活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2016年04月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年06月

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読書は格闘技

満足度★★★
付箋数:23

  「本書で私が強調したいのは、 “読書は格闘技”
  だということである。
  これは、自著『武器としての決断思考』で
  強調したことでもあるが、書籍を読むとは、
  単に受動的に読むのではなく、著者の語って
  いることに対して、 “本当にそうなのか” と疑い、
  反証するなかで、自分の考えをつくっていく
  という知的プロセスでもあるのだ。」

著者の瀧本哲史さんは京都大学の客員准教授で
あり、同時にエンジェル投資家でもある方。

非常に論理的かつ刺激的な文章を書く方で、
私の中で瀧本さんは知のデマゴーグ(扇動家)的な
印象です。

本書で、瀧本さんは1つのテーマにつき、
考え方の異なる2冊の本を紹介します。

その2冊をディベートさせるのが本書の特徴。

  「互いの本が評論の中で、激しく格闘を繰り
  広げる、そういう組み立てにしていこうと思う。
  私の役割は第一義的にはこの格闘技のレフリー、
  審判であるが、私が読むという行為自体が
  格闘技であるから、三者間でバトルロイヤルを
  展開していくということになる。」

更に、読者もこの知のバトルロイヤルに
参加することが求められます。

  「読者と本書との関係についても、述べて
  おきたい。この評論を読むということ自体も
   “読書” であるから、読書はこのアプローチの
  異なる本と私との間のバトルロイヤルの観客で
  終わることは許されない。読者自身が、読書を
  通じて、この “評論” という名の格闘技に
   “参加者” として、主体的に関わって頂きたい。
  つまり、批判的に比較し、それまでの自分の
  ものの見方と戦わせて頂きたい。」

こういった瀧本さんの考え方のベースに
なっているのが、『武器としての決断思考』で
紹介されていた「ディベート思考」です。

ディベート思考とは、二者択一で結論が出る
テーマを論題に選び、メリットとデメリットを
3つの条件で考え、論理的にツッコミを入れて、
主張が正しいかどうかを検討する思考法です。

この戦いに読者も参加するわけですから、
知的にハードなことが要求されています。

本書で提供されている戦いの場は、
イントロダクションを除くと全部で12ラウンド。

これは、ボクシングでいうと世界戦と同じ
ラウンド数なので、本書は読書の世界戦という
位置づけなのかもしれません。

では、いくつかの戦いの対戦者を見てみましょう。

 Round1 心をつかむ
  『人を動かす』VS『影響力の武器
 Round2 組織論
  『ビジョナリー・カンパニー』VS『君主論
 Round3 グローバリゼーション
  『フラット化する世界』VS『文明の衝突
 Round8 未来
  『一九八四年』VS『ニュー・アトランティス

まさに異種格闘技的な様相ですが、ここまでの
マッチメイクはわからないでもありません。

しかし、Round10の教養小説のマッチメイクは
私の想像の範囲大きく超えるものでした。

「大人になるということ」というテーマで
選ばれた本の1冊は、ドイツの詩人ゲーテさんの
ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』。

これに対戦するは、総売上1億部を超える、
あだち充さんの漫画、『タッチ』でした。

個人的には『タッチ』を教養小説と
定義するところに、瀧本さんの懐の深さを
感じました。

この本から何を活かすか?

私はRound10の『ヴィルヘルム・マイスター』も
タッチ』も読んだことがなかったので、
この戦いは、単なる観衆として試合を見ていました。

これまで『タッチ』は生理的に受け付けない
ような気がして、ずっと避けていましたが、
この戦いを見て、読んでみようと決心しました。

『ヴィルヘルム・マイスター』は図書館で借り、
『タッチ』まんが喫茶にでも行って読んでみて、
改めてRound10の戦いに参加しようと思います。

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| 読書法・速読術 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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トヨタの強さの秘密

満足度★★★
付箋数:21

なぜ、トヨタは競合企業より圧倒的に高い
業績を上げることができるのか?

トヨタとそれ以外のメーカーの違いは、
一体、どこから生まれているのか?

このように聞かれると、日本人の多くは、
「トヨタ生産方式がトヨタの強さの秘密」
と答えるようです。

トヨタ生産方式とは、Toyota Production System
(TPS)とも呼ばれ、「売れるモノを売れる時に
売れる数だけ売れる順番に作る」方式です。

しかし、これは製造業においては世界の常識と
なっているため、もはやトヨタだけの強さでは
ありません。

しかも、巷にあふれるトヨタ生産方式の本を
すべて読んで真似したとしても、
トヨタの下請けになれるかもしれませんが、
トヨタのように儲けることはできません。

なぜなら、トヨタ生産方式はトヨタの経営の
重要な一部であっても、トヨタはそれで
儲けている会社ではないからです。

そもそも「売れるモノを売れる時に
売れる数だけ売れる順番に作る」ことにおいて、
前提となっているのは、「売れるモノ」が
あるということ。

この「売れるモノ」を作る部分にこそ、
トヨタの儲けの秘密、強さの秘密が
隠されているのです。

端的に言うと、トヨタの強さは、
グローバルの消費者が買いたくなるような
製品を作り続けていることにあります。

本書は、トヨタ流製品開発、つまりTPD
(Toyota Production Development)について
解説した本です。

  「本書の目的は、第一に世界で研究されお手本と
  されてきた “日本人の知らない日本最大の
  グローバル企業” として、トヨタがどのように
  世界の顧客のニーズに適合した製品を企画・
  設計・生産・販売することで稼いでいるのかを
  明らかにすることである。

  第二の目的は今日のグローバル競争において、
  設計情報やノウハウ、また、それを生み出す
  中心となるタレントと呼ばれる人材が
  どのように、本質的な富の創造に関係して
  いるのかを理解してもらうことである。」

著者はリーン開発・製品開発組織の
タレントマネジメントについて講演や指導を行う
三河出身のコンサルタント、酒井崇男さん。

  「三河の常識は世界の常識」

本書で酒井さんは、三河の地域性も含め、
トヨタの製品開発方法を丹念に解き明かします。

  序章 トヨタを知らない日本人
  第1章 国道248号線の東と西
  第2章 知識化する「ものつくり」
  第3章 主査制度とは何か
  第4章 売れないモノの基礎研究はしない
  第5章 TQMと主査制度
  第6章 トヨタを支える系列
  第7章 トヨタ流を支える企業文化
  終章 トヨタになるには

本書のメインとなっているのは、「主査制度」に
ついての解説です。

  「 “売れるモノ=設計情報” を作り出すのが
  TPDの目的であり、主査制度はそのための
  システムである。だから主査制度はTPDの肝
  ということになる。」

主査は、製品開発の司令塔で、デザイン、
ボデー、シャシー、エンジン、電気・電子などの
設計部門を使って仕事を進めます。

  「主査は製品の社長であり、社長は主査の助っ人」

これが主査制度のコンセプトです。

この本から何を活かすか?

  系列が強いのもトヨタの強み

トヨタ系列のデンソーの2015年3月期の売上は
4兆3000億円を超え、営業利益は3500億円。

この売上規模は、三菱自動車、富士重工業、
マツダ、ズズキなどの完成車メーカーを超え、
三菱重工の売上さえも大きく超えています。

現在、デンソーのトヨタ依存率は50%を
切るようになっています。

これは、すでに厳しい品質・納期の要求をする
トヨタに納入実績があるので、他のメーカーも
安心してデンソーから買えることも影響している
ようです。

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| 経営・戦略 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ずるい日本語

満足度★★★
付箋数:24

  「 “あの子可愛いな。でも彼氏いるし
  デートに誘えないよな” 
  ある飲み会で、部下がそうつぶやきました。
  すると上司はこう言いました。
   “じゃあお前は、キーパーがいたら
  シュートを打たないのか” 
  上司のそのひと言に部下は心打たれ、
  見事に行動に、彼女をゲットしたのです。
  奪い取られた方の彼氏はお気の毒ですし、
  モラルとしてどうか、と思った方もいるでしょう。
  ただ、ここでみなさんにお伝えしたいのは、
   “上司の言葉” が “部下の心” を動かした、
  という事実です。そして心を動かすばかりか
   “行動する勇気” まで与えました。
   “言葉” が“ 行動” を生んだのです。」

本書は、あなたの「言葉を強くする」本です。

著者は、ヤフーで言葉を中心とした企業の
コミュニケーション・ブランディングを行う
ブランドマネジメント室室長の内田伸哉さん。

  「 “ものは言いよう” と昔からよく言ったもので、
  世の中は、言い方次第で価値観が180度反転したり、
  覚えづらいことを一瞬で記憶させたりすることが
  可能です。」

インパクトがある言い方をするためには、
必要な手順があります。

 手順1. Beforeの気持ち
  相手の今の気持ちを推測する

 手順2. Afterの気持ち
  相手をどんな気持ちにしかいかを決定する

 手順3. What to say
  「何を言うか」を決める

 手順4. How to say
  「どう言うか」を決める

声は大きくても何を言っているのかわからない人は、
「何を言うか」が定まっていない人。

言っていることはわかっても、共感できないのは
相手の気持ちを整理してから話しをしていない人。

このフレームは汎用性が高く、ビジネス文章から
講演、メール文面、結婚式のスピーチにいたるまで、
すべてこの手順で考えることができるようです。

このフレームを使う時のコツは、
まず、手順1と2をしっかり踏んで、
相手の気持ちを丁寧に考えること。

ここを飛ばしてしまうと、自分の言いたいこと
だけをひたすらしゃべる「オタク言葉」に
なってしまいます。

そしてもう1つのコツは、手順1.2.3はそれぞれ
10文字以内にまとめること。

人の気持ちは複雑なようで、実は単純だったり
します。

感情をシンプルな粒度の言葉に落としこむことで、
刺さる言葉を作ることができるのです。

そして本書のメインディッシュは手順4の
How to say「どう言うか」のパートです。

5つの心の動きに対して各5パターン、
合計25パターンのHow to sayが用意され、
全体の8割のページを使い解説されています。

「何を言うか」さえ決まれば、後は25種類の
「どう言うか」フレームに順番に当てはめるだけ。

順番に当てはめていくと、誰でも簡単に
言葉を強くすることができるのです。

手順が明確ですから、コツさえつかめば、
すぐに使えるようになりそうです。

本書は、タイトルが「ずるい日本語」と
なっていますが、内容は全然ずるくありません。

なぜ、内田さんがそのようなタイトルをつけたかと
いうと、次のような思いがあったからです。

  「言葉やコミュニケーションを考えるときに、
  常に、ちょっとだけ “ずる賢い気持ち” を大切に
  して欲しいという思いからなのです。」

内田さんは、日本人は真面目すぎるので、
言葉まで固くなってしまうから、
それをほぐしたいという気持ちがあるようです。

この本から何を活かすか?

Googleの検索製品&ユーザーエクスペリエンス
担当副社長だったマリッサ・メイヤーさんが、
2012年7月、ヤフーのCEOに就任しました。

このニュースを普通に伝えると、
  「Googleのマリッサがヤフーに移籍した!」
となります。

この衝撃的なニュースをIT業界以外の人にも
わかるように、「具体例は説得力の母」という
フレームに当てはめるとこうなります。

  「Googleのマリッサがヤフーに移籍するのは、
  AKBの前田敦子がももクロに移籍するくらい
  衝撃だ」

この短い文中に、ライバルに行くという比喩、
規模感の比喩、タブーの比喩が凝縮されています。

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竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか?

