活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2016年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年10月

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100歳の精神科医が見つけた こころの匙加減

満足度★★★
付箋数:20

飛鳥出版社の江川さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「昔の人は、よく “匙加減” という言葉を
  使いました。元来、薬の量を測るときに用いた
  言葉が転じて、あらゆる場面で使われるように
  なったようです。
   “心の匙加減ほど、むずかしいものはない” 
  100歳を迎える今も、心は百人百様である。
  そう痛感しています。」

本書は、2016年11月で100歳となる現役精神科医の
髙橋幸枝さんが、「心穏やかに生きるための
ヒント」をまとめた本です。

1916年生まれの髙橋さんは、高等女学校を卒業後、
海軍省のタイピストとして勤務しました。

その後、縁あって中国・北京に渡り、日本人牧師、
清水安三さんのもとで秘書として働きました。

その清水さんに医師になることを勧められ、
医師になることを決意したのが髙橋さんが
27歳のときでした。

それから受験勉強を始め、国家試験に合格して
医師になったのが、33歳のときでした。

49歳で精神科を診療科目に加えた秦野病院を開院。

現在は100床を超える医療法人社団秦和会の
理事長を務めています。

  「頑張りすぎず、自分を甘やかせすぎず。
  我慢しすぎず、他人を頼りにしすぎず。
  このような匙加減を見極める眼力こそ、
  大人に必須の力です。
  100年生きてきて、思うのは匙加減の大切さ
  です。 “生きていく” とは、この匙加減を
  見極めていく営みにほかなりません。」

私が髙橋さんに共感したのは、
「あらゆる不幸は、人と比べることから始まる」
という考えです。

人は本能的に自分と周囲を比べてしまいます。

隣の芝生は青く見えてしまうもので、
他人の良いことと、自分の悪いことを
つい比べてしまうもの。

すると、どんどん自分が不幸に
思えてしまうです。

一方で、比べることが頑張る原動力に
なる場合もあります。

健全なライバル心を持つことは必要です。

ですから、人と比べることは不幸の始まりと
肝に銘じつつ、ちょうどよい匙加減に
留めておくことが大切なのでしょう。

また、50歳が近くまで迫ってきた私が、
本書を読んで感じたことは、
「まだまだ、新しくできることが沢山ある」
ということ。

髙橋さんは、80代や90代になっても、
新たな趣味を持ったり、新しいことに挑戦
しています。

そんな好奇心を持ち続けることが、
100歳まで現役でいる一番の秘訣です。

いろいろなことに衰えを感じる私ですが、
本書を読むと、今がやっと人生の折り返しで、
これから先の50年で、もっと面白いことに
挑戦できるとイメージできました。

  「本書で紹介する40の原則は、 “やろう” と
  思えば簡単に実践できることなのですが、
  ついさぼってしまうことがあります。
  そんなときは、 “やる” か “やらない” か、
  10秒考えるようにしています。
  その瞬間に心が不安定だと、10秒間の問答が
  むずかしくなります。
  だから、普段から心を穏やかにしておく
  ことが大切なのです。
  ではどうすれば、 “普段から心を穏やかに
  しておくこと” ができるのでしょうか?
  私は “迷いすぎないことが” 肝心だと思います。
  そのためには、普段から自分の
   “ちょうどよい匙加減” を知っておくことです。」

この本から何を活かすか?

本書の中で、髙橋さんが1つだけ、
匙加減が必要ないものを取り上げていました。

  「夢に限って、匙加減はいらない」

100歳になる髙橋さんでも、「将来の夢」が
あります。

何歳になっても、夢を描くと、人は雄弁になり、
ワクワクできます。

実現の可能性は二の次で、大きな夢を持つことが
長生きの秘訣のようです。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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選ばれ続ける必然

満足度★★★★
付箋数:27

  「会社の名前を聞いたりロゴを見たりしたとき、
  人はこれまでの体験や情報からその会社の持つ
  特徴やイメージ、もしくは評判などを頭の中に
  浮かべます。この “頭の中に存在する価値や
  イメージのかたまり” が “ブランド” です。
  アップルと聞いて思い浮かぶこと。
  不祥事を起こした会社の名前を聞いて
  感じること。こららすべてがブランドです。」

商品に魅力があるだけで、売れる時代では
ありません。

本書は、選ばれる続ける会社になるための
ブランディングについて、豊富な事例をもとに、
非常にわかりやすく解説した本です。

著者はブランディング・ディレクターとして
多くの企業の企業理念・ビジョン策定や、
ブランド戦略の立案に携わる佐藤圭一さん。

佐藤さんは、ブランディング行うことを
「BRAND」と「ING」の2つの要素に分解します。

「BRAND」では、「あるべき姿を規定して、
カタチにする」ことを行ないます。

これは何を伝えるべきかの「WHAT」の部分です。

「ING」では、「あるべき姿をあらゆる活動を
通して、伝え、浸透させる」活動を行ないます。

これはどう伝えるかの「HOW」の部分です。

この2つの要素のうち、9割の力を注ぐのは、
「BRAND」を明確にすることです。

なぜなら、「何を伝えるべきか」がはっきり
していないのに、「どう伝えるか」という
手段ばかりにとらわれるのは、穴の空いた
バケツで水を汲んでいるようなものだから。

本書でも、「BRAND」に的を絞り解説します。

あなたは、自分の会社の魅力や独自の価値を
言葉で語れますか?

東京ディズニーランド、ナイキ、アップル、
ヤマト運輸、スターバックスコーヒー・・・

こららの強いブランドの会社は、
「あるべき姿」が明確です。

会社のあるべき姿がはっきりしていると、
社員に共有されやすく、お客様にも理解され
やすい状況が生まれます。

そういった会社はお客様から共感されやすく、
ファンを作りやすくなります。

会社が伝えたいイメージと、お客様が受取る
イメージの間に差があったり、経営者と社員
の間にズレがあると、ブランドは確立しづらく、
選ばれ続ける会社にはなれないのです。

本書では、佐藤さんがこれまで手がけてきた
ブランディング・プロジェクトの実務経験を
ベースに、実践的なブランディングの
方法について解説します。

ブランディングで一番重要な、「あるべき姿」
をカタチにするときに、佐藤さんが最も大切に
していることは、「答えはその会社の中にある」
ということです。

そのため、ブランディングを進めるときは、
とにかく社員を巻き込んでいきます。

具体的には、次の4つのセッションを行ないます。

 1. 自分たちの現状を知り共有するセッション
 2. 未来に向けた自分たちの提供価値を
   考えるセッション
 3. 自分たちの印象やイメージを考えるセッション
 4. それらをまとめてあるべき姿を言葉にする
   セッション

事例として、よつ葉乳業のブランドプロミスが
紹介されていましたが、非常によく考えて
作られているものでした。

本書は、新書で200ページ弱の本でしたが、
非常に中身が濃く、読む価値のある本です。

自分の勤める会社や自ら経営する会社の
ブランディングを考えている方は必読。

また、ブランディングに興味がない方でも、
本書を読むとその必要性をすぐに理解し、
ワークショップを始めたいと思うことでしょう。

この本から何を活かすか?

本書の手法は、個人でもブランディングでも
活用できるのか?

  「自らの中に存在する想いや魅力を見つけ、
  整理し、あるべき姿としてカタチにすること、
  そしてそれに基づいてさまざまな活動に
  一貫性をもたらし、受け手が感じる印象や
  評価をあるべき姿に近づけていくという
  ブランディングの方法は、当然個人をはじめ、
  いろいろな対象に応用できます。」

個人のブランディングは、学生の就活や
家族の絆を強くする際にも使えるようです。

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| ブランディング | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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課長1年目の教科書

満足度★★★
付箋数:22

  「あなたが課長手前の役職、たとえば課長代理や
  係長であるとすれば、ぜひ課長を目指さないで
  ほしいと思います。」

本書は、「課長1年目の教科書」というタイトル
ですが、正確に言うと、課長としての働き方を
示した本ではありません。

課長からその上のポジションに出世するための
方法を具体的に示した本です。

本書の著者、平康慶浩さんは大企業から
中小企業まで150社以上の人事評価制度改革に
携わった人事コンサルタントです。

平康さんのつくる人事の仕組みには、
出世のルールも含まれています。

どんな人を課長や部長、執行役員や取締役に
出世させると、会社の経営がもっとよくなるかを
考えてコンサルティングを行ってるそうです。

本書では、人事のプロフェッショナルである
平康さんが、役員になるための働き方を示します。

最近では、出世に意欲を示す人が、
少なくなっていますし、出世だけが人生の
豊かさを示すものではありません。

しかし、出世が仕事や付き合いの幅を広げ、
社会人としての人生を充実させるための、
1つの手段であることに、変わりはありません。

  「あなたがすでに課長になっているのであれば、
  経営層を目指してほしい。
  なぜなら、課長というポジションこそが
  会社という組織の中で、経営層を目指すための
  入り口だからです。それはまさに、会社人生で
  二度目の採用試験に他なりません。
  そう、まさに課長こそが出世のための本番が
  始まるのです。」

40年近い会社人生の中で、課長が最も大きな
ターニングポイント。

サラリーマンに支持されてきた漫画、
島耕作シリーズも、「課長」が原点でした。

島耕作の連載が始まった1980年代は
同期入社の半分から1/3が課長になり、
課長はサラリーマンの1つの到達点であり、
同時に通過点でした。

しかし、時代は変わり2000年以降は、
同期の中で課長になれるのは、1/3から1/4程度。

今後は、課長になれるのは約2割程度になる
とも言われ、課長は手の届きにくい
エリートキャリアになってきているのです。

8割のビジネスパーソンが、
課長にすらなれない時代。

だからこそ、逆に課長候補としての心構えや、
課長1年目からの仕事への取り組み方が、
今後の社会人としてのキャリアに
大きく影響を及ぼすことになるのです。

ところで、課長までの昇進と、課長以降の昇進に
大きな違いがあるのはご存知でしょうか?

課長までの昇進は、仕事ができるかどうか。
一般的に言われる、優秀な人が課長に昇進します。

しかし、そこから先は、必ずしも優秀な課長が
部長になるわけではありません。

多くの企業では「職務主義」が採用されています。

これは、「部長の仕事にふさわしい人を
部長に据える」という人事の考え方です。

では、部長以降の仕事にふさわしい人とは、
どんな考えを持った人なのか?

部長は、課長に昇進するまでの延長線上で
仕事をしてはいけません。

  「部下を従業員だと思えない人は、役員に
  なることができません。そして役員になれる
  可能性のない人を、部長に出世させる経営者も
  またいないのです。」

部長以降で必要なのは、「使う側」になる
心構えです。

部下は会社がお金を出して雇っている者。
従業員は自分のお金で雇っている者。

つまり、会社そのものを自分と一体化し、
会社のお金を自分のお金だと思って
大切に使うように考え方を切り替えることが
求められるのです。

こうした部長以降の考え方を示しているのが、
本書の大きな特徴です。

この本から何を活かすか?

