術が必要だと思います。

将来的に完全な自動運転が実現すれば、
自動車運転免許さえもいらなくなるかも
しれません。

  「自動運転においては、二つのビジネスモデルが
  考えられます。一つ目はメルセデス、BMW、
  トヨタなど従来の自動車メーカーが取り組んで
  いる、自社で生産する車に自動運転の機能を
  装備して販売するというビジネスモデル。
  二つ目は、モビリティのプロバイダーが、
  サービスを展開する手段である自動車に、
  自動運転機能を付け加えるというモデルです。」

例えば、話題になっているUberは、
移動したい人とそれを手伝いたい人を
マッチングするプラットフォームを提供する
ビジネスを行っています。

自社の営業用の車は1台も持っていません。

現在のUberの最大の悩みは、移動手段として
車を利用したい人の需要に、車とドライバーの
供給が追いついていないことです。

自動運転が可能になれば、ドライバー不足
というUberの問題も一気に解決します。

本書は、IoTについて一から始めて全体感を
掴むには、ちょうどいい本だと思います。

ただし、ある程度IoTについて知っている方に
とっては、少し物足りなく感じるかもしれません。

この本から何を活かすか?

労働時間から見た購買力平価GDPを比較すると、
ドイツは日本の1.5倍あるそうです。

日本人が1時間働いて100円儲けているのに対し、
ドイツ人は同じだけ働いて150円儲けている
ということです。

この違いは、いったいどこからくるのか?

本書のなかで、ドイツに在住経験のある
島田太郎さんは次のように説明しています。

  「ドイツでは、あらゆることが標準化されて
  います。そのため対応は規則的で、こちらの
  事情などおかまいなし。片やおもてなし文化の
  日本では、かゆいところに手が届くという
  表現もあるくらい臨機応変なサービスを、
  するほうもされる方も当然だと思っています。
  そのため、日本は非常に快適に暮らすことが
  できる半面、多くの無駄が生まれている。
  だから、生産性が低いのも当然です。」

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| IT・ネット | 10:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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LIFE 人間が知らない生き方

満足度★★★★
付箋数:22

  「あなたは、知っているだろうか。

  ネコがすり寄ってくる理由を。
  イルカが、ジャンプする理由を。
  カピバラが “草原の王者” と呼ばれる理由を。
  キリンが実はアフリカでも1~2を争う
  強さを持っていることを。
  ライオンに立ち向かう小動物がいることを。
  ナマケモノのお釈迦様のような生き様を。

  私たちは、知らない。
  生きもたちがどのように生きてきたか。
  そして私たちは、どう生きればよいのか。

  本書では、20種類の生き物たちの
  知られざる生態から、人間が生き残るための
   “戦略” と“ 習慣” を学ぶ。」

本書は生き物たちの「生存戦略」から、
私たちが生きるためのヒントや教訓を得る本。

1つの生き物について、6ページの漫画と、
2ページの解説+1ページの豆知識で
構成されています。

漫画のパートを担当するのは、無類の旅好き
として知られる異色の漫画家、麻生羽呂さん。

代表作には『呪法解禁ハイド&クローサー
や『今際の国のアリス』などがあります。

解説のパートを担当するのは2017年時点では、
現役の慶應義塾大学生の篠原かをりさん。

『Qさま!!』の学力王で優勝経験のある
生物の偏差値が105の生物オタクの才女です。

本書から2つの生き物の生態を紹介します。

最初は、人間と同じく群れで暮らすペンギン。

ある種のペンギンは氷の上から海に飛び込む際、
最初の仲間の一匹を蹴り落とすそうです。

それは、天敵のシャチが待ち伏せしていないか
確かめるためです。

蹴り落としたペンギンが無事に浮かび上がって
くれば、仲間は安心して海に入ります。

この行為は、少数の個体を犠牲にすることで、
大多数のペンギンという種を守るための
本能だと考えれています。

蹴り落とされるのは、いつも先頭にいる
ペンギンで、群れの先頭を歩くということは、
危険がつきものであることを意味します。

しかし、最初に海に入るペンギンが最も多くの
餌を得られることから、未知の領域や
新しいビジネスに挑戦する人は、
「ファースト・ペンギン」と呼ばれます。

  「出る杭は打たれる。
  ― しかし、時代を切り開くのはいつだって
  先頭を行く者なのである。」

もう1つは、身近な生き物の代表のネコ。

ネコは人に飼われながらも、常に野生を
秘めている生き物のようです。

ネコは、飼い主の目をじっと見つめる
行動をとります。

その愛くるしさに、飼い主はメロメロに
なってしまいますが、その時にネコが
何を考えているかを知っていますか?

