活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2016年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年01月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

年末年始の休載について

本日で、2016年の更新は最後となります。

今年は当ブログにとっては10周年となる
節目の年でした。

今年も多くのみなさまにお読みいただきまして、
誠にありがとうございました。

2017年は、1月4日からの再開を予定していますので、
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、みなさま、よい年をお迎えください。

このエントリーをはてなブックマークに追加

| お知らせ | 07:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

バブル:日本迷走の原点

満足度★★★★
付箋数:25

  「日本の80年代バブルとは、いったい
  何だったのだろうか。それをいまあらためて
  考えることの意味はどこにあるのだろう。
  バブルはただの金融現象ではない。
  バブルは世界のいたるところで起き、
  どれも似たような様相を呈する。
  しかし実態はそれぞれに異なる。
  なぜなら、バブルはその国や地域の
  文化・歴史と複雑にからみ合いながら
  生じるからである。日本の80年代後半の
  バブルは、戦後の復興と高度成長を支えた
  日本独自の経済システムを知ることなしに
  理解できない。」

本書の著者は、40年間経済記者として
市場経済を見続けてきた永野健二さん。

80年代バブルは、それまでの高度成長を
支えてきた日本独自の経済システムが
限界を迎えた時に起こった現象でした。

永野さんが、バブルの起点である1986年から
30年経った今、あえてバブルを詳細に
振り返るのには、理由があります。

それは、現在のアベノミクスに80年代と
似たものを感じるからです。

表面的に見ると、デフレという全く違った
経済環境にあるように思えますが、
端々に出てくる現象の本質を見てみると、
実は共通したものがあります。

その端的な一例が、突如として湧き上がった
田中角栄さんのブームです。

  「バブル時代を知らず、その弊害を何も
  学んでいない世代が、80年代を懐かしんだり、
  バブル待望論を口にすることも増えてきた。
  最近の田中角栄待望論は、その好例である。
  彼が魅力的な人物であることは否定しない。
  田中角栄は、類まれなリーダーシップで
  権力の階段をのぼりつめて総理になった。
  しかし彼が旗を振った日本列島改造論は、
  土地を商品と位置づけることで、
  地価の上昇を加速し、日本をバブル社会へと
  導く原因をつくった。」

バブルとは、本来変えるべき制度を変えずに、
先送りしておきながら、欲が欲を呼び、
実態以上の何倍にも資産が膨れ上がることが、
人々を熱狂させた現象です。

バブルは人々の欲が生み出すものなのです。

バブルを知るのは、当時を懐かしみたいから
ではなく、これからの時代を生きるためです。

  「バブルの時代を知ることなしに、
  現在の日本を理解することはできない。
  私たちは、日本固有のバブルの物語に謙虚に
  耳を傾ける必要があるのではないだろうか。
  80年代バブルの教訓は、まだ十分に
  汲み尽くされていない。」

本書はバブルに翻弄された人々の
人間ドラマを中心に描く、
優れたノンフィクションです。

バブルを経験した人にとっては、当時の
空気感が蘇ると同時に、あの頃知らなかった
バブルの裏側を知ることになるでしょう。

バブルを経験していない人にとっては、
先輩たちから噂でしか聞いたことのなかった
バブルをよりリアルに感じ取ることが
できると思います。

いずれにしても、アベノミクスで動き出し、
トランプ効果という外的要因によって、
さらに加速しつつある今の日本経済を、
80年代バブル当時の日本と比較するのは
非常に有用だと思います。

  「バブルは同じ顔をしてやってこない。
  しかし、われわれは生きている時代に
  真摯に向き合わなければならない。
  だからこそ、日本のバブルの歴史を
  今一度学び直す必要があると思う。」

この本から何を活かすか?

本書は、年末年始などの時間のある時に、
じっくりと読みたい本です。

以前なら、12/31にいい本があるとわかって
注文しても、手元に配送されるころには、
正月休みが終わっていることもありました。

しかし、今の時代は「Kindleがあるので、
そんな心配はいりません。

一般的なビジネス書よりも、本書のような
ノンフィクション系の本の方がKindleで
読むのに合っていると思います。

今年の正月を一緒に過ごす本として、
本書はおすすめの一冊です。

空気感だけを知りたい方は、何も考えずに
映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
を見るのもいいかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 経済・行動経済学 | 06:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

アメリカ海軍が実戦している「無敵の心」のつくり方

満足度★★★
付箋数:23

アメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズ。

国際テロ組織アルカイダの最高指導者、
ウサマ・ビンラディン容疑者を討ち取った
部隊として注目されたエリート精鋭部隊です。

シールズ(SEALs)の「SE」はSEAの海、
「A」はAIRの空、「L」はLANDの陸の
頭文字から名称が付けられています。

シールズは、組織上は海軍に所属しては
いるものの、陸海空を問わずに偵察、監視、
不正規戦などの特殊作戦を遂行できる
世界有数の特殊部隊です。

本書の著者、マーク・ディヴァインさんは、
もともと公認会計士として働いていましたが、
思うところがあってネイビーシールズへ入隊。

170期SEAL訓練クラス最優秀訓練生に選ばれ、
その後は士官として9年間の兵役と、
11年間の予備役を務めました。

ちなみに、退役時の階級は中佐でした。

そんな経歴を持つディヴァインさんは、
退役後、シールズでの経験を活かした
フィットネスプログラム「SEALFIT」や
自己発展プログラム「UNBEATABLE MIND」
などを開発して教えています。

本書は、潜在能力を引き出すそれらの
プログラムを書籍化したものです。

  「本書を通じて私が伝えたいのは、あなたは
  自分で思っているよりもずっと有能な人
  ―もっと能率を上げ、成果を上げ、
  成功できる人―なのに、これまで自分の
  潜在能力に気づかずにきたということだ。
  私はその能力を20倍ファクターと呼んでいる。
  (中略)本書のテーマは、あなたの大きな
  潜在能力を引き出すチャネルをどうすれば
  開けるのか、という点にある。
  チャネルが開けば、自分の能力を最大限発揮し、
  まわりの人を助け、プラスの波を世界に
  広めることができるはずだ。」

デイヴァインさんが教えるプログラムの
UNBEATABLE MIND(アンビータブル マインド)
とは「無敵の心」のこと。

本書では5つの段階(セクション)を踏み、
「無敵の心」を身につけます。

 1. 自分のポジティブ・フォーカスを見つける
 2. 戦士のような鍛錬を積む
 3. 卓越性を磨く
 4. 毎日のトライデントを勝ち取る
 5. チームを作りあげ、行動を起こす

わかりにくい部分だけ解説を加えると、
セクション4の「トライデント」とは、
シールズの訓練プログラム修了時に
与えられる金バッジのことです。

過酷な訓練プログラムをやり抜いた訓練生の
中でも、トップクラスのごく一部の者だけに
与えられる金バッジです。

トライデントは、強い義務感とプロ意識、
奉仕の精神を持つ特別な同士に加わることを
許される許可証を象徴しています。

大切なのは、トライデントは勝ち取ることも
できると同時に、剥奪される可能性が
あることを心に留めておくこと。

トライデントを手元に残せるかどうかは、
自分の行動次第で、1日1日あらためて
勝ち取らなければならないものと考えます。

この5段階を経て「無敵の心」を獲得すると、
心と頭がひとつになり、最高のパフォーマンスが
発揮できるようになります。

個人として鍛えられるだけでなく、
チームとしてパフォーマンスを発揮するための
リーダーシップも身につけられるようです。

この本から何を活かすか?

以下は、シールズの行動規範です。

 ・祖国と、チームとチームメイトに誠実であれ
 ・戦場の内でも外でも、名誉とインテグリティ
  を持って尽くせ
 ・先頭に立つ準備をし、あとに従う準備をし、
  けっして諦めるな!
 ・自分の行動とチームメイトの行動に責任を持て
 ・鍛錬と革新的なアイディアで戦士として秀でよ
 ・戦いに備えて訓練し、勝利のために戦い、
  祖国の敵を倒せ
 ・毎日トライデントを勝ち取れ

この中にも「トライデント」は入っていますが、
画像で見るとこのような金バッジです。

SEAL Trident

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

島耕作も、楽じゃない。

満足度★★★
付箋数:20

累計発行部数が4,000万部を超える
弘兼憲史さんの『島耕作』シリーズ。

1983年に『課長島耕作』から始まり、
部長、取締役、常務、専務、社長、会長と
島耕作は出世を果たしました。

その後は、時間を遡りヤング、係長、学生時代の
島耕作が描かれています。

弘兼さんは、このシリーズが支持されたのは、
2つの理由があると自己分析しています。

1つ目は、サラリーマンの日常をきちんと
描いたこと。

実は、島耕作が登場する以前のサラリーマンを
主人公とする漫画は、コミカルなタッチの
ものばかりでした。

代表例は、『釣りバカ日誌』、『なぜか笑介』、
山口六平太』などサラリーマン漫画です。

なぜ、シリアスなサラリーマン漫画が
存在しなかったのか?

それは、サラリーマンの日常がネタに
なりにくかったからではありません。

意外と普通のサラリーマンの世界にも
漫画になるドラマは埋もれているものです。

シリアスなサラリーマン漫画がなかったのは、
描き手側の問題。

漫画家にサラリーマン経験のある人が
少なかったからです。

漫画家は、中学・高校の頃から投稿して、
就職せずにそのままデビューするのが、
エリートコースです。

すると、会議の開き方、書類の決裁の方法、
人事異動といったサラリーマンにとっては
当たり前の事が、普通の漫画家には
あまり経験がないのです。

それに対して、弘兼さんは松下電器での
3年間のサラリーマン生活があったため、
サラリーマンの日常を苦労せずに描くことが
できたのです。

初期の島耕作シリーズには弘兼さんが実際に
経験したであろうと思われるエピソードや
描写がよく見られましたね。

島耕作シリーズが広く支持された
2つ目の理由は、仕事をしている人にとって
有益な情報が物語に入っていることです。

これは弘兼さんの経験ではなく、取材の賜物。

  「役員になった島を現場で走らせるには、
  国外に赴任させるしかなかった。
  頭をひねっていた頃、NHKだったと思うが、
  急成長する中国を特集した番組を放送していた。
  その中で、中国の日本企業をクライアンに持つ
  村尾龍雄さんという弁護士が出演していた。
  彼を見たとき、これだと思った。
  そして、担当編集者に連絡先を調べてもらい、
  会いに行くことにした。」

この村尾弁護士を協力者として中国取材が
行われたわけですが、注目すべき点は、
島耕作顔負けの弘兼さんの行動力です。

これだと思ったら、すぐに行動を取り、
徹底的に掘り下げる弘兼さんの姿勢が、
島耕作のキャラクターにも反映しています。

本書はスーパーサラリーマンである島耕作の
仕事論であると同時に、弘兼さんの仕事論
でもあります。

本書の後半には、社長や会長へ出生した
島耕作のモデルとなった経営者達が登場。

「島耕作のライバルたち」と題して、
柳井正さん、澤田秀雄さん、唐池恒二さん、
新浪剛史さん、辻本憲三さん、玉塚元一さん
の仕事論を紹介します。

これらの経営者は、弘兼さんが2014年から
プレジデント誌で連載する「日本のキーマン」
という連載で対談した方々です。

弘兼さんがその対談で知ることになった
経営者の行動哲学が島耕作の考えや行動に
生かされているようです。

この本から何を活かすか?

私が本書で意外に思ったのが弘兼さんの
情報収集法です。

スーパーサラリーマンを描く弘兼さんですから、
当然、各種「新聞」からも情報を得ている
ものだと思っていました。

ところが、弘兼さんは新聞を取っていません。

その理由は、単純に忙しすぎて新聞を
読む時間がないからです。

では、弘兼さんは、どの媒体から
ビジネスの情報を得ているのでしょうか?

それは、意外にも「ラジオ」でした。

ラジオなら聞きながら、手を動かし続けられる
のが、弘兼さんが重宝している理由です。

ちなみに弘兼さんのお気に入りの番組は
TBSで夜10時から萩上チキさんがやっている
『Session-22』のようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事論 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

品格を磨く

満足度★★★
付箋数:23

  「素晴らしい業績を挙げている組織には、
  必ず一体感があります。リーダーがいて、
  サブリーダーがいて、現場の人たちがいる。
  そのすべての人たちが一体となって働いて
  いるのです。では、その一体感をつくり出して
  いるものは何なのでしょうか?
  品格について難しい言葉で語ることなら
  いくらでもできるでしょうが、私は、
  その一体感をつくり出しているものこそが、
  組織の、すなわち、組織を構成する
  一人ひとりの “品格” だと思っています。
  逆に言えば、 “一体感を生み出す感性” 
  こそが、“品格”です。」

本書は、リッツ・カールトン日本支社長として
名を馳せた高野登さんが「品格」について
語った本です。

高野さんは、35年間のホテルマンとしての
人生をピリオドを打った後、100年先を見据えて
今の生き方、あり方を考える経営者の学びの場、
「寺子屋百年塾」を2009年から開講しました。

本書は、その中のひとつ、九州寺子屋百年塾で
2015年に行った講義をまとめたものです。

高野さんが考える「品格」とは、「一体感を
生み出す感性」ですが、では、「一体感」を
生み出すためにもっとも重要なことは何か?