リーダーシップの基本を身につける
簡単なトレーニングが本書で紹介されていました。

それは、重要なミーティングや面接などの
開始5分前に、自分の考え方を紙に書き出し、
整理するというトレーニングです。

書き出す項目は次の3つ。

 1. 大きな目標や一生のうちに実現したいこと
 2. 他社と比較して自分には力があると
  感じた出来事
 3. ワクワクして、楽しいと感じた経験

この3つの中から、想像しやすいものを1つ選び、
具体的にイメージしながら数行書きます。

このトレーニングは、心理学上で言われる
「接近モチベーション」を高め、
頼れるリーダーとしての自信にあふれた
雰囲気を手に入れることができるようです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史

満足度★★★
付箋数:23

「音」に関する歴史上の発明と言えば、
トーマス・エジソンさんが、1877年に蓄音機を
実用化したことが有名です。

しかし、「音」歴史の起源まで溯ると、
ネアンデルタール人が洞窟の音響効果に
気づいたのが、そもそもの始まり。

この発見がなければ、20世紀に入って、
ジミ・ヘンドリックスさんが新しいサウンドを
作ることはなかったかもしれません。

歴史は、エジソンさんのような有名な発明家
だけで作られる訳ではないのです。

  「斬新なアイディアに向かって突き進む
  偉大な発明家や科学者―たとえばガリレオと
  彼の望遠鏡―の物語には、まぎれもない
  魅力がある。しかし、語ることのできる別の
  もっと深い話もある。レンズをつくる能力は、
  二酸化ケイ素に特有の量子力学特性や、
  コンスタンティノープル陥落にも支えられて
  いたのだ。ロングズームの視点から語ることは、
  ガリレオの天賦の才に注目する従来の物語の
  魅力を半減するものではない。
  ますます魅力を与えるだけである。」

本書は、まったく新しい発明を切り口にした、
まったく新しい世界史の物語。

「ガラス」、「冷たさ」、「音」、「清潔」、
「時間」、「光」の6つのイノベーションについて、
人類の進化の歴史を綴ります。

著者は、PBSとBBCのテレビシリーズ
『私たちはどうして現在にいたったか
(How We Got to Now)』の共同制作者で、
司会も務めるスティーブン・ジョンソンさん。

例えば、「音」のイノベーション関する年表は、
本書では次のように記されています。

 旧石器時代・ネアンデルタール人が洞窟内の
       音響学的効果を利用?
 1500年頃 ・音波の発見
 1857年  ・音を記録する機械「フォノートグラフ
       (音の自動筆記」ができる
 1872年  ・ベルが音をとらえ、伝える手法を発見
 1877年  ・エジソンが蓄音機を発明
 1910年  ・無線機で史上初めて人間の声を船から
       海岸に送信することに成功
 1920年頃 ・真空管の発明
 1920年代 ・拡声器ができる
      ・ラジオが家庭で聴けるようになる
      ・ラジオによってジャズがアメリカ全土
       に広がる
 1930年代 ・ヒトラーが真空管アンプとマイクを
       使って演説
 1950年代 ・真空管アンプを使うギタリストが
       魅力的な音の「ひずみ」に気づき
       はじめる
 1956年  ・北米とヨーロッパの間で初めて
       大西洋横断電話線が敷かれる
 1960年代 ・ビートルズが真空管アンプとマイクを
       使ってライブを行う
      ・ジミ・ヘンドリックスが新しい
       サウンドをつくる
 現代   ・ソナーによる海洋探査
      ・超音波による妊娠検診

ここでは年表に出来事を並べましたが、
エポックメイキング的な出来事の裏には、
それが生まれるに至った物語があります。

名もなき市井の人びとの努力で
生み出されたものや、偶然見出された発見が、
現在の文明につながっているのです。

ある分野でのイノベーションが、まるで違う
領域で変化を引き起こすこともあります。

本書では、そんな不思議な影響の連鎖が、
新しい視点での歴史を紡ぎ出しています。

この本から何を活かすか?

公衆衛生の歴史を紐解くと、人類は「清潔」さ
をずっと求め続けてきました。

私たちが安心して「水」を飲めるように
なったのも、先人たちの努力のおかげです。

現在の「清潔」さは、どこまで進化しているのか?

最近では、「きれいすぎて飲めない水」が
作られています。

これはコンピュータのマイクロチップの
製造に使う超純水。

超純水は細菌汚染だけでなく、
普通に浄化された水に含まれるミネラルや塩分、
その他のイオンも取り除かれています。

超純水は、マイクロチップには理想的な
溶液ですが、人間が飲むと、逆にミネラル分が
吸い取られてしまうため、「飲めない水」に
なっているようです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マイケル・ジャクソンの靴下はなぜ白いのか?

満足度★★★
付箋数:19

  「日頃からボクは何事にも法則があると
  思っています。その法則を分析し、それを形に
  するのがマーケティングだと感じています。
  テレビ番組も一緒です。様々な法則のものと、
  ヒット番組が生まれています。戦略なくして
  ヒットするのはアートだけだと思います。
  クリエイティブは、戦略が必要です。
  ボクは毎日のように経営者に会います。
  そして、成功した人には、それなりの法則が
  あると感じています。各個人が自分の欠点や
  弱点と向き合い、そして頂点を伸ばせるように
  いろんな作戦を考えています。
  そんな成功の法則をまとめさせていただき
  ました。
  大切なのは “考えている” ということです。
  正確には、 “考え抜いている” ということです。」

本書は、成功者たちの逆転発想、
36の具体例をまとめた本です。

著者の野呂エイシロウさんは、放送作家。

「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で
放送作家デビューし、「ザ! 鉄腕! DASH!!」や
「奇跡体験! アンビリバボー」などの人気番組を
手掛けた方です。

また、放送作家として培ったノウハウを
企業戦略に応用する、PR戦略的コンサルタント
としても活躍しています。

ソフトバンクやライフネット生命などの
プロジェクトに携わっているようです。

本書は、テレビ業界に居ながら、経営者にも
頻繁に会っている、野呂さんの特殊な立場を
生かして成功法則がまとめられています。

タイトルの「マイケル・ジャクソンの靴下は
なぜ白いのか?」の理由については、
本書を手にして確認していただくとして、
ここでは他の成功法則を紹介しましょう。

 「大隈重信はなぜ文字を書かなくなったのか?」

総理大臣を務め、早稲田大学の創設者としても
有名な大隈重信さん。

大隈さんは、文字を書かず、仕事で必要な
書類もすべて代筆で済ませていたそうです。

これは大隈さんが、ものぐさだったからでは
ありません。

実は、少年時代に通っていた佐賀藩の学校、
弘道館でどうしても文字のうまさでは勝てない
学友がいて、負けず嫌いの大隈さんは
「文字を書かなければ負けることはない」と
決め、そこから一切文字を書くことを止めました。

普通なら、もっと文字を練習してうまくなる
とか、習字以外の科目で勝ちを取るとか
考えます。

しかし、大隈さんは絶対に負けることが
ないように、「文字を書かなけれならない」
というルールを変えてしまったのです。

その後、勉強はひたすら暗記で克服したと
言われています。

このエピソードから野呂さんは、成功者の
「発想のポイント」として、3点を挙げています。

  ・ルールは絶対的なものではない
  ・負けたくなかったら勝負をやめること
  ・閉塞感を感じたら「ルールを変えたら
   どうなるか」という視点を持つ

この実例として、スポーツの国際大会で
日本人が勝ち過ぎると、突然、ルールが変わる
ことがあります。

スキーのジャンプやフィギャースケート、
柔道などでルール変更がありました。

日本は変えたら側ですから、理不尽さを感じた
方も多いと思いますが、逆の立場からすると、
競技以外の力も利用して勝ったことになります。

日本人は真面目過ぎるので、ルールは守るもの
という発想に縛られがちですが、
特にビジネスでは、ルールに縛られない
自由な発想が必要なのかもしれません。

本書では、このようなエピソードがら
引き出された教訓を、成功法則としています。

この本から何を活かすか?

 「飛行機はなぜ左側に搭乗口があるのか?」

よく観察していないと、そもそもこんな疑問は
出てきません。

実はこれ、船から引き継がれた慣例のようです。

もともと、多くの船が行き交うとき、
そえぞれが勝手な向きに港に進入すると
衝突が起こるため、船首に向かって左から
接岸し、人や荷物の乗り降りをすることが
習慣になったそうです。

このように、何気ない日常のことに、
どれくらい注意を払えるかが、ビジネスで
発想力を養うのに大切なようです。

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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正解が見えない課題を圧倒的に解決する 超仮説思考

満足度★★★★
付箋数:28

  「本書は、新しい知識やフレームワークを
  紹介するものではない。ここでは、優れた
  経営者たちの自由自在なモノの見方を
  題材として取り上げ、様々なエクササイズに
  仕立ててある。トレーニング形式で直感力を
  鍛える “ビジネス版禅問答” だ。
  それらに取り組みながら、自分のモノの見方を
  変える訓練をしてみて欲しい。」

知識やフレームワークを使うと、一見すると、
「それらしい解」が導き出せます。

しかし、優れた経営者の視点に立つと、
それだけでは足りません。

本書は、フレームワークの通じない領域に
踏み込むための本です。

そのためには、視野を広げて多様なモノの見方を
身につけなければなりません。

著者は、コーン・フェリー・ヘイグループ社長の
高野研一さんです。

まず、本書に掲載されているエクササイズを
1問やってみてください。

  「思いついた10個のアイディアの中から
  1番いいアイディアを使う芸人は、消えていく
  といいます。それでは、長生きする芸人とは
  どこが違うのでしょうか?
  (ヒント)ノートの使い方に違いがあります。」

芸人が消えていく理由は、1番いいネタを
使うからではありません。

消えていく理由は、もっと根底にある、
最初に思いついた10個のアイディアの中から、
ネタを選んでいることにあります。

最初に思い浮かんだ10個程度のネタは、
芸人であれば誰もが思いつくようなもの。

だから、本当に生き残っていく芸人は、
最初に頭に思い浮かんだ10個のネタを捨てて、
11個以降に出てきたネタの中から、
1番面白いネタを使うのです。

これはビジネスでも同じで、アイディアを
出す場合、ホワイトボードに書き出された
アイディアを捨て、そこに書かれなかった
アイディアを探すのです。

これはソフトバンクの孫正義さんが、
実践する、「量を質に転化する」思考法に
近い考え方です。

インターネットの時代においては、グーグルで
検索すると、それなりの知識や解答が得られます。

しかし、グーグルで検索しても出てこない
仮説をたぐり寄せる力こそが、これからの時代は
新しい価値を生むのです。

本書では、グーグルで検索しても出てこない
仮説のことを「超仮説」と呼びます。

正しいグーグルの使い方は、生き残る芸人と
同じで、自分の仮説を検索してみて、
同じようなアイディアが簡単に引っかかったら、
その仮説を捨てるために使うのです。

そうすることで、世間の人には見えていない
世界が、見えてくるようになります。

本書のテーマは、フレームワークでも
グーグルでもアプローチできない超仮設を
いかにしてたぐり寄せるか。

見えない世界にイマジネーションを広げるほど、
発見が豊かになり、リターンも大きくなります。

私たちが受けてきた学校教育や受験の世界では、
「唯一の正解」がありました。

しかし、これからの時代においては、
「唯一の正解がある」という幻想を捨て、
その時々で何が最も価値や効果を生むのか、
自由に発想を広げることが求められます。

私は、グーグル検索やフレームワークに
頼りがちなので、そこから先の世界に
踏み込む、必要性がよくわかりました。

ロジカルシンキングの本などを何冊も
読んできた人ほど、読むべき本だと思います。

個人的には、この最近で読んだ本の中では、
最もオススメしたい一冊。

この本から何を活かすか?

見えない世界を解明するには、仮説を立てて、
それが本当なのかを検証することが必要です。

そこで、考えた仮説がうまくいかない場合は、
2つの可能性があることを考えます。

1つは、自分の仮説が間違っている可能性。

もう1つは、仮説は合っていても、
自分が気づかないボトルネックがあり、
それを取り除かないと成果につながらない可能性。

成功する人は、後者の可能性を深く考えるようです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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社長の直感ほどあてにならないものはない

満足度★★★
付箋数:21

受験指導のプロで、ビジネス書等のプロデュース
も行っている小川大介さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

本書は、悩みを抱える中小企業やベンチャー企業の
社長向けの本です。

 ・いつも時間に追われている・・・
 ・朝から晩まで仕事をしているのに、
   それでも終わらない・・・
 ・決めたルール通りに部下が動かない・・・
 ・頑張っているのに売り上げが上がらない・・・
 ・自分の時間をつくることができない・・・

あなたの会社が、これらの中で1つでも
当てはまることがあるなら、それは社長である
あなたの直感に頼った経営になっている
可能性があります。

  「中小企業やベンチャー企業は、社長の安易な
  思いつきで次々やりたいことを初めてしまえる
  ので、対応できないほど事業が広がっていたり、
  社員がみんな複数の業務を兼務しないといけない
  状況になっていたりします。
  しかし、それが厳しい現実をつくっている
  としたらどうでしょうか。
  かつての僕がそうでした。直感やひらめきを
  試したい感情に引っ張られ、一歩間違えば
  危なかったところまでいっていたのです。」

本書の著者、a-worksを創業した野山大彰さんは、
かつての自分の経営をこのように振り返ります。

野山さんは、20:80の法則の、8割を削ぎ落とし、
2割に事業を集中させ、直感に頼る経営から、
理念とビジョンを浸透させる経営に
切り替えることで、年商を15倍に成長させました。

社長の直感ほど、当てにならないものはない。

中小企業では、社長がスパープレーヤーでも
あるため、とかく「ODOD現象」が起こりがち。

社長が「思いつきDO、思いつきDO」を
ひたすら繰り返してしまうことを
本書では、「ODOD現象」と呼びます。

ODODではメンバーみんなを振り回すことになり、
「やってみなければわからない」という結果が
必然となります。

そのため、うまくいくときはうまくいくし、
駄目なときは駄目となってしまい、
無駄がどんどん増えていきます。

PDCAを回しているつもりになって、
実は「P」が思いつきになっていると、
ODODに陥ってしまうのです。

「PDCDを回せ」とビジネスでよく言われますが、
単に、「Plan(計画)」、「Do(実行)」
「Check(評価)」、「Act(改善)」の4段階と
認識しているだけで、その本質的な意味を
知らない人が多いと野山さんは指摘します。

