活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2016年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年03月

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ダーウィンの覗き穴

満足度★★★
付箋数:23

進化論で有名なイギリスの自然科学者、
チャールズ・ダーウィンさん。

実は、フジツボの分類、珊瑚礁の形成と分化など
でも業績を残して、たとえ進化論の発表がなくても
生物学史上に名を残したとも言われています。

ダーウィンさんは、フジツボに関する
ある発見をしました。

それはフジツボが、動物界で最も長いペニスを
持っているということ。

クリプトフィアルス・ミヌトゥスというフジツボの
雄性性器は、本体の8倍もの長さがあり、
現在でも動物界の最長記録を保持しています。

  「フジツボは岩や船に固着して一生を過ごすので、
  水中に精子を放出しても波で流されてしまう。
  このような環境で近くの個体を受精させるには、
  知覚をもつ長いペニスを伸ばして相手を探す
  しかない。ペニスが長い理由はこれで説明できる。
  フジツボのコロニーが特に熱気を帯びた日には、
  長く伸びた数十本のペニスが “隣人” たちの
  あいだをくねくねと這い、ペニスを差し込める
  すきまがあればすかさず奥を探っているようすが
  見られる。」

本書は生物における生殖器官の進化に焦点を
当てた、学術色の強い本です。

著者のメノ・ スヒルトハウゼンさんは、
オランダのライデン大学の進化生物の教授で、
ナチュラリス生物多様性センターでは、
リサーチ・サイエンティストを務める方。

  「はるか昔から、私たちは性交渉という
  仕組みについて、ただ “そういうものだ” と
  しか思ってこなかった。しかし、私たち自身の
  生殖行動の核心にあるものは、決してデフォルトで
  用意されているわけではない。
  生殖器の進化によって交尾行動の進化の方向が
  決まり、またその逆も起こる。」

生殖器や性をテーマに扱うと、誰にとっても
興味深いテーマであっても、不当な扱いを
受けてきた歴史があります。

ダーウィンさんも『人間の進化と性淘汰』を
執筆する中で、著名に「性」という言葉を
入れさせまいとする出版社に必死で抵抗
したと言われています。

  「秘められた身体のパーツに興味をそそられる
  という事実こそいなめないが、私は一冊の本を
  丸ごとのテーマに費やし、もっと複雑な事柄にも
  取り組むことによって、生殖器研究者がメディア
  から浴びせられる忍び笑いを乗り越えられたら
  と願っている。」

文章はユーモラスな書き方をしていますが、
本書はいたって真面目な進化生物学の本です。

個人的に衝撃的だったのは、カモにもレイプが
あるということ。

カモは一雌一雄で交尾するだけでなく、
しばしば集団で輪姦としか呼びようのない
行動にでることがあるようです。

多数の雄が大声でわめきながら一羽の雌を
追い回して交尾を迫ることがあります。

更に恐ろしいのは、独り身で性的に興奮した
雄ガモにとっては、カモでさえあれば、
雄でも雌でもよく、場合によっては死体でも
構わず交尾をするということ。

そんな生態もあり、マガモの雌はレイプに
抵抗するために、複雑な形の生殖器に進化
しているようです。

マガモの雌の膣は時計回りの螺旋状と
なっていて、雌が筋肉を弛緩させない限り、
雄のペニスの進入が拒まれるように
なっています。

カモのようにレイプが頻繁に起こる種ほど、
複雑な交尾器を持っているようですね。

この本から何を活かすか?

  「セックスに対する関心は、人間の心の奥底に
  根ざしている。この関心を満たせる
  (その一方で、同時に満たされる)ならば、
  生殖器研究者が世間から真剣に受け止めてもらう
  のも難しくないはずだ。しかしそこには問題も
  存在する。」

生物進化上の重要なテーマではありますが、
それを淫猥と受け取られる風潮もありますから、
研究者はその風当たりと闘いながら、
これまでの道を開いてきた様子が伝わってきます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 科学・生活 | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハーバードでいちばん人気の国・日本

満足度★★★
付箋数:22

  「コロンビア大学経営大学院に留学していた
  ころ、授業中、英語でうまく発言することが
  できなかった私は、立て板の水のごとく発言する
  アメリカ人を横目に、よく、こう思ったものです。
   “あー、できるものなら、アメリカ人に
  生まれたかった”  “古文や漢文を勉強していた
  時間を英語に回していたら、この人たちには
  絶対に負けなかったのに・・・” 
  ところが本書を書いてみて、いかに自分の
  価値観が間違っていたかに気づきました。
  日本人がどれだけ世界から羨ましがられる存在
  であるかがわかったからです。
  日本人の強みは日本人である。
  ハーバード教授陣からの熱い激励のメッセージが、
  私だけではなく、多くの日本人を勇気づける
  ことを願います。」

