活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2016年07月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年09月

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仕事が速いお金持ち 仕事が遅い貧乏人

満足度★★★
付箋数:20

あなたの周囲には、なんとなくサボっている
ように見えて、なぜか結果を出している人は
いませんか?

あくせくしている様子もなく、定時に退社して、
有給もしっかり取っているのに、なぜか
出世する人が、少ないながらもいるものです。

こういった人たちは、どのように
仕事をしているのでしょうか?

本書の著者、午堂登紀雄さんは次のように
語ります。

  「 “それはやはり、稼いでいる人の仕事の
  スピードは速くて効率的だから” と思ったと
  したら、半分正解ですが、半分は不正解です。

  確かに高収入を稼ぐ人は超高速で仕事を
  こなすという意味では正解。しかしそれは、
  他人より手足を速く動かせるということでは
  ありません。

  スピードが速いとか、効率的にこなしている
  というのは、あくまで行動という結果に
  過ぎません。その行動を決めている背景の
   “考え方” が違うからです。」

本書は、そんな仕事のできる人の考え方と、
そうでない人の考え方の違いを対比する本です。

55のシチュエーションで「仕事の速いお金持ち」
と「仕事の遅い貧乏人」の対立軸で紹介します。

午堂さんが、あえて対比構造にしたのは、
お金持ちとそうでない人の思考パターンの
違いを、顕著に浮かび上がらせるためです。

 第1章 仕事が速いお金持ちは
    「チャンスのつかみ方」が違う!
 第2章 仕事が速いお金持ちは
    「集中力」が違う!
 第3章 仕事が速いお金持ちは
    「対人関係」が違う!
 第4章 仕事が速いお金持ちは
    「生活サイクル」が違う!
 第5章 仕事が速いお金持ちは
    「思考習慣」が違う!
 第6章 仕事が速いお金持ちは
    「勝ちパターン」が違う!
 第7章 仕事が速いお金持ちは
    「やり抜く力」が違う!

では、本書の中から、「仕事の速いお金持ち」
と「仕事の遅い貧乏人」の対比例を紹介しましょう。

 ・仕事が速い人は、「やりたいタスク」
  にチャレンジする

 ・仕事が遅い人は、「やるべきタスク」
  ばかりやっている

メールを返信しなければならない、
報告書を提出をしなければならない、
取引先に電話をしなければならない・・・

このように仕事が遅い人の1日は、
大半が「しなければいけないこと」で
埋め尽くされています。

これらをやることは自体は必要ですが、
「しなければいけないこと」は、
いくらやっても、ただ同じことの繰り返し。

午堂さんは、「しなければいけないこと」は、
他人の夢の実現に貢献させられたり、
他人の目的達成の一部として利用されて
いるだけだと指摘します。

自分の状態を変えるためには、
誰かに指示されたのではない、
自分の「やりたいこと」を自分で決めて、
やる必要があるようです。

ですから、仕事の速い人になるには、
「しなければならないこと」を減らし、
毎日のタスクを「やりたいこと」で
埋めていくようにするのです。

ハッキリと思い出せませんが、
私は午堂さんの本で、このような対立軸で
書かれた本を、過去にも読んだような
気がします。

その意味では、書かれている内容には
納得できるものの、少し新鮮味に
欠ける印象を受けました。

この本から何を活かすか?

私が本書でドキリとしたのは、
「仕事の速いお金持ちは、 “大盛り無料”
に惹かれない」というフレーズです。

仕事の遅い人は、お腹いっぱい食べて眠くなり
生産性を下げてしまいます。

仕事の速い人は、比較的軽い食事で済ませ、
食べ過ぎによる生産性の低下を防ぎます。

その日の自分の体調や仕事のペースに合わせて、
食事の量をコントロールする「意思」を
持つことが大切です。

私のように「大盛り無料」に釣られて、
他人に食事量をコントロールされては
ダメなのです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 05:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事に使える「指標」設計入門

満足度★★★
付箋数:25

私たち人間は、何らかの目印を基に行動します。

例えば、個人がダイエットして「体重60Kg」を
目標とすると、この60Kgが目印となります。

企業が活動する場合でも、売上を始めとする
様々な目印となる数値があります。

こういった数値の目印は「指標」と呼ばれ、
判断や評価の基準となります。

定量的に表された指標は、主観が入りにくく、
誰もが理解できるので、意思決定の際に
優先すべきことがはっきりします。

もし、定量的な指標がないと、
経験や勘に頼り、一貫性のない場当たり的な
判断となってしまいがちです。

本書は、「指標を作るための統計分析と
その活用方法の枠組」を紹介した本です。

著者は、データベースマーケティング、
データマイニングが専門の小谷祐一朗さん。

小谷さんは、地図上をクリックするだけで、
日本中の不動産の予測成約価格を調べられる
GEEO」をリリースして注目された方です。

すでに数多くの指標が世の中には存在します。

経営に関わる指標でも、総資本経常利益率、
総資本回転率、自己資本比率、損益分岐点など
挙げればキリがありません。

それなのに、何らかの指標を
自ら作る必要があるのでしょうか?

  「多くの人が参考にする指標を作成し
  普及させることは難しい一方で、
  自ら指標の作成と運用ができれば、
  人に先んずることができる。
  そして、指標作成のノウハウは、
  あなたの職業人生の資産となるだろう。
  また、自ら作ったものは絶え間なく
  変化する状況に対応させやすい。
  そのために指標作成の基礎技術である
  データ分析を勉強しよう。」

本書では、第1章で指標の重要性について説き、
第2章では数字の読み解き方とデータの種類
について解説します。

第3章では簡単な確率の法則を扱い、データの
描画手法と要約統計量について触れます。

第4章では、相関分析、回帰分析、因子分析
などの統計手法を学びます。

第5章では、統計解析に基づく指標づくり
として、4つの事例でその使いこなす方法に
ついて解説します。

この第5章で紹介されている事例は、
次の4つです。

 ・回帰分析で予測値と離れた
  「割安不動産発見指標」を算出

 ・自己回帰モデルによる独自の
  「市場心理指標」で市場を読む

 ・ロジスティクス回帰分析で
  「ビール購入指標」をつくる

 ・因子得点を「併せ買い指標」にする

小谷さんは、最終的な自分の指標づくりの
ポイントとしては3点を挙げています。

  「極端なことを言えば、データ分析する
  ときには、データが分布する幅(標準偏差や
  分散で表される)に着目すること、
  平均値だけでなく中央値等からも分布の
  形状を考えること、そして偏差等を使う
  ことが最も重要である。
  様々な統計分析手法は考案されているが、
  この3点が自分で指標を開発する際の
  ポイントだと筆者は考える。」

本書は、ビジネスパーソンとして、
統計的な考え方や手法を理解することに
重点を置いて書かれています。

データを分析する心構えから、データ分析と
統計学の基礎、現場での課題解決の考え方を、
独自の指標作成のプロセスを通じて
解説されています。

あくまで入門編ですが、勘所がコンパクトに
まてめられていて、それでいてわかりやすい
良書だと思います。

この本から何を活かすか?

本書は小谷さんが日経BigDataのサイトに
連載した「データセット&分析レシピ」の
記事がベースになっています。

本書の各種分析は統計分析ソフト「R」を
使っていて、一部Rのコードも掲載されて
いますが、各種データも含めると
サイト記事の方が詳しく書かれている
部分もあります。

本書と併せて、サイトの記事も
参照することをオススメします。

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| 数学 | 09:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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すぐやる! 「行動力」を高める"科学的な"方法

満足度★★★
付箋数:22

あなたは、次のような経験はありませんか?

 ・「テレビを見よう」と思っていたわけでは
  ないのに、帰宅したら習慣的にテレビを
  つけてしまい、そのままテレビタイムに突入した。

 ・つい手に取ったスマホでSNSを見たら、
  けっこうな時間が過ぎてしまった。

 ・仕事中にパソコン画面を見たら気になる
  ニュースがあって、つい読みふけってしまった。

本当はやるべきことがあるのに、
つい別のことをしてしまっていて、
気がついたら、かなりの時間が過ぎていたことは、
よくあることです。

この原因は、脳が「別のものを見てしまった」
ことにあります。

脳は目から入った情報に、最も大きな影響を
受けます。

テレビやスマホ、パソコンを一度、
脳に見せてしまうと、もう逆らえません。

これは、「依存症」とよく似ていて、
アルコール依存症から、なかなか抜けられない
人が、「少しだけのつもりだった」と言うのと
同じです。

視覚がもたらす作用も、「一度飲んだら
やめられない」のと根本的には同じで、
「一度見てしまったら」やめられなくなります。

脳が一度見てしまうと、依存症と同じ現象が
脳内で起こっていまうようです。

更に、もう1つ厄介なことがあります。

意思の力だけで、「やってはいけないこと」
をやめようとすると、私たちの脳は逆に、
やめられなくなってしまうのです。

やってはいけないことをやってしまうと、
一般的に「罪悪感」を抱きます。

罪悪感を抱くと、脳内の両側内側前頭葉
という部位が活性化します。

この部位には、期待感を高めるドーパミンを
キャッチする受容体が多く分布しているため、
期待感が高まります。

つまり、やってはいけないことをやって、
罪悪感を抱けば抱くほど、脳は高い満足感を
得てしまい、余計にやめられなくなるのです。

この脳の仕組みさえ分かってしまえば、
解決することはそれほど難しくないようです。

最初のテレビをダラダラ見てしまう例では、
デーブルの上でリモコンを見てしまわないよう
すればいいのです。

やるべきことは、テレビのリモコンを置く場所を
1ヶ所に決めて、ソファやテーブルの上に置かず、
必ずリモコン置き場に戻すようにすること。

こうすることで、もしテレビをつけようと、
リモコンを取りに行ったとしても、
「自分はこれからテレビを見ようとしている」
と自覚が芽生え、無意識に突入していた
テレビタイムから抜け出すことができるのです。

本書は、リハビリテーション専門の作業療法士、
菅原洋平さんが、脳と体の仕組みから、
「すぐやらない人」を「すぐやる人」に変える
コツを伝える本です。

菅原さんの本来の仕事は、脳に損傷を負った
人たちを、リハビリテーションによって
自分らしい生活を取り戻す手助けをすることです。

本書では、その知識や経験を、脳に損傷のない
私たちが、どうすれば自身のパフォーマンスを
上げられるかに応用しています。

  「自分を “私はやることをあと回しにするタイプ”
   “私は切羽詰まらないとやらないタイプ” などど
  捉えているなら、その認識は今すぐ捨ててください。
   “やることをあと回しにするタイプ”
   “切羽詰まらないとやらないタイプ” など
  ありません。ただあなたが自分の脳に、
   “すぐやらない” ための情報を与えているだけ。」

本書では、「やる気」や「忙しさ」に関係なく
「やるべきことにすぐ取りかかる」方法を
8つの切り口から、わかりやすく解説します。

この本から何を活かすか?

菅原さんは、仕事が忙しくなってしまい、
目標としていた資格試験の勉強をする時間が
取れなくなってしまった人に、次のように
アドバイスしました。

  「帰宅したら鞄から参考書とノートを出して、
  1行目に日付を書く。日付を書いたあとは、
  自由にダラダラしても構わない。」

このアドバイスを受けた方は、
「それくらいならできそう」と言って始め、
実際に仕事が忙しくても毎日30分程度は
勉強時間が取れるようになったそうです。

このスモールステップ化は参考にしたいですね。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 08:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

満足度★★★
付箋数:24

コンピューターの時代は、1980年代初頭に、
コンピューターと電話が結びついてから
始まりました。

インターネットの出現です。

最初は、社会の端っこにありましたが、
あっという間に、グローバル化した現代社会の
中心に躍り出ました。

インターネットが発明されてから、
誰もが簡単にネットサーフィンできるようになり、
メールや検索、SNSを使うことが当たり前の
世界になりました。

しかし、インターネットが創造されてから、
まだ8000日も経っていません。

  「重要なのは、この大きな歴史的な流れが
  いまだに健在で進化していることで、
  それはこのトレンドが今後数十年ずっと
  増大し続けることの強い確証にもなっている。
  いまのところ、その流れを頓挫させそうな
  ものは前方には見えていない。
  犯罪や戦争、われわれの行き過ぎた行為ですら、
  この同じ流れのパターンに従っているからだ。
  本書では、今後30年を形作ることになる
  12の不可避なテクノロジーの力について
  述べることにする。」

本書の著者は、雑誌WIRED(ワイアード)を
創刊し、編集長を務めたケヴィン・ケリーさん。

ケリーさんは、サイバーカルチャーの論客
として知られ、現在でも多数の有名誌で
執筆活動を行っています。

前著『テクニウム』では、テクノロジーを
自己組織化する情報世界の基本原理として捉え、
壮大で深遠な宇宙観まで論を進めて
話題になりました。

本書では、そこまで広い概念まで広げずに、
テクノロジーがもたらす世界を12の「動詞」で
表現します。

原題は『The Inevitable(不可避)』。

これはデジタル化されたテクノロジーが持つ
本質的な力が起こす変化からは、
逃れられないということを意味します。

それはテクノロジーの性質に根差した
メタレベルのトレンドです。

ケリーさんが今後30年に起こる変化を表すのに
使った動詞は次の通りです。

 1. Becoming ビギニング
  「なっていく」 自動でアップデートされていく

 2. Cognifying コグニファイング
  「認知化していく」人口知能が当たり前になる

 3. Flowing フローイング
  「流れていく」自由にコピーされていく

 4. Screening スクリーニング
  「画面で見ていく」画面で読まれるようになる

 5. Accessing アクセシング
  「接続していく」リアルタイムでアクセスされる

 6. Sharing シェアリング
  「共有していく」所有の概念がなくなる

 7. Filtering フィルタリング
  「選別していく」増えすぎたコンテンツから選別

 8. Remixing リミクシング
  「リミックスしていく」自由にリミックスされる

 9. Interacting インタラクティング
  「相互作用していく」VRが効果的に使われる

 10. Tracking トラッキング
  「追跡していく」ライフログ化が進む

 11. Questioning クエスチョニング
  「質問していく」新たな問いが生み出される

 12. Beginning ビギニング
  「始まっていく」ホロスへと進化していく

テクノロジーについて、あまりネガティブな面は
書かれておらず、比較的に楽観的な未来論です。

400ページ超で、文字サイズも小さめですが、
興味深い話が多く、読者を引き込む筆力があるので、
グイグイ読み進められる本です。

この本から何を活かすか?