  「PDCAとは、問題解決のためのアクション
  フレームワークである。業界全体を俯瞰して、
  各種事実のデータを確認し、何の問題を
  解くことが事業に一番インパクトが出るかを
  見極め、その問題解決へのロードマップ
  (解決戦略)を作り上げ、成功した場合、
  どの数字がどのように変化するのかを
  事前に定義したうえで完遂し、その数字の
  変化を振り返り、その事実を元に次の
  問題解決へのロードマップを構築し、
  次のアクションを行うこと」

この中で、野山さんが大事だと考えるのは、
「P」と「C」です。

「P」は、事実確認したうえでの問題解決に
おける論点設定と仮説構築、ならびに
KPIの設定です。

「C」は、そのKPI設定した数字の変化を追い、
なぜそうなったのかを振り返って、
次のアクションをどうすべきかを
検討することです。

本書では、a-worksの転機を振り返り、
「超えられる気がしない経営の大きな壁」を
乗り越える方法を、わかりやすく伝えます。

この本から何を活かすか?

a-worksは「パチンコ」「麻薬」「光通信」で
ビジネスモデルを構築したと言います。

もちろん、これらを商材として扱ったのではなく、
あくまで「喩え」です。

パチンコとは、お金を払いたい人たちに
効果的にお金を使ってもらうビジネスモデル。

麻薬とは、本当は必要なものではないのに、
1度でも使ってしまうと、やめられなくなる
中毒性のあるようなビジネスモデル。

光通信とは、川上のメーカーと川下の小売業の
中間にいる卸業を行うビジネスモデル。

社員に共有するビジネスモデルは、
このような喩えを使うと、伝わりやすいですね。

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| 経営・戦略 | 05:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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武器としての人口減社会

満足度★★★
付箋数:24

本書は、客観的な統計データを用いて、
日本の未来について考える本です。

著者は、2013年よりOECD(経済協力開発機構)
東京センター長を務める村上由美子さんです。

「弱み」は「強み」に変えられるとは、
よく聞くフレーズですが、これは個人だけでなく、
国家にも当てはまるようです。

  「私はこれまで人生の半分を外国で暮らし、
  外国の会社や国際機関で勤務することで、
  日本を国内外の両方から俯瞰する機会を
  得ました。日本が抱えている少子高齢化の
  問題が深刻であることには違いありません。
  しかし、テクノロジーの進化により世界経済が
  抜本的な構造改革を遂げようとしている
  この局面は、日本にとって多くなチャンスです。
  多くの日本人がこのチャンスに気づき、
  人口減少でさえもメリットとして最大限に
  活かすことができれば、日本が課題解決の
  先進国として、世界経済の成長を先導して
  いけるはずです。」

人口減少は、一般的にその国にとっては、
国力が低下するデメリットです。

しかし、そこに危機感を持って、
「集中と選択」による改革を行うことで、
長期低迷してきた生産性を高めることが
できるのです。

その背景にあるのは、日本の高い潜在能力。

能力の高い日本人女性、優秀な中高齢、
高学歴ニートなど、現在は十分に活用されて
いない、「人材」の宝の山があります。

特に日本の女性は国際比較統計から見ても、
読解力と数的思考力で世界のトップレベルの
能力を持っています。

女性を、もっと活用できる環境をつくり、
周囲の理解も今以上に進めば、
日本のGDPを押し上げることも可能です。

活用されていない日本の女性は、
見方を変えると、「Best Kept Secret
(最高の隠し玉)」なのです。

また、イノベーションにつても統計データを
見ると、世間一般の認識とちょっと違う
ことがわかります。

  「日本ではイノベーションが生まれない
  のではなく、生まれたイノベーションが
  拡散するメカニズムがうまく機能していない
  ために、その恩恵が経済全体に行きわたらず、
  生産性の向上につながっていないのでは
  ないでしょうか。」

実は、日本は世界でもトップクラスの
イノベーション大国。

2005年以降、最も大きな経済インパクトを
もたらした20種のテクノロジー分野での
特許数を見ると、日本は、ほぼすべての分野で
上位3カ国に入っています。

つまり、日本はイノベーションの「種」を
他国と比べても、圧倒的に多く生み出して
いるのです。

しかし特許が商品化されて、市場価値を
生み出しているかを見てみると、
日本は他の国から劣っていることがわかります。

新商品を市場に導入した企業の割合が、
製造業で約13%、サービス業では7%と
非常に低いレベル(世界で19位)に
留まっているのです。

本書で示されるデータを見れば見るほど、
日本は高い潜在能力を持ちながらも、
それを活かしきれていない現状がわかります。

  「どんな事業を成功させるにも、 “人” 
   “物”  “金” の三大要素が不可欠です。
  量より質で勝負することを日本が選択する
  ならば、この国は “人”  “物”  “金” の
  すべてを揃えていると言えるのです。
  いま私たちにとって重要なのは、
  少子高齢化社会の日本の未来を悲観する
  ことではなく、課題先進国としての
  優位性を認識し、それを日本の武器にして
  戦っていくことなのです。」

本書は、統計資料の活用の仕方を学ぶ
「お手本」としても有用な一冊です。

この本から何を活かすか?

本書で、「日本の中小企業の8割が
創業10年以上」というデータが
示されていました。

「10年以上」と聞くと、日本の中小企業は
頑張っているなと感じるかもしれませんが、
村上さんの視点は違います。

  「起業後に大きく事業展開を拡張することなく、
  市場からも撤退もせず、長期にわたり
  小規模のまま市場に存在する企業が多い」

このデータは、日本企業の「新陳代謝」が
進んでいないことを示しているのです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 11:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あなたの体は9割が細菌

満足度★★★★
付箋数:25

マウスの遺伝子は2万3000個、小麦の遺伝子は
2万6000個、線虫の遺伝子は2万500個。

ヒトゲノムが解析される前に、ある科学者の
クループが、先に判明していた動植物の
遺伝子の数から、ヒトの遺伝子数を予想しました。

ヒトが保有する遺伝子の数はいくつあるのか?

知的思考力を持つヒトという生き物の複雑さを
考えると、遺伝子の数はかなり多いはずであると
専門家たちは予想しました。

予想の平均値は5万5000個で、最高は15万個でした。

しかし、ヒトゲノムの解析が終了されて、
判明した結果は、ヒトの遺伝子の数は、
線虫とほぼ同じ、わずか2万1000個でした。

遺伝子がタンパク質をつくり、タンパク質が
身体をつくるのなら、複雑で高度な身体をもつ
ヒトには、より多くの遺伝子が必要になる
のではないのか?

しかし、この2万1000個の遺伝子だけが、
私たちの身体を動かしているのではありません。

人体は、共存共栄しながら、私たちの体を
維持している生物種の集合体。

サイズや重量では、ヒトの細胞は大きいですが、
数で比べると、ヒトの細胞の数より、
共生する微生物の細胞数の方が遥かに
多いようです。

  「あなたの体のうち、ヒトの部分は10%
  しかない。あなたが “自分の体” と呼んで
  いる容器を構成している細胞1個につき、
  そこに乗っかっているヒッチハイカーの
  細胞は9個ある。あなたという存在には、
  血と肉と筋肉と骨、脳と皮膚だけでなく、
  細菌と菌類が含まれている。
  あなたの体はあなたのものである以上に、
  微生物のものでもあるのだ。
  微生物は腸管内だけで100兆個存在し、
  海のサンゴ礁のように生態系をつくっている。」

私たちの体内に棲息している微生物を総称して、
マイクロバイオータと呼びます。

また、マイクロバイオータのDNAを総称して、
マイクロバイオームと呼びます。

ヒトの遺伝子はわずか2万1000個ですが、
マイクロバイオームは440万個の遺伝子を
持ちます。

私たちの体は、ヒトの遺伝子2万1000個と
微生物の遺伝子440万個が協力して
動かしているのです。

米国の国立衛生研究所(NIH)は、
人体の正常な細菌構成を調べるために、
ヒトマイクロバイオームプロジェクトを
立ち上げました。

このプロジェクトで、ゲノム塩基配列決定技術
によって、健康な人と共生する微生物群の
参照データが初めて作成されました。

本書は、ヒトマイクロバイオームプロジェクト
の成果を踏まえて、最近の体内微生物の生態系が
破壊されている現状をレポートします。

著者は、イギリスのサイエンスライターで、
「サンデー・タイムズ・マガジン」誌や
「ガーディアン」紙に記事を書き、
ラジオやテレビの野生動物番組にも出演する
アランナ・コリンさん。

私たちの肥満も、アレルギーも、うつ病も
微生物の問題だったと、コリンさんは指摘します。

本書では、微生物生態系とヒトの健康との
関係を解き明かします。

 プロローグ 回復はしたけれど
 序章 人体の90%は微生物でできている
 第1章 21世紀の病気
 第2章 あらゆる病気は腸からはじまる
 第3章 心を操る微生物
 第4章 利己的な微生物
 第5章 微生物世界の果てしなき戦い
 第6章 あなたは微生物が食べたもので
    できている
 第7章 産声を上げたときから
 第8章 微生物生態系を修復する
 終章 21世紀の健康
 エピローグ 100%の世話をする

この本から何を活かすか?

カロリー計算だけで体重はコントロールできません。

それは渡り鳥や冬眠する哺乳類がいることを
考えると明らかです。

実は、腸内の微生物群があなたに代わって、
食べ物から余分なエネルギーを引き出すか
どうかを決めているのです。

  「ウィルスと細菌を含めた微生物は、
  過食と運動不足だけで肥満になるわけではない
  ことを教えてくれている。食事からエネルギーを
  どう引き出すか、そのエネルギーをどう使って
  どう貯蔵するかは、各人が抱えている腸内の
  微生物集団と複雑に関係している。」

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| 科学・生活 | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか

満足度★★★★
付箋数:26

  「これまで “ハーバード” という名称が
  タイトルに載った本は何十冊と出版されて
  いるが、それらは辛辣な言い方をすると、
  すでに “賞味期限” が過ぎているものである。
  これまでの本は、HBSが100周年を契機に行った
  深い反省について触れていない。」

このように語るのは、本書の監修を務めた
ハーバード・ビジネス・スクール(以下HBS)
唯一の日本人教授の竹内弘高さん。

世界中から優秀な人材が集まり、その人材を
鍛え上げて、世界を変えるリーダーとして
輩出してきたHBS。

世界金融危機の震源地となった
ウォール・ストリートにも多くの卒業生たちを、
送り出していました。

HBSは、自分たちの教育が、
あの金融危機の原因を作ってしまった
のではないかと、深く反省しました。

その反省から導かれた結論が、知識から実践、
自身を知ることへの移行であり、
ケース・メソッドとフィールド・メソッドの
両立でした。

ハーバードと言えば、1908年の創立以来、
100年にわたって行われてきた、
ケース・メソッドが有名です。

ケース・メソッドは、ある組織が抱える
具体的な課題について記述されたケースを読み、
教授のファシリテーションのもと、
教室で議論して学んでいく教授法。

しかし、この教授法は時代遅れになっていると
大前研一さんなどからも指摘を受けていました。

そこで、世界金融危機を経た2010年以降、
HBSは教育改革を進めました。

そのひとつの柱が、MBA2年目の選択コースに
誕生したフィールド・スタディ型授業です。

これは教室を出て、自ら経験する中で学ぶ
IXP(Immersion Experience Proguram)という
フィールドプロブラム。

中国、インド、ブラジル、シンガポールなど、
多くのIXPがある中で、特に日本の東北を訪れる
ジャパンIXPの人気が高いそうです。

  「2012年にこの授業を履修した2年生22名は、
  航空運賃も含めると総額40万円の参加費
  (以降は約50万円)を自腹で負担し、
   “3・11” 東日本大震災の10ヶ月後に日本に
  やってきた。真冬の2週間をどっぷり東北の
  現場に浸かって、ケースを通しては学べない
   “doing” の経験を積んだ。石巻・女川地区で
  仮説住宅建設のために梅の木を20本抜いたり、
  煉瓦を除去したりしながら、頭だけでなく
   “心・技・体” を鍛えることの重要性を
  学んだ。」

これは単に、ボランティア活動をするだけの
プロブラムではありません。

地元のアントレプレナーと交流したり、
受け入れ先のパートナー企業で、リサーチや
コンサルティングを行ったりします。

東北は、もともと高齢化、過疎、人口減少、
産業衰退などの様々な課題を抱えていました。

そこに東日本大震災による被害を受けたことで、
30~40年先の未来が前倒しにやってきました。

経営学の教科書的には、事業をやっては
いけない典型的な場所です。

そんな環境の中に現実として、地域のため、
社会のため、未来のために、熱い想いで働く
人たちがいます。

HBSの学生たちは、東北でのフィールド・スタディ
によって、事業とはあくまで社会のための手段
であって目的ではないというソーシャルビジネス
の本質を学ぶのです。

本書は、HBSで5年連続で実施される超人気授業、
東日本大震災の被災地、東北での
フィールド・スタディの全貌を伝える本です。

この本から何を活かすか?