世界の最高学府、ハーバード大学経営大学院で、
一番人気のある国が「日本」だといいます。

ハーバード1年生は、毎年春になると研修旅行に
参加することが通例となっています。

行き先は、インド、イスラエル、イタリアなど
約10カ国。

その中で一番人気となっているのが日本です。

参加者の募集をすると、わずか数分で
定員100名が埋まってしまうほどの人気ぶり。

(※日本への研修ツアーは、児玉教仁さん著の
ハーバード流宴会術』に詳しく書かれています)

また、ハーバードではケースメソッドを用いて、
各企業の事例を授業で議論しますが、
そのケースにおいても日本の事例は、
学生からの評価が高いそうです。

必須科目で学ぶ日本の事例は次の6本。

  トヨタ自動車、楽天、全日本空輸、
  本田技研工業、日本航空、アベノミクス

更に教員の間でも、日本を再評価する機運が
高まっていて、2014年3月下旬、18名の教授陣が
研修プログラムで来日しました。

これは全教授陣の1割近くにあたり、
これほどの人数が日本企業を視察するために
一斉に来日したのは史上初めてのことでした。

本書はそんな人気の「日本」について、
佐藤智恵さんが、ハーバードの教授陣に取材し、
「日本から何を学んだのか」をまとめた本です。

これまでも、佐藤さんは『ハーバード合格基準
や『世界のエリートの「失敗力」』などを
執筆していて、MBA取材には定評があります。

なぜ、そこまで日本が注目されているのか?

佐藤さんは、ハーバードで人気の理由を
次のように分析します。

  「その一つの要因として考えられるのが、
  日本が "不確実性の時代を生きていくうえでの
  指針” を示してくれることだ。」

日本の中にいると、なかなか日本の良さが
実感できませんが、外から見るとその真価が
わかるという訳です。

本書では以下の11事例が紹介されています。

  ・「新幹線お掃除劇場」は日本の誇りだ
  ・なぜトヨタは圧倒的に強いのか
  ・世界初の先物市場・堂島米市場
  ・社会制度は変えられる
   ―明治維新と岩崎弥太郎
  ・日本の金融政策、そしてアベノミクス
  ・日本企業で最も売れた教材はホンダ
  ・ “場を提供する” ビジネスに挑む
   六本木ヒルズとグリー
  ・保護産業が世界に羽ばたく
   ―ANAのグローバル戦略
  ・楽天が断行した社内英語公用語化
  ・トルーマンと原爆投下の是非
  ・福島第二原発を救った「チーム増田」

この本から何を活かすか?

  「今回、最も多くの教授が日本の強みとして
  指摘したのは、 “人的資本” である。
  つまり、日本人の強みは日本人だ、ということだ」

特に次の6点において、日本の評価が高いようです。

  1. 高い教育水準
  2. 分析的な特性
  3. 美意識、美的センス
  4. 人を大切にするマインドと改善の精神
  5. 環境意識と自然観
  6. 社会意識

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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働く君に伝えたい「お金」の教養

満足度★★★
付箋数:20

  「いったいどうすれば(将来に対する)不安から
  脱けだすことができるのか?
  どのようにお金とつきあえば、一生お金に
  振り回されず、楽しく自由に生きていけるのか?
  その答えを、本書をとおしてみなさんにお伝え
  していきます。(中略)
  これからお話する内容は、この時代に生きる
  すべての20代のみなさんに知っておいてほしい
  ことです。 “実況講義” のつもりで学んで
  いただければと思います。」

本書はライフネット生命代表取締役会長兼CEOの
出口治明さんが、20代の定職に就いている方へ、
お金とのつきあい方について語った本です。

中心となる考えは「財産三分法」。

手取りでもらったお金を「財布」、「投資」、
「貯金」の3つに振り分けます。

 1. 日常で使うお金=「財布」
  食費、日用品など数日間から1週間くらい
  過ごすために必要なお金。

  20代の社会人だと目安は13000円程度。

 2. なくなってもいいお金=「投資」
  手取りの中から、最悪なくなっても
  何とか生活していける範囲内のお金。

  投資に使うお金は、「自分への投資」と、
  「お金への投資」に分かれます。

  ちなみに20代の方が多く投資したいのは、
  「自分への投資」です。

 3. 流動性の高いお金=「貯金」
  手取りから、財布と投資のお金を除いて、
  残ったお金の全額。

  しかし、ここから「財布に補充する」と
  「貯蓄する」の役割を担うため、
  「流動性」があることを重視します。

本書では、この「財産三分法」を軸に、
お金について「知る」、「使う」、「貯める」、
「殖やす」、「稼ぐ」の5つのテーマについて
「お金の原理原則」が講義されています。