それは、自分自身の「欲」です。

完全ではなくとも、できる範囲で「欲」を捨て、
「私」あるいは「我」を捨てることが、
一体感を生むためには必要なのです。

本書には、品格を持った経営者のエピソードが
いくつも掲載されていますが、ここでは
HISの澤田秀雄社長の話を紹介しましょう。

澤田さんは、倒産したハウステンボスの
経営再建を行いましたが、再建に乗り出した
初年度の1996年に開業以来初の営業黒字の
決算を発表しました。

それも、リストラゼロで黒字化したのです。

澤田さんはハウステンボスを立て直す際に、
3つのことだを徹底したと言います。

それは、挨拶すること、整理整頓すること、
ちゃんとした身なりで仕事することです。

整理整頓の中には、施設のどんなところでも、
錆があったら落として塗装する、ひっかき傷が
あったら直す、といったことを含みます。

この3点を徹底して行うために、澤田さんは
泊まり込み、毎日、社員の前に立って、
「笑顔ってこれだよ」「こういう表情で
やろうよ」と自ら挨拶の実践をしたそうです。

そして、入社以来ほとんどボーナスを
もらったことのない社員に向かって
「私はみなさんにボーナスを払いたくて
しかたない、そのためにこの会社を
買ったんだ」と言い続けました。

これまでも、立て直しに来たオーナーが
何人もいて、その度にすぐに去っていったので、
この人も最初だけで、すぐに逃げ出すだろうと、
社員の誰もが思っていました。

しかし、澤田さんは1ヶ月経っても、3ヶ月
経っても毎日やって来きて、熱く語り続ける。

もしかしたら、この人は本気なのかもしれない。

このように社員が思い始めたころ、
澤田さんは社員に向かって言いました。

  「みなさん、もうひとつだけ約束してください。
  いままでよりも早足で歩いてください。」

そして、儲からない会社で働いている人たちは、
こやってのろのろ歩く、こうれをもう少し
早足であるくとどうなるか、と手本を示し、
全員に歩く練習をさせました。

すると社員の表情がみるみると変わっていった
そうです。

このように、いい会社をつくっていく人には、
リーダーの品格があり、その会社には組織の
品格があります。

それは、社員一人ひとりが、会社が自分に
何をしてくれるかではなく、自分が会社に
何ができるかを考える姿勢を持つこと。

それが欲を捨てることによって生まれる
品格なのです。

本書は、実際に高野さんが語りかけている
雰囲気が伝わり、非常に読みやすい文体で
まとめられています。

この本から何を活かすか?

  外見は、内側にあるものの反映として重要

中身がきちんとしていれば、外見はどうでも
いいと考えている人もいますが、
高野さんは、それは違うと指摘します。

なぜなら、あの人は品格があるとか、
品性に欠けると言うときに、ほとんどの場合、
外見からそれを判断しているからです。

  「いわゆる“ 外見” というのは、その人の
  持っている内面の、いちばん外側のことを
  意味します。」

外見がいちばん外側の中身である以上、
それを大切にしない理由はありません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| リーダーシップ | 05:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

モテる構造: 男と女の社会学

満足度★★★
付箋数:24

タイトルは「モテる構造」となっていますが、
本書はモテ方のHow To 本ではありません。

あくまで一般論ですが、男性の場合は、
仕事が「できる」ことが、男性としての魅力に
結びつくことが多いとされています。

これに対して女性は、仕事が「できる」ことが、
女性としての魅力に結びつくことが少ないと
考えられます。

簡単に言うと、男性は「できる人がモテる」、
女性は「できること」と「モテること」が
関係ないことを意味します。

これは性別による非対称性を示す事例で、
男女の生き方に大きな違いをもたらしています。

極端な言い方をすれば、男性はズボンをはく
ことによって自分が男性であることを確認し、
女性はスカートをはくことによって、
自分が女であることを確認します。

多くの男性は、スカートをはいてみたいという
欲求を抱いても、変な男性と見られる不利益と
天秤にかけて、スカートをはかないことを
選択しているのです。

私たちの社会は昔に比べて男女差別が
少なくなったと言われていますが、
「男性はこのようにすべき」、
「女性はこのようにすべきではない」
という性別による社会的規範が存在します。

なぜ、このような価値観はなくならないのか?

その理由は、どういう相手を性愛の
対象として好きになるかという、
人間の「感情」が性別の「らしさ規範」と
強く結びついているから。

社会におけるジェンダー構造の違いは、
わたしたちの「感情」によって、
支えられているのです。

  「本書では、いままでジェンダー論の中で
  避けられてきた、男女に関わる非対称的な
   “感情” に焦点を当てる。それがどのような
  構造を持ち、どのように性別による規範を
  作りあげているかを、らしさ規範・
  性別役割規範・性愛規範の三種に分類して、
  分析する。さらに、性別による規範が、
  どのような効果もしくは性差別を社会に
  もたらしてるか、社会自体の構造が
  転換するなかで現在変化しているのかの
  解明を目指す。」

著者は、『「婚活」時代』、『希望格差社会』、
パラサイト・シングルの時代』など興味深い
切り口の本をこれまで執筆してきた社会学者の
山田昌弘さんです。

私たちが感覚的に持つ「できる男性はモテる」、
しかし「女性はできることと、モテることは別」
という構造が、どのように生じて、
実際の社会でどのような影響があるかを
様々な角度から社会学的に考察します。

結論を言ってしまうと、感情によって性愛対象
を選ぶ、選ばれるという構造がある以上、
男性らしさ・女性らしさの規範をなくす
ことは難しいようです。

それは、性別による生き難さの違いが
存在するということです。

男性は、常にできなければいけないという
プレッシャーに晒されることになります。

女性は、仕事でできることを追求しても、
性的魅力が増すわけではなく、逆に、
女性としてのアイデンティティを否定される
こともあります。

昔からある、「男と女、どちらが得か?」
という議論では、この「デキる・デキない」の
条件によって答えが違うということです。

近代のジェンダー構造では、男性が得なのは、
「デキる男性」の場合で、「デキない男性」は
損をしているように見えます。

女性は、仕事で活躍したい女性からすると、
男性に比べて損をしていると思いますし、
仕事ができなくても他の道があると見ると、
男性に比べて得と考えることもできます。

この本から何を活かすか?

本書では男女の性自認の形成や違いの観点
からも考察しています。

私がその中で面白いと思ったのは、
男性は「する性」、女性は「である性」
という考え方です。

女性は何もしなくても、女性であるという
性自認はなかなか揺るぎません。

一方、男性は男性であることを証明するために、
様々な男性らしいことを「すること」を
要求されるという考えです。

こうした男性のアイデンティティの
不安定さが、「男性は弱い」と言われる
所以なのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 社会・国家・国際情勢 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

≫ EDIT

40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい。

満足度★★★
付箋数:16

フィリピン・セブ島に拠点を置く英会話学校
QQイングリッシュ」。

約800人の講師を擁し、年間5000人が語学留学し、
1万人を超える生徒がスカイプを使って、
オンライン英会話の授業を受けるスクールです。

2009年に同社は創業し、現在は東京、セブ、
上海、ソウル、サンパウロ、テヘランでも
スクールを展開しています。

2016年現在では、留学者実績と講師数において、
フィリピンでNo.1の語学学校に成長しました。

本書の著者、藤岡頼光さんはQQイングリッシュ
の代表の方です。

そんな英会話スクールを経営しているぐらい
ですから、藤岡さんはもともと英語の得意な方
だったのかと思いきや、全くその逆。

  「読者のみなさんは、きっと私のことを、
  もともと英語がペラペラで、得意の英語を
  活かして英会話ビジネスをはじめたんだろう、
  と思われたかもしれません。
  実を言うと、その180度逆です。
  私は30代まで、英語とはまったく無縁の
  人生を送ってきました。(中略)
  私が英語を勉強し直すことを決意したのは
  40歳のときでした。ほぼ英語力ゼロの状態
  からスタートし、10ヶ月後には、ビジネスの
  現場で外国人とコミュニケーションが取れる
  レベルになることができたのです。」

本書は、40歳で英語力ゼロからスタートし、
短期間のうちにビジネスで英会を使えるように
なった藤岡さんの方法を伝える本です。

ただし、英語を身につけようとした段階で、
藤岡さんはバイク関連会社の社長だったので、
普通のサラリーマンとは条件が違います。

社長業が忙しいながらも、休みを取る裁量は
自分にあり、セブ島の語学学校の籍を確保
するために年間130万円を払っておくなど、
一般の方が簡単には真似できないことも
やって英語を身につけた面があります。

真似するのは、英語を身につける方法論に
留めておく必要がありそうです。

まず、藤岡さんが身をもって体験したのは、
マンツーマンでフィリピン人の先生と
英会話をしていれば、自然と英語が使える
ようになると思っていたのは幻想だったこと。

  「正直に言うと、1対1で英会話をしている
  だけでは英語が使えるようにはなりません。
  英語力がほぼゼロの段階では、なおさらです。
  それはなぜかというと、マンツーマンの
  レッスンでは英語の “インプット” が
  ほとんどできないからです。インプットとは、
  具体的には、単語やイディオム、日常会話で
  よく使う構文、基礎的な文法知識などを
  指します。」

そこで藤岡さんがインプット用として選んだ教材が、
鈴木陽一さんの『DUOセレクト』です。

受験用には『DUO 3.0』を使うのが一般的ですが、
薄めのテキストで必要最小限のことを徹底的に
覚え込んだほうがいいとの考えから、
377本の例文に厳選されている『セレクト』を
選びました。

最初にこの1冊をひたすら徹底反復して、
反射的にフレーズが出てくるようになるまで、
身体に染み込ます。

その後はフィリピン人の英会話講師と
マンツーマンでアウトプットの練習をするだけ。

このときに必要なのは、私たちの英語学習に
対する固定概念を捨てることです。

 ・「ネイティブ至上主義」は捨てなさい
 ・「正確に話さなきゃ!」は捨てなさい
 ・「細かいニュアンスまで伝えなきゃ!」
  は捨てなさい
 ・「日本語で考えてから英語に訳す」
  は捨てなさい
 ・「聞き取りは100%を目指す」は捨てなさい
 ・「TOEICのための勉強」は捨てなさい

40歳を過ぎてから英語を身につけるには、
捨てるものを捨てて、今の自分に必要な
英語だけを身につければいいという
「割り切り」が必要です。

この本から何を活かすか?

英語は「続ける」ことなしで身につけられません。

そこで、本書では藤岡さんが実践した、
「続ける」ための5つのコツが紹介されています。

 1. トレーニング期間を設定し、集中して取り組む
 2. 1日のノルマを決め、それ以外は
  「やらなくてよし」とする
 3. 自分に「言い訳」をしない
 4. いまのレベルを楽しむ
 5. つらいときこそチャンス!と考える

個人的に参考になったのは、4番目のコツです。

どのレベルでもコミュニケーションは取れる
と発想を切り替えて、実際に英語を話すことが
必要なようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 勉強法 | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ワンフレーズ論理思考

満足度★★★
付箋数:23

  「論理思考の本をひも解くと、演繹法、帰納法、
  因果関係、三角ロジック、MECEといった
  ロジカルシンキング “業界” 用語があふれ
  かえっています。小難しい話に脳みそが
  かゆくなって、挫折した方も多いのでは
  ないかと推察します。何とか頑張って
  理解しても、ディベートでもしない限り、
  実際の日常生活で使えるところはほとんど
  ありません。第一、そんなものを振りまわすと
   “意識高い系だ! ” と嫌がられるのがオチです。
  多くの人が求めているのは、コンサルタントや
  弁護士が用いるような厳密なロジックでは
  ありません。」

本書で説明されているのは、形式張った
論理思考ではありません。

たった一言フレーズを加えるだけで、
話の論理展開がはっきり見えてくる
「普段使い」のロジカルシンキングです。

  「本書では、ロジカルシンキングを進めるのに
  欠かせないワンフレーズを厳選して紹介して
  いきます。あわせて、背景にある論理思考の
  考え方を解説し、日常会話でのうまい使い方
  をお伝えしていきます。
  いずれも、ファシリテーターとして長年活動
  してきた私の経験から培われたものです。」

著者は、2003年に日本ファシリテーション協会
を設立し、初代会長を務めた堀公俊さん。

紹介されているのは厳選された24フレーズです。

論理的に考えるための「基本フレーズ8」、
コミュニケーションで役立つ「応用フレーズ8」、
一段深く考えるための「実践フレーズ8」に
分けて紹介されています。

論理的とは、話の道筋が通っている状態。

10人が聞いたら、10人がわかるように、
万人が認める筋を通さなければなりません。

論理思考で用いられる道筋は、大きく
「原因系」と「目的系」に分かれます。

本書の「基本フレーズ8」の中では、
原因系、目的系、それぞれ4つずつ
代表的なフレーズが紹介されています。

 <原因系>
  根拠を明らかにする「なぜ」
  結論を導き出す「だから」
  考えを抽象化する「要するに」
  具体的に考える「たとえば」

 <目的系>
  目的を明らかにする「何のために」
  手段を考える「どうやって」
  選択肢を広げる「他に」
  優先順位をつける「中でも」

では、この中から、「だから」の使い方を
見てみましょう。

次の発言は「だから」を使っていますが、
筋が通っているようで通っていません。

いったい、どこがおかしいのでしょうか?