満足度★★★
付箋数:23

  「(2015年のダボス会議で)リスク要因として
  挙げられていたのが、中国の新疆ウイグル自治区
  や “イスラム国” を中心とする中東をめぐる
  地政学上の不安定な情勢であり、ギリシャを
  中心地としたユーロの情勢であり、ブラジルや
  インドといった新興国の不安定な問題であり、
  そしてアメリカの金利引き上げの問題の4つでした。
  (中略)今日は、それらのリスクに加えて、
  日本の安保法制の議論から経済の議論へと、
  全部まとめて議論したいと思っています。」

本書は、二部構成になっています。

第1部は、2015年9月23日に行われた
竹中平蔵さんと佐藤優さんの対談をまとめたもの。

外為どっとコム主催の経済セミナーで、
「世界が先読みできる!超インテリジェンス教室」
というテーマで行われた対談です。

第2部では、対談を補足する説明を、竹中さん、
佐藤さんが、それぞれが執筆しています。

対談では、司会進行役の竹中さんが聞き役で、
佐藤さんが持論を展開する形で進みます。

ちなみに、竹中さんが司会進行を務めたのは、
外為どっとコム総合研究所主席研究理事という
肩書があるからです。

冒頭で竹中さんは、世界情勢の中で、特に、
佐藤さんが気になっている部分を聞いています。

  「日本に影響がある順番から言いますと、
  まずは難民問題。(中略)
  それから二番目。日露関係に安倍政権が入れ込み
  過ぎている点。それによって日本とアメリカとの
  関係が悪くなる危険性があること。(中略)
  それから三番目。中国の大激動の影響。(中略)
  中央アジアに “第二イスラム国” ができて、
  新疆ウイグル自治区から中国人のイスラム教徒
  である回族が居住する地域に大混乱が起き、
  これまた日本に難民という形で跳ね返ってくる
  危険性が予見されます。」

中国の経済成長率が大幅に下がったときに、
大量の移民が押し寄せることが議論されています。

最悪のシナリオは、数百万人の単位で、
中国人が船で渡ってきて、日本の限界集落に
住み着いてしまうこと。

一度、実際の生活の拠点を作ってしまうと、
難民のエネルギーは物凄いので、そう簡単には
動かすことはできないようです。

加えて、難民とは別の話ですが、普通の国に
あるはずの移民法が日本にはありません。

移民を国内に受け入れるかどうかは、
法律の規定ではなく、法務省の役人の鉛筆の
舐め方一つで決まっているところがあるのも
大きな問題です。

お二人は、こういった議論を進めながらも
後半はスポンサーの外為どっとコムから
リクエストがあったと思われる「トルコ情勢」
について話を進めます。

恐らく、外為どっとコムではトルコリラの
取引を増やすために、トルコ情勢の話題を
盛り込むように要請したのでしょう。

第二部においても、竹中さんは、世界経済の
リスクを乗り切る投資方法について語り、
佐藤さんは300万円ぐらいの資金を使って
FX投資をすることを勧めています。

  「(FXで)頻繁に売り買いをすることは、
  国際情勢を読んだり、経済状況や
  カントリーリスクを皮膚感覚で知るには
  すごくいい。」

ただし、インテリジェンスを相場に生かすことは
できないと佐藤さんは言っています。

もし、投資でインテリジェンスを謳っている人が
いたなら、インテリジェンスがわかっていない人か、
詐欺師のいずれか。

あるいはその両方で、インテリジェンスが
わかっていない詐欺師です。

この本から何を活かすか?

ドナルド・トランプさんが、アメリカ大統領に
なった場合、駐留なき保安になる可能性があるこを
佐藤さんは予想します。

  「黄色いサルどもが無人島と境界線を争うって?
  勝手にやってろ、俺たちは知らねえ。
  とにかくアメリカに迷惑かけるんじゃねえぞ」

というのがトランプさんの本音。

中国と事を構えても得にならないと考えると、
トランプさんなら、アメリカ軍を沖縄から
引き上げることに躊躇しないかもしれない。

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| 経済・行動経済学 | 11:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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理系に学ぶ。

満足度★★★★
付箋数:25

  「この本は、理系コンプレックスを抱える
  文系男が、2年間にわたり理系のトップランナー
  たちと対話し続け、目から鱗を何枚も落としながら、
  視界を大きく開かせていった記録だ。
  僕は2年間にわたり、理系人たちに訊ね続けた。
  こらから世界はどう変わるのか?
  日本はどう変わるのか? 人間はどう変わるのか?
  何が必要とされ、何が不必要になるのか?
  その先に、どんな未来が待っているのか?」

本書は、集英社の雑誌「UOMO」の2014年4月号から
2016年3月号に連載された「理系の友達」を元に
加筆・修正された対談本です。

インタビュアーとして本書をまとめるのは、
映画プロデューサーの川村元気さん。

川村さんは、東宝でプロデューサーとして、
『電車男』、『告白』、『悪人』、『モテキ』、
『寄生獣』、『バケモノの子』、『バクマン。』
などを手がけた方。

更に、2012年に初めて書いた小説の
世界から猫が消えたなら』が、120万部を超える
ベストセラーになりました。

クリエイティブな才能あふれる川村さんですが、
学生時代から数学や物理が苦手で、
ずっと理系に対してコンプレックスを
持っていたそうです。

大学は私立文系で、社会人になってからも、
映画作りや小説など、理系とは無縁の世界を歩み、
しばしコンプレックスから解放されていました。

しかし、あるとき、やはり理系から逃げずに
学ぶべきであると思うようになりました。

  「ある日、僕は気づいてしまった。
  スティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、
  マーク・ザッカーバーグ。
  いま世界を決定的に変えているのは理系人たちだ。
  そして未来を変えるのもきっと彼らだ。」

このように川村さんは考えて、「未知との遭遇」を
裏テーマに、最先端の理系人との対談を始めました。

対談相手は、養老孟司さん、川上量生さん、
佐藤雅彦さん、宮本茂さん、真鍋大度さん、
松尾豊さん、出雲充さん、天野篤さん、
高橋智隆さん、西内啓さん、舛田淳さん、
中村勇吾さん、若田光一さん、村山斉さん、
伊藤穰一の15名です。

当初、川村さんは対談によって、理系と文系の
違いや、それぞれの役割を知ろうとしました。

しかし、対談を通じてわかったことは、
結局、理系も文系も同じ山を登っている
ということでした。

山に登るルートは違うけれど、山の頂きでは、
理系と文系の融合が始まっている。

理系と文系は、同じ山を登る仲間として、
力を合わせることで、新しい未来を
作っていくことができるのです。

本書は、何より対談本として完成度が高く、
読んでいて非常に面白い本です。

それは川村さんの旺盛な好奇心が原動力となり、
理系のトップランナーたちに、
ぐいぐいと食い込んでいるからです。

私にとっては、対談相手の理系人たちに
馴染みがあるので、文系人としての川村さんの
発想やバイタリティの方に新鮮さを感じました。

ですから、本書は文系の人が読んでも、
理系の人が読んでも学びがある本だと思います。

この本から何を活かすか?

中学の理科で習う「メンデルの法則」。

植物学者のグレゴール・ヨハン・メンデルさんが
交配実験実により発見した遺伝の法則です。

このメンデルさんの実験の精度を
統計的に分析したのが、イギリスの統計学者
ロナルド・フィッシャーでした。

その結果、何がわかったのか?

  「データが合いすぎていて、つまり、
  データをいじったに違いないという結論。」

今となっては確認しようがありませんが、
メンデルさんにはデータ改ざん疑惑があるのです。

これに対して川村さんは、最近のSTAP細胞騒動も
引き合いに出し次のように語っています。

  「僕たちは、自分の理解の範疇を超えたものが
  現れると、その理由を言葉や物語にしたがる
  ところがあると思います。」

映画や小説は、この物語を欲する人間の特性が
あるからこそ受け入れられるのでしょう。

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| 科学・生活 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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HONDAの技術革新を支えた〝超〟目標達成法「9つの質問」

満足度★★★
付箋数:23

あなたは、現在、何か問題を抱えていますか?

このように質問されると、事の大小は別にして、
ほとんどの方が「YES」と答えることでしょう。

ちなみに、年収500万円以下の人でも、
年収2000万円以上の人でも、同様に何かしらの
問題を抱えていますが、1つの問題を抱えている
時間が大きく異なるようです。

年収500万円以下の人は、1つの問題に長い時間を
かけて悩み、2000万円以上の人は、短い時間で
解決して、次の問題、次の問題へと取り組んでいく。

つまり、ひとつの問題の解決までの速さが
その人の年収に大きく影響しているようです。

もっと言うと、問題解決の速さが、
人生の豊かさに直結している。

では、なぜ、多くの人はいつも問題の山に
囲まれているのでしょうか?

そこには、多くの人が気づいてこなかった
理由があります。

  「 “本当は問題でないこと” を “問題である”
  ととらえて、真っ先に解決すべきだったはずの
  真の問題の選択をしていないのです。
  スタートから道を間違ってしまっているの
  ですから、どんな優秀な問題解決のスキルや
  ロジックを使って解決しようとしても、
  得たい結果が得られないのは当然のことでしょう」

よく本当の問題が見つかれば、半分以上、
解決したようなものとも言われます。

問題が解決できない多くの人は、
その問題が「真の問題」かどうかを確認せずに
問題解決に取り組んでいるということです。

本書では、解決すれば未来の大きな結果に
つながる真の問題のことを「ラストプロブレム」
と呼びます。

本書は、「9つの質問」をすることで、
ラストプロブレムを見つける方法を解説する本です。

「9つの質問」は、ビジネスだけでなく、
プライベートでも、本当に解決すべき
ラストプロブレムを浮かび上がらせます。

著者はQC思考コンサルタントの小川泰史さん。

小川さんは2012年までは本田技研工業の
直系ディーラーでセールスマンをしていました。

そのHONDA時代に、QC問題解決プレゼン大会で、
国内四輪部門で1位を獲得した実績があります。

QCとは、元々は不良品ゼロを目指すために
製造業の現場で始まった品質管理活動。

現在では、製造部門だけでなく、サービス部門や
管理部門にまで広がり、TQCやTQMと呼ばれ、
その手法は多くの企業で導入されています。

本書の「9つの質問」は、HONDAのQCをベースに、
誰もがラストプロブレムを見つけられるように
考案されたものです。

では、その「9つの質問」を見ていきましょう。

 質問1 それはあなたの未来にとって本当に問題
   なのですか?
   解決すると、あなたの未来は変わりますか?

 質問2 理想の場所にたどりつけないとき、
   「何」が起きているのか?

 質問3 そもそも、それが叶うとあなたは
   本当に幸せですか?

 質問4 理想の場所と、今あなたがいる場所を
   「遮るもの」は何ですか?

 質問5 なぜ「遮るもの」はそこにあるのですか?

 質問6 「遮るもの」を取り除くための
   最短・最良の方法はありますか?
   そして、取り除くことができそうですか? 

 質問7 「遮るもの」は最短・最良の方法によって
   取り除かれましたか?

 質問8 「遮るもの」が二度と現れないように、
   あなたは何をすべきでしょうか?

 質問9 あなたの未来にとって必要な
   「出会うべき問題」はありますか?

本書では、わかりやすい例と図を用いて、
この「9つの質問」を実際にどのように使うかを
解説しています。

この本から何を活かすか?

私はHONDAユーザーでもありますが、
以前使われていた企業のメッセージCMが好きです。

  「負けるもんか」
  「どうなるかじゃやない、どうするかだ」
  「面白いからやる」
  「試す人になろう」
  「枠にはまるな」

いずれも熱くなるメッセージでしたね。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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すごい自己紹介

満足度★★★★
付箋数:25

これまで2000人以上の自己紹介を添削してきた、
自己紹介革命アドバイザーの横川裕之さん。

本書では、人も仕事もお金も引き寄せる
自己紹介づくりのノウハウが惜しみなく
披露されています。

最初に、横川さんは読者に問います。

  「自己紹介とは、何を紹介するものですか?」

自己紹介ですから、自分のことを紹介すると
考えるのが普通でしょう。

しかし、これこそが私たちがしている
自己紹介に関する間違った思い込み。

自己紹介とは、何を紹介するものかを
確認する前に、まず、実例を見てみましょう。

ベテランカメラマン森川ゆみ子さんの、
あまり印象に残らなかった自己紹介の例と、
横川さんのアドバイスで変えた自己紹介です。

  「森林の森に川と書いて森川で森川ゆみ子と
  申します。大阪出身でカメラマンをしています。
  本日はどうぞよろしくお願い致します。」

この自己紹介、ある自己紹介セミナーに
参加して、森川さんが作ったものです。

そのセミナーでは、聞き手と自分の共通点を
作るために、「地名」を入れることを
アドバイスされたそうです。

残念ながら、この自己紹介を繰り返しても、
仕事の依頼は増えませんでした。

これに対して、横川さんのワークショップに
参加して変えた自己紹介は次の通りです。

  「あなたの魅力を最大限に引き出すカメラマンの
  森川ゆみ子です。一枚でいいので、あなたの
  写真を無料で撮らせてください。これまでの
  カメラマンが引き出せなかったあなたの魅力を
  最大限に引き出します。よろしくお願い致します」

この自己紹介に変えた結果、森川さんは、
これまでの10倍以上の問い合わせや依頼が
来るようになったそうです。

横川さんは、どのように森川さんにアドバイス
したのでしょうか?