  「ワイナリーと言えば、ワイン好きの人が
  作ったよいワインを多くの人に飲んでもらう
  ために作るというのが一般的だろう。
  リタイアしたお金持ちの人がオーナーに
  なっているイメージも強い。
  しかし、仙台市の近郊、秋保温泉郷に
  2015年にできた秋保ワイナリーは、
  あくまで秋保、そして東北を盛り上げる
  という目的のために作られたワイナリーである。」

秋保ワイナリーはHBSのフィールドプログラムの
受け入れ先企業です。

本書には、しっかりとした社会的なミッションを
持つ応援したくなる企業がいくつも登場します。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビジネスと生活を100%楽しめる! 陰山手帳2017


※上は2016年版の参考画像です。
ビジネスと生活を100%楽しめる! 陰山手帳2017(茶)

ビジネスと生活を100%楽しめる! 陰山手帳2017(黒)

ダイヤモンド社の上村さんから頂きました。
ありがとうございます。

本日紹介するのは、「陰山手帳2017」です。

本ではなく、まだ未使用の手帳ですから、
いつもの満足度と付箋数は書いていません。

考案者は、教育者で、現・立命館大学教授、
立命館小学校校長顧問の陰山英男さんです。

陰山さんと言えば、百ます計算などの
陰山メソッドと呼ばれる教育方法が有名です。

もう10年近く前になりますが、ウチの子も
小学生のときに陰山メソッドを実践したことが
ありました。

そんな陰山さんが開発したビジネス手帳は、
プレジデント誌「読者大調査 2016 売れ筋手帳」
ランキングで第2位になった大人気の手帳です。

  「長年、教育の世界にたずさわってきて、
  確信したことがあります。
  それは、日常の生活習慣の重要性です。
  規則正しい生活をしている子どもはどんどん
  伸びますし、そうでない子どもは、伸び悩む
  傾向があります。
  大人でも、それは同じことです。
  睡眠が足りなかったり、食事がいい加減では、
  仕事で力を発揮することはできません。
  つまり、時間だけでなく生活も管理する
  必要があるのです。
  この手帳は、
   ・生活管理
   ・時間管理
   ・目標管理
  の3点をマネジメントすることに配慮して
  作成しています。」

この手帳には、食事や睡眠時間を
記録できるようになっているので、
ビジネスとプライベートを同時に
充実させることができます。

今の世の中は、スマホの時代ですから、
正直、スケジュール管理の部分では、
リマインダー機能などもないので、
手帳の優位性は少ないのかもしれません。

しかし、そんな時代でも手帳の需要が
衰えないのは、書いた内容を一覧できることと、
手書きすることでアイディアが生まれるからに
他なりません。

私も、何かを考えるときは、スマホではなく、
ペンを持って紙に書きます。

この陰山手帳は、週間予定のパートが、
左ページが縦型の週間予定表になっていて、
右ページが丸々方眼のメモ欄になっています。

方眼は、ロジックツリーを描いたり、
ちょっとした地図を描いたりするには最適です。

また、この週間予定のパートとは別に、
フリーの方眼メモ欄が50ページ以上も
ついていますから、別のノートも持ち歩く
必要がありません。

あと、日付の入った手帳で悩ましいところは、
代替わりするたびに、新しい手帳に書き写す
作業が必要なことです。

これが単なる連絡先とかだったら、それこそ
スマホで管理しているので必要ありませんが、
長期の目標だったら、目標は書き写せても、
それまでの経緯が見えなくなってしまいます。

そこで、この陰山手帳には、切り離して、
次の手帳に挟み込める「目標管理表」が
ついています。

  「目標は手帳に書き、常に見て確認することが
  達成への第一歩です。しかし、5年、10年単位の
  目標を、1冊の手帳で管理するのは困難なもの。
  そこで、手帳が代替わりしても都度書き写さ
  なくてもよいように、別冊としてこの
  『陰山英男の目標管理表』をつくりました。」

長期目標以外にも、記念日の記録や
キーパーソンの記録、パスワードの管理の
記入欄もあります。

私も2017年は、この陰山手帳を使ってみます。

この本から何を活かすか?

「陰山手帳2017」はA5変版で256ページに、
別冊の目標管理表が32ページあるので、
持ち歩くには、少し重たいと感じる方も
いるかもしれません。

そんな方には、「陰山手帳2017 ライト版」が
いいでしょう。

46版の224ページに陰山手帳のエッセンスを
凝縮して、携帯性を高めた手帳です。

こちらは小さいながらも、縦型の週間予定表や
プロジェクト管理表、1行日記などがあり、
生活習慣も上手に管理できるように
設計されています。

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| 時間術 | 12:39 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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はじめての問題解決力トレーニング

満足度★★★
付箋数:23

  「多くの企業や自治体、大学などへの
  コンサルティング活動を通じてわかったことが
  あります。それは会議の場に用意される
  大半の資料が、すでに決まっている
   “言いたいこと” を示すための、
  生データにしかすぎないことです。
  組織の問題を考える時に数字を用意して
  議論するのは、思い込みを排除するためには
  とてもよいことです。でも、結論や主張したい
  ことが最初から決まっていて、それらを
  導き出すために数字が用意されているのでは、
  思い込みの罠から逃れることはできない
  でしょう。」

本書は、問題解決のための入門書。

著者は、ビジネス・ブレイクスルー大学
経営学部教授の斎藤顕一さんです。

本書で斎藤さんが伝えるのは、コンサルタントが
使う問題解決のテクニックではありません。

対象は、現場で自ら積極的に問題解決に
取り組む人たち。

問題解決に関してはプロフェッショナルではなく、
実践するアマチュアが対象です。

そもそもプロフェッショナルとアマチュアでは、
問題解決の方法が異なります。

プロのコンサルタントは、自分がまったく
知らない事業を行うクライアントのところに
行って、解決策の提案を行ないます。

そのためには、膨大なデータを収集し、
緻密な分析を行ない、水も漏らさぬロジックで
問題発見を行ないます。

現場に立ったことのない人間が、その事業を
知り尽くしている経営陣を説得するのですから、
労力をかけた分析が必要なのです。

しかし、自分が従事する事業について
問題解決を行う場合は、そこまでの分析は
必要ありません。

なぜなら、問題解決についてはアマチュアでも、
自社のことについてはプロだからです。

必要なのは、解決の方向性を見出すことに
つながる、問題の「あたりづけ」。

これができれば、解決策を試しながら、
PDCAを回して、問題解決に近づくことが
できるのです。

  「本書では、問題のあたりづけをするために
  必要なアプローチと、どのように情報を分析し、
  意味合いを見出していくのかを解説して
  いきます。情報収集や分析を行ったことがない
  読者を想定していますので、収集する情報は
  最低限の基本の数字のみとします。」

本書では、あまり問題が複雑にならないように、
あるパン屋さんのバリューチェーンに沿って、
問題解決に当たります。

本書の問題解決の鍵となるのは、
「チャート化」して理解を深めることです。

チャートと言っても、集めた情報の数字を
そのままグラフにしたデータチャートと、
問題を理解するためのキーとなる分析結果を
示した分析チャートの2種類があります。

最初から意味のある分析チャートを
描くことはできないので、データチャートを
何枚も描いて、そこから分析チャートへ
昇華させていきます。

 プロローグ 身近な例でチャートを描いて
      問題点を“あたりづけ”してみる
 第1章 自社の現状に問題はあるのかないのか、
    基本の数字でざっくり理解する
 第2章 参入している市場にチャンスが
    あるのかないのか、を知る
 第3章 自社のバリューチェーンのどこに
    どのような課題があるのかを理解する
 第4章 自社のインフラにどのような課題が
    あるのかを理解する
 第5章 問題の本質をつかまえたら、
    解決方法をイメージしてみる

斎藤さんは、長年BBT大学で問題解決法を
教えているだけっあって、本書はポイントを
押さえた、わかりやすい内容になっています。

この本から何を活かすか?

自分が思っていたことを支持する
情報があると、そこから導かれる結論に、
すぐに飛びついてしまいがちです。

しかし、目に見える具体的な事象だけに
対処すると、根本的な原因の解決にならず、
あらたな問題が発生することがあります。

誤った結論を導かないためには、
「帰納法」を使って情報を整理する
ことが有効です。

要点を抽出して、組み合わせてまとめる。

そして、まとめたものから徐々に抽象度を
上げて、根本的な原因を解決する結論を
導き出します。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 10:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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君は憲法第8章を読んだか

満足度★★★
付箋数:23

政府は「地方創生」をスローガンに挙げ、
東京一極集中を是正し、地方の活性化と
人口減対策を行なって、日本全体の活力を上げる
ことを目的とした政策を打ち出しています。

しかし、お題目ばかりで、地方再生への道筋は
ほとんど見えてきていません。

そもそも、なぜ、日本の地方は再生しないのか?

その根本的な原因を大前研一さんは、
江戸時代から連綿と続く、非常に強固な
中央集権の統治機構にあると考えています。

日本では、中央政府が多くの権限を
独占しているため、地方は特色のある政策を
実行することができないのです。

その元凶になっているのが、「憲法第8章」。

  「日本という国をより良くするための
  憲法改正を目指すなら、まず私は国民
  一人一人に、地方の権限や責任を規定
  している第8章を読んでもらいたいと思う。
  3分もかからずに読めるこの章から
  地方自治についてどんなイメージが浮かぶか、
  これで “地方創生” (そもそも “創生” は
   “初めて生み出すこと” だから意味不明の
  言葉だが・・・)ができているかという
  疑問を持ちながら、憲法における地方の
  位置付けを確認してほしい。」

確かにそう言われると、憲法の前文や第1条、
第9条などは読んだ記憶がありますが、
これまで「第8章」を読んだ記憶はありません。

第8章は、憲法のかなり後ろの方にあります。

第92条から第95条で構成されていて、
この第8章以降は、憲法の改正手続きや
最高法規性を定めた条文があるだけ。

この位置付けこそが、戦後日本の間違った
統治機構を象徴していると、大前さんは
指摘しています。

日本国憲法(第8章 地方自治)

私も、今回、読んでみましたが、
「えっ、章と言いながら、たったこれだけ?」
というのが正直な感想でした。

  「 “地方自治” という章でありながら、
  条文はあまりにも短く、“地方自治体”
  というものについて何も定義されていない。
  我々が日ごろ “地方自治体” と呼んでいる
  ものは、ここでは “地方公共団体” としか
  呼ばれていない。
  つまり、都道府県や市町村は “地方自治体”
  (自治の機能を持つ団体)ではなく、
   “地方公共団体” (地方における行政サービス
  を行うことを国から認められた団体)
  でしかないのである。」

「地方自治」と「地方分権」は似て非なるもの。

現在の地方は、「立法」「行政」「司法」の
三権が与えられておらず、経済的に自立する
ことができません。

あくまでも国からの「分権」でしかないのです。

この考えは、自民党の憲法改正案でも
修正されていないようです。

それどころか、地方公共団体が国の定めた
政令や省令を修正する権限を持たないため、
自治とは真逆の発想による改正案に
なっています。

では、本当の地方自治を実現するためには、
日本の統治機構をどう変えるべきなのか?

大前さんが、30年近く前から主張しているのは、
「道州制」の導入です。

道州制と言えば、最近では自民党や民主党の
マニフェストにも盛り込まれていますが、
これは大前さんの考える道州制とは、
名称だけ同じで、内容はまったく別物です。

大前さんの道州制は、中央の出先機関ではなく、
各道州が1つの国のように機能するもの。

その手本は、戦国時代にあるようです。

  「伊達政宗、毛利元就、織田信長・・・。
  今も高い人気を誇る戦国大名たちは、
  地域ごとに一人のリーダーが無限の権限を
  活用し、地域の特性を生かしつつ
  独自の国づくりを進めていった好例だ。」

この本から何を活かすか?

