活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2016年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年05月

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世界の最も野心的なビジネスエリートがしている 一流の頭脳の磨き方

満足度★★★
付箋数:24

世の中には、圧倒的なスピードで質の高い
仕事をしていたり、次々と画期的なサービスや
ヒット商品を生み出す人たちがいます。

彼らは、一般のビジネスパーソンと何が違うのか?

  「その理由を突き詰めて考えてみると、そもそも
   “インプットの質と量が違う” ということに
  気づかされる。インプットが人と変わらなければ、
  アウトプットにも限界がある。事実、生産性の高い
  ビジネスパーソンと話してみても、知識量が
  抜きんでていることが多い。勤務中にどれだけ
  質の高いパフォーマンスを続けるかも当然大事だが、
  その質を生んでいるのは、仕事時間以外での
  インプット、すなわち “勉強の質と量” なのだ。」

では、どのようにして、「勉強の質と量」を
高めていくのか?

この質問に対して、本書が提示する答えが、
「EMBA」での学びです。

EMBAとは、エグゼクティブMBAのことで、
フルタイムMBAと違い、エグゼクティブや
創業社長などが通うパートタイムMBAプログラム。

本書の著者、山崎裕二さんと岡田美紀子さんは
UCLA-NUS EMBAの卒業生です。

このEMBAは、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校
(UCLA)とシンガポール国立大学(NUS)が
共同で行っているプログラムで、EMBAとしては、
「世界のトップ5」に入ると言われています。

2014年の12月に、山崎さんと岡田さんは、
UCLA-NUSの同窓生で集まり、議論したときに、
次のようなアイディアが浮かんだそうです。

  「私たちの学びを一人でも多くの人に知って
  もらえば、いまの不確実かつグローバル化の
  時代を生き抜く人たちにとって成功するための
  ヒントになるのではないか?」

そのアイディアを形にしたのが、本書です。

お二人は、UCLA-NUSだけでなく、シカゴやケロッグ
などのEMBAの卒業生・現役生にもインタビューを
重ね、EMBAでの学びを本書にまとめました。

EMBAはエグゼクティブや創業社長などが
仕事を辞めずに、働きながら学ぶわけですから、
ビジネスに直結する実践的な内容のプログラムに
なっています。

そのEMBAのプログラムを学ぶことこそが、
「勉強の質と量」を高める最適な方法であると、
考えたわけです。

  序章 「最速で結果につなげる思考」をつくる
  第1章 「あらゆる相手」を動かす方法を学ぶ
  第2章 「絶対に負けない交渉法」を頭に
     インプットする
  第3章 「不毛な消耗戦」から抜け出す発想をつかむ
  第4章 「勝つ方法」のすべてを頭に叩き込む
  第5章 「世界視点」で考える

例えば、プレゼンテーションで考えることも
かなり実践的で生々しいことです。

結局それで「カネを集められるか」どうかが
プレゼンの成否。

そのためには、次の2点を押さえておく
必要があります。

  ・決断する立場の人の「置かれている状況」
  ・決断する立場の人が「知りたがっていること」

まずは、相手のレベルが上げれば上がるほど、
次々と決断をしていかなければなりませんから、
短時間で要点を伝えるプレゼンが求められます。

そして、決断者が知りたいことである、
「いかに速く儲けられるのか?」、「どれだけ
ユニークなのか?」、「本当に実現できるのか?」
の3点に絞ってプレゼンをします。

本書では、このように「いかに人を動かすか」
という視点が常に意識されています。

この本から何を活かすか?

あなたは、転職時の給与交渉でどの程度の
希望金額を言って交渉しますか?

  1. 前職の給与とほぼおなじ金額で交渉する
  2. 前職の給与より高い金額で交渉する
  3. 自分からは金額を言わず相手からの提案を待つ

EMBAの卒業生の回答は、ほぼ全員が「2」番。

インド人やシンガポール人などは、
最初から前職の給与より1.5倍から2倍の金額で
希望を出す人が多いようです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 09:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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脳はなにげに不公平

満足度★★★
付箋数:25

神経の可塑性を研究することで、脳の健康や老化
について探求している、東京大学薬学部教授の
池谷裕二さん。

本書は最先端の科学論文をわかりやすく
噛み砕き、池谷さんの解釈を加えて紹介する
脳に関するエッセイ集です。

池谷さんは、毎日、新しく公開された論文を
100報ほどチェックするのが日課となっています。

そこまで多くの論文をチェックするのは、
仕事で使うというよりも、最先端の科学情報を
知ることが、池谷さんの知的好奇心を満たすから。

しかし、この最新の論文チェックで、
池谷さんの脳をもっと刺激することがあります。

それは、思わず人に伝えたくなるような、
面白い情報に出会ったときに、
それを自分から人に伝えること。

実は、本書のようなエッセイを書くことは、
池谷さんにとって、仕入れた面白いネタを
人に話してスッキリしたい欲望のはけ口なのです。

なぜ、人は面白い情報を人に伝えたいのか?

ミシガン大学のフォーク博士らは、
この疑問に答えるために、ある実験を行いました。

短いバラエティ番組を24種類用意して、
被験者にその番組を見せます。

被験者には「感動したか」、「よい番組だったか」、
「人に教えたくなったか」の3つの観点で
評価してもらい、同時に見ているときの脳活動を
測定しました。

3つの質問は似ているようで、異なります。

感動したからといって、よい番組だとは限らないし、
よい番組だからといって、人に伝えたくなる
わけでもありません。

実験の結果、それぞれの評価で脳の活動パターンが
異なることがわかりました。

「感動した」と評価したときには、主に前頭葉が
活性化しました。

「よい番組」と評価したときには、側頭葉と
頭頂葉の境界が活性化しました。

そして、「人に教えたくなる」と評価したときには、
両方の領域に加え、報酬回路も活性化しました。

この報酬回路が作動したときは、
「自分だけのものにしておくのはもったいない」、
「私はこんな秘話を手に入れた」と考え、
他人と情報を共有することで、
「快感」を得ているのです。

つまり、とっておきの話を人に伝えたいと思うのは、
相手を思いやってのことではなく、
あくまで自分が快楽を得るための行為なのです。

ツイッターの「リツイート」機能なども、
この快楽を得たいという気持ちを利用したもの。

ですから、本書のようなエッセイ本で、
最先端のとっておきの話を語ることは、
池谷さん自身にとって快感を得る行為なのです。

本書は、週刊朝日の2012年1月6-13日号から
2013年7月26日号に連載エッセイとして
掲載された、「パテカトルの万脳薬」を
再編集したもの。

選りすぐり62本が、まとめられています。

各エッセイには、必ず論文として発表された
科学的根拠がありますが、軽めの文体で、
そういった難しさを感じさせない、
非常に読みやすいエッセイになっています。

ちなみに、「パテカトル」とは、
アステカ文明の神話に登場する神の名前です。

酒の神、ひいては「薬」をつかさどる神として
古代メキシコで崇められた謎めいた存在で、
池谷さんお気に入りの古代神。

本書を読んだ後は、きっとあなたも
仕入れた面白い情報を誰かに話して、
快感を得たくなるはずです。

この本から何を活かすか?

  最も簡単に記憶力を上げる方法

米モントクレア州立大学のプロッパー博士らの
研究によると「手を拳にしてギュッと握る」
だけで記憶力が18%アップすることがわかりました。

手を握るだけなので、非常に簡単ですが、
少しだけコツがあります。

覚える前に「右手」を握りしめて、
思い出すときには「左手」を握りしめます。

この「右手→左手」の順番が非常に大事で、
脳半球の機能が左右で異なることに関連しています。

順番を間違えると逆に何もしないときより、
記憶力が下がってしまうので要注意です。

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ひらめき教室

満足度★★★
付箋数:20

 松井 こんにちは。
 佐藤 こんにちは。お久しぶりです・・・
   ではないですね。結構会ってますもんね。
 松井 番組で対談してから、大体、月一ぐらいの
   ペースで。もう四、五回は会いましたっけ。
 佐藤 初対面が番組の対談だったので、それ以降
   に食事しても、何となく対談風の座り方に
   なりますよね(笑)。
 松井 同席していた人に、「番組の続編だね」
   って言われました(笑)。

本書は400ものプロジェクトを同時に進める
世界的なデザイナーの佐藤オオキさんと、
TVアニメ化、実写映画化もされ大ヒットした漫画
暗殺教室』の作者、松井優征さんの対談本。

お二人は、2015年にNHK・Eテレの番組
「SWITCHインタビュー達人達」の対談がきっかけで
知り合いになりました。

本書はその番組の対談と、放送時間の都合上、
カットした部分、更に9ヶ月後にあらためて
行われた対談を再構成したものです。

初めて会う二人が対談するわけですから、
波長が合う場合もあれば、そうでない場合も
あります。

佐藤さんと松井さんの対談では、
完全に波長が合って意気投合しました。

  「自分で言うのもおかしな話なのですが、
  この対談が初対面とは思えないぐらい、
  噛み合ったのです。 “友達が少ない”
   “親がきびしかった” などの共通点が多く、
  お互い似ているなという感触をつかんだ後は、
  一気呵成。話題が仕事のことに及ぶや、
  言っていることがほぼツーカーで伝わりました。」

松井さんは、お二人が初めて会ったときのことを
このように思い返しています。

一方、佐藤さんは「ものづくり」について話す
お二人の関係を次のように表現しています。

  「そんな異業種の二人の間で、今、おもしろい
  関係が生まれていることを実感しています。
  喩えて言うなら、ボクシングのスパーリング
  でしょうか。本気で殴りあったりはしないものの、
  拳を交わすことでお互いを高め合う・・・。」

クリエイターとデザイナーという立場は違いますが、
創作活動をすることにおいて、お二人は共通した
考えをもっていることがわかります。

その中で面白かったのは、自分の弱点を一度
認めることで、強くなることです。

 松井 楽できるところは相応に楽をして、
   注力するときは注力して、という姿勢が肝心
   ですよね。
   そういう意味では「自分に大した才能がない」
   が、僕の漫画家としての基本戦略なんです。
 佐藤 まったく一緒です。それは早い段階から
   そうでしたか?
 松井 新人のころからですね。(中略)
   自分の才能のなさ、弱点を認めた人は
   本当に強いですよ。(中略)
 佐藤 そういえば『暗殺教室』も、「弱者戦略」が
   大きなテーマになっていません?
 松井 そうなんです。暗殺も、弱い者が強い者を
   倒すための戦略なんですよね。

実は松井さんも佐藤さんも、「絵が上手くない」
という自分の弱点を認めているからこそ、
ストーリーやコンセプトなどで、他に負けない
ものを生み出すことができているようです。

他にも、クライアントの問題を解決しようと
するときに、マーケティングの視点とデザインの
視点では違うという佐藤さんの話しが、
なかなか興味深かったです。

マーケティングは過去の延長線上に未来を見て、
デザインではポーンと先に未来を見てから、
今の課題を見つけるようです。

この本から何を活かすか?