  「業績が高い会社に見られる共通点に、
  社員がイキイキと働いていることがある。
  だから、もっと社員を活性化させれば、
  会社の業績がアップするに違いない。」

筋が通っていない理由は2つあります。

1つ目は、社員活性化(原因)→業績向上(結果)
なのか、業績向上(結果)→社員活性化(原因)
なのか、これだけではわからないこと。

2つ目は、他に隠れた原因(第3因子)が
あるかもしれないこと。

業績向上も、社員がイキイキもその結果で
あるかもしれないのです。

「だから」は根拠と結論をつなぐ
獣妖なフレーズです。

まずは、何が原因で何が結果なかの
「因果」を見極めて使います。

更に、「これだけの根拠でそれが言えるか?」
と「他にもっと適切な結論を導くことは
できないか?」についてもチェックすることが、
「だから」を使う時のポイントです。

本書は、日経新聞電子版に堀さんが
連載したコラム「最強のロジカルシンキング」
を改題・再編集したものです。

この本から何を活かすか?

  前提を明らかにする「そもそも」

長引く会議や紛糾する議論は、
テーマがあちこちに飛んでしまい、
論点(イシュー)がハッキリしていない
ことがあります。

  「それはわかるのですが、そもそも、
  私たちは、今何を議論すべきなのか?」

脱線した議論や瑣末な話に陥りそうな時は、
タイミングを見て「そもそも」で論点に
引き戻すことが必要です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 08:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

サイコパス

満足度★★★★
付箋数:24

あなたの周りに「サイコパス」と思われる人は
いませんか?

さまざまな研究結果によって幅はあるものの、
サイコパスは100人に1人程度はいることが
明らかになっています。

もともとサイコパスは、連続殺人犯などの
反社会的な人格を説明するために開発された
診断上の概念です。

サイコパスは社会性についての病質であり、
その実態を指し示す、適切な訳語はありませんが、
次のような特徴があります。

 ・外見や語りが過剰に魅力的でナルシスティック。

 ・恐怖や不安、緊張を感じにくく、大舞台でも
  堂々として見える。

 ・多くの人が倫理的な理由でためらいを感じたり
  危険に思ってやらなかったりすることも
  平然と行うため、挑戦的で勇気があるように
  見える。

 ・お世辞がうまい人ころがしで、有力者を味方に
  つけていたり、崇拝者のような取り巻きが
  いたりする。

サイコパスは尊大で、自己愛と欺瞞に満ちた
対人関係を築き、共感的な感情が欠落し、
衝動的で反社会的な存在です。

しかし、サイコパスでない人がすべて善人では
ないように、サイコパスも全員が悪人であったり、
犯罪者予備軍というわけではありません。

歴史上の偉人と呼ばれる人がサイコパスで
あったり、大企業のCEOや弁護士、外科医などの
大胆な決断をしなければならない職業の人々に
サイコパスが多いという研究結果もあります。

近年、脳科学の進歩により、サイコパスの正体が
徐々にわかってきました。

脳内の器質のうち、他者に対する共感性や
「痛み」を認識する部分の働きが、一般の人とは
大きく違うことが明らかになっています。

本書は、最新の脳科学からサイコパスの特質を
解説し、サイコパスの存在意義を考える本です。

著者は、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など
でもおなじみの脳科学者、中野信子さんです。

  第1章 サイコパスの心理的・身体的特徴
  第2章 サイコパスの脳
  第3章 サイコパスはいかにして発見されたか
  第4章 サイコパスと進化
  第5章 現代に生きるサイコパス
  第6章 サイコパスかもしれないあなたへ

サイコパスは一般的にIQが高いイメージが
ありますが、実際にIQが高い特徴がある
わけではありません。

サイコパスでも、賢い人もいれば、
頭が悪い人もいるというのが本当のところ。

サイコパスの脳は、扁桃体の活動が低く、
前頭前皮質との結びつきが弱かったり、
海馬と後帯状回の機能障害があったり、
脳梁の形状にも一般人と大きな違いが
見られるようです。

一般の人からすると、サイコパスは厄介な
存在で、できれば関わりたくないと考えるのが
普通でしょう。

しかし、「サイコパスが人類を進化させた」
と考えることもできます。

アメリカの有人宇宙船アポロ11号の乗務員、
ニール・アームストロングさんは、
サイコパスだったのではと言われています。

アポロが月の岩場に激突寸前の状況下でも、
ひとりだけ極めて冷静沈着に判断を下し、
見事、人類初の月面着陸を成功させたからです。

リスクに直面しても大きな恐怖や不安を
感じないサイコパスの特性が、ほか人間たちが
できないような仕事を引き受けることで、
人類全体の役に立ってきた面もあるのです。

ちなみに、歴史上の人物では、織田信長さん、
ピョートル大帝、ジョン・F・ケネディさん、
毛沢東さん、マザー・テレサさんなども
サイコパスではないかと言われています。

この本から何を活かすか?

人への共感が少なくて、もしかすると、
「自分はサイコパスでは?」と思ったあなた。

次の「道徳のジレンマ」の問題で、
自分が、サイコパスかどうかを確認しましょう。

ある村に13日の金曜日のジェイソンのような
殺人鬼がやってきまいあた。

あなたを含む村人は、みんなで隠れます。

息を潜め、音を立てないようにしなければ
ならない状況で、ある赤ちゃんが突然、
泣き始めました。

殺人鬼に気付かれたら、あなたも含め
村人全員が皆殺しにされてしまいます。

さて、あなたは、その赤ちゃんをどうしますか?

この道徳のジレンマで、迷わず赤ちゃんを
「絞め殺す」と答えた方は、サイコパスです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | 06:36 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

≫ EDIT

一生を賭ける仕事の見つけ方

満足度★★★★
付箋数:25

  「ミッションを見出し、ビジョンとパッション
  を持って、ライフワークで生きていく。
  僕はその苦しみも、喜びも知っているが、
  ふとこう思うことがある。ただ単に、人より
  先に知ることができただけではないか、と。
  では、そんな幸運に見舞われた僕は、
  何を成すべきだろうか。それは明白だった。
   “登るべき山” が見つからずに迷っている人に
  関わり、 “登るべき山” を登っていける人を
  増やすこと。いまや、これも僕の大事な
  ライフワークになっている。」

本書は、自分のやりたいこと、自分にとって
大切なミッション=一生を賭ける仕事を見つけ、
仲間を増やし、それをビジネスに育てる技術や
ノウハウ、心構えについて書かれた本です。

著者は、トーマツ内で休眠していた
トーマツベンチャーサポート株式会社(TVS)を
再生させてベンチャー支援を行っている
公認会計士の斎藤祐馬さんです。

斎藤さんは、中学生のときに父親が脱サラし、
苦労をしている姿を見て、起業して間もない
経営者を支援する人、経営者の「参謀」に
なりたいと強く感じたそうです。

それが原体験となり、「ベンチャー支援」が
斎藤さんのミッションとなりました。

その思いを果たすため、3度の失敗にもめげず、
公認会計士の試験を突破し、大手監査法人の
トーマツに入社しました。

トーマツで与えられた仕事は、斎藤さんの
ミッションとはズレがありましたが、
通常の業務時間外に時間をつくり、
社内の逆風にも耐え、ミッション実現に向け、
自分にできることを1つ1つ実行していきました。

そして、熱量を保ちながら、共にミッションの
実現を目指す仲間を増やし、現在は100人を超す
ベンチャー支援組織に育て上げました。

斎藤さんが仲間を増やす過程で伝えたのが、
「キャリア志向」から「ミッション志向」への
転換でした。

  「スキルやキャリアばかりを追い求める仕事は、
  他の “誰か” や “何か” によって代替される
  可能性が常に潜んでいる。自分よりスキルの
  高い人はもとより、近年はAI(人工知能)や
  ロボットの技術革新も著しい。
  その点、ミッションを歩む人生は、
  他の誰にも代替されることはない。
  自分にしか成し得ないことであり、
  自分だけの道だ。自分のミッションを歩む
  人生には、苦しみも伴う。
  それを乗り越えていくには、相応の覚悟も
  必要だ。だが、自分のやりたいことが形に
  なっていくのを見るのは、何にも代えがたい
  喜びがある。」

本書で斎藤さんは熱く思いを語るだけでなく、
「思い」と「仕事」をつなげる方法を
5ステップのノウハウとして落とし込みます。

 第0章 ミッションは、歩んできた人生の
    なかにある
 第1章 ミッションを定める
 第2章 マインドを磨く
 第3章 ビジネスモデルをつくる
 第4章 ネットワークをつくる
 第5章 チームをつくる

本書を読んで感じたのは、自分の人生を
本気で生きる「覚悟」があると、
どんな逆境にも耐えられるということ。

そして、斎藤さんの熱量が紙面を通しても
伝わって来るので、自分でも人生を賭けるべき
ミッションを見つけ、それを仕事につなげたいと
思うようになります。

社会に出て自分のやりたいことが見つから
なかったり、自分の生き方にモヤモヤしている
方には、是非、読んで頂きたい一冊です。

この本から何を活かすか?

燃え尽き症候群にならないために、
自分の「熱量」をコントロールする方法。

ミッションを実現するまでの道のりは長い。

その道のりにおいて、自分の「熱量」を保ち、
リバイバルさせる術を知っていることは大切です。

本書では、「熱量」を保つための3つの方法が
紹介されていました。

  1. ミッションを語りつづける
  2. 会う人のコントロール
  3. 本を読み、講演会に行く

個人的には、この中で特に重要なことは、
1番目の「ミッションを語りつづける」
ことだと思います。

他人に語ることで仲間を増やし、
自分に語ることで自己暗示をかけ、
思いを強めることにもなります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事論 | 06:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

結論を言おう、日本人にMBAはいらない

満足度★★★
付箋数:21

  「私は2005年に早稲田大学ビジネススクール
  (WBS)の教授に就任した。2003年から客員教授
  として教えていたので、その期間を含めると
  通算13年にもなる。日本経済の未来を築く
  エンジンとなるような次世代ビジネスリーダー
  を育てる一助になりたいという思いをもち、
  自分なりに奮闘努力してきた。しかし、大きな
  壁にぶつかり、限界を感じていた。
  結論を言えば、ビジネススクールという
   “不完全な装置” では、優れた経営者や
  ビジネスリーダーを育てるのはできないこと、
  そしてMBAという “金メッキの勲章” には
  何の価値もないことを認めざるをえなかった。
  ならば、去るしかない。
  私は2016年3月、WBSの教授を退任した。」

本書はローランド・ベルガー日本法人会長、
遠藤功さんが書いた「日本のMBA」を否定する本。

遠藤さん自身も海外のMBAを取得し、
日本および海外のビジネススクールで
長い期間教えてきました。

それなのに、なぜMBAは不要と言い切るのか?

遠藤さんが「日本人にMBAなんていらない」と
考える主な理由は次の2つです。

1つ目は、ほとんどの日本企業は、
MBAの価値を認めていないこと。

海外のトップMBAを取得すると、CEOになれたり、
年収が2000万円程度になるなど実入りの部分で
費用対効果があります。

MBAを取得するのに1000万円かかっても、
それを1年で回収することができるので、
借金をしてでも取る価値があるのです。

それに比べて日本では企業側がMBAを
ほとんど評価しないので、就職や転職時に
プラスになることはないのです。

2つ目は、日本のMBAの「質」が低すぎること。

日本のビジネススクールは新設ラッシュで、
名門校でも定員割れし、全員入学できる状態。

MBA取得に必要な単位数もわずか30単位ほどの
ビジネススクールも存在します。

修了要件として、論文さえ書かせないで
学位を与える甘いプログラムのスクールも
まかり通っています。

更には、そもそも教員自体が経営の何たるかを
知らないと遠藤さんは指摘します。

ある程度会社で仕事をこなせるようになった
ビジネスパーソンの「心の隙間」を埋めるのが
ビジネススクールだとも書いています。

いずれにせよ、そこまで書いていいのかと
思うほど、遠藤さんは日本のMBAを全否定して
います。

いいことばかりを並べられると、信用できない
と思う心理が働くのと同様に、ここまで悪いこと
ばかりが並べられると、何かあったの? と
思ってしまうほどネガティブに書かれています。

遠藤さんにWBSで何があったかについては、
「有名ビジネススクール責任者としての苦闘」
のパートで、その内幕が書かれています。

恋愛でも、あまりに好きになり過ぎると、
嫌いになった時の反動が大きいように、
遠藤さんのMBAに対する理想が高すぎたため、
嫌気が差した度合いも凄かったように思えます。

MBA取得を礼賛する本はたくさん出ていますから、
それを中和する意味ではいい一冊だと思います。

ただし、この本だけを素直に読んでしまうと、
MBAに対して強い偏見を持ってしまう
可能性があります。

この本から何を活かすか?

本書で遠藤さんはMBA取得に頼らない勉強法を
伝えています。

 Ⅰ 基礎を身につける勉強
  経営の「原理原則」、ビジネスの「ルール」、
  「基本コンセプト」を学びます。

 Ⅱ 潮流についていく勉強
  日経新聞を読む時も自分にとっては異質の
  分野に目を光らせ、畑違いの情報から
  新たな発想や切り口のヒントを得ます。
  また、毎日の株価を追うなどして、
  全体の大きな流れを掴むことも重要です。

 Ⅲ 現場で感性を磨く勉強
  お手本となるような「非凡な現場」を訪ね、
  そこで何を大事にし、何に取り組んでいるかを
  知ること。それによって自分なりの
  「物差し」が持てるようになります。

 Ⅳ アウトプットを生み出す勉強
  「ビジネスプランや企画書を書く」、
  「人に教える」、「本や記事、論文などを書く」
  など具体的な目的やアウトプットを意識した
  勉強が必要。

ビジネススクールで学ぶかどうかは別にして、
自分の市場価値を高めるためには、
学び続けることは欠かせません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

超一流の相談力

満足度★★★
付箋数:24

著者の作佐部孝哉さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたの職場には、次のような人はいませんか?