  「ユートピアもディストピアも、われわれが
  向かうべき方向ではない。テクノロジーは
  むしろわれわれを “プロトピア” に向かわせる。
  より正確に言うなら、われわれはすでに
  そこに着いている。」

プロトピアの「プロ」は、プロセスやプログレス
(進歩)からきています。

これは目的地ではなく、ある状態に「なっていく」
ことを指す言葉です。

プロトピアは、ほんのわずかであっても、
昨日よりも今日よりもよい状態になっていくので、
これを目指すのも十分刺激的な世界ですが、
視覚化することは難しいようです。

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| IT・ネット | 06:13 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力

満足度★★★
付箋数:25

昨日の記事で紹介した『最強の働き方』の中で
ムーギー・キムさんは次のように言っていました。

  「当然のことながらマッキンゼーの
  コンサルタントもピンキリで、すべてを
  ひっくるめて “マッキンゼー流だからありがたく
  学べ!” というのは大間違いである。(中略)
  マッキンゼー出身者の中にも、さっさと
  パートナー(経営陣)まで上り詰めた人も
  いれば、1年も経たずに辞めていく人もいる。
  コンサルの高みまで見た人と、コンサルの
  入り口しか見ていない人では、
  コンサルタントとしての仕事術や
  文化に対する理解も大きく異る。」

キムさんからは、マッキンゼー本信奉に、
クギを刺されたばかりですが、懲りずに本日は
マッキンゼー本を紹介します。

私は、マッキンゼー本の信奉者ではありませんが、
ダメと言われると、そうしたくなるのが人の常。

本日紹介する本の著者、山梨広一さんは、
マッキンゼー在籍25年間中、20年間パートナーを
務めた方ですから、当然、コンサルの高みまで
見た方ということになります。

山梨さんは、努力には「いい努力」と
「そうでない努力」があると言います。

「いい努力」と「そうでない努力」の違いは、
かけた時間ではなく、その「質」の部分にあります。

本書は、この違いを徹底的に洗い出して、
努力の質を上げて、すべて「いい努力」に
転換することを目指します。

本書の冒頭で挙げられている、「いい努力」
としてのポイントは7つあります。

 1. 「成果」につながるもの
 2. 「目的」が明確なもの
 3. 「時間軸」を的確に意識しているもの
 4. 「生産性」が高いもの
 5. 「充実感」を伴うもの
 6. 「成功パターン」が得られるもの
 7. 「成長」を伴うもの

この中で、注意しなければならないのは、
4番目の「生産性」について。

「いい努力=効率性」と考えるのは大きな誤解で、
効率主義一辺倒に走ると、逆に「いい努力」から
遠ざかってしまいます。

何でも過去の経験から解決策のパターンに
当てはめて、サクサクと処理してしまうのではなく、
「考える時間」をつくることが重要です。

  「大きな成果を手にするには豊かな思考力、
  発想力が求められるが、効率主義に走ると
  その部分が痩せてしまう。」

ただし、考えることは非常に大切ですが、
ひたすら考え続けているだけでは、
「いい努力」になりません。

生産性が高い思考になるためには、
「目的」と「境界条件」と「課題」の3つを
押さえておかなければなりません。

そして、最終的な生産性を高めるには、
「フロントローディング」することが大切。

フロントローディングとは、前のほうに負荷を
かけるという意味です。

「情報共有を最初にする」、「大きな方向性を
最初に検討する」、「面倒なことを最初にやる」、
「心理的に負担がかかることを最初にやる」、
「初期段階で人を巻き込む」など。

本書では、「いい努力」をするための、
心理的・物理的なセットアップの仕方から、
思考法、時間管理法、行動法、チーム力の生かし方、
リーダーシップ、会議術までを75の項目として
まとめています。

山梨さんが経験した、実際のエピソードを
例にしながら、最大限の成果を上げる方法を
解説しています。

本書には、独特の用語や表現が出てきますが、
それはマッキンゼー用語として理解しましょう。

この本から何を活かすか?

  「仮説を検証するには、頭で考えているだけ
  でなく、明確に言語化してみるといい。
  イメージは曖昧なままにしておけるが、
  文章にするとなるとごまかしがきかなくなる。
  自分の仮説が何であるか、より明確に、
  具体的に定めるよう、自分にチャレンジする
  ことになる。言語化は紙に書くことだけではない。
  簡単なのは、人に話してみることだ。」

洞察から、ユニークな仮説を組み立て、
その仮説を「書いて、話して強化」することが
勧められています。

このときに、書くことと、話すことの、
それぞれの利点を認識しておく必要があります。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 09:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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最強の働き方

満足度★★★★
付箋数:28

  「勉強ができるかどうかを示すIQと、
  一流の仕事ができるかどうかを示す
   “仕事のIQ” は種類が違う」

本書は、このコンセプトをベースに書かれた本。

学歴やIQとは関係なく仕事能力を強化できる、
「自分ならではの最強の働き方」を示します。

著者は、『一流の育て方』や『世界中のエリートの
働き方を1冊にまとめてみた
』の2冊が
ベストセラーになったムーギー・キムさん。

本書の目的は、「自分が選んだ道で、
最高水準の仕事をする」ことです。

自分にとって最高水準の仕事をするための
行動指針を「基本」、「自己管理」、「心構え」、
「リーダーシップ」、「自己実現」の5つの視点から、
77ヶ条の教訓としてまとめています。

キムさんは、次の3点を本書の特徴として
挙げています。

 【特徴1】世界中で怒られ、説教され、感心して
     わかった一流の基本

キムさんは、これまでプライベート・エクイティ、
公開株資産運用、コンサルティング、投資銀行
などの仕事をしてきました。

  「 “世界中で一番怒られたのは私だな” という
  妙な自信と、 “俺は凄くないが、同僚は
  それにしても凄いな” という感動から、
  自分が怒られたこと、そして凄すぎる
  部下・同僚からの教訓を書こうと思ったのです。」

1つ目の特徴は、キムさんが、世界標準で仕事の
できる一流のプロフェッショナルたちから
怒られ説教されてきたことや、尊敬する同僚の
生き様をまとめていることです。

 【特徴2】「雲の上の理想」ではなく「坂の上の
     現実」

2つ目の特徴は、遠いい未来の浮世離れした
トップリーダーの精神論ではなく、すぐに実行に
移せる具体的な目標とアクションプランとして
読めること。

自分に関係が深い内容を、キャリアステージに
合わせて読めるようまとめられています。

 【特徴3】誰でも実践できる内容ばかり

3つ目の特徴は、「誰でも実践できる」という
「汎用性・実践性の高さ」です。

働く職場が、大企業でも中小企業でも当てはまる
具体的な実践論としてまとめられています。

  「個人の特殊な能力や特殊な業態に根差した
  仕事術を書いても、 “ふーん、凄いですね” 
  で終わってしまう。
   “マッキンゼーはこうしている” 
   “ハーバード流はこうだ” といわれても、
  食傷気味の人も多いのではないか。
  多くの読者の方にとって行動に移せるポイントが
  なければ、役に立つ行動指針とはいえない。」

キムさんは、何でもかんでも「マッキンゼー」と
ありがたがる風潮には批判的。

  「よく資料のつくり方といって
  “マッキンゼーでは資料をこうつくる”
  などといった、たいそうな本が出ているが、
  マッキンゼーを笠に着て何でもかんでも売る
  販売競争は、そろそろやめなければならない。」

こういった、シニカルな視点を持ちながら、
適度なユーモアを交えて、本書は書かれています。

楽しく読めるように「読みやすさ」にも
徹底的にこだわっていて、ビジネス書としては、
高いエンターテイメント性を備えています。

各章で述べたことを、章末にポイントとして
まとめている本は多いですが、
本書のように、そこでもう一笑いできる本は
なかなかありません。

本書は、間違いなく買って損のない一冊として
オススメできる本です。

この本から何を活かすか?

本書は、この記事を書いている2016年8月25日の
4時現在、アマゾンの「ビジネス・経済」の売れ筋
ランキング部門で1位となっていました。

本書を数ページでも読むと、どのページからも
サービス精神が溢れていて、ベストセラーで1位に
なるのも非常によくわかります。

第1章の「一流の道は一流の基本から」の中で、
「資料づくりも、神は “細部” に宿る」ことが
挙げられていましたが、本書も徹底的に
細部までこだわって書かれていることが
よくわかります。

カバーの裏にも、ユーモアに富んだ文章が
したためられているのは、驚きです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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エンジニアがビジネスリーダーをめざすための10の法則

満足度★★★
付箋数:22

  「これから日本企業が再び世界で戦っていく
  ためには、ベンチャーやスタートアップのような
  スタイルに限らず、あらゆる企業において、
  エンジニアがプロジェクトの先頭に立ち、
  リーダーとしてビジネスを牽引し、
  さらにマネジメントに参画して、会社と自身の
  キャリアを成功に導いて行くべきだ、
  と私たちは考えています。
  なぜなら、すべての産業領域がインターネットの
  波にさらされてデジタル化していく時代には、
  テクノロジーとビジネスをつなぐスキルを
  持ったリーダーこそが求められていくからです。」

日本企業が、高い技術力を持ちながら、
ビジネスにつなげられないのは、エンジニアや
技術を持つエンジニア組織が、ビジネスリーダー
としての「問題解決力」と「営業力」を
身につけていないことが大きな原因です。

本書は、その問題を解決して、「エンジニア」が
ビジネスリーダーになるための本です。

著者は、戦略から業務・ITまでをカバーする
日系総合コンサルティングファームの
ベイカレント・コンサルティングの方々です。

同社はITサービスに原点を持つコンサル会社
なので、そのバックグラウンドを生かし、
エンジニア畑出身者が問題解決力、
リーダーシップ、営業力を身につける方法を
解説します。

著者たち自身が、IT技術者から自らの
キャリアを始め、ITコンサルタント、
戦略コンサルタント、あるいは経営者へと
歩みを進めてきた中で、特に障害となった
10の陥穽に注目して、そこから抜け出すために
必要だった法則をまとめています。

それぞれの法則では、まず、エンジニアに
ありがちな会話と、ビジネスリーダーに
求められる考え方や振る舞いの差異を見ます。

次に、それぞれの短所や長所を分析して、
リーダーを目指すために必要な心掛けを
抽出します。

さらに、エンジニアが陥りがちなワナの
特徴や背景を解説した上で、その解決策や
マネジメントやビジネスリーダーとして
重要な考え方や原理原則、実践事例や手法を
説明していきます。

本書で、紹介される10の法則は以下の通りです。

 法則01 Googleに答えを求めるな
 法則02 右脳を叩き起こせ
 法則03 仮説で語りきれ。非難を恐れるな
 法則04 プロセス志向から抜け出せ
 法則05 不正確への恐怖に打ち克て
 法則06 変更アレルギーを治療せよ
 法則07 パソコンを閉じろ。
    クライアントに会いに行け
 法則08 自分の事を話すな
 法則09 守りから 攻めに転じよ
 法則10 自分の母親にもわかる言葉で話せ

国内の時価総額トップ10企業を見てみると、
国内ではトヨタ、KDDI、ソフトバンク、ホンダ
の4社がエンジニア出身が創業者。

同様に世界の時価総額トップ10企業でも、
Apple、Google、Microsaft、Johnson&Johonson
Facebook、General Electricの6社が
エンジニアが創業した企業です。

こういった企業の創業者は、エンジニアとして
秀でていただけでなく、ビジネスリーダーと
しても優れたのです。

本書には、エンジニアが自ら意識を変え、
社会を変えるようになって欲しいとの
メッセージが込められています。

この本から何を活かすか?