実は、見つめてくるネコは飼い主に対して、
「こいつには勝てる」と考えています。

ネコは「勝てない」と悟った時には、
ケンカに発展させないために、
相手に負けを認めて目をそらします。

イヌは飼い主の人間を違う動物と認識し、
自分の主人と考えて従います。

これに対して、ネコは飼い主のことを、
「何らかの理由で巨大化した不器用なネコ」
と考えているため、自分より偉い存在だと
認識することはありません。

また、人に身体をこすりつけてくる行動は、
甘えているのではなく、臭いをつけるため。

これは「お前も自分の縄張りの一部だ」と
主張している行為です。

  「自分のスタイルを崩さないあまのじゃく。
  しかし、憎めない愛らしさがある。
  大事なのは、好かれようと取りつくろう
  ことではなく、自分のスタイルを持つこと。
   “自分らしく” でいいのである。」

本書は、好奇心を刺激する面白さがあり、
それでいて、私たちが生き残るための
ヒントも得られる一挙両得の本です。

この本から何を活かすか?

この本が順調に売れると続編『LIFE 2』が
製作される予定があるようです。

続編のテーマは「最強」!?

ティラノサウルスレックス、ベニクラゲ、
ボノボ、マウイイワナスギンチャク、
カンガルーネズミ、オオコウモリ、カバ
などが登場予定と書かれています。

こちらも発売されれば、是非読みたいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 09:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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佐藤オオキのボツ本

満足度★★★
付箋数:24

  「一見華麗に見えるかもしれない
  デザイナーのプロジェクト。しかしその陰には、
  死屍累々のボツ案が横たわっています。」

Newsweek誌の「世界が尊敬する日本人100人」
にも選ばれ、世界的なデザイン賞をいくつも
受賞しているデザイナーの佐藤オオキさん。

佐藤さんが率いるデザインオフィスnendoでは、
400を超えるプロジェクトが、いつも同時進行
しています。

nendoでは、デザインの依頼に対して、
多角的な視点からの提案を行うために、
早い段階で細部まで作り込んだデザイン案を
クライアントに複数投げかけます。

初期段階から多角的な視点で議論することで、
デザインを依頼する側も、依頼された側も
思考のプロセスを共有できます。

それが、発想の土台となって、
次々と新しいアイディアが生み出され、
完成されたデザインに近づいていくようです。

  「結果的にこのやり方は、膨大な “ボツ案” を
  生み出すことになります。仮に1プロジェクト
  あたり5つのデザインやアイディアの提案を
  行うとします。すると、400のプロジェクトを
  走らせていると、そこには2000のアイディアや
  デザインが生まれることになるのです。
  採用されるデザインが各プロジェクトにつき
  1個だとしたら、ボツ案は1600。
  供養してもしきれません。
  実際には、こうしたアイディアは
  ひょんなことから蘇ったり、別のアイディアと
  融合してもっと素晴らしいデザインになる
  こともあります。また、このボツ案が私たちの
  糧となり、その後のプロジェクトに生かされる
  ケースも珍しくありません。」

私たちが商品や製品として目にするのは、
最終的に採用された1つのデザインのみです。

その裏に、たくさんのボツ案があっても、
普段は、なかなか目にすることはできません。

しかし、採用されなかったたくさんの
ボツ案を見ることで、そこに至るまでの
思考のプロセスを知ることができます。

実は、ボツ案は不採用になって終わりでは
ありません。

その時に求められていたコンセプトや
アイディアとたまたま合致しなかっただけで、
別の機会に活用されることが多くあるのです。

本書は、「ボツ」を生かして最高のアイデアを
生むプロセス公開した本です。

本書の最初の事例には、大手飲料メーカーから
依頼された自動販売機用の「ゴミ箱」の
デザイン案が紹介されていました。

依頼されたのは、「飲みきってから捨てたく
なるようなゴミ箱」です。

このお題に対して、作られたモックアップ
(外見を実物に似せて作られた模型)は6つ。

 ・カバーをかぶせるタイプ
 ・プランター一体型
 ・絶対にキャップを開けさせるゴミ箱
 ・液体とボトルが区別できるゴミ箱
 ・伸縮して大きさが変わるタイプ
 ・液が残っていると吐き出されるゴミ箱

残念ながら、これら6つのデザイン案は、
さまざまな事情からすべてボツになった
ようです。

しかし、自動販売機用のゴミ箱1つについて、
どのような機能が考えられ、どのように議論
されたかの、アイディア形成の過程が
手に取るようにわかります。

「そこまで見せていいの」と思えるほど、
佐藤さんやnendoの頭の中を丸裸にして
見ている印象さえありますね。

本書は、デザインに関わる仕事をする方には、
必見の本だと思います。

個人的には、ボツになった多くのアイディアを
見ることで、デザインの凄さや佐藤さんの
思考の深さを実感することができました。

  第1章 散りゆくボツ案
  第2章 未来を導くボツ案
  第3章 ボツ案を育てる
  第4章 よみがえるボツ案
  第5章 ボツが人を育てる

この本から何を活かすか?

