活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2016年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年08月

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ミライの授業

満足度★★★★
付箋数:26

小学高学年から大学生までの子どもがいる
家庭では、本書を1冊買って、
リビングに置いておきましょう。

ただし、決して「この本を読みなさい」と
強要してはいけません。

手が届くところに何も言わずに置いておいて、
子どもが興味を持って読み始めるのを
辛抱強く待つこと。

本書を手に取ってページを開いてみると、
すぐに続きを読みたくなるはずです。

しかも、あれだけ口酸っぱく「勉強しなさい」
と言い続けても、全然勉強しなかった子どもが、
本書を読んだ後は、自然と机に向かうように
なるかもしれません。

私もこんな本を14歳のときに読みたかった。

いやいや、未来をつくるのは、
この歳になってもまだ間に合う。

本書は、そんな気持ちにさせる本です。

  「未来を予測する最善の方法は、
  自らそれを創りだすことである」

これは本書の冒頭でも紹介されていた、
計算機科学者、アラン・ケイさんの言葉。

  「みなさんはじめまして。瀧本哲史です。
  ぼくはふだん、京都大学で日本の将来を担う
  大学生たちに、新しい時代を生き抜くための
  考えについて講義しています。
  今日の講義は、その14歳バージョン。
  語り口はやさしくても、中身は超本格派です。
  大学生はもちろんのこと、大人たちでさえ
  知らないような “未来をつくる5つの法則” 
  をお話ししていきます。
  きっと大人たちは、みなさんのことを
  うらやましく思うでしょう。人生を変え、
  世界を変えるようなトップシークレットに、
  その若さで触れられるのですから。」

本書は2015年に瀧本哲史さんが、
全国の中学校を飛び回って講義した内容を
まとめた本です。

瀧本さんは、超難関校として知られる灘中学校や、
原発事故で避難生活を余儀なくされている
福島県飯舘村飯舘中学校などを訪れました。

それらの中学校で行われたのは、
未来に生きる14歳の中学生に贈る特別講義です。

まず、瀧本さんは、学校では何のために
勉強しているのかを語ります。

  「いい高校、いい大学へ進むため?
  それにいい会社に就職するため?
  ・・・・そんなつまらないことのために
  勉強するなんて、あまりに寂しい話ですよね。
  正解はもっと別のところにあります。

  みなさんが学んでいるものの正体、
  それは “魔法” です。
  ハリー・ポッターと同じ “魔法” を
  学んでいるのです。」

なぜ、瀧本さんが、「魔法」なんて、
突飛に思える話から始めたかについては、
是非、本書をお読みください。

そして、未来をつくるために、過去を知る。

この講義では、かつて世界を変えてきた
人たちのことを学び、「未来をつくる法則」を
導き出します。

登場するのは、ニュートン、コペルニクス、
ナイチンゲール、ビル・ゲイツ、大村智、
ココ・シャネル、伊能忠敬など(以上敬称略)
19名の偉人たち。

彼らは、どんなふうに育ち、どんなことを考え、
どんなことに疑問を抱いたのか。

そして、どんな壁にぶつかり、
どうやって壁を突破したのか。

未来を変えた先人たちの歴史を学ぶことで、
自分でも未来をつくりだすことができると
わかるはずです。

そのメッセージは、もう未来はないと思って
あきらめかけていた、わたしたち大人にも
しっかりと届きます。

この本から何を活かすか?

私が本書で最も興味を持ったのは、
わずか22歳にして、日本の歴史を大きく変えた
女性の話です。

その女性とは、オーストリアのウィーン生まれの
ベアテ・シロタ・ゴードンさん。

彼女は、一体、日本の何を変えたのでしょうか?

  「彼女は、日本に “男女平等” という概念を
  もち込み、定着させた女性です。
  男尊女卑で女性が虐げられていた日本社会を、
  たった一行のルールでひっくり返した女性です。」

シロタさんは、憲法や法律の専門家ではない
6か国語に堪能な通訳の民間人女性でした。

そんな彼女は、わずか9日間で、
日本国憲法の草案をつくることになります。

そして、彼女が訴え続けた女性の権利は、
現在の日本国憲法第24条として残っています。

1946年当時、男女平等が憲法に明記されたことは、
世界的に見てもかなり異例のことだったようです。

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| 成功哲学 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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シゴトに役立つデータ分析・統計のトリセツ

満足度★★★
付箋数:18

  「この本では、データをどのように取り扱えば
  よいのか、その “考え方” を解説しています。
  どんな手法があり、それによってどんな結果が
  得られるのか、さらにその結果を使って
  どうやって周囲に伝えていくのか。
  データを集めるだけでなく、それを生かすための
  手法が満載です。数式などはできるだけ使わずに
  解説していますので、気軽に読み進めてください」

本書は、データの取り扱いについて広く浅く
学べる本です。

著者は、技術士(情報工学部門)の増井敏克さん。

増井さんは、[ビジネス]×[数学]×[IT]を
組み合わせてコンピュータを正しく、効率よく
使うためのスキルアップ支援やデータ分析などを
行っている方です。

本書で学べる内容は以下の通りです。

 序章 データが使えると仕事の効率は変わる
 第1部 データを使ってビジネスに活かす
  第1章 まずはどんなデータなのかを把握しよう
  第2章 データを分析して役立つ特徴を見つけよう
  第3章 データを使って選択肢の中から最適なものを
     選ぼう
  第4章 データをもとに変化を予測しよう
  第5章 相手にデータを明確に伝える表現を選ぼう
 第2部 データを「ヒトに伝える」、
    データで「ヒトを動かす」
  第6章 データを「ヒトに伝える」基本テクニック
  第7章 データで「ヒトを動かす」基本テクニック
  第8章 判断を誤らないために知っておきたいこと

本書の各節の冒頭では、マーケティング部門の
2人の社員の会話からスタートします。

1人は、入社したばかりの文系女性社員。

一生懸命頑張って入るものの、マーケティングと
数学に関する知識はほとんど持っていません。

もう1人は新入社員の教育係となった
マーケティング部の30代男性係長。

理系なので数字に強く、人当たりも良く
知識も豊富なので、先生役として適任です。

 新人:数字を使え、と言われて収集したデータを
    元に報告したのですが、そのデータの
    根拠を求められちゃいました。

 係長:間違ったデータを使ってしまうと、
    その報告が信用できなくなってしまうよね。
    データが正確か、ということは常に意識
    すべきだよね。

 新人:確かにデータの正しさを確認するのは
    難しいですね。怪しそうなデータを
    見抜くポイントはありますか?

 係長:例えば、次のようなデータがあると
    どうでしょう?
    何か疑問を抱くことはありませんか?

年度
2012
2013
2014
2015
売上(億円)
140
150
160
170
販売数(万個)
800
700
600
500

 新人:これなら直感的におかしいと思いそう
    ですね。販売数が減っているのに、
    売上が増えています。

 係長:あとは数字が綺麗すぎると思わないかい?
    すべて1の位が「0」になっているのは
    気になるよね。

 新人:ただ、これも単価が上がったのかも
    しれませんし、偶然綺麗な数字に
    なっている可能性もあります。

 係長:つまり、データを見るだけではわからない
    ということになる。疑問を持つことは
    あっても、確信はできない。どうやって
    作られたデータなのかを見るのも1つの
    方法だね。

本書は、こういった会話を導入に使って、
データ分析の解説を行います。

データ分析をするにあたり、何が必要で、
何がデキるかの概要が学べます。

ただし、本書はあくまで入門ガイドなので、
あまり具体的な分析方法を学ぶことはできません。

本書で大まかな方向性がわかったら、
もう少し専門的な本で実際の分析方法を
習得する必要はあります。

この本から何を活かすか?

あるWEBサイトに設置された3つのボタンについての
データを見てください。

ボタンABC
クリック数1257856659
クリック率45.3%30.9%23.8%

このデータを見ると、Aが多くクリックされて、
Cはあまりクリックされていないと判断できます。

Cのクリック率を上げるために、ボタンのデザイン
をAと同じようにすれば良いのでしょうか?

ここで気をつけたいのは「網羅性」です。

「何もクリックしていない」利用者のことを
考えなければなりません。

出されたデータがすべてだと思い込んでいると、
思わぬ抜け穴がある場合があるので、
常に網羅性の視点を持って、
データをチェックする必要があります。

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| 数学 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法

満足度★★★
付箋数:24

  「もし私がある問題を解決するのに1時間を
  与えられ、しかもそれが解けるか解けないかで
  人生が変わるような大問題だとすると、
  そのうちの55分は自分が正しい問いに
  答えようとしているかどうかを確認することに
  費やすだろう」

これはアルベルト・アインシュタインさんが
言ったとされている名言。

いくつものバージョンがあって、
本当に言ったかどうかの真偽は不明ですが、
「問い」を立てることの大切さを表現しています。

本書は「質問」することの重要性を説いた本。

著者は、デザイン思考、イノベーションといった
領域に強みを持つジャーナリストの
ウォーレン・バーガーさんです。

全米各誌・各メディアで絶賛を受けた
思考法の本です。

原題は、「A More Beautiful Question
: The Power of Inquiry to Spark Breakthrough
Ideas
」(より美しい質問-突破力のある思考に
火をつける探求力)

美しい質問とは、私たちが物事を受け止める、
あるいは考える方法を変えるきっかけとなる
野心的だが実践的な質問のこと。

さらには、変化を引き起こす触媒となる質問。

質問で議論を呼び起こすことがことが目的ではなく、
行動やイノベーション起こすことがゴールです。

「なぜ?」と問うだけで、何も行動しなければ、
思考や会話をするきっかけにはなるかも
しれませんが、イノベーションには至りません。

 Q(問い)+A(アクション)=I(イノベーション)

そういえば、大前研一さんも『質問する力』の
中で次のように書いていました。

  「 “質問する力” とは、政府や、マスコミや
  評論家の言うことを鵜呑みにするのではなく、
  まず、自分の頭で考え、疑問点があれば
  とことん追求し、自分で納得してから決断する
  力のことである。」

さて、本書では「美しい質問」をするために、
3つのステップで物事の本質にアプローチします。

  ・「なぜ?」
  ・「もし~だったら?」
  ・「どうすれば?」

この3つの質問は、問うという行為を
さまざまな段階で私たちを導いてくれる
枠組みです。

グーグルの検索ボックスに入力しても、
簡単に答えが見つかるような問いでは
意味がなく、自ら考えて行動を促す問いに
なっていなければなりません。

まず、「なぜ?」で理由を探ります。
次に、「もし~だったら?」で仮説を立てます。
最後に、「どうすれば?」で方法を考えます。

それが「Q思考」と邦訳されている思考法。

人は大人になるにつれ、だんだん疑問を
持たなくなるものです。

質問をするにはエネルギーを要するので、
わざわざ疑問を持たずに、流されていた方が
楽ですから。

しかし、それでは何の進歩もないまま
毎日を過ごすことになってしまいます。

本書は、単に質問の仕方を教える本ではなく、
ビジネスや人生において、常に質問する姿勢を
身につける本と言ってもいいかもしれません。

私は、本書を読むのが非常に疲れました。

それは、本書の中の至る所に散りばめられた
「なぜ?」、「なぜ?」、「なせ?」の
質問型の記述に、いちいち脳が答えを探そうと
反応してしまったからだと思います。

この本から何を活かすか?