 ・実力がないように見えるのに、まわりからの
  評価は高く、昇進が早い人

 ・調子がいいだけに見えるのに、実力以上の
  成果を残している人

 ・あまり仕事をしていないように見えるのに、
  まわりからいつも助けてもらっている人

実はこれらの、実力以上の評価を得ている人が
共通して使っている力が「相談力」です。

「相談」こそが、仕事と人生を変える鍵。

  「多くの人は、この相談が持つ “本当のパワー”
  に気づいていません。むしろ、誤解している方が
  多く、結果的に大きな回り道や無駄な努力を
  してしまっています。」

私たちは社会人として働くようになってから、
ビジネスの基本動作として「報連相」の
重要性を何度も教えられてきました。

しかし、報連相の最初の2つ、報告と連絡に
ついては、いつ、どのようにすべきかを教わり、
繰り返し実践していても、意外と最後の
相談についてはその方法を教わっていません。

 「困ったときには、いつでも遠慮なく
 相談してこいよ」

このように言われるだけで、実際には、
いつ、どうやって、どんな相談をしたらいいのか、
具体的に教えてもらった記憶がないはずです。

ビジネスを取り巻く環境が変化し、
テクノロジーが発展すると報告と連絡は
システムで自動化されるようになります。

それに対して、相談は自動化できないので、
これをうまく使ってまわりの力を引き出せるか
否かが、成果の違いに大きな影響を与えます。

また、頭の回転が速い人ほど、相談するより、
自分で先に進めた方が効率がいいと考えがち。

 「相談しても、どうせいい答えが得られない」

このように考えて、あまり相談していない人も
いるはずです。

しかし、相談すると、いい答えをもらえなくても、
「自分の味方」をつくることができます。

人は相談されると、頼りにされていると感じ、
嬉しく思うものです。

相談された人は、自分でいい答えを出せなくても、
更にまわりを巻き込んで、頼ってきた人に
協力してあげようとします。

ですから、本当は自分で解決できることでも、
まわりに相談しながら進めた方が、
協力者が増え、スムーズに事が運ぶのです。

  「本書では、相談力を高める考え方と
  テクニックをお伝えしています。これまで私が
  出会ったきた “超一流” の実力を持った人たち
  から学んだことや、数百というクライアントから
  相談を受け、また相談してきてた実践例から
  確実に効果のあった方法を取り上げ、
  誰でも日常に取り入れられるようなものに
  絞り込みました。」

本書では、最初に相談力が持つメリットと
パワーを知ることから始まります。

  1. 問題解決がどんどん進む
  2. もっと大きな成果を手に入れることができる
  3. 自分自身がどんどん成長できる
  4. 頼りになる人脈が手に入る
  5. 心が落ち着いて自信がつく
  6. 自分から新しいことに挑戦できる

ただし、同じ内容でも、相手に協力したいと
思わせる「うまい相談」の仕方と、そうでない
「まずい相談」の仕方があります。

本書では、「まずい相談」を「うまい相談」に
変える対処法を伝授します。

今までの仕事のやり方に限界を感じていた人や、
思ったような結果が出せずに悩んでいた人には、
大きな助けになる一冊です。

また、現在成果を出せている方でも、
本書の相談力を身につけると、もう1つ上の
ステージに早く上がれるようになると思います。

この本から何を活かすか?

本書で紹介されている相談の6つのSTEPは、
次の通りです。

  STEP1 何を相談するかを明確にする
  STEP2 相談のゴールを見極める
  STEP3 相談メモを用意する
  STEP4 誰にどんな順番で相談するかを計画する
  STEP5 最適な相談タイミングを踏まえる
  STEP6 第一印象でポイントを稼ぐ

私がこの中で、「そうか!」と思って、
膝を打ったのが、STEP5の相談のタイミング。

自分が相談される側だったら、この内容の
相談を、このタイミングでされると答えやすい
と感じるアドバイスが書かれていました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| コミュニケーション | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

知の進化論

満足度★★★
付箋数:22

中世以前、「知識」は一部の特権階級やギルド
によって排他的に保有されるものでした。

つまり、知識は隠匿によって価値を持ったのです。

しかし、ヨーロッパにおいては15世紀に
ヨハネス・グーテンベルクさんによって
活版印刷が発明されたことで状況は一変します。

知識伝達と拡散コストが低下した結果、
広い範囲の人が知識を得られるようになりました。

ここで知の独占体制を崩し、知識を万人に
広げるうえで大きな役割を果たしたのが
「百科全書」が編纂されたことでした。

その後、何世紀もの間、紙が知識を伝える
媒体の主役に鎮座していましたが、
20世紀に入ってから電気的な通信手段の発達
などで、その状況が根本的に変わりました。

1990年代以降、インターネットが広く使われる
ようになり、それまでの知識に対する概念さえ、
大きく変わることになったのです。

  「知識は隠匿するものでなく広めるもの。
  知識は有料で提供するものでなく、
  無料で広めるもの」

技術が進歩することによって知識に対する
考えが大きく変わりましたが、同時に大きな
ジレンマを抱えることにもなりました。

多くの人に情報を読んでももらうためには、
タダで発信しなくてはいけない。

しかし、情報を無料で提供してしまえば、
情報生産コストが回収できなくなる。

その結果、発信される情報の質は低下する。

私たちは、この問題に対して十分な解決策を
見出していない状況ですが、更なる情報技術の
進歩によって、次の変革が迫っています。

それは人工知能の発達することによって、
人間が行う知的活動の多くが人工知能で
代替されるようになりつつあることです。

この人工知能の進歩は、知の退化させる
危険性を孕んでいます。

人々は、レコメンデーションに操作され、
以前より主体的判断力を失っています。

更に、レコメンデーションなどによって、
知らず知らずのうちに人間の行動が
コントロールされてしまう危険性があります。

人工知能サービスを提供できる主体が
一部の大企業に限定されてしまう危険性も
あります。

いわゆるビックデータの利用を前提とした
人工知能は、ごく少数の企業しか活用
できないのです。

果たして、人工知能を中心とする情報技術の
革新はユートピアを実現するのか?

または、SFで見られるように人工知能が
コントロールを失って、人間を支配するような
ディストピアが訪れるのか?

本書では、ギルドによって知識が独占
されていた時代から、現代までの進化を
丹念に振り返り、これからの時代を生き抜く
指針を示します。

著者は「超シリーズ」など多くのベストセラー
を執筆し、現在は早稲田大学ファイナンス
総合研究所顧問を務める野口悠紀雄さんです。

本書は未来を見通すために、これまでの歴史を
振り返る本の典型で、いろいろと考えさせられる
ところがあります。

 第1章 かつて知識は秘密にされていた
 第2章 百科事典は知識を万人に開放した
 第3章 インターネットで情報発信者が激増した
 第4章 検索という方法論
 第5章 SNSやキュレイションで
    情報拡散スタイルが変化
 第6章 知識は秘匿すべきか? 公開すべきか?
 第7章 人工知能の進歩で知識への需要は
    どう変わるのか?

この本から何を活かすか?

  「紙の本には、様々な問題がありました。
  電子書籍はこれらの多くに解決策を与えて
  くれます。」

野口さんが、紙の本の問題点として
挙げていたのは次の2点です。

1つ目は、場所をとること。

これは大量の本を読んだり所有する人に
とっては避けて通れない問題でした。

2つ目は、絶版や在庫切れがあること。

出版されてから時間が経過した本が、
手に入りづらくなることも大きな問題でした。

ただし、紙の本のにもメリットはあるので、
電子書籍に完全に駆逐されてしまうことは
ないでしょう。

紙の本と電子書籍のそれぞれのメリットを
考えて、どちらかまたは両方を選択できる
環境が望ましいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| IT・ネット | 06:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

空気のつくり方

満足度★★★★
付箋数:25

2016年10月16日、横浜DeNAベイスターズ
球団社長だった池田純さんが任期満了を伴って
退任しました。

池田さんは2011年12月に球団社長に就任以来、
数々の改革を断行し、2015年にはハマスタの
友好的TOBに成功します。

このTOBによって、前代未聞、不可能といわれた
球団と球場の一体経営を実現させ、
短期間で経営を大きく好転させました。

池田さんが就任してからのベイスターズの
観客動員数と売上の推移は次の通りです。

    観客動員数    売上高
2011年  110万人   51億円
2012年  117万人   58億円
2013年  143万人   68億円
2014年  156万人   77億円
2015年  181万人   93億円

2011年以来、観客動員数は65%アップ、
売上高は80%アップ、球団の赤字も80%削減
しました。

実は、この間、ベイスターズは勝つことで
来場者数の増加を実現したわけではありません。

2011年からのセ・リーグのペナントレースでの
結果は、6位、6位、5位、5位、6位と
ずっと最下位争いを続けていました。

それでは、なぜ、ベイスターズは最下位でも、
連日球場が満員になったのでしょうか?

  「データをひたすら分析するだけでなく、
  世の中に漂う空気を嗅ぎ取り、その先の空気を
  つくり出すことが重要なのです。
   “今、ハマスタへ行くとワクワクドキドキする
  何かに必ず出会えるはず!” 
  大袈裟な表現かもしれませんが、ファンと
  お客さまのこうした気持ちをつくり出すことが
  理想です。コントロールできる領域は
  完全にコントロールし、勝敗や天気にすら
  左右されない “空気” をどれだけつくれるかが、
  スタジアムが連日連夜満員になる鍵なのです。」

本書は、池田さんの「空気をつくる」
マーケティングのノウハウをまとめた本です。

ちなみに、本書のタイトルは1970年代に
出版された山本七平さんの『「空気」の研究
へのオマージュでもあります。

池田さんは20代前半でこの本に出会い、
日本人を支配する「空気」が経営においても
重要な武器になることを知ったそうです。

さて、池田さんが、「コントロールできる領域」
として徹底してコントロールしたのが
次の3つの領域です。

 1. コミュニケーション

 地元の方々にあらゆる情報を発信して、
 チームが成長しようともがいている姿を
 我がことのように感じてもらう努力を
 あらゆる側面で続けました。

 2. 経営の革新性・透明性

 ハマスタのTOBを含め、既存の概念にとらわれず、
 新しいことに挑戦し、経営を透明にして、
 地元の方々に伝えました。

 3. ブランディング
 
 横浜という街のブランドにシンクロさせるため、
 広告を含むすべてのデザインにこだわり、
 おしゃれでカッコいいと感じてもらえるよう
 ブランディングを進めました。

池田さんのマーケティングは数値で綿密に
計算されていると同時に、空気感やセンスを
重要視したものです。

  「本当に魅力的なものは人間のハートが
  生み出すものです。顧客のハートを魅了する
  情緒的な何かを創造して、興奮し驚愕し感動する
  エンターテイメントやストーリーを提供する。
  それが究極のマーケティングです。」

本書では、その究極のマーケティングの
極意が惜しみなく公開されています。

ベイスターズファンの方でも、そうでない方でも
非常に参考になるマーケティング本です。

この本から何を活かすか?

  「どんなにマーケティングを駆使しても、
  究極的にいうと、ブランドをつくる
  ということはできません。
  ブランディングという作業をし続ける
  ことはできますが、ブランドと認識
  するのは、あくまで顧客の心です。
  ブランドは “なれるか・なれないか”
  であり、こちらの意図によってつくる
  ことができると考えるのは、
  あまりに傲慢です。」

30代半ばから社長に就任したこともあり、
どちらかと言うと、若くて傲慢と見られる
こともあった池田さんですが、
実は、経営には謙虚でしたたかな方でした。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| マーケティング・営業 | 10:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

つながる脳科学 「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線

満足度★★★★
付箋数:26

私たちは、過去に見たり、聞いたり、経験した
ことを「記憶」として覚えています。

私たちが生きていくうえで「記憶」することは、
欠かすことのできない能力です。

ところで、あなたが、「経験した」と
記憶していることは、本当にあなたが
経験したことなのでしょうか?