  「アイディアは、ゼロから生み出すだけでなく、
  既存の情報をなんらかの “方程式” に
  落とし込み、モノゴトを新しい視点から
  見ることで発生させることができます。」

本書では理美容ビジネスの新しいあり方を
考える際の「思考マップ」が掲載されていました。

こういうアイディアのメモを見られる機会は稀。

有り難いことに、アイディアを生み出す
「方程式」が、実際にどのように使われたかが
わかるように解説されています。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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鈴木敏文 孤高

満足度★★★
付箋数:25

日経ビジネス編集部の日野さんより、
献本いただきました。ありがとうございます。

  「僕が仮に中内さんや堤さんの下にいたら、
  きっと1年ももたずに辞めていたよ。
  2人とも強烈なリーダーシップで
  引っ張っていた。だから、自分には合わず、
  クビになっていたと思う。
  だって、こうした方がいいとか、
  ああした方がいいとか、大経営者に若造が
  言ったら、そうなるでしょう」

セブン&アイ・ホールディングスを長い間
率いてきた、鈴木敏文さんは日経ビジネスの
インタビューでこのように答えています。

カリスマと呼ばれて、セブン帝国を作りげ、
日本の流通業界に革命を起こした鈴木さん。

コンビニエンスストアという新しいインフラを
生み出し、メーカーが支配していた流通業界の
力関係を逆転させた立役者です。

鈴木さんは、同じ流通業の寵児である
ダイエーの中内功さん、セゾングループの
堤清二さんと、並べ称せられることがあります。

しかし、鈴木さんには他の2人と決定的に
異なる点があります。

それは、中内さんと堤さんが創業オーナー
だったのに対して、鈴木さんは伊藤雅俊さん
という創業オーナーの下で働いた
「サラリーマン経営者」だったということです。

ちなみに、オーナーではないサラリーマン
経営者として、鈴木さんほどのイノベーションを
起こした例は、他にほとんどありません。

では、雇われ経営者だった鈴木さんと、
創業者の伊藤さんの関係はどうだったのか?

それが冒頭で紹介した鈴木さんの発言にも
つながります。

  「中内さんは社外からいろいろな経営者を
  連れてきましたよね。味の素の鳥羽さんとか、
  ヤマハの河島さんとか。堤さんも、板倉さん
  を連れてきた。でも、みんな切っちゃった」

イトーヨーカ堂の創業だった伊藤さんは、
絶対的な権力を振るうタイプのリーダーでは
なかったようです。

  「伊藤さんは、中内さんや堤さんとは全然違う。
  伊藤さんは我慢強いんですよ。まあ、慎重
  という表現もできるよね。例えば、伊藤さんは、
  僕がコンビニエンスストアをやると言った時も、
  アメリカのセブンイレブンを買うと言った時も
  反対だった。中国進出も銀行設立もね。
  何事にも反対したのは、性格ですよ。」

では、慎重な伊藤さんに反対されながらも、
鈴木さんはどのようにして、無理を通して
やりたいことを実現してきたのか?

  「それでも、反対されたことを僕が何とか
  ものにしてきたから、割合と意見を聞いて
  くれるようになった。この範囲までやって
  ダメだったら諦めますと、きちっと宣言
  するわけ。そうすると、じゃあ、まあ、
  となるんだ」

2016年5月に鈴木さんがセブン&アイの会長
兼CEOから退任した際には、「創業家の反撃」、
「取締役会内部の分裂」、「物言う株主の暗躍」
など様々な報道がなされました。

そもそも、セブン&アイがここまで成長したのは、
オーナーの伊藤さんと、サラリーマンの鈴木さん
という「2人のトップ」の絶妙かつ微妙な
関係があったからでした。

本書では、そんな2人の歴史を振り返りつつ、
「流通王」として、戦後日本の経済史に
その名を刻んだ鈴木さんの半生を描きます。

第1章は10時間にも及ぶ鈴木さんへの
ロングインタビューを元になっており、
第2・3章は過去の日経ビジネスの記事から、
そして最終章は退任劇の裏側を描いた
書き下ろしで構成されます。

日経ビジネスの取材力を生かして、
一介のサラリーマンからカリスマ経営者へ
駆け上がった鈴木さんの実態に迫る超力作です。

この本から何を活かすか?