  「4歳の少女が5歳や6歳になると、
  どうしてそれほどものを尋ねなくなるのか?」

あるイギリスの調査で、4歳の女児は
1日平均390回の質問を母親にすることが
わかりました。

そして、4歳をピークに徐々に質問の回数が減り、
6歳になる頃にはかなり口を閉ざし、
学校に入ってからは、先生の知っている答えを
覚えるようになってしまうのです。

大人になっても4歳の子どもの目を持って
何度も何度も「なぜ?」を問い続けることが、
スティーブ・ジョブズさんやジェフ・ベゾスさんの
ようなイノベーションを生み出します。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 11:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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神経ハイジャック

満足度★★★
付箋数:22

2016年7月22日、日本でもスマートフォン向け
ゲームアプリ「Pokemon GO(ポケモンGO)」が
リリースされ、大きな話題となりました。

このアプリで指摘されているのが、「歩きスマホ」、
「ながらスマホ」の問題です。

ポケモンGOによって、あなたの神経は
ハイジャックされる・・・・。

政府も盛んに、注意喚起していますが、
本当の怖さを伝えるには、
本書を配本した方がいいかもしれません。

ある調査によると、アメリカの成人の約9割が、
運転中の携帯・スマホの操作は違法にすべきだと
考えているそうです。

一方、アメリカ成人の6割以上の人が、
運転中に携帯メールをしたことがあるという
調査結果があります。

ほとんどの人が、やってはいけないと認識して
いるのに、やめられない状態です。

これはアメリカでのデータですが、日本でも
「わかっているのにやめられない」のは同じこと。

ポケモンGOによって、さらにこの状態が
加速する危険性があるでしょう。

本書は、「ながらスマホ」の危険性に
警鐘を鳴らす本です。

著者は、ニューヨーク・タイムズ紙記者の
マット・リヒテルさん。

リヒテルさんは、不注意運転のリスクと
根本原因を明らかにする記事で
ピュリツァー賞を受賞した方です。

本書は、ある悲惨な交通事故の顛末を追った
ノンフィクションであると同時に、
脳科学などの最先端のサイエンスから
原因探る科学ルポルタージュでもあります。

2006年のある夏の日、米ユタ州に住む19歳の青年、
レジー・ショーさんが、自動車事故を起こしました。

この事故で、2人の優秀なロケット技術者が
亡くなりました。

  「ユタ州警察の少数の捜査官たちがこの事件に
  目をつけた。頑固者で知られるある捜査官は、
  レジーが携帯電話に気をとられていたせいで
  衝突事故を起こしたのだと確信した。
  メールでも打っていたにちがいない。(中略)

  レジーのほうは、衝突の原因が何か思い出せない
  と主張した。証拠が出てくるとそれを否定し、
  自分自身、そんな証拠は嘘だと思い込んだ。」

ショーさんには、本当に事故当時の記憶が
ありませんでした。

彼の注意力は携帯によって完全に奪われ、
視野が狭くなるだけでなく、記憶さえも
曖昧になってしまったのです。

2つ以上のことを同時に行うマルチタスクは
幻想に過ぎなかったのです。

それどころか、携帯やスマホというツールは、
「つながりたい」、「認められたい」という
人間の根源的な欲求に訴え、たとえそれが
運転中の危険な状態であっても、
抑えられない「依存性」が出てしまうのです。

本書の物語は、決して他人事ではなく、
「ながらスマホ」は、飲酒運転以上のリスクが
あることを認識させられます。

本書は、科学面での取材もしっかりして、
「なぜ、ながらスマホをやめられないのか?」
という原因に迫る優れたノンフィクションです。

ただし、500ページ超の分厚い本で、
前半はかなり読むのがしんどいです。

登場人物も多く、場面も頻繁に切り替わるので、
ついていけず、読むのを挫折してしまう人も
多いかもしれません。

しかし、後半はリヒテルさんの筆力によって、
グイグイ引き込まれていくので、
何とか前半は頑張って読んで欲しいところです。

この本から何を活かすか?

喫煙者は、煙草のパッケージを開けたり、
煙草に火をつける段階で、ニコチンが吸引できると
思って少量のドーパミンが放出され、興奮します。

これと同様にスマホを軽くタップするだけで、
ドーパミンが放出され、ちょっとした快感が
得られるようです。

  「これは基本的に双方向的な現象である。
  キーにふれると反応があり、スクリーンに
  ふれると情報や報酬が得られる。
  それ自体が悪いことではない。
  だが、グリーンフィールド博士によると、
  われわれは次から次にその欲求を満たそうとする。
  クリック、またクリック。すると、強い興奮が
  感じられなくなったとき、物足りない気分に陥る。
   “だから、もっともっととなるのです” 」

スマホはこうした特性をもっていると認識して
付き合う必要がありそうです。

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| 科学・生活 | 08:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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超・箇条書き

満足度★★★★
付箋数:27

巷では、外資系コンサルタントの資料作りを
手本とするプレゼン本が多く出版されています。

彼らが作るプレゼン資料の最初のページには、
何が書かれているか、ご存知でしょうか?

そこに書かれているのは、
図やグラフではありません。

最初のページに書かれているのは、
十中八九、「箇条書き」。

なぜ、最初のページは箇条書きなのでしょうか?

プレゼンする相手は、1分1秒を惜しむ
忙しい企業経営者。

彼らは図やグラフで分析や背景を聞くより、
要点をすぐに理解したいのです。

コンサルタントは、そのような相手に、
伝えなくてはいけない要点を
短く、魅力的に伝えなければなりません。

その要件を満たす方法として選ばれているのが、
「箇条書き」なのです。

あなたは、これまでに箇条書きの仕方を
学校や会社で習ったことがありますか?

ほとんどの方は、習ったことがないと思います。

それは、日本では箇条書きが、あまり重視されず、
むしろ軽んじられてきたからです。

しかし、本書の著者、杉野幹人さんは、
「箇条書き」こそが、これからの時代を生き抜く
最強のサバイバルスキルだと説明します。

  「箇条書きは、英語や会計、そして
  ロジカルシンキングと同じくらい世界的に
  求められているスキルだ。
  もちろん箇条書きという名称ではなく、
  世界的には “ビュレットポイント” と呼ばれて
  使われている。」

更に杉野さんは、箇条書きを見れば、
その人の思考、その人の伝える力のレベルが
ひと目でわかると言います。

本書では、10倍速く、魅力的に伝える
「箇条書き」の技術を伝えます。

わずか数行の短い文章でも、魅力的に伝え、
人を動かすことができる箇条書きのことを
本書では、「超・箇条書き」と呼びます。

普通の箇条書きは、伝えたいことを「羅列化」
するだけで完成しますが、「超・箇条書き」には、
次の3つの技術要素を加える必要があります。

 ・構造化
  相手が全体像を一瞬で理解できるようにする

  レベル感を整え「自動詞と他動詞の使い分け」、
  「直列と並列で考える」、「ガバニング」の
  3つが構造化のコツ

 ・物語化
  相手が関心を持って最後まで読み切れるようにする

  フックをつくるために、「イントロづくり」、
  「MECE崩し」、「固有名詞を使う」の
  3つが物語化のコツ

 ・メッセージ化
  相手の心を響かせ行動を起こさせるようにする

  「で、それが何?」で終わらず、スタンスをとる
  ために「隠れ重言の排除」、「否定を使う」、
  「数字を使う」の3つがコツ

この3つの技術要素の中で、一番わかり易い、
「構造化」を使っただけでも、次に挙げる例のように
かなりの違いが出てきます。

 <普通の箇条書き例>
  ●営業の人員が足りていない
  ●手強い競合商品があるため苦戦している
  ●コールセンターでの問い合わせ対応の
   トレーニングが間に合わない
  ●営業部で期間限定のスタッフが増える
  ●それ以外のことは、営業部が経営会議に
   報告して打ち手を仰ぐ

 <構造化された超・箇条書き例>
  ●3つの問題点が議論された
   ・営業の人員が足りていない
   ・手強い競合商品があるため苦戦している
   ・コールセンターでの問い合わせ対応の
    トレーニングが間に合わない

  ●2つの対応が決まった
   ・マーケティング部が営業部に期間限定で
    スタッフを貸し出す
   ・それ以外のことは、営業部が経営会議に
    報告して打ち手を仰ぐ

たかが箇条書きと侮ってはいけません。
そこに秘められたパワーは絶大で、奥が深い。

箇条書きは、ビジネスパーソン必須の技術だと
実感しました。

この本から何を活かすか?

  「日本人の多くは英語が上手くない。
  そういう人ほど箇条書きのスキルを高めるべきだ。
  資料やメールでのベタ書き。口頭でのスピーチ。
  これを英語でするのは、英語が苦手な人には
  一苦労だ。
  それでも、海外の人とコミュニケーションを
  とりたい人や、ビジネスをする必要がある人はいる。
  そういうときこそ箇条書きが役に立つ。」

英語のコミュニケーションも、「超・箇条書き」で
大きく改善するようです。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 08:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略

満足度★★★★
付箋数:26

  「僕が博報堂に入社した1997年は、ちょうど
  ブランドエクイティという言葉が流行りだして
  いた頃。先輩たちが書いていた企画書には、
  ポジショニングマップを用いた
   “ポジショニング論” のものもあれば、
  ブランドのアイデンティティを規定した
   “ブランド論” のようなものもあったように
  記憶しています。

  その頃から “どっちも正しいけど、根底にある
  思想が違うので、厳密には論理の整合性が
  とれていないのでは” と、密かにもやもや
  していました。

  その後、アカウントプランニングやインサイトが
  日本に紹介され、普及活動などのただ中に
  いたときも、“また違った思想のものが
  やってきたな”という想いを持っていて、
   “いつか俯瞰した視点から戦略の流派の違いを
  整理したいな” と、うっすら考えていた
  気がします。」

本書は、磯部光毅さんの長年の想いを実現させた
「コミュニケーション戦略」をわかりやすく
体系的にまとめた本です。

磯部さんは、ブランドコミュニケーションから、
エグゼキューション開発までを統合的に
プランニングするアカウントプランナーです。

ところで、「コミュニケーション戦略」とは、
一体、どんなものなのか?

本書では、コミュニケーション戦略を
シンプルに、次のように定義します。

  「人を動かす戦略」

最終的には、お客さんが企業の商品やサービスを
購入することを目的としますから、
人が自発的に行動を起こすように、
顧客心理に働きかける必要があります。

その意味で、コミュニケーション戦略とは、
「心理工学」でもあるようです。

本書では、コミュニケーション戦略を学ぶために、
ベースとなる7つの理論の歴史的な変遷や流れと
基本となる考えを紹介します。

 1. ポジショニング論
  「違い」が、人を動かす。
   お客さんの頭の中で、競合と違った位置づけを
   得る戦略

 2. ブランド論
  「らしさ」の記憶が、人を動かす。
   お客さんの頭の中に、そのブランドらしさの
   連想構造をつくり、記憶に残す戦略

 3. アカウントプランニング論
  「深層心理」が、人を動かす
   お客さんの隠された本音を探りあて、
   動機づける戦略

 4. ダイレクト論
  「反応」の喚起が、人を動かす
   お客さんの直接的な反応を受け止めながら、
   長期的な関係をつくる戦略

 5. IMC論
  「接点」の統合が、人を動かす
   お客さんと複数の接点をつなぎ、
   最適なメッセージ、施策を出し分ける戦略

 6. エンゲージメント論
  「関与」が、人を動かす
   お客さんが自ら関わりたくなるような
   施策を通して、共感しあう関係をつくる戦略

 7. クチコミ論
  情報の「人づて」が、人を動かす
   ソーシャルメディア上で、情報が信頼と共感を
   ともなって拡散することを狙う戦略

本書では、それぞれの戦略論を個別に解説する
だけでなく、時代ごとにどのように影響しあって
きたかも俯瞰します。

7つの戦略は、どれが間違っていて、
どれが正しいというものではありません。

コミュニケーション戦略上では、7つの戦略が、
7層構造のミルフィーユ状態になっているのです。

  「結論。7つの戦略論は、すべて正しい」

この本から何を活かすか?

カスタマージャーニーについては、先日の記事で、
The Customer Journey』を紹介しました。

本書でも、IMC論の中で、カスタマージャーニーの
つくり方についても解説されていました。

本書の中での扱いは、わずか10ページ程。

しかし、カスタマージャーニーマップの書き方は、
少ないページ数ながらも、正直、本書の方が、
わかりやすかったように思えます。

本書の質の高さが伺えますね。

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| マーケティング・営業 | 07:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ、お客様は「そっち」を買いたくなるのか?

満足度★★★
付箋数:23

行こうと思っても、二の足を踏んでしまうぐらい
長い行列ができている店。

予約しようと思っても、数が月先まで予約が
埋まっていて、簡単に予約が取れない店。

あなたの街にも、このような行きてくても
なかなか行けない人気店があることでしょう。

一方、いつ行ってもガラガラだったり、
今にも潰れそうな、活気のない店もあります。

この違いは、一体、どこから来るのでしょうか?

マーケティングに特化したコンサルティングを
行う理央周さんは、これまで数多くの企業を
見てきて、ある事実を発見しました。

  「 “売ろう” とするから “売れない” 」

これが、理央さんが見つけた、
売れる店と売れない店の決定的な違いです。

お客様は、売るための広告に
慣れっこになっています。

ですから、買ってくださいと売り込むより、
お客様の方から、欲しい、行ってみたいと
自然と思えるようにすることがポイントです。

この「自然に売れる仕組み」を作ることこそが、
マーケティング。

では、どうしたらお客様が買いたくなるような
「自然に売れる仕組み」が作れるのか?

  「What(何を売るのか?)やWho(誰に売るのか?)、
  How(どうやって売るのか?)を考える前に、
  Why(なぜ売れるのか?)を考えて流行っている店、
  売れる商品、業績を上げる企業の共通点を
  自社のビジネスに取り入れていけばよいのです。
  そうすることで “何が、誰に好まれているのか?”
   “どうやってその良さを伝えているのか?”
  というお客様の視点に立った考え方が
  できるようになります。」

本書では、2択のクイズ形式で、
自然に売れる仕組みを作るための
マーケティングセオリーを学びます。

  第1章 繁盛するお店が売っているのは「どっち」!?
  第2章 売れる商品を買っているのは「どっち」!?
  第3章 流行るお店の売り方は「どっち」!?
  第4章 人気のブランドの作り方は「どっち」!?