人は現実に経験したことのないことでも、
あたかも経験したかのごとく記憶をつくって
しまうことがあります。

これを「過誤記憶(フォールスメモリー)」
いいます。

意識するかしないかは別にして、私たちは
常に記憶をつくり続けています。

例えば、廊下ですれ違っただけの人でも、
容姿端麗だったり、奇抜な服装だったりすると、
一瞬見ただけでも、ある程度は覚えてしまう
ものです。

このように終始つくり出される記憶ですが、
ある条件下では、経験したはずがないことを
「した」と主張して譲らない人が現れます。

「私は宇宙人にさらわれた!」という人が
いるのもその一例です。

この過誤記憶は大きな社会的問題になります。

その理由の1つは、裁判の証言に対する
信憑性が揺らぐからです。

「本当にこの人がやった」というような、
心から「それが事実なんだ」と信じる
過誤記憶が、人間には頻繁に起きています。

DNA鑑定が一般的になる前の時代には、
何人もの無実の人が過誤記憶の被害を
受けていたと考えられています。

アメリカのある調査では、証言が中心的な
役割を果たして重罪が決定し、長年懲役に
服していた人々の4分の3は、実は無実であった
ということが報告されています。

経験していないことを記憶に刷り込む操作は、
実際にマウスの実験で成功しています。

通常、マウスを新しいケージに入れると、
5~7分かけて動き回って、マウスは
そのケージの特徴を覚えます。

その時に、ケージに弱い電気を流すと、
少しピリピリするので、マウスはびっくりして
フリーズしてしまいます。

自分が今いるケージは危ないところだという
記憶の痕跡(エングラム)がつくられるのです。

過誤記憶をつくる実験では、最初にマウスを
安全なケージAに入れます。

次にマウスを別のケージBに移してから、
ケージAを記憶している海馬に光を当てながら、
電気ショックを与えます。

すると、安全だったケージAに戻しても、
恐怖記憶を想起してフリーズするようになります。

マウスの脳の中では、最初に安全だと判断した
ケージAの記憶痕が再構成され、扁桃体の恐怖の
記憶痕と結びついて、経験したことのないことが、
経験したという記憶に書き換えられたのです。

実は記憶の書き換えは、悪いことばかりではなく、
うつ病、アルツハイマー病、自閉症などの
治療に利用されることが期待されています。

本書は、理化学研究所脳科学総合研究センターに
所属する9人の脳科学の研究者へのインタビューを
まとめた本です。

最先端の脳科学の研究について、9人の研究者が
それぞれの専門分野について語った内容を
サイエンスライターの丸山篤史さんが、
一般向けにわかりやすくまとめました。

「はじめに」と第1章の「記憶をつなげる脳」では、
センター長であり、ノーベル生理学・医学賞を
受賞した利根川進さんが語っています。

  「この本では、現在の脳研究でどこまで
  脳のことが分かったのか、あるいはまだまだ
  分かっていないことについて、研究者たちが
  その最前線をお伝えしていきます。
  本書のテーマは “つながり” です。」

脳研究のそれぞれの分野がつながっていて、
更にはあらゆる学問とつながることがわかる
非常に密度の濃い本です。

この本から何を活かすか?

ある人の海馬から「トム・クルーズ細胞」という
ニューロンが見つかりました。

これは俳優のトム・クルーズさんにちなんで
命名された細胞ですが、もちろん彼が発見した
わけではありません。

てんかんの治療目的で電極を刺した
患者さんにさまざまな画像を見せたときに、
たまたまトム・クルーズさんの画像にのみ
発火する細胞が見つかったのです。

このトム・クルーズ細胞は、正面写真でも
横顔でも、文字情報でも、トム・クルーズさんを
示す情報にならすべて反応したそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | 08:06 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

これからのマネジャーの教科書

満足度★★★★
付箋数:25

近年、「管理職になりたくない」と考える
新入社員が増えています。

2015年に公益財団法人日本生産性本部が
実施したアンケートによると、新入社員の
48.1%が将来的に「管理職になりたくない」と
回答したそうです。

やっている本人が辛いと思うだけでなく、
傍から見ていても上司と部下にはさまれ、
辛そうに見えるミドルマネジャー。

プレッシャーも強く、業務量は多く、
責任も重い、非常に厳しい立場です。

しかし、ミドルマネジャーはマネジメント層の
中でもはボリュームゾーンであり、この層の
パフォーマンスがその企業のパフォーマンスを
決めると言っても過言ではありません。

企業の業績や将来の発展のカギを握るのが、
ミドルマネジャーなのです。

常にイキイキと仕事に取り組み、周囲からの
期待を超える活躍をしているミドルマネジャーと、
そうでないミドルマネジャーの違いはどこから
生まれるのか?

この疑問に答えるために、実際に期待を超える
成果を上げているミドルマネージャー41人に
インタビューを行い、まとめたのが本書です。

業種や職種、性別に偏りが出ないように
対象者を選定し、平均2時間程度の
インタビューを実施したそうです。

そこから期待を超えるミドルマネジャーに
共通する要素を抽出しました。

ちなみに、本書で扱うミドルマネジャーとは、
次のように定義だれています。

  「一般的に部下を持つ管理職(マネジメント層)
  でありながら、上位管理職の指揮下に配属
  されている管理職で、経営層と下位との間を
  つなぐ役目を担い、トップが示した理念や
  ビジョンを部下に伝え、目標実現のための
  戦略を推進する中間層を指す。」

それでは、期待を超えるミドルマネジャーには、
どのような共通要素があったのか?

本書では、期待を超えるミドルマネジャーは
次の3つの要素を持っていると説明します。

1つ目は、「組織で成果を出す力(スキル)」。

必要なのは、個人ではなく「組織で」
成果を出すことです。

そのためには、メンバーを効果的に動かす
ことができるリーダーシップが要求されます。

2つ目は、「仕事に対する想いの力(ウェイ)」。

この力を持つことが、「無難にこなす」から
「期待を超える」へと飛躍するキーとなります。

指示をこなすだけでは足りず、
自ら課題設定し、「こうしたい」、「こうなりたい」、
「こうあるべき」という強い想いを持つからこそ、
期待を超える成果を生み出せるのです。

3つ目は、「周囲との考えの違いを乗り越える力
(ギャップ)」です。

経営者と異なり、ミドルマネジャーは
様々なステークホルダーに囲まれ、
その中で考え方の違いを乗り越えて、
想いを実行しなければなりません。

そのためには、周囲との考えの違いを正しく
認識し、その上で違いを乗り越える解決方法を
見出す必要があります。

実は、このギャップを乗り越える力こそが、
中・大企業のミドルマネジャーに最も求められる
力なのです。

本書では、ここで挙げた3つの力を具体的に
どのようにして身につけ、その後、
維持・回復・強化に取り組むかを解説します。

後半では、インタビューを行った41人の
中から7人の事例を詳細にレポートします。

 第1章 ミドルマネジャーとは何か
 第2章 期待を超えるミドルマネジャーを
    生むメカニズムと3つの力
 第3章 期待を超えるミドルマネジャーの
    自己変革力
 第4章 期待を超えるミドルマネジャーで
    あり続けるために
 第5章 7人の事例に学ぶミドルマネジャーの
    自己変革力

個人的には、ミドルマネジャーの本質を捉え、
非常によくまとまった本だと思います。

現在管理職の方やこれから管理職になる方には
オススメしたい本の一冊です。

この本から何を活かすか?

本書で最も強調されているのは、
ミドルマネジャーの「自己変革力」です。

ビジネス環境が激変する現代においては、
環境の変化に順応しながら、自分を変えていく
高いアダプタビリティーが求められます。

そのためには、次の3つの思考プロセスで
自己変革することが勧められています。

 ステップ1. 「自己認識」を深める
 ステップ2. 自分にとって「都合のよい解釈」
       をし、次にやることを決める
 ステップ3. 自分のとった行動や置かれた
       状況に基づき「持論形成」する。

本書では、この思考プロセスのことを
「自己解釈レンズ」と呼び、このレンズを
通して自己変革すると説明されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| リーダーシップ | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

「自分には価値がない」の心理学

満足度★★★
付箋数:21

人と比べて劣っていても、未熟なところが
あったとしても、「自分に価値がある」という
感覚を自己価値観と言います。

   「私たちは誰でも自分に価値があると思いたい。
  だから、価値がある自分になろうと努力するし、
  自分の価値が不当に貶められることには
  抵抗する。それが私たちの成長をもたらし、
  社会貢献につながる。
  しかし、価値がある自分という思いが挫かれる
  体験に出会うことがある。
  それによって、自分は無価値だという思いを
  抱いてしまう人がいる。
  このように自分には価値がないという感覚や
  思いを無価値感という。」

自分に価値がないと思うのは辛いものです。

本書は、無価値感はどのように生じるかを知り、
そこから抜け出す対処法を示した本です。

著者は、心理学者の根本橘夫さんです。

根本さん自身も、無価値感の辛さを抱えて
生きてきたそうです。

ですから、本書は根本さんと同じような
苦しさを体験している人に役立つように、
根本さんの体験を踏まえて書かれています。

それでは、無価値感はどのように生まれるのか?

かつては、性格形成において決定的な影響を
及ぼすのは、養育環境だと考えられていました。

特に、親の愛情が欠如して育った子どもは、
無価値感を抱きやすいと。

しかし、無価値感を抱くのは親の愛情が
欠如しているからではありません。

最新の研究で、無価値感を抱く原因は、
生得的要因の影響が意外に大きいことが
明らかになりました。

生得的要因とは、遺伝子などのことではなく、
生まれつきもった素質のこと。

特に、「過敏性」が無価値感を抱くことに、
大きく影響しているようです。

過敏性を持っていた子どもが大人になると、
次のような特質を持つようになるといいます。

 ・物事を深く考え、徹底的に処理する
 ・刺激を過剰に感受する
 ・感情反応が強く、共感力が高い
 ・ささいな刺激を察知する

こうした特徴を見ると、社会人としても、
人間的にも「いい人」であるほど、
無価値感に苦しむことがあるのかもしれません。

  「私たちは存在するだけで価値があるとか、
  存在自体に無限の価値があるなどど、
  決まり文句のように言われる。
  しかし、苦しんでいる最中には、そうした
  美辞麗句は無内容で無意味にしか感じられない。
  それでも、そのことを裏付けを以て
  確認しておくことは救いになる。」

人とつながりが、救いになることが多いようです。

親の期待に応えられないと自分を責める人が
いますが、あなたがいてくれるだけで、
あなたの親は大きな喜びを受けとって
いるものです。

それは、兄弟や夫婦、仲間も同じで、
いてくれるだけで価値があるものです。

  「改めて自分の心の中にある人々と、
  自分にかかわりを持った人々を思い起こして
  みよう。自分が思うのと同じように、
  あるいはそれ以上に、自分に気をかけて
  くれる人がいるものである。」

ピンポイントで効く無価値感を乗り越える
方法はありません。

しかし、本書では様々な角度から、
自分の内にある力を実感させ、無価値感を
乗り越えるヒントを提示してくれます。

本当に無価値感で悩んでいる方にとっては、
救いになる本だと思います。

 第1章 なぜ、生きるのがつらいのか
 第2章 無価値感に翻弄される人
 第3章 あなたに無価値感をもたらすもの
 第4章 無価値感を乗り越える視点
 第5章 自分のなかの「子ども」に別れを告げる
 第6章 人生設計という魔法の杖
 第7章 仕事で本当の自信をつけるには
 第8章 人を大切にすると幸せになる
 第9章 楽しむことに罪悪感を抱く人へ
 第10章 自分をもっと信頼してあげる

この本から何を活かすか?

根本さんは、不幸は自分自身の作品であると
説明しています。

  「幸福な状況は他者が与えることができても、
  幸福であるかどうかは本人に依存する。
  逆境にあっても幸福を作り出す人もいれば、
  幸福な環境の中でも不幸を作り出してしまう
  人がいる。
  大部分の不幸はその人自身の作品である。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 心に効く本 | 06:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

君たちが知っておくべきこと: 未来のエリートとの対話

満足度★★★★
付箋数:25

  「2013年の初春、新潮社の編集者から、
   “灘高校の生徒たちが二十数人、佐藤さんの
  話を聞きたがっていますが、どうしますか” 
  という話があった。灘高校には上京して
  先輩を訪問する行事があって、同校出身で
  社会の第一線で活躍している人たちと後輩が
  意見交換する機会を設けているということだ。
  灘高校と言えば、日本の秀才を集めた
  超難関高校だ。私は灘高校の出身ではないので
   “先輩” のカテゴリーに入らないのであるが、
  それでも生徒たちは私の本を何冊か読んで、
  その内容について、質問や意見があるという。」

本書は、私立灘高等学校生徒会の主催する
先輩訪問行事の一環として、2013年、2014年、
2015年の各4月に灘高生が、佐藤優さんの
仕事場を訪れて受けた特別講義をまとめた本。

 第1回 真のエリートになるために(2013/4/1)
 第2回 戦争はいつ起きるのか(2014/4/5)
 第3回 僕たちはナショナリズムから
    逃れられない(2015/4/1)

一方的佐藤さんが教えるスタイルではなく、
事前に灘高生は佐藤さんの著書を徹底的に
読み込んで、そこから質問や意見を述べる
ゼミナール方式の講義です。

佐藤さんの圧倒的な知識から、エリートとは
どうあるべきか、世界基準の教養の身につけ方、
知識の使い方から人生哲学までを伝えます。

打てば響くような灘高生の反応は素晴らしく、
このような講義なら、教える方も教わる方も
間違いなく楽しいことでしょう。

灘高生たちは、知のシャワーを浴び、
知的好奇心が満たされると同時に、知的欲求が
更に高まって嬉々とする様子が伝わってきます。
(以下、敬称略、一部省略して抜粋)

 佐藤 「まず始めに、皆さんの方から知りたい
    テーマがあれば言ってください。」

 生徒 「佐藤さんの本を何冊か読ませて頂いて、
    すごく興味を持ったのが、今、世界が
    帝国主義化しているということでした。」

 佐藤 「はい。ほかには?」

 生徒 「大学のリベラルアーツ(教養)のついて
    教えていただけたらと思います。
    佐藤さんが “鳩山総理は複雑系を理解
    している” と書いていらしたんですが、
    そのあたりの勉強もリベラルアーツ
    なのかな、と。」

 佐藤 「大学のリベラルアーツ、複雑系ね。
    あとは?」

 生徒 「やはりご本に書かれていた、民主制を
    突き詰めたら独裁制になるというお話、
    それに関連して衆愚性についても
    伺いたいです。」

 佐藤 「OK。ほかに政治関連の質問や疑問を
    持っている人いる? とりあえずいいかな?
    じゃあ、始めましょう。」

このようにテーマを決めて特別講義が始まります。

生徒たちが聞きたい内容の前に佐藤さんが
語るのは、エリートのあり方について。

日本語で「エリート」と言うと、何となくイヤな
響きがありますが、本来の言葉の意味では、
否定的なニュアンスを含みません。

日本ではエリートに対して嫉妬があるので、
否定的に使うことがありますが、
エリートはどこの国、どこの社会でもいるもの。

独自のノブレス・オブリージュ(高貴さは
義務を強制する)を持っている、
社会の指導者として果たすべき特別の義務を
持つ存在です。

しかし、日本では真のエリートにならずに、
田舎の秀才タイプで満足する、昔ながらの
「平均的エリート」の型に収まってしまう
人が多いと佐藤さんは指摘します。

灘高生には、そんな旧来型の日本的エリートで
止まらず、本来の義務を果たす真のエリートに
なるようアドバイスしています。

イギリスやロシア、その他東欧諸国で
多くのエリートに接してきた佐藤さんだからこそ
伝えられるエリート帝王学です。

この本から何を活かすか?