週刊少年ジャンプに2012年から連載されていた
暗殺教室』が第180話をもって終了しました。

実は、松井さんは第1話の段階から、
最終回の内容を決めて、
計画的にストーリーを進めていました。

毎週1つずつの作品ではなく、全部を通じて
1つの作品という意識で連載していたようです。

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| 仕事論 | 06:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あれか、これか

満足度★★★★
付箋数:28

ダイヤモンド社の藤田さんから献本いただきましたが、
この本を書店で見つけ、少しでもページを開いたなら、
私は間違いなく買っていたと思います。

ありがとうございます。

  「僕たちの人生は、選択の連続だ。
   “選ぶことが人生だ” と言ってもいい。(中略)
  選択とは価値判断だ。僕たちはいつも
   “最も価値がある≒最も得をする” と思ったものを
  選んでいるはずだ(少なくとも理論的には…)。
  今日のあなたは、昨日までのあなたが下した
  価値判断の結果にほかならない。
  だとすれば、悔いのない人生を送るために、
  僕たちにできることはたった1つ ― 。
   “値打ち” を正しく見抜くことだ。
  本書で僕がお伝えしたいのは、本当の価値を見抜き、
  正しい選択をするために人類が生み出した
  究極の実学・ファイナンス理論の考え方である。」

本書は、あまり専門的になり過ぎずに、
人生の役立つ部分を題材として扱った
ファイナンスの入門書です。

著者は企業価値評価のスペシャリストの
野口真人さん。

これまで2500件以上の企業評価を行い、
グロービス経営大学院で10年以上にわたり
ファイナンス基礎講座を教えている方です。

本書ではクイズ形式で問題を出題しながら、
最強の実践的学問であるファイナンスを学びます。

では、本書の中から1問。

あなたは亡き父の財産を相続することになりました。

相続人はあなたと妹の2人だけで、
相続財産は預金2000万円と2つの不動産。

1つは築20年の中古マンションで、
もう1つは新築のマンションです。

どちらも1室のみの所有で、中古、新築とも
月25万円の家賃収入があります。

ここで妹が次のような提案をしてきました。

  「実はちょっとお金に困ってて・・・。
  不動産については中古マンションのほうで
  いいから、現金2000万円は全額、
  アタシに相続させてくれない?」

あなたが、そんな不公平なことがあるかと、
口を開きかけたところ、こんな話をしてきました。

  「考えてもみてよ。たしかにどちらも月25万円の
  家賃だから、年間のキャッシュフローは
  300万円(=25万円×12ヶ月)よ。
  でも、新築のマンションの耐用年数は50年以上と
  言われているから、中古のマンションより
  20年は多く稼げるでしょ? ってことは、
  新しいマンションのほうが6000万円
  (=300万円×20年)は価値が高いってこと。
  アタシだって本当は新築マンションのほうがいいわ。
  でも、とにかくいまはお金が必要なの。
  だから、中古マンションで我慢する分、
  2000万円はアタシに相続させてよ」

シンプルにするために相続税は考慮しません。

さて、兄妹の情は別にして、損得で考えた場合、
あなたは妹の申し出に乗るべきでしょうか?

実は、この妹が使った理屈は、
ファイナンス初心者をダマす典型的な手口です。

あなたは、妹のペテンを見破れますか?

ここで一番大切なのは、将来の300万円と
現在の300万円は価値が違うということです。

例えば、預金金利は6%だった場合、
複利計算をすると現在の300万円は10年後、
537万円(=300万×1.06の10乗)になります。

逆に考えると、10年後の300万円は、
現在ではもっと低い価値のはずです。

300万÷1.06の10乗で計算してみると、
現在の168万円が10年後の300万円と
同じ価値ということになります。

このように将来受け取る予定のお金は、
現在ではどの程度の価値を持つかを割り引いて
(割引現在価値)比べなければなりません。

つまり、妹の話には、10年後でも50年後でも
年間の家賃収入300万円を現在の300万円として
計算しているところにペテンがあるのです。

本当は、将来のキャッシュフローを現在価値に
引き直してから全て足さなければ、
比べることができないのです(DCF法)。

ちなみに金利6%でDCF法を使って正味現在価値を
計算すると、新築マンションは4729万円、
中古マンションは4129万円となり、
その差はわずか600万円程度に過ぎません。

この本から何を活かすか?

「オプション取引」とは、あらかじめ決められた
期間や期限に、ある資産を一定の価格で取引する
「権利」の取引です。

こう説明されると難しく聞こえますが、
実は世の中は「オプション取引」に満ちています。

これも本書からの問題です。

次のうち、オプション取引でないものは
いくつありますか?

 1. 超人気のレストランのフルコースを
  1年後の記念日に予約した
 2. 1等3億円の当たる年末ジャンボ宝くじを購入
 3. 家族の将来に備え、生命保険に加入した
 4. 1ヶ月後に仕立て上がるスーツを代金後払いで
  注文した

本書は買って損のない本ですから、
是非、正解は、本書を手にとってお確かめください。

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 12:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?

満足度★★★
付箋数:24

本書は「ドローン(Drone)」についての本ですが、
ドローンが何なのかを詳細に語る本ではありません。

高城剛さんが語るのは「未来」です。

ここで、「なぜ、ドローンなの?」と思う人と、
「やっぱり、ドローンだよね」と思う人に、
反応が大きく別れます。

ちなみに、ドローンとはUAV(Unmanned Aerial
Vehicle)とも呼ばれる無人航空機。

回転翼が少なくとも3つ以上ついていて、
大きさは10センチ程度のものから30メートル程度の
ものまであります。

ニュースなどでも話題になっていたので、
今では小学生から高齢者まで、
その名を聞いたことがあるでしょう。

「あのラジコンみたいなヤツね」とオモチャとして
認識した方は、「なぜ、ドローン?」なのか、
さっぱり理解できないかもしれません。

また、ドローンが宅配便や、危険な場所での
点検作業、農業への活用などが期待されている
ことをニュースで知っている方でも、
「ドローンで未来が変わるって大袈裟じゃない?」
と思うかもしれません。

しかし、高城さんはIT革命の次に来るのは、
「ドローン革命」だと言います。

  「これまで世界には、技術革新の波が何度か
  訪れている。200年前に起きた産業革命をはじめ、
  自動車やコンピュータの登場、IT革命などが、
  世の中をガラリと変えてきた。
  そして次に来るのは、ドローンを中心とした
  ロボティクス革命だ。(中略)
   “空の産業革命” であるドローンは、今までに
  なかった “重力への挑戦” だ。僕自身はその到来を
  信じて疑わない。また、クリス・アンダーソンを
  はじめとする世界的なIT識者たちも同様に
  考えており、どうやら世界はそれに向かって
  静かに、しかしスピーディーに進んでいる。」

高城さんの言うドローン革命を理解するには、
「インターネットの延長線上にないドローン」と
「インターネットの延長線上にあるドローン」の
2つに分けて考える必要があります。

これはインターネットに接続されていないPCと
接続されているPCぐらいに大きく違います。

外から見て同じでも、ネットに繋がっているか
どうかで、まったくの別物になります。

これはドローンについても同じ。

今、多くの人が空撮などに使っているのは、
ネットの延長線上にないドローンです。

これに対して、ネットの延長線上にあるドローン
とは、誰かがコントローラーを操作して飛ばす
ものではなく、基本的に自律飛行します。

そして、ネットの延長線上にあるドローンは
「現実世界のサーチエンジン」という未来を
つくる可能性を秘めています。

街中をたくさんのドローンが自律飛行する
社会がやってきたと想像してみてください。

「新宿三丁目にいる緑色の服を着た人」とか
「ニューヨーク五番街で売られている家具」
などの条件で、ドローンがそこまで飛んでいって、
現実世界を検索できるようになるのです。

つまり、ドローンは今までデジタル化できずに、
ネットワーク上に乗らなかったものさえも、
人の手を介さずネットワークの中に取り込み、
インターネットを現実空間へと拡張します。

3年半で30機を超えるドローンを購入し、
1000万円以上のお金をつぎ込んだ高城さん。

これまでも最新テクノロジーのデバイスには、
多くのお金を使ってきましたが、
ドローンには、直感的に「未来」を感じたそうです。

本書では、高城さんが見た、ドローンがもたらす
未来像を披露してくれます。

この本から何を活かすか?

本書のタイトルは、映画『ブレードランナー』の
原作として知られるフィリップ・K・ディックさん
の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』への
オマージュが込められています。

高城さんは、突如、ドローンが目の前に出現して、
仕事を奪われた宅配便ドライバーの複雑な想いを
考えたそうです。

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| IT・ネット | 08:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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君はどこにでも行ける

満足度★★★
付箋数:21

  「出所からこの3年弱の間、30回以上、
  海外に行って、28カ国58都市を巡ってきた。
  そうやってたくさんの国々を巡るなかで、
  世界が変わっていく様子を目の当たりにしてきた。
  特に、この20年ほどは、世界史のレベルで
  俯瞰しても、かつてないぐらい変化に富み、
  技術革新のスピードの速い20年だったと思う。
  (中略)そんななか、立ち止まっているというか、
  流れに置いていかれているのは日本だ。」

本書には、世界の国々を見てきて考えた、
堀江貴文さんの人生論が書かれています。

今の場所から、「一歩踏み出す」ための本です。

ただし、「世界を見るために旅に出よ」と
堀江さんは言っているわけではありません。

  「僕は出かけるのが好きなので旅にでるけれど、
  外国のものを知りたい! というぐらいの動機
  だったら、別に日本にいても不自由はしない。
   “若者よ外へでろ!” などと思わない。
  行きたければ行けばいいし、行きたくなければ
  行かなくていいのだ。
  この本では、日本にいようが、海外にいようが、
  やれることなんて、いくらでもあることを
  伝えたい。」

大切なのは、日本の現状と世界の現状を知ること。
そして、知った事実を受け止めて行動を起こすこと。

日本がかつてのような勢いを取り戻せなくても、
経済が破綻するわけではありません。

弱点と強みは表裏一体ですから、世界の情勢を
見極め、そこで何ができるかを考えて、
行動すればいいわけです。

  「下り坂には下り坂のいいところがある。
  円安は是か非か。外国人観光客が増えることは
  是か非か。外国企業に買収されるのは是か非か。
  衰退の “寂しさ” に流されず、冷静に状況を観察
  したらいいだけのことだ。
  しかも、日本は邁進する中国の隣にいて、
  チャイナマネーを呼び込める地の利がある。」

本書は、これまでの堀江さんの本とちょっと違って、
アジア、ヨーロッパ、北米、南米の国々について
実際に見てきた様子がレポートされています。

 はじめに
  ―世界は変わる、日本は変わる、君はどうする
 第1章 
  日本はいまどれくらい「安く」なってしまったのか
 第2章
  堀江貴文が気づいた世界地図の変化<アジア編>
 第3章
  堀江貴文が気づいた世界地図の変化<欧米その他編>
 第4章
  それでも東京は世界最高レベルの都市である
 第5章
  国境(ボーダー)は君の中にある
 特別章 ヤマザキマリ×堀江貴文 [対談]
  ブラック労働で辛い日本人も、無職でお気軽な
  イタリア人も、みんなどこにでも行ける件

堀江さんは、今では、家やマンションを持たず、
基本的にホテルで暮らし、自由に移動しています。

ボーダレスに生活していることに関しては、
高城剛さんに近くなってきました。

ただし、以前、「まぐまぐ!」で高城さんと
堀江さんが「未来を生き抜く力」いついて
対談していましたが、お二人の方向性は
ちょっと違います。

高城さんは「圏外」に出て、堀江さんは
「圏内」を目指しているようです。

高城さんはマスに向けるのではなく、
3%のイノベーターに向けて5歩先のことを伝えます。

一方、堀江さんはテレビ出演なども増やし、
好感度を上げ、マス向けに発信しようとしています。

この本から何を活かすか?