大前さんが、日本で最も魅力的だと考える
土地の1つは、千葉県の房総半島東岸にある
「九十九里浜」です。

  「ここは一体的に開発すれば、
   “日本のゴールドコースト” になる
  可能性が大いにある。」

景観はゴールドコーストに酷似していて、
海岸はゴールドコーストより長く、
大都市との近接性では上回っています。

ゴールドコーストも、わずか半世紀の間に、
人口2500人の小さな漁港から、
60万人の一大リゾートに成長したそうです。

九十九里浜も、国際的ビーチとして
全面的に開発すれば、実現可能であると
大前さんは主張しています。

日本でも大きな構想を持って
本気で取り組めば、国際的に競争力を持つ
地方国家はいくつも作れそうです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ニトリ 成功の5原則

満足度★★★
付箋数:22

  「 “私の履歴書” は新聞連載だったので、
  書けないこともたくさんありました。
  たとえば私が高校に入学できたのは、
  裏口入学したからです。受けた高校を全部
  落ちてしまったので、ヤミ米屋をやっていた
  母が、最後に落ちた高校の校長先生に
  米俵を1俵送って、補欠合格ということで
  入れてもらったのです。そこのところは
  新聞ではぼかして書いてあります。(中略)
  大学は、四年制の大学は全部落ちたので、
  短大に行ったのですが、実はそれも
  替え玉受験でした。このあたりはさすがに
  新聞には出せなかったので、書いていません」

強烈な「つかみ」で、思わず引き込まれます。

本書の著者は、29期連続増収増益の
ニトリホールディングス会長の似鳥昭雄さん。

2015年4月に日本経済新聞に掲載された
似鳥さんの「私の履歴書」は非常に好評でした。

そこでは、「自分は落ちこぼれでも成功できたし、
実は世の中にはそういう人は多い。
やればできる。自信をもってほしい」という
メッセージが伝えられました。

本書では、似鳥さんの経営理念に沿ってた
切り口で、ニトリの成長を振り返ります。

それがニトリ「成功の5原則」。

  「 “成功の5原則” は、私の人生の師である
  故・渥美俊一先生の教えを、私自身の人生と
  重ねあわせて “どうしたら成功できるか” 
  という形でまとめたものです。」

似鳥さんが、師と仰ぐ渥美俊一さんとは、
日本のチェーンストア発展に大きく貢献した、
経営コンサルタントです。

渥美さんが主宰したチェーンストアの
研究団体「ペガサスクラブ」には、
ダイエー、イトーヨーカ堂、ジャスコ、
すかいらーく、吉野家など日本を代表する
チェーンストアが参加していました。

その渥美さんの教えが、似鳥さんの経営理念に
大きな影響を与えています。

本書で語られる「成功の5原則」は、
次の通りです。

 1. ロマン(志)
  ロマンを抱くとは、「人のため、世のために、
  人生をかけて貢献したい」という気持ちを
  持つことです。ロマンは「大志」と
  言い換えてもいいでしょう。

 2. ビジョン(中長期計画)
  ビジョンとは、20年以上先に達成すべき、
  長期の目標です。目標とする数字とそれを
  達成するまでの期限を入れた、具体的な
  数値目標を言います。しかもそれは、
  達成不可能とも思えるほど大きな数字で
  なければなりません。

 3. 意欲
  意欲とは、「できそうにないことに挑戦
  すること」です。

 4. 執念
  執念とは、「目標を達成するまで
  あきらめないこと」です。

 5. 好奇心
  好奇心とは、「常に新しいものを発見
  しようとすること」です。

この5つの中で、似鳥さんが最も大切なこと
として挙げているのが、ロマンを抱くことで、
その次がビジョンを持つことです。

時価総額がイオンを超えるまでに成長した
ニトリの「成長5原則」は非常に明快。

読者に語りかけるような文体で、
誰にでもわかる言葉で書かれています。

以前に紹介した本の中に、
「自分の母親にもわかる言葉で話せ」
というアドバイスがありましたが、
本書は、それを実践していました。

この本から何を活かすか?

似鳥さんは言う「ロマン」とは「志」のこと。

それは個人の損得をはるかに超えたところに
ある願いです。

「人のため、世のため」の願いでなければ、
ロマンとは言えません。

ロマンを心に焼き付けるためには、
それが実現したときに起こることや、
その時の気持ちを想像して、
ワクワクするのが一番だと言います。

本書を読むと、似鳥さんは真のロマンチスト
であることがよくわかります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 仕事論 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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記憶力を高める科学

満足度★★★
付箋数:23

いつも愚痴ばかり言っている人がいます。

そういう人の話を聞いていると、ネガティブな
エピソードを事細かく語っています。

この手の人たちは、本当にそんなに
イヤな目にばかり遭っているのでしょうか?

良いことは、全然起こっていないのでしょうか?

実際に、そういう人たちを観察してみると、
それほどイヤなことばかり、起こっているのでは
ないことがわかります。

では、愚痴ばかり言っている人は、
わざとイヤな出来事ばかりを選りすぐって
話しているのでしょうか?

本人たちには、そんな意識はありません。

むしろ無意識のうちに、自分はイヤな目に
ばかり遭っていると思い込んでいるのです。

他人から見ると、よくもまあ、そんなに
悪いことばかりを並べ立てるものだと
感心しますが、それは記憶の
「気分一致効果」のなせる技。

気分一致効果とは、記憶する人の感情と
一致する感情価をもつ内容は、
記憶に定着しやすいというもの。

同じ場面を経験したり、同じ話を聞いても、
人によって覚えている内容が違うのは、
その人の感情状態が違うからです。

そして、覚えた時と、思い出す時の
気分が一致している方が思い出しやすい。

だからいつも不機嫌な人の記憶には、
ネガティブなことの記憶が刻まれやすく、
また、思い出すときにも不機嫌なので、
不愉快な出来事ほど思い出しやすいのです。

反対に、客観的に見て悲惨な目に遭っていると
思われている人が、意外に明るいエピソードを
語っている場合は、その人がポジティブな
気分を維持できているから、明るい話しが
思い出しやすくなっているのです。

  「いつの笑顔でいればよいことがある、
  幸せになれるなどといわれる。
  そんなのは通俗的な言説にすぎないと
  思われがちだが、記憶の実験結果を見ると、
  ある程度の根拠があるようだ。」

これは、わざと顔の表情を操作することで、
その表情に結びついた感情が生まれ、
刻まれる記憶と思い出される記憶にも
影響を与えるということです。

いつも笑顔でいることで、よいエピソードが
記憶に蓄積され、過去を振り返るたびに
温かい気分や楽しい気分になり、
ますます笑顔になるという好循環が
生まれるのです。

本書は、記憶という心理現象について、
その不思議なメカニズムを解き明かす本です。

その上で、記憶力を高めるための
心理テクニックを紹介します。

著者は、MP人間科学研究所代表の
榎本博明さん。

榎本さんにとては、4冊目の記憶に関する
新書ですが、記憶の基本的なメカニズムから
やさしく解説したのは、本書が初めてです。

 第1章 なんで記憶ってこんなにあいまいなの?
 第2章 記憶のメカニズム ―
    記憶はこうしてつくられる
 第3章 忘却のメカニズム ―
    人はなぜ忘れるのか
 第4章 記憶力を高める技術
 第5章 潜在記憶は発想の宝庫 ―
    潜在記憶を使いこなそう

単に記憶力を良くするという話に留まらず、
潜在意識をうまく使って、新たなアディアを
発想することにも触れられています。

この本から何を活かすか?

精緻化するほど、記憶には残りやすい。
その精緻化の1つの方法が「人に話すこと」です。

記憶に刻むことを「符号化」と言いますが、
人に話すことで、二重に符号化されます。

符号化されるのは、1人で考えたり
覚えたりしたときの場面と、
人に話しているときの場面です。

特に人に話している時の方が、
相手の姿がハッキリ見えるので、
視覚的映像としても符号化され
記憶に残りやすいようです。

よく言われる、「人に話すと忘れない」は、
科学的にみても本当だったのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| ノウハウ本 | 05:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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さよならインターネット

満足度★★★
付箋数:20

  「 “TwitterもFacebookもやる必要を感じない、
  LINEだけでいいんです” なんて言ううちの
  インターン(20)が、 “家入さんは
  『インターネットが大好き』とよく言うけれど、
  ぼくにはその意味がわからないんです。
  なんだか『ハサミが大好き』って言っている
  みたいで” と言ってて震撼」

家入一真さんがTwitter上でこんな “つぶやき” 
をしたところ、大きな反響を読んだそうです。

常時接続が当たり前になり、スマホのアプリで
インターネットにつながっている時代ですから、
「今インターネットにつながっている」という
意識は希薄になりました。

  「ちょっと空いた時間に “Twitter” や
  ニュースアプリをチェックして、そこに
  貼られたURLをタップして情報を得る、
  といった一連の動きについて、その動線は
  あまりに自然です。そのため、今
  インターネット上のどこに自分がいるか、
  なんてことをまったく理解しないまま、
  処理を終えることが増えたのではないで
  しょうか。」

このような状態のことを家入さんは、
インターネットが「輪郭を失った」と
表現しています。

この感覚は、常時接続しか知らない世代と、
その前の時代からネットを利用していた
世代では大きく違うでしょう。

特に、私のように電話回線を介して、
ダイヤルアップでインターネットに
接続していた「ピーヒョロロ」の世代に
とっては、「インターネットがハサミ」
とは、思いもよらない言葉でした。

もはや空気のような存在になった
インターネット。

しかし、繋がりすぎた結果、
「LINEの既読」がわかるように、
お互いが常に監視された状態にあり、
息苦しさも蔓延しています。

こんな時代だからこそ、本書は消えてしまった
インターネットの「輪郭」を取り戻す旅へ
と出かけることを提案します。

  「この本を通じて行いたいことは、
  大きく以下の二つです。
  一つ目はインターネットのおかげで
  誰もが情報発信できるようになった世界で、
  かつて抱いた “何者にでもなれる” 
   “世界の中心にでもなれる” という夢は
  どこまで果たされたか、ということの検証。
  そして二つ目が、輪郭を失う世界と
  向き合ってきた自分の経験や考えから
  導き出す、その未来像の探求です。」

家入さんの過去20年のインターネットとの
関わりを振り返りながら、未来像を考えます。

本書は世代によって、評価が別れる本だと
思います。

30代以上の方にとっては、本書の内容は、
感慨深いものがあるはずです。

しかし、インターネットをハサミと同じ
道具の1つと考える世代にとっては、
「一体、何を言っているのだろう」
という感覚なのかもしれません。

もしくは、既に歴史の教科書を読むのと、
同レベルなのかも。

  第1章 やさしかったその世界
  第2章 さよならインターネット
  第3章 輪郭が失われた世界
  第4章 インターネットは「社会」の
     何を変えたか
  第5章 インターネットは「私たち」の
     何を変えたか
  第6章 ぼくらはインターネットの輪郭を
     取り戻せるのだろうか

この本から何を活かすか?