一級の国際的な教養を身につける第一歩は、
高校で教わることに「穴」がないように
すること、と佐藤さんはアドバイスします。

文系に進むと、偏微分と重積分はやらないから、
後に金融工学を学ぶと障害になってしまう。

理系に進んだ人は、歴史に関する知識に穴が
空きがちで、これが後に響いてくることが多い。

受験だけを考えた勉強だと偏りが生じるので、
自分の教養のどこに穴があるかを意識して、
自発的にそれを埋めていく必要があるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

人を動かしてしまう すごい質問力

満足度★★★
付箋数:18

  「人は質問されることによって考え方や
  行動に影響がでる生き物です。
   “最近調子どう?” と質問されて、
  相手に親しみを感じる。
   “何か悩みごとでもあるの?” と質問されて、
  溜め込んでいた想いを吐露する。
   “本当にそれでいいの?” と質問されて、
  考えを改める。

  これは逆に、質問をうまく使いこなせば
  人を操ることができることを意味します。

   “最近調子どう?” と質問して、
  相手に親しみを感じさせる。
   “何か悩みごとでもあるの?” と質問して、
  溜め込んでいた想いをぶつけさせる。
   “本当にそれでいいの?” と質問して、
  考えを改めさせる。

  たったひとことの“質問”によって、
  相手との距離を一気に縮めたり、知られざる
  本心を聞き出したり、さらには相手の価値観や
  行動さえも変えることができるのです。」

本書は、仕事も人間関係もうまくいく
人を動かす質問の仕方をまとめた本です。

著者は、櫻井話し方研究所所長の櫻井弘さん。

人は、質問されると、反射的にその質問に
答えようと考える生き物です。

その性質をうまく使うと、相手が気づいて
いなかったことを気づかせたり、
考え方を変えさせることができるのです。

  「質問を制するものは人生を制す」

本書では、すぐに使える47個の基本的な
質問術を4つのカテゴリに分けて紹介します。

  第1章 人を動かす質問
  第2章 話を引き出す質問
  第3章 YESと言わせる質問
  第4章 一瞬で心をつかむ質問

まず私が取り入れようと思ったのは、
言うことを素直に聞いてもらう準備として、
相手に対する思いやりや愛情を伝える質問。

  「いつもとくらべて元気なさそうに
  見えるけど、風邪とか引いてない?」

「調子悪いの?」と漠然と聞くよりも、
相手のことを気にかけている事実が
伝わる聞き方をします。

そのためには、今までと比較したり、
過去に聞いた話題からネタを選んで
質問の中に盛り込みます。

  「重要なことは相手を思いやって声をかけて
  あげた事実です。自分が大事にされていると
  感じる心のこもった言葉をかけて、
  気分を害する人はいないのですから。」

もう1つ、取り入れたいと思ったのは、
「結果」を気持ちよく話してもらうための、
「結果」より、「人」のフォーカスした質問。

  × 「プレゼン、どうだった?」
  ◯ 「プレゼン、緊張しなかった?」

たとえプレゼンの結果が知りたくても、
相手の感情や気持ちに配慮しなくては、
うまく話してもらえないことがあります。

ポイントは、自分の関心を一瞬、
「コト(結果)」より「ヒト(相手の気持ち)」
に向けること。

急いで結果を知りたい気持ちを抑えて、
気づかいのワンクッションを入れます。

そうすると聞かれた相手の心証は良くなり、
気持ちよく話してくれます。

人は理屈よりも感情で動く生き物ですから、
このような質問の仕方で、人を動かすことが
できるのです。

この本から何を活かすか?

私は、初対面の人と話すのが苦手です。

そんなタイプの人には、「あいさつの後、
間髪を入れず、一点だけ褒める」という
方法が紹介されていました。

見ず知らずの人に褒められると喜びが増す
「アロンソンの不貞の法則」と呼ばれる
効果があります。

その心理的作用を使って、互いの緊張を解き、
スムーズに会話を始めます。

  「思わず耳を傾けたくような声ですね」
  「それにしてもお体、引き締まってますね」
  「最近のご活躍、よくお噂はお聞きしています」
  「珍しい苗字ですね。その地域に多いんですか?」

露骨なヨイショにならないよう、褒める部分は
「本当にいいな」と思った1点だけに絞るのが
いいようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| コミュニケーション | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ! ?

満足度★★★
付箋数:23

株式会社オトバンクの上田さんより
献本いただきました。ありがとうございます。

これまで、「浮かんでは消え」を何度も
繰り返してきた、日本におけるカジノ構想。

経済波及効果が期待されたカジノですが、
パチンコ業界とその利権に絡む国会議員の
猛反発で、その構想は葬られてきました。

しかし、2016年秋の臨時国会でカジノ等施設の
推進法案を含む議員立法が審議に入り、
日本でのカジノ実現が、一歩動き出しました。

マスコミでは、カジノへの関心を測るために、
「あなたは、カジノができたら行きたいですか?」
といったアンケートを採ることがあります。

実はこの問い自体が、カジノのことを
よくわかっていない証拠です。

日本になかったアトラクションができたら
普段はギャンブルをしない人でも、
一度は行ってみたいと考えるのは普通のこと。

しかし、カジノは外国資本を導入し、
外国人を楽しませ、自国民のカジノ入場には
高額な入場料を課して規制するもの。

つまり、国家も国民も痛まずして、
外国人にお金を落としてもらう仕組みで、
自国民向けのカジノはありえないのです。

さらに、日本で導入が滞っているうちに、
世界のトレンドは、カジノから「IR」へ
大きく変貌をとげました。

IRとはIntegrated Resortの略で、
カジノを含む統合型リゾートのこと。

あなたは、カジノとIRの違いがわかりますか?

  「カジノとIR。それは、似て非なるもの
  であり、このふたつにおける成り立ちや
  目的の違いをはっきりと認識していなければ、
  日本での成功の目はないだろう。
  だが、これまで反対の声を上げ続けてきた
  一般市民はもちろんのこと、法案を推進する
  人々ですら、 “カジノ=IR” という誤った
  認識を持っているのが現実のように思う。」

IRはカジノを一部に含むものの、ホテルや
レストラン、ショッピングモール、会議施設が
大部分を占める、家族連れをはじめ多くの
人々が楽しめる複合観光施設です。

薬物や犯罪、依存症が蔓延するダーティーな
イメージのカジノとは異なります。

このIRを初めて作ったラスベガスの企業に
投資して、IRが発展するきっかけを作ったのが、
ソフトバンクの孫正義さんでした。

本書では世界のカジノとIRを実際に
見てまわった高城剛さんが、その成功例と
失敗例を詳細にレポートします。

そこから日本経済活性化の起爆剤となり得る
IRが成功するポイントを考えます。

アジアで、カジノが有名なのはマカオですが、
IRで最も成功したはシンガポールです。

シンガポールはIR施設がオープンしてから、
短期間で外国人観光客数を伸ばし、
観光収入を3倍に増やすことに成功しました。

しかも、そのアイディアは、石原都知事時代に
考えられた「お台場カジノ構想」がベースに
なったものでした。

  「日本がかつて企画したカジノ構想、
  すなわちアジアにおける本格的なIR戦略は、
  日本の実業家が買収した資金で始まり、
  日本の知事が中心となって始めたアイディア
  なのだ。それにもかかわらず、
  シンガポールに持って行かれてしまった
  ものであり、今こそ取り返し、彼ら以上の
  ものをつくるべきではないか、と僕は考える。
  そのためには、IRをカジノと混同することなく、
  その本質を正しく理解することが、
  何よりも必要だ。」

この本から何を活かすか?

世界のカジノとIRを見てまわった高城さんは
日本にどのようなIRを構想するのか?

  「僕なら、世界最高レベルの食と
  ホスピタリティを誇る日本だからこそできる、
  斬新なレストランをずらりと並べるだろう。
  また、連日連夜フリーライブを行い、
  音楽業界に一石を投じるのもいいだろう。
  さらに、ラスベガスにあるような噴水ショーを
  遥かに超えるスケールで、5000台のLEDを
  搭載した小型ドローンを使ったデジタル花火や、
  シルク・ドゥ・ソレイユをさらに推し進め、
  人とロボットが一体化したスペクタクルな
  サイバネティックス・オペラショーも
  面白いだろう。」

フリーライブやドローンが入っていることが
高城さんらしい発想です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 社会・国家・国際情勢 | 06:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

アイデアソン!: アイデアを実現する最強の方法

満足度★★★
付箋数:23

あなたは、「アイディアソン」をご存知ですか?

アイディアソンとは、最近注目されるように
なったアイディア創出のメソッドです。

リクルート、ソニー、ヤフー、富士通、
パイオニア、NTTドコモなどの企業でも
実際に活用されています。

アイディアソンは、「アイディア」と
「マラソン」を合体させた造語。

もともと1999年頃にITエンジニアやデザイナーが
始めた「ハック」と「マラソン」を組み合わせた
「ハッカソン」というイベントがありました。

ハッカソンは、1日~1週間の短期間で集中して、
新しいサービスやシステム、アプリケーションを
共同で開発して、成果を競い合うイベントです。

そのハッカソンからアイディアの創出の部分
だけを切り出したのがアイディアソンです。

アイディアソンの醍醐味は、多様な人が集まり、
価値創造に向けて共創するところにあります。

スポーツのような爽快感と苦しさを
味わえることも魅力の1つ。

アイディアソンとは、多様な主体が主体的に
集まり、主体間の相互作用を通じて、
課題解決に向けたアイディアの創出を目指す
共創の場なのです。

  「本書は、アイディアソンとはいったいどんな
  もので、日本国内でどのような展開がなされて
  いるかを紹介するとともに、筆者らの実戦経験
  に基づき、アイディアソンを実践する際に
  ポイントとなる視点や課題、活用される
  主要なメソッドを紹介する。
  これまでにないアイディアで新たな価値創造を
  目指すすべての読者に、少しでも役立つことを
  期待したい。」

著者は高知大学地域協働学部専任講師の
須藤順さんと、エイチタス株式会社代表取締役
の原亮さん。

お2人とも、日本でのアイディアソン普及に
尽力し、実際に多くのアイディアソン運営に
関わってきた方です。

ところで、アイディアを出すための手法や
ワークショップはこれまでも存在しましたが、
なぜ、アイディアソンが注目されるように
なったのでしょうか?

その背景には、これまでの成功モデルや知識、
経験が通用しなくなった社会構造の変化が
あります。

特に、オープンクリエーションへの注目、
コ・クリエーションへの期待、
社会価値起点への発想転換などが重要視
されるようなりました。

アイディアソンは、これらの条件を満たし、
「いつもの人」の「いつもの会議」から
脱却し、分業から共創へシフトできる
手法として注目されるようになりました。

そこには参加者の多様性を受け入れ、
アイディアを可視化し、集合知を活用できる
特徴があります。

本書では、アイディアソンを知るだけでなく、
実際に運用することを想定して、主催者側が
押さえておかなければならないポイントを
挙げています。

 1. インプットにより情報をいかに正確に
  提供できるか
 2. ゴールの位置づけ
 3. 目的に応じたアイディア創出手法の
  選択と組み合わせ
 4. フォローアップ
 5. 小さななゴール設定と発想転換の促し
 6. 参加者の多様性確保
 7. 参加者間の仲間意識の醸成

こうしたポイントを押さえつつ、本書では
アイディアソンの企画から運営方法までを
詳細に解説します。

また、本書には実際にアイディアソンが
行われた16ケースの実例も掲載されています。

アイディアソンで扱えるテーマは多様なので、
自分が実施したいケースに近いものを探して、
参考にすることができます。

本書で、初めてアイディアソンを知った方でも、
読み終える頃には、きっと自分でも参加したり、
運営したくなることでしょう。

この本から何を活かすか?

本書の後半では、アイディアソンで活用される
メソッドやワークシートが紹介されていました。

紹介されている15の手法は、アイディアソンを
実施しなくても、単品のアイディア出しの手法
としても活用できそうです。

個人的には「カスタマージャーニーマップ」の
作成手法が参考になりました。

わずか4ページの中に、写真付きでコンパクトに
まとめられていて、非常にわかりやすかった。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| アイディア・発想法・企画 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ハーバード集中力革命

満足度★★★
付箋数:25

あなたには、次のような状態にあったり、
次のように考える傾向はありませんか?