ITなどの技術には、バグや欠陥がつきもの
なので、エンジニアは「絶対に大丈夫です」
といった表現は使いません。

リスクが想定される場合は、「おそらく」、
「かもしれない」などの表現に逃げがちです。

しかし、それでは関係者をポジティブな
姿勢にすることができません。

そこで必要なのが、法則05の
「不正確への恐怖に打ち克て」です。

ここでは、エンジニアがビジネスリーダーへ
思考転換するために4つのポイントが
挙げられていました。

 1. リスクではなく目的思考で「やる意義」
  を語り、その上で進め方やリスクを
  マネジメントする

 2. 技術観点の懸念事項提示にとどまらず、
  進め方を提示した上で検討事項として整理

 3. 正確なリスク報告ではなく、クイックな
  フィージビリティ評価のやり方を考え、
  プランニング等のビジネス視点での検討の
  時間を割く

 4. ベンダとしてではなく、ビジネスパートナー
  として、クライアントの意思決定を
  サポートするための検討に注力する

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| 経営・戦略 | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大前研一「ビジネスモデル」の教科書

満足度★★★
付箋数:25

   「大学などで意味のないケーススタディを
  行っていることが多いのは、先生の資質や
  意識の問題にも起因する。よくあるのが、
  自分自身の確固たる考えを持たないまま
  ケーススタディを学生に提示し、学生の
  言うことに対して “その考えはいいね” 
   “そういう考えもあるね” と頷くだけ。
  これではただの司会者である。
  マイケル・サンデル教授と同じで
   “死について考えよう” と言って
  学生みんなの考えを聞き、
   “サンデル教授はどう考えるのですか?” 
  と問われても、核心的なことは言わない。
  そのような司会者先生に “ケーススタディで
  学びましょう” と言われても、
  学生は何も学べないのである。」

マイケル・サンデル教授を名指しで
批判するのは、さすが、大前研一さんです。

本書で取り扱われているのは、まだ答えの
出ていない、リアルタイムのケーススタディ。

 ・あなたがザ コカ・コーラカンパニーの
  CEOならば、健康志向の高まりから
  炭酸離れが進むなか、どのような戦略で
  対処するか?

 ・あなたが株式会社ローソンの社長ならば、
  ライバル社が経営統合するなか、
  どのような成長戦略に取り組むか?

 ・あなたがUberのCEOならば、
  世界中でバッシングを受けるなか、
  いかにサービスの質向上・維持を図るのか?

 ・あなたが任天堂の社長ならば、
  DeNAとの提携を機に、いかにスマホ時代の
  ゲーム市場覇者となるか?

大前さんは、このようなケーススタディを
学生に出題して、自分でも同じ条件で
1週間という限られた時間で必死に考えて、
自らの回答を用意します。

  「たとえ学生に “大前の言っていることは
  おかしいな” と思われても、必死に考えて
  その考えを発表し、時には学生と議論する。
  それが教師としての使命だと思っている。」

本書には、大前さんが学長を務める
ビジネス・ブレイクスルー大学(BBT大学)で、
毎週課題として出される「大前式ケーススタディ
(Real Time Online Case Study=RTOCS)」から
12のケースを掲載しています。

タイトルに「ビジネスモデルの教科書」と
ありますが、今の世の中にある様々な
ビジネスモデルを学ぶという意味の
「教科書」ではありません。

大前式ケーススタディに取り組むことで、
経営のための思考力や判断力をトレーニングして、
「新しいビジネスモデルを作り出す」意味での
「教科書」ということです。

この大前式ケーススタディには、次の3つの
特徴があります。

 1. 解決していない「現在進行形」の課題に
  取り組む

 2. 「リーダーの立場」になって徹底的に思考する

 3. ディスカッションすることで発想が広がる

本書を読んでケーススタディに取り組むだけでは、
1と2の特徴は生かされますが、3の特徴は
生かされません。

そこで、本書読んで自分なりの解を導き出した後、
複数人でディスカッションすることを大前さんは
推奨しています。

本書の注意点は、自分で取り組むまでは、
大前さんの回答を読まないことです。

大前さんのロジックは強力なので、
一度大前さんの回答を知ってしまうと、
議論の余地がなくなってしまう可能性があります。

この本から何を活かすか?

本書では、大前式ケーススタディに
取り組むに当たり、「分析・考察・結論づけ」の
6つのポイントが紹介されていました。

 1. 情報収集は、「全体像」が分かるように
  行うべし

 2. 情報収集と分析は「同時」に行え

 3. 図書館とネットで「一次情報」にあたれ

 4. ニュースを見る時は「自分の世界地図」
  を使え

 5. 結論を導く時はフレームワークに頼るな

 6. その企業・業界が抱える「本質的な問題」
  は何か

私が注意したいと思ったのは、5番目の
フレームワークに頼り過ぎないこと。

大前さんは、フレームワークは、あくまでも
本質的問題を抽出するための補助ツール
であると語っています。

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| 経営・戦略 | 10:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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8/22休載します

本日体調不良のため休載させていただきます。
明日から再開しますので、よろしくお願いいたします。

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| お知らせ | 06:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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若者離れ 電通が考える未来のためのコミュニケーション術

満足度★★★★
付箋数:24

次の10項目の中で、自分に当てはまる項目の数を
カウントしてください。

 □1 部下や後輩と話していると「こらだから
   イマドキの若者は~」と説教してしまう
   /したくなる
 □2 部下や後輩への指示は「理由はいいから、
   とにかくやれ!」でいいと思う
 □3 若い人と話している時の口癖は「俺/私が
   そのくらいのときは~」である
 □4 若い人の話を聞いていると「俺/私だって
   若ければ」と思う
 □5 自分の子供や部下の話している言葉を聞くと、
   日本の将来が不安になる
 □6 若者が大人に気を遣うのは目上の者に対する
   礼儀だが、大人が若者に気を遣うのは
   意味がわからない
 □7 若い人の話を聞くと「結婚もしたくないし、
   欲もない」と思えて、何が楽しくて日々生活
   しているのかわからない
 □8 後輩や部下、自分より若い人に頼るのは
   年長者として恥ずかしい
 □9 どんなに熱く後輩や部下を指導しても、
   何も響かない
 □10 実は、若者との付き合い方に自信がない

この10項目のチェックで、あなたの「若者離れ度」
がわかります。

 0~3個 若者離れレベル「低」
 基本的に若者を理解し、若者的感性を持っています。
 若者とのコミュニケーションに支障はありません。

 4~7個 若者離れレベル「中」
 かなり若者に対して、距離感があります。
 若者とのコミュニケーションに支障が出ます。

 8個以上 若者離れレベル「高」
 完全に若者離れしてしまっているので、
 今のマインドでは若者とのコミュニケーションが
 上手くいきません。

私もやってみましたが、予想に反して、
若者離れ度「低」の結果になりました。

どうすれば、今の若者との間で、
もっといい形での相互理解や、それを起点とした
新たな価値が生み出せるのか?

本書は、電通若者研究部(通称:電通ワカモン)
が、イマドキの若者とのコミュニケーション術を
まとめた本です。

電通ワカモンは、10代~20代の若者の実態に迫り、
若者と社会がよりよい関係を築けるような
ヒントを探る電通のプランニングチームです。

いつの時代も大人は、若者のことが理解できません。

これは永遠のテーマかもしれませんが、
今のオジサン・オバサン世代が若者だった頃と
今の時代では大きな違いがあります。

それは少子高齢化が進み、昔と比べて、
若者の「数」が減っていること。

若者の「量の影響力」が低下しているため、
「社会の若者離れ」が一層進んでいるのです。

本来社会は、若者特有の感性やアイディアを
取り入れつつ進化していくものですが、
それができないと社会全体が老いてしまいます。

本書では、今の若者の価値観がつくられた
環境を分析しつつ、「若者まるわかりクラスター」
として、イマドキの若者像を10種類に
プロファイリングしています。

そして、プロファイリングして終わりではなく、
今の大人に必要な考え方や動き方まで
まとめられています。

イラストが豊富で非常に読みやすく、
一見軽そうに見える本ですが、
はっきりとした意志が込められている本です。

それは、若者を切り離して論じるのではなく、
違いを知って、その先の未来をつながり方を
見通したいという意志です。

本書の分析と洞察は目をみはるものがあり、
部下や後輩とのコミュニケーションに悩む方や、
若い世代の消費者心理を理解したい方には
参考になる本だと思います。

この本から何を活かすか?

若者まるわかりクラスターでは、
次の10種類に今どきの若者像をまとめています。

  1. 自己プロデュースキャラ
  2. SNSめだちたがり
  3. 超リア充
  4. みんなのムードメーカー
  5. マイペースキャラ
  6. 正解さがしさん
  7. ガチオタ
  8. ネトゲ充
  9. ぼっちキャラ
  10. 大衆キャラ

この10種類の中には、昔から変わらず存在する
若者像と、今だからこその若者像があります。

特にSNSで「見られている意識」によって
行動が規定されるのが、今だからこその
若者像の特徴です。

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ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす ビッグデータの残酷な現実

満足度★★★★
付箋数:29

ダイヤモンド社の木山さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたには、どんな性的嗜好がありますか?

もし、こんな質問を面と向かってぶつけても、
人には「羞恥心」がありますから、
なかなか本音を引き出すことはできません。

匿名性の高いインターネットのアンケートでも、
「自分はこうあるべき」という思い込みがあり、
意外と事実と異なる回答が寄せられるもの。

ならば、どうしたら人が語るのをためらう
本当の好みを聞けるのか?

それは、「デジタルのパンくず」を拾うこと。

  「デジタルの世界で、私たちは驚くほど多くの
   “パンくず” を落としながら歩いている。」

例えば、デジタルカメラで撮影されたすべての
画像にはExif情報と呼ばれる、撮影日時や
撮影場所の緯度・経度の情報が残されています。

この情報によって何がわかるのか?

ウェブ上に公開されている自己紹介写真は、
写りがいいほど賞味期限が切れている
確率が高いことがわかります。

厳選された「奇跡の1枚」を使い続けている人が
多いからです。

さて、本書は「デジタルのパンくず」を拾って、
人が語ることのない本音を暴く本です。

原題は「Dataclysm: Who We Are
(When We Think No One’s Looking)
」。

直訳すると「データ洪水:誰からも見られて
いない時、私たちはいったい何者なのか?」
といった意味でしょうか。

著者のクリスチャン・ラダーさんは、
世界最大級の出会い系サイト
「Okキューピッド」の共同創業者にして、
データアナリストです。

本書では、同社の実際のデータを使い、
普通に質問しては得られない、
秘めた願望、恋愛、性的嗜好、容姿、偏見など、
男女の本音や人間の本性をあぶり出します。

ちなみに、日本で「出合い系」というと
怪しいイメージがありますが、欧米では
それほど特別視されておらず、多くの人が、
恋愛の機会の1つとして利用しているようです。

本書ではOkキューピッドのデータから、
「魅力的だと思う異性の年齢」を示します。

これは、ビッグデータが語りかける
男女の普遍的な好みの傾向。

データを分析すると、女性は年齢が上がると、
魅力的だと思う男性の年齢も上がりました。

例えば、20歳の女性は23歳の男性を好み、
50歳の女性は46歳の男性を好みます。

ただし、これはきれいに比例直線を描く
わけではなく、男性の性的な魅力はおよそ
「40歳」で限界を向かえるます。

一方、男性の場合は年齢が上がっても、
好みの女性の年齢は一緒に上がりません。

20歳の男性は20歳の女性を好みますが、
男性は50歳になっても、やはり20歳の女性を
好むのです。

  「女性の若さを重視する傾向は、裏を返せば、
  男性の好みが成長しないという意味でもある。
  50歳の男性の理想は、男子大学生とほぼ同じ。
  大学生のほうが年齢という変数に柔軟でさえ
  ある。」

本書では、私たちがなんとなくそう思って
いたことをデータで肯定してくれることもあれば、
私たちの常識を覆すこともあります。

いずれにしても、人間の真の姿に迫る
非常に興味深いデータ分析が示されています。

米国の主要な新聞・雑誌で、
「ビッグデータの必読の1冊」と紹介されて
いるのも納得できます。

また、欧米の本にありがちな、個人の具体的な
エピソードを中心に語るスタイルではないので、
私たち日本人も読みやすい本です。

専門的になり過ぎず、語り口も軽快。
好奇心を刺激される、買って損のない1冊です。

この本から何を活かすか?