そして、聞き手の心に響く自己紹介と、
そうでない自己紹介の違いは何なのでしょうか?

  「自己紹介が聞き手の心に響かない人は、
   “自分” を紹介している。
  自己紹介が聞き手の心を打ち抜く人は、
   “未来” を紹介している。

  (聞き手の心に響く人は)自己紹介で
  語っている内容が、自分のことではなくて、
  未来のことなんです。
  
  では、どんな未来を語っているのかというと、
   “自分が関わることによって得られる
  聞き手の未来” です。もっというなら、
   “自分と関わることによって得られるお得” を
  わかりやすく伝えているのです。
  
  聞き手は、その自己紹介を聞いて、
  自分の未来における変化をイメージできたら、
  感情が動きます。
  感情が動くと、人はそのイメージを手に入れる
  べく脳を自動的に働かせます。」

本書では、そんな聞き手の未来を語る
自己紹介の作り方を解説します。

もし、あなたが自己紹介できる看板や、
人に提供できるような付加価値がないと
感じていたとしても大丈夫。

本書では、自己紹介に必要なセルフイメージの
作り方から解説します。

セルフイメージに合った自己紹介をすることは、
かなり大事です。

  「自分の存在を認め、自分を好きになり、
  自分を愛することが土台となって、
  その土台の上にセルフイメージも自己紹介も
  作られます。」

それは自己紹介を一番聞く相手が、
自分自身で、自己紹介することは
「自分自身への宣言」という役割もあるからです。

この本から何を活かすか?

自信に満ちた自己紹介のポイントは「あご」。

「あごの角度を2度上げる」ことで、
相手に自信を感じさせることができるようです。

上げ過ぎると、見下すようになってしまって、
自信というより傲慢なイメージを与えます。

正確に2度である必要はありませんが、
遠くまで見渡して、会場全体を包み込むような
感覚を持つといいようです。

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| コミュニケーション | 09:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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とことん調べる人だけが夢を実現できる

満足度★★★
付箋数:22

サンクチュアリ出版の大川さんより献本頂きました。
ありがとうございます。

  「夢を実現できる人と、実現できない人の
  違いって、なんだろう?
  才能? 努力? お金? 人脈? センス? 運?
  どれも大事だ。

  でも、一番大事なのは、“情報”だ。

   “情報” こそが、夢を実現できるかどうかを
  左右するカギになる。
  夢へと続く道は、まっすぐな一本道では
  ないからだ。(中略)

  くり返す。 “情報” は大事だ。

  大事だからこそ、まずは “調べる習慣” を
  つけてほしい。
  自分の夢をかたちにする方法がわからないとき、
   “情報がない” とあきらめるんじゃなくて、
  まずは “調べる” 。

   “調べる習慣” がある人とない人では、
  人生でどれだけ差がつくか。
  そのために必要な “具体的な調べ方” とは
  どんなものか。
  それらの答えは、すべてこの本の中にある。」

本書は夢を実現する自己啓発書でありながら、
同時に情報収集術を示すノウハウ本でもある
非常にユニークな本です。

著者は、『AKB48の言葉が教えてくれること』や
ワンピースの言葉が教えてくれること』などが
評判を呼んだ、ビジネスコンサルタントの
方喰正彰さんです。

方喰さんは、夢を実現するための、
正しい調べる習慣を「PASCサイクル」と呼んでいます。

 P : Planで自分の実現したいイメージを描く
 A : Analyseで夢を実現するための情報を洗い出す
 S : Searchで必要な情報を調べる
 C : Checkで集めた情報が十分か、または間違って
  いないかを吟味する

このサイクルを回せば回すほど、
夢は早く実現できる。

では、情報はいつ調べたらいいのでしょうか?

  「夢を実現できる人に共通するのは、
  知りたい情報や気になる情報があった場合に、
   “すぐに調べる” ということだ。
  なぜすぐに調べるのか?
  なんのひねりもない答えだが、
   “その情報が重要だから” だ。」

必要だと思ったときに、すぐに調べるのが鉄則。

それでは、情報収集には、いったいどのくらい
時間をかければいいのでしょうか?

  「これもシンプルな話で、 “必要な情報が
  見つかるまで” だ。探している情報によっては、
  時間がかかることもあるだろう。
  それは、情報を得るために必要な
   “コスト” として、受け入れなければならない。」

ここで大切なのが、「とことん」調べること。

とことん、ウェブで情報を集め、
とことん、本・雑誌・新聞・テレビで調べ、
とことん、人に情報を聞く。

時間がかかってもあきらめずに、とことん調べる。

その熱意があってこそ、貴重な情報も見つかり、
まわりの人も動かすことができるのです。

そして、本書では理想を語るだけでなく、
情報を集める具体的な「技」が、
数多く紹介されています。

  ・プロ向けの「質問サイト」でアドバイスを受ける
  ・シンクタンクのサイトでお宝データを掘り当てる
  ・専門性の高い「◯◯白書」を使いこなす
  ・話しが途切れたときは自分から仮説をぶつける
  ・「聞き終わった直後」が本当の情報収集タイム

ただし、これらのノウハウで集められた情報は、
あくまで使い倒すためのもの。

情報は行動に移すことで、夢の実現を可能にします。

この本から何を活かすか?

本書では、「レビュー(口コミ)」を参考にする際の
注意点が紹介されていました。

  1. 客観的、感情的でないレビューを参考にする
  2. 書いている人の過去のレビューをチェックする

私も他の人のブックレビューを読むきは、
その人の過去のレビューもチェックして、
自分に参考なるかどうかを確認します。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| ノウハウ本 | 08:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビジネス思考実験

満足度★★★
付箋数:22

思考実験とは、理論を突き詰めて
本質を問うための手法です。

トロッコに乗った5人を助けるために、
線路上の1人を殺していいのか?

これは、ハーバード白熱教室の
マイケル・サンデル教授が取り上げて
有名になった思考実験です。

ここまでの究極の選択でなくても、
ビジネス上では思考実験が欠かせません。

「こういう状態になったら、何がが起きるのか」
を考えることは、ビジネスモデルを構築や、
事業リスクを想定する上で必要だからです。

  「本書は、ビジネスの思考実験の手がかりを
  提供します。頭の引き出しに入れやすいように、
  ポイントを命題の形にまとめました。
  経営学は、経済学や社会学、心理学など、
  他分野から取り入れた概念や原理によって
  組み立てられています。従って本書では、
  経営学のワクをはみ出して、
  哲学や他の社会学科の領域にまで解説の
  範囲を広げていきます。
  定番の理論を踏まえながら、私のオリジナルの
  理論も交えて、100の命題を提示します。」

著者は、早稲田大学ビジネススクール教授の
根来龍之(ねごろ・たつゆき)さん。

本書では、最終的に経営学のワクをはみ出して
思考していきますが、まずは、経営学を深く
理解するための基本の整理から始まります。

優秀なビジネスマンは理論をどう使うのか?

この問に対して示された命題は次の8つです。

 1. 好循環するパターンを見つけ出す
 2. 経営学は「自分にピッタリ」にはできて
 3. 理論の「思想」と「概念」を理解する
 4. 概念を思考決定の助けにする
 5. 概念とは星座の名前のようなものである
 6. キーワードを自分で定義する
 7. 目的に合わせて「抽象度」を設定する
 8. 理論と持論が相互作用する世界に入り込む

この中から8番目の命題「理論と持論」について、
少し内容を紹介します。

「理論」を作るために必要なのは、
「繰返し性」や「共通性」。

特殊な状況で、たった1回だけ起きたことを
モデル化しても理論にはなりません。

これに対して、経営者の「持論」は、
状況が変わると通用しなくなることもあり、
他の会社でも成功するとは限りません。

その会社の置かれている個別の状況にしか、
当てはまらないことが多くあります。

ビジネスの実務家にとって必要なのは、
この理論と持論の両方です。

  「優れた経営者は、従来の理論では
  説明できない “特異なこと” に注目して、
  そこで起きている現象を説明する新理論を
  打ち立てようとします。
  それを理論化するのは簡単なことでは
  ありませんが、いくつか理論も追いついていく。
  そして新しい理論を学んだビジネスマンが、
  それを実践に応用していく。
  つまり理論と持論(実践)は相互作用しながら
  進化していきます。経営学をビジネスに役立てる
  というのは、理論と持論が相互作用する世界に
  入り込んでいくことだと言えるでしょう。」

ところで、ビジネスの現場では、なぜ理論に
当てはまらない事象が起こるのでしょうか?

それは、抽象度の問題です。

そもそも、あらゆる現象には「1回限り性」と
「繰り返し性」の両面があります。

抽象度を下げ具体化していくと、
すべての事象はいつも1回限りと言えます。

逆に、抽象度を上げて共通する部分だけに
注目すると、繰り返し性が抽出され、
そこから理論化ができるのです。

理論に当てはまらない現象が起こるのは、
理論が間違っているのではなく、
抽象度が低すぎるだけなのかもしれません。

本書の命題を手がかりに、物事を考えると、
今までより深く思考できるように感じます。

この本から何を活かすか?

  プロトタイピングのための思考実験

プロトタイピングとは、早い段階から試作して、
そこからのフィードバックを反映することを
繰り返しながら開発する手法。

商品開発なら、プロトタイピングを繰り返す
ことができますが、ビジネスモデルそのものの
プロトタイピングは、資金・時間・人員などの
制約から現実的ではありません。

このような場合、思考実験を使うことで、
実際に試さなくても、いくつかある仮説に
ふるいをかけることができるようです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 11:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マッキンゼーのパートナーが伝授する 最強チームの作り方

満足度★★★
付箋数:20

  「私は今までのキャリアの中で数多くの
  チームメンバーに助けられ、チーム一丸となって
  成果を出すことができたと自負している。
  そして気づいたのは、さまざまな難局を
  乗り越えた結果、自分にはチームを活かすことが
  できる能力が備わっていたということだった。
  つまり、ハイ・パフォーミングなチームを
  育て上げることが自身の成功のカギとなっていた」

著者の岡玄樹さんは、コンサルティングファームの
マッキンゼー・アンド・カンパニーで32歳にして
パートナー(共同経営者)に昇格した方です。

マッキンゼーではM&Aグループの日本統括リーダー
を務め、ヘルスケア、プライベートエクイティなどの
クライアントを中心にコンサルティングを行いました。

2015年11月にはマッキンゼーを退職し、
現在はソフトバンク・グループの
チーフ・グローバル・ストラテジストとして、
シリコンバレーに在中しています。

本書は、岡さんの豊富な経験が詰め込まれた、
ハイ・パフォーミングなチームの作り方を描く
ビジネス小説です。

主人公の桐生は、マッキンゼーを模した
グローバル・コンサルティングファーム
キンリー・アンド・カンパニーのパートナーです。

いくつかのプロジェクトを同時に進める中で、
桐生の元につくマネージャーの竜崎や、
他のメンバーのエピソードを通じて、
チームビルディングの秘訣を公開します。

ただし、ストーリーはチームビルディングに
特化したものではなく、キンリーが
コンサルティングを行っている
「表舞台」がよく描かれています。

表舞台というのは、実際のクライアントとの
やり取りの場で、本書はその裏側の描写は
それほど多くないように感じました。

クライアントとして登場するのは消費財業界で
国内最大手の花梨堂、日系ファンドの
レオンキャピタル、電機メーカー国内最大手の
サイオンの3社です。

架空の企業とプロジェクトとは言え、
実在の企業をいくつか組み合わせて
設定しているようなので、
かなりリアルな内容になっています。

主題のチームビルディングではありませんが、
個人的に面白かったのは、花梨堂から
とんでもない無理難題を依頼されたシーンです。

  「(オーストラリアに進出すると)なかなか
  ビジネス環境を想定するのが難しいので、
  ひとつお願いがあります。キンリーさんのほうで
  オーストラリアの向こう3年の為替動向を
  予測してもらえないでしょうか?」

さすがにこの依頼には主人公の桐生も、
為替の予想ができるくらいなら、
ファンドを立ち上げて外為トレーディングで
億万長者になれると考えます。

しかし、電話で会議に参加していた
シニアパートナーは「やってみましょう」と
この無理難題を引き受けてしまいます。

このエピソードは、実際にマッキンゼー時代に
岡さんが経験したことなのだと思います。

マッキンゼーならどんな難題でも解いてくれると
信じているクライアントがいると同時に、
マッキンゼーのパートナー自身も、
優秀なチームの総合力があれば
どんな難題でも解けると考えているようです。

肝心のチームビルディングですが、
本書では、桐生のメンバーの支え方や
チームの雰囲気作りで心掛けていることなどが、
ストーリーの中から学べます。

この本から何を活かすか?