堀江さんが最も多く旅している国は「タイ」

  「アジアのなかでは、僕は最もタイに注目している。
  なぜなら、アジアの経済発展のモデルケースの国
  だと考えているからだ。国全体のエネルギーが
  すごい。いるだけでも楽しい。
  首都バンコクのあふれんばかりの活気は、
  アジアの経済発展の象徴と言える。」

私もしばらく行っていませんが、
タイはまた行きたい国の一つです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 09:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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無敵の仕事術

満足度★★★★★
付箋数:29

  「どうせ生きるのなら、ドラマチックでありたい。
  どうせ生きるなら、金持ちが転落して不幸に
  なっていくストーリーではなく、何も持たぬ
  若者が己を信じて道を開いていくような
  ストーリーを生きたいと願うのが、
  人間というものだろう。
   “加藤はいつも判官贔屓だ” と言われる。
  力なき人たちの背中を押してあげることが
  僕の仕事だと、いつも思っている。
  これに関して僕は、少しばかりの疑いもない。
  だってそうじゃないか、そこには必ずといって
  いいほど、胸熱くなるドラマが待っている
  のだから。」

本書のキーワードは「共感」。

目の前の人に、目の前の物事に共感して、
強く感情移入することが、他の人が真似できない
仕事を成し遂げる原動力となる。

共感によって生まれるのは、強烈なリアリティと
当事者意識、その仕事をやり遂げようとする
バイタリティ、そして困難を乗り越えようとする
「志」や「勇気」です。

  「この本では、僕がビジネスマンとして
  生きてきて、  “普通の人が絶対にやらないと
  思えることで、結果として大きな成果を残した” 
  と、自分なりに確信が持てる三つの経験を
  紹介する。それぞれのエピソードは人の名前や
  状況など、公にしないほうがよい場合を除いて、
  すべて実話だ。」

著者は2013年に日本人として初めてグーグル本体に
自分の作ったベンチャー企業を売ったことで、
一躍有名になった加藤崇さん。

本書では、加藤さんが成し遂げた3つの
エピソードを紹介しながら、
成功の秘訣を6つの軸で整理します。

 1. Encounter
  リアルな現場に身をおき、全身でショックを受ける
 2. Empathize
  真面目な人間に共感し、他人事を我が事にする
 3. Dive
  怖いと思っても覚悟を決め、ダイブする(飛び込む)
 4. Learn
  道を走りながら、最低限の知識を身につける
 5. Encourage
  挫けそうになっても、自分を励まし決して諦めない
 6. Celebrate
  思った以上にうまくいってしまった自分を確かめる

正直、これらの6つの軸で整理されることは、
本書において、さほど重要ではありません。

とにかく、紹介される3つのエピソードの持つ
エネルギーが物凄くて、ハンパありません。

  Episode1 ヒト型ロボットベンチャー創造
  Episode2 起死回生のM&A
  Episode3 ベンチャーV字回復の修羅場

いずれのエピソードも圧倒的にドラマチック。

熱いものを感じて、自分も何かやらなくてはと、
衝き動かされることは、間違いありません。

私たちが忘れていた大事なものを、
思い出させてくれます。

  「日本には技術もカネもある。しかし、何かが
  決定的に足りない。それは何か―。
  僕がたどりついた答えは、 “志と勇気を持って”
   “目先の損得抜きに”  “自分よりも他人、
  国全体に責任を持ち” 、 “雇用と、個人の成長を
  同時に実現する” 、真のエリート(リーダー)
  だったのだ。」

私がここまでアツイと感じる人は、
アツイ コトバ』の故 杉村太郎さん
以来です。

読むと間違いなく、モチベーションが上がります。

私が今年読んだ本の中では、今のところ、
最も人に読むことを勧めたい本です。

この本から何を活かすか?

  「若くて経験のない人が、仕事をする上で非常に
  大切だと思うことのひとつに、広い意味での
  勉強力がある。これは、見た目の学歴とは、
  あまり関係のないものだ。
  僕は、これまでいくつかの仕事で成果をあげてきた
  と思っているが、そのときとりわけ役に立ったのは、
  経験のないこと、現時点で何の手がかりもない
  ことを、自分の力で調べて(勉強して)
  進んでいく力のようなものだった。」

ここで言われてるのも、上手くやろうなどど考えず、
覚悟を決めて、徹底してやり抜く気概です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| ビジネス一般・ストーリー | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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4/22休載します

旅行中のため4/22は休載させていただきます。
明日から再開しますので、よろしくお願いいたします。

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| お知らせ | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『キングダム』で学ぶ乱世のリーダーシップ

満足度★★★
付箋数:20

  「本書を読んで、『キングダム』を読んでみたい
  と思ってくれる人がたくさんいると嬉しいですが、
  恐らく、『キングダム』を読んでいる人が
  本書も読んでくれたとなるケースが多いでしょう。
  本書が『キングダム』を読む際の一つの切り口と
  なり、こういう見方もあるのかと再度読み返して
  もらったり、改めて気付きを与えることが
  できれば幸いです。」

原泰久さんが描く大人気漫画『キングダム』。

中国の春秋戦国時代を舞台に、下僕の身から
大将軍を目指す若者の信と、後に始皇帝となる
秦国王、政の成長を描く長編漫画です。

私も『キングダム』の大ファンで、
本書を手にとった口です。

本書は『キングダム』から激動の時代を生き抜く
リーダーシップを学ぶ本。

著者は、経営コンサルタントで孫子や論語など、
中国の古典に精通する長尾一洋さんです。

長尾さんがリーダーに求める10の条件を、
『キングダム』のキャラクターやストーリーを
用いて解説します。

 リーダーの条件1.
  人を巻き込み同志とできるか

  第5巻 58P 政は態度のはっきりしない王騎の
  内面を見透かし、中華統一の夢を語り、
  巻き込みます。

 リーダーの条件2.
  率先して範を示せるか

  第20巻 P168 普段は飄々としている蒙恬も、
  敵将を討つという目的のため、自ら先頭に立ち、
  つぶれ役になることで、自軍の士気を高めます。

 リーダーの条件3.
  先を見通し細部まで気を配れるか

  第27巻 P191 合従軍を指揮する李牧は、
  函谷関へ総攻撃をかける15日というタイミングを
  細部を見渡し決定しました。

 リーダーの条件4.
  合理的に考え時に非常になれるか

  第29巻 P178 息子が瀕死の重傷を負っている状態で、
  血も涙もないと言われようとも、蒙武は合理的な
  判断を下し敵に突撃をかけます。

 リーダーの条件5.
  部下愛を持って人を育てられるか

  第27巻 P107 合従軍を秦がはねのけるには、
  新しい力が必要だと感じた麃公は、信に
  「この戦で化けてみせろ」と成長の機会を与えます。

 リーダーの条件6.
  前向きさ明るさを持っているか

  第14巻 P73 人間離れした趙の武神・龐煖との戦いで、
  信は「同じ人間には変わりねえ。斬って死ぬん
  だったら倒せる」と言い切ります。

 リーダーの条件7.
  すべてを背負う覚悟はあるか

  第30巻 P181 麃公将軍が討たれた時、後先考えずに
  敵地に飛び込もうとした信を、人情家の壁は
  「頭を冷やせ」とキツい一発を食らわせます。

 リーダーの条件8.
  人間を理解しているか

  第39巻 P192 呂不韋は、人が持つ様々な感情から
  「人の世から戦はなくなりませぬ」と説きます。

 リーダーの条件9.
  熱いビジョンを作り示せるか

  第41巻 P24 直接対決で呂不韋陣営を退けた政は、
  信に「六将の一席を掴みとれ!」と具体的な
  ビジョンを示し、鼓舞します。

 リーダーの条件10.
  自らを捧げる使命感はあるか

  第31巻 P11 呂不韋四柱の一人、昌平君は秦国を
  支える総司令としての使命感から、政を助け、
  呂不韋の批判にも反駁します。

ここに挙げたように、劇中のシーンを使って
リーダーシップが解説されているので、
イメージしやすく、『キングダム』ファンには、
たまらない一冊です。

この本から何を活かすか?

キングダム連載10周年実写特別動画が
主演、山崎賢人さんによって作成されていました。

龐煖は特殊メイクでそっくりで、羌瘣役の、
山本千尋さんの剣舞もカッコいいですね。



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| リーダーシップ | 06:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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完全なる投資家の頭の中

満足度★★★
付箋数:23

  「そもそも基本的な智慧とは何なのでしょうか。
  その最初のルールは、バラバラな部分を集めて
  総和としても、全体として機能することはない
  ということです。それらの事実を理論の縄として
  あざなうことができなければ、使えるものに
  ならないのです。」

これは、1994年にUSCビジネススクールで
語った、チャーリー・マンガーさんの言葉です。

ところで、チャーリー・マンガーさんとは誰か?

意外と知られていないかもしれません。

知られていないのは、日本で1番高い山は
富士山だと知っていても、2番目は北岳である
ことがあまり知られていないのと同じ理由です。

世界一の投資家が、ウォーレン・バフェットさん
なら、2番目はきっとマンガーさんです。

もしかすると、同率で1位と言っていいかも
しれません。

マンガーさんは、バフェットさん率いる投資会社
バークシャー・ハサウェイの副会長にして、
バフェットさんの無二のパートナーです。

実はマンガーさん、バークシャー以外で行っている
投資でも素晴らしい成果を上げています。

バフェットさんと同じく、ネブラスカ州オマハで
生まれ育ち、ミシガン大学で数学を学びました。

その後、ハーバード法科大学院で法律を学び、
仲間とともに法律事務所を設立。

バフェットさんの要請を受けて、フルタイムの
投資家となりますが、それまで法律家としても
成功していて、彼の立ち上げた事務所は、
現在ではアメリカ有数の法律事務所になっています。

投資家になってからのマンガーさんは、
バークシャーの屋台骨を支え、バフェットさんとは
違い視点を持った、辛口のパートナーとして、
知られるようになりました。

ちなみにマンガーさんは、バフェットさんより
6歳年上の御年92歳です(2016年現在)。

  「マンガーはこれまで数多くの講演を行い、
  エッセーを書き、ウェスコ・ファイナンシャルや
  バークシャー・ハサウェイの株主総会では、
  たくさんの株主を楽しませてきたが、彼の考えが
  いわゆる統一理論の下で紹介されたことはまだない。
  理由はおそらく彼の頭が普通の人の知性を
  はるかに上回っているからだろう。頭のなかで
  いくつかの思考を同時に行うこと(彼はこれを
   “多重モデル” と呼んでいる」は、それぞれの
  思考に理解可能な枠組みを持っていなければ
  できないため、普通の人にとっては簡単なこと
  ではない。そこで、本書はチャーリー・マンガーの
  ような思考ができるような方法を紹介して
  いこうと思う。」

本書はトレン・グリフィンさんが執筆した
原題『Charlie Munger: The Complete Investor
の邦訳本。

マンガーさんの半生を紹介した本としては
投資参謀マンガー』がありますが、
本書は金融市場の投資行動をシステムとして
とらえ、それをマンガーさんのメンタルモデル
として解説します。

マンガーさんは、厳選した言葉で核心を突く
ことでも知られていて、長年にわたって
様々な場面で発言したり、多くの文章を
残してきました。

本書はそんなマンガーさんの名言集でもあり、
マンガーさんの考えを体系的にまとめています。

マンガーさんの投資方法は、バフェットさんも
師と仰ぐベンジャミン・グレアムさんの
バリュー投資システムから派生した手法です。

本書はマンガーさんの投資方法を知ると同時に、
その思考の深さを知ることができです。

この本から何を活かすか?