Okキューピッドでは、
「プロフィール写真を1日だけ載せいない」
という実験を行いました。

この実験は、私たちの思い込みを覆す、
「希望が持てる」結果を示しました。

  「お互いの外見は、実際のデートを
  楽しんだかどうかにはほとんど影響
  しないのだ。
  2人の外見にどれだけ差があっても
  (1人が美形で、もう1人が不器量という
  場合でさえ)デートに肯定的な評価を
  つける人の割合は変わらない。
  外見の魅力は関係なかったのだ。」

これは、会うまでは相手を外見で選別するが、
実際に会ってしまうと、外見はデートの
満足度に影響しないということです。

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| 数学 | 07:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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語彙力を鍛える

満足度★★★★
付箋数:24

「人間は言語によってのみ人間である」

この言葉を遺したのは、ドイツの言語学者、
シュタインタールさんです。

言語は単なるコミュニケーションの
手段であるばかりでなく、私たちが人間として
思考するための手段でもあるのです。

人は言葉を創りますが、逆に言葉もまた
人を創るということでしょう。

   「人間の思考力を規定するのは言語力であり、
  言語力の基礎になる部分は語彙力によって
  支えられています。そのため、語彙力は学力とも
  相関関係があり、語彙力が高い学生のほうが
  一般に成績がよく、そのあとの就活にも有利に
  働きます。就職をせずにブログやメルマガを
  使ってアフィリエイトで稼いでいる人であっても、
  集客のために語彙力は必須です。」

仕事でもプライベートでも、話す時も書く時も、
もっと語彙力があればと思うことがよくあります。

しかし、知っている言葉の数が多いだけでは、
語彙力があるとは言えません。

  語彙力=語彙の量(豊富な語彙知識)
      ×語彙の質(精度の高い語彙運用)

本書の著者、石黒圭さんは、語彙力について
このように定義しています。

語彙力は、言葉の数をたくさん知っている
という「量」の面だけでなく、言葉をどのように
知っているかの「質」の面も重要なのです。

言葉の「質」とは、文脈に合わせて適切な語を
選択する力を持っているということです。

本書は語彙力を「量」と「質」の両面から
強化する方法を示す本です。

特に石黒さんが重視しているは、「質」の面です。

相手に届く言葉は、聞いたことがないような
奇をてらった言葉である必要はありません。

ごく普通の地味な言葉であっても、
それが文脈に合った等身大の言葉であれば、
確実に相手に届きます。

  「無理な背伸びをせず、文脈に合った言葉を
  選ぶだけでよい。変に着飾らず、シンプルな
  言葉を選ぶだけでよい。言葉の形を強く意識
  させることを目指すのは素人の発想であり、
  言葉の形を意識させずに内容がすっと頭に
  入ってくる言葉選びを目指すのがプロの発想です」

本書では、第1章で「語彙」とは何かについて
説明し、第2章で語彙の数を増やす方法を解説し、
第3章で語彙の質を高める方法を示します。

例えば、語彙を増やす方法の1つとして、
紹介されているのが「類語を考える」という方法。

自分の言葉に満足できない時や、
使っている言葉がしっくりこない時は、
類語を知っている方が選択肢が広がり、
より適切な語彙が選べるようになります。

類語はインターネット検索や類語辞典を
使うことで増やすことができます。

また、語彙の質を高める方法の1つとして、
紹介されているのが「誤用を回避する」こと。

かなり注意していないと、プロでもついうっかり、
言い間違えや書き間違えをしてしまいます。

ここでのポイントは自分の語感だけを頼りに
言葉を選択しないこと。

語感だけで選んでしまうと、思い込みから
誤った判断をしてしまうことがあります。

誤用を回避するためには、辞書を引く習慣を
身につける必要があります。

この点については、以前なら紙の辞書を
持ち歩く必要がありましたが、
今の時代はスマホがあります。

いつでも辞書を引ける環境があるので、
語彙の質を高めるには、いい時代になりました。

本書は、トレーニングの問題は掲載されて
いませんが、語彙の「質」を高めることの
重要性を再認識させられる本でした。

この本から何を活かすか?

あなたの敬語は、不快感を与えていませんか?

 対応が不十分で本当に[ごめんなさい/すみません]
 対応が不十分でまことに[申しわけありません]
 対応が不十分でまことに[失礼しました/遺憾です
            /残念です]

敬語の使い方が不適切だと、かえって相手に
不快を与えてしまいます。

この例では、「ごめんなさい」、「すみません」、
「申しわけありません」は程度の差こそあれ、
いずれもお詫びの表現です。

一方、「失礼しました」、「遺憾です」、
「残念です」は、お詫びかどうかは微妙です。

特に「遺憾です」や「残念です」は、
迷惑をかけた事実を認めつつも、それに対して
謝っていないので、責任逃れの感が強く、
相手の気分を害するので、注意が必要です。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ、あなたは変われないのか?

満足度★★★
付箋数:23

習慣化コンサルタントの古川武士さんから
献本いただきました。ありがとうございます。

 ・イライラ癖があり、周りとうまくいかない
 ・「自分はダメだ」とすぐに落ち込んでしまう
 ・「変わらない毎日」に閉塞感を抱いている
 ・家庭も仕事も完璧を目指して疲弊する
 ・「いい人」でいるのも我慢の限界に達している

ここに挙げたのは、自分を変えたいのに、
変えられずに悩んでいる人の典型的なパターンです。

あなたにも、当てはまるものがありませんか?

自分を変えたいのに、変えられないのは、
性格の問題ではありません。

私たちが自分を変えられない理由は、
無意識下にある「根深い思考の習慣」に
行動や感情が支配されているからです。

この「根深い思考の習慣」のことを心理学では、
「ビリーフ」と呼びます。

著名な心理学者、R・D・レインさんは、
ビリーフについて次のように説明します。

  「私たちが考え行動する範囲は、私たちが
  気づかないことによって制限される。
  そして、自分が気づいていないことは、
  気づいていないのだから、私たちが変わる
  ためにできることはほとんどない。
  気づかないことが、私たちの考えや行動を
  狭めていることに、気づかないかぎり。」

ビリーフは、幼少期につくられた、心のずっと
奥にある根深い思い込みで、無意識の内に
私たちの行動や感情を操っているのです。

自分を変えたければ、まずは自分の
ビリーフにしっかりと向き合って、
ビリーフを変えなければなりません。

性格は簡単には変えられませんが、
ビリーフは思考の習慣なので、本書の手順に
従うと、変えることができるようです。

ビリーフを変えることで、人生も変える。

本書では、自分のビリーフを書き換えて、
自分を変え、人生を変える方法を、
多くの事例を挙げ、わかりやすく解説します。

実は、ビリーフにはポジティブなビリーフと
ネガティブなビリーフの2種類があります。

ポジティブなビリーフは、自分の望ましい未来や
目標を手にするために、モチベーションを与え、
行動することを強力に後押ししてくれます。

一方、ネガティブなビリーフは、自分が困難に
ぶつかったときに、気持ちを落ち込ませたり、
目標をあきらめさせたりします。

自分を変えるためには、ビリーフをなくす
というより、ネガティブなビリーフから
ポジティブなビリーフに書き換えることが
必要となります。

本書では、次の3つのステップでビリーフを
好ましいものに書き換えます。

 ステップ1 ターゲットビリーフを探る
  毎日の出来事から感情を拾い、ネガティブ
  ビリーフを探る
   アクション1 1日5分の感情日記を書く
   アクション2 ターゲットビリーフを絞る

 ステップ2 ネガティブビリーフを弱める
  悪循環を生み出すネガティブビリーフを弱める
   アクション1 証明体験を集める
   アクション2 例外体験を見つける

 ステップ3 ポジティブビリーフを強める
  好循環に変えるポジティブビリーフを強める
   アクション1 ポジティブビリーフを引き出す
   アクション2 近い将来に適用する

ビリーフを変えるための最大のポイントは、
書いて「言語化」することです。

無意識の思考は言葉にすることで意識でき、
コントロールしやすくなるようです。

本書では「書く」習慣を使って、ビリーフを
書き換え、あなたの仕事やプライベートでの
悩みを解消します。

この本から何を活かすか?

代表的な7つのネガティブビリーフを知ることが、
自分の中に潜むネガティブビリーフを探る
手掛かりになるようです。

  1. 私は愛されていない
  2. 私は劣っている
  3. 私は無力である
  4. 完璧にやらなければ価値がない
  5. 人から嫌われてはいけない
  6. 他人を信用してはいけない
  7. 時間をムダにしてはいけない

私には、どうやら4番と7番のビリーフが
ありそうなので、本書のステップに従って、
書き換えてみようと思います。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビジネススキル大全

満足度★★★
付箋数:22

  「ビジネスパーソン必修のスキルを世界中の
  ビジネス書から抽出し、一冊の本にまとめて
  みましたが、いかがでしょうか?
  本書は、著者の立場からすると予想通り、
  大変手間と時間のかかるものでした。
  私は、これまで50冊近い本を書いてきましたが、
  普通の書籍の何倍も時間がかかりました。」

本書は、藤井孝一さんがこれまで読んできた
1万冊以上のビジネス書の中から、
40冊を厳選してそのエッセンスをまとめた本です。

藤井さんは、5万人以上に読まれている
メルマガを発行し、3万人のビジネスパーソンと
出会ってきたビジネススキルの専門家。

そんな藤井さんが、ビジネス書の名著で
扱われてる「ビジネススキル」に的を絞って、
本書で解説します。

本書で紹介されているビジネススキルは、
どんな会社で働いていても、どんな業種で
働いていても使える、ポータブルスキルです。

藤井さんは、次の3つの基準で40のスキルに
厳選したそうです。

1つ目の基準は、「主要な」スキルであること。

  「仕事を進めるうえで、土台となるような
  スキルを厳選しました。そのほうが、より大きな
  成果につながると思うからです。また、汎用性が
  高く、長く使えると考えたからです。」

2つ目の基準は、「長い時間のなかで揉まれた」
スキルであること。

  「発刊から数年以上を経た古典からスキルを
  抽出しました。また、できるだけ原典にあたる
  ことにしました。長い時間を経て今も残っている
  ということに価値があると思うからです。」

3つ目の基準は、「3万人以上のビジネスパーソン
と出会い、アドバイスに役立った」スキル。

  「これまでにセミナーやイベントでたくさんの
  ビジネスパーソンと出会い、時には相談に乗って
  きました。そのとき、本当に役立てていただける
  ものだけを厳選しました。」

私は藤井さんほどではありませんが、
これまで5千冊以上のビジネス書を読んでいます。

その私の目から見ても、「この分野では、
やっぱりこの本」と思える本が選ばれていました。

と言っても、私も本書の40冊全てを読んでいる
わけではなく、4冊の未読本が含まれていました。

そして、私もすでに読んでいる本については、
藤井さんがそのスキルを実際に仕事でどのように
使っているかの実例が参考になりました。

例えば、名著『考える技術・書く技術』で
紹介されている「ピラミッドストラクチャー」。

  「私はバーバラの理論をかなり単純化して
  活用しています。例えば、ピラミッド作りの
  6ステップを “読み手の立場になって疑問を
  立てること”  “なぜは3回繰り返すこと” 
   “大項目、中項目、小項目とグループ分け
  すること” というふうに、簡略化して使って
  います。」

このピラミッドストラクチャーは、
私は、なかなか難しいスキルだと思っていて、
ピラミッド構造を作るには至らないことも
あると感じていました。

藤井さんは、それを自分なりに簡略化して、
その骨格だけを使っているようです。

スキルそのものを知りたければ、原書を読めば
いいわけですが、私にとっては藤井さんが、
それを実際にどのように使っているかを
知ることができた点が良かったですね。

本書は、特に好奇心旺盛な若手ビジネスパーソン
向けに書かれていますが、中堅以上の方でも、
改めてビジネススキルを見直す機会として
本書を利用できると感じました。

この本から何を活かすか?

  「(読んだビジネス書が)あまりにも自分の
  血肉になっていて、すっかり自分が考えだした
  ことだと思い込んでいたことが、実は、
  かつて読んだ書籍からの受け売りだったことを
  知って、驚いたり、恥ずかしい思いをしたりも
  しました。」

本書の中で藤井さんは、ビジネスパーソンの
3種の神器は「英語」「会計」「IT」だと思うと
述べています。

この考えもひよっとすると、20年位前に
大前研一さんが同じことを主張していたことに、
影響を受け、自分の考えになっているのかも
しれません。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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やらない決意

満足度★★★
付箋数:18

  「本書でこれから述べることは、
  ノーベル賞級の発見ではないかと思っています。
   “人生で成功する人と成功しない人は何が
  違うのか?” という永遠の疑問に、
  明確な答えを出すことができたからです。」

このように述べるのは、本書の著者で、
エキスパートコーチとして、世界中で年間1万人
もの受講者にセミナーを行う井口晃さん。

井口さんは、専門的な知識やノウハウを
知っている人が、成功するわけではないと
言います。

例えば、ダイエットを例にとると、日本人なら
誰でも、ダイエット法の1つや2つは知っています。

しかし、ダイエットの方法を知っている
からといって、みんな痩せているとは限りません。

大部分の人は、知っていてもやらない、
あるいは続けられないから、痩せないのです。

こうすればいいと、頭でわかっていても、
行動しないから成功しないのです。

ダイエットに限らず、成功するかどうかは、
「行動するか、行動しないか」の違い。

では、行動できる人とできない人の違いは何か?