巻末には、普段から岡さんが心がけている
「岡の20ヶ条」が掲載されていました。

この中から、私の気になった項目を紹介します。

 第 2条 任せるといっても、責任範囲を明確化し
    成果物で合意。
    任せているようで、実は導いている。

 第 8条 必要となればチームの盾となる。
    リーダーの真価が発揮されるのは
    チームが失敗したとき

 第10条 6ヶ月先のために今を投資する

 第14条 くすぶっている火は早めに油を注ぎ、
    燃やす。すぐ取り組む

 第20条 お先にタクシーどうぞと煙たがられる
    存在になってはいけない

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| 組織・社内教育・コーチング | 07:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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デスマーチに追われるIT技術者が勉強せずに英語力を身につけてキャリアアップした方法

満足度★★★
付箋数:21

著者の鈴木信貴さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「忙しいビジネスパーソンが英語に取り組むに
  あたり、2つの課題があります。
  1つは、自由時間が少ないことです。
  自由時間が少なく睡眠時間を削る毎日を
  続ける中で、英語に取り組む時間を作るのは
  けっこうたいへんです。
  2つ目は、仕事で気力を使い果たしている
  ことです。仕事で頭を使うと、仕事以外の時間は
  ボーっとしてリラックスしたいので、
  英語への取り組みに気力を使いたくないのです。
  このようなビジネスパーソンにお薦めの方法が、
  ふだんやっていることを少しだけ変えて、
  楽に無理なく、楽しみながら英語に触れる
  方法です。」

鈴木さんは、英語の専門家ではありません。

残業が多いことで有名なIT業界で
働いているエンジニアです。

ピーク時は、1日の残業時間が8時間以上に
及ぶこともあり、月150時間超の残業に
なったこともあるそうです。

もともと英語が苦手だった鈴木さんは、
そんな激務の中で、どのように英語力を
身につけたのでしょうか?

実は鈴木さんは、本書のタイトルにあるように、
英語の「勉強」をしませんでした。

これは英語をやらなかったという
意味ではありません。

本書のモットーは、楽に、簡単に、無理せず、
努力せず、楽しみながら続けることです。

「がんばって英語の勉強をしよう」と考えると、
身構えてしまい、心理的なハードルが高くなり
始めるまでに時間がかかってしまいます。

そこで、鈴木さんは、普段の生活の一部を
英語で行うようにし、とにかく、毎日少しでも
英語に触れる機会を増やしました。

1分でも、5分でも毎日英語に触れる。

生活の中に取り込んで、自然と英語に
触れるようにして、習慣化したのです。

ですから本書の方法は、1ヶ月後に英語の
プレゼンの予定があったり、直近で海外出張を
控えている緊急性のある方には適しません。

効果的な英語の勉強法をあれこれ考えるなら、
ちょとでも生活の中に英語を取り込み、
長く続けることで、英語力をアップさせます。

人は、何かしらの対象物と繰り返し接することで、
警戒心が薄れ、好意度が増す性質があります。

心理学で「単純接触効果(ザイアンスの法則)」
と呼ばれる対人関係の特性ですが、
英語にも、これが当てはまるのかもしれません。

  「英語力を上げる方法は、究極的には
  次の要素に分解できるのです。

  1. 英文を1文、または英単語を1個、
   読む、聞く、話す

  2. ときどき辞書を引く

  3. 1と2を繰り返す

  どうですか?
  あまりのシンプルさに、肩透かしをくらった
  ような気分になられた方もいると思います。
  でも、英語力を上げるために行うべきことは、
  本質的には1から3だけなんです。
  あとは、それをどのように行うかの
  バリエーションに過ぎません。」

本書には、鈴木さんの長年の経験から、
英語を好きなことして、毎日続けるための
ノウハウが詰め込まれています。

この本から何を活かすか?

頑張ってやろうとすればするほど、
その成果が見えてこないと長続きしません。

本書は、長く続けて、気がついたら、
英語力が上がっている状態を目指します。

英語に取り組むときは、あまり短期的な
成果を期待してはダメ。

ダイエットと同様に、急にやってしまうと
必ずそのリバウンドがりますから、
少し気長に、習慣を変えることに
注力した方がいいのだと思います。

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| 勉強法 | 08:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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サイロ・エフェクト

満足度★★★★
付箋数:26

コンピュータ業界、エレクトロニクス業界の
世界最大級の見本市として、かつて毎年11月に
ラスベガスで開かれていた「コムデックス」。

1999年のコムデックスの基調講演を行ったのが、
ウォークマンを世に送り出し、一世を風靡していた
ソニーのCEO出井伸之さんでした。

  「われわれは今も、そして将来もブロードバンド
  ・エンタテイメント・カンパニーです。」

絶頂期を迎えたソニーが、インターネット時代に
どのように対応するかについて、会場の期待は
恐ろしいほどに高まっていました。

そこで発表されたのが、手のひらにすっぽりと
収まる小ささで、音はどこまでもクリアな
「メモリースティック・ウォークマン」でした。

コムデックスの聴衆は、この驚くべき端末を見て、
ソニーが再びイノベーションを起こすこと、
確信しました。

インターネット時代に適したウォークマンが、
再び音楽の聞き方を一変させると、
会場の誰もが予感したのです。

しかし、ここで奇妙なことが起こりました。

出井さんは前に進み出ると「2つ目の端末」、
ボールペンほどの大きさのデジタル音楽プレイヤー
「VAIOミュジック・クリップ」を披露したのです。

こちらも素晴らしい商品でしたが、
2つの部門がそれぞれ開発した商品で、
互換性がありませんでした。

更に、ソニーはこの後、3つ目の商品として
「ネットワーク・ウォークマン」を発表します。

互換性のない同じ機能の3つの商品は、
互いに競合し、顧客を混乱させる可能性が
ありましたが、この日の観衆の多くは、
ソニーの多様なクリエイティビティとして、
好意的に受け止めていました。

何年も後にこのラスベガスの晩のことを
振り返ったソニーの幹部の中には、
複数のデバイスの発表は来るべき災禍、
ソニー凋落の前兆であったと見る者もいました。

このソニー例は、組織が巨大化し、
それぞれの部門が専門化して縦割りに
なったことで、時代の大きな変化に
対応できなかった象徴です。

フィナンシャル・タイムズ紙アメリカ版編集長、
ジリアン・テットさんは、このような状況を
「サイロ・エフェクト」あるいは、
「サイロ・シンドローム」と名付けました。

本書では8つの事例を紹介し、専門化した縦割り
構造が引き起こす愚行と、その対応策を論じます。

ちなみに、「サイロ」とは、もともと
穀物を保存するために農場に設置された高い塔、
あるいは穴を指す言葉。

北海道の酪農地帯、十勝で生まれた私にとっては、
馴染みがあって、昔よく見かけたサイロですが、
一般にはあまりピンとこない表現かもしれません。

20世紀半ばには西欧の軍隊が誘導ミサイル用の
地下保管庫を「サイロ」と呼ぶようになり、
それを経営コンサルタントが、
「他から隔絶して動くシステム、プロセス、部署」
を指す用語として使うようになったそうです。

  「重要なのは “サイロ” という言葉は物理的な
  建物や組織(部署など)を意味するだけでなく、
  心理状態を指すこともある、という点だ。
  サイロは建物の中にも存在するが、
  われわれの心の中や社会集団の中にも
  存在するのだ。サイロは部族主義を
  生むと同時に、視野を狭める。」

本書が面白のは、サイロに囚われた事例だけでなく、
サイロ化せずに創業時の熱を維持している
フェイスブックや、他の企業のサイロを衝いて
儲けている企業の事例も紹介していることです。

「サイロに囚われないための四つの教訓」として、
「5つ」の教訓が披露されていたのが玉に瑕。

サイロの象徴としてソニーが全面押しされて
いますが、文化人類学の視点も交え、
鋭い切れ味で、非常に読み応えのある本でした。

この本から何を活かすか?

サイロを知らない方は六花亭のチーズサブレ、
リッチランド」を食べてみてください。

六花亭の北海道土産の定番としては、
マルセイバターサンドが有名ですが、
私は子供の頃からリッチランドが大好きでした。

バターとチーズをたっぷり使った、
サクサクとした食感のサイロ型のサブレです。

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| 経営・戦略 | 08:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事文具

満足度★★★
付箋数:18

  「仕事の中心がいくらパソコンになっても、
  文具は手放せない。私が文具を使うのは懐古趣味
  というのではなく、その仕事をするのに
  文具のほうが効率的にできるから。
  つまり、機能的だからだ。私に限らず読者の
  皆さんにも、この作業のときには必ずこの文具、
  というものが1つや2つはあるだろう。
   “仕事文具” と題したこの本では、仕事のさまざまな
  シーンに分け、その場面で便利に使える文具を
  セレクトして紹介している。最新の文具というのは
  実はそれほど多くなく、ロングセラーや隠れた
  逸品系のもののほうがむしろ多い。」

本書は仕事に便利な文具のレビューが写真付きで
紹介された本です。

著者はステーショナリーディレクター、
文具コンサルタントの土橋正さん。

土橋さんは、生活総合情報サイト「All About」の
ステーショナリーガイドも務めています。

本書は、東洋経済新報社のビジネス誌『Think!』の
2008年春号~2015年冬号までに土橋さんが
連載した「プロフェッショナルのための文具術」
をベースに大幅に加筆・修正したものです。

紹介されている文具は、全部で235点。

初めて見聞きする文具には、「こんな便利な
ものがあるのか!」という新鮮な驚きがあります。

聞いたことがあっても実際に使ったことがない
文具は、土橋さんのレビューによって、
自分に必要な文具かどうかの判断がつきます。

自分が愛用している文具については、
文具の専門家に認められた喜びがあります。

そして、自分が使っている文具のレビューで、
土橋さんの感性と自分の感性に大きな違いが
ないかを知ることができます。

ここで感じ方に大きな違いがなければ、
他の文具につても、その使用感やレビューが
参考になると考えられます。

例えば、「ぺんてる グラフ1000」という
シャープペンシル。

  「メタルとラバー素材のコンビによるグリップ。
  ラバーがわずかに飛び出しているので、
  握るとまずラバーのマットな感触、
  そしてその後、メタルの感触がやってくる。
  安定感のある握り心地がある。そしてペン先側が
  少し重いため、自然にペン先が下を向く低重心の
  設計で、シャープペンシルとしての完成度が高い」

私が何年も「グラフ 1000」を使っていいて、
いつも実感することを、非常にうまく代弁して
くれている感じがします。

ちなみに、私が使っている芯の太さはは0.7mm。

土橋さんは、0.5mmは手帳記入用、
0.7mmはノート筆記用、0.9mmは取材用で
使い分けているようです。

  「ノート筆記に0.7mmをあえて使っているのは、
  ノートの罫線上では0.7mmのほうが筆跡が
  ひときわ太く、文字がしっかり目立つためだ。」

私も、まさに同じ理由で0.7mmを使い始めました。

と言っても私の場合は、芯の太さで使い分けを
しているわけではなく、シャープペンシルは
0.7mmだけを使っています。

本書で紹介されている文具は、機能美を
備えているものが多く、写真を見ているだけで
嬉しくなってくる人も多いと思います。

この本から何を活かすか?