  「残念ながら、この講義を受講したからと
  いって、すぐに3億円儲かる、なんてオイシイ
  話はありません。なんの苦労もなく1億円もの
  貯蓄ができていた、なんて奇跡もおこりません。
  しかし、むだな不安から解放され、楽しく
  お金を使い、残し、殖やしていくことで、
  幸せな人生を送れるようになる。
  そう断言することはできます。
  お金のことで死ぬまで不安に思うことなく、
  楽しく生きていけるようになること。
  お金に支配されることなく、お金を支配できる
  ようになること。これが、本書のゴールです。」

出口さんの専門の保険の決め方の解説も
ありますし、投資信託の選び方についての
説明もあります。

しかし、本書で出口さんが伝える最も大切な
ことは、お金に対する考え方を変えることです。

何から何まで倹約して、将来の不安をなくす
ためにひたすら貯金する必要はありません。

むしろ出口さんは、「貯める」や「殖やす」
よりも「使う」ことの方がずっと大切だとも
言っています。

なぜなら、「使う」ことがお金の本質だから。

そして、出口さんがお金を「使う」ときの
ルールは、たった1つだけです。

それは、「楽しいかどうか」という基準。

楽しく、かつマイナスにならなければ、
それでいい。

ただし、「楽しく使う」ことは「何も考えずに
使う」浪費とは根本的に違います。

自分が何を楽しいと思い、何を大切にし、
どんな人間になりたいかを自問する。

そして優先順位を考えて、賢く使うことが
必要なのです。

この本から何を活かすか?

  「日本は、2030年ごろにはいまと比べて、
  じつに800万人もの労働力不足に陥るとも
  言われています。
  これ、みなさんにとってはかなりラッキーなこと
  だと僕は思います。どうでしょうか?」

労働力不足は、就職する側にとっては、
売り手市場になるということ。

確かに、そう考えるとそうですが、
今の20代の方も、2030年には昇進したり、
起業するなどして、雇う側の買いになって
いるかもしれません。

暗く考える必要もありませんが、
単純にラッキーと考えることもできませんね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| マネー一般 | 11:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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やむなくリーダーになる人が結果を出すために読む本

満足度★★★
付箋数:19

リーダーになんか、なりたいと思ったことは
一度もない。

できれば、そんな責任があってプレッシャーの
かかるポジションなんかやりたくない。

そう思っていても、突然、リーダーになることを
言い渡されることがあります。

本書はそんな立場のリーダーが読む本です。

なぜ、リーダーになることがコワイのか?

それは、リーダーは他よりも卓越していて、
能力もハンパなく優れているという思い込みが
あるからです。

イメージするのは、カリスマ性があって、
周囲の期待に応えるリーダー像です。

しかし、本書の著者、折戸裕子さんは、
そんなリーダー像など捨ててしまえと言います。

リーダーを言い渡されたからといって、
急に能力が高まるわけではないことは、
あなたのチームのメンバーだって知っています。

  「リーダーは単なる役割です。あなたがリーダー
  らしくあろうとするから、うまくいかないことも
  あるのです。まずは、今、自分の頭の中を
  占めている “こうあるべきリーダー像” を
  なくしてみましょう。」

また、折戸さんは、若手リーダーは、
自分のリーダー像のみならず、周囲の期待にも
応えなくても問題ないと言います。

なぜなら、周囲から期待されるラインは
人によってバラバラだから。

リーダーになった途端、後輩はリーダーへの
期待値を高めるかもしれません。

同僚は負けじとライバル視して、自分と同じ
ラインで競う人もいるでしょう。

先輩は自分より下と見る傾向があるので、
「きっと、この程度しかできないだろう」と
やっかみ半分で、できないことを期待される
場合があります。

そもそも人がリーダーに期待するラインは
これだけ違うので、相手の立ち位置によって、
使い分けることが不可能なのです。

それでは、リーダーはどのように振る舞えば
いいのでしょうか?