  「結論から述べると、両者を分かつのは
   “意志エネルギー” の使い方です。
  意志エネルギーとは、人を動かすガソリンの
  ようなもので、これを “大事なことだけ” に
  使うことができれば、誰でも必ず、
  自動的に成功してしまいます。」

意志エネルギーは、誰もが同じ量だけ持っていて、
それが毎日の様々な「決断」や「判断」によって、
少しずつ削られていくというのが、
本書のベースとなる考えです。

意志エネルギーは、意識的な「決断」よりも、
無意識の「決断」によって消費してしまうことが
多いといいます。

成功者は、ふつうの人が無意識に浪費している
意志エネルギーを意識的に節約して、
それを本業に注ぐとによって大事を成し遂げて
いるそうです。

  「意志エネルギーとは、ペットボトルに入った
  水のようなものです。ペットボトルの水は
  朝起きた時点では満タンですが、何かを考え、
  決断するごとに減っていきます。
  たとえば朝イチのメールチェックでジョボッと
  漏れ、着替えるときにもチョロチョロ減り、
  急いで新聞を読んで減り、窮屈な満員電車に
  揺られているうちにドボドボと漏れ出して、
  会社に着くころには早くも半分くらいに
  なっている。これでは生産性の高い仕事が
  できるはずがありません。」

朝のメールチェックも、服装で迷うのも、
新聞を読むのも、満員電車に乗るのもやめる。

意志エネルギーは、もっと大切なことだけに
集中して使うことを井口さんは強く勧めます。

本書は、いわゆる成功法則の本の一種ですが、
これまでその類の本で言われてきたことも
井口さんは否定しています。

  「目標を紙に書いて貼るなんてムダ以外の
  何物でもありません。本当なら “成功する
  ための行動” に費やすべき意志エネルギーを
   “紙に書いて貼る” ことに使ってしまっている
  からです。
  目標を紙に書いて貼ることは、 “いいこと” 
  でもなければ “やらないほうがいいこと” でも
  ありません。 “絶対にやってはいけないこと” 
  だと思ってください。こんな古臭いノウハウを
  真に受け止めていたら、まじめな人ほど
  意志エネルギーを浪費して成功から
  遠ざかってしまいます。」

本書は、「お金」、「時間」、「人間関係」、
「常識」の4つの分野において、
まず、「やらないこと」を決意して、
自分の人生を取り戻すことを勧めます。

この本から何を活かすか?

本書の「やらないこと」の中には、私自身も
やらないと決めていることもありましたが、
同意できないものもありました。

その1つが「クレジットカードは使わない」と
いうものです。

冷蔵庫でクレジットカードを凍らせて
使えないようにすることが勧められていました。

個人的は、クレジットカードを使わない
デメリットは大きいと思います。

常に現金を手元に用意しておく必要がありますし、
それを持ち歩くリスクも発生します。

クレジットカードを使わない方が、本書の言う
意志エネルギーを消費するように思えます。

また、クレジットカードを本当に使わないなら、
冷蔵庫で凍らせず、解約すべきでしょう。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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TED TALKS

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、TEDトークを見たことがありますか?

TED(Technology Entertainment Design)は、
価値のあるアイデアを広める精神のもと、
大規模なカンファレンスを行う非営利団体です。

TEDは様々な分野の第一線で活躍する人物を
講師として招き、トーク形式の講演会を開催し、
ネット上で無料で動画配信しています。

世界中の一流のスピーカーによって行われる
TEDトークは、プレゼンのお手本として、
今では広く認知されています。

私も、これまで何本ものTEDトーク動画を
見てきましたが、凄いプレゼンに感動する反面、
真似するのは難しいとも思っていました。

そもそも、あんな檜舞台に選ばれる人たちは、
最初からスピーチの達人で、特殊な才能を持った、
自分とは違う世界の人たちだと思っていました。

しかし、本書を読むとその認識は、
間違いだったことがわかりました。

  「TEDトークを見ていると、登壇者は生まれつき
  口達者で頭の回転が速くて、自信があって、
  いつどんな舞台に立たされても軽々とその場で
  洒落たことが言える人たちなんじゃないかと
  思ってしまう。みんな原稿なしで難なくトークを
  やってのけているように見える。
  ケリー・マクゴニガルも、ブレネー・ブラウンも、
  サルマン・カーンも、天性のスターみたいだ。
  でも、生まれながらのスピーチの達人なんて、
  実はほとんどいなかった。あのTEDのスター
  たちもまた、人前でしゃべることに恐怖を覚え、
  失敗するんじゃないかと怯え、原稿を丸暗記して
  何度も練習を繰り返し、恐怖を乗り越えて
  感動的なトークを完成させていた。
  そして、あの感動を引き起こすには、
  いくつかのツールがあった。そのすべての
  ツールを、この本では公開してくれている。」

本書を翻訳した関美和さんは、
訳者あとがきで、このように語っています。

本書はTED代表のクリス・アンダーソンさんが、
書いた「TED公式ガイドブック」です。

アンダーソンさんは、ローカルなカンファレンス
でしかなかったTEDを2001年に引き継ぎ、
感動的なトークを世界中に拡散することで、
TEDを世界的なトークイベントに育て上げました。

ちなみに、ロングテールという言葉を生んだ、
ワイアード誌編集長のクリス・アンダーソンさん
とは同姓同名の別人です。

  「この本の目的は、力のあるスピーチがどう
  奇跡を呼ぶのかを説明し、そのための武器を
  あなたに提供することだ。
  だけど、はじめに言っておきたいことがある。
  優れたトークにこれというひとつの型はない、
  ということだ。(中略)
  だから、この本のアドバイスを、ひとつの型に
  はめるための “ルール” だと思ってほしくない。
  逆に、変化を生むための “ツール” だと思って
  ほしい。」

本書では、TEDに登壇したスピーカーたちの
エピソードやアドバイスを交えながら、
基本・ツール・準備・本番・考察と順を追って、
スピーチのコツを示します。

本書でのアンダーソンさんの語りも、
まさにTEDトークのように読者を引き込みます。

また、アンダーソンさんは、スピーチ、プレゼン、
演説などの「パブリック・スピーキング」の
重要性も語っています。

  「これだけはわかってほしい。
  パブリック・スピーキングのスキルは今も
  重要だけど、これから先はもっと重要になる。
  世界がますますつながりを増す中で、
  古代から続く人類の力のひとつが、この時代に
  ふたたび生まれ変わろうとしている。
  アイディアを誰かに伝えるスキルは、今以上に
  これから絶対に欠かせないものになる。」

この本から何を活かすか?

TEDトークにには、元アメリカ合衆国大統領の
ビル・クリントンさんが2007年に登壇しています。

そして、2015年にはモニカ・ルインスキーさんが
TEDに登壇しています。

ルインスキーさんは17年前、ホワイトハウスの
実習生の時に、当時大統領だったクリントンさん
との不倫スキャンダルで、世界中のマスコミの
注目を浴びた方です。

本書では、長い沈黙を破ってTEDの場に
姿を見せたルインスキーさんが、
恐怖と緊張を克服してスピーチを成功させた
テクニックも公開されています。

ルインスキーさんのスピーチ映像はこちらです。



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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 09:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ファイナンスの哲学

満足度★★★★
付箋数:23

  「一般のビジネスの世界では、 “人間力” とか
   “リーダーシップ” が盛んに語られるように
  なったが、ファイナンスの世界ではこういった
  話が一切聞かれないのはなぜか。
  ファイナンスの世界に人間力は不要なのか。
  金融は “読み書き算盤” の “算盤” の
  部分だから、人間の中身とは関係がないのか。
  答えは否である。」

本書は、ファイナンスの基礎にある人間や
資本主義社会に関する本質的な理解を
深めるための「哲学的思索」を行う本です。

無機質、無味乾燥になりがちなファイナンスに、
血を通わせることで、人とのつながりを
取り戻す本とも言えます。

著者は、日本興業銀行、ゴールドマン・サックス、
森ビル・インベストメントマネジメント社長を経て、
2015年まで森ビルの取締役専務執行役員CFO
を務めていた堀内勉さん。

本書の第1章では、これだけ押さえておけば、
ファイナンス理論を概ねカバーできる、
3つの枠組み「財務諸表の理解」、「資金調達の
種類と方法」、「投資と企業価値」について
解説します。

正直、この章に関しては、他のファイナンス本でも
説明されている基本的な内容です。

しかし、続く第2章、本書のメインディッシュに
進むために、知っておくべき前提条件として、
説明されています。

そして、本書の約6割のページが割かれているのが、
第2章の「本質的な理解のための10大概念」です。

ここではファイナンス技術の根底にある、
重要な基本概念について、ファイナンスとの
つながりを意識しながら解説されています。

  「ファイナンスはどのように人間とつながるのか?
  本章では、これまで出てきたファイナンス理論の
  元になっている基本的な概念とは何なのか、
  そしてそれが経済思想や我々人間存在とどのように
  つながっているのかを探ってみたい。」

この章で語られるのは、以下の10大概念です。

  「おカネ(money)」、「信用(credit)」、
  「倫理(ethics)/信頼(trust)」、
  「利子(interest)」、「利益(profit)」、
  「価値(value)」、「市場(market)」、
  「成長(growth)/進歩(progress)」、
  「時間(time)」、
  「資本(capital)/資本主義(capitalism)」

・おカネの本質とは何か?
・ファイナンスにおける利子とは?
・「利益」とは本来何だったのか?
・なぜ成長が求められるのか?
・資本主義とは何か?

10大概念の説明では、こういった問いが立てられ、
それに答えるように、経済学の哲学、経済思想が
語られています。

  「おカネがなぜ流通するのか、おカネの本質とは
  何なのかについては、歴史的にさまざまな説が
  唱えられてきた。ニクソンショックによって
  金本位制が廃止されて以降のおカネは、
  それ自体の価値から人々の共同幻想や国家の
  信用に支えられてきたものに転換したのは
  間違いない。
  日本人はとかくおカネは忌むべきものと捉えがち
  だが、元来、土地や地域社会に縛りつけられてきた
  人間が、おカネによって移動の自由や職業選択の
  自由を得たというプラスの側面も忘れてはならない。
  他方、おカネが市場経済と結びついたとき、
  資本主義という怪物が出現し、ここから爆発的な
  経済成長と人間疎外が始まった。」

本書は、実務面で役立つ本ではなく、
あくまで本質的な理解に役立つ教養講座的な
内容の本です。

私は、いままで、このような本を読んだことが
なかったので、非常に新鮮でした。

この本から何を活かすか?

  「テレビドラマ『ハゲタカ』の中で、
   “人生の悲劇は2つしかない。
  1つは、金のない悲劇。
  もう1つは、金のある悲劇。” という言葉が
  出てくる。おカネから主導権を取り戻し、
  おカネに使われることなく、おカネをうまく使う
  人生を取り戻すことができるか、そこに我々の
  未来がかかっている。」

本書で引用されている『ハゲタカ』は、
2007年にNHKで放送された経済ドラマです。

このドラマ、NHKオンデマンドで視聴可能なので、
見てみようと思います。
(全5話、単品216円、特選見放題パック972円)

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 08:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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塾でも教えてくれない 中学受験・国語のツボ

満足度:評価せず
付箋数:20

著者の小川大介さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

個人的には、5年位前に読みたかった本でした。

我が家には、1人娘がいて今年高校に入学しました。

さすがに、高校に入ってからは親が関与しなく
なりましたが、小学校から高校受験までは、
私が娘の勉強をみていました。

実は、私は大学生時代のアルバイトを含めると、
大手学習塾で10年以上教えていた経験があり、
教えることには、それなりにノウハウや自信が
ありました。

塾で教えていたのは小学生から高校生までの
数学でした。

娘は塾に行かず、私が主要5科目教えたわけですが、
一番困ったのが、国語の指導でした。

私自身、受験時代に駿台予備校の藤田修一さんの
大学入試現代文要説』などで勉強しましたが、
これといって国語の指導ノウハウがなかったからです。

娘の国語を指導するにあたり、私が頼りにしたのが、
出口汪さんの『出口汪の新日本語トレーニング』の
シリーズでした。

このシリーズはとてもわかりやすく、
娘も国語が苦手になることなく、無事高校に
入学することができました。

しかし、私の中には、国語を教えたときの、
スッキリしない、モヤモヤしたものが
ずっと残っていました。

今は国語の指導方法を必要としていないので、
本書の満足度は、「評価せず」としていましたが、
本書は私のモヤモヤを解消する、
非常に腹落ちする内容でした。

漢字の書き取り意外、国語の勉強方法が
わからない方とその親御さんは必読の書です。

タイトルは「中学受験」となっていますが、
小学生に限らず、国語の得点力を高めるベースを
作ることができる本だと思います。

  「国語の点数は伸ばしにくい、センスだ、などど
  いうのは大きな誤解です。きちんとしたセオリーを
  理解して取り組めば、誰でも必ず点数は伸びます。
  そのセオリーに、それまで日常的に積み上げた
  知識や読書経験などが加わり、点数に上乗せ
  されていくのです。中学受験をしない場合でも、
  そのセオリーを知っておけば日常生活においても、
  高校・大学受験においても、それどころかその後の
  社会生活においても強い武器になります。
   “受験国語の攻略” とは “論理力・問題解決能力
  の養成” にほかならないからです。」

国語という教科には、ずいぶん誤解があるようです。

本書の「はじめに」では、国語についての疑問を
整理するとろから説明を始めています。

  疑問1 国語以外の科目を解くためにも
     国語力は必要である
  答え ◯

  疑問2 読書が好きなら国語も得意になる
  答え △

  疑問3 国語の才能は努力より「センス」だ
  答え ×

  疑問4 国語は塾に行っても伸びにくい
  答え △

  疑問5 国語が得意な子は「文系」で、
     算数が得意な子は「理系」
  答え ×

確か、国語には理系脳(論理力)が必要であるこを
出口汪さんも言っていたと思います。

「日本語が話せる」=「国語ができる」では
ありません。

本書で小川さんは、国語力の核となる
「論理力」、「感情理解力」、「語彙力」を中心に、
その伸ばし方を解説します。

返す返すも、本書は子どもが小学生のうちに、
読んでおきたかった・・・・。

この本から何を活かすか?