 ・携帯電話が手元にないと苦痛だ。
 ・インターネットを使っていると
  気づかないうちに1時間は経っている。
 ・時間内にできる量以上にやるべき
  ことがある。
 ・自制心を失っている。
 ・職場や家でこっそりインターネットを
  使ってしまう。
 ・仕事でストレスを感じると、
  よくインターネットの世界に引きこもる。
 ・ランチに出るときにスマホを
  持って行かないなんて想像もできない。
 ・いつでも何かが足りないと感じている。
 ・自分の仕事の出来が悪い。
 ・やる気はある。ただ、やり方がわからない。

もし、このような傾向があれば、
あなたは、「デジタル依存症」タイプの
「ADT」かもしれません。

ADTとは聞き慣れない言葉かもしれませんが、
「注意欠陥特性」のことです。

これは本書の著者で、精神科医の
エドワード・M・ハロウェルさんが1994年に
作った用語です。

ハロウェルさんは、ADD(注意欠陥障害)
およびADHD(注意欠陥・多動性障害)の
権威として知られる方です。

ADDやADHDといった障害が遺伝的な原因に
よるのに対して、ADTは「環境」が原因で、
集中力が続かない状態です。

つまり、ADTは外部要因によって、
現れたり消えたりするものなのです。

スポーツ選手などが、もっとも集中した
精神状態に入ることを「フロー」とか
「ゾーン」などと言ったりします。

  「集中とは、つまり短いフローの状態である。
  誰でも、集中が何かは知っているだろう。
  意識を凝縮し、精神を明確にし、
  目標に焦点を合わせている状態を示す言葉だ。
  そして、集中とフローの間に、私の呼ぶ
   “柔軟な集中” の状態がある。
  柔軟な集中の場合、フローほどの高揚感は
  伴わない。しかし、夢中になってほかの
  何にも注意を向けられなくなるということ
  なしに、課題に集中する能力を保ったまま、
  同時に新しいインプットを受け入れる
  ことができる。」

本書は、医学的な根拠に基づき、
集中力を自分でコントロール方法を学び
「柔軟な集中」を手に入れます。

本書では、人の集中力を奪う、
ADTのタイプを6つの症候群に分類します。

 1. デジタル依存症
 2. マルチタスク
 3. アイディアホッピング
 4. 心配性
 5. おせっかい焼き
 6. ヘマばかり

症候群のネーミングが、ちょっと野暮ったい
気がしますが、それは適切な日本語が
なかったためなのでしょう。

自分に集中力が足りないと感じる方は、
まず、自分がどのタイプなのかを確認し、
その特性を押さえておくべきです。

そして、ハロウェルさんは本書の後半で、
集中力をコントロールするための
「5つの基本プラン」を示します。

基本プランのタイトルだけ挙げておくと、
「エネルギー」、「感情」、「エンゲージメント」、
「仕組み」、「コントロール」になります。

自分のADTのタイプによって、これらの
5つのプランを組み合わせて対処し、
集中力を高めて、生産性を改善します。

環境が集中力の低下を引き起こしていると
考えるのは、現代社会においては
十分納得できる説明です。

そして、本書の対処法は具体的で、
そのまま真似て実践しやすい本だと思います。

この本から何を活かすか?

子どもだけでなく、大人にもADHD
(注意欠陥・多動性障害)があります。

しかも、その8割は見過ごされている。

しかし、正しく対処さえすればADHDほど、
生活をよりよいものに変えるチャンスとなる
精神疾患はありません。

そこで次のような兆しが見られれば、
ADHDを理解している専門医に
相談した方がいいようです。

  「 “説明のつかない出来の悪さ” に加え、
  才能がひらめいたのに、その後最後まで
  やり通せないとかボーっとしてしまう
  といった、 “能力の一貫性のなさ” 」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| | 06:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

経済数学の直観的方法 確率・統計編

満足度★★★★
付箋数:27

あなたは、100年ほど前のレーダーが
なかった時代に、海軍はどのように照準を定めて
砲撃を行っていたかを知っていますか?

艦砲射撃は、照準鏡の十字の真ん中に
目標を合わせて行われます。

左右は、それほどズレることはありませんが、
難しいのは縦方向の調整です。

砲弾をやや斜め上に撃ち出さなければ
遠くまで飛ばないので、相手までの
距離の調整が難しいのです。

最初に撃った砲弾が目標の手前に落下して、
水柱を上げたなら、それは距離が足りなかった
ということなので、次は砲身の角度をわずかに
上向きに修正して発射します。

そして、2回目も手前に水柱が上がったら、
また角度を上げて距離を伸ばしていきます。

この角度の微調整を、目標の後ろに水柱が
上がるまで繰り返します。

目標を越えたら、「挟叉を得た」として、
角度調整を終了します。

本来なら、距離を伸ばしすぎたので、
角度を下げて微調整したいところです。

しかし、そもそも揺れる船の上から
撃っているので、同じ角度で発射しても
次も位置に落下するとは限らないため、
それ以上の角度調整は行わないのです。

砲弾が目標を挟んで、プラスマイナス
数十メートル以内に落下することが
確認できたら、あとは「数撃ちゃ当たる」
の精神で撃ちまくります。

弾着誤差が+方向と−方向にほぼ同じ距離
だけ生じると判断された時点で、
一切の修正操作をやめて、あとは完全に
確率の神の手に委ねてしまうのです。

この方法が、実際に最も理にかなった
艦砲射撃の方法だったのです。

実は、この「誤差の調整」の思想が、
「確率」を理解する上で欠かせない
概念となっています。

さて本書は、大胆なイメージ化で難解な
数学的概念を解説したことで、好評を得た
長沼伸一郎さんの『物理数学の直観的方法
の続編です。

続編は2冊あって、『経済数学の直観的方法』
の「マクロ経済学編 」と「確率・統計編」です。

本書は後者で、ブラック・ショールズ理論の
理解までを一旦のゴールとしています。

このブラック・ショールズ理論は、
「35歳以上の人間には理解不可能」と
喧伝されるぐらいの難所。

しかし、確率統計を学ぶには絶好の題材のため、
ここがゴールとして設定されています。

  「本書の目的は、確率統計で挫折している
  学習者を一人でも多く救うことにあり、
  たとえ標準偏差のあたりで挫折していた人でも、
  今日から本書を読み始めて、2日以内に体勢を
  立て直すことも十分可能なはずである。
  そしてカンの良い人ならさらにそこから進んで、
  ブラック・ショールズ理論にまで1〜2週間程度で
  到達し、それも越えてさらに確率微分方程式の
  入り口まで数日でたどり着いてそれを大まかに
  理解する、ということも、決して不可能な
  話ではないと思われる。」

ガウスさんの思考を理解することから始まり、
教養としてのブラック・ショールズ理論までを
を身につけていきます。

難しい本ではありますが、図がふんだんに使われ、
イメージはつきやすいと思います。

この本から何を活かすか?

本書で一貫して述べられている原理は、
以下の通りです。

  「この世界の誤差やばらつきは2つの部分、
  つまり一方向のバイアス部分と、
  ±両方向にランダムに現れる部分の
  2つで構成されている」

そもそもカール・フリードリヒ・ガウスさんが、
確率論ができる前にやっていた研究が、
「誤差論」だったので、誤差の修正の
概念を掴むことが確率を学ぶには重要なのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 数学 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

検索刑事(デカ)

満足度★★★
付箋数:23

  「頻繁に利用している検索エンジンですが、
  その検索結果に対して、熾烈な争いが起きている
  ことを知っているのは、ごく一部の人しかいません。
  しかも、そのごく一部の人たちの中でも、
  検索結果の順位がどのようなルールに従って
  表示されているのかを理解しているのは、
  更に一握りの専門家に限られています。
  今回、その検索エンジンの仕組みを、少しでも
  理解してもらうために、ストーリー形式で
  SEOの話をまとめさせていただきました。
  とっつきにくくて難しいSEOの話を、
  殺人事件というベタなストーリーでまとめる
  ことで、少しでも興味を持って読み進めて
  もらえばと思い、ノベライズ風に書いてみました。」

本書の「あとがき」で著者の竹内謙礼さんは
このように語ります。

竹内さんは、販売戦略立案の経営コンサルタント。

特にネットショップ運営を中心にした
コンサルティングに精通し、150社近い企業を
指導しています。

それよりも竹内さんと言えば、公認会計士の
青木寿幸さんとコンビを組んだビジネス小説の
シリーズで有名です。

当ブログでも過去に『給料戦争』、『貯金兄弟』、
猿の部長』『戦略課長』、『会計天国』などの
ビジネス小説を紹介してきました。

しかも、そのどれもが読んでためになるだけでなく、
ストーリーも面白く好評を得ています。

今回は青木さんとのコンビではなく、
竹内さんのみの単著となります。

  3月3日の午後5時15分ごろ、千葉県○○市
  稲盛区高田町の公園で、近くに住む男性が
  頭から血を流しているのを、散歩中の男性が
  発見し、110番した。

  男性は病院に搬送されたが、
  その後、死亡が確認された。

  千葉県警は4日、身元をIT会社社長の深田五郎さん
  (45)と確認。
  稲盛署では事件と事故の両面で捜査をしている。

本書は、このような事件が起こったところから
始まります。

この事件の担当となったのが、この物語の主人公、
稲盛署の新人刑事、京丸菜々子です。

署には、定規で引いたような角ばった字で
「深田五郎殺人事件ご担当者様」と書かれた
手紙が送られてきました。

その手紙には新聞を切り抜いた文字を張り付け、
次のような予告が書かれていました。

  「『羽毛布団』のキーワードを使って、
  6ヶ月以内にグーグルの検索結果で1位を
  取りなさい。さもなくば、もう一人天誅を下す」

この次の殺人を予告する手紙で、菜々子の
選択肢は、6ヶ月以内に検索結果で1位を取るか、
6ヶ月以内に犯人を捕まえるかの2つになりました。

SEOの素人である菜々子は県警のサイバー犯罪
対策課から、SEOに詳しい高校生を紹介されます。

東京都内のO高校に通う、少女漫画に出てくる
ような美男子の瀬尾光太郎です。

  「ー犯人は、みんなに思い知らせたいんじゃ
  ないかな」
  「思い知らせたい? 何を?」
  「SEOが難解だってことを」
  「SEO?」
  「Search Engine Optimizationの略だよ。
  つまり検索エンジン対策。検索結果で上位に
  表示させるネット販促の施策のことだよ」
  「それって、すごく難しいことなの?」
  「当たり前だろ」

SEOには全く無知で、猪突猛進型の菜々子と
SEOに詳しく冷静沈着な瀬尾のコンビ。

確かに、ベタな設定ですが安心して
読むことができるストーリーです。

ストーリーが進み、事件が解決するころには、
読者は菜々子と一緒にSEOの基本的な知識を
身に付けることができます。

これからSEOを知りたい方にとっては、
入門書を読むよりも、ハードルが低く、
それでもSEOについてリアルに理解できる
本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「SEOは、ドライなネットビジネスの
  ノウハウのひとつと思われがちですが、
  実は、リアルなビジネスと同じ
   “相手の気持を考える” というビジネスの
  基本が、ベースとして存在しています。」

「お客さんの気持ち」を第一に考えるという
アナログ的方法が、実はSEOにも不可欠。

SEOを知っている人でも、この事実に
気づいている人が意外と少ないことを、
竹内さんは訴えたかったようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

まるで本当のような嘘の話

満足度★★★
付箋数:18

  「あまた出されている『雑談力が向上する本』
  を読んでも、残念ながら雑談が上手になるとは
  かぎらない。なぜなら会話のトーンや話の
  聞き方、あいずちの打ち方などについて
  書かれた本が大半だし、それより何より、
  面白い雑談とは “雑学” という知識に
  裏打ちさている必要があるからだ。
  英単語を覚えずに英会話をいくら習っても
  英語を話せるようにはならない。
  雑談力を上げるためには、
  どうでもいい知識=雑学を常に仕入れる
  地道な努力を怠ってはいけない。

  雑学こそ、大人の最高の教養なのだ。」

さて、本書は話のネタとなる雑学を集めた本ですが、
昔からよくある「嘘のような本当の話」の本
ではありません。

その逆で、「まるで本当のような嘘の話」を
集めた本。

嘘なのにとてもよくできたストーリーのため、
語り継がれてきた話や、ずっと真実と信じられて
きたエピソードが近年の研究によって嘘だと
判明した話を59話厳選して掲載しています。

では、本書から「まるで本当のような嘘の話」を
2つほど紹介しましょう。

1つ目は、「木の切り株に見える年輪で、
東西南北の方角がわかる」という話。

太陽の光をたくさん浴びて成長するから、
年輪の幅広いほうが南側という話を
聞いた経験はないでしょうか。

年輪の中心から長さの長いほうが
日当たりのいい南側というのは、
説得力があるように思えますが、
実はまったくの嘘なのです。

実際、山に生えている木の切り株を
見比べても、方向には関係なく、
木によっても年輪の幅はまちまち。

そもそも、日光によって成長が違うなら、
丸い幹は形成されず、ものすごく偏った
楕円形になるはずです。

実際には気象条件の悪い年には年輪の幅は
狭くなり、逆によい年には広くなります。

木の傾きによっても、年輪の幅の違いが生じ、
傾いた方向の年輪は広くなります。

また、木が立っている場所の傾斜にも
年輪は影響を受け、低い方の年輪は広く、
高いほうが狭くなるようです。

残念ながら、年輪によって東西南北の方角は
わかりませんが、年輪には実にたくさんの
情報が集積しています。

その情報は「年輪年代法」という学問の
1つのジャンルになっているほどです。

この本から何を活かすか?