マンガーさんの投資ではチェックリストを
使うことが知られています。

  1.リスクを測ることが第一
  2.客観的に自分の頭で考えること
  3.多く働き、不測の事態に対して備えをしておく
  4.自分が知らないと言うことを認識し、
   知的な謙虚さを常に持つ
  5.チェックリストに従って正確に分析を行う
  6.賢明な投資配分をすること
  7.忍耐強くあること、焦らず余裕を持って
   取引をする
  8.決断力を持つこと
  9.変化に備えること、柔軟性が必要である
  10.大事なことに集中し、些末なことに
   囚われない

マンガーさんは、投資以外の人生の課題に
立ち向かうときにも、チェックリストの利用を
強く勧めています。

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| 投資 | 05:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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バリアバリュー

満足度★★★★
付箋数:24

著者の垣内俊哉さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

株式会社ミライロ代表取締役社長の垣内さんは、
生まれた時から、「骨形成不全症」という
遺伝性の病気を持ち、小学生の頃から、
車いすでの生活を余儀なくされています。

  「ずっと車いすに乗ってきたからこそ、
  社会に隠れている不便さや不自由さに気づける
  のではないか。高さ106センチの世界で生きている
  からこそ、他の人とは違う視点で物事を見られる
  のではないか。それを活かせば、他にない
  ビジネスを創造できるかもしれない ―
  そのように考えて、学生時代にミライロを
  立ち上げました。」

本書は、障害(バリア)を価値(バリュー)に
変える思考法を伝える本です。

バリアバリューとは、弱点を強みに変える発想の
転換ですが、これは言うは易く、行うは難し
の典型です。

垣内さんは、ずっと自分の足で歩きたいと
思っていて、障害があることに負い目を
感じていた時期がありました。

ですから、このように発想転換するのは、
容易な事ではありませんでした。

小学5年生のある日に、休み時間に運動場へ
遊びに行こうとしているクラスメイトに、
担任の先生は次のように呼びかけたそうです。

 「今日、俊哉くんと遊んであげる人は誰?」

先生はもちろん、車いすの垣内さんに配慮して、
掛けた言葉ですが、垣内さんには「あげる」という
表現に引っかかりました。

このときに初めて垣内さんは、「かわいそうな、
とし君と遊んであげる」と思わせるのではなく、
外でみんなと遊ぶよりも、「垣内と一緒に教室で
遊ぶ方が楽しい」と思わせてやろうと決心しました。

中学の時には、車いすに座った状態でも、
投げたり打ったりできる、野球部に入部しました。

ところが、現実には練習にはあまり参加できず、
いつもスコアラーをやっていました。

そんなある日の練習試合で、監督は突然、
「代打、垣内」と告げます。

打席に入った垣内さんは、打つ気満々でしたが、
結果はストレートのフォアボール。

実は車いすの打者の場合、ストライクゾーンが
極端に狭く、相当コントロールの良い
ピッチャーでないと、フォアボールになって
しまうのです。

これ以来、垣内さんは、出塁率10割の、
「フォアボール製造機」と呼ばれるようになります。

垣内さんの代打がコールされると、チームメイトから
大喝采を浴びる、チームの切り札となりました。

スコアラーは「車いすでも、できること」でしたが、
確実にフォアボールで出塁することに、
「車いすだから、できること」の価値を見出しました。

大学時代にWeb制作会社で行ったアルバイトでは、
社長から、いきなり「お前、営業をやれ」と
命じられました。

他の営業マンは1日に100件近く回るのに対し、
車いすで営業する垣内さんは、せいぜい
10~20件しか回れません。

飛び込みの営業ですから、行った先で、
入り口に段差があったり、エレベーターがなく、
オフィスに入れないことも、しばしばあります。

そんな中で、垣内さんは、少しでも脈があると
感じた会社に「何度も通う」営業を行いました。

たとえ、雨が降ろうとも、足繁く通うことで、
「おう、また来たのか」と顔を覚えられ、
次第に契約が取れるようになり、遂にその会社で、
営業成績がナンバーワンになったそうです。

こうした経験を1つずつ重ねながら、
垣内さんは、弱点は強みに変えられる
という考えを強めていきました。

垣内さんは自分の半生を通して、
障害を価値に変えられることを伝えます。

決して、同情などではなく、
読むとモチベーションが上がる素晴らしい本です。

この本から何を活かすか?

垣内さんは、スティーブン・R・コヴィーさんの
7つの習慣』に習い、人生をポジティブに変える
「価値を育てる7つの習慣」をまとめています。

  1. 小心者だから最高の準備をする
  2. 苦しい時こそ楽観的に考える
  3. 「なぜ」「どうして」を3回くり返す
  4. イラッときたら日記をつける
  5. 「昨日の自分」と比べてみる
  6. 少しだけ背伸びをする
  7. 「運・縁・勘」を大切にする

いずれもバリアの有無にかかわらず、
実践できる習慣だと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:31 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ疑似科学が社会を動かすのか

満足度★★★★
付箋数:24

  「疑似科学とは、科学の装いをもった現実描写の
  物語である。科学の装いによって信憑性を
  上げている巧妙な物語なのである。
  しかし、だからといって信じていけないわけでは
  ない。個人や社会にとって意義があるのならば、
  信じておくのもよい。
  ただ、そうした物語を “科学である” と誤解して
  信奉してまう面は、疑似科学の大きな問題点である。
  疑似科学を信奉することで、科学まで誤解
  しかねないからである。」

著者は明治大学情報コミュニケーション学部で
疑似科学を題材に科学リテラシーを教えている
石川幹人さん。

石川さんは研究活動の一環として、同大学の
疑似科学とされるものの科学性評定サイト
を立ち上げた方です。

疑似科学を完全に撲滅しようとする考えの人を
「懐疑論者(スケプティックス)」と呼びますが、
石川さんは、疑似科学を許さないという
徹底した立場をとっているわけではありません。

社会で意義ある疑似科学には一目置く
という立場をとっています。

本書では、疑似科学を科学と誤認しないように、
疑似科学が信じられる背景と、それを見抜く方法
について解説します。

  「疑似科学の問題は奥が深い。私たちの生き方
  にも触れる多くの側面をもつからである。
  本書によって読者が、疑似科学に対して、
  そして科学に対しても適切な姿勢で向かえる
  ようになることを望んでいいる。」

科学性の評定結果は、4段階にランクづけ
されています。

 科学:
  諸条件の評価が全体にわたって高いか、または
  部分的に低評価の条件があっても、他の高評価の
  条件によってそれを埋め合わせられる。

 発展途上の科学:
  諸条件の評価が全体にわたって高いとまで
  いえないが、部分的に高評価の条件ががある。

 未科学:
  諸条件の評価が全体にわたって低いが、
  部分的に高評価の条件がある。

 疑似科学:
  科学的な言説をもっているにもかかわらず、
  諸条件の評価が全体にわたってきわめて低い。
  実際のところ科学とはいえないうえに、
  社会的利用には問題をはらむので、
  利用されているならば停止すべきである。

例えば、科学的に裏づけのある薬品に見える
「サプリメント」は、疑似科学にランクづけ
されるものが多いようです。

  「疑似科学評定サイトにおいても、
  サプリメント効果の科学性評定が行われているが、
  半分以上は疑似科学評定となっている。
  現在取り上げられている範囲で、多少なりとも
  科学性が認められるのは “DHA・EPA” のみである」

サプリメントの代表各である
「コラーゲン入りの健康食品」についても、
疑似科学の評定です。

本書が面白いのは、ただ評定を下すだけでなく、
なぜ人はそれを信じてしまうのか、
あるいは、なぜ信じるようになったのか、
心理的な側面からも解説している点です。

人の心理に進化生物学な視点からも迫っています。

人には論理的な説明よりも、感情に訴える物語
の方を信じてしまう傾向があるので、
そういった心理的な特性を知っておくと、
疑似科学に騙されなくなるのです。

本書で扱う題材は、以下の通りです。

  金縛り、幽体離脱、心霊現象、パワーストーン、
  オーラ、お守り、天文学、占星術、オカルト、
  心、遺伝と脳、超能力、心霊、気功の達人、
  御用学者、サプリメント、水ビジネス、
  原発事故と放射線、性格診断、資格ビジネス

非常に広範囲の題材を扱っていて、
疑似科学だけでなく、科学とのつきあい方も
よく分かる本です。

この本から何を活かすか?

  体脱体験は実験装置で体験できる

目にゴーグル型のディスプレーを装着して、
自分の肉体を見下ろす天井位置に設置した
カメラから、自分の行動の様子を見続けると
ある種の体脱体験ができるようです。

もちろん、これは魂が抜けたのではありません。

「自分」という身体感覚は、意外と簡単に、
肉体外へ移動できるようです。

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| 科学・生活 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大前研一 世界を知る6つの特別講義

満足度★★★★
付箋数:25

本書は、大前研一さんによる企業経営者向け勉強会
「向研会」の講義内容を書籍化したものです。

その講義内容は、「大前研一ビジネスジャーナル」
として、オンデマンド (ペーパーバック)版または
Kindle版として、既にNo.9まで刊行されています。

本書はNo.1~No.3までの総集編です。

ですから、「大前研一ビジネスジャーナル」を
読んでいる方は、内容が完全に重複していますので
ご注意ください。

No.9まで出ている内の、No.3までと考えると、
本書ではカバーされいる内容が少ないように
感じるかもしれませんが、ここまででも内容は
かなり充実しています。

400ページを超える、圧倒的なボリューム。

  「私のセミナーにおける一貫したテーマとして、
   “グローバル” というものがあります。
  なぜグローバルかというと、私が参加者の皆さんに
  伝えようとしている基本的な軸というのが、
   “日本がなぜいつまでも低迷しているのか” 
  というところにあるからです。
  そして、この “グローバル” や日本の経済、
  企業経営を考える上でキーワードになってくるのが
   “コンシューマー” と“ テクノロジー” です。」

マーケティングやアカウンティング、統計などの
実務的な内容は講義に含まれていません。

あくまでもグローバルに企業経営や日本経済を
考えるために、イノベーションやテクノロジー
などが講義の中心に据えられています。

国・企業・コンシューマーがどう関わって、
社会、経済、経営がどうなるかについて分析し、
世界的に成功するための施策を考えていきます。

  講義1. ビジネスモデルを知る
     産業の境界線を越えていく企業
  講義2. 市場を知る
     テクノロジーが創る新たな市場
  講義3. イノベーションを知る
     「技術×市場=イノベーション」の方程式
  講義4. コンシューマーを知る
     消費者の新潮流
  講義5. 経済を知る
     世界経済のジレンマ
  講義6. アジアを知る
     アジア・グローバルの今

6つの講義は、いつも、いろいろなメディアで
大前さんが語っているテーマの内容です。

通常は紙面や時間の制限があり、
大前さんが結論を出すに至った背景が
すべて公開されているわけではありません。

ですから、一般の人からすると大前さんの考えは
「言っていることはわかるが、飛躍している」と
感じることさえあります。

しかし、本書では大前さんが結論を出すまでの
ロジックやそれを支えるデータも細かく
示されているので、非常に高い納得感が
得られると思います。

本書の講義は、問題解決をするときに、
どのようなデータを集め、どう分析して、
どのように思考して結論を出すかを学ぶための、
良い教材にもなります。

本書のために大前さんが書き下ろした文章は、
わずか「8行」しかありませんが、
good.book編集部の編集が非常に上手く、
本書のために大前さんが講義をしたと言われても、
あまり違和感がありません。

大前さんの各講義の前に、編集部で2~3ページの
イントロダクション(サマリー)を入れていますが、
これがいいつなぎ役を果たして、
書籍としての完成度を高めています。

この本から何を活かすか?