身近な実例を使った2択クイズは全部で32問。

マーケティングを勉強しようと構えなくても、
気軽にクイズに答えるだけで、
マーケティングの本質が見えてきます。

例えば、次のようなクイズが掲載されています。

 あなたは、大手清涼飲料水メーカーの
 マーケティング部に配属された新人です。

  Q : 清涼飲料水メーカーの売上データ、
   分析すべきタイミングはどっち!?

  A : 思った通りに「売れなかった時」
  B : 思った通りに「売れた時」

人は、計画通りにいかなかった時に、
「やばい、目標が達成できないぞ、なぜだろう?」
と慌てて分析しようとします。

これはこれで、次に同じ間違いをしないための
正しい行動です。

一方、目標値を超えると「よかった~」と
ホットして、あまり詳しく分析しないもです。

しかし、なぜうまくいったかわかならない時こそ、
その理由を明確にすべきだと、理央さんは言います。

なぜなら、うまくいったときの理由が
はっきりわかれば、計画の上方修正をして、
追加の手を打つことができるからです。

このクイズの正解は「B」。

市場は私たちが思っている以上に、速く変化
しているので、常に、今自分がやっていることが
100%正しいと信じこまないようにする。

それがマーケティング上のポイントです。

この本から何を活かすか?

では、もう1問、本書のクイズを紹介します。

 あなたは郊外の住宅地で開業している
 ヘアサロンのオーナーで、フリーペーパーに
 広告を出そうとしています。

  Q : ヘアサロンの広告に使う写真、
   売上が増えるのはどっち!?

  A : ヨーロッパ系のモデル
  B : 自社のヘアスタイリスト

ここでは、立地条件からのターゲット層を
考えるべきです。

大切にすべきなのは、お店のブランドと
お客様の「距離感」です。

マーケティング的な正解は「B」。

何となくイメージがいいという理由で、
安易に外国人モデルの写真を使ってしまうと、
「私に関係なさそう」と思われてしまいます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| マーケティング・営業 | 11:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大前研一 日本の未来を考える6つの特別講義

満足度★★★
付箋数:24

  「現在の日本というものは、見えている将来像が
  世界のどこよりも暗い像となった国とすらいえる
  でしょう。その見えている像に対してストレート
  に考え、それを正直に政治課題として取り上げる
  人がいない。これが最大の課題です。
  タイタニック号が氷山に向かうように、
  先が見えているにもかかわらず、船上で
  パーティーをやっているようなものなのです。」

これから日本の人口減少は進み、2040年には、
今よりも相当多くのゴーストタウンができると
大前研一さんは予測します。

人口が減少すると、納税能力が下がります。

すると、今よりもますますサービスレベルを
落とさなければなりません。

例えば日本の年金は、最終勤務年度の給料に
比べて35%程度しかもらえていません。

これは先進国の中では一番低く、50%ぐらいが
一般的な水準です。

しかし、日本では2040年になると
30%を切ることが見込まれています。

以前から言われていることですが、勤労者2人で
1人の老人の面倒を見なければならない世界に
日本は突入しようとしているのです。

この見えている問題に対して、政治課題として
取り上げて、解決しようとする人が少ないのが
日本の現状です。

誰もが思考停止に陥っている状態とも言えます。

このようになってしまった、根本の原因は、
日本の教育方法にあると大前さんは指摘します。

  「 “教えたことを覚えなさい” ということを
  前提とした20世紀の教育法が、 “ロジカルに
  見えているものを全部足しあわせて本質の姿を
  直視すること” ができない人を生み出して
  しまったのです。この姿が直視できれば、
  みんなでなんとかしようと考えるはずなんです。
  見えているものに対して向き合っていない。
  この結果として、少子化やゴーストタウンの
  問題が出てくるのです。」

本書は、大前さんが企業経営者に向けて行う
勉強会、「向研会」の内容を書籍した本です。

2016年3月に刊行された
大前研一 世界を知る6つの特別講義』に
続くシリーズ第2弾です。

既に、「大前研一ビジネスジャーナル」として
オンデマンド版またはKindle版で出ている
本の総集編となります。

前作はNo.1~No.3までをまとめていましたが、
本作ではNo.4~No.6までの内容を基に
編集・構成されています。

 No.4 迫りくる危機をいかに乗り越えるか
  ~2015年経済予測・日本のエネルギー問題~

 No.5 2040年の崩壊
  ~人口減少の衝撃・地域活性化の現状と課題~

 No.6 「教える」から「考える」へ
  ~世界の教育トレンド・日本人の海外シフト
   の現状と課題~

以上の内容を、本書では6つの講義として
まとめています。

前作より少しだけページ数は減ったものの、
400ページ弱の圧倒的なボリュームで、
非常にお得感のある内容です。

日本の未来をグローバルな視点から見通し、
問題の本質に迫ります。

そして、問題点を挙げるだけではなく、
ロジカルに考えて、最も有効な解決策を
示すのが大前さんの講義です。

ただし、取り上げられている問題と解決策は、
以前から大前さんが主張している内容ですから、
大前さんの発言に常に注目している方には、
目新しい内容ではないかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「私はやはり原発再稼動に向けた努力をすべき
  だと考えます。ここで尻尾を巻いて逃げ出す、
  全部やめるというのは、完全な敗北思想です。
  原因を分析すれば安全な設計ができるのですから、
  技術的に乗り越えられない問題ではありません。」

原発再稼働は一筋縄ではいかない問題です。

大前さんは、基本的に原発再稼働の賛成派。

ただし、それがダメなら徹底した節電を行い、
更にサハリンからの送電、パイプラインでガスを
送る、地熱発電の推進と燃料電池の導入を
同時に行います。

どれか1つだけ採用して他の案を捨てるのではなく、
原発・節電・代替エネルギー3つの案を同時並行に
進めることが望ましいと結論づけています。

感情的に原発に反対することは簡単ですが、
ロジックで大前さんの主張を突き崩すのは、
難しいように思えます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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The Customer Journey 「選ばれるブランド」になる マーケティングの新技法を大解説

満足度★★★
付箋数:20

最近、「カスタマージャーニー」という
コンセプトが注目されています。

カスタマージャーニーとは、顧客の一連の
ブランド体験を旅に例えた言葉。

顧客がブランドや商品を認知、購買、再購入
する段階で、ブランドが提供する接点を
行き来する一連の顧客体験のことを言います。

カスタマー(顧客)がジャーニー(旅)を
する姿に見立てています。

顧客のブランド体験を時系列で、「行動」、
「感情」、「接点」などの観点で視覚化した
資料をカスタマージャーニーマップと呼びます。

カスタマージャーニーマップは自社の課題や
機会を発見し、顧客体験の改善を図るための
ツールとして活用されています。

では、最近なぜ、カスタマージャーニーに
注目が集まっているのでしょうか?

それは、デジタル化時代になり、
企業にとって今まで以上に消費者行動が
理解しづらくなっているからです。

顧客体験は、変化のスピードが早い環境下で、
オンとオフが混在し、より複雑化しています。

そういった環境だからこそ、企業やブランドの
視点ではなく、顧客の視点でビジネスや
マーケティングを考えるカスタマージャーニーが
必要とされているのです。

複雑化したジャーニーを読み解き、顧客にとって
魅力的なブランド体験をつくりだすことが、
カスタマージャーニーの役割です。

本書は、カスタマージャーニーについて詳しく
解説する本です。

著者は、2014年に国内100社のブランドを
対象としたトップマーケッターのネットワーク、
JAPAN CMO CLUBを立ち上げた加藤希尊さん。

カスタマージャーニーは次のステップで
つくります。

 ステップ1-A 
  現在のジャーニーを描き出す

 ステップ1-B 
  進むべき方向を明らかにする

 ステップ2 
  競争力の高いカスタマージャーニーコンセプト
  をつくり出す

 ステップ3
  新しいカスタマージャーニーを描く

 ステップ4
  最新技術、マーケティングオートメーションで
  カスタマージャーニーを強化する

初めてカスタマージャーニーをつくる場合は、
最初のステップ1-Aが簡単にはできないはずです。

本書では、ここのステップを対象ブランドや商品を
決めるところから、ビジュアル化するところまで、
更に細かな10工程に分けて解説しています。

また、本書にはJAPAN CMO CLUBに参加している
企業30社のカスタマージャーニーコンセプトが
掲載されています。

私もそうでしたが、本書を手に取る方は、
カスタマージャーニーマップのつくり方を
知りたい方が多いと思います。

しかし、本書では前半で現在のマーケット環境を
たっぷりページ数を取って解説していて、
肝心のカスタマージャーニーの解説が、
なかなか始まりません。

個人的には、そこに少しストレスを感じました。

また、カスタマージャーニーコンセプト例は
数多く掲載されているものの、
私が知りたかったカスタマージャーニーマップ
の例は1つだけの掲載でした。

マップの例は少なくとも5例ぐらいは、
掲載して欲しかったですね。

この本から何を活かすか?

カスタマージャーニーマップはアイコンなどを
活用してビジュアル化します。

そこで必要なのが、マップで使うアイコンです。

本書では、オリジナルアイコンをダウンロード
できるURLが掲載されていました。

アイコンは基本80種、190点以上が収録されて
いるようです。

こういった手頃なアイコンを個別に探すのは
けっこう面倒なので、まとめてダウンロード
できると有り難いですね。

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| マーケティング・営業 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ウソはバレる

満足度★★★★
付箋数:27

「妥協効果」という言葉があります。

消費者は極端な高低の価格帯を避けて、
無難な価格帯を選びやすいという心理効果です。

松竹梅の3段階で価格を付けると、
真ん中の竹が選ばれやすいというのも妥協効果。

これは3種類並べなくても、2種類並べるだけでも
効果があると言われています。

例えば、あるメーカーがパン焼き器を販売していて、
その売上がイマイチだったとしましょう。

そこに、ずっと高価なパン焼き器をラインナップに
加えるとどうなるのか?

1990年代にあるメーカーが、実際にやってみました。

すると、2台目の高価なパン焼き器を買う客は、
ほとんどいませんでしたが、1台目の普通の価格の
パン焼き器の売上が、実に2倍近くに伸びました。

こういったエピソードが引き合いに出され、
「製品の売上を伸ばしたいなら、高価格モデルを
発売しなさい」とマーケティング的には
アドバイスされます。

本書の著者は、ネット社会となった現代でも、
このアドバイスが通用するかを
アマゾンのウェブサイトで実験しました。

  「結果は? 妥協効果はなくなっていた。
  すっかり消えていたのである。
  この新しい実験は、相対価値から絶対価値への
  変容を実証している。」

本書は、ネット上のアグリゲーション・ツールや
レビューが簡単に利用できるようになった時代では、
かつてのマーケティングの常識が通用しなくなった
ことを示す本です。

消費者は、相対価値で意思決定する時代から、
製品やサービスの「絶対価値」で意思決定する
時代へと変わりました。

それが本書の原題にもなっている
Absolute Value(絶対価値)』です。

本書で言う「絶対」とは、「必ず」という意味
ではなく、「相対」に対しての「絶対」。

現代の消費者はスマホという道具を手に入れた
おかげで、たまたま目の前にある情報だけを
参考にして意思決定することが少なくなりました。

スマホによって最新・最善の情報を手に入れ、
的確な選択を行い、以前より合理的に行動
できるようになっているのです。

  「不合理な消費者なんてもういない」

本書ではかつてマーケティングで言われてきた、
次のような常識はもう通用しないと説明します。

 「企業のブランドは今まで以上に重要である」
 「ロイヤルティを築くことがマーケターの仕事」
 「顧客はみんな不合理だ」
 「過剰な選択肢は人々を麻痺させる」
 「ポジショニングがマーケティングの最重要課題」

絶対価値の時代においては、マーケティングの
定説の9割はもはや通用しないようです。

ステマやサクラを使ってのレビューから、
盛りすぎコピー、ブランドの本音まで、
今の賢い消費者は、すべてお見通しなのです。

では、マーケターは一体どうしたらいいのか?

それには、新しいマーケティングのフレームや
アプローチは必要なのです。

本書で示されるのは「影響力ミックス」という
フレームワークです。

 P : Prior その人が元々持つ嗜好
 O : Other 他者の意見やレビュー
 M : Marketers マーケターの意図

売ろうとする商品やサービスの顧客に応じて、
この3つの要素の影響度を割り出して、
マーケティング戦略を調整するという考えです。

私は、さすがに不合理な消費者がもういない
とまでは思いませんが、購入する前にレビューや
客観情報は手に入れられる時代ですから、
本書の考えは非常に納得感の高いものでした。

この本から何を活かすか?