パノプティコン化したインターネット
家入さんは、東京五輪のエンブレム騒動で、
多くの人がパクリを摘発する側に周った
状態を「パノプティコン化」と表現しています。

パノプティコンとは、イギリスの哲学者、
ジェレミー・ベンサムさんが設計した
刑務所施設の構想。

日本語では、「全展望監視システム」と
訳されるようです。

パノプティコンの監房は、円形に配置されて、
入り口は円の中心に向かっています。

その中央に監視塔があり、看守からはいつでも
監房を見ることができ、逆に監房からは逆光や
鎧戸によって監視塔が見えない仕組み。

実際に監視されているのかどうかによらず、
囚人は常に監視されている意識を持ちます。

ジョージ・オーウェルさんの『一九八四年』に
近い世界観がありますね。

インターネットは「Big Brother is watching
you」の状態に、なっているのでしょうか。

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| IT・ネット | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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夢の新エネルギー「人工光合成」とは何か

満足度★★★★
付箋数:24

人間が生きていくのに必要な「衣食住」。

この「食」を食物連鎖で辿っていくと、
最終的には植物の「光合成」の産物である
ことがわかります。

「衣」と「住」についても同様に元を辿れば、
おおもとは、やはり植物になります。

更に、生物の呼吸に必要な地球上の酸素は、
植物や藻類が気の遠くなるほどの長い時間を
かけて光合成活動によって蓄積してきたもの。

つまり、私たちの生活、ひいては地球上の生物は、
植物の「光合成」によって支えられています。

  「本書は、人口光合成への挑戦をできるだけ
  わかりやすく解説しようとした。文字通り、
  人口光合成とは、自然の光合成を学び、真似て、
  あるいはまったく異なるしくみだが、
  その機能の一部は自然を超えるものを
  開発しようとするものである。」

人工光合成とは、次の3要素を同時に
備えたものです。

  1. 「太陽光」(可視光)を用いる
  2. 「水」を原料にする
  3. 「エネルギー蓄積反応」により炭水化物
   (二酸化炭素の還元物)、水素、その他の
   高エネルギー物質を生成する。

人口光合成が実用化すると、エネルギーを
使っても大気中の二酸化炭素の量を増やさない
「カーボンコントロール社会」が実現できます。

つまり、地球温暖化の防止に役立つということ。

更には、水素を作り出すことができるので、
二酸化炭素が発生しない新エネルギーを
作り出せることにもなります。

2010年にノーベル化学賞を受賞した
根岸英一さんが本書の帯に書いている通り、
人工光合成は、「人類史上もっとも
エキサイティングな発明」とも言えます。

実は、人工光合成への具体的研究は、
日本人が発見した「ホンダ−フジシマ効果」が、
大きな引き金となってスタートしました。

1967年、藤嶋昭さんは当時、東京大学の
生産技術研究所の本多健一さんの研究室に
所属する大学院生でした。

藤嶋さんは、実験の過程で、水に浸した
電極として半導体の二酸化チタン結晶を用い、
そこに紫外線を当てました。

すると、回路に電流が流れ、対極の白金電極
から水素が発生し、光を照射している陽極の
二酸化チタンからは酸素が発生することを
発見したのです。

藤嶋さんは、光照射によって水が分解する
現象を見て、「これは植物の光合成と
類似のことが起きている」と直感しました。

これは当時の常識を覆す画期的な発見で、
論文がネイチャー誌に掲載されたあとは、
発見者の名前から「ホンダ−フジシマ効果」
と呼ばれるようになりました。

この発見以来、人工光合成の基礎研究では、
日本が世界をリードするようになったのです。

しかし、現在のところ人工光合成の
実現には至っておらず、2050年が実現目標
として設定されています。

実現できれば、凄いことはわかりますが、
果たして、本当に実現できるのか?

本書は、生物の進化を支えてきた光合成の
しくみから、人工光合成の実現の可能性に
ついてわかりやすく解説します。

光化学協会が2016年に創設40周年を
記念して書かれた本です。

この本から何を活かすか?

中学校の理科では、光合成は単に、
水と二酸化炭素を原料にして、
光のエネルギーで酸素とデンプンを
作り出す働きであると学びました。

しかし、その働きをもう少し詳しく
見てみると、実はかなり凄い仕組みである
ことがわかります。

光合成の反応は、実はかなり複雑で、
未だに解明されていないことも多いのです。

本書では、光のポンプが電子を汲み上げる
仕組みや、光アンテナなどの興味深い
働きについても解説しています。

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| 科学・生活 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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トヨタの失敗学

満足度★★★
付箋数:21

トヨタ自動車は、日本のみならず、世界で見ても、
最も成功している企業のひとつです。

2015年の業績では、自動車販売台数が1000万台を
超えて世界第一位、純利益は2兆円を突破。

どこからどう見ても、輝かしい業績を持つ
超優良企業です。

しかし、長いトヨタの歴史を振り返ると、
決して順風満帆ではなく、会社の存続を
脅かす危機が何度もありました。

古くは、1942年のドッジ・ラインに伴う
デフレによる経営危機。

このときはトヨタ自工とトヨタ自販の「工販分離」
で融資を取り付け、倒産を免れました。

最近では、2009年から2010年に起こった
アメリカでの大規模なリコール問題。

複数のトヨタ車で意図せぬ急加速問題が起き、
社長の豊田章男さんが、米下院の公聴会に
招致され、証言する事態に至りました。

ここまで大きな問題でなくても、現場でのミスや
不良、トラブルなどは山ほど発生しています。

トヨタは、世界で最も多くの「失敗」を経験
してきた企業かもしれません。

しかし、現在のトヨタの成功があるのは、
逆に、数々の「失敗」を繰り返してきたから。

景気低迷や業績不振、不祥事などによって、
多くの大企業が、かつての輝きを失っていく中、
なぜ、トヨタは「失敗」を繰り返しながらも
成功を続けているのか?

その理由は、トヨタの現場にあります。

トヨタの現場には「失敗」という言葉が
ありません。

  「トヨタで “失敗” の代わりによく使われる
  のが “問題” や “不良” といった言葉です。
  これらは発生の原因を突き止めて、解決して
  いくべきものです。だから、必ず前進する。
  しかし、失敗は『失い、敗れる』と書くように
  失地回復できず、そこで歩みを止める
  イメージです。これはもしかしたら私たちの
  おごりかもしれませんが、どんな問題や
  トラブルが起きても、失敗として片付ける
  ことなく、必ず挽回し、前へ進むことが
  できると考えています。」

トヨタでは、問題やトラブルを
「改善の機会」と捉えます。

そうできるのは、一般に言われる失敗こそが、
成功につながる宝の山と考える風土が、
現場から経営トップまで浸透しているから。

本書は、そんな失敗をチャンスに変える
職場環境や企業風土をつくるための
ヒントが書かれた本です。

執筆は、トヨタ自動車とリクルートグループ
によって設立されたコンサルティング会社
OJTソリューションズです。

ベストセラーになった『トヨタの片づけ』を
含むトヨタ仕事術シリーズの一冊。

紹介されているのは、どうしても工場での
事例が多くなっていますが、失敗を埋もれ
させずに改善して、次の仕事に活かす方法は
どんな業界や職種でも使えます。

トヨタ生産方式の根底にある考えを
学ぶことができる一冊です。

 第1章 トヨタの改善は「失敗」から始まる
 第2章 失敗を「視える化」する
 第3章 失敗を「成功」に変えるワザ
 第4章 失敗を活かすコミュニケーション
 第5章 失敗こそが創造を生む

なかなかいい本なんですが、個人的には、
このシリーズの本を何冊か読んでいるので、
少しマンネリ感がありました。

この本から何を活かすか?

  「トヨタでは問題が発生したら、まず、
  何が原因でその問題が生じたかを考えます。
  その原因を取り除かなければ、何度も同じ
  ような問題が再発するからです。」

問題を発生させる真の原因のことを
トヨタでは「真因」と呼びます。

真因を見つけるために有効なのが、
いわゆる「なぜなぜ5回」。

「なぜ、そうなったのか?」を繰り返し、
深堀りすることで、真因にたどり着きます。

場合によっては、5回繰り返さなくても、
真因が見つかることもありますが、
短絡的に「これが真因だ」と決めつけずに、
問題を引き起こす真因を最後まで辛抱強く
絞り込むことが大切のようです。

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| 組織・社内教育・コーチング | 09:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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元検事が明かす「口の割らせ方」

満足度★★★
付箋数:21

  「この本では、本音を語らせる能力とは
  どんなもので、それをどう活用できるのか、
  具体的な事例やエピソードを用いて
  説明してきました。真相を究明しようとする
  刑事や検事、そして弁護士など司法関係者は、
  具体的な事件の問題点や障害をどのように
  克服していったのか。そして、真相を語らせる
  ために、どのようなことをやって成功し、
  失敗したのか。」

本書は、元検事が教える、人の本音の
引き出し方をまとめた本です。

著者は、TVのワイドショーやラジオなどで
コメンテーターとしても見かける機会も多い
大澤孝征さんです。

大澤さんは、検事を辞めて弁護士になった、
いわゆるヤメ検弁護士。

本書では、検事時代のエピソードを中心に、
真実を隠そうとする人、ウソをつく人に、
「口を割らせる」方法を解説します。

人はなぜ本音を隠すのか?

これまでさまざまな人の話を聞いてきた
大澤さんは、人が本音を隠そうとする理由を
おおまかに4つ挙げています。

 1. 自分自身を守るため
 2. 虚栄心やプライドなどの感情的な理由から
 3. 他人をかばうため
 4. 相手が信用できないため

本書の「はじめに」では、覚醒剤取締法違反で
逮捕された元プロ野球選手の清原和博さんに
ついての見解が述べられていました。

各種の報道では、清原さんが覚醒剤を
入手した売人やルートを黙秘しているのは、
「売人の名前を出して、元締めの暴力団から
報復されるのが怖いから」ということに
なっています。

しかし、大澤さんは本当のところは、
違うと睨んでいます。

そもそも覚醒剤は現行犯逮捕が原則なので、
現場を押さえるために、それまで24時間態勢で
行動パターンが調べられていたはず。

当然、その間接触していた売人のことも
警察は把握しています。

  「薬物関係の取り調べでは売人の名前を
  黙秘する被疑者が少なくありません。
  一般的にはそれは報復を恐れての行為
  だと思われますが、覚醒剤の事件に
  検事として多く関わった経験から言うと、
  実は、黙秘の理由はそれだけではありません。
  私が見てきた被疑者の多くは、それより
  もっと人間臭い理由で黙秘を通すことが
  多かった。それは、自分が簡単に
  口を割ったと見られたくない男の意地です。」

大澤さんは、清原さんが黙秘を通していると
マスコミに発表することで、清原さんの
メンツを立て、報復の可能性を和らげると同時に、
捜査に協力させたのではないかと推測します。

本書では、ヤクザや詐欺師、政治家などの
エピソードが豊富に語られています。

表面的に見ると、一般の人がそんな特殊な
シチュエーションに遭遇することは、
めったにないので、あまり参考にならない
ように思うかもしれません。

しかし、コミュニケーションの本質は、
相手が犯罪者でも、そうでなくても同じです。

極端な状況だからこそ、人間の本質が
見えやすく、ビジネスやプライベートでの
一般的な状況へも応用が可能となります。

本書の最終章には、大澤さんが担当した
テレビの身の上相談に寄せられた悩みも
Q&A形式で掲載されています。

この本から何を活かすか?

人に本音を語らせるということは、
相手の心を動かすこと。

本書では、相手の心を動かす原則が
挙げられています。

  1. 相手を信頼する
  2. 表面的な正義を振りかざさない
  3. 本心から出た言葉を話す
  4. 本物の体験をさせる
  5. 心理的な壁を壊す

人と人とのコミュニケーションなので、
まずは、相手を信頼することから、
すべては始まりまるようです。

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| コミュニケーション | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゲノム編集の衝撃

満足度★★★★
付箋数:24

  「 “デザイナーベイビー” という言葉を
  聞いたことがある人も多いと思う。
  一般に、受精卵などの段階で遺伝子を操作して、
  親の好みの特性を持たせた子どものことを指す。
  背を高くしたり、瞳を好みの色にしたり・・・。
  SFの小説や映画では設定の一つとして
  いろいろな作品に登場する。
  一方、科学者の間では、あくまでSFの世界での
  ものとされてきた。
  これまではデザイナーベイビーを実現できる
  技術がなく、喫緊の問題ではなかった。
  しかし、その状況は、一変した。
  ゲノム編集を使えば技術的に実現できる
  可能性があるというのだ。」

本書は、ついに神の領域に踏み込んだとされる
「ゲノム編集」についてレポートした本。

NHKの報道番組「クローズアップ現代」で
2015年7月30日に放送された「 “いのち” を
変える新技術 ~ゲノム編集 最前線~」
を取材・制作したチームが執筆しています。

ゲノム編集とは、生物の設計図である
遺伝子情報を、思い通りに改変する技術です。

iPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を
受賞した、あの山中伸弥さんが、
ゲノム編集について「この25年の中で、
おそらく最も画期的な生命科学技術」
と評しています。

そもそも、品種改良と遺伝子組み換えと
ゲノム編集では、一体、何が違うのか?