企業が生き残るための4つの課題

  1. 自己否定できるか?
  2. テクノロジーを取り入れ、テクノロジー企業
   へと変貌できるか?
  3. エコシステムにどうかかわるか
  4. 構想を描けるか

これは個人が生き残る条件(成長する条件)と
考えてみても面白そうです。

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| 経営・戦略 | 10:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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外資系トップの思考力

満足度★★★
付箋数:23

  「今、私たちは世界が大きく変化する只中を
  生きています。自分のキャリアや携わっている
  ビジネスのあり方を考えるとき、
  先行きの不透明感にとまどう方も多いのでは
  ないでしょうか。
  何を頼りに考え、決断を下すべきなのか。
  そのヒントを得られないか、と考えて
  企画したのが本書『外資系トップの思考力』
  です。グローバルなリーディングカンパニー
  である外資系企業10社で活躍するトップに
  ご登場いただき、これからの時代に求められる
  思考力やその鍛え方について伺いました。」

本書をまとめたのは、外資系企業専門の
転職コンサルティングを行う人材会社の
ISSコンサルティンク゛。

さすがに20年に渡り、外資に特化して、
エグゼクティブの紹介を行っているだけあって、
今をときめく、外資トップの方々に
ロングインタビューを実施しています。

登場する外資10名のトップは、次の方々です。

 ダイソン株式会社 麻野信弘さん
 メルセデス・ベンツ日本株式会社 上野金太郎さん
 日本GE株式会社 熊谷昭彦さん
 ネスレ日本株式会社 高岡浩三さん
 レノボ・グループ 留目真伸さん
 リシュモン ジャパン株式会社 西村豊さん
 ジョンソン&ジョンソン株式会社 日色保さん
 日本マイクロソフト株式会社 平野拓也さん
 ボストン・コンサルティング・グループ 御立尚資さん
 スリーエム・ジャパン株式会社 三村浩一さん

「どのよにして思考力を鍛えるか」という
同じテーマについて、10名の方々の考えを
聞くのは非常に興味深いですね。

アプローチ方法は違えども、本質について
とことんまで考え抜くという姿勢は、
ほとんどの方に共通しています。

 麻野信弘さん
  「いい意味で疑ってみる、という視点が大事だと
  思っています。たとえば、今の販売状況は本当に
  いいのか。届いた情報は正しいのか。(中略)
  怪しいと感じたら自分で調べます。」

 高岡浩三さん
  「負けたくなかった。なんとしても、
  やり抜きたかった。そうすると、考えるんですよ。
  考え抜く。思考力は、環境で変わるんです。
  極限まで追い込まれたとき、人は考えるように
  なる。ならば、自分で環境を作っていくことです。
  環境が変われば、思考は必ず変わります。」

 日色保さん
  「経営に不可欠な視点は、極論すると二つしか
  ないと思っています。
   “本当にそうなのか”  “どうしてそうなのか”
  常に、この二つを問い、突き詰めていく。
  すると、だいたいの問題について答えは見えて
  きます。」

企業のトップは、先が読めない状況においても、
毎日が問題発見、問題解決の繰り返し。

そこには、論理的な思考だけでなく、
現場を見て歩く行動力や人を動かす熱意も
欠かせません。

本書には、そういった経験を元にした
考え方のヒントが示されています。

また、本書には、10名の方々が、
トップに登りつめるまでに、どのような意識で
キャリアを選び、リーダーとしてどのように
仕事に取り組んできたかについても語られて
います。

これからキャリアをスタートする方をはじめ、
ミドルキャリアの方にも参考になる内容です。

この本から何を活かすか?

本書で、御立尚資さんは、ビジネスパーソンに
求められる思考力を3つ挙げていました。

  1. 課題を設定する力
  2. ユニークな解を創り出す力
  3. 実行できる解を選び出す力

この中で、ハッと思わされたのが3番目。

確かに、いかにユニークな解を創っても、
実行できなければ意味がありません。

その中から、実行できるものを選び出す
感性を磨かないと、結果を残せないということです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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おどろきの心理学

満足度★★★★
付箋数:26

「赤い服を着ると女性はモテる」という言説が
あります。

この言説を信じて、A子さんが意中のサトシ君から
告白してもらうために、「今日は赤い服を着て、
勝負をかける!」という戦略は正しいのか?

実は、心理学的に「赤い服を着ると女性はモテる」
ことが正しくても、個別のケースにおいて、
A子さんがモテるかどうかは、また別の話しです。

むしろ、個別のケースでは、
正しくない場合も多くなります。

なぜ、心理学的に正しくても、
実際のケースには当てはまらないのか?

それは、心理学は「平均値の科学」だからです。

そもそも、「赤い服を着ると女性はモテる」ことを
実証する実験は次のように行われました。

集められた27人の男子大学生に、女性の
白黒写真をパソコン上に表示して見せました。

一方の写真の背景を「白」にして、
もう一方は「赤」にした対照実験です。

男子学生には、5秒間だけ写真を見てもらい、
どちらが魅力的と感じるかを、
9点満点で評価してもらいました。

その結果、「赤」の背景は平均7.2点で、
「白」の背景は平均6.2点となり、
赤の方が好まれる結果になりました。

この有意性が現れるのは、女性の写真を
男性が見た場合だけであり、女性の被験者には
同様の効果は見られませんでした。

更に、背景を赤にした女性のどういった部分の
魅力度が上がったかを調査したところ、
「性的な」魅力度を大きく押し上げることが
わかりました。

つまり、この実験では、赤い背景で囲まれた
女性の写真は、他の色の背景よりも、
男性に対して、より魅力的でセックスしてみたい
と思わせることができたのです。

  「心理学は、人間一般の特性、人類の心の事実を
  立証する科学である。そのため、特定の個人の
  特性の影響をできるだけ小さくすることが
  求められる。この例でいえば、サトシ君の好みが
  最小限になるように何十人もの被験者の平均値が
  用いられる。そして、一度の気まぐれな判断の
  影響が最小限になるように、何度も同じ刺激への
  反応を繰り返し行わせ、その平均値を取る。
  つまり心理学は、シングルショットから
  できるだけ離れて、人間全体、人類の総体と
  しての心の特性を明らかにする学問なのである。」

結局、赤い服を着て一般的にモテことと、
A子さんが、個別にサトシ君にモテることは、
まったく別なのです。

ここでA子さんが取るべき最も有効な戦略は、
サトシ君の好みを調査して、それに合わせた
服装をすることです。

A子さんが、心理学に正しい、
「赤い服を着るとモテる」を応用するためには、
合コンに100回ぐらい参加する必要があります。

毎回、何人もの男性と交流する場合、
100回赤い服を着て参加するのと、青い服を着て
参加するのでは、赤い服を着ていた方が、
不特定多数の男性から、言い寄られる回数が
多くなる可能性があります。

  「本書では、モテ、サブリミナル、記憶、意思、
  血液診断などの身近な心理学のトピックを
  取り上げ、実際に科学として行われた心理実験を
  できるだけ正確にお伝えしていく。
  読み終わる頃には、最新の心理学について
  一通りの知識が得られるとともに、
  心理学的に正しい思考法、方法論を身につける
  ことができるだろう。」

著者の妹尾武治さんは、巷にあふれる、
ワンフレーズ心理学の誤用を指摘し、
本当の心理学の面白さや凄さを伝えます。

あなたが、心理学に対して、どことなくモヤモヤ
とした気持ちがあるなら、本書を読むことを
強くオススメします。

本書は、心理学の立ち位置がハッキリわかる、
決して読んで損のない良書です。

この本から何を活かすか?

妹尾さんは、本当に「モテる」ためには、
心理学の知識を蓄えるより、現場、実践の
プロから話を聞いた方がいいと言います。

特にオススメされているのが、ドラマ化もされた
水野敬也さんの『LOVE理論』です。

心理学者が驚嘆するようなノウハウばかりで、
妹尾さんもかなり勉強になったそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| コミュニケーション | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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勤勉は美徳か?

満足度★★★
付箋数:22

世界三大幸福論の1つ、カール・ヒルティさんの
幸福論』では、「仕事をしている時間を幸福に
感じるためにはどうしたらいいか」について、
多くのページが割かれています。

なぜなら、幸せな人生を送るためには、
「一番長く使う時間」を幸せに過ごすことが大切で、
多くの人にとって、その時間とは、
仕事をしている時間を意味するからです。

私たちにとって、仕事をしている時間を幸せと
感じるかどうかが、人生の幸福度そのものを
表しているのです。

では、仕事をしなければ幸せになれるのか?

私たちが労働する大きな目的の1つは、
「お金を得る」こと。

つまり生きるために働いているわけですが、
もし、働かなくてもお金があれば、
苦役から開放され、その人の幸福度は
高まるのでしょうか?

ある調査では、「同じ所得を得ている
人であっても、仕事を探している人は、
仕事をしている人より幸福ではない」という
事実が確認されています。

つまり、お金さえもらえれば働かなくても
幸福になれるということではないようです。

逆にこれは、人は仕事をしなければ、
幸福になれないことを意味しています。

では、どんな働き方をしたら幸せになれるのか?

それを論じるのが本書のテーマです。

著者は、労働法を専攻とする、
神戸大学大学院法学研究科教授の大内伸哉さん。

大内さんは、2014年に光文社から刊行した
君の働き方に未来はあるか?』の中で、
これから働き始める若者に対し、
働き方についてのアドバイスを送りました。

本書はその続編にあたり、主として、
これまでがんばって働いてきたが、
なかなか幸福を感じられないのはなぜかと、
悩んでいる人向けに書かれています。

結論を言ってしまうと、仕事を押しつけられて
こなしていくのではなく、
自ら主体的に仕事をしていくことで、
働くことに幸せを感じることができます。

もう少し詳しく見ると、次の3つの条件があると、
幸福度の高い働き方ができます。

第1に、仕事をしながらも、自分で決定できる
領域をできるだけ確保できるようにすること。

その中でも「時間」について、自分に決定権が
ある程度あることが重要です。

第2に、仕事のなかで、できるだけ自分なりの
作品を創造しようとすること。

たとえ、事務系の仕事でも管理系の仕事でも、
自分なりの仕事の作法や技術がありますから、
個性を発揮して成果を出すことが、
創造的な仕事となります。

第3は、そうした仕事をできるようにするために、
自分の力を高めておくこと。

自分の力が弱ければ弱いほど、自分か幸福に
なれる仕事を選ぶ余地が少なくなります。

もし、今の仕事で余り選択の余地がなくても、
どこに行っても通用する実力をつけておけば、
会社を越えて、選べるようになります。

本書では、「働くこと=不幸」と考える
のではなく、今の働き方のどこに不幸があるかを
分析し、「仕事のなかで幸福を追求する」ことを
目指します。

もし、あなたが働くことをツライと感じているなら、
その仕事を今すぐに辞めてしまうことではなく、
自律的に働くことこそが、幸せになるための
一番の近道のようです。

この本から何を活かすか?

ホワイトカラー・エグゼンプションの誤解

ホワイトカラー・エグゼンプションは、
労働時間の規制を撤廃し、何時間働いても
割増賃金を払わなくてもよいとする制度です。

この制度の狙いは、残業代をゼロにする
ことではないようです。

真の狙いは、会社に残業代を払わせない
ことで、強制されて働くのではなく、
創造的な仕事をするために、自主的に
働けるようにすることにあるようです。

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| 仕事論 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本でいちばん社員のやる気が上がる会社

満足度★★★
付箋数:19

  「人、とりわけ社員とその家族を大切にしている
  企業の業績は例外なく高く、逆に業績向上の
  手段・コストなどど位置づけている企業の業績は、
  例外なく低い、ということが、多くの企業研究の
  成果として近年、明らかになっています。(中略)
  社員の満足度やモチベーションが高い企業に
  おいては、共通する特徴がいくつかありますが、
  その一つが “いい福利厚生制度” の存在と
  その自然な利活用です。」

このように社員やその家族を大切にすることと、
「いい福利厚生制度」の重要性を説くのは、
日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズで
有名な坂本光司さんです。

坂本さんの研究室で行った調査によると、
福利厚生を充実できない理由として、
中小企業で最も多く挙がっていたのが
「経済的に余裕がない」でした。

しかし、坂本さんは、大金は使わなくても
工夫された「いい福利厚生制度」は、
たくさんあると言います。

  「本書はこうした中小企業の実態と、
  どんな制度があるのかを知りたいという要望を
  踏まえ、資本力に限界のある中小企業が
  実践している、社員とその家族が喜ぶであろう
  制度や、お金のかからない制度を100事例
  紹介するとともに、その効果的導入のポイント
  などについて述べました。」

本書で他の企業の導入事例を知ることは、
イメージが広がり、自社に必要な制度を
考えるヒントになるはずです。

ちなみに、最近の新しい福利厚生制度の導入では、
これまでとは違った2つの傾向が見られます。

1つは、従来の「社員個人」に対するものから、
「社員だけでなくその家族」に対するものへと
福利厚生制度が充実されていること。

もう1つは、「社員を企業の一員」として考える
のではなく、「家族の一員としての社員」と
考えるようになっていること。

例えば、社員や家族のメモリアルデーや
その絆・関係性を意識した制度の導入が
多くなっているようです。

では、本書から私が気になった福利厚生制度を
いくつか紹介します。

 茨城県信用組合の出産祝い金

  第一子の20万円から始まり、第三子で100万円、
  第四子で200万円、第五子以降で300万円。

これはお金のかかる制度ですが、5人産めば、
600万円以上のお祝い金がもらえる計算ですから、
少子化対策としては効果がありそうです。

 建築土木造園会社エイトの特別休暇

  この会社では、両親・妻・子どもの誕生日、
  そして両親・配偶者等の命日に、
  法定有給休暇とは別に特別休暇を付与。

  また、4年に一度のオリンピック休暇として、
  連続10日間のリフレッシュ休暇が取れる
  制度を導入しています。

こららの休暇制度は、社員が休んでも仕事が
回るかどうかが問題ですから、あまりお金をかけず、
知恵を絞れば導入できそうな制度です。

 キッチン雑貨オークスの褒め言葉プレゼント

  社員一人ひとりに、褒め言葉を100以上
  集めて、それをカラー印刷して渡す。

これは制度というよりイベントです。

しかし、自分が大切にされている、
必要とされていることが実感できるでしょう。

この会社では、「大切な友人に我が社で一緒に
働くことを勧めたいか?」の質問に対し、
大多数の社員が「勧めたい」と答えています。

この本から何を活かすか?