ジェフリー・ムーアさんは、革新的商品が市場に
普及していく過程には、容易には超えられない
「深い溝(キャズム)」があると主張しました。

しかし、本書ではキャズムがもはや存在しない、
または昔ほど深い裂け目ではなくなったと考えます。

  「誰もがイノベーションのリリース直後に、
  オンラインにアクセスし、自分と同じタイプの
  知人や他人を見つけて、彼らが新製品について
  話すのを聞けるとしたら、どうなるだろう?
  実用重視のアーリー・マジョリティの人々は、
  隣人や職場の同僚がそのイノベーションを
  採り入れるまで様子を見る必要なんてない。
  かつては新しい物事をなかなか採り入れたがら
  なかった人も、ずっと早く採り入れるように
  なるかもしれない。自分と似た人のお墨付きが
  早く得られるからだ。」

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| マーケティング・営業 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マンガでわかる「続ける」習慣/「やめる」習慣

満足度★★★
付箋数:17

著者の古川武士さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

2010年11月に日本実業出版社より刊行された
30日で人生を変える「続ける」習慣』と
同じシリーズで2013年12月に刊行された
新しい自分に生まれ変わる 「やめる」習慣
は、2冊で10万部を突破したロングセラーです。

今では中国・韓国・台湾でも翻訳され、
広く読まれています。

この2冊の習慣本をコミック化したのが本書です。

  「発売から5年が過ぎ、多くの方から本作の
  マンガ化のご要望をいただきました。
  続けるコツは、物語として伝えたほうが
  臨場感があって、メソッドでは伝えきれない
  ことも表現できます。
  そこで、シナリオを考え、セリフも含めて
  試行錯誤しながら約1年がかりで
  作り上げたのが本書です。」

よい習慣を身につける場合でも、悪い習慣を
やめる場合でも、人は新しい変化に抵抗して、
いつも通りの行動を取ろうとします。

古川さんは、このいつも通りを維持しようとする
本能のことを「習慣引力」と表現しています。

習慣引力があるからこそ、よい習慣を一度
身につけてしまえば、あるいは、悪い習慣を
一度やめてしまえば、それが自然と維持できる
ようになるのです。

古川さんのメソッドでは、続ける習慣でも、
やめる習慣でも、その習慣づけるものの
種類によって、3つのレベルに分けています。

そのレベルによって、新しい習慣を
身につけるまでの期間が異なります。

 レベル1 行動習慣・・・期間1ヶ月
  続ける:勉強、日記、片付け、節約
  やめる:ネットサーフィン、ムダ遣い、先延ばし

 レベル2 身体習慣・・・期間3ヶ月
  続ける:ダイエット、運動、早起き、禁煙
  やめる:夜ふかし、食べ過ぎ、飲み過ぎ、タバコ

 レベル3 思考習慣・・・期間6ヶ月
  続ける:論理的思考、発想力、ポジティブ思考
  やめる:イライラ、クヨクヨ、完璧主義

それぞれの習慣を身につけるまでには、
「反発期」、「不安定期」、「倦怠期」の
3つの期間があり、その期間に合った
乗り切るためのメソッドが必要になります。

この2冊では、マンガで手軽に
習慣化のコツを知ることができます。

さて、コミック化された「続ける」習慣の
舞台は、オーナーがフランス人一流洋菓子店
ラパン・ブランシュ。

そこでパティシエールとして働くことになった
花園舞という女性が主人公です。

舞は、ある事件がきっかけで、フランス語が
話せないとクビになる状況に陥ってしまいます。

しかし仕事が忙しく、なかなかフランス語を
勉強する時間がとれません。

そこで先輩パティシエの伊藤竣太郎に
習慣化のコツを教わりながら、
勉強する習慣を身につけるストーリーです。

続編の「やめる」習慣の舞台は、
アズサPRという広告会社です。

こちらの主人公は28歳のOL中垣結衣。

結衣は、恋人と結婚まで秒読みだったはずが、
「半年で8キロも太った」、
「努力せずに仕事の愚痴ばかり言う」
などを理由にフラれてしまいます。

こちらは、食べ過ぎをやめることがテーマです。

舞と結衣は友達で、2つの物語を続けて読むと、
より楽しめるように描かれています。

どちらの物語も「ダメだった自分」を変える
ポジティブな気持ちになれるストーリー。

習慣化するための1つのコツは、
小さく始める「ベビーステップ」です。

書籍で読む時間がない方は、本書のように
コミック化された本から始めるのも、
ベビーステップとして有効だと思います。

この本から何を活かすか?

コミックで概要をつかんだら、
もう少し詳しく習慣化のコツを知るためには、
Kindle版で原作本を読むといいと思います。

また、古川さんの習慣化コンサルティングの
ホームページでは、「習慣化プランシート」などが
提供されていますから、そちらも覗いてみると
いいかもしれません。

私は、原作の方の「やめる」習慣を読んで、
結衣と同じように食べ過ぎの悪習をやめました。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ユニ・チャーム式 自分を成長させる技術

満足度★★★
付箋数:20

生理用品や紙おむつなど、衛生用品の大手メーカー
ユニ・チャームは、カリスマ経営者と呼ばれた
高原慶一朗さんが創業した会社です。

2代目社長として2001年に経営を引き継いだのが、
本書の著者、高原豪久さんです。

高原豪久さんは、社長に就任してから、
海外の売上比率を1割から6割にまで押し上げ、
会社の成長を加速させました。

2015年度の売上高は7387億円で、
この15年間で売上高が3倍にも成長しています。

売上高営業利益率は10.8%と、豪久さんが
引き継いでから、14期連続の増収、
9期連続の増益を達成しています。

先代社長が、1人で会社を牽引するカリスマ経営
だったのに対して、豪久さんが標榜したのは、
コミュニケーションを重視して、経営と現場が
つながって呼応しあう「共振の経営」でした。

その共振の経営を支えるのが「共振人材」。

ユニ・チャームでは、「共振人材の6要件」そして、
理想的な人材の要件を社内に示しています。

 1. 皆が奮い立つ共通の的を創る創造力=大局観

 2. 現場の知恵を経営に活かそうとする“場”を
  組織や固定観念に囚われずタイムリーに設定
  できるコミュニケーション力=傾聴力・提案力

 3. ありのままの一次情報を早く正しく認識できる
  直感力=現場感

 4. 暗黙知の “勝ちパターン” を形式知の
   “勝ちパターン” へ “見える化” できる
  実践力=論理性

 5. みずからの意志やアイディアを集団で実行に
  導く胆力=求心力・共感性

 6.  “勝ちパターン” を “型” として組織に
  浸透定着させる徹底力=しつこさ・真面目さ

いずれも簡単に身につけられる要件では
ありませんが、ユニ・チャームでは、
育ちたいと強く願っている人が、自ら育つことが
できる良い環境や仕組みを用意しています。

本書では、共振人材を育てるために、
ユニ・チャームがどのような仕組みを用意して、
どのような意識を根付かせようとしているのかを
「43の行動原則」として紹介します。

共振人材は、ユニ・チャームに限らず、
グローバルな成長を目指す、あらゆる企業で
必要とされる人材ですから、本書の行動原則は
分野の違う企業でも参考になるはずです。

 第1章 日々の仕事の意義や、今やるべきことに
    意識を向ける
 第2章 醍醐味を知れば仕事がもっと面白くなる!
 第3章 成功するまで諦めないチームをつくる
 第4章 チーム力を底上するコミュニケーション法則
 第5章 成長に欠くことのできない土台とは

本書で私が初めて聞いたのは、
「自己観照」という言葉です。

観照とは、本質を見極めるという意味があるので、
自己観照とは、自分の本質を知るいうことです。

現在のユニ・チャームの「共振の経営」も
高原さんの自己観照によって生まれたようです。

  「私は、先代社長との違いを自己観照することで、
  自分なりの経営スタイルを確立してきました。
  先代がもつ、いかにも創業者らしいカリスマ性や
  直感力といった面では劣るかもしれないけれど、
  成功するまで諦めない粘り強さや現場に出向いて
  社員とコミュニケーションを取りながら
  ことを進めていく力は勝っていると、
  自分のことを外からの目で分析したのです。
  そこから編み出したのが、経営陣と現場の社員が
  方向性を一致させ、互いに知恵を出し合って
  行動する “共振の経営” というスタイルでした。」

自己観照とは、内省して自分のことを知るという
ことでもあるようです。

この本から何を活かすか?

ユニ・チャームでは、環境や仕組みを整えれば、
「人は勝手に育つもの」と考えてます。

そのため、新入社員として最初の1ヶ月間以外は、
特別な研修等のプログラムは持たないといいます。

その分、OJTに力を入れていて、なかでも特徴的
なのは、「2ヶ月間の社長のカバン持ち制度」です。

これは、30歳から35歳くらいの社員たちが
2ヶ月交代で、戦略担当秘書という肩書で、
高原さんに張り付く制度です。

その年齢では出られない会議に、全部出席でき、
通常では顔も見ることもできない社外のトップにも
会うことができる貴重な2ヶ月間。

ユニ・チャームでは、将来の経営陣さえも、
OJTによって育てているようです。

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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口下手な人は知らない話し方の極意

満足度★★★
付箋数:22

  「落語の世界で脈々と伝承されている芸は、
  時に華やかであったり、時にいぶし銀の味わいが
  あったりして、我々素人にとってはとても
  魅力的に見える。もし、そのエッセンスを
  少しでも分けてもらうことができたら、
  そんな素敵なことはないだろう。
  そう思って書いたのが本書である。」

話し方が下手な人は、何を間違っているのか?

本書は、認知科学の知見から話し方の極意を
探る本です。

話し方といっても、様々なシチュエーションが
ありますが、メインとして想定しているのは、
一人の話し手が多くの聞き手の前で話す状況です。

そこで、本書では噺家の技術を参考としています。

著者は認知科学者の野村亮太さん。

野村さんは、落語の間や噺家の熟達化をテーマに
認知科学の研究をしている方です。

本書でも、噺家の技術を認知科学のフィルターを
通して、一般の人にもわかりやすく伝えます。

ところで、認知科学とはどのような学問なのか?

認知科学とは、人が知的能力を用いて、
いかにして世界を認知するのかを解明する学問。

かつては哲学だけが扱ってきたような
人の知の動きの問題について、様々なアプローチの
研究で得られた根拠に基いて理論化します。

本書では、その認知科学での研究を応用して、
実際に使える「話術」を大きく3つの要素に分けて
解説します。

まず1つ目の要素は、観客を感じ取ること。

実は、話すこと以上に観客の反応を感じ、
判断することは重要です。

話すことは、常に相手がいる相互行為ですから、
効果的に話すために、観客の反応を知ることは
不可欠です。

2つ目の要素は、観客からの見え方を上手く
コントロールすること。

話し手は、観客からの見え方をコントロール
することで、はじめて観客の反応を導いたり、
引き出したりすることができます。

常に自分がどのように見えているかを
意識することが、観客との距離を縮めます。

3つ目の要素は、内容を効果的に話すこと。

最初の2つの要素が揃って、はじめて内容を
効果的に話すことができるようになります。

同じ内容を伝えるにしても、言い回しや接続語の
使い方次第で、格段に伝わりやすくなります。

また、抑揚や間の取り方を変えるだけでも、
伝わり方は大きく違ってきます。

多くの人の前で話すときの話し方は、
その人の性格やハートの強さに依存すると
思われていますが、本書では誰もが実践できる
効果的な話術としてまとめています。

 第1章 話術と認知科学
 第2章 観客(聞き手)の反応を感じる
 第3章 見えをコントロールする
 第4章 効果的に話す
 第5章 舞台に立つ前に作る話の構造
 第6章 準備した話の内容から話術の世界へ
 第7章 間と場の定義と実証的研究
 第8章 話し方実践講座

純粋に話し方のノウハウだけを、手っ取り早く
知りたい方には、本書の論理的は説明は、
少しまどろっこしいと、感じるかもしれません。

しかし、長い目で見ると、話術の背景にある
仕組みや構造を理解してから、学んだ方が
腹に落ちる度合いが違うので、身に付き方にも
差が出てくるように思えます。

個人的には、落語の世界の奥深さも
本書で知ることができました。

この本から何を活かすか?

  「アナロジーは、日本語で言えば比喩と同じだと
  感じるかもしれないが、認知科学ではもっと
  厳密で狭い意味で用いられている。
  アナロジーとは、すでに知っている物事の
  関係性を援用して、新しい事柄を理解するための
  方法である。」

アナロジーを使うと、非常に高い納得感を
伴って相手に伝えることができます。

ただし、これを上手く使うには、聞き手に
ベースとなる知識があり、話し手が類似点を
上手く抽出して、更に説明したい内容に
丁度良く当て込む必要があります。

アナロジーが上手な人は、これらのポイントを
1つも外さずに説明できているのです。

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| コミュニケーション | 08:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?