2つ目は、「何か1つでも商品を買わないと、
自動販売機では両替できない」という常識。

財布の中にお札しか入っておらず、
どうしても小銭が必要なときに、
自動販売機で1本だけジュースを買って
お釣りの小銭を作ったことはありませんか?

この方法、小銭を手に入れるために、
飲みたくもないジュースを買うので、
どうも釈然としないところがあります。

実は、買い物をしなくても自動販売機で、
両替できる裏技があるのです。

用意するのは、1000円札2枚。

まず1000円札1枚を自動販売機に入れたあと、
もう1枚の1000円札を続けて入れます。

そこから返却レバーを下ろすと、
1枚の1000円札はそのまま戻ってきますが、
残りの1000円札は小銭に両替された形で
戻ってきます。

ただし、この裏技で自動販売機が
釣り銭切れになっては、他のお客さんに
迷惑なので、乱用は禁止。

本書には、このように知っていると
他人に話したくなる、飲み屋でも受ける
ネタが満載されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 05:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

新・リーダー論


新・リーダー論
大格差時代のインテリジェンス (文春新書)


満足度★★★
付箋数:23

石原慎太郎さんの『天才』がベストセラーになり、
角栄ブームと言われるほど、田中角栄さんの
リーダー論が注目を浴びています。

これはリーダー不在の時代に、世の中が優れた
リーダーが出現することを求めているからです。

しかし、この角栄ブームについて佐藤優さんは、
「一種の日本の病理」だと言い切ります。

また、池上彰さんも仮に今の時代に角栄さが
いたとしても、かつてのように事は運ばなかった
と考えます。

角栄さんのやり方が通用しないのは、
日本がもはや右肩上がりの経済ではないからです。

本当のリーダーに必要なのは、やるべきことは
何かを見極める力があること。

角栄さんの頃には、もう少し簡潔に
リーダー論を語ることができました。

例えば、かつての首相は消費税導入など、
メインとなる1つの課題に取り組めば良かった。

しかし、現在では複数の問題に同時に
対処しなければなりません。

貧困問題、教育問題、安全保障問題に
同じくらいの比重で同時に取り組まなければ
ならないのです。

時代状況が複雑になって、政治家は物事を
簡単に決められなくなりました。

それらに対処できる新しい時代のリーダーは、
そう簡単は生まれません。

だからこそ、角栄さんが持っていた決断力が
優秀なリーダーに見えてくるのです。

さて、本書は池上彰さんと佐藤優さんが、
「リーダー論」について語り合った本です。

お二人の対談をまとめた本としては、
シリーズ3冊目。

1冊目は、2014年に刊行した『新・戦争論』。

自称「イスラム国」の急激な勢力拡大を
見ながら、現代の戦争について対談しました。

2冊めは、2015年に刊行した『大世界史』。

欧州への大量の難民流入など現代のさまざまな
ニュースを世界史の観点で分析することの
必要性について語りました。

そして、激動する世界において、政治指導者
たちの力量・技量が注目される中で、
お二人は現代のリーダーについて語っています。

特に世界の指導者の中には、反面教師的な
リーダーが目立っています。

前仏大統領のニコラ・サルコジさん、
ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩委員長、
トルコのエルドアン大統領、そして極めつけは、
次期アメリカ大統領のドナルド・トランプさん。

特にサルコジさんのリーダーシップは、
「サルコジ現象」として、他の指導者へも
多大な影響を与えているようです。

その特徴としては5つの資質が挙げられています。

「思考の一貫性の欠如」、「知的凡庸さ」、
「攻撃性」、「金銭の誘惑への屈服」、
「愛情関係の不安定」

トランプさんは「アメリカ版サルコジ」、
安倍首相は「ミニ・サルコジ」であると
佐藤さんは指摘しています。

今の時代、リーダーについて論じるには、
避けて通れない、強烈な個性を持つ指導者が
何人もいるのです。

結論としては、優れたリーダーは出にくい
時代になったということですが、
とにかく池上さんと佐藤さんの知識量と
それに対する洞察が物凄いことがわかります。

タイプの異なるお二人ですが、議論がかみ合い、
互いの良さを引き出すような対談になっています。

 第1章 リーダー不在の時代
 第2章 独裁者たちのリーダー論
 第3章 トランプを生み出したもの
 第4章 エリートVS大衆
 第5章 世界最古の民主主義国のポピュリズム
 第6章 国家VS資本
 第7章 格差解消の経済学
 第8章 核をめぐるリーダーの言葉と決断
 第9章 リーダーはいかに育つか?

この本から何を活かすか?

トランプさんは、「有能なビジネスマン」と
言われていますが、お二人はそのようには
見ていません。

会社を4度倒産させていることからも、
マネジメント能力を持っているとは思えない。

倒産の際には、金を借りている相手と交渉して、
借金を棒引きにして復活してきました。

トランプさんは、経営力ではなく、
「取引(ディール)」や脅しで富を作ってきました。

さらに莫大な資産を持っていることについても、
もともとは父親から財産を相続したもの。

それをそのまま投資信託にでも投資していれば、
もっと金持ちになっていましたが、
なまじ自分で事業をやったおかげで、
財産はそれほど増えていないようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| リーダーシップ | 07:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

大前研一 日本の論点2017-18

満足度★★★
付箋数:21

本書は、2013年から毎年刊行されている
大前研一さんの人気シリーズ『日本の論点』の
第4弾です。

プレジデント誌で大前さんが連載している
「日本のカラクリ」の1年分の記事の中から、
読者の反響が大きかった回を中心に選び、
加筆・再構成されたものです。

今年、世界で最も注目すべき出来事の1つが、
不動産王のドナルド・トランプさんが、
第45代アメリカ合衆国大統領に就任予定と
なったことです。

大前さんが、プレジデントで記事を書いている
時点でトランプさんは、あくまで共和党の
大統領候補でした。

本書では2016年4月時点で、なぜトランプさんの
過激発言が米国民に受けたのかを解説しています。

これまでも米大統領選には、ロス・ペローさんや
ラルフ・ネーダーさんなど政治の素人が出馬して、
旋風を巻き起こしてきた事例はありました。

しかし、それらはあくまで二大政党以外の
インディペンデントからの出馬でした。

これに対し、トランプさんは共和党候補として
堂々と出馬して、トップの支持を集めました。

なぜ、政治の素人で暴言王のトランプさんが、
そこまでの支持を集めたのか?

それは、1%の富裕層が99%の富を独占している
アメリカにおいて、トランプさんの発言は、
白人の低所得者層に刺さる訴えだったからです。

「メキシコとの国境に壁をつくる。
費用はメキシコに負担させる。」

「イスラム教徒の全面入国禁止」

これらの極端な政策は、雇用の多くを移民に
奪われたことに不満を抱き、将来に不安を持つ
白人の低所得者層に支持されたのです。

  「今回のアメリカ大統領選で、何が明らかに
  なったかといえば、アメリカ政治の混乱状況
  である。政党が政党らしく、次の大統領候補を
  出しえていないのである。アメリカが再び
  偉大な国を志向するのなら、富を隠蔽している
  富裕層や金持ち企業からきちんと税を徴収する
  仕組みをつくらなければならない。」

また、トランプさんが用いたのは、
人々の欲求不満を煽って支持を集める
ポピュリズム的手法です。

かつて小泉純一郎さんが「自民党をぶっ潰す!」
と言って取った手法と同じですね。

大前さんは、こうした過激なポピュリズムは
愚衆政治を招きやすいと指摘します。

  「ベネズエラやギリシャのように、聞こえのいい
  ポピュリズムに引きずられた民主主義が行き着く
  先は、愚衆政治である。個人よりも全体を
  よくしようと発想できる人が過半数いなければ、
  民主主義は成り立たない。」

トランプさん以外でも、世界的に見られる
傾向として、大前さんが警鐘を鳴らすのは、
「右傾化」です。

その傾向を示すトピックは、イギリスのEU離脱、
ドイツの極右政党AfDの急伸、強権的な指導者
として知られるロシアのプーチン大統領や
トルコのエルドアン大統領の支持などです。

「右傾化」が世界を読み解く上での
キーワードになっているようです。

本書は、基本的には2016年世界の動きの
総括ですが、そこから2017年以降の展望を
考えるのは、読者の仕事になります。

毎年刊行されるこのシリーズを読んで、
翌年以降の世界のシナリオを予測することを
繰り返すと、大前さんの持つ思考に、
少し近づけるようになるかもしれません。

この本から何を活かすか?

昨日紹介した『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
では、寿命が100年になる時代の人生設計が
紹介されていました。

本書でも、リタイア後の人生設計に関わる、
テーマが語られていました。

  「50歳でできても、65歳ではできないことが
  たくさんある。 “やりたいこと” がリタイア後
  に簡単にできると思ったら大間違いで、
  何の準備もしていなければ気力も体力も
  ついてこないし、一緒に楽しむ仲間もすぐには
  できない。だから、リタイア後のやりたいことが
  あったら、今すぐに始めるのが正解なのだ。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 社会・国家・国際情勢 | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)


満足度★★★★
付箋数:27

私は2017年に50歳になります。

そんなこともあり、ここ数年は何かにつけて、
「そろそろ人生の折り返し」と言ってきました。

つまり、私は自分の人生を100年と
想定しているのです。

あなたは、自分が何歳まで生きると仮定して、
人生設計をしていますか?

  「2007年にアメリカやカナダ、イタリア、
  フランスで生まれた子どもの50%は、
  少なくとも104歳まで生きる見通しだ。
  日本の子どもにいたっては、
  なんと107歳まで生きる確率が50%ある。」

これまでも平均寿命は延びてきましたが、
今後もさらに延びることが予想されています。

そして、「長寿化=超高齢化社会」という
図式ができあがり、特に日本においては、
社会における負の側面が話題になることが
多くありました。

しかし、長寿化はマイナス面だけでなく、
個人にとっては大きなプラス面もあります。

本書は、長寿化の恩恵に目を向け、
どうしたらその恩恵を受けられるかについて
論じた本です。

著者は、ロンドン・ビジネススクール教授で、
人材論、組織論の世界的な権威の
リンダ・グラットンさんと、2005年から
モーリシャス大統領の経済アドバイザーを
務めるアンドリュー・スコットさんです。

  「長寿化時代の私たちの人生には、経済、
  金融、人間心理、社会、医学、人口構成が
  影響を及ぼす。しかし、本書は、なによりも
  あなたについての本である。
  あなたが自分の人生をどのように計画するかが
  最大のテーマだ。あなたは、これまでより
  多くの選択肢を手にし、多くの変化を経験する
  ようになる。そうなったときに大きな意味を
  もつのは、あなたがどのような人間なのか、
  なにを大切に生きているのか、なにを人生の
  土台にしたいのかという点だ。」

長寿化にあたって、まず心配な点は、
「お金」の問題です。

しかし、長寿化に対処するために重要なことは、
それだけではないというのが、本書の主張です。

例えば、人生のステージ。

これまで私たちに刷り込まれてきたのは、
「教育→仕事→引退」という3つのステージ
による生き方です。

寿命が延びると「仕事」のステージが延びますが、
それだけでなく、今までになかった新しい
ステージを人生に組み込むことができます。

例えば、選択肢を狭めずに幅広い進路を検討する
「エクスプローラー(探検者)」のステージを
経験する人が出るかもしれません。

自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす
「インディペンデント・プロデューサー
(独立生産者)」のステージを生きる人も
いることでしょう。

さまざまな仕事や活動を同時並行で携わる
「ポートフォリオ・ワーカー」のステージを
実践する人もいるかもしれません。

本書では、100年の人生をより良く生きるために、
お金のことも、それ以外のことについても
新しいビジョンを示してくれます。

私は自分が100歳の人生を想定していたため、
資産運用や資金計画については、
それに基づいて計算し、実行していました。

しかし、本書を読んでそれ以外の
見えない資産や、新しいステージの生き方など、
まだまだ考えが足りないことがわかりました。

この本から何を活かすか?

なんだかんだ言っても、100年生きるには、
「お金」のことも大切です。

本書には、あなたの金融リテラシーが
簡単にわかる5つの質問が掲載されていました。

ぜひ、挑戦してみてください。

 Q1 あなたが銀行に100ドル預けていて、
  利息は年2%だとする。預金を引き出さない場合、
  5年後にはいくらになっているか?

 Q2 預金の利息が1%で、インフレ率が年に2%
  だとする。1年後、あなたがその口座お金で
  買えるものは増えるか、変わらないか、減るか?

 Q3 「1つの企業の株式を購入することは、
  投資信託を買うより一般的に安全性が高い」
  ―この主張は正しいか、間違っているか?

 Q4 「15年物の住宅ローンはたいてい、30年物の
  住宅ローンに比べて月々の返済額は多いが、
  返済する利息の総額は少なくて済む」
  ―この主張は正しいか、間違っているか?

 Q5 金利が上昇したとき、債券の価格は
  どう変動するか?

正解は「Read More」に記載します。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

≫ Read More


このエントリーをはてなブックマークに追加

| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

| PAGE-SELECT |