坂本さんは、「真に社員とその家族のためになる
福利厚生制度」の導入と運営に必要な5つの視点を
本書の最終章でまとめています。

  1. 業績向上の手段ではなく社員とその家族の
   幸せのため
  2. 制度の導入よりも企業風土が大切
  3. 全体対応よりは個別対応
  4. 社員だけでなくその家族も
  5. 金銭より心安らぐ福利厚生制度を

こういう視点で福利厚生制度を導入する会社が
少しでも増えて欲しいものです。

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| 組織・社内教育・コーチング | 11:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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田舎のキャバクラ店長が息子を東大に入れた。

満足度★★★★
付箋数:24

プレジデント社さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「東京大学に合格する学生は、毎年3000人
  ほどいる。いろいろな親御さんがいるに
  違いないが、両親が水商売というのは、
  おそらくウチだけではないか。息子が卒業した
  高校の先生もそうおっしゃっていた。」

本書は茨城県鹿鳴市でキャバクラ店長を務める、
碇策行(いかり・かずゆき)さんが、
自身の経験として「子育て論」を語った本。

碇さんの息子さんは東京大学文科一類(法学部)に
現役合格していますが、本書は、
子どもを東大に合格させるためのノウハウを
まとめた本ではありません。

むしろ、そういった受験ノウハウ本とは、
対極にある本と言えます。

  「両親とも大卒で、年収が高くて、社会的信用が
  高い職業(医師、弁護士、公務員、上場企業の
  役員など)、子供にピアノやスイミング、
  英会話などの習い事をさせて、塾や予備校にも
  通わせていた・・・・。これが、私が勝手に
  イメージしていた東大生の家庭像だ。
  学歴も、経済力も、教育熱心さも『ある』。
  わが家は、まるで反対だ。何も『ない』。」

碇さん自身も奥さんも高卒で、水商売をしています。

キャバクラ店長といっても、地方都市で
雇われ店長をしているので、年収は300万円ほど。

店長としての主な仕事は、女の子の送迎と、
お客さんがリバースしたものの処理。

このような仕事内容ですから、碇さんは、
他人に非難されたり、後ろ指をさされることは
あっても、社会的信用や名誉・名声などとは、
まったく無縁だと言います。

また、大学受験のために、息子さんを塾や
予備校にも通わせなかったそうです。

そんな碇さんが、どのようにして息子さんを育て、
見事、東大に現役合格させたのか?

  「私は、息子に受験勉強を教えていない。
  私も妻も高卒だから、教えられるはずもない。
  私が息子にしてやったのは “絶対に裏切らない”
  ということだけで、あとは息子自身の努力による
  合格だ。私は、ただただ息子を信じようとした。
  そう決めた。息子の価値観を信じ、責任を信じた。
  そして、可能性も信じた。またその気持を息子に
  隠さず、伝え続けた。」

碇さんは、自分が親に育てられて、イヤだと
感じたことを、息子さんにしないようにしました。

また、1000人以上のキャバクラの女の子と接し、
「よくない親」について学び、自分は踏み外さない
ように心掛けました。

我流で手探り状態での子育てでしたが、
人として本当に大切なことを、態度で示しました。

東大の2次試験前日、碇さんと、奥さん、
そして息子さんの3人は、東京行きの
高速バス乗り場へ向かっていました。

そのとき、強風に煽られて、コーヒの空き缶が、
碇さんの目の前を転がっていったそうです。

碇さんは「あっ」と思い、
空き缶を拾おうとしましたが、荷物で両手が
ふさがっていたため、拾うことができず、
空き缶はそのまま転がっていきました。

しかし、後ろを歩いていた息子さんは、
その空き缶を拾い上げ、碇さんの横を無言で
通り過ぎ、数十メートル離れたバス停横の
ゴミ箱へ捨てに行きました。

明日に東大の2次試験を控えた緊張状況で、
誰が捨てたかもわからない空き缶を、
当然のように、拾って捨てる息子さんを見て、
碇さんは「自分の子育てが間違っていなかった」
ことを確信しました。

一生懸命に習い物をさせたり、塾に通わせなくても、
人として大切なことを愛情を持って伝え続ければ、
子供は立派に成長する。

それが、碇さんからのメッセージです。

本書は、受験に関係なく、親として、
または人間として、本当に大切なことに
気づかされる一冊です。

この本から何を活かすか?

職業に貴賎なしとはいうものの、
キャバクラに務めていると聞くと、
世間では、あまり聞こえがよくありません。

しかし、碇さんはキャバクラ嬢たちにも
人としてたくさんの愛情を注いでいますから、
そんな偏見も少なくなります。

いろいろな事情があって、中学すらまともに
通っていなくても、本人にその気があれば
働けるのがキャバクラ。

福利厚生が充実した企業に就職することが
難しいシングルマザーにとって、
キャバクラは、それなりの収入が得られる、
重要なセーフティーネットの役目もあるようです。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 16:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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新企画 渾身の企画と発想の手の内すべて見せます

満足度★★★
付箋数:23

新ニュースバラエティー「コメンテーター選手権」

この番組は、ニュースに新たな見方を加え、
エンターテイメントショーに昇華させた番組。

視聴者は、ニュースやワイドショーで、
コメンテーターたちの発する言葉に、
共感したり、スッキリしたり、
時には怒ったりしながら楽しんでいます。

しかし、視聴者が本当に楽しみしている
コメンテーターの人数は限られています。

各局は、マツコ・デラックスさんや
テリー伊藤さんに続く、コメント力のある人を
探し続けています。

そこで、この新企画は、「新たなコメンテーターを
オーディションしていく番組」です。

番組は生放送で、5人のコメンテーター候補が、
クイズ番組の解答者のような席に座らされます。

コメンテーター候補は、基本的にあまり
テレビへの出演経験の少ない人たち。

ベテラン新聞記者、雑誌のライター、美人東大生、
2丁目のオネエ、本は売れていないけど玄人受けは
している放送作家など。

番組では、今週のニュースが流れ、
コメンテーター候補たちはそれを見て、
どう思ったか、どう感じたかを
1人30秒ずつコメントしていきます。

5人がコメントし終わったら、スタジオにいる
100人が、どのコメントが良かったか、審査し、
投票し、その投票数が得点になります。

1時間番組の中で、10本ほどのニュースが流れ、
その度に、5人のコメンテーター候補は、
自分の考えをコメントし、得点がついていきます。

最終的に、一番得点を取ったコメンテーター候補が
優勝者となり、次の週も出場していくという企画。

視聴者は今週のニュースを見ながら、
新しいコメンテーターをオーディションで発掘します。

今まで埋もれていた人材が、
スターになっていく瞬間を目撃できる
エンターテイメント要素を持った番組です。

この企画のポイントは、「脇役を主役に変える」
ことで、見方を大きく変えていること。

「塩にこだわったおにぎり」や
「福神漬けを主役にしたカレーライス」のように、
あえて主役じゃなくて、脇役を前に打ち出すことで、
モノの見方を変えてしまう手法です。

本来アピールしてなかったところを
アピールすることで目立ち、ヒットにつながります。

この「コメンテーター選手権」は、放送作家の
鈴木おさむさんが、本書のために書き下ろした
新企画です。

鈴木さんと言えば、お笑い芸人森三中の
大島美幸さんの旦那さんで、育児休暇を取った
ことでも話題になりましたね。

  「この本では、僕がテレビとネットの番組、
  アプリなどにまつわる新企画を考え、それに
   “企画術” と称して、どうやって考えたのか?
  企画の考え方や作り方などを、今まで作ってきた
  番組や映画、本などを振り返りながら、
  公開していくことにしました。」

過去の番組の振り返りはあるものの、
題材となる22の企画は、すべて本書のために
新たに考えられた企画です。

その企画に対して、どのようにして発想したかを
鈴木さん自身が解説します。

 ・投資家対戦バラエティー「金の神」
 ・恋愛再現バラエティー
  「50キュン・GOJUKYUN」
 ・脚本家トーク
  「あのドラマの続きを脚本家が考えてみた」
 ・ドラマ「EYE PHONE
  ~脳にWi-Fiが埋め込まれた男」
 ・対決バラエティー「右利きVS左利き」

こういった企画を発想するための手法が
抽象化したノウハウとしてまとめられているので、
一般のビジネスパーソンでも参考になります。

この本から何を活かすか?

  「器を変える技術」

これは既に生み出されているものの形を変えて、
新しく見せるテクニック。

鈴木さんが実際に関わった番組では、
「SMAP×SMAP」がこの発想術が使われています。

今まで芸人さんたちがやってきたことを
SMAPがやることによって、新しく格好良く
見せることを意図して作られたようです。

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| アイディア・発想法・企画 | 06:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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社外プレゼンの資料作成術

満足度★★★
付箋数:21

   「プレゼンというと、 “話し方” が大事と
  よく言われます。私も、若いころはそう思って
  いました。人前に出るのが苦手で口下手な私は、
  そのことに強いコンプレックスを感じていた
  ものです。
  しかし、今は違います。一般のビジネスパーソン
  は、なまじ上手に話せないほうがいいと
  思っています。」

これだけ売り込みが多い時代ですから、
プレゼンの際に、あまりにも営業トークが
上手すぎると、かえって警戒心や不信感を
持たれてしまいます。

ですから、「話し方」は磨かない方がイイ。

では、プレゼンは何によって決まるのか?

  「プレゼン資料です。資料はプレゼン本番の
  シナリオのようなもの。ポイントを押さえた
  資料をつくることができれば、
  本番ではシナリオに沿って話すだけでOK。
  どんなに口下手でも、万全の資料を用意できれば
  自信をもって話すことができます。
  そして、優れた資料であれば、必ず結果は
  出ます。営業プレゼンであれば、 “3分” で
  相手から確実にポジティブな反応を
  獲得することができるのです。」

本書は、タイトルの通り、「社外向け」の
プレゼン資料作成方法を解説した本です。

著者は、『社内プレゼンの資料作成術』が
好評だった前田鎌利さんです。

かつて孫正義さんのプレゼン資料を作っていた
前田さんが、これまで培ってきたノウハウを
惜しみなく公開しています。

ところで、社内プレゼンと社外プレゼンでは、
作成するスライドは、どう違うのか?

どちらのスライドも、シンプルかつロジカルで
あることが求められている点は共通しています。

違いは、問題意識や願望です。

社内プレゼンは、利害が共通した身内が対象。

プレゼンする側とされる側の問題意識や願望は
基本的に一致しています。

一方、社外プレゼンの相手は身内では
ありませんから、問題意識や願望が異なります。

プレゼンを聞く必要性さえ感じていない場合も
ありますから、「感情」に訴え、「心を動かす」
ことが何よりも重要なのです。

それでは、どのようなスライドを作れば、
相手の心を動かすことができるのか?