では、本書の中から「読書」に便利な文具を
紹介します。

 BookGem(ブックジェム)
  コンパクトになって携帯できる書見台

 ポスト・イット スリム見出しミニ
  気兼ねなく使える100枚×10束のミニ付箋

 ポスト・イット ジョーブ透明スリム見出し
  半透明で収納ケースごと栞として使える付箋

 ココフセンカード
  詰め替え可能な携帯性抜群の付箋

 dansai works スリップメモブロック
  挟んだところにメモできるスリップ型の栞
 
 ページキーパー
  ページをめくると自動的についてくる栞
 
 プッチンクリップ
  付け外しが簡単なメタル製の栞
 
 MOVOOK
  ショルダーバッグスタイルのブックカバー

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| ノウハウ本 | 08:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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物語戦略

満足度★★★★
付箋数:24

  「多くの企業は、他社と決定的に異なる強みを
  持っているわけではありません。同じ業界の中で、
  同じような戦い方を取っています。また他社との
  違いはあっても、絶対的に差がある強みとまでは
  言い切れないのではないでしょうか。
  そのような状況で、自社が他社と違うところを
  際立たせ、 “選ばれる会社”を 目指して
  組織の方向性をひとつにしていくために、
  物語の力は有効です。」

本書では、「企業の持つ強みを象徴する物語」の
ことを「シンボリック・ストーリー」と呼びます。

本書は、シンボリック・ストーリーを使った戦い方、
「物語戦略」の構築の仕方を解説する本です。

著者は、コミュニケーション戦略プランナーの
岩井琢磨さんと、マーケティング・ディレクターの
牧口松二さんです。

例えば、スウェーデンの自動車メーカー、
ボルボは、次のようなシンボリック・ストーリーを
持っています。

現在、私たちが当たり前のように使っている
「3点式シートベルト」は、ボルボのエンジニア、
ニルス・ボーリンさんが発明したものです。

それまでの2点式シートベルトに比べ、
格段に安全性を高める技術として生み出されました。

ボルボは1959年にPV544という車種に世界で初めて
3点式シートベルトを搭載。

そして、ボルボとボーリンさんは、
この安全技術の恩恵が誰でも受けられるように、
特許を無償公開しました。

ボルボは、3点式シートベルトの発明と特許の
公開によって、「100万人以上の人の命を救った
エンジニア」としてボーリンさんを紹介しています。

シンボリック・ストーリーとは、単にいい話や
聞いて欲しい話ではありません。

人に話したくなる話でも、戦略に合っていなければ、
企業にとって意味のないトリビアです。

戦略に合っていても、人に話したくなる物語で
なければ、顧客にとっては迷惑な自慢話です。

語り手の戦略に合致し、人に話したくなる物語
こそが、その企業の独自性や強みを象徴する
シンボリック・ストーリーなのです。

  ・タイタニックに積まれていたルイ・ヴィトン
  ・売っていない商品の返金応じるノードストローム
  ・勤務中に社員をサーフィンに生かせるパタゴニア
  ・マグロの完全養殖に成功した近畿大学
  ・社員を肥満にしないタニタの食堂

本書では、シンボリック・ストーリーを使った
成功した事例を紹介しつつ、「物語戦略」の
つくり方を解説します。

事例が事例だけに、「そんな有名な会社には
物語があるかもしれないが、ウチの会社にはない」
と思う方がいるかもしれません。

しかし、小さな会社であろうが、創業したばかりの
会社であろうが、シンボリック・ストーリーを
紡ぎだすとは可能なのです。

まずは、「人的資源タイプ」、「物的資源タイプ」、
「組織資源タイプ」の3つのタイプに分けて、
社内に眠っている物語をいくつも発掘します。

次に、発掘した物語の中から、企業の強みを
象徴していて、戦略に合致して、
人に話したくなるような物語に絞り込みます。

シンボリック・ストーリーの候補が決まったら、
VRIO分析や、ヒーローズ・ジャーニー分析で
その物語の「力」をテストします。

最後に、戦略要素の筋を通し、物語を埋め込み、
戦略オプションを考え、シンボリック・ストーリー
とビジネスモデルをつなぎ合わせます。

この本から何を活かすか?

タイタニック沈没の時に、ルイ・ヴィトンの
トランクは沈まずに、それにつかまって助かった
乗客がいたといいます。

また、沈没から数十年たって、船体に取り残された
ルイ・ヴィトンのトランクを引き上げてみると、
中にはまったく水が入っていなかったとか。

にわかに信じがたい逸話で、真偽も不明です。

しかし、「ヴィトンのトランクなら、もしかして」
と思わせるところは、さすがです。

いずれにせよ、ルイ・ヴィトンの強みを
象徴する物語になっていて、この逸話によって、
更にルイ・ヴィトンのブランド力は高まっています。

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| 経営・戦略 | 08:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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SUPER BOSS (スーパーボス)

満足度★★★
付箋数:24

ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の
サンフランシスコ・フォーティナイナーズを
指揮した名コーチのビル・ウォルシュさん。

1979年から2015年の37年間に行われた
優勝決定戦のスーパーボウルに、
ウォルシュさん本人か、その教えを受けた
コーチの所属チームは32回出場し、
うち17回優勝しています。

このように、たった1人の優秀な指導者が、
何人もの有能な才能を育てることを、
本書では「才能の系図」と呼びます。

  「それぞれの業界で一流と呼ばれる50人のうち
  15~20人ほどは、ひとりかせいぜい2、3人の
  同じ才能養成者のもとで働いたか、教えを受けた
  ことがあるのだ。こうした才能養成者を、
  本書では “スーパーボス(SUPER BOSS)” と呼ぶ。
  また、人材だけでなく各業界のイノベーション
  にも、スーパーボスが関わっている。」

次々と部下や弟子の才能を育てるスーパーボス。

スーパーボスは、部下の才能の芽を見つけると、
やる気を出させ、あふれる情熱を持って指導します。

時には、こき使うことによって、あるいは、
厳しい環境に追い込むことで、本人の限界を
超えさせることもあります。

そして、部下が育つと、独立を勧めます。

独立した部下が成功することで、スーパーボスの
評判は更に上がり、新たな逸材が集まり、
「才能の系図」となるのです。

本書の著者、ダートマス大学大学院教授の
シドニー・フィンケルシュタインさんは、
10年の歳月をかけて、ビジネス、スポーツ、
ファッション、芸術の分野のスーパーボスに
200回以上のインタビューを重ね、
その特性を分析しました。

  「本書では、世界的に見ても有能なリーダー
  たちの特徴的な行動を紹介していく。
  旧来は才能を育てるのに最適だとされていた
  方法論を覆し、新しいパラダイムを提示する。
  どうすれば他人を触発してやる気を引き出し、
  潜在能力をすべて発揮させられるのか。
  本書は初めてこの問題を実例に基づいて
  統計的に研究した。」

本書では、スーパーボスに共通する特徴を
5つ挙げています。

1つ目は、計画やアイディアを実行に移すときに
見せる「恐れ知らずなほどの自信」。

2つ目は、闘争心がDNAに刻まれているかの
ような「旺盛な競争心」。

3つ目は、イノベーションの源泉となる
「たくましい想像力」。

4つ目は、自分自身や信条や価値観に対して
誠実で、「軸がぶれない」こと。

最後の5つ目は、ふれない軸から自然と生まれる
「表裏のなさ」です。

  「スーパーボスは、人並み外れていて
  多種多彩だが、他人のキャリアを有意義なものに
  するために誰もが見習える知恵を授けてくれる。
  他人の成功を助けてやれば、こちらも同じくらい
  大きな利益を得られる。夢を叶えたときの
  達成感はすばらしい。多くの後継者に感謝される
  ことほどの満足感が得られるものはないだろう。」

本書は最終章でスーパーボスになる方法を
まとめています。

あなたが上司の立場なら、自分がスーパーボスを
目指すもよし。

部下の立場なら、組織の中のスーパーボスを
見つけて指導を仰ぐもよし。

いずれの立場で読んでも、戦略的に突出した
人材を作り出すヒントが得られます。

この本から何を活かすか?

本書では、スーパーボスを次の3つのタイプに
分けています。

 1. 因習打破主義者タイプ
  手取り足取り教えなくても、関わっているうちに
  情熱が伝わって直感的に指導するタイプ。

 2. 栄誉あるろくでなしタイプ
  なにがなんでも勝つことを目指し、部下を連日
  深夜まで働かせることもある、勝利こそが
  至上命題であるタイプ。

 3. 養育者タイプ
  部下の成功を心から気にかけ、自分の育成能力を
  誇りに思っているタイプ。

現実的に目指せるのは、養育者タイプでしょうか。

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| 組織・社内教育・コーチング | 05:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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一生モノの副業 この1冊でわかる大学講師のなり方

満足度★★★
付箋数:20

左右社の樋口さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

少し前に知人と話していたときに、その知人の兄が
「大学で教えている」という話を聞きました。

その時に、私が自然と持ったのは、
「お兄さんはすごい人」というイメージでした。

話をしていた知人までも、ハロー効果の影響か、
少しアカデミックに見えてきました。

世間では、私と同じように「大学で教えている」
と聞くだけで、すごいと思ってしまうものです。

しかし、「大学講師には意外となれる」ようです。

本書は、士業の方やサラリーマンの方が、
副業として大学講師になるための本です。

著者の一人、石川和男さんがあるセミナーで、
次のように自己紹介をしたのが、本書ができる
きっかけでした。

  「昼間はサラリーマン。日曜日は専門学校で
  簿記講師。平日夜は大学で非常勤講師・・・・」

この自己紹介を聞いた編集者の樋口さんが、
サラリーマンでも大学で登壇できることに
興味を持ち、石川さんと講師のプロである、
千葉善春さんに本書の執筆を依頼しました。

大学に登壇するための必要最低限の条件は、
ある分野において一定の専門性を持っていること。

例えば、税理士や社会保険労務士、行政書士と
いった士業の方。

また、士業でなくとも、営業一筋だったり、
人事・総務のスペシャリストであるなど、
会社員として専門性を高めた方でも大丈夫です。

この条件を満たしていれば、誰でも簡単に
登壇できる訳ではありませんが、
大学以外の短大や専門学校を含めると、
講師になるのは、狭き門ではありません。

  「大学779校、短大346校、専門学校2823校、
  計3948校。登壇できる場は、3948校。
  もちろん田舎の分校のように1校に1人しか
  教員がいないわけではありません。
  10人平均でも39480人。100人平均で
  394800人に登壇するチャンスがあるのです。」

本書では、3つのルートに分けて高等教育機関の
講師になるための具体的な方法を解説します。

 タイプA 大学 非常勤講師ルート
  大学で授業を担当する非正規教員を目指す方

 タイプB 正規授業外講座 担当講師ルート
  大学の「課外講座」や「公開講座」の講師を
  目指す方

 タイプC 専門学校 非常勤講師ルート
  専門学校で授業を担当する非正規教員を
  目指す方

いずれのルートでも、現代の高等教育機関では、
アカデミックなものより、「実務寄り」な
講義内容が求められているようです。

それは、すぐに役立つ実践的な知識を
教えて欲しいと考える学生が増えているためです。

また、大学や専門学校側も学生を就職させる
ことを重要視しているからです。

だからこそ、何らかの専門性を持っている
サラリーマンにも講師になるチャンスが
増えているのです。

本書で解説される講師になるルートの中で、
一番ハードルの高い大学の非常勤講師であっても、
その門は決っして狭くはありません。

最も確実な方法は、有力なコネを作ること。

コネを見つけるために、興味のない内容でも、
大学の公開講座を積極的に受け、
自分が非常勤講師希望であることをアピール
し続けることが有効のようです。

特に、学長や理事長、古株の教授などの
キーパーソンが行っている公開講座や
講演会・セミナーには、何度も足を運び、
顔を覚えてもらうところから始めます。

また、タイプBやCの場合であっても、
紹介で採用になる場合が多いようです。

紹介されるためには、すでに登壇している
講師と知り合いになることが有効。

これまでの士業やサラリーマンの経験から、
実学について伝えたいことがある方にとっては、
非常に参考になる本だと思います。

この本から何を活かすか?

大学の非常勤講師の報酬は?

  「新任の非常勤講師の場合、報酬の相場は、
  90分講義1コマ当たり7000円~8000円くらいです」

時給にすると5400円くらいですが、
90分の講義を行うに当たり、時間をかけて
準備をしなければなりませんから、
それほど割のいい仕事ではありません。

本書では、あくまで「副業」として
非常勤講師になることを想定しています。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 10:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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パラダイス山元の飛行機のある暮らし

満足度★★★
付箋数:21

飛行機に乗る際に受ける手荷物検査と身体検査。

ハイジャック防止が目的で行われていますが、
毎回受けるのも、なかなか煩わしいものです。

この検査、実は搭乗者負担の「有料」で、
行われていることはご存知でしたか?