なぜ、セブンイレブンは、ローソンや
ファミリーマートに比べ、ここまで圧倒的な
存在になることができたのか?

この点も、鈴木さんが創業オーナーでないことが
理由にあるようです。

  「セブンイレブン1号店とほぼ同時期に、
  ダイエーの中内はローソンを、セゾンの堤は
  ファミリーマートを始めているが、これらの
  コンビニチェーンは、それぞれのオーナー
  経営者にとって、数ある事業の “一部問” の
  枠を出なかった。
  それとは対象的にセブンイレブンとは、
  サラリーマンである鈴木が、オーナーの伊藤に
  対して、自分の能力と存在意義を証明する
  ための唯一無二の事業であり、 “鈴木敏文” 
  そのものであった。セブンイレブンがライバルを
  大きく引き離し、流通業界を変革する存在に
  なり得たのは、ここに必然がある。」

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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片づけHACKS!

満足度★★★
付箋数:20

  「片づけが好きだという人はとても少ない。
  誰だって後回しにしたいと思っているし、
  できればやりたくない。でもそれだと散らかる
  ばかりなので、しょうがなく取りかかる。
   “片づけ” には、とかく面倒なイメージが
  まとわりついています。
  そのめんどうな片づけをハッキングし、
  クリエイティブに楽しんでしまおうというのが、
  この『片づけHACKS』です。ちょっとした
  工夫で片づけが楽になり、楽になると
  楽しくなる、楽しくなるからやめられない、
  とまらない。
  かっぱえびせん的片づけ術なのです。」

久しぶりに小山龍介さんのHACKSシリーズを
読みました。

それは、年が明けて心機一転、身の周りを
少し片づけようと思ったからです。

しかし、本書の目的は、きれいに「片づけ」を
することではありませんでした。

片づけた先に、その目的はありました。

  「部屋が片づくことで仕事が片づき、
  膨大な情報が整理されてどんどんアイディアが
  生まれる。さらに、新しいキャリアアップの
  チャンスがやってくる。(中略)
  『片づけHACKS』は、新しいチャンスを
  呼び込む、余白をつくりだすための
  ハッキング術なのです。」

最終目的がアイディアを生み、チャンスを
呼び込むことですから、本書では壮大な
片づけも提案されています。

それは、「転職してすべてのタスクを
ゼロリセットする」というハックです。

片づけをしようと思って、本書を手にして、
「よし、転職しよう」と考える人は少ないと
思いますが、確かに転職時のオールリセット
される開放感はすごいですね。

転職によって、これまで抱えていたタスクを
すべて後任の人に引き継ぎ、新しい転職先では、
今までと違う新たな役割が与えられます。

この時に大切なのが、未来の不確実性を
受け入れること。

スタンフォード大学のJ・D・クランボルツ教授
が提唱する「計画された偶発性理論」では、
キャリアの8割は偶然によって決まると
されています。

ですから、偶然を排除するのではなく、
計画的にその偶然を起こそうとするスタンスが
チャンスを広げることにつながるのです。

さて、私がやりたかったのは、そんな壮大な
ハックではなく、「部屋の片づけ」レベルの
ことでした。

一旦、その次元のハックまでレベルを下げて、
私が参考にしたいと思ったものを紹介します。

・衣服はすべてハンガーにかける

  洗ったTシャツはたたんで衣装ケースに入れず、
  干すときにハンガーにかけて、乾いたらそのまま
  クローゼットに収納します。

  また、クリーニングに出したシャツなども
  ハンガーにかかった状態で戻ってくるので、
  そのままクローゼットの奥に収納すると、
  着ていなかったシャツが自動で手前に
  ローテーションしてくるようになるようです。

・くつした統一計画を実行する

  誰もが経験したことのある、くつしたの片方が
  なくなってしまう問題。
  
  この問題を解決するために、小山さんは、
  ユニクロで同じくつしたを大量に購入して
  使うようにしています。

  同じ形、同じ色、しかも左右も同じくつしたで
  揃えると、ペアを合わせる必要もなく、
  片方に穴が開いても、別のペアを見つけられる
  ので、捨てなくてよくなります。

転職から同じくつしたを買うところまで、
レベルを下げましたが、この扱いの幅広さが
本書の魅力です。

この本から何を活かすか?

クランボルツ教授の「計画された偶発性理論」が
転職による片づけハックで出てきましたが、
そこまで大掛かりにしなくても、偶然を必然に
読み替えることは可能です。

具体的には、ある特定の色に着目する
「カラーバス」の手法を使います。

街を歩く時に、カラーバスで飛び込んできた
情報は偶然でしかないので、それを受け入れて
発想を広げるチャンスとします。

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| ノウハウ本 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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