  「大事なのは、相手の “感情の動き” を
  意識しながらプレゼン全体のストーリーを
  組み立てること。ストーリーというと難しく
  聞こえるかもしれませんが、そんなことは
  ありません。社外プレゼンのストーリーは、
  1つだけ覚えれば大丈夫。」

それは、「共感→信頼→納得→決断」という
ストーリーです。

まず、「そうそう、それで悩んでいるんだ」と
共感してもらいます。

次に、「この人の話は聞く価値がありそうだ」と
信頼してもらいます。

そして、「この人の言うとおりにすれば、
確かに問題は解決しそうだ」と納得してもらいます。

最後に、「よし、やってみよう」と決断してもらう。

相手が、この4つの「感情」をたどることを
イメージしながら、必要な要素を組み立てます。

本書のスライド作成ノウハウは、この「感情」に
訴えることを中心としていますので、
言葉の選び方から、どんな「画像」や「文字」を
使うかまで、細かく解説されています。

社外プレゼンの指南書はたくさん出ていますが、
その中でも本書は、「初めの一冊」に、
ちょうどいい本だと思います。

この本から何を活かすか?

  ポジティブ情報は「ゴシック+青字」
  ネガティブ情報は「明朝+赤字」

ネガティブ・メッセージをゴシックにしても、
「心に迫ってくる」ものがないようです。

効果的なスライドにするには、モノクロ写真を
背景にして、ネガティブ情報を「明朝+赤字」で
作るのがいいようです。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 11:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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コンセプトのつくり方

満足度★★★
付箋数:21

 第一 資料集め ― 諸君の当面の課題のための
   資料と一般知識の貯蔵をたえず豊富に
   することから生まれる資料と。
 第二 諸君の心の中でこれらの資料に手を
   加えること。
 第三 孵化段階。そこでは諸君の意識の外で
   何かが自分で組み合わせの仕事をやるのに
   まかせる。
 第四 アイディアの実際上の誕生。
   <ユーレカ! 分かった! みつかた!>
   という段階。そして
 第五 現実の有効性に合致させるために
   最終的にアイディアを具体化し、
   展開させる段階。

これは、社会学者グラハム・ワラスさんの
四段階説を基にした「アイデアのつくり方」です。

古典的名著、ジェームス W.ヤングさんの
アイデアのつくり方』の中で紹介されています。

ここで示された流れは抽象的で、
現実のビジネスで真似をするのは、
なかなか難しいところがあります。

これを「身体的な思考」へと進化させたのが、
本書で紹介される「ぐるぐる思考」です。

著者は電通のクリエーティブ・ディレクター、
山田壮夫さん。

山田さんは、脳みそで正しく、客観的・論理的に
考えるだけの思考ではなく、主観的な経験や直感
までをも駆使した身体的思考による
「コンセプト」のつくり方を解説します。

  「イノベーションを起こすためにはふたつの
  相互作用が必要です。そのひとつは組織や
  個人の “ビジョン” と “具体策(現実)” の間の
  行ったり、来たり。これが客観的で論理的な
   “マネジメント軸” 。もうひとつは
   “ターゲット” と “商品・サービス” 間の
  行ったり、来たり。これが主観的で直感的な
   “コミュニケーション軸” 。コンセプトは
  このふたつの相互作用を通じて生まれます。
  そしてこのふたつの軸を両立させる思考方法
  こそが身体的思考です。」

本書では縦方向にマネジメント軸、
横方向にコミュニケーション軸を配した、
「十字フレーム」を使ってコンセプトを
まとめます。

この十字フレームを埋めるために必要なのが、
冒頭で紹介したワラスさんの四段階説を
進化させた「ぐるぐる思考」です。

この思考では、次の4つのモードを回します。

 1. 感じるモード
  料理の材料を手に入れるように、コンセプトの
  材料を集めます。

 2. 散らかすモード
  どうやってターゲットの気持ちを動かすかを
  生々しく考え抜きます。

 3. 発見!モード
  偶然に頼るのではなく、散らかすモードで
  出てきた考えを「整理」することで、
  コンセプトを入手します。

 4. 磨くモード
  商品やサービスという具体策を形にします。

「ぐるぐる思考」では、この4つのモードが
時計回りに配置されています。

前半では、マネジメント軸を、後半では
コミュニケーション軸を中心に考え、
ぐるっと1周することで身体的思考による
コンセプトを手に入れるのです。

ちなみに、本書のタイトルや装丁は
ジェームス W.ヤングさんの
アイデアのつくり方』を模しています。

本を持った感じが、正に『アイデアのつくり方
なのです。

これも偉大な先人であるヤングさんへの
オマージュが込められているのでしょう。

この本から何を活かすか?

  「コンセプトは経験的世界という暗闇から
  物事を照らし出す “サーチライト” です。
  面白いのはイノベーションが起こる時、
  このサーチライトが変わるということです。」

この考えは、言葉だけでは伝わりにくいので、
本書では、わかりやすく図解されていました。

この「コンセプト=サーチライト」説は、
非常に納得感の高い喩えでした。

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| アイディア・発想法・企画 | 07:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「無理」の構造

満足度★★★★
付箋数:28

ビジネス書としては薄い本ですが、
納得感が高く、非常に面白い本でした。

「どんなに頑張っても自分は報われない」
「自分の良さを評価してくれる指標がない」
「なんであの人だけがいつも得をするのか?」

私たちの仕事や日常生活の中には、
「理不尽」と感じることが溢れています。

著者の細谷功さんが、本書で試みたのは、
「世の中にある理不尽さ」のメカニズムを
可視化して理解することです。

社会に出て、たくさんの理不尽なことを経験すると、
若いころには納得できなかったことが、
年を取るに従い、そもそも世の中は理不尽なもの
であると、次第に理解できるようになります。

本書では、「理不尽さを可視化」するこによって、
2時間余りでその境地に至ることができます。

理不尽の構造を理解することによるメリットは、
無駄な努力をしなくなり、必要以上にストレスを
感じなくなること。

最初から理不尽をなくすことが無理だと
わかっていれば、そこではなく、もっと別の所に
エネルギーを注ぐことができるのです。

細谷さんは、このことについて「永久機関」の
例を出して説明しています。

外部とのエネルギー収支がゼロでも動き続ける
機械や仕組みを「永久機関」と呼びます。

かつては、たくさんの科学者が、
永久機関の開発にチャレンジしていました。

しかし、エントロピー増大の法則(熱力学の
第二法則)の登場により、原理原則によって
その存在が否定されると、永久機関の発明を
信じて挑戦する科学者はいなくなりました。

細谷さんが強く感じているのは、
組織や社会の中では、理不尽をなくすという、
永久機関の発明に挑戦する人が、
いまだに後を絶たないということです。

細谷さんが、本書で提示するのは、
 「理不尽なのは “世の中” なのではなく、
  “私たちの頭の中” である」
というキーメッセージ。

私たちが理不尽さを感じる原因の1つは、
本来同等でないものを同等であると
思い込んでいることによる誤解です。

本書では、これを「対称性の錯覚」と呼びます。

私たちは反意語にある2つの言葉や概念が、
方向は逆でも同等のレベルにあると捉えますが、
実はそのレベル感に大きな違いがあります。

例えば、「善と悪」。

善いことはニュースになるのに何年もかかるのに
悪いことは一瞬でニュースに出てしまいます。

また、1つの善い事が起こっても世の中は
簡単には変わりませんが、テロなどの悪いことが
1つ起こるだけで、世の中は一変してしまいます。

このようにAからBに行くのと、
BからAに行くのでは同じだと思っているのに、
実は逆向きは簡単でないことが
「対称性の錯覚」です。

他にも、「悲観と楽観」、「同じと違う」、
「変えると変えない」、「知っていると知らない」
などのように、一見、対照に思える概念が、
実は非対称であることはたくさんあります。

こういった「錯覚」の積み重ねが、私たちが、
日常感じる「理不尽さ」の根本にあるというのが
細谷さんの仮説です。

  「私たちが世の中に抱く “理不尽さ” は、
  起こっている現象が原因ではなく、自分たちの
  頭の中にあるのです。人間の頭の中こそが
  理不尽である、ということを受け入れられれば、
   “理不尽” が “理” に変わります。
  逆に、受け入れられなければ、すべては “無理”
  に変わります。」

この本から何を活かすか?

私たちが日常で行うコミュニケーションも、
「対称性の錯覚」が隠れた、理不尽さの宝庫です。

よくある「伝える」と「伝わる」ことの間に
ある大きなギャップも、言葉の定義が曖昧である
ために起こります。

ただし、ここで細谷さんが言っているのは、
「だからコミュニケーションには意味がない」
のではなく、「だからこそコミュニケーションは
重要である」ということです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 07:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある

満足度★★★
付箋数:18

すばる舎さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

著者の小川大介さんは、中学受験を専門とする
個別指導教室の代表を務めている方です。

小川さんは、「どんな教材を使ったらいいのか」、
「どんな勉強法をしたらいいのか」という質問を
よく受けるそうです。

そんな時に、小川さんはおすすめ教材や勉強法を
教える代わりに、逆に次の質問をするそうです。

  「ところでお母さん、ご自宅のリビングって、
  どんな感じですか?」

もちろん、リビングの広さや設えを知りたくて、
こんな質問をしているわけではありません。

なぜ、こんな質問をするかというと、小川さんは、
「できる子のお宅はリビングでわかる」と
考えているからです。

  「プロがひと目で “できる子” と感じるご家庭の
  リビングには、必ずあるものが置かれています。
  それが、図鑑、地図、辞書です。
  知的アイテムの代表格と言っていいでしょう。
  手に取りやすい場所に地図や地球儀が置かれて
  いたり、本棚には大人用の本に交じって、
  子ども用の辞書や図鑑が並べられたりしている。
  おもちゃやゲーム以外に、親子で一緒に使える
  図鑑、地図、辞書が一揃えある・・・・。
  そういう家庭環境が整っているご家庭の
  お子さんは、勉強に対する姿勢ができている
  だけでなく、あとの伸びがすごいのです。」

本書は、未就学から小学生までの子どもを持つ
親が、賢い子どもを育てるための本。

残念ながら、ウチの子どもは既に高校生に
なっているため、本書に紹介されていることを
これから実践することはできません。

しかし、我が家で実際にやったことに対して、
本書の内容が、本当に効果があったのかどうか
について、振り返ることは可能です。

実は、我が家では、本書に書かれていることは、
かなり多く実践していました。

リビングのテレビの側には地図帳があり、
カウンターの上には地球儀が置いてあります。

リビングの壁には日本地図が貼ってあり、
トイレには世界地図と周期表と宇宙図が
貼ってあります。

書棚には子ども用の図鑑や辞書が並び、
手の届くところには電子辞書が置いてあります。

勉強もずっとリビングでやっていました。

そんな環境で育って子どもはどうなったか?

地方に住んでいるため、中学受験はないので、
小学生の段階でどの程度のレベルだったかは、
正直、わかりません。

しかし、高校受験の際には、塾に通わず、
特に苦労や心配もせずに、地元で一番の
進学校に入りましたから、リビングの環境を
整えることに、一定の効果はあったと思います。

一番長い時間を過ごすリビングに、
知的好奇心を満たすものが、あるのと、
ないのでは、違いは出てくると思います。

ただし、個人的に大切だと思うのは、
あまり子どものため、子どものためと考えず、
親自身の好奇心を満たすこと。

いくら辞書・地図・図鑑がリビングにあっても、
それを親が楽しそうに使っていなければ、
小さな子どもは、興味をもつことができません。

親自身が楽しそうに、地球儀を回し、
辞典を開いているからこそ、それが楽しい行為
であると、子どもに伝わるのです。

本書には、小川さんおすすめの
地図・地球儀・辞書・図鑑が多数紹介されて
いますが、その中から、まずは親が面白いと
思ったものを選んで、リビングに置いておくと
いいと思います。

この本から何を活かすか?