「旅客保安サービス施設使用料」という名目で、
成田空港の場合、大人も小人も同額で、
1回あたり520円を支払っているそうです。

つまり、あのゲートを通過するだけで、
520円取られているというわけです。

この旅客保安サービス施設使用料について、
本書の著者、パラダイス山元さんは、
次のように書いています。

    「せめて、ポケットにライターを入れていて
    ピンポンと鳴ったり、カバンの中にハサミとか
    入れていて “中を拝見してもよろしいでしょうか”
    と言われた客からだけにしてほしいと、
    切に思います。ゲートを通過する際ピンポンが
    鳴り響き、お立ち台の上に立たされ、
    手を横に伸ばし、女性の保安警備員から、
    全身マッサージをされているかのような客が
    うらやましく思えることさえあります。」

本書は、2013年に刊行されて大好評だった
パラダイス山元の飛行機の乗り方』に続く
シリーズ第二弾。

何がシリーズかというと、
「すべて飛行機の中だけで執筆する」
ことをルールとしたシリーズです。

    「仕方ない状況の中、地上で生活していると、
    締め切りを大幅に過ぎる事態となり、
    今度は、この本を書くという目的を持って、
    元日、羽田からパリ行きに搭乗しました。
    本来なら、 “目的地へ訪れるという目的”
    などは決して定めず、飛行機で暮らすが
    ごとく、ただ純粋に搭乗することそのものが
    楽しみでしたのに、最初から執筆目的の
    搭乗とわかっているのは、少々ツライものが
    あります。」

実際に羽田からパリ行きの飛行機の中では、
数ページしか執筆できなかったようですが、
パラダイスさんにとっては、それはそれで、
飛行機に乗ることができればOKなのです。

パラダイスさんは、毎年ダイヤモンドメンバー
資格を維持しているミリオンマイラーです。

年間の搭乗回数は、なんと1000回以上。

平均して、毎日3回乗っている計算ですから、
パラダイスさんって、何をしている人なの?
と疑問が生まれてくるのは当然です。

私も真っ先に、プロフィールを確認しました。

    肩書は、ハイパーミリオンマイラー。
    本業は、マンボミュージシャン。
    所属は、株式会社よしもとクリエイティブ
    ・エージェンシー。
    役職は、グリーンランド国際サンタクロース
    協会 日本代表。
    前職は、富士重工業株式会社 技術本部
    デザインセンター。
    特技は、保安検査場で身体検査されずに
    通過すること。
    信条は、貯めたマイルは裏切らない。
    日課は、マイルをコツコツ貯めること。
    趣味は、献血

これが、本書に書かれているパラダイスさんの
プロフィールです。

餃子王、マン盆栽家元、入浴剤ソムリエという
肩書などもあり、結局、何をしている方かは、
よくわかりません。

何をしている人と、明確に定義すること自体が、
パラダイスさんにとっては無意味なのかも
しれませんね。

本書は、そんなパラダイスさんの
飛行機にまつわる脱力系のエッセイです。

この本から何を活かすか?

私は本書をちょっと前から目をつけていましたが、
どうせ読むなら、飛行機に乗った時に読もうと
決めていました。

地上で読まれるよりも、機内で読まれた方が、
きっと、パラダイスさんも嬉しいはず。

そんな訳で、今回、搭乗する機会があったので、
やっと本書を読むことができました。

正直、爆笑というわけではありませんが、
やはり機内で読むと、ニヤリとする所や、
さすがミリオンマイラーと思う箇所が
多かったですね。

私の場合は、読むのは機内でしたが、
この記事を書いているのは、都内のホテルです。

ブログ程度の短い文章とはいえ、
搭乗中に記事を書くことはできませんでした。

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| 旅行・アウトドア | 04:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世の中の真実がわかる「確率」入門

満足度★★★
付箋数:22

    「日常生活において、確率を知っていると知らない
    とでは、大きな違いがあります。世の中のウソや
    間違いに惑わされることなく、確率を活かして、
    根拠に基づいた判断ができるかどうか?
    人生の幸せは、これにかかっているのです。
    本書では、世の中の確率的なカラクリを解き明かす
    話題を、たくさん集めてみました。(中略)

    本書は、確率の意味を正しく理解して、
    日々の生活の中で “確率” を活かし、確率を積極的に
    活用して、賢く判断するコツを身に付ける本です。」

人生の幸せが、確率にかかっているというのは、
ちょっと大袈裟な気もしますが、個人的には、
確率を知っていることは、生きていく上で、
誤った判断をしないためにも必要だと考えます。

学生時代に習う数学の中では、受験であまり
陽の目をみない、確率と統計が、実は社会人に
なってから、最も実用的な分野だと思います。

本書の著者は、中央大学名誉教授で、
小中高の数学教師とともに数学を楽しく
わかりやすく教える運動をすすめている
小林道正さんです。

小林さんは本書で、平均寿命、生命保険のカラクリ、
大地震が起きる確率、株の値動き、内閣支持率、
「ガチャ」のコンプリートといった身近な例を
使って、確率の考え方をわかりやすく説明します。

では、本書の中から、日常生活に現れる
確率の例を1つ紹介しましょう。

ある町のアパートには、A、B、C3つの部屋があり、
Aには男2人、Bには男1人と女1人、Cには女2人が
住んでいます。

ある日、このアパートの女の住人から、
近所のピザ屋に電話で注文が入りました。

その時に、一緒に住んでいると思われる男の声も、
電話の奥に聞こえました。

つまり、Bの部屋から注文があったのです。

このピザの配達を担当したのが、新人のK君。

K君は、アパートに来たところで、
男1人と女1人が住んでいる部屋がわからなく
なってしまいました。

運悪く、携帯電話も忘れてしまい、
店に確認の電話もできません。

そこで彼は、「間違ったら謝って別の部屋に
届ければいいや」と割りきって、山勘で1つの
部屋をノックしました。

この時、ノックして出てきたのは女の人でした。

K君がノックした部屋がピザを注文した
「男1人、女1人が住んでいる部屋」である確率は
いくらでしょうか?
(2人の住人がノックで出てくる割合は同じと仮定)

ここで通常考えられるのは、次の2パターンです。

<第一の考え>
玄関に出たのが女の場合は、ノックした部屋が、
BかCの2通りしかなく、その内、注文したのは
Bだから、当たる確率は1/2。

<第二の考え>
アパートに住んでいる女は全部で3人。
ノックして出てきたのは、この3人の内の誰かで、
注文したのは、Bの部屋の女なので、確率は1/3。

さて、本当に正しい考えはどちらでしょうか?

この本から何を活かすか?

どちらが正しいか判断する秘訣は、
確率の本来の意味を思い出すことにあります。

確率とは、偶然事象において、多数回の試行を
行った時に、該当する事象の相対頻度が
安定していく値のこと。

ここでは、仮にK君が300回同じ状況でノックを
繰り返した場合で考えてみます。

3つの部屋を平等にノックしたとすると、
A、B、C各部屋を100回ずつノックしたことに
なります。

ここで住人にも番号を振って区別できるように
しておきましょう。

    Aの住人:男1、男2
    Bの住人:男3、女1
    Cの住人:女2、女3

Bの部屋をノックするのは100回なので、
その内、女1が出てくるのは50回。

またCの部屋も100回ノックして、女2は50回、
女3も50回出てくることになります。

つまり、300回ノックを繰り返すと、
女が出てくるのは150回で、この内Bの部屋の
女1は50回出てきたことになりますから、
正しい確率は、50/150=1/3となります。

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| 数学 | 05:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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バイトを大事にする飲食店は必ず繁盛する リピーター獲得論

満足度★★★
付箋数:21

飲食業界で、繁盛店と呼ばれる売上の基準を
ご存知でしょうか?

ひと月の売上が、1坪20万円の売上で繁盛店と
呼ばれるそうです。

そんな業界においてエー・ピーカンパニーが経営する
居酒屋「宮崎県日南市塚田農場錦糸町店」は、
雑居ビルの中空階にあるも関わらず、
ひと月1坪35万円もの売上を何年も続けています。

50坪105席の店の年商は2億円以上。

「チェーン店なのに、待ってでも入りたい店」
と言われ、『ガイアの夜明け』や
『カンブリア宮殿』でも取り上げられました。

この錦糸町店だけが特別なのではなく、
居酒屋「塚田農場」のリピート率は平均で60%
にもなるそうです。

その人気の塚田農場を支えるのが、
「アルバイト」の従業員です。

  ・なぜ、塚田農場のアルバイトはやる気があるのか?
  ・アルバイトが楽しく自発的に働く理由は?
  ・どうしたら、アルバイトが辞めないのか?

テレビで取り上げられたため、
エー・ピーカンパニーにはこのような質問が
数多く寄せられました。

本書は、アルバイトのやる気を引き出して
躍進する、塚田農場の経営方法を明かす本。

著者は、エー・ピーカンパニー副社長の
大久保伸隆さん。

大久保さんは2007年4月に23歳で同社に入社し、
3ヶ月で塚田農場の店長になりました。

1年後に、先ほどの「錦糸町店」の新規立ち上げを
任され、同店を行列ができる繁盛店に育てました。

その後、2010年に事業部長、2011年に取締役、
2012年に常務取締役、2013年に東証一部に
上場してからは、副社長を務めています。

    「アルバイトは従業員であると同時に、お客さま
    である。そして、できるだけ多くのお客さまに
    感動してもらえる店をつくる。」

これが大久保さんが実践する繁盛店を作る秘訣です。

    「この本では、僕がどうやって従業員の満足度を
    上げたのか、また、具体的に何をやって
    リピート率を上げたのか。店長時代に編み出し、
    今も実践する、お客さまと従業員の両方の
    満足度を高める方法をすべてお伝えしたいと
    思います。」

塚田農場で、アルバイトのモチベーションを
上げている大きな要因は「リピート戦略」を
採用していることです。

通常、売上を上げ続けるには、できるだけ多くの
お客さまを呼び込み、たくさんのお金を使って
もらう努力をしなければなりません。

しかし、塚田農場が取り組んだのは、
目の前のお客さまを全力で感動させることでした。

料理と接客でお客さまの満足度を上げ、
再来店につなげることで、接客担当のアルバイトの
やりがいと売上の両方が上がります。

外で呼びこみをするのではなく、
来店しているお客さまに、いかに過ごしてもらい、
いかにお帰りいただくかをお客さま対応の
中心に据えたのです。

本書では、アルバイトを含めた従業員を育てる
マネジメント方法が紹介されていますが、
正直、ノウハウだけ真似ても、塚田農場と、
同じようにいかないと思います。

それを支える大久保さんのような、経営者側の
情熱があって、初めて機能する仕組みです。

本書は、大久保さんの熱い想いも伝わってくる
刺激的な一冊です。

この本から何を活かすか?

エー・ピーカンパニーでは、面接時に、
何のために働くのかをじっくり考えてもらい、
働く目的や人生の目標を重視する学生を
採用しています。

大久保さん自身は、「幸せになるため」に
働いているといいます。

仕事を通じて、人や世の中の役に立ち、
得たお金や経験や知識で、自分の周りの人を
幸せにするのが、大久保さんの目指す働き方。

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| 経営・戦略 | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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10年後に生き残る最強の勉強術

満足度★★★
付箋数:19

これからの時代、今までと同じように仕事を
していては、食べていけなくなるかもしれません。

企業から求められる人材になるためには、
他の人と代替のきかないスキルを身につけて、
差別化を図る必要があります。

では、10年後も生き残っていくためには、
どのようにスキルアップしていくべきなのか?