実は、国語は親が手伝える余地のある教科です。

なぜなら、「読むこと」に関しては、
大人になるまでの体験や知識、大人としての
判断力が生きる部分が多いからです。

本書で小川さんは、国語力を伸ばすために
親が家庭でできる「応援」を2つ挙げています。

1つ目は、文章を一緒に読んであげること。

長距離走で伴走するように、内容を押さえながら
最後まで読み切る感覚を味あわせてあげます。

2つ目は、記述問題の答え合わせを手伝うこと。

プロのように教えられなくても、
設問と模範解答を見比べて、子どもの回答を点検し、
何が押さえられていて、何が欠けているかを
話してあげるといいようです。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 08:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「考える」は技術

満足度★★★
付箋数:23

1940年代の初頭、アメリカ合衆国郵政省は、
深刻な人手不足に直面していました。

第二次世界大戦が始まり、大勢の職員が
兵役に駆りだされていたことがその理由です。

また、ダイレクトメールが爆発的に増えた
ことにより、郵便物の取扱量も急増していました。

このような状況で、全米規模の郵便配達を
最適化するために、郵政省は何をしたのか?

郵政省が採用したのは、あるエンジニア的手法
でした。

非常に簡易なシステムでしたが、
コスト、効率性、正確さ、配達にかかる日数
などの要素を最適化し、諸外国へも影響を
及ぼすものでした。

導入の効果は絶大で、それまで1分間に20通を
処理するのが標準的なスピードでしたが、
このシステムで1分あたり20000通もの処理が
できるようになりました。

そのシステムとは、今ではお馴染みとなった、
わずか5桁の「郵便番号(ZIPコード)」です。

ZIPコードの開発者たちは、モジュラーシステム型
の思考ステップをたどり、全米を10の区域に分け、
0から9までの数字を割り当てました。

更に大きな区域のハブとなる中央郵便局と
各地域の最寄りの郵便局によって
5桁の識別番号をつけました。

このZIPコードが郵便の差出人と受取人をつなぐ
まったく新しいシステムになり、また仕分け作業を
効率化するために専用の機械も開発され、
郵便事業は大幅に効率化したのです。

5桁のZIPコードが導入される以前では、
スプリングフィールドといった、ありふれた地名が
宛先になっていると、郵便物を確実に仕分けるのは、
難しい作業でした。

しかし、郵便物を数字の組み合わせコードに
もとづいて処理するエンジニアリングによって、
仕分け間違いを減らし、圧倒的なスピード化を
実現したのです。

本書は、エンジニアリング的な逆算思考を用いて、
難題を解決し、新しいものを創造した多くの事例を
紹介する本です。

著者は、インド出身のエンジニアで、
現在はアメリカ政府の上級政策顧問を務める
グル・マドハヴァンさん。

マドハヴァンさんが挙げる、エンジニアの思考は、
大きく分けると3つあります。

1つ目は、見えない「構造」を見る思考。

氷山の水面に浮かんだ部分よりも、
その下のかたまりに目を向けます。

システムの各要素が、論理、時間、順序、機能
といった点で、どのように結びついているのか、
そしてどんな状況でそれらが機能するのか、
また機能しないのかを考えます。

2つ目は、「制約」のもとで物事を
デザインする能力。

現実の世界ではどんなシナリオにも、
成果を左右するような制約条件があります。

明白な制約が存在しないときでも、
優秀なエンジニアは制約を見出して、
目標達成の力に変えます。

3つ目は、「トレードオフ」を見極めて、
最適解を選択する能力。

トレードオフは、利用可能な資源、可能性、
理想、限界などの要素でせめぎあう
綱引きのようなものです。

こういった状況で、あらゆる解決手段の
利点と欠点を考慮して、最善の解決方法を
導き出します。

  「構造、制約、トレードオフがエンジニアの
  思考法の最強の組み合わせであり、
  それはいわば音楽家にとっての
  拍子とテンポ、リズムに相当するものなのだ。」

個人的に本書は、思考法を学ぶというより、
数多くのエンジニア的思考の事例を読んで
楽しめる本でした。

この本から何を活かすか?

2000年代の初頭、ストックホルムの交通渋滞は
かなり劣悪な状態で、通勤時間になると
街としての生産性は極端に落ち込んでいました。

交通渋滞の解決策として、ストックホルムには
すでに何十という橋が架けられていましたが、
問題は解決する気配がみられません。

そこで、この渋滞問題を解決するために
招聘されたのが、IBMのエンジニアでした。

IBMのエンジニアは、最初に市内の交通状況を
観測するセンサーを取り付け、データを集めました。

集めたデータは定量的な分析を行い、
システム全体をモデル化しました。

そこで出た結論は、これ以上新しい橋や道を
つくることは得策ではないということ。

その代わりに取るべき対策は、混雑する時間帯に
橋や幹線道路を利用する市民に課金するという
従来の発想とは180度異なる解決策でした。

実際に課金が行われると、一部の市民は
公共交通機関を利用するようになり、
交通渋滞は20~25%緩和され、
通勤時間も3分の2以下に短縮されました。

この課金システムは、世界的な注目を集め、
同じ問題を抱える、アジア、ヨーロッパ、
北アメリカの都市が、導入を検討しはじめて
いるようです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 11:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大人はもっと遊びなさい

満足度★★★
付箋数:21

  「 “どんなものを食べているかを言ってみたまえ。
  君がどんな人間であるかを言いあててみせよう” 
  ― これは稀代の美食家ブリア・サヴァランの
  言葉だが、遊びについても同じことが言える。
  どんなことが好きか、また、どんなことを好きと
  口にするかでその人の人となりがよくわかる。」

ただし、「実際にどんなことが好きなのか」と
「他人にどんなことが好きだと表明するか」は
違うと成毛眞さんは言います。

好きなことを他人に表明するときは、
自分が他人にどう映るかを意識します。

何をキュレーションするかは、その人の
イメージ形成に大きな影響を与えているようです。

成毛さんと言えば、「HONZ」を主宰していて、
「ちょっと変わった面白い本を紹介してくれる」
イメージがあります。

これは成毛さんが意識的に、そうしているようです。

  「私がHONZでキュレーションするのは、
  あまり人に知られていない、でも読むと
  知的好奇心を強く刺激される本ばかりだ。
  みんなが読んでいるものより
  誰も読んでいないもの、
   “へえ、そんなに面白い本があるんですか”
  と言われるような魅力のあるものが好きなのだ。
  これは私の性格そのものだし、
  できれば親しい人にはそういう本を
  見つけ出してくれる人だと思ってもらいたい
  と考えている。」

さて、本書は大人に「遊ぶこと」を勧める本です。

人生を賭けるように遊んだり、趣味を極める
ような遊び方よりも、いい加減に、チャラく遊ぶ
ことを勧めています。

遊びには勝ち負けを持ち込んだり、
他人と競ったりせず、気軽に初めればいいし、
途中でやめてもいい。

どんな遊びも、やってみて性に合えば続ければ
いいし、飽きたら休止すればいいと考えます。

そのように気軽に考えて、気になった遊びは、
やってみることが大切だと成毛さんは説きます。

  「一つの遊びを究めるくらいなら、
  さまざまなことを広く浅く楽しんだほうがいい。」

成毛さんがこう勧めるのは、
うっかりプロを目指さずにすむことと、
ある遊びと別の遊びを並列的に行っていると、
その掛け合わせによって、思わぬ面白さを生む
可能性があるからです。

手を出す遊びも、できるだけバラバラの方がいい。

遊びはジャンル分けできるので、各ジャンルに
1つの遊びを持った方がよく、そうしておくと、
体調や天候、空いている時間の長さなどの環境に
左右されずに、いつでもどこでも遊べるように
なると成毛さんは説明します。

本書では、遊びを系統別に9つに分類しています。

 (1) どこでやるか
  1:屋外系-登山、ゴルフ、神社仏閣巡りなど
  2:屋内系-料理、刺繍、絵、音楽鑑賞など
 (2) 入れるか、出すか
  3:入力系-読書、映画鑑賞、スポーツ観戦など
  4:出力系-楽器演奏、スポーツ、俳句など
 (3) 長くじっくりか、一瞬か
  5:積層系-盆栽、歌舞伎見物、お座敷遊びなど
  6:体験系-スキューバダイビング、スキーなど
  7:没頭系-陶芸、プラモデル製作、編み物など
 (4) 誰と楽しむか
  8:孤独系-1人で楽しむもの
  9:社交系-集まって仲間とわいわい楽しむもの

今やっている遊びや趣味をこの9つに分類して、
どの系統の趣味が自分に欠けているかを探します。

欠けている分野の遊びを取り入れると、
バランスよく、いつでもどこでも遊べる状態が
作れるようです。

ただし、バランスをとるのはあくまで
副次的であって、当然ながら優先すべきは、
自分の興味のあることだと思います。

この本から何を活かすか?

  「私がよく参照するのは、
  JTBの『とっておき旅情報』だ。
  ほかの旅サイトやガイドブックよりも、
  濃くてリアリティのある情報を得られることが
  多いからだ。SNSにはない、
  本音が書かれているような気もする。
  『エクスペディア』や『トリップアドバイザー』
  もいいが、旅のおおまかなプランをつくる
  ときには、『とっておき旅情報』がいい。」

私は、『とっておき旅情報』というサイト自体、
本書で初めて知りました。

見てみると、エリアと月で絞り込みができて、
写真に数行のコメントがついた、
旅のクチコミ情報サイトでした。

今度の旅行の際には、参考にしてみようと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1秒で「気がきく人」がうまくいく

満足度★★★
付箋数:20

  「私は、ANAの客室乗務員として、12年間在籍し、
  地球370周分、500万人以上のお客様のご対応を
  させていただきました。(中略)
  その業界で、ダントツの成果を上げている方々に
  共通していたのは、ほんの一瞬、ほんの “1秒” 
  という短い時間の中で判断をくだし、
  非常に “気がきく習慣” を、いつも実行されて
  いるということです。」

本書は、1秒で「気がきく人」になるために
必要な「38の習慣」をまとめた本です。

著者は、前著『100%好かれる1%の習慣』が
好評だった、ホスピタリティー・マナー講師の
松澤萬紀さんです。

本書では、松澤さんがCA時代に出会った、
あるいは引退してマナー講師を始めてから出会った、
気持ちのよくなる人々の事例が紹介されています。

その中で、私が気になったのは、
次の2人のエピソードです。

1人目は、東京スバル株式会社の下川良一社長。

下川さんは、「別け隔てなく話しかける方」で、
フロントにも、営業スタッフにも、メカニックにも
声をかけるそうです。

話しかける時、に下川さんが心がけているのが、
「和顔愛語(わげんあいご)」の姿勢。

「和顔」とは、和やかな顔、穏やかな顔のことです。

「愛語」とは、思いやりのある話し方で、
人に接することです。

江戸時代の名僧、良寛和尚は「和顔愛語」を
実践し、「私の口から出てくる言葉は、
人の心を励まし、勇気づけ、あたたかくする
贈り物でありたい」と考えていました。

下川さんも、同じように考え、「社員を思う
あたたかい気持ち」を自分の言葉に乗せて、
社員に接しているようです。

もう1人は、SMAPの木村拓哉さん。

松澤さんが友人のCAたちに、
「印象に残っている芸能人は誰だったか?」
を聞いてみたところ、多くの方が挙げたのが、
木村さんでした。

その理由は、「飛行機に乗ってきたときから、
降りるときまで、 “100%キムタク” だったから」。

フライト中はプライベートな時間なので、
リラックスしてくつろぐ芸能人の方が多い中、
木村さんは、一睡もせず、だらしない格好も
見せず、凛として、空の上でも「木村拓哉のまま」
だったそうです。

そんな木村さんは、あるラジオ番組で、
「いつも忙しいから疲れることも多いでしょう?」
と質問されました。

その時の木村さんの答えがまたカッコいい。

  「いえ、手を抜くほうが疲れますから」

松澤さんは、こんな木村さんに対して、
次のように解説しています。

  「木村拓哉さんも、最初から “100%キムタク” 
  だったわけではないと思います。
   “こうなりたい”  “こうあるべき” という
  イメージを持ち続けた結果として、
    “100%キムタク” ができあがったのでは
  ないでしょうか。」

この木村さんのエピソードは、「気づかい」とは
ちょっと違い、プロとしての心持ちの話ですが、
本書で紹介される、気づかいの達人たちの
エピソードは、良い人間関係を築くために、
参考になりそうです。

 第1章 「1秒の気づかい」で人間関係がよくなる
 第2章 あなたも「チャンスがやってくる人」
    になれる
 第3章 気がきく人の「1秒の習慣」を身につける
 第4章 人生を劇的に変える「言葉」の魔法
 第5章 「行動を起こす」ことで、すべてが
    変わりだす

この本から何を活かすか?