品種改良とは、長い年月にわたって、
交配を繰り返し、理想の品種をつくる技術。

よく実る米や乳量の多い牛など、
目的とする品種ができるまで、何十年もの
年月をかけて交配を繰り返します。

これに対して、外から別の遺伝子を
組み込むことで、より短時間で生物の性質を
変えるのが遺伝子組み換えです。

遺伝子組み換えでは、ある特定の遺伝子を
変異原を使って働かなくしますが、
何万もある膨大な遺伝子のうち、どの部分の
遺伝子が壊れるかがわからないので、
偶然に頼るしかありませんでした。

品種改良よりも時間を短縮できる
遺伝子組み換えであっても、何千回、何万回と
実験を繰り返し、偶然にねらい通りの場所に
働くのを待つしかありませんでした。

これに対して、ゲノム編集は、編集したい
遺伝子と結びつく物質を細胞の中に送り込み、
ピンポイントで目的遺伝子を切り貼りする
ことができる技術です。

これまでの遺伝子組み換え技術より、
圧倒的に高い確率でねらった遺伝子を壊し、
かかる時間も100分の1くらいに短縮できます。

しかも痕跡を残さずに、あらゆる生物に
応用が可能。

ゲノム編集は、食料・エネルギー問題や、
エイズやガンの治療、更には、これまで
根治できないとされてきた難病の治療など
多くの分野で応用が期待されています。

このゲノム編集の技術の中でも、
第三世代とされる「クリスパー・キャス9」が
2012年に発表されてから、大きく技術が
進歩しました。

発表からわずか数年で、ノーベル賞受賞の
有力候補と噂されています。

クリスパー・キャス9では、ねらった遺伝子を
壊すだけでなく、遺伝子を加えて編集でき、
それが正確に、極めて簡単に操作できるため、
爆発的に普及することになりました。

本書は、SFの世界を現実のものとした
ゲノム編集の最前線をレポートします。

私たちの未来に、大きな影響を与える
ゲノム編集のポジティブな面と
ネガティブな面を等しく伝える良書です。

この本から何を活かすか?

  「ゲノム編集といっても、大げさなもの
  じゃないの。細胞にクリスパー・キャス9の
  液を振りかけて、そのあと、細胞の温度が
  37度に保たれているインキュベーターに
  48~72時間、つまり2~3日入れるだけ。
  それで細胞の中のねらった遺伝子が
  切れるのよ。」

これは本書が取材した、米国の女性研究者の
言葉です。

取材班の目の前で、その研究者はゲノム編集を
行ったそうですが、かかった時間は準備も含め、
わずが「2分」ほどだったそうです。

あっという間の作業で、カメラマンも
ゲノム編集のアクションを取り損ねそうに
なったそうです。

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| 科学・生活 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界のエリートがやっている 最高の休息法

満足度★★★
付箋数:22

  「たいていの人は、 “休息=身体を休めること”
  だと思い込んでいます。
  たっぷりと睡眠をとったり、リゾート地で
  ゆったり過ごしたり、温泉にじっくり
  つかったり・・・もちろん、そうやって身体を
  休めることも大切です。
  しかし、それだけでは回復しない疲労があります。
  それが脳の疲れです。
  そう、脳には脳の休め方があるのです。
  本書ではそれをお伝えします。」

あなたの疲れがとれないのは、体ではなく、
脳を適切な方法で休ませていないから
なのかもしれません。

脳は体重の2%ほどの大きさにもかかわらず、
身体が消費する全エネルギーの20%を使う
「大食漢」です。

この脳の消費エネルギーの60~80%は、
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)
という脳回路に使われています。

このDMNは、内側前頭前野、後帯状皮質、
楔前部、下頭頂小葉などから構成される
脳内ネットワークで、脳が意識的な活動を
していないときに働くベースラインの活動。

車のアイドリングのようなもので、
脳が何もしていなくても動き続けています。

私たちの脳は、ぼーっとしていても、
いろいろな雑念が浮かんでは消えることを
繰り返しています。

実は脳のアイドリング中に浮かんでくる
雑念こそが、脳疲労の最大要因の1つ。

そこで本書は、雑念を抑えることで
脳を休ませる「マインドフルネス瞑想」の
方法を紹介します。

マインドフルネスとは、ここ数年アメリカで
爆発的に流行しているもので、
言葉にするのは、なかなか難しい概念ですが、
瞑想などを通じた脳の休息法の総称です。

  「何よりも実利を重視しそうなアメリカ人、
  しかも、本当に役立つものにしか手を
  出さないはずのエリートたちが、
  なぜマインドフルネスを実践しはじめて
  いるのか?
  その理由は簡単です。
  彼らは “脳の休息” の大切さをわかっていて、
  同時に、マインドフルネスこそが
   “最高の休息法” だと知っているからです。」

マインドフルネス瞑想をすると、DMNを司る
脳部位の過剰活動が低下し、脳のエネルギー
消費が軽減され、脳が休まるという
メカニズムです。

本書では、最初にマインドフルネス瞑想の
アウトラインをまとめた後、具体的な方法は
物語形式で説明しています。

マインドフルネスは、言葉では説明しにくい
ので、物語の流れの中で説明されると、
すっとその概念が伝わります。

本書の著者は、日本とアメリカの両方で
医師免許を持ち、神経精神医として活躍する
久賀谷亮さんです。

久賀谷さんは米イェール大学医学部の
精神神経学科で先端脳科学を研究してきた
方ですが、本書の物語の舞台もイェール大学の
医学部に設定されています。

主人公はイェール大学の研究員の小川夏帆。

夏帆をはじめ、それぞれの脳疲労を抱えた
登場人物たちが、スター・ウォーズの
ヨーダにそっくりな教授から、
マインドフルネス瞑想の方法を教わり、
「最高の休息法」を手に入れる物語です。

この本から何を活かすか?

とにかく脳が疲れているときは、
「マインドフルネス呼吸法」が推奨されています。

この呼吸法では、「現在」に意識を集中して、
疲れづらい脳をつくります。

マインドフルネス呼吸法のやり方は
以下の通りです。

 1. 基本姿勢をとる
  椅子にすわり、お腹はゆったりし、
  手は太ももの上、脚は組まずに目を閉じます。

 2. 身体の感覚に意識を向ける
  足の裏と床などの接触の感覚や、身体が地球に
  引っ張られる重力の感覚に意識を向けます。

 3. 呼吸に注意を向ける
  深呼吸や呼吸のコントロールは不要。
  呼吸に「1」「2」「3」・・・「10」と
  ラベリングするなどして、呼吸に関わる感覚に
  注意を向けます。

 4. 雑念が浮かんだら・・・
  雑念は生じて当然なので、浮かんでも
  自分を責めないようにします。
  雑念が浮かんだ事実に気づいたら、
  注意を呼吸に戻します。

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人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊

満足度★★★
付箋数:23

  「機械が人々の雇用を順調に奪っていくと、
  今から30年後の2045年くらいには、
  全人口の1割ほどしか労働していない社会に
  なっているかもしれません。(中略)
  少し細かいことを言っておくと、残りの9割の
  中にも仕事をしている人はいるでしょうが、
  ちょっとしたバイト程度だったり、
  フルタイムの仕事でも生活するには
  とても足りない額しか稼げていないという
  有様です。(中略)
  要するに、2045年には、内実のある仕事をし、
  それで食べていけるだけの収入を得られる
  人が1割程度しかいない可能性がある、
  ということが私の主張の意味するところです。」

このように主張するのは、本書の著者で、
人工知能と経済学の関係を研究する
パイオニアの井上智洋さん。

このシナリオでは「汎用人工知能」が、
2030年頃には実現することが前提と
なっています。

汎用人工知能とは、人間のように「様々な」
知的作業をこなすことのできる人工知能。

これは今の世の中にある「特化型人工知能」
と区別されています。

SiriはiPhoneなどを操作することに特化し、
将棋の人工知能は将棋することだけに
特化しています。

この特化型人工知能の普及がもたらす影響は、
自動改札機などの機械が登場した時と、
質的にはほとんど変わりません。

人間が特化型人工知能に仕事を奪われても、
別の人間にしかできない仕事に転職する
余地が残されているからです。

しかし、1つの目的だけに限定されない
汎用人工知能が実現して普及すると、
人間に可能な知的振る舞いを一通り
こなすことができるので、転職するという
逃げ場がなくなってしまうのです。

つまり、汎用人工知能は多くの労働を
消滅させてしまい、経済の構造を根本的に
変革することになるのです。

汎用人工知能の普及によって訪れる世界は、
ユートピアなのか?

それともディストピアなのか?

  「それはどのような未来を私達自身が
  選びとるかに掛かっています。
  ユートピアにするには、恐らくは現在の
  社会制度のあり方を大きく変革しなければ
  ならないでしょう。
  汎用人工知能が普及した世界にぜひとも
  導入すべきだと私が考えているのは、
   “ベーシックインカム” です。」

ベーシックインカムのような社会保障制度が
なければ、汎用人工知能がもたらす未来は、
ごく一部の人だけが豊かになるので、
大半の人にとってはディストピアになる。

しかし、ベーシックインカムが導入されて
いれば、あらゆる人が遊んで暮らせる
ユートピアになるというのが、
本書のメインとなる主張です。

ちなみに、ベーシックインカムは、
収入の水準に拠らず全ての人に無条件に、
最低限の生活費を一律に給付する制度。

この「財源」について、井上さんは
次のように述べています。

  「新たな政策を導入する際には常に
  その財源が問われますが、およそ愚かしい
  ことだと思います。 “財源は限られている”
  という言い方がありますが、財源は
  限られてなどおらず増税すれば良いだけの
  話しです。」

人工知能に詳しい経済学者という
井上さんならではの未来予想図が、
なかなか興味深い本でした。

この本から何を活かすか?

  「仮に、AIの発達によって経済や社会の
  あり方が根本的に変革されることを
  シンギュラリティと呼ぶならば、2045年までに
  それは起きる可能性があると思います。
  とはいうものの、私はカールワイツや
  その他の論者が言うようなシンギュラリティが
  2045年辺りに起きると展望しているわけでは
  ありません。」

シンギュラリティとは、技術的特異点のことで、
人工知能が人間の能力を超えることで起こる
出来事のこと。

加速度的に伸びているコンピュータの
処理速度ですが、井上さんは、汎用AIが開発
されることは予想するものの、2045年までに
人類の知能を超えることには懐疑的です。

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| IT・ネット | 05:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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超一流になるのは才能か努力か?

満足度★★★
付箋数:24

絶対音感とは、他の音との比較なしに、
音を聞いただけでその音名が分かる能力。

1万人に1人くらいしか持っていないと
される能力です。

この絶対音感は、その言葉の意味する
ところから、生まれつき持っている人と、
持っていない人に分かれていると、
考えられてきました。

しかし、幼少期にある訓練をすると、
ほぼ全員が絶対音感を身につけることが
できるということがわかってきました。

心理学者の榊原彩子さんは、2歳から6歳までの
子供24人を集め、絶対音感を身につけるための
トレーニングを行ないました。

1回あたりのトレーニング時間はわずか数分。
それを1日4~5回繰り返すことを日課としました。

その結果、身につけるまでの期間の差はあれ、
数ヶ月から1年半の期間で、24人全員が
絶対音感を身につけることができたのです。

  「要するに、天から与えられた才能とは
  絶対音感そのものではなく、むしろ絶対音感を
  身につける能力こそが才能なのだ。
  そしてわれわれの知るかぎり、たいていの人は
  生まれつきこの才能を持っている。」

本書は、適切な訓練や練習を通じて、
人間の脳や身体の驚くべき適応性を引き出し、
そうしなければ手に入らなかったような
さまざまな能力を生み出す力について
述べた本です。

  「古代より、特定の分野における個人の
  潜在能力は、必然的に、また不可避的に、
  生まれ持った才能によって決まってしまう
  ものだと考えられてきた。(中略)
  だが今では、能力の既定量などというものは
  存在しないことがわかっている。
  脳には適応性があり、絶対音感を
  はじめとする能力は、あらかじめ存在して
  いなかったとしても訓練によって生み出す
  ことができるのだ。」

本書の著者、アンダース・エリクソンさんは、
「超一流」たちのパフォーマンスを
科学的に研究してきた方です。

「なぜどんな分野にも、超一流と呼ばれる人が
存在するのか」という疑問から、30年以上にわたり、
スポーツ、音楽、チェスなど、あらゆる分野の
「超一流」を研究しました。

エリクソンさんは研究では、分野を問わず、
技能を向上させるための最も有効な方法は、
例外なく、同じ一般原則を満たしている
という結論に達しました。

その普遍的なアプローチを本書では、
「限界的練習」と呼びます。

この限界的練習には、次の10の鉄則があります。

 鉄則1:自分の能力を少しだけ超える負荷を
    かけつづける
 鉄則2:「これで十分」の範囲にとどまっていると、
    一度身につけたスキルは落ちていく
 鉄則3:グループではなく、一人で没頭する
    時間を確保する
 鉄則4:自分の弱点を特定し、それを克服する
    ための課題を徹底的に繰り返す
 鉄則5:練習を「楽しい」と感じていては、
    トッププレーヤーにはなれない
 鉄則6:これ以上集中できないと思った時点で
    練習や勉強はうちきる
 鉄則7:上達が頭打ちになったときは、取り組む
    メニューを少しだけ変えてみる
 鉄則8:即座にフィードバックを得ることで、
    学習の速度は劇的に上がる
 鉄則9:オンの時間とオフの時間をはっきり分け、
    一日のスケジュールを組む
 鉄則10:どんな能力も生まれつきの才能ではなく、
    学習の質と量で決まる

本書は、これまでの私たちの常識を覆す、
なかなか興味深い本でした。

この本から何を活かすか?