  「ビジネス力を高めるためのスキルアップに
  おいては、 “資格試験を活用して勉強すること” が
  最も効率的で体系的に学べるやり方です。
  つまり、会計を学びたいなら “簿記検定” などの
  会計系資格を勉強するのが早いし、法律を学びたい
  なら “ビジネス実務法務検定” などの法律系資格を
  勉強するのが効果的だということです。」

本書が提唱するのは、自分の持っているスキルを
証明したり、履歴書に箔をつけるための資格取得
ではなく、ビジネスで必要な知識を身につける
ために資格試験を活用する勉強法。

それが、スキルアップの手段としては、
最速・最短・ベストな「最強の勉強術」。

著者は、「All About」の「資格」ガイドで、
中小企業診断士・行政書士・天気予報士・
証券アナリストをはじめ450個以上もの資格を持つ
「資格マエストロ」の鈴木秀明さん。

鈴木さんは、もともと東京大学大学院卒という
高学歴な方ですが、これまで独学ですべての
資格を取得しました。

現在は、資格や勉強法の専門家として、
雑誌・テレビ・ラジオ等のメディアで活躍中です。

鈴木さんは、スキル向上のために資格試験を
活用するメリットとして、次の5つを挙げています。

  1. 何をどう勉強すべきかの指針となる
  2. レベル設定やベンチマークとして役立つ
  3. 「ただ専門書を読む」より「問題を解く」
   ほうが頭に入る
  4. 資格として形に残る、スキルを客観的に示せる
  5. 資格取得が自信につながる

こらから就職・転職することを考えた場合、
「資格マニア」は敬遠されやすく、好まれない
存在という話を聞いたこともあります。

この点について鈴木さんは、見せ方や、
アピールの問題であると説明します。

確かに、明確なビジョンもなく、ただ中途半端に
資格を取りまくっているだけなら、評価されない
かもしれません。

しかし、取得した資格についてビジョンや理由を
明確に語れるようにしておくと、
就職・転職市場でも、「向上心がある」ことや
「課題解決力がある」点は評価されるといいます。

また、鈴木さんのように、持っている資格の数が
半端ではなかったり、高レベルの資格をいくつか
持っていると、採用する側の評価も変わってきます。

本書では、25のビジネススキルを三択クイズ形式で
3つのレベルに分けて紹介します。

  ・生き残るために必要最低限なビジネススキル
  ・上に立つ人材になるために必要なスキル
  ・替えのきかない人材になるための最強スキル

三択クイズを解くことで、自分に馴染みのない
分野でも、どんな資格があって、その中で、
どの資格に照準を合わせて勉強すべきかが
示されています。

ところで、そんなに資格試験の勉強をして、
実務で本当に役立つのでしょうか?

この疑問について、鈴木さんは、次のように
回答しています。

  「細かい知識そのものは使わなくても、
  物事の概念や考え方の枠組みはいろいろな
  場面で応用できる」

  「自分自身が直接そのスキルを活かす仕事を
  するわけではなくても、その道の専門家や
  業者とやりとりするときに役立つ」

また、本人が自覚していないだけで、
実は役立っていることも多いようです。

この本から何を活かすか?

鈴木さんは、「忙しくて勉強する時間がない」と
言う人は、「勉強しない・できない」言い訳を
仕事のせいにしているだけと指摘します。

「忙しい」と言う人は、時間がないことが
問題ではなく、モチベーションの問題なのです。

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| 勉強法 | 04:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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英語の仕事術

満足度★★★
付箋数:21

  「私はグローバル・ビジネスの世界で働き続けて
  いますが、グローバル・ビジネスでの成功は、
  英語力がすべてではありません。
  英語がネイティブではなく、文法がめちゃくちゃで、
  語彙の数が限られていて、発音がわかりづらいにも
  かかわらず、成功しているビジネス・パーソンが
  かなりいます。彼らの成功の鍵は英語力と
  いうよりもコミュニケーション力でした。
  さまざまな人種、信条、価値観が存在する
  グローバル企業の現場では、コミュニケーションに
  長けていれば、英語が上手くなくても成果を
  上げることができるのです。」

本書は英語力をアップさせたり、
英語の勉強方法を解説する本ではありません。

英語力よりも、もっと大切なもの。
コミュニケーション力について書かれた本です。

著者はマッキンゼー・アンド・カンパニーで、
コミュニケーションマネージャーとして
活躍してきた岩田ヘレンさん。

日本人と結婚したため、姓が岩田さんに
なっているイギリス出身の方です。

現在は独立して「さすが!コミュニケーションズ」
を設立し、コミュニケーション・コーチとして
活動しています。

あなたは、上司に依頼されて、時間をかけて
仕上げた仕事が、実は上司の要望と違って、
やり直しになった経験はありませんか?

逆に、あなたが上司で、部下に詳しく指示した
はずの仕事が、ぜんぜんズレて出来上がって
きたことはありませんか?

期待された成果と、仕上がってくる成果の間に
大きなギャップが生じるのは、
ミスコミュニケーション(誤解)が原因です。

これは同じ日本人だけで仕事をしていても、
起こることですから、グローバルな環境で
仕事をする場合は、もっと起こりやすくなります。

さまざまなバックグラウンドの人と一緒に
仕事をする場面では、伝える方、聞く方共に
誤解のないように、コミュニケーションを取る
必要があります。

本書では、5つのシーンに分けて、誤解が生じない
コミュニケーションの方法を解説します。

  第1章 上手な聴き方、尋ね方
  第2章 英語プレゼンテーション
  第3章 電話会議
  第4章 グローバル会議をリードする
  第5章 コンフリクト

私が、本書で特に参考になったのが、
「電話会議」の方法です。

日本語で電話会議する場合でもそうですが、
相手の顔や反応が見えないと、やりにくいと
感じている方も多いはずです。

本書では、電話会議の前にやっておくこと、
会議中の作法、そして会議後にすべきことに
分けて解説されています。

電話会議の直前まで違う仕事でバタバタしていて、
準備なしに時間ギリギリに滑りこむようでは、
効果的な会議を行うことはできません。

事前に相手の情報を収集し、ポイントを整理して、
開始数分前にはダイヤルインします。

特に英語で会議をする場合は、この事前準備が
会議の成否を決めると言っても過言ではありません。

そして、会議が始まったら、
できるだけ早めに発言します。

他の人がまだ発言していないタイミングでは、
発言できるトピックも多く、存在感も示せます。

そして、何よりも一度発言した後は、緊張がほぐれ、
会議の内容に集中できるようになります。

発言するときには、いつも名乗るようにして、
簡潔に話すことも、電話会議でのポイントです。

この本から何を活かすか?

電話会議では、特に数字、例えば、
「forty」と「fourteen」などは、間違って
伝わらないよう配慮しなければなりません。

発音を明確にするだけでなく、念のため、
次のような言い方をするといいようです。

  「We introduced the new product to forty ―
  that's four zero ― existing clients in the
  last month.(我々は先月、40 ― ヨン、ゼロ ―
  の既存の顧客に対して、新製品を紹介しました)」

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| コミュニケーション | 09:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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知能はもっと上げられる

満足度★★★
付箋数:22

イギリスの心理学者レイモンド・キャッテルさんは、
人の知能を、「流動性知能」と「結晶性知能」とに
分類しました。

流動性知能とは、新しい場面への適応する能力で、
計算力、暗記力、思考力、集中力などを含みます。

結晶性知能とは、学校や社会生活の中で得た、
経験に基づいた知能で、いわゆる言語能力のことを
指します。

結晶性知能は経験を元にしているため、
60代ぐらいまで伸ばすことができます。

一方、流動性知能のピークは25歳ぐらいまでで、
それ以降は伸ばすことができないと、
長年信じられてきました。

ところが、2008年にスーザン・ヤーキさんと
マーティン・ブッシュクールさんという2人の
スイス人研究者は、あるトレーニングによって、
ワーキングメモリだけでなく流動性知能も
向上することを「米国科学アカデミー紀要」に
発表しました。

そのトレーニングとは「Nバック課題」と呼ばれる
コンピューターゲームで、アルファベットが
順番に示されて、同じアルファベットが示されたら
反応するというゲームです。

  「100年に及ぶ科学研究によって、流動性知能は
  トレーニングで鍛えられるものではないと
  されてきた。ところがヤーキとブッシュクールの
  研究では、Nバック課題を4週間行っただけで、
  その学生の流動性知能に関するスコアが、
  平均40%も向上したのだ。」

本書はトレーニングで向上させられるという
流動性知能について、実際にどんなトレーニングで、
どの程度、効果があるのかを試すレポートです。

著者はニューヨークタイムズやワシントンポスト
などで活躍する米科学ジャーナリストの
ダン・ハーリーさん。

ハリーさんは、Nバック課題以外にも、
これまで頭が良くなると言われてきた脳トレや、
食品まで体を張って試して検証します。

また知能向上の効果については、肯定派と懐疑派の
論争が続いているようで、その両派の意見や、
最新の知能向上の科学についてもレポートします。

  はじめに 知能を上げる科学
  第1章 脳の作業空間を拡張する
  第2章 知能をどう測るか
  第3章 本当に効く脳トレとは?
  第4章 よく知られた方法を検証する
  第5章 頭をよくする薬と帽子
  第6章 さあ、脳の訓練を始めよう!
  第7章 あなたはマウスより賢いか
  第8章 知能向上の懐疑派たち
  第9章 アルジャーノンが現実に
  第10章 タイタンの戦い
  第11章 最後の試験

それで、ハーリーさんが様々なトレーニングに
チャレンジした結果はどうったのか?

  「すべてを合わせた得点は、絶対値で3%
  上がっている。(中略)
  相対的にみると、私の全体の成績は6%上昇
  している。流動性知能の、唯一にして最高の
  尺度と言われるレーヴンでは、相対的には16.4%
  の上昇である。」

ハーリーさんが行ったトレーニングは、
かなり過酷なものだったので、この結果を
どう見るかは判断の別れるところです。

しかし、ハリーさん自身はこのテスト結果よりも、
トレーニングに挑んだことに意味を見出しています。

  「トレーニングから学んだ重大なことの1つは、
  自分の苦手な作業を無理にでもすることだった。
  それで私は自分を縛っていたものから解放され、
  とても刺激を受けた。」

この本から何を活かすか?

ハリーさんは、高IQ団体「メンサ」の入会テストを
結果検証のために受けています。

メンサでは、知能はあまり変化しないという前提で、
同じ人が2回入会テストを受けることを
認めていません。

しかし、ハリーさんはジャーナリスト魂(?)を
発揮し、友人の身分証明を借りて替え玉受験まで
本書のためにやっていました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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影響力の心理

満足度★★★
付箋数:23

  「本書は、人間関係におけるストレスをなくし、
  その場の流れを自分の望む方向に導くことのできる
   “影響力” について書いた本です。(中略)
  心理の本というと、人を説得したり、思い通りに
  操作するためのさまざまな本がありますが、
  本書はそうした本とは違います。この本であなたが
  学ぶ人間心理は、人の無意識のレベルに影響を
  与えるものです。」

本書は、世界14カ国で刊行されたベストセラー。

著者は、スウェーデンのメンタリスト、
ヘンリック・フェキセウスさんです。

フェキセウスさんは、「影響力」を及ぼすための
60個のテクニックを4つのグループに分けて
本書で紹介します。

本書で「影響力」は、次のように定義されています。

  1. 影響力の心理テクニックは、あなたに強力な
   パワーを与えるとともに、どんな状況でも他者に
   支配されないためのものです。

  2. 影響力の特徴とは、それを最大限に発揮すると、
   周囲があなたを勝たせようとしてくれることです。
   あなたは、上司やライバルよりも、ずっと楽しく、
   争いのない平和な人生を送ることになるでしょう。

メンタリストと聞くと、ビジネスパーソンが読む本
としてはどうなのかと思うかもしれませんが、
本書で紹介されるテクニックは怪しいものではなく、
かなりビジネスや日常生活のコミュニケーションで
使えそうなものばかりです。

それは、次の2つの原則に基づいたテクニックが
紹介されているからです。

第一に、日々のコミュニケーションにおいて、
相手の思考や行動に影響を与える方法をしっかりと
理解すること。

第二に、どのように影響するものであれ、
影響力とは、他者に敬意を持ち、他者を自分と同じ
くらい大切に考えているときこそ、より効果が
上がると知っておくこと。

ですから、本書で紹介されるテクニックは、
相手を陥れたり、騙すためのものではありません。

私がすぐに使ってみたいと思ったテクニックは、
相手の仕草から「NO」を読み取る方法。

言葉ではハッキリNOと言わなくても、
もし、その兆しが仕草から読み取れたなら、
会話を軌道修正できるかもしれません。

交渉の相手がネガティブな仕草を見せたなら、
提案が十分ではなっかたというサインです。

もっと気に入ってもらえるように、
プラスの提案を考えなければなりません。

  ・鼻や首、腕などを、突然、掻き始める
  ・両手で鼻、首、腕などを触り始める
  ・ペンをカチカチ鳴らす
  ・両足または片足を前後に動かし始める
  ・何度も椅子に座り直す
  ・唇を真一文字に結ぶ

これらの動作はネガティブな気持ちを表していて、
ナーバスになればなるほど、居心地の悪さを抱え、
無意識に出てしまうようです。

ちなみに、掻き始めたり、触り始めたりするのは、
タッチすることで神経の末端を刺激して、
ストレスホルモンの分泌を抑えるため。

男性は顔を触ることが多く、
女性は首を触ることが多いようです。

いずれにせよ、この動作が出始めたら、
不安を抱えた心理状態であるため、
その先の会話や交渉には注意を払う必要が
ありそうです。

本書には、相手に気づかれずに使える
心理テクニックが多く紹介されていますから、
ビジネスでも活用できるシーンが多いと思います。

この本から何を活かすか?