満足度★★★
付箋数:24

ダイヤモンド社の柴田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

日本人の(元)経営コンサルタントとして、
世界中で最も有名なのは大前研一さんでしょう。

大前さんは、もともと原子炉の設計者でしたが、
1972年にマッキンゼー・アンド・カンパニーの
経営コンサルタントに転身しました。

大前さんが、まったく異なる分野に飛び込んでみると、
毎日のコンサルティング業務の中で、新しい体験や
気づいたことなどが沢山あったと言います。

大前さんは、生来メモ魔だったため、
そういった気づきをせっせと大学ノートに
メモしていきました。

その書き溜めたメモを書籍化して、ベストセラーに
なったのが大前さんの処女作『企業参謀』です。

今でも読み継がれる、戦略的思考のバイブルです。

同じようにマッキンゼーで働く中でのメモを
まとめて出版された本があります。

それが米国で出版された本書の原書となる
The McKinsey Edge』です。

本書は著者の服部周作さん本人による邦訳本。

服部さんは、大前さんと同じように、
マッキンゼーでの仕事において、
会議の要点や、基調講演で聞いたフレーズ、
思いついたアイディアを徹底的にメモしました。

そして、ただ書き留めるだけではなく、
覚えやすいように工夫した図表をつけて
自分の「ルールブック」としてまとめていました。

  「本書は、このルールブックに書き留めた
  私自身が実践して成果が上がったと実感した
  仕事の進め方や、尊敬する社内外のリーダーが
  さりげなくしている効果的な手法を聞き出して、
   “47原則” としてまとめたものです。」

大前さんの『企業参謀』は、戦略的思考フレームを
中心として書かれていましたが、本書は「原則」
という名前の通り、もう少し抽象化した
仕事全般に使えるルールとしてまとめられています。

もちろん抽象化された「原則」を挙げた後に、
それを補足する具体的なエピソードを挙げ
わかりやすく解説しています。

本書は世界でも最も優秀な人たちが集まる
マッキンゼー実践されている行動原則。

第1章では「先手を打つ」、「平常心を保つ」、
「目標を多面的に捉える」の3つのテーマに絞り、
自己改善のシンプルなポイントを解説。

第2章では、「コミュニケーション」、「共感」、
「思いやり」の3つのテーマで、自分のチームや
その他の利害関係者に影響力を行使する方法を
取り上げています。

第3章では、生産性をテーマに、仕事のプロセスを
構造化して、補完する便利なツール、
高い生産性を実現するための具体的手法を紹介。

第4章では、持続的な成長を実現するために
「新たな人生に対する心構えを持つこと」、
「リーダーに必要な資質を認識すること」など
キャリア全体で大切なことをまとめています。

最後の第5章では、すべての原則にまたがる
「リーダーを際立たせる卓越した思考力」を
取り上げ、自問することで自分の思考の世界を
豊かにする方法を案内しています。

個人的には、「すべての問に30秒以内で答える」
原則の中で紹介されていた、多くの情報を
手短に伝える3つのルールをすぐに使いたいと
思いました。

 ルール1. 「再クリック」理論を理解する
 ルール2. 主たる質問を分解する習慣を身につける
 ルール3. 自分の回答に常にダーツのように考える

「再クリック」理論とは、WEB記事などで、
興味をそそる短いサマリーで読者を惹きつけ、
もっと詳しい情報を知りたくなったところで、
「続きを読む」を再クリックさせる手法です。

すべての情報を伝えようとず、あくまで相手が
興味を持つトピックとしてまとめることが
手短に伝えるための1つのコツです。

この本から何を活かすか?

本書は直接仕事に関係しないような原則も
紹介されています。

  「毎週、面白い人たちと食事に行く」

その中で服部さんは、相手に聞いてみると
面白い質問を3つ挙げています。

 ・仕事で楽しいこと、やりがいを感じることは?
 ・どんな展望を持っていますか?
  どうやって、そこに至りましたか?
 ・最近あった新しいことや面白いことは?
  また興味を惹かれたことは何ですか?

確かに相手も答えたくなるような質問で、
聞いた側も参考になる答えが引き出せそうです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1000億円のブームを生んだ 考えぬく力

満足度★★★
付箋数:22

今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた
「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも
納税できる制度があっても良いのではないか。

こんな発想から2008年に生まれた「ふるさと納税」。

ふるさと納税は、自分が貢献したいと思う自治体へ
寄付金を納め、個人が2,000円を超える寄付を
行ったときに、住民税と所得税から一定の控除を
受けられる制度です。

アイディアは良いものの、導入されてから暫くは、
あまり使っている人がいない制度でした。

しかし、ある1人の女性起業家が2012年に作った
サイトがきっかけで、爆発的なふるさと納税の
ブームが起こります。

その女性とは、本書の著者、須永珠代さん。

日経WOMANがその年に活躍した女性を
表彰する「2015年ウーマン・オブ・ザ・イヤー」
に輝いた方です。

須永さんが、立ち上げたふるさと納税サイトは、
ふるさとチョイス」です。

実際にふるさと納税を行った方や、
一度でも検討した方なら、知らない人がいない、
全国初のふるさと納税ポータルサイトです。

このサイトのおかげで、実質2000円の負担で
寄付金を収めた自治体から「お礼の品」がもらえる
制度と一般に認知されるようになりました。

そして、低迷していたふるさと納税は、
現在では年間寄付額1000億円以上の
巨大市場に成長しました。

実は須永さん、以前は派遣ジプシーでした。

  「わずか7年ほど前、35歳の私は1年間、
  無職でした。前職をやめて派遣で働こうと
  考えていたとき、リーマンショックの余波で
  全く仕事に就けなかったのです。
  20代の頃は派遣やアルバイトで10以上の職を
  転々とするフリーター。
  やりたいことが見つからず、ずっともがいて
  いました。」

本書は、そんな須永さんが「ふるさとチョイス」で
成功を収めるまでの半生を綴った物語。

どん底時代から、やりたいことを見つけて、
人生を切り開いた元気が出るストーリーです。

須永さんは、当初、「ICTを使って地方とシニアを
元気にする」というコンセプトで起業しました。

しかし、観光や通販で事業の可能性を探っても
競合が多く、他にないサービスを打ち出すことが
なかなかできませんでした。

あるとき、須永さんは数人のメンバーと共に、
事業についてのブレインストーミングを
行っていました。

  「ブレストを始めて2ヶ月後。それまで検討を
  進めていた事業に行き詰まりを感じていたとき、
  メンバーの一人が “これ何?” と言いました。
  その指は、マインドマップにポツンと書かれて
  いた、 “ふるさと納税” という言葉を指して
  いたのです。」

実はこのとき、「ふるさと納税」という単語を
マインドマップに書いた須永さん自身も、
他のメンバーの誰もが、ふるさと納税について
よく知らなかったのです。

みんなで一斉に自分のノートパソコンに向かって、
ネットでふるさと納税について検索し始めました。

暫くすると、メンバーは気づき始めます。

  「 “これって、もしかしたらすごい制度
  なんじゃないの?” と、皆が気づき始めました。
  都市部から地方にお金が回り、地方が元気になり、
  都会の人もわずかな負担でおいしいものが
  もらえて、いいことずくめなのですから。」

「ふるさとチョイス」立ち上げのストーリーは、
起業した須永さんはもちろん、ふるさと納税で
寄付された側も寄付した側も「笑顔が見える」
ドキュメンタリーです。

この本から何を活かすか?

須永さんが、本書の中で一番言いたかったことは、
タイトルにもなっている「考え抜く」ことです。

考えたつもりになっている人は多くても、
思いついたことをしっかり煮詰めて、
本当に考えぬいている人は意外と少ないと
須永さんは指摘します。

本書では、考え抜く際の3つのポイントが
紹介されていました。

 1. 広げる
  ブレストしながら、マインドマップにアイディアを
  書き出す。

 2. 俯瞰する
  全体を見て、視点を変えながら、キーワードを
  つなげたり、広げたりする。

 3. 検証する
  絞り込んだアイディアを、「5W1H」で深堀りする

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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数学者たちの楽園

満足度★★★
付箋数:23

  著者:サイモン・シンさん、訳者:青木薫さん

過去にお二人の著作を読んだ方なら、
このクレジットを見ただけで、
きっとワクワクすることでしょう。

私もそれだけで、思わず本書を手に取って
しまいました。

それぐらい『フェルマーの最終定理』は、
傑作でした。

さて、本書はアメリカの長寿アニメシリーズ
『ザ・シンプソンズ(The Simpsons)』を
テーマにした作品です。

『ザ・シンプソンズ』は、いわゆるシットコム
と呼ばれるジャンルのアニメで、米テレビ史上、
最長寿かつ最も成功している作品です。

60か国以上で20か国語に翻訳され、全世界で
毎週6000万人以上が視聴しています。

ギネスブックでは、「有名人がもっとも多く
登場するアニメシリーズ」として認定され、
これまでマイケル・ジャクソンさんをはじめ、
ポール・マッカトニーさん、ミック・ジャガーさん
など大物アーティストも声優として出演しました。

日本で言うと、国民的アニメ『サザエさん』の
ようなこの作品ですが、『ザ・シンプソンズ』には、
ある秘密が隠されていました。

その隠されていた秘密とは「数学」。

  「実は、『ザ・シンプソンズ』の脚本家チームには、
  数を深く愛する者が何人もいて、彼らの究極の
  望みは、視聴者の無意識下の頭脳に、数学という
  ごちそうをポトリポトリと滴らせることなのだ。
  つまり、かれこれ20年以上ものあいだ、
  わらわれはそうと知らぬまに、微積分から幾何学
  まで、πからゲーム理論まで、さらには無限小から
  無限大まで、実にさまざまなトピックについての
  入門番組を、アニメという形でまんまと
  見せられてきたのである。」

『ザ・シンプソンズ』の脚本家チームには、
ハーバード大の数学科卒や物理学科卒といった
数学的バックグラウンドを持った人たちが
何人もいて、アニメの中に数学ネタをこっそりと
盛り込んでいるというのです。

この話を聞いて、地団駄を踏んだのが、
他ならぬ、訳者の青木さんでした。

  「サイモン・シンの本書をはじめて読んだとき、
  わたしは “そうだったのか!”と 膝を打ちました。
  なるほどこのアニメには、数学好きな人たちの
  ハートをつかむだけの魅力があったという
  わけです。しかし、納得すると同時に、
  わたしはちょっと悔しい気持ちもなりました。
  自分はその秘密の宝に、まったく気づいて
  いなかったのですから。ナード・ギーク系を
  自認する身としては、実になさけないでは
  ありませんか!」

そうして青木さんは、『ザ・シンプソンズ』と
同じ脚本家が作成たアニメ『フューチュラマ』の
DVDボックスを買いに走ったのです。

本書では数学オタクの脚本家たちが、
『ザ・シンプソンズ』のこれまでのエピソードに
こっそりと忍び込ませていたネタを解説します。

ある回では主人公のホーマー・シンプソンは、
黒板にいくつかの数式と図を書いています。

 3987の12乗+4365の12乗=4472の12乗

  「一見したところ、とくに問題があるようには
  思えない。しかし数学史を多少とも知っていれば、
  これは途方もない式だとわかるだろう。
  あまりのことに、手元の計算尺をボッキリ折って
  しまうかもしれない。なんとホーマーは、
  難問の誉れ高いフェルマーの最終定理に
  解を見つけるという、ありえない偉業を
  成し遂げたらしいのだ!」

このように、本書は数学好きなナードには、
たまらない作品です。

英語の発音を元にした数学ジョークも
けっこうあるので、英語がわかっていると、
更に本書を楽しめます。

この本から何を活かすか?

青木さんは、『ザ・シンプソンズ』よりも、
『フューチュラマ』にハマったそうです。

こちらは、31世紀の地球を舞台にしたSFアニメ。

  「『フューチュラマ』の第1話が放送されたのは、
  1999年3月28日のことだった。この新しいSF
  シリーズには、科学がたっぷりと盛り込まれる
  ことになるだろうと誰もが予想していたものの、
  まもなく理系通な視聴者は、ナード・ネタの
  圧倒的な量とその質の高さに驚かされることに
  なった。」

私は、青木さんのようにDVDボックスを
買いに走ることはありませんが、この作品を
ネット上の動画で見てみようと思います。

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| 数学 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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超一流のビジネスマンがやっているすごいマナー

満足度★★★
付箋数:16

  「 “マナー” と聞いて、あなたはどういうものを
  想像しますか?
   “新人社員が受ける研修”  “社会人の常識”
   “礼儀正しい作法や所作” ・・・などを
  思い浮かべるかもしれません。
   “マナーはできて当たり前。それよりも
  ビジネスパーソンにとって大事なのは、
  仕事ができるかどうか” などど考えている人も
  多くいるように感じます。
  受け取り方は人によって様々でしょう。

  しかし、そういった考えは、今日から改めて
  もらいたいと思います。なぜなら、本当に仕事が
  できるか超一流の人ほど、 “マナーはスキル” 
  だと認識しているからです。」

本書は、マナー・コンサルタントの西出ひろ子さん
によるスキルとしてのマナー集。

西出さんは、映画「るろうに剣心」や
NHKドラマ「白洲次郎」、「龍馬伝」などで
マナー指導を行ったカリスマ講師です。

いくら仕事ができる優秀な人でも、
気配りが全然できていない人とは、
また一緒に仕事をしたいとは思いません。

マナーは、「人としての質や格」に直結しますから、
新人のときに受ける研修だけで終わらせては
いけないスキルです。

しかし、マナーは決して難しいものでも、
複雑なものでもありません。

  「あらゆる場面にマナーが存在します。
  超一流の人が身につけているマナーは、
  どれもシンプルなものばかり。
  しかし、それらは1000冊のビジネス書を
  読むよりも勝る “最強のビジネススキル” 
  なのです。」

ところで、そもそも「マナー」とは、
一体、何なのでしょうか?