本書では、マルコム・グラッドウェルさんが
天才! 成功する人々の法則』で書いていた
「1万時間の法則」は間違いいていると指摘
しています。

1万時間の法則とは、たいていの分野で
達人の域に到達するまでには1万時間の
練習が必要だとする法則です。

本書では、「1万時間」には根拠がないと言います。

そして、1万時間練習すれば、誰でも特定分野の
エキスパートになれることを保証するもの
ではない点についても間違いであるとしています。

ただし、1万時間であるかどうかは別にして、
多くの人がエキスパートになるために、
長年にわたる途方もない努力をしてきたことに
ついては、グラッドウェルさん主張は正しいと
しています。

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別世界旅行──地球を遊び尽くす旅へ

満足度★★★★
付箋数:18

日本経済新聞出版社の堀内さんから
献本いただきました。ありがとうございます。

最初に断っておくと、残念ながらこの記事では、
本書の魅力を、十分に伝えられません。

なぜなら、本書は写真が非常に美しい
A5判サイズのオールカラー本だからです。

  「一生忘れない旅、別世界旅行に出かけよう。

  ただ訪れることを目的にしないで、
  旅先で “何をしたい” か、 “何を食べたい” か、
   “どんな宿に泊まりたい” か・・・・。
  そんなところまでこだわった生涯の記憶に
  残る旅を、本書では22章にわたって紹介します。
  あえて量より質にこだわり、またできるだけ
  日常から離れた別世界の旅の素晴らしさを
  感じていただきたいという思いから、
  この本をつくりました。」

本書は、あなたの探究心を満たしてくれる
究極の旅行ガイドブックです。

テーマは、大自然に囲まれ、大人の冒険心を
満たし、人生観が変わる旅。

 ・短い夏の北極で、野生のシロクマと出会う
 ・最高のサファリ体験
 ・オーロラの下で見る夢
 ・ゾウとの出会い
 ・優雅に、南の極みの世界へ
 ・砂漠で優雅なピクニックを
 ・ベトナムの秘島で最高の島風を浴びる

厳選された「別世界」が体験できる旅先が
紹介されています。

また、本書は最近多く見かける「絶景本」とは、
一線を画しています。

素晴らしい写真が並べられている点では、
同じように見えますが、旅のストーリーが語られ
細部の情報もしっかり掲載さています。

どこに泊まって、どんな過ごし方をするのか。

本書では、実際に行った気になれるように、
旅先での行動を順番にトレースして、
ミニ旅行記のように紹介されています。

普通の絶景本が絶景スポットを「点」で紹介
しているのに対し、本書は「線」でつなぎ、
記憶に残る1つの物語にしています。

宿泊先、食事、アクティビティ、過ごし方、
旅行予算、交通手段、予約方法、スケジュール例、
周辺情報などもコンパクトに紹介。

例えば、北極までの8泊10日の旅程は、
次のように示されています。

 1日目 成田発~コペンハーゲン乗継
    オスロへ 【ラディソンブルー泊】
    オスロ発ロングイェールビエンへ
    着後 ホテルへ
 2日目 オーシャンエンデュラー号乗船
    出航 【オーシャンエンデュラー泊】
 3~8日目 終日 スヴァルバード諸島クルーズ
     【オーシャンエンデュラー泊】
 9日目 オーシャンエンデュラー号下船
     ロングイェールビエン発オスロ乗継
     コペンハーゲンへ
     着後 コペンハーゲン発成田へ【機中泊】
 10日目 成田着

また、予算は1人あたり18万円(4泊6日)から
180万円(6泊10日)までの、かなり広い
レンジです。

中心は50万円~100万円ですが、
思った以上に20万~30万円前後の予算で
行ける別世界があることがわかりました。

この本に限っては、Kindle版ではなく、
紙の本で良かったと思います。

電子書籍媒体では、この本を美しい本を
手元に置いておきたいという所有欲が
満たされないからです。

それにしても、22もの別世界を堪能できる
オールカラーの本が1500円+税とは、
ちょっと安過ぎるように感じました。

この本から何を活かすか?

本書で紹介される別世界で、最も低予算で
行けるのが「バリ島」。

通常の旅行でもバリは人気の高い島ですが、
本書では、美しいビーチに近いバトラー付きの
ヴィラを借り、アクティビティの富んだ
過ごし方を提案します。

これに対し最も予算がかかるのは南極大陸。

南極も今や人気の旅行先ですが、
本書では世界一の荒海ドレーク海峡を
2時間のフライトで越える、優雅で快適な
極地旅行として紹介しています。

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| 旅行・アウトドア | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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英語の勉強は後まわし! "カタチ"から入るビジネス英会話

満足度★★★
付箋数:24

私の大好きな本、『パンツを脱ぐ勇気』。

2011年に読んだ本ですが、今でもその
熱い熱い内容は、鮮明に記憶に残っています。

その本の著者、児玉教仁さんは、
ビジネスパーソンが英語を話せるように特訓する
「イングリッシュ・ブートキャンプ」を
主宰しています。

ブートキャンプの期間は、たったの2日間。

4年間で1000人以上が参加し、「喋れた」、
「英語が口をついて出るようになった」と
好評を得ているそうです。

このキャンプでは、英語力の強化はしていません。

では、一体、何をしているのか?

特訓しているのは、わずか2つのことです。

1つ目は、瞬時に英語をひねり出す力。

英語の90%を理解するために必要な
英単語数は900語というリサーチがあります。

実は、ビジネスで英会話するための
基礎英語力は、意外に低くてもいいのです。

TOEIC350程度あれば、会話が始められるとか。

英語で言おうとして、「あ、思い出せない」、
「あれ、なんだっけ」とベストな言い回しが
パッと思い浮かばないと思ってからが勝負。

英語は非母国語なんだから、
まず通じればいいと割りきって
「セカンドベスト」の表現を瞬時にひねり出す
ことが最大のポイントです。

日本語は、「1」伝えると「10」わかってくれる
ハイコンテクスト文化ですが、そこから
「10」伝えるためには「100」説明しなければ
ならない世界へ、発想を大転換します。

2つ目は、伝達する技術。

英会話というと英語力の向上に集中しがちですが、
会話の技術が、私たちが思っている以上に重要。

そもそも英会話は、非母国語という不完全な
言語でのやり取りで、相手は文化的背景や
コミュニケーションスタイルが違う異文化人です。

そこで会話を成り立たせるためには、
「伝達の技術」が必要となるのです。

例えば、新たに難解な英単語を100個覚えるより、
アイコンタクトの練習をする方が、
実践の場では役に立ちます。

これら2つのを力を目に見える「型」、
つまり会話の「カタチ」として会得するのが
「イングリッシュ・ブートキャンプ」の
コンセプトです。

本書は、その訓練の内容を書籍化したもの。

知識を身につけて英会話をできるように
するのではなく、持っている知識だけで、
会話の「カタチ」から、なんとかビジネスで
英会話ができるようにすることを目指します。

個人的には、次のフレーズが衝撃的でした。

 「こつこつ勉強を続けても、喋れる日はこない」

日テレの「世界の果てまでイッテQ!」で
以前に放送された、出川哲朗さんの
「出川イングリッシュ」が話題になりましたが、
あのコミュニケーション力を身につけるような、
イメージに近いかもしれません。

本書では、アイコンタクト、握手、笑顔、
相づち、声の大きさ、ボディーランゲージなど
英会話での実践力を高める練習を行います。

本書で、英語力そのものは上がりません。

しかし、「TOEIC900以上なのに喋れない」
といった、知識はあるのに会話ができない状況は、
一定、解消されると思います。

私はこれまで、あまり英語の知識はないのに、
ペラペラと喋れる人や、自分より
TOEICスコアが低いのに、喋れる人を見て、
羨ましいなと思っていました。

そんな思いをしたことがある方には、
本書は必要な本だと思います。

この本から何を活かすか?

セカンドベストをつくり出すノウハウ

 1. パッと中学英語で置き換えられないときの
  3つの心がけ
   ・1人で完璧を目指さない
   ・一発解決を狙わない
   ・言いたいことの本質を見極める

 2. 似ていものや状態にたとえる
   It's like ~.
   It's as if ~.

 3. 反対の状態を使う(反対の状態を否定)
   It's the opposite of ~.

 4. 周辺情報を使う
   You usually find it in ~.
   You usually use it for ~.

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| 勉強法 | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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一流の睡眠

満足度★★★★
付箋数:24

あなたの平日の行動を、時刻に沿って順番に
書き出してください。

このように言われたら、あなたはどう書きますか?

 ・7:00 起床
 ・7:30 朝食
 ・8:00 出勤
 ・
 ・

時間の差はあれ、このように書き出す方が、
ほとんどではないでしょうか。

残念ながら、このように書いたあなたは、
「普通のビジネスパーソン」です。

では、「一流のビジネスパーソン」は、
どのように書き出すのか?

 ★23:00 就寝
 ・7:00 起床
 ・7:30 朝食
 ・8:00 出勤
 ・
 ・

一流のビジネスパーソンは、
「夜」から1日をスタートさせています。

  「多くの人は、就寝時間を1日の “ゴール”
  と考えています。でも、睡眠が翌日の
  コンディションに直結するならば、
  翌日のパフォーマンスを最大化するためには、
  就寝時間を “スタート” とするべきです。」

本書は、ビジネスパーソンに特化した
快適な睡眠方法を紹介する本です。

  「今の生活スタイルを変えることなく、
  極端に睡眠時間を増減させることもなく、
  効率的かつ効果的に睡眠をとって仕事の
  パフォーマンスを上げる “攻め” の
  睡眠メソッドをお伝えしていきます。」

本書の著者は、外科医であると同時に、
経営者、コンサルタントでもある裴英洙さん。

本書は、「3足の草鞋」を履く裴さんだから
こそ書ける、医師とビジネスパーソンの
両方の視点を持った快眠指南書です。

ちなみに、睡眠には「何時間寝れば良い」
といった絶対的な尺度はありません。

「睡眠は8時間必要」という話や
「22時~2時は睡眠のゴールデンタイム」
という話も聞きますが、実際のところは、
「人それぞれ」です。

また、「睡眠時間は90分単位で考えると良い」
とも聞きますが、これも個人差があります。

つまり、睡眠には誰にでも共通する
「絶対解」がありません。

そこで、自分自身の最適な睡眠時間を把握して、
「最適解」を得る必要があるのです。

そこで裴さんは、自分に合った睡眠時間探り、
ビジネスパーソンが持つ「肉体的疲労」、
「精神的疲労」、「神経的疲労」の3つの疲れを、
効果的に解消する快眠戦略を示します。

 STEP1 睡眠ログをつける
 STEP2 「起床時刻」を決める
 STEP3 「起床時刻」から「目標睡眠時間」を
    引いて「就寝時刻」を決める
 STEP4 「眠くなった時」か「設定就寝時刻に
    なった時」のみ布団に入る
 STEP5 布団に入って15ふんたっても寝付けない
    場合は思い切って寝室を出る
 STEP6 再度眠気がやってきたら布団に入る
 STEP7 「起床時刻」に必ず起きて寝床を出る
 STEP8 STEP2~7を1週間続ける
 STEP9 睡眠効率が上がったら目標睡眠時間を
    少しずつ増やす

ここでは結論だけ書きましたが、本書には
睡眠に関する医学的な根拠に基づいた
様々なTipsが紹介されています。

日本のビジネスパーソンの3人に1人が、
睡眠に関する何らかの悩みを抱えていると
言われていますから、本書によって救われる方も
多いのではないでしょうか。

この本から何を活かすか?

睡眠は「量」ではなく「質」。

自分の睡眠の「質」を知る1つの方法は、
「睡眠効率」を調べることです。

精密に調べるには、睡眠ポリグラフ検査を
行う必要がありますが、次の方法で
大体の「睡眠効率」が把握できます。

 [実質の睡眠時間]÷[横になっていた時間]×100
 =[睡眠効率%]

途中で目覚めた時間や、寝付けなかった時間を
引いたのが実質の睡眠時間です。

一般的な人が目指すべき睡眠効率は、
「85%以上」です。

私の睡眠効率を計算してみたところ、
約99%となりました。

私が比較的短い睡眠時間でも健康なのは、
この睡眠効率が高いからなのかもしれません。

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| ノウハウ本 | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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