  「言葉で人に影響をもたらすためには、
  言葉をたくさん知っていることが不可欠だ。
  語彙の豊かさは、人間関係の豊かさに直結している。
  語彙が豊かな人はクリエイティブで知的だと
  見なされ、就職や昇進もしやすく、たいていの場合、
  人より真面目に話を聞いてもらいやすい。」

本書で増やすことが推奨されている語彙は、
全く聞いたこともない新しい単語ではありません。

増やす語彙は、馴染みのある言葉の「類語」。

「類語」をコツコツと調べて、いつもの表現に変えて、
毎日1個でも使ってみるといいようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| コミュニケーション | 08:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット)

満足度★★★★
付箋数:25

男女10対10の「婚活パーティー」で、
後悔しないようにパートナーを選ぶには、
どのような選び方をしたらいいのでしょうか?

実は、このパートナー選びについては、
経済学の論文で最適な方法が示されれています。

選び方の手順は次の通り。

最初に男性全員が第一希望の女性に対して
一斉にプロポーズします。

このとき、複数の男性からプロポーズを受けた
女性は、その中で最も好みの男性をキープします。

1人の男性からプロポーズを受けた女性も、
その男性をキープすることができます。

誰からもプロポーズを受けなかった女性は、
第二希望のプロポーズが来るのを待ちます。

次に、第一希望が通らなかった男性のみ、
第二希望の女性にプロポーズします。

ここでプロポーズできる対象の女性は全員です。

つまり、第一希望のプロポーズを受けて、
男性をキープしている女性に対しても、
第二希望でプロポーズできるものとします。

同様にして、希望の通らなかった男性だけが、
第三希望、第四希望と繰り返しプロポーズします。

女性側は、プロポーズしてきた男性をキープ
しているだけなので、最後まで好みの男性からの
プロポーズを待つことができます。

この婚活パーティーの最大のポイントは、
プロポーズを受け入れるのはあくまで暫定的で、
最後までその決定を保留しておくことにあります。

この方式を「受け入れ保留方式」と呼びます。

「受け入れ保留方式」を婚活パーティーで使うと、
どんなに好みが重なったり、別れようとも、
最適のマッチングができるようになります。

このマッチングをアルゴリズムとして示したのが、
米経済学者・数学者のデイヴィッド・ゲールさんと
ロイド・シャープレーさんです。
(ゲール-シャプレイ アルゴリズム)

そして、このアルゴリズムを「研修医のマッチング
制度」として実用化したのが、本書の著者である
アルヴィン・ロスさんです。

シャープレーさんとロスさんは、2012年に
「安定配分理論と市場設計の実践」の功績で
ノーベル経済学賞を受賞しました。
(ゲールさんは2008年に亡くなっていたため、
受賞していません)

本書は、ノーベル経済学賞受賞の経済学者、
アルヴィン・ロスさんによるマッチング理論の
入門書です。

  「マッチングとは、私たちが人生のなかで、
  自分が選ぶだけでなく、自分も相手に選ばれ
  なければ得られない多くのものを手に入れる
  方法を指す経済用語だ。
  イェール大学やグーグルに対して、
   “いまから入学します” とか “これから働きに
  いきます” と一方的に宣言してもどうにもならない。
  またイェール大学もグーグルも、誰が入ってくる
  かを決めることはできない。
  結婚相手を勝手に選べないのと同じで、
  自分が相手を選ぶだけでなく、選んだ相手によって
  自分も選ばれる必要があるのだ。」

かつての経済理論では、市場のメカニズムは、
「需要」と「供給」が一致するように、
「価格」は調整されるものとされてきました。

しかし、現実の社会では価格で調整されないものが
たくさんあります。

最初の婚活パーティーの例もそうですし、
臓器移植、企業への就職や、大学への進学など、
「お金」では買えないものがあるのです。

こういったマーケットで必要なのは、
最適で効率的なマッチング(組み合わせ)です。

本書では、マッチング理論と現実の社会で機能する
マッチメイキングの制度(マーケットデザイン)
についてわかりやすく解説します。

この本から何を活かすか?

アメリカの医師は、NRMP(全国研修医マッチング
プログラム)によって、医師としての最初の仕事を
得ています。

このアルゴリズムを1990年代半ばに再設計したのが、
本書の著者、ロスさんです。

今では、毎年、2万人を超える医師が、
NRMPを使って約4000もの研修プログラムに
割り当てられています。

このプログラムは、日本の研修医のマッチングにも
使われているそうです。

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| 経済・行動経済学 | 08:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。

満足度★★★
付箋数:24

かつて、『日本人の9割に英語はいらない
という本を執筆した元日本マイクロソフト社長の
成毛眞さん。

ほとんどの日本人に「英語はいらない」
という考は変わりません。

本書は、英語がどうしても必要になった
「1割の日本人」に向けに書かれた本です。

そして、本書で解説されるのは英語の
「勉強法」ではなく、あくまで「練習法」です。

なぜなら、英語はビジネスをするための
「ツール」に過ぎないからです。

成毛さんは、大学卒業後、自動車部品メーカーに、
勤めていましたが、雑誌を作ってみたいと思い、
アスキー出版へ転職しました。

しかし、転職した初日にその子会社である
「アスキー・マイクロソフト」への出向を
命じられます。

これが、後の日本マイクロソフト社です。

当時のアスキー・マイクロソフトは、
まだまだ小さな会社で、米国本社で会議があると、
入ったばかりの成毛さんが、出張しなければ
ならなかったそうです。

その本社で議論することになった相手が、
あのビル・ゲイツさんだったのです。

それまで英語が話せなかった成毛さんが、
転職して1週間で、突然、英語を使わざるを得ない
状況に陥ってしまったのです。

本書では、そんな追い詰められた成毛さんが
編み出した、効率的な英語練習法を紹介します。

  ・仕方なく英語を身につけなくてはならなくなった
  ・でも、英語に時間をかけたくない
  ・とはいえ、外国人はもとより、日本人の前でも
  臆せずに英語を話せるようになりたい

このような要望がある人にピッタリの本です。

本書で貫かれているのは、目標達成のために、
徹底的に「手抜き」の道を探ること。

ラクして目標に近づくために、何が必要で、
何が無駄かを見極め、コツコツとした努力を
しないために、どんな努力も惜しみません。

そんな成毛式英語練習法の極意は次の通りです。

 1.  “文法通り” にこだわらない
  フォーマルな場でなければ、日本人が日本語を
  話すときにも、文法通りに話してはいません。
  英語も文法にこだわり過ぎずに、中高6年間の
  蓄積で十分と考えます。

 2. それっぽく話したい
  必要なのは習った英語をそれっぽく話す練習。
  日本人らしい英語より、それっぽい英語のほうが、
  日本人の前でも堂々と話せます。

 3. なるべく暗記も減らしたい
  名詞を中心に一定の単語は覚えますが、
  あまり使い道のない単語は覚えません。
  使い回しのいい単語を使って、
  なんとか表現することを考えます。

ちなみに、それっぽく英語を話すためには、
「目標とする人」を決めて、その人のマネを
するのが一番です。

成毛さんがマネすることを決めたのは、
当時、最も英語で話す機会が多かった
ビル・ゲイツさんでした。

特に、具体的な目標人物が思い当たらない方は、
クリントン政権時代に副大統領だった
「アル・ゴアさんのような英語」を目指すのが
オススメのようです。

ゴアさんの英語は、変な癖がなく上品で、
講演などの映像が、Youtubeなどネット上に
多く残っていることがオススメのポイントです。

成毛さんが本書で教える練習法は極めて合理的。

特に、夏休みの宿題を8月31日から始めていた
切羽詰まったタイプの人とは相性がいい。

逆に、英語の勉強が好きで、英語を極めたい
という方には、本書は合いません。

この本から何を活かすか?

  「話したいことがあるとき、頭の中ですべき
  ことは “和英変換” でも “翻訳” でもありません。
   “統合” です。」

言いたいことを英語に直訳しようとすると、
単語が出てこなかたりして、歯がゆい思いをします。

言いたいことが英語で出てこないときには、
自分は何を言いたいのかを改めて頭の中で確認し、
知っている単語や表現を使って言い換えることを
成毛さんは「統合」と表現しています。

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| 勉強法 | 08:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ部下とうまくいかないのか

満足度★★★★
付箋数:26

    「さっそくですが、皆さんに質問があります。

    ・なぜ人と組織はなかなか変われないのでしょうか?
    ・どうしたら人と組織は変わっていくのでしょうか?
    ・人はどのように成長して、どうしたらより成長
    できるのでしょうか?

    これらの質問に対して、皆さんであればどのように
    答えますか。
    また、企業人としての、さらには一人の人間としての
    ご自身の今の成長をどのように捉えていますか?
    部下を持っている方であれば、部下の成長を
    どのように支援していますか。
    それらの問いや課題に対して、ヒントと行動指針を
    提供してくれるのが、発達心理学の一分野である
     “成人発達理論” です。」

本書は、「成人以降も私たちの知性は成長・進化
し続ける」とする「成人発達理論」の入門書。

著者は、人材開発コンサルタントの加藤洋平さん。

加藤さんは、米ハーバード大で、成人教育の権威
ロバート・キーガンさんとリサ・レイヒーさんの
下で、自己変革・組織改革モデルを学び、
成人発達理論の大家オットー・ラスキーさんに
師事しました。

本書では、ロバート・キーガンさんの発達理論を
中心に、部下と組織を率いるリーダーとしての
「器」や「人間力」と呼ばれるものが、
どのように成長を遂げるかについて、
2人の登場人物の対話を通じて学びます。

主人公は、日本の大手製造業に勤務し、
開発部で課長を務める山口光さん45歳。

山口さんは、会社の人事評価で
「部下とのコミュニケーション能力の向上」と
「人間としてのさらなる向上」が必要であることを
指摘されました。

自分でも停滞していると自覚はあるものの、
どうしたら変わることができるのか、
皆目見当がつかず、鬱憤晴らしのために
銀座のワインバーで、1人ワインを飲んでいました。

そのバーにたまたま居合わせて、山口さんに
声をかけたのが、人材開発コンサルタントの
室積敏正さんです。

ワインがきっかけで、話を始めた2人ですが、
室積さんは、山口さんが部下の指導で
悩んでいることを聞き、相談に乗りはじめます。

その中で活用されたのが、「成人発達理論」。

この理論によって、心が成長し、視野が拡大すれば、
部下や自分自身に関する悩みが解決されるかも
しれないと考え、山口さんは、室積さんと会って、
定期的にコーチングを受けることにします。

成人発達理論では、5つの意識段階があると考えます。

発達段階1は、具体的思考段階と呼ばれ、
抽象的概念を扱うことができない成人以前の段階。

発達段階2は、道具主義的段階と呼ばれ、
極めて自己中心的な認識の枠組みを持っている段階。

成人の約10%がこの段階にいます。

発達段階3は、他者依存段階と呼ばれ、
組織や集団に従属し、他者に依存する形で意思決定
するのが特徴です。

この段階は成人の約70%に見られます。

発達段階4は、自己主導段階と呼ばれ、
自分なりの価値観や意思決定基準を設けることが
でき、自律的に行動できるようになります。

この段階は成人の約20%。

最後の発達段階5は、自己変容・相互発達段階と
呼ばれ、自分の価値観や意見にとらわれることなく、
多様な価値観や意見などを汲みとって意思決定が
できるようになります。

この段階は成人の1%にも満たないようです。

意識段階が高くなるほど、物事を広く深く
捉えることができるようになります。

また、自分より上の意識段階のことは
理解できない特徴があります。

本書で山口さんは、様々な意識段階にいる部下の
指導方法ついて室積さんからコーチングを受け、
同時に山口さん自身も成長します。

会話形式で話が進み、非常にわかりやすく、
成人発達理論について学ぶことができます。

この本から何を活かすか?

無理に成長・発達を促そうとすると、
どこかで成長が止まってしまうことが
心理学の長年の調査で分かっています。

これを「ピアジェ効果」と呼びます。

早期英語教育された子どもは、20歳を過ぎてから、
成長が止まってしまうことが多いようです。

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| 組織・社内教育・コーチング | 08:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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