マナーは日本語にすると「礼儀」となります。

礼儀の意味を辞書で調べると、
「人間関係や社会生活の秩序を維持するために
人が守る行動様式」と書かれています。

一方、「法律」という言葉も辞書で調べると、
「社会生活の秩序を維持するために統治者や
国家が定めて人民に強制する規範」とあります。

実は、マナーも法律も「社会生活を維持するため」
という根底にある目的は同じなのです。

守らなければ、罰せられるか、罰せられないかの
違いはありますが、人が社会で生きていくために
マナーは法律と同レベルで必要なものなのです。

本書では、入社1年目から中堅・ベテランまでが
使える、人に好かれ信頼される66のマナーが
解説されてます。

  序章 おさえておきたい仕事以前の常識
  第1章 超一流の仕事のマナー
  第2章 超一流の話し方のマナー
  第3章 超一流のビジネスメールのマナー
  第4章 超一流の訪問・来客対応のマナー
  第5章 超一流の食事・会食のマナー
  第6章 超一流の贈り物のマナー
  第7章 これだけは注意したいSNSのマナー

ハッキリ言ってしまうと、他のマナー本と
書かれてるマナー自体に違いはありません。

しかし、単なる「型」を教えるのではなく、
人として、なぜその振る舞いが必要なのか
についても説明されていますから、
納得してそのマナーを身につけることが
できると思います。

新人や後輩・部下のマナー指導には、
丁度いい本です。

すでに、マナーが身についている方は、
改めてマナーの大切さを思い出すきっかけに
できると思います。

この本から何を活かすか?

  「超一流の人は自分から先にあいさつすることを
  心がけています。あいさつを自分が先にする、
  と決めるだけで、あらゆることに積極的に
  動けるようになります。相手主導から自分主導に
  変わっていくのです。」

かつては私も自分から先にあいさつすることを
意識していましたが、最近、そんなことを
すっかり忘れていました。

きっと、相手より先にあいさつをすることは
できていなかったと思います。

本当は、あいさつに限らず、あらゆることに
先手を打つ意識は必要ですが、
まずは、初心に帰って、あいさつという
基本の「き」から始めたいと思います。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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確率思考の戦略論

満足度★★★★★
付箋数:32

2015年10月、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
(USJ)は、単月の集客数で175万人を達成し、
東京ディズニーランド(TDL)を超えて、
集客数で日本一のテーマパークとなりました。

TDLを運営するオリエンタルランドからは、
月毎の集客はおろか、ランドとシーの割合も
発表されていない状況において、
なぜ、USJはTDLを超えたと言えるのでしょうか?

それは、複数の数学的分析によって、
TDLの集客数を予測することが可能だからです。

その内の1つの分析では、「数学的に96%以上の
確率で、2015年10月の月間集客数において、
USJはTDLを上回っている」と言えるようです。

その予測方法では、東京ディズニーリゾート
(ランドとシーの合算)の年間集客数と
四半期の売上割合をベースに計算し、
TDLの集客数を162万人と予測しました。

これは推定値なので、真の値との間には、
当然、誤差が生じます。

しかし、正規分布の標準偏差で診ると、
TDLの集客数がUSJの175万人を
超えない確率は、96%以上になるのです。

また、別の2つの方法で予測してもTDLの集客数は、
158万人程度となり、いずれの分析手法においても、
USJがTDLを上回る結果になりました。

USJのチーフ・マーケティング・オフィサーで、
本書の著者の1人である森岡毅さんは、
たった1ヶ月でもUFJがTDLに集客で勝ったことを
次のように形容しています。

  「USJのある関西よりも3倍大きい巨大人口圏で
  ある関東に陣取り、世界最強の “ディズニー”
  ブランドを冠した圧倒的なガリバーである
  東京ディズニーランドに、たった1ヶ月でも
  勝てたことがどれ程の奇跡か?
  これはラグビー日本代表が南アフリカに勝った
  ことよりも奇跡です。まるで日本代表が
  5人だけで、3倍の15人の南アフリカに
  勝ったようなものなのです。」

しかし、これはマジック(魔法)ではなく、
タネも仕掛けもあるマジック(手品)なのです。

そのタネと仕掛けこそが本書で解説される
数学的フレームワーク「確率思考」を使った
マーケティングです。

本書では、USJシニアアナリストの今西聖貴さん
との共著によって、USJの復活が奇跡ではなく、
確率思考によって導き出された戦略による
必然の結果であったことを示します。

  「本書のテーマは “確率思考” です。
  本書に一貫するメッセージは、
   “ビジネス戦略の成否は『確率』で決まっている。
  そしてその確率はある程度まで操作することが
  できる” ということです。」

本書の核となるアイディアは、市場構造の本質は、
どんな市場においても本質的に同じで、それは、
「消費者のプレファレンス」であるということ。

プレファレンスとは、消費者のブランドに対する
相対的な好意度のことです。

経営資源は、プレファレンス上げることに
最大に集中すべきというのが本書の主張で、
そのために、確率思考を使って戦略を決定します。

本書は、従来のマーケティング本と異なる、
科学的なマーケティング本です。

正直、読んで衝撃的でした。

ただし、本書は「読む人を選ぶ」本です。

一体、どれくらいの人に役立つ本なのか?

私の根拠のない感覚値ですが、確率分布で、
本書の有用性を予測してみました。

本書が選ばない人 70%-役に立たない人 90%
            役に立つ人 10%
本書が選ぶ人 30%-役に立たない人 10%
           役に立つ人 90%

この確率分布で計算すると、
本書の有用性=0.7×0.1+0.3×0.9=0.34
となります。

34%の人、つまりビジネスパーソン3人に1人は、
本書は有用な本であると推測します。

この本から何を活かすか?

  東京ディズニーリゾートのチケット価格が
  値上がりしたのは、森岡さんのせい?

森岡さんが、2010年にUSJに着任した当初、
日本のテーマパークのチケット価格は、
購買力平価(ビッグマック指数)で計算すると、
世界水準の半分の価格で売られていました。

USJのチケットは当時5800円でしたが、
世界の水準では1万円が妥当な相場。

安いことは消費者にとっては良いことですが、
企業にとっては、追加の大型アトラクションの
費用を捻出することができません。

そこで、森岡さんは入社以来、ゲストを喜ばせる
大規模な投資を行うために、USJでは6年連続で
チケットの値上げを実施しました。

業界のガリバーである東京ディズニーリゾートも
これに追随する形で値上げに踏み切ったようです。

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| 数学 | 09:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スーパープログラマーに学ぶ 最強シンプル思考術

満足度★★★
付箋数:21

プログラマーと聞くと、常にパソコンの
画面に向かってひたすらコードを打っている
というイメージがあるかもしれません。

しかし、複雑なプログラムを組む時ほど、
コードを打ち込む前の、事前準備が重要です。

行き当たりばったりでプログラミングをすると、
最終的につじつまが合わなくなり、
無駄な作業が発生してしまうのからです。

そこで、建築家が家を建てる前に設計図を
描くように、プログラマーもプログラムを開発
する前に設計図を作ります。

その時に使うのが「モデル」です。

モデルとは、さまざまなルールに則った、
プログラマー同士が分かり合うための
共通言語です。

しかし、プログラマーが使うモデルは複雑で、
一般の人がそのまま使うには扱いが難しい。

そこで、プログラマーが使うモデルの
エッセンスを抽出して、一般の人でも簡単に
使えるようにしたのが、本書で紹介される
「モデルベース思考」です。

本書の著者は、東京大学教養学部特任教授の
吉田塁さん。

吉田さんは、プログラムの設計言語である
「UML(Unified Modeling Language)」を学び、
それをプログラマー以外の人でも使えるように
しました。

UMLにも目的に応じてさまざまな設計図が
ありますが、その中で広く使われている
「クラス図」を基に「モデルベース思考」を
作り出しました。

ところで、モデルとは何なのでしょうか?

モデルで、よく使うのはファッションモデル
とかビジネスモデルといった言葉です。

他にも多様なシーンで使われるモデルという
言葉ですが、その意味を一言で表すと、
「複雑なものごとをシンプルに表現したもの」
となります。

「モデルベース思考」では、ものごとをシンプルに
表すために、「四角(要素)と線(関係)」だけを
使って表現します。

モデルの描き方は、いたって簡単。

まず、目的を明確にして、視点を定めます。

次に、要素をすべて名詞で書き出します。
このとき1つ1つの要素はそれぞれ四角で囲みます。

そして、四角同士の関係を明らかにします。

最後に同じグループの要素は揃えて、
また左から右、上から下に読めるように
線で繋いで配置します。

四角と線だけのシンプルな図は少し味気なく
感じてしまう方もいるかもしれませんが、
シンプルだからこそ、モデルのロジックが
直感的に理解でき、もし内容や構成が悪ければ、
すぐにわかってしまうのです。

四角と線は、マインドマップのように
カラフル描く必要はないので、紙とペンさえあれば、
すぐに描き始めることができるのも魅力です。

吉田さんは、「モデルベース思考」を使うことの
メリットを4つ挙げています。

  1. 図解化のメリットが受けられる
  2. 全体像をつかむことができる
  3. 論理的に考えることができる
  4. 発想を広げることができる

私が本書の「モデルベース思考」で考えやすいと
感じたのは、モデルの抽象度を調整する方法です。

深く思考するためには、抽象化と具体化の作業を
何度か繰り返す必要があります。

ですから、抽象度を自在に調整できるようになると、
思考する作業自体がぐっと楽になります。

本書では、タテ軸に抽象度をとって、
抽象化と具体化をするトレーニングが
紹介されていました。

この抽象度を調整できるようなることが、
「モデルベース思考」を活用する上でも
鍵となるテクニックのようです。

この本から何を活かすか?

「モデルベース思考」を使って一度抽象度を
上げておくと、他の業界からアイディアを
持ってくることができます。

具体的に扱う要素が全く違う業界でも、
それをモデル化することで、転用することが
可能となるのです。

この時、できるだけ離れた業界のやり方を
モデル化して持ってくるのがポイントです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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サードウェーブ

満足度★★★
付箋数:22

フロンティア・エンタープライズの長沢さんから
献本いただきました。ありがとうございます。

まず、本書で目を引いたのは、
帯の推薦文を書いた3名の方たちです。

  「彼が歩いた道のりは、起業家にとって大切な
  教訓が詰まっている」
    ウォーレン・バフェットさん(投資家)

  「技術革新が世界と経済をどう変えていくかを
  予測する、素晴らしい書」
    シェリル・サンドバーグさん(Facebook COO)

  「次に何が起きるか、社会の大きなうねりを
  見抜くことができる真の “先駆者” 」
    アルビン&ハイジ・トフラーさん(未来学者)

そして、ページを開くと「序文」を寄せて
いるのは『スティーブ・ジョブズ』の著者として
有名なウォルター・アイザックソンさんです。

更に、本書はアメリカ国務長官を務めた
コリン・パウエルさんからもアドバイスをもらって
執筆されているようです。

これだけの人脈を持つ本書の著者ですが、
私は「スティーブ・ケース」さんという
名前を見ても最初はピンときませんでした。

しかし、次の経歴やエピソードを聞くと、
当時そんなニュースあったことを思い出しました。

インターネット・プロバイダの草分け的存在、
AOL(America Online)を1980年代に創設。

映画にもなった『ユー・ガット・メール』を
足掛かりに急成長し、起業からわずか15年で、
巨大メディア企業のタイム・ワーナー社を
事実上買収するまで登りつめました。

当初は、「史上最大の合併」と話題になるも、
1年後には約1000億ドルもの赤字を計上し、
「今世紀最悪の合併」と揶揄されました。

本書は、インターネット業界において、
最大の成功と挫折を味わったケースさんが
初めて執筆した本です。

インターネット創世記からの回顧録であると
同時に、未来へ向けた指南書でもあります。

  「長いあいだ、私はAOLかインターネットの
  歴史書を書かないか、というさまざまな依頼を
  断ってきた。なぜなら、私の関心は、
  常に過去より未来にあったからだ。
  とうとう筆をとる気になったのは、
  インターネットの第三の波には、第一の波と
  多くの類似点がありそうだ、と認識していた
  にほかならない。未来は過去を紐解くことに
  よって告げられる ― それがわかったとたん、
  私は猛然とこのプロジェクトに取りかかった。」

タイトルからもわかる通り、本書は未来学者、
アルビン・トフラーさんの『第三の波』への
オマージュでもあります。

1985年~1999年に訪れた、インターネットの
第一の波は、オンラインの世界にインフラと
土台を築きました。

登場した企業は、IBM、マイクロソフト、
アップル、シスコ、HP、AOLなど。

2000年~2015年までの第二の波は、
アプリ経済とモバイル革命。

検索エンジン、SNS、eコマースの
スタートアップが全盛となりました。

ここで台頭してきた企業は、グーグル、アマゾン、
Facebook、ツイッターなど。

そして、2016年からの第三の波は、
インターネット製品がインターネット企業だけの
ものではなくなる時代です。

さまざまな製品にインターネットに接続した
センサーを加える「IoT」のもっと先にあり、
ヒト・モノ・場所のあらゆるモノがインターネット
に繋がる「総接続化時代」です。

ケースさんは、第一の波からの歴史を振り返る
ことで、これから来る第三の波をどう乗りこなすか
について読者にアドバイスを贈ります。

この本から何を活かすか?