あなたは、「靴下の替え」を持ち歩いていますか?

20~50代の男女に「お座敷や新幹線、車など、
靴を脱ぐこともある場で、自分や他人の足のニオイ
が気になったことはありますか?」という質問を
したところ、87%の人が「ある」と答えたそうです。

目に見えないところでの、気づかいが大事。

松澤さんは、ビジネスマナー研修の中で、
「替えの靴下や携帯用スリッパを持参する」
ことを勧めているそうです。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「健康食品」ウソ・ホント

満足度★★★★
付箋数:25

2015年4月から「機能性表示食品」という
新しい制度が導入されました。

これは、1991年に創設された「特定保健用食品」、
いわゆる「トクホ」の簡易版のような制度です。

1980年代に登場した「食品機能論」では、
食品には3つの機能があると、言われました。

エネルギーや栄養素の働きが一次機能、
嗜好面での働きが二次機能、
生体調整や疾病予防の働きが三次機能です。

機能性表示食品は、この三次機能を持つ
成分を含み、科学的根拠に基づいた
機能性を表示することが許可された食品です。

主な機能性関与成分名としてよく聞くのは、
難消化性デキストリン、乳酸産生菌、ルテイン、
ヒアルロン酸、グルコサミン関連などなど。

機能性成分を含む食品を食べれば、
その謳われている機能が、私たちの体内で
本当に発揮されるのでしょうか?

ある研究では、ラットのエサにニガウリ(ゴーヤ)
の乾燥粉末を添加して5週間食べさせたところ、
血糖値が約30%低下したという報告がありました。

確かにこの実験結果から、ニガウリには、
血糖値を下げる機能性成分が含まれると
いうことはできます。

しかし、この実験でラットが毎日食べた
ニガウリの量を体重50Kgのヒトに換算すると、
生のニガウリ9.5Kgに相当します。

これは毎日ニガウリを50本食べている分量。

ですから、「常識的な量」のニガウリを食べても、
血糖値が下がることはないのです。

逆に、薬でもない機能性表示食品の
常識的な摂取量の中に、その機能性を発揮する量の
物質が含まれていたら、逆に恐ろしいことなのです。

それでも、わずかな機能性成分が含まれていれば、
何も入っていない食品を食べるよりマシという
考え方もあります。

果たして、少しでも機能性成分が含まれていれば、
入っていないよりマシなのでしょうか?

それが、無害無益なら、少し値段が高いだけなので、
経済的損失だけで片付けられます。

しかし、健康食品の中には有害物質を含んでいて、
かえって健康被害になるものさえあると、
本書の著者、高橋久仁子さんは指摘します。

  「 “健康食品” が展開する巧妙な広告は、
   “ふつうの食事” だけでは “何かが足りない” 
  かのように不安を煽り、健康維持には
  機能性成分を配合した“健康食品”が
  欠かせないと、消費者の購買意欲をそそります。
  しかし、 “体に良かれ” との思いから摂取した
   “それ” が、実は “余計なモノ”  “危険なモノ” 
  かもしれないことへの関心は低いようです。」

本書は、特定保健用食品と機能性表示食品
および栄養機能食品の効果の実態を検証し、
蔓延する「機能性幻想」に警告を発する本です。

厳重な審査を受けて許可されたはずの
トクホでも、効果はほとんど期待できません。

ましてや、基準の緩い機能性表示食品は、
その効果が更に怪しい。

機能性表示食品は、国民の健康より、
国富の拡大を目的として、2年で作られた制度。

トクホにも存在しない成分物質が、
続々と入っているようです。

また、機能性幻想を煽る「広告」の問題点も
本書では指摘しています。

 序章 健康志向にしのびこむ「機能性幻想」
 第1章 「健康食品」で健康は買えない
    むしろ危ない10の理由
 第2章 トクホの “罠”
     “科学的根拠” を読解してわかったこと
 第3章  “第三の保健機能食品” 「機能性表示食品」
    を考える
 第4章 「栄養機能食品」を再点検する
 終章 「ふつうに」食べましょう

この本から何を活かすか?

「自分は、健康食品なんかに踊らされていない」
そう思っている方も多いかもしれません。

私も、健康食品なんて高齢者の話で、
自分は騙されていないと思っていました。

そんな私でも、本書を読んで、
やはり思い違いがあることに気づきました。

  「 “野菜不足の補いに野菜ジュースをどうぞ”
  という広告もよく見かけますが、
  実は野菜ジュースを飲んだからといって、
  野菜を食べている代わりにはなりません。
  野菜ジュースの原料はもちろん野菜ですが、
  野菜の絞り汁だけを集めたものです。
  そのため、絞り汁に入り込めない絞りかすが
  取り除かれてしまうからです。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 科学・生活 | 09:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人間を磨く

満足度★★★★
付箋数:24

世の中では、「人間を磨く」ためには、
古今東西の「古典」と呼ばれる書を読んで、
「人間力」を身につけよと言われることがあります。

古典を読むということは、そこに登場する人の
人生や言説から、優れた人物に学ぶということです。

しかし、実際には「古典」を読んだからといって、
なかなか「人間力」が身につくものではありません。

なぜ、優れた「古典」を読んでも、私たちには
「人間力」が身につかないのか?

それは、私たちの「意志が弱いから」でも、
「克己心が足りない」からでもありません。

本当の理由は、私たちが古典の「読み方」を
3つの点で誤解しているからです。

第1の誤解は、古典を読むときに、そこから
「人間として、かくあるべし」といった
「理想的人間像」を学ぼうとすること。

「人間として、かくあるべし」を学んでも、
そうした人間へと成長していく「具体的修行法」を
学ばなければ、私たちは、一歩も前に進んで
行くことはできません。

ですから、古典を読むときに大切なのは、
「いかにして、人間として成長していくか」という
「具体的修行法」を学ぶことなのです。

第2の誤解は、多くの古典が語っている
「我欲を捨てる」「私心を去る」といった言葉を、
表面的に受け止め、自分の中の「小さなエゴ」を
否定し、捨て去ろうとしてしまうこと。

なぜ、これが誤解なのかというと、
我欲や私心といった「小さなエゴ」は
決して捨て去ることはできないからです。

「小さなエゴ」は、捨て去ったと思っても、
実は心の奥に押し込まれ、隠れているだけで、
いずれ密やかに動き出します。

「小さなエゴ」に処する方法は、
ただ静かに見つめることだけなのです。

第3の誤解は、古典を読むときに、私たちは
目指すべき人間像として、1つの理想的な
「統一的人格」を心に描き、その人間像を
追い求めてしまうこと。

私たちが本当に目指すべきなのは、
理想的な「統一的人格」を心に描くことではなく、
自分の中に「幾つもの人格」を見出し、育て、
場面に応じて適切に切り替える能力を磨くこと。

誰からも尊敬される裏表のない「高潔な人」に
なるのではなく、自分の中にある「鬼」や「悪」
の部分から目を背けず、それを御していける
「もう1つの人格」を育てることなのです。

私たちが古典を読む場合は、ここで挙げた
3つの誤解を心に留めて読むべきなのです。

本書は、「非」や「欠点」や「未熟さ」を
なくすことにフォーカスするのではなく、
それらを抱えたまま、「人間を磨く」意味と
その具体的な技法について、田坂広志さんが
語った本です。

田坂さんのいつもの本と同じく、
1枚ずつ玉ねぎの皮を剥いていくように、
自問自答式で本質に迫ります。

田坂さん的な表現をするなら、1人弁証法で
アウフヘーベンする本とも言えます。

本書で紹介される、人間関係が好転する
「心の技法」は次の7つです。

 第1の技法 心の中で自分の非を認める
 第2の技法 自分から声をかけ、目を合わせる
 第3の技法 心の中の「小さなエゴ」を見つめる
 第4の技法 その相手を好きになろうと思う
 第5の技法 言葉の怖さを知り、言葉の力を活かす
 第6の技法 別れても心の関係を絶たない
 第7の技法 その出会いの意味を深く考える

これらの技法を実践して、修行を続けていくなら、
日々の人間関係は、自身の人間を磨き、
人間力を高めていく、素晴らしい機会に
なっていくようです。

この本から何を活かすか?

私たちの心の中には、いつも「自分は正しい」、
「自分は悪くない」と考える、傲慢さと呼ぶべき
「小さなエゴ」があります。

一方、「小さなエゴ」とは反対に
「今の自分を変えて、もっと成長したい」と願う
謙虚さと呼ぶべき「大きなエゴ」もあります。

この「小さなエゴ」と「大きなエゴ」は、
いつも心の中で、目に見えない戦いをしています。

他人から耳の痛い批判をされたときに、
この戦いが表面に出てくる。

これは批判された時こそ、相手の言葉に
謙虚になって耳を傾けるべきということです。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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図解でわかるアジャイル・プロジェクトマネジメント

満足度★★★
付箋数:19

株式会社SCCの角井さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

従来のソフトウェア開発のプロジェクトで、
最初の工程で行うのは、「要件定義」です。

この要件定義が明確でないと次工程以下の成果が
出せませんし、不明確のまま開発を進めてしまうと、
いわゆる「デスマーチ(死の行進)と呼ばれる
状態に陥ってしまいます。

しかし、実際には最初の段階で要件定義を
明確にするのは困難であることは、
ソフトウェア開発では常識となっています。

なぜなら、システムを発注する側は、
システム自体を欲しているわけではなく、
ビジネスを遂行する上でのツールを
欲しがっているだけからです。

ツールへの要求事項は、細かな仕様なんか
どうでもよく、いいものを早く、安く提供して
欲しいと、かなりザックリとしたものです。

発注側は、細かな仕様を聞かわれも興味がなく、
よくわからないというのが実情です。

制作側から、「こんなものでどうでしょう」と
聞かれても、「専門家の言うことだから」と
鵜呑みにして、最初の段階では細かな要求を
しないことが多いようです。

しかし、開発が進んで成果物の形が見えてくると、
「実はこう思う」とか「そこはこうでなくては困る」
などの、具体的な要求や指摘が出てくるもの。

それがプロジェクトの変更要求となって、
製作者を悩ませます。

これが何度も発生すると、製作者側では
「せっかく作ったのに・・・」と憤りを感じ、
ヤル気も失います。

実際、作業は大幅な手直しが迫られ、
余分なコストもかかり、プロジェクトの進捗には、
大幅な遅れが生じます。

こういった変更要求に対応しながらも、
良いものを素早く無駄なく作ろうとするのが
「アジャイル(agile) 」という開発手法です。

もともとは、「俊敏な」という意味を持つ言葉。

イテレーションと呼ばれる短い開発期間単位を
採用することで、変更要求に対する手戻りリスクを
最小限に抑える開発手法です。

ですから、アジャイルのソフトウェア開発が、
最も得意とするところは、「変化への対応」です。

欧米のソフトウェア開発では、当たり前となった
アジャイルですが、日本では名前だけは聞くものの
まだまだ事例が少ないのが実情です。

著者の鈴木安而さんは、約2年をかけて欧米や
日本のアジャイルに関する事例を研究しました。

鈴木さんは、アメリカの非営利団体PMIが策定した、
モダンプロジェクトマネジメントの知識体系である
PMBOKガイドの監訳責任者の方です。

そんな鈴木さんが、アジャイルについて具体的な
導入方法や日本における問題点などを明確にし、
プロジェクトを成功させるためのマネジメント手法
として体系的にまとめたのが本書です。

PMBOKガイドの翻訳経験を活かし、アジャイルの
独特な用語や表現もわかりやすく解説します。

また、途中に物語形式のアジャイル開発例も交え、
より具体的に伝わるように工夫しています。

これからアジャイル・プロジェクトの
マネジメントに挑む方には参考になる一冊。

 序論 プロジェクト手法の歴史
 第1章 アジャイル導入で変わる
     プロジェクトマネジメント
 第2章 プロジェクト手法の特徴と比較
 第3章 アジャイルを始めよう
 第4章 大規模プロジェクトへの適用
 第5章 アジャイルに適した契約
 第6章 スクラム知識体系(SBOK)ガイドの
     フレームワーク
 第7章 5つの観点
 第8章 5つのプロセス群(19プロセス)

この本から何を活かすか?