本書で紹介されている以外で、子どもの地頭を
良くするアイテム。

我が家では、主に子どもが小学生の時ですが、
かなりボードゲームをやりました。

多くやったのは「Rummikub(ラミィキューブ)」や
カタン スタンダード版」などです。

子どもの論理的思考力を養えました。

また、家の中のアイテムではありませんが、
海・川・湖・山などへキャンプに行ったり、
カヌーやスキーに行ったことが、子どもの視野を
広げるには良かったように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 勉強法 | 07:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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目標を次々に達成する人の最強の勉強法

満足度★★★
付箋数:19

  「この本は、医師として研鑽を積みながら、
  語学力ゼロの状態からハーバード大学に留学し、
  同時にビジネススクールでエグゼクティブMBAを
  取得した筆者自身の体験と、海外で活躍する
  日本人やエリートたちへの取材をベースにした
   “仕事と勉強を両立しながら目標を次々と
  達成するための考え方と、語学習得も含めた
  具体的な勉強法” を、仕事や日常の様々で
  忙しい社会人の皆さんに紹介します。」

著者は、医師としてハーバード大学へ留学し、
留学中にボストン大学経営学部で
エグゼクティブMBAを取得した猪俣武範さん。

猪俣さんは、医師としての激務をこなしながら、
一体どのように勉強して、ハーバード大留学と、
MBA取得を同時に成し得たのでしょうか?

猪俣さんが、勉強の最大のパフォーマンスを
発揮するために、最も大切と考えることは、
次の2つです。

 ・人生で達成したいことを見据えて目標を立てる
 ・何をやらないかをはっきりと決める

本書では、この2つの考え方をベースに、
日常の中でも効率よく成果を上げる
「勉強のエコシステム」の構築を目指します。

まず、「目標」については、生涯で何を達成するか
という視点から、次の7つのカテゴリーそれぞれに
対して目標を立てます。

  仕事(キャリア)、家族、経済(金銭)、健康、
  教育(自己啓発)、趣味、その他

5年後や10年後の自分を思い浮かべて、
SMART GOAL(スマートゴール)を設定します。

スマートゴールとは、Specific(より具体的に)、
Measurable(評価可能な)、Achievable(実現可能な)、
Related(現実的な)、Time-bound(期限内に達成可能
な)の5つの基準をクリアした目標です。

例えば、「グローバル化に向けて英語を勉強する」
という目標はスマートゴールではありませんが、
「2017年までにTOEFLで100点を取得するために
単語帳を1日20ページ進める」という目標は
スマートゴールです。

そして、目標達成のために、何をやらないかを決め、
極力ムダなく、効率的に勉強する方法が、
「LEAN(リーン)勉強法」です。

LEANとは、MIT(マサチューセッツ工科大学)が、
トヨタ生産方式を研究し、体系化・一般化した
生産管理手法です。

猪俣さんはこの手法を勉強方法にアレンジしました。

 1.「目標を視える化」し、「やるべきこと」と
  「やらないこと」を明らかにする

 2.「ムダを省き」時間を捻出し、やるべきことに
  フォーカスする

 3.「カイゼン」を繰り返し、プロセスを磨き上げる

 4.そのプロセスを「習慣化」する

 5.長期的な展望を見据えながらも「小さな勝利」を
  意識し、モチベーションを高く保ち、
  LEANの良循環を継続していく

この勉強法では、自分の目標に向けて問題点を
見つけ、改善を重ねながら徐々に生産性を
上げていくサイクルを習慣化します。

ちなみに本書では、本格的な勉強とは別に、
人としての根幹となる資質を育てるために、
「読書」が勧められていました。

猪俣さんは、読書でもLEANの考え方を取り入れ、
ムダな本をなるべく読まないようにしています。

確かに、読書も時間との戦いの部分もありますが、
個人的には、人間としての幅や教養を身につける
ためには、あまり分野や目的を絞り込まずに、
読書することがあってもいいように思えます。

この本から何を活かすか?

猪俣さんが取得した、エグゼクティブMBAとは?

エグゼクティブMBA(EMBA)とは、フルタイムMBA
と違い、勤務者向けのパートタイムMBAプログラム。

職業経験の15年以上のエグゼクティブや
創業社長などが通っているので、30代後半から
40代のミドル向けのMBAコースです。

猪俣さんは、医師としての、そして研究者としての
キャリアを中断しなくても経営を学べることから
通常のMBAでなはく、EMBAを選択したようです。

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| 勉強法 | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あの日

満足度★★★
付箋数:19

2016年3月にビジネスジャーナルの記事
「STAP現象、米国研究者Gが発表…
小保方晴子氏の研究が正しかったことが証明」
が投稿されて話題になりました。

米テキサス大学医学部ヒューストン校の
キンガ・ヴォイニッツ博士らの研究グループが、
「STAP現象」によく似た現象を報告したとする
記事です。

しかし、どうやらSTAP現象が再現されたわけでも、
小保方晴子さんの研究が正しかったことが
証明されたわけでもないようです。

さて、そんな話題があったので思い出したように
読んだのが本書です。

本書は、小保方晴子さん本人が綴った手記。

  「これまで、他の方に影響が及ぶことを恐れ、
  私からの発信を控えてきました。
  しかし、ここまで社会を大きく騒がせた
  この出来事に対し、このまま口をつぐみ、
  世間が忘れていくのを待つことは、さらなる
  卑怯な逃げであると思い、自分の持つ弱さや
  未熟さもさらけだして、この本の中に真実を
  書こうと決めました。」

まず、思ったのが小保方さんの文章のうまさです。

前半の希望に満ちた研究生活から、
後半は一転して、若山照彦教授の魔の手にかかり、
捏造の張本人に仕立てられていくという、
「巻き込まれ型」のストーリーです。

前半の自由な明るさと、後半のバッシングによって
精神的に壊れていくコントラストが秀逸。

心も体もボロボロの状態の中で、
これだけ読者を惹きつけるストーリーが
書けるのは本当に凄いことだと思います。

だからこそ、STAP肯定派・否定派、
小保方さん擁護派・非難派のどちらにとっても
本書が話題になるのがよく分かります。

本書では、小保方さんの心情面の変化が、
詳細に描かれています。

特に、若山さんに対しては、尊敬していた
状態から、激しく非難するようになるまでの
ギャップが大きいですね。

仲間だと思っていた人たちからも非難され、
世間からもバッシングを受けた苦しみや、
何か大きな力に押さえつけられる恐怖感など、
小保方さんの感情面が、よく伝わってきます。

ただし、本書を読んでも結局何が真実なのかは
よくわからないのが正直なところです。

マスコミや世間に踊らされ、人生が狂ってしまった
一人の女性の物語と考えて読むのが、
妥当なところかもしれません。

小保方さんの可愛らしい容姿を想像して読めば、
「魔女狩り」に遭ってしまった女性の物語で、
しかもバッドエンディングですから、
「マッチ売りの少女」を読むように、
共感する方も多い作品だと思います。

  「私に実際に課せられた検証実験の条件は、
  記者会見で発表された内容よりずっと厳しい
  ものだった。 “魔術を使うことを防ぐために” 
  監視カメラや立会人による24時間の監視に加え、
  私の行動のすべてが立会人によって記録された。
  (中略)
  ポケットのない洋服で通勤することを強いられ、
  その上からエプロンを立会人によって着せられ、
  脱ぐことは許されなかった。毎日、着せられる
  エプロンは、レントゲンを撮る時に着せられる
  鉛の防衣のように重く感じられ、
  体を自由に動かすことはできなかった。

  私を採用してくれた先生たちからは、
   “魔術を使う” と言われ、誰も信じてくれない。
  一人で理研内の廊下を歩くことも、
  許されなかった。」

この後、笹井芳樹さんの自殺などもあり、
小保方さんは、次第に崩壊していきます。

この本から何を活かすか?

  「不思議と今でも実験をしている夢を見る。
  心はもちろんウキウキしていて、ピペットマンが
  押し返してくる感触を右手に感じる時すらあるのだ。
  でも、その夢から覚めた時、思い描いていた
  研究はもうできないんだなと思うと、
  胸が詰まり、涙が勝手にこみ上げてくる。」

今回の一連の騒動で、人が泣ける限界まで、
小保方さんは涙を流しています。

もちろん、小保方さんの大好きな
マイクロピペッターのピペットマンでは、
その大量の涙を吸い取ることはできません。

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| 科学・生活 | 13:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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いらない課長、すごい課長

満足度★★★
付箋数:20

アジア・ひと・しくみ研究所の新井さんから
献本いただきました。ありがとうございます。

本書は、リストラ対象になる「いらない課長」と、
人材価値の高い「プロフェッショナル課長」の
違いをまとめた本です。

著者は、アジア・ひと・しくみ研究所の代表、
新井健一さんです。

本書は、30代から40代の課長職、あるいは
その前段階のサラリーマンを読者層と想定して
書かれています。

課長クラスの方は、一筋縄では解決できない、
職場の多くの問題を抱えています。

経営層、部長層からの要求やプレッシャー、
目標管理や人事評価に対する部下からの不満、
コミュニケーションの齟齬、やるきのない部下や
できない部下の指導・対処、成果主義の職場での
ギスギスした雰囲気、メンタル不全、ハラスメント、
優秀な部下の離職などなど。

こういった悩みを、まったく持たない課長は、
いないことでしょう。

しかし、新井さんは経営から職場を任された
従来型の課長では、そもそもこれらの問題を
解決することはできないと言います。

なぜなら、これらは個別に対処すべき
問題ではなく、会社の経営管理や人事管理に
内在する構造的な欠陥に起因する問題で
あることが多いからです。

  「本書では、職場に山積する問題に対処
  しなければならない課長クラスのビジネスパーソン
  を対象に、職場で実際に起こりえる問題を
  想定しながら、なぜ課長は職場のマネジメントや
  問題解決に失敗して泥沼にはまるのか、
  そこにある真の問題はどうすればとらえられるのか、
  抜本的な問題解決にどう取り組めがよいのかなどを
  明らかにする。そして、多くの企業において課長の
  マネジメント、問題解決を観察してきた知見を
  活かし、職場のマネジメント、問題解決に必要な
  プロフェッショナル課長のための知識・スキルを
  解説する。」

特に、社内事情に精通しすぎている方は要注意。

  「その事例や提案は、他社では通用するだろうが
  わが社では難しい。うちは特殊だから。」

こんなセリフを決まり文句のように吐く課長を
本書では「ガラパゴス課長」と呼びます。

ガラパゴス課長は、内向きな思考や社内の序列に
とらわれているので、職場のダイバーシティが
進む中では、そのマネジメント手法は通用しなく
なっています。

では、今どきのプロフェッショナル課長には、
どのようなスキルが求められているのか?

新井さんは、次の7つのスキルを挙げています。

  1. フォーユーの姿勢と行動
  2. 公正さを基準化する力
  3. 技術的なコミュニケーション
  4. キャリアを客観視する力
  5. 変化を積極的に取り入れる力
  6. オープンさを保つ力
  7. 「緑の血」であり続ける力

最後の「緑の血」とは、かつて新井さんが
仕えたことのある実在の課長から取った言葉。

その課長は、職場のマネジメントに一貫して
「技術」で対応しようとしていたので、
「緑の血が流れているのでは?」
と揶揄されることもあったそうです。

  「口べたで仕事以外の話はまったくしないため、
  一見何を考えているか分からない風であるが、
  いくつかの技術を組み合わせることで、
  彼の職場には安心感や信頼感があった。
  気配り上手で口も上手な課長より、女性社員
  からも好感が持たれていた。そして、その技術の
  組み合わせは、技術であるがゆえに、
  誰でも使いこなすことができるのだ。」

決してコミュニケーションが上手くなくても、
再現可能な技術でマネジメントすることができれば、
価値観が多様化する職場ではうまくいくようです。

この本から何を活かすか?

役職者が一定の年齢に達したら、管理職ポストを
外れる「役職定年」。

50代前半で役職定年になると、サラリーマン人生は、
まだ10年ぐらい残っています。

新井さんは、そのような立場でロールモデルと
すべきなのは、「島耕作」ではなく、
釣りバカ日誌の「ハマちゃん」だと言います。

「緑の血の課長」とは対極にあるような感じですが、
サラリーマン人生の後半では、人としての面白さと
何があっても生き残っていく力が必要なようです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 05:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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