本家、アルビン・トフラーさんが1980年に
提唱した「3つの波」は次のような内容でした。

第一の波は、農業革命後の定住農耕社会。

第二の波は、産業革命後の大量生産と流通が
発達した産業社会。

第三の波は、情報革命による脱産業社会。

ケースさんは、このビジョンにすっかり魅了され、
第三の波に参加したいと考え、AOLを立ち上げた
ようです。

当時、ケースさんが行動を起こしたように、
インターネットの第三の波に対して、
傍観者で終わるのではなく、参加者になるよう、
熱いメッセージで本書は締めくくられています。

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| IT・ネット | 09:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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圧倒的な勝ち組になる効率のいい考え方と仕事の仕方

満足度★★
付箋数:17

  「 “これくらいは学校で習いませんでしたか?”
  天明麻衣子、と聞くと、テレビのクイズ番組での
  高飛車な発言の数々を思い出す方もいるでしょう。

  東大卒、元NHK仙台放送局キャスター、
  元外資系投資銀行アナリスト・・・・。

   “肩書がいちいち綺麗すぎて、エリートっぽくて
  生意気な奴” なんてネットで叩かれることも
  ありました。

  では、私は本当に、世間の人が考える
  いわゆるエリートなのでしょうか?」

東大卒の方でも、全員が大企業に勤めたり、
キャリア官僚になるわけではありません。

実際に、いろいろなキャリアを歩む方がいます。

東大、NHK、JPモルガン、フリーアナウンサー、
学力女王というキャリアを積んだ天明麻衣子さん。

ご自身では、エリートの王道から外れていると
認識しているようです。

考えた結果、現在のキャリアを選んだと
いうよりは、結果として異色のキャリアに
仕上がったのかもしれません。

  「 “新卒至上主義” の日本で “ふつうの新卒社員”
  として生きることを拒否した私が人生をサバイバル
  するためには、他の誰とも違うオリジナルの
  キャリアを築くしかなかったのです。」

しかし、クイズ番組『Qさま!!』に初出演した際は、
あえて嫌われキャラになることに徹して、
一気に売れっ子の仲間入りを果たしたように
思えます。

本書を読む限り、番組での高飛車な発言や表情は、
共演者や世間をイラつかせて話題作りをするための、
演出のように思えます。

それぐらい、本書の内容はいたってノーマルで、
『Qさま!!』で見せた強烈キャラの片鱗は
見られません。

タイトルには、強気な「圧倒的な勝ち組」と
つけていますが、それは中身とのギャップを
見せるためです。

  「この本を読んで、 “なんだ、大げさなタイトル
  の割に誰にでもできそうなことばかりじゃないか”
  と思ったあなた ― それです!
  その声を聞きたくて、私はこの本を書きました。」

天明さんが本書で書きたかったことは、
状況に合わせて対応する「フレキシブル」さと、
最も力を注ぐべきものを見極める「ドライ」さを
兼ね備えること。

本書には、これまでの天明さんの人生と、
今後のキャリアについて、フレキシブル&ドライ
の観点でまとめられています。

  第1章 圧倒的に効率のいい人生の送り方
  第2章 圧倒的に効率のいい目標の見つけ方
  第3章 圧倒的に効率のいい戦略の立て方
  第4章 圧倒的に効率のいい実践の仕方
  第5章 圧倒的に効率のいい将来の見据え方

個人的に興味深かったのは、自分の目標とする
人物を「子供向けの漫画偉人伝から探す」
というアドバイスです。

漫画を読んで、この人がいいなと思ったら、
そこで終わらせるのではなく、
なぜいいと思うのか、どういうところに
憧れるのかを、しっかりと分析します。

そうすることで、初めてその人に近づくために
何をすればいいのかが見えてくるようです。

ちなみに、天明さんが憧れているのは、
「光明皇后」です。

  「私が光明皇后から学んだことは、逆境でも
  毅然とした姿を失わず、どんなときも感謝と
  優しさをもって周りに接していれば、
  少しずつ味方は増えていく。そして自分が
  人に助けてもらったら、それきりにせず、
  他の助けが必要な人に恩返しをしていくという
  ことです。」

昔の偉人の行動を、自分の置かれる状況や
現代の環境に当てはめるところで、
想像力を働かせます。

この本から何を活かすか?

効率のいい家事の仕方

 <フレキシブル>
 家族が気にする家事は優先するが、
 それ以外は妥協する

 <ドライ>
 家事は他人の眼に触れること、
 健康に影響することにポイントを絞る

これは、家事に使うエネルギーを最低限に
抑え、その分仕事や勉強に全力投球するための
天明さん流のやり方です。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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一瞬で心をつかむ文章術

満足度★★★
付箋数:20

素早く、心をつかむ文章は、
どのようにしたら書くことができるのか?

本書は、『世界ふしぎ発見!』などの構成を
手がける人気放送作家、石田章洋さんが
教える文章術です。

そもそも、私たち人間には先天的に
「書く」能力は備わっていません。

人類はこれまでの何十万年の歴史の中で、
話す能力はずっと以前から身につけていましたが、
書くようになったのは、僅か5千年前のこと。

ですから、書く能力については後天的に
身につけなくてはならないのです。

しかし、石田さんは「たった1つのコツ」を
身につけるだけで、素早く、心をつかむ文章を
書けるようになると言います。

そのコツとは、「しっかり考えてから書き始める」
ことです。

実は、書くことが苦手だと思っている人ほど、
書く前に考える作業をしていません。

書く内容のアウトラインをあらかじめ考えて、
決めておけば、迷うことなく書けるのです。

では、文章を書くときに、前もって
考えておくべきことは何なのでしょうか?

まずは、「テーマ」です。

その文章の読者を想定して、
読者が興味を示しそうな「問い」を、
最初に立てる必要があります。

石田が担当する『世界ふしぎ発見!』を例にすると、
「スイスはなぜ、永世中立国になったのか?」とか、
「スイス・アルプスはなぜ、世界中の人々を
魅了するのか?」といった「問い」になります。

次に、この「問い」に答える材料を集め整理します。

材料集めでは、最初にインターネットで検索して、
「あたり」をつけます。

そこから問いに対する「仮説」を立てて、
書籍や新聞雑誌記事、レポートや白書といった
本格的な情報源で深く掘り下げて調べていきます。

石田さんは、こうして調べた材料を、情報の種類や
項目ごとに「付箋」にまとめます。

材料をノートに直接書かずに、付箋に書くのは、
構成を考える際に、何度でも順番を変えられるから。

そして、「序論→本論→結論」という三部構成の
フレームで文章のアウトラインを作ります。

序論は、最初に決めたテーマの問いかけです。

本論は、集めた材料をいくつかのパターンに沿って
並べ替えます。

石田さんが黄金パターンとして紹介するのは、
「時系列」、「現在・過去・未来」、
「大状況・中状況・小状況」、「PREP法」、
「ホールパート法」の5つです。

最後の結論では、最初の問に対して、
読者が納得できるようにすっきりまとめます。

この三部構成の中で、文章の7割~8割を
占めるのが本論の部分なので、ここのパートで
読者の興味を持続させるための、6つのコツが
紹介されていました。

 1. 最後まで読ませる文章は「のど越し」がいい!
 2. 最後まで読ませる文章は「リズム」がいい!
 3. 最後まで読ませる文章は「飽きさせない」!
 4. 最後まで読ませる文章は「描写」で
  イメージできる
 5. 最後まで読ませる文章は「言葉を強調している」
 6. 最後まで読ませる文章は「?→!」の繰り返し

この記事の中では、細かなテクニックまでは
紹介できませんでしたが、本書にはこれまで
石田さんが四半世紀以上にわたり、ライターや
放送作家として培ってきたモノ書きとしての
ノウハウが詰め込まれています。

本書は、文章を書くことに悩んでる人には、
手助けになる本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「多くの人が “黙読” で推敲していますが、
  効率がいいのは “声に出して読んでみる”
  いわゆる “音読推敲” です。
  読みやすい文章は、リズムのある文章です。
  リズムは耳で感じるのは一番ですから、プロの
  文筆家の多くが “音読推敲” を行っています。」

私も、このブログは黙読で推敲していましたが、
今日か音読推敲をしてみようと思います。

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| 文章術 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「決め方」の経済学

満足度★★★★
付箋数:28

ダイヤモンド社の上村さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

  「多数決を使うことは、子供の頃いつの間にか
  教わる。けれどその正しい使い方は、
  大人になっても教わることはない。
  これはなかなか不思議なことだ。(中略)
  本書は『「決め方」の経済学』というくらい
  だから、決め方を経済学的に考える本だ。
  多数決は決め方のひとつ。
  これはよく使われているけれど、選択肢が
  3つ以上あると、票割れの影響を強く受けてしまう。
  改良案や代替案はいろいろある。」

本書は、数理モデルで示された定理を活用して、
経済学的に「正しい決め方」を解説する本です。

著者は、慶應義塾大学経済学部教授の坂井豊貴さん。

学問的には、経済学と政治学の両方で研究される、
「社会的選択理論」という分野になります。

坂井さんが指摘するように、私たちは、
いつの間にか、「多数決」をいろいいろな場面で
当たり前のように使うようになっています。

しかし一方で、多数決で決まった結果について、
違和感を覚えた経験がある方も多いはず。

なぜ、私たちは多数決を無批判に使っているのか?

それは、他にもっと優れた方法があることを
知らないからです。

私は、本書を読んではじめて、
他にもいろいろな選択肢があることを知りました。

多数決の代替案の1つは「ボルダルール」と
呼ばれる方法です。

この決め方は、18世紀の後半にフランス海軍の
科学者ジャン=シャルル・ド・ボルダさんが
数理的な分析を加えて考案した方法です。

「1位に3点、2位に2点、3位に1点」のように
配点して投票を行います。

ボルダルールを採用すると、票割れの影響を抑え、
広く支持されている選択肢が選ばれます。

どんな条件でも常にベストな決め方とまでは
言えませんが、満場一致に最も近い選択肢を
選ぶことができるようです。

ちなみに、「決め方」に何を採用するかで、
「結果」は大きく違ってきます。

例えば、2000年のアメリカ大統領選挙では、
共和党のジョージ・W・ブッシュさんと、
民主党のアル・ゴアさんが戦いました。

この選挙では緑の党のラルフ・ネーダーさんも
途中から参戦して、ゴアさんの支持層とかぶった
ため、結果的にブッシュさんが勝利しました。

もしこの大統領選が、ボルダルールによって
行われていたら、勝利者はブッシュさんではなく、
ゴアさんになってたようです。

すると、イラク侵攻は起こらず、
イスラム国は誕生しなかったかもしれません。

逆に、もっと歴史を遡ると、第16代米国大統領の
エイブラハム・リンカーンさんが、大統領選を
勝ち抜けたのは、多数決が採用されていたから。

この時、もしボルダルールが採用されていれば、
リンカーンさんは負けていたので、
奴隷解放はもっと遅れることになったはずです。

どの決め方を採用するかは、歴史も変えるほど、
大きな影響力を持つようです。

本書では、人々の意思を情報としてまとめあげ、
1つの集団的決定を与える関数として、
経済学的に決め方をとらえます。

マンションの自治会や選挙、裁判員裁判などの
身近な例を用いて、学問的に根拠のある考え方を
平易に解説しています。

私もこれまで当たり前のように使ってきた、
多数決という決め方が、少数派の意見が反映
されないどころか、多数派の意見さえも
汲み取れないことがあるのには驚きました。

これまでに、一度でも多数決の結果に、
引っ掛かりを感じたことがある人には、
是非、読んで欲しい本です。

この本から何を活かすか?