アジャイルの手法で、最も新しく、
最も優れているのが「スクラム」という手法。

語源は、ラグビー等スポーツの「スクラム」
から来ています。

実はこのスクラム、ある2人の日本人の論文を
元に考えられたアジャイル手法です。

その2人の日本人とは、竹内弘高さんと、
野中郁二郎さんです。

お2人が、ハーバードビジネスレビュー誌で
1986年に発表した「The new new product
development game」という論文の考えを
参考にして開発されたようです。

お2人は1996に刊行された名著、
知識創造企業』で知られるコンビですね。

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| IT・ネット | 07:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜか不思議と部下がついてくる上司のルール88

満足度★★★
付箋数:18

あなたは、できる上司でしょうか?
それとも、ダメな上司でしょうか?

多くの上司の方は、自分をできる上司でも、
ダメな上司でもないと思っています。

自分に自信を持ち過ぎると、傲慢な態度になり、
自信がなさ過ぎると、部下にも不安が伝わります。

ですから、できるともダメだとも思っていない
事自体は決して悪いことではありません。

しかし、ほとんどの人は、できるからこそ、
上司という立場になったのです。

でも、それで満足してはいけません。

必要なのは、今よりもっと、できる上司に
なるような向上心を持つことです。

なぜなら、部下の立場で考えてみると、
できる上司のもとで働きたいと思うからです。

では、もう1つ質問です。

あなたは、「運気」を上げる上司でしょうか?
それとも、「運気」を下げる上司でしょうか?

この「運気」については、これまで、
ほとんど考えたことがない方が多いようです。

部下は上司を選ぶことができません。
上司と部下の関係は、ある意味、運命的なもの。

そして、上司であるあなたは、部下の人生を
少なからず左右しています。

上司の役割は、仕事を通じて部下をより良い
人生へと導いってあげることです。

本書の著者、寺松輝彦さんは、上司には
「運」を開く3つの大きな役割があると言います。

第1に、部門運営の責任を負うこと。

部下を統率して、会社の方針に従い、
部や課の目標を達成しなければなりません。

第2に、部下育成の役割があること。

部下が間違っているときは注意し、
手抜きをするようなら厳しく叱り、
努力や良い結果は認めて、褒めてあげます。

部下のやる気を出すのも上司の役目です。

第3に、あなた自身の上司の補佐もすること。

いつまでも自分の担当業務だけで満足せず、
上級上司の仕事を学び、意識して補佐することで、
更に自分も成長することができるのです。

部門運営、部下育成、上司補佐の3つの役割を
常に心に刻んで行動すると、「運気」が高まり、
できる上司だと言われるようになる。

本書は、結果を出している管理職や
組織のリーダーの行動習慣をまとめた本です。

他のリーダーシップと異なるのは、
「運気を高める」ことの重要性について、
何度も言及してる点です。

だからといって、スピリチュアル的な
本ではありません。

寺松さんが、これまで35年間、3万人超の
管理職に対して行ってきた管理者研修を通じて
学んだ、実践的なルールをまとめています。

高い価値観を説く、夢を語る、大義を掲げる。

こういったことが、最近の上司には
少ないような気がします。

本書では、上司としての心の持ちようについて、
細かく言及されています。

 1章 不思議と部下がついてくる上司とは、
   どんな人でしょうか
 2章 部下を引きつける習慣と行動ができていますか
 3章 自然とうまくいく人の意識と考えかた
 4章 部下が結果を出すチームの作りかたとは
 5章 部下とのコミュニケーションは難しくない
 6章 部下の報告と状況把握はもっと真剣に
   取り組みましょう
 7章 部下を戦力にすることこと上司の最大の仕事
 8章 チームに「運気」を招き寄せる上司の行動とは
 9章 些細な違いだが、結果を出す上司はここが違う
 10章 部下をひきつける人間的魅力の磨き方
 11章 自己啓発が人格を高め「運」を開きます

この本から何を活かすか?

  「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」

これはドイツ帝国の初代首相で、鉄血宰相と
呼ばれたオットー・ビスマルクさんの言葉。

本書では、目に光が宿るほど、「偉人伝」を
読むことを勧めています。

それは、優れた人物の伝記を読んで、
「運気」を五体にみなぎらせるためです。

理想に向けて突き進み、苦境に負けずに、
壁を打ち破った偉人達の精神から、
「運気」を吸い込むつもりで読むと良いようです。

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| リーダーシップ | 07:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ウェブでメシを食うということ

満足度★★★
付箋数:18

  「本書では、インターネットが爆発的に普及する
  前夜から現場で “IT小作農” として細かな作業を
  し続けてきた男の視点で、あの時一体何が起きて
  いたのか? インターネットの業界がいかにして
  発展してきたのか? また、その時々の “空気” 
  を現場視点で描く。
  そして、本書の重大なテーマは、
  “ネットでメシを食う” というところである。
  果たしてネット業界への転職はアリなのか
  ナシなのか?
  ブログだけで家族を養うことはできるのか?
  そういった議論はあるが、私自身はネット関連の
  仕事をするようになってから収入が大幅に上がり、
  結局42歳の今までフリーランスでなんとか
  生き残ることができた。
  その仕事の変遷などもネットの歴史とともに
  振り返っていこう。」

本書は、ネットで食べていくためのノウハウを
まとめた本ではありません。

ここ20年ぐらいのインターネット業界の裏側を
描く回顧録です。

著者は、編集者・PRプランナーの中川淳一郎さん。

中川さんと言えば、やはりベストセラーとなった
ウェブはバカと暇人のもの』の印象が強いですね。

2009年に刊行された本ですが、「はじめに」で
ネット用語の「ググれカス」について触れ、
ネットでのやり取りについて「やっぱりバカって
いるんだな」と書かれていたことは、
私の記憶にも強烈に残っています。

実はこのパート、中川さんは第5章の途中に
書いていた文章でした。

ここを冒頭に持ってきたのは、
光文社で編集を担当した柿内芳文さんでした。

柿内さんは当時28歳でしたが、山田真哉さんの
さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などの
ベストセラーを生んだ気鋭の編集者で、
後に星海社新書を立ち上げた方です。

タイトルも、中川さんが書いた段階では、
『ネット敗北宣言』となっていましたが、
ウェブはバカと暇人のもの』に変える提案を
したのも、柿内さんでした。

このタイトルを提案された中川さんが、
「いいじゃないですか!」と言うと、
柿内さんはニヤリと笑ってこう言いました。

  「そうでしょ? いやぁ、我ながらいいタイトル
  だと思います。中川さんの『ネット敗北宣言』は
  サブタイトルで活かし、あとは光文社新書の
  考え方である『知は現場にあり』を加味した
  タイトルになっていると思います。」

さすがに、ベストセラーを生む編集者の仕事は
違うものですね。

個人的には、当時のビジネス書業界の
裏側を知れただけでも面白かった。

ただし、本書のメインはあくまでネットの歴史。

ネットの黎明期から、ブログの隆盛、Web2.0、
ツイッターなでどのSNSの普及までの裏舞台が
現場目線で書かれています。

終始、中川さん個人の視点なので、
偏りはありますが、その分リアルで生々しく、
当時のことが鮮明に蘇ってきます。

仕事でネットに関わっていなくても、
ある程度、ネットの世界と関わってきた方なら、
懐かしく思い出されるシーンがいくつも
あることでしょう。

  第1章 とんちんかん時代
  第2章 やんちゃな人々の間で
  第3章 ネットニュース編集者の日々
  第4章 開き直りからの逆襲
  第5章 ネットで人生変わった!

この本から何を活かすか?

あと、個人的に記憶が残っていたのは、
中川さんと小飼弾さんとの「歴史的和解」と
報じられたニュースです。

小飼さんは、『ウェブはバカと暇人のもの』に
ついて批判的なブログ記事を書いていました。

この2人が、ビジネス書作家・水野俊哉さんの
出版記念イベントで遭遇しました。

半分酔っ払って絡んだ中川さんに対して、
小飼さんは冷静に、中川さんの本の評価すべき点、
納得できない点を挙げ、和解したというもの。

中川さんはネットニュースで報じられていた通り
セメント(プロレス用語で、事前に打ち合わせ
のない本気の展開)で、仕掛けたようですね。

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| IT・ネット | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす

満足度★★★
付箋数:23

1997年に、当時のチェス世界チャンピオンだった、
ロシアのガルリ・カスパロフさんに、
IBMが開発したコンピュータ「ディープ・ブルー」
が勝利しました。

以来、次はもっと複雑な日本の将棋でプロ棋士に
勝つことがコンピュータソフトの目標となり、
ドワンゴが主催した「電脳戦」につながります。

電脳戦では、将棋ソフト側がプロ棋士を凌駕する
ようになり、2015年の対戦では事前にソフトを
プロ側に渡し、プロ棋士がコンピュータの指し手を
研究させる余裕を示しました。

迎えた5対5の団体戦「将棋電王戦FINAL」の第2局。
永瀬拓矢六段は、ある奇策をひらめきます。

それは敵陣に突入した角が成らないという、
前代未聞の一手。

角は成って損はなく得するだけなので、
角不成は常識的な手としてはあり得ません。

しかし、ルール違反ではない。

このあり得ない一手を将棋ソフトSeleneは
認識できず、王手放置で反則負けとなりました。

この団体戦では、プロ棋士側が初めて勝ち越す
ことになりましたが、事前の研究なしでは、
一流のプロでさえも将棋ソフトに勝つことが
難しいことが改めて認識されました。

そして、次にコンピュータが目指したのは、
もっと複雑で玄妙といわれる囲碁で
プロを打ち負かすことでした。

囲碁の場合、次の候補となる手は200近くあり、
この複雑性ゆえに、最新のコンピューターでも
計算を処理しきるのは不可能とされていました。

2000年代後半に入ってモンテカルロ木検索を
行うようになってからソフトの棋力がアップします。

2012年にはプロ相手に、4つの石を先に置く
ハンデで勝てるようになり、アマチュア6段程度の
棋力が認められるようになりました。

そのため、囲碁ソフトがプロ棋士に勝つには
もう10年かかるだろうと言われていました。

しかし、2016年の1月にGoogle傘下の会社が
開発したソフト「AlphaGo(アルファ碁)」が、
中国出身のヨーロッパチャンピオン、
ファン・フイさんに勝利する快挙を成し遂げました。

更にアルファ碁は、2016年3月に世界のトップ、
韓国のプロ棋士イ・セドルさんとの五番勝負で
4勝1敗で勝利し、いまや人間より強くなったと
言われるようになりました。

この将棋・囲碁と人工知能の対戦の歴史は、
本書のコラムを参考に再構成して書きました。

著者の甘利俊一さんは、囲碁が趣味のようです。

さて本書は、脳の誕生から始まり、
現在までわかってきた脳の仕組み、理論で脳が
どのように研究されてきたかを辿る本です。

 第1章 脳を宇宙誌からみよう
 第2章 脳とはなんだろう
 第3章 「理論」で脳はどう考えられてきたのか
 第4章 数理で脳を紐解く(1)
 第5章 数理で脳を紐解く(2)
 第6章 人工知能の歴史とこれから
 第7章 心に迫ろう

数学の理論を使って脳の仕組みを考えるのが
「数理脳科学」。

数学で脳の仕組みを解明したと聞くと、
非常に驚きです。

本書では、神経回路はどのように興奮し、
記録はどうやって蓄えられるかを、
理論モデルを使って解説します。

また、最近注目のディープラーニング(深層学習)
についても数理の視点から紐解きます。

数式はできるだけ使わないと言いつつも、
高校数学以上の数式は普通に登場します。

本書は、いかにもブルーバックスらしい、
玄人好みの一冊です。

この本から何を活かすか?

脳科学の最終目標は「心」を知ることです。

神経興奮のダイナミクスが働いて、
脳の中で多くの部位が覇権を競い、
その結果で自分の心が決まります。

心は脳の中での葛藤を経て定まるのです。

本書では、「囚人のジレンマ」、「究極のゲーム」、
「割引ゲーム」の3つを用いて、心が葛藤する例を
見ていきます。

そのような葛藤までも人工知能は
つくりだすことができるのでしょうか?

不可能と言われていた、囲碁のプロに勝つことが、
あっさり実現されましたから、人工知能が葛藤を
つくりだすことも不可能ではないかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 科学・生活 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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