  「ある5階建ての分譲マンションで、
  エレベーターの改修が必要となった。
  マンションの自治会でその話を議論している。
  エレベーターを普段使わない1階の住民は
  負担を拒み、なかなか話しがまとまらない。
  そこで悪知恵を働かせた5階の住民が
   “1階の住民が全額負担” と提案。
  それはよいと2階から5階までの
  すべての住民が多数決で賛成、
  80%の得票率で可決されてしまった。」

これは東京新聞に「多数決のパラドックス」
として掲載されたコラムです。

多数決の問題点を見事に表したフィクション。

では、実際にこのエレベーターの改修費問題は、
どのような決め方をするとよいのでしょうか?

本書が示す答えは、「シャプレー値」を使って、
便益に応じて費用分担を決める方法です。

ゲーム理論の「空港問題」という、
滑走路と建設費用の分担する問題の
考え方を応用した決め方。

詳しい解説は、本書をお読みください。

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| 経済・行動経済学 | 09:18 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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深く、速く、考える。

満足度★★★★
付箋数:24

  「この本で解説する、
  深く早く考える思考法= “深速思考” は、
  もともと私が製品開発のエンジニアの能力を
  高める研修で教えていたものですが、
  試行錯誤を繰り返す中で、広く一般の
  ビジネスパーソンの思考トレーニングにも
  使えることに気づきました。
  本書はそのノウハウをまとめたものです。」

著者の稲垣公夫さんは、米国でのトヨタの研究
について造詣が深い方です。

本書で解説される深速思考は、米トヨタでは
「ズームイン・ズームアウト思考」と呼ばれ、
トヨタ社員でも身につけるまでに5年かかる
思考法です。

まず、本書で言う「深い思考」とは、
表面的な属性や関係性に囚われない
本質を見極める思考です。

これは、学歴が高いからと言って、
できるわけではなく、高度な専門知識を
必要としない思考です。

また、本書では深く考えることと同様に
速く考えることも重要視しています。

脳は、速く考える時には論理思考を使わず、
過去の経験に照らしあわせた「直観」を
使って考えます。

この直観思考は、実際の経験がなければできない、
トレーニングでは身につけられない思考です。

しかし、深速思考では、現実とのつながりを
保ちつつ、徐々に抽象度を上げていくことで、
論理思考と直感思考のいいとこ取りをして、
速く考えることも可能にしています。

具体的には、「因果関係マップ」を作成します。

因果関係マップは、ジェフ・ベゾスさんが
アマゾンのビジネスモデルを考えたときに、
レストランの紙ナプキンに書いたと言われる、
いわゆる「ベゾスの紙ナプキン」をイメージすると
伝わりやすいでしょう。

因果関係マップは、次の5つの手順で作成します。

  1. 塊を探す
  2. 塊から要素を取り出す
  3. 要素にラベルをつける
  4. ラベルから塊と塊の関係を見つける
  5. 塊同士の関係(全体構造)を図にする

本書では、日常的な問題について因果関係マップを
作ることで、深く速く考える訓練を行います。

取り組むのは次のような問題です。

  ・AKB48の成功要因を探る
  ・徳川家康はなぜ、江戸に幕府をつくったのか?
  ・掃除機のどこを変えると、何に影響するのか?

また、因果関係マップを使って、「鳥貴族」、
「大戸屋」、「丸亀製麺」、「スーパーホテル」
「BQハウス」などの儲かる仕組みを解剖します。

私も本書の事例で、因果関係マップを書いて
みましたが、最初はなかなか思ったようには
書けませんでした。

自分があまり精通する事例でないと、
塊を探すことが難しいのと、ラベリングが
スムーズにできませんでした。

しかし、何問かやってみると、ちょっとした
コツはつかめてくる感じがしました。

練習を積むと、自分でも「ベゾスの紙ナプキン」が
書けるようになるかもしれません。

こういったビジネスモデルの因果関係マップが
書けるようになったら、その施策を借りてきて、
最終的に自分の企画に取り入れます。

ここでは、「深い構造の類似性に気づく」ことと、
「遠くのアイディアを借りてくる」という
2種類の「アナロジー思考」を使います。

本書の「深速思考」は、先日紹介した
細谷功さんの『メタ思考トレーニング』に通じる
ところがありました。

メタ思考をツール化したのが、因果関係マップ
とも言える、お薦めの一冊です。

この本から何を活かすか?

  「 “小さな発想の飛躍” を日々、繰り返せば、
  天才しかできないと思われてきた
  イノベーションを起こすことができます。
  重要な事は、小さくても構わないので毎回
   “常識の壁” を超えた発想をすることです。」

このイノベーションを起こす秘訣の例として、
稲垣さんが挙げていたのが、アニメ化もされている
勝木光さんの漫画『ベイビーステップ』です。

自分の限界のちょっとだけ外にいくような
小さなトレーニングを継続して、
成長する姿を描くテニス漫画です。

私はこれまでノーマークの漫画だったので、
今度読んでみようと思います。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 08:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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一流は知っている! ネガティブ思考力

満足度★★★
付箋数:23

 「ポジティブ思考で、すべてがうまくいく」
 「成功することだけを考えよ」
 「ポジティブなイメージが成功に導く」

世間では、ポジティブに考えることを
手放しで礼賛する風潮があります。

しかし実際には、ポジティブなのに
残念な人たちがいます。

  ・ポジティブなのに仕事ができない
 ・似たようなミスを繰り返す
 ・きめ細かな準備や対応ができない
 ・夢を見て転職を繰り返す
 ・薄っぺらいのに自信満々

ポジティブ思考には、良い面がありますが、
それだけでは弊害が出る場合もあるのです。

  「世の中で成功している人はポジティブな
  心理的傾向を身につけている。
  だから、ポジティブ思考を身につけて、
  ネガティブな思いは捨ててしまおう。
  そんなポジティブ信仰が猛威を振るっている。
  だが、実際の世の中で成功している人たちは、
  けっしてネガティブな心理傾向をもたない
  わけではない。」

本書は、タイトルに「ネガティブ思考力」と
ありますが、ネガティブ思考の良さだけを
強調する本ではありません。

ネガティブ思考のメリットを見直して、
ポジティブ思考とネガティブ思考をバランス良く
持つための本です。

著者は心理学者でMP人間科学研究所代表の
榎本博明さん。

ポジティブ思考とネガティブ思考の
メリット・デメリットは、榎本さんの私見や経験で
語られているのではなく、心理学の学術的な
研究をベースに解説されています。

例えば、非現実的楽観主義と防衛的悲観主義。

非現実的楽観主義とは、これまで実績がないのに、
将来のパフォーマンスに対して、ポジティブな
期待をもつ心理傾向を指します。

防衛的悲観主義とは、これまで実績があるにも
かかわらず、将来のパフォーマンスに対しては
ネガティブな期待をもつ心理傾向です。

実は、多くの研究では、非現実的楽観主義より、
防衛的悲観主義の方が成績が良くなることが
証明されています。

非現実的楽観主義者は、不安がないから、
軽率な行動が目立ち、準備不足で失敗します。

失敗しても、反省がないので、行動が修正されず、
同じ失敗を繰り返す傾向にあります。

一方、防衛的悲観主義者は、最悪の事態を
想像して、あらゆる角度から悲観的に想像して、
失敗を恐れ、用意周到に準備します。

不安が強く、先の展開をあれこれ考えることが、
高いパフォーマンスにつながっているのです。

ちなみに、ネガティブな心理には、
次のようなポジティブなパワーがあることが、
心理学の実験や研究でわかっています。

  ・ネガティブ気分は記憶をよくする
  ・ネガティブ気分は対人認知の正確さをもたらす
  ・ネガティブ気分はモチベーションを高める
  ・ネガティブ気分は対人関係を良くする
  ・ネガティブ気分は説得力を高める

ポジティブ思考とネガティブ思考は
一方だけに偏るのではなく、バランスが大事です。

  「最近ではポジティブ信仰が行き渡りすぎている
  感があるが、このままいくと、日本人の持ち前で
  ある仕事の信頼性が失われていく可能性がある。
  ゆえに、アメリカから入ってきたポジティブ思考
  の勧めをむやみに信仰することなく、自分たち
  日本人に合ったやり方でポジティブ思考の
  良い面を取り入れつつ、ネガティブ思考の
  良い面を活かしていけばよい。」

この本から何を活かすか?

私が意外だったのは、ネガティブな気分は
モチベーションを高め、逆にポジティブな気分は、
モチベーションが下げるということでした。

あるダイエットの実験では、自分の痩せた姿を
ポジティブに想像した人は、ネガティブな自分を
思い描いた想像を人より、実際に減った体重が
少なかったそうです。

ダイエットに成功した自分の姿にうっとりして、
減量のために行動する気力が湧かなかったと
結論づけられています。

これに対して、ネガティブな気分のときは、
切羽詰まった感じがあり、何とか少しでも
マシな状態にしようとして、
モチベーションが高まるようです。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 07:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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自分を操る超集中力

満足度★★★
付箋数:23

  「1日24時間という時間は、すべての人に
  与えられた平等な資産です。しかし、集中力を
  自在に操れるようになると、その24時間でできる
  ことに圧倒的な “差” が生まれます。
  短時間で多くのことを学び、短時間で質の高い
  成果を出せるように変わるということは、
  それだけ勉強時間、仕事時間を圧縮できると
  いうこと。その結果、1日で平均的な社会人の
  6ヶ月に相当する生産性を発揮することも
  可能になります。」

本書は、メンタリストDaiGoさんによる、
「集中力」を高める方法がまとめられた本です。

ちなみに、メンタリストとは、心理学に基づく
暗示や錯角などのテクニックを駆使した、
パフォーマンスを見せる人です。

DaiGoさんは、人を驚かせるパフォーマーなので、
言ってることは少し大袈裟です。

しかし、書かれている内容は至極まともで、
期待した以上の内容でした。

DaiGoさんの持つ、神秘的なパフォーマンスの
印象と比べると、本書のテクニックは、
いい意味で普通に実用的だと思います。

1日に20冊もの読書をするDaiGoさんなので、
世の中にある集中力を高めるノウハウを集め、
非常に上手くまとめていました。

オリジナル性は乏しいかもしれませんが、
何冊も集中力についての本を読むより、
これ1冊読めばいいと思います。

集中力を司るのは、脳の前頭葉という部位。

ここには、思考や感情をコントロールする力が
備わっていて、これを「ウィルパワー」と
呼ぶようです。

ウィルパワーには次の2つの特徴があります。

  1. ウィルパワーの総量には限りがあり、
   集中力を使うことによって消耗していく

  2. ウィルパワーの出どころは1つしかない

要するに集中力の源は、使えば減るし、
同時にいくつものことに使えないということです。

従って、本書の集中力を高めるアプローチは、
もともとの「ウィルパワーを増やす」方法と、
無駄に消費しないよう「ウィルパワーを節約する」
方法の2通りとなります。

ウィルパワーを鍛えて増やすには、普段の無意識の
行動に「はっ」と気づき、改めるという行動を
繰り返します。

ウィルパワーを節約するには、多すぎる選択肢を
減らし、習慣化によって消耗を減らします。

また、集中力の高い人は、実は長時間集中
しているのではなく、短時間の集中を繰り返して
いるそうです。

そもそも人間の脳は長時間集中できるように
できていません。

ですから、高い集中力を保っているように
見える人ほど、うまく休憩をはさみ、
短時間の集中状態を繰り返し作っているのです。

この状態を作るノウハウとして有名なのは、
「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれる
タイムマネジメント術です。

イタリアの起業家フランチェスコ・シリロさんが、
1980年代後半に考案した、25分の集中と5分の
休憩を繰り返すテクニックです。

本書でも、基本のポモドーロ・テクニックと、
それをDaiGoさん流にアレンジしたテクニックが
紹介されていました。

参考までにポモドーロとは、イタリア語で
トマトのことで、シリロさんが使っていた
トマト型のキッチンタイマーに由来しています。

本書では、古今東西、さまざまな集中力を高める
テクニックが紹介されていて、DaiGoさんの
真面目で勉強熱心な姿が垣間見られました。

この本から何を活かすか?

  「余計なモノを省き、学ぶことに最適化された
  私の机には、なぜか勉強や仕事に関係ない
  はずのアイテムが1つあります。
  そのアイテムはなんだと思いますか?
  答えは、 “鏡” です。」

DaiGoさんの仕事部屋には、2mの全身鏡が3枚あり、
この鏡に映る自分を客観視することで、
高い集中力を保っているそうです。

さすがに、これは効果があったとしても、
私は、やりたいとは思えませんでした・・・。

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| ノウハウ本 | 07:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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