  「実力や関係性を意識する余白を持たせずに、
  今、自分が成すべきことだけに集中して、
  相手と向き合う。相手がどう見るかではなく、
  軸を自分に置くという考え方に転換できれば、
  視界が変わります。」

ブレない軸を自分の中に置くことについて、
お手本にしたいのが、サッカーのキング・カズ
こと三浦知良選手です。

2015年4月12日放送のTBS「サンデーモーニング」
で、野球評論家の張本勲さんが、カズ選手に
「もうお辞めなさい」と引退勧告したことに対し、
「言われるのは光栄。激励だと思って頑張る」
と対応したことが話題になりました。

カズ選手は、この対応に限らず、
プロのサッカー選手として、ブレずに真っ直ぐ、
王道を歩む努力を日々続けています。

この「軸」について、カズ選手は新聞に寄稿した
コラムで、次のように語っています。

  「目標とは到達して一度は達成となるもの
  だけど、終わりは訪れない。(中略)
  1つのゴール、1つのプレーで、極論すれば
  人生さえも変わると思ってやっている。
  1つのヒット、得点、勝ち負け。
  その1つのために365日を費やし、積み重ねる。
  それがプロなんだね。」

カズ選手は、あまりにカッコ良すぎますが、
誠実さと一貫した姿勢は周囲を安心させますから、
是非、手本にしたいところです。

本書は、自信がないままリーダーになって
しまった人が、自分なりの新しいリーダー像を
見つける手助けをしてくれます。

この本から何を活かすか?

  「リーダーは実務者の一員なのに、
  まるで選ばれた人かのような行動様式に
  ハマっていませんか?」

現場のリーダーは特別枠ではありません。

求められているのは、偉いリーダーではなく、
メンバーと共に戦うリーダーです。

リーダーを特別枠と考えてしまうのは、
特に、初めて現場のリーダーになった時に、
陥りやすい失敗なので注意したいところです。

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| リーダーシップ | 09:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハーバードで学んだ脳を鍛える53の方法

満足度★★★
付箋数:17

  「脳を上手に使って鍛えることで、思い描く
  通りの人生を歩むための秘訣・・・。
  それは、とてもシンプルなものです。以下に
  述べる2つのことを実践するだけなのですから。
  1に “ワクワクすること” 、
  2に “ハラハラすること” 。以上です。
   “えっ、たったそれだけ・・・?” と驚かれた
  人は多いと思いますが、実はこれらがすごく
  大事なのです。」

本書は脳を活性化させ、上手に使う53の方法を
紹介した本です。

  「脳を上手に使えば、仕事や勉強、さらには
  スポーツでよい結果を出すことができます。
  コミュニケーション能力が高まって人間関係が
  良好になります。感情が安定しますし、
  ネガティブ思考が消え、結果的に人生が充実して
  楽しくなります! そして、脳を効率的に鍛えれば、
  認知症の予防・改善、身体機能の維持などにも
  つながり、健康的に過ごすことにもつながります」

著者はハーバード大学医学部の医療機関である
ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究室で
4年間、神経生理学や脳について研究していた
川﨑康彦さんです。

それでは、ワクワクしやすい脳のつくる
53の方法の中から、いくつか紹介しましょう。

  方法01. 「ありがとう」を口グセにする
  方法04. 大型書店に行き、全フロアを眺める
  方法05. 朝食にちょっとしたご馳走を用紙する
  方法08. 居心地の悪い場所に身を置く
  方法10. 神社や教会で願い事をする
  方法17. 得意料理を1つ持つ
  方法19. 机を「L字型」か「U字型」にする
  方法27. 「恐怖はチャンス!」だと唱えまくる
  方法39. 嫌な人とつき合ってみる
  方法45. ミネラルウォーターをとる
  方法48. 1日2回、20分間の瞑想をする
  方法51. 食事とマッサージで感情を安定させる

正直、こうやって並べてみると、
よくある自己啓発書や健康指南本に書かれている
内容と、大きな違いはないように思えます。

本書ではこれらの方法を紹介する文の冒頭には、
 「ハーバードでは・・・」
 「ハーバード在籍中に・・・」
 「ハーバードの研究者は・・・」
などと書かれています。

全体的に見ると、川崎さんが医学博士として
脳を研究してきた内容よりも、ハーバードで
上司や同僚を見て思ったことや、体験したことが
ベースになっていることの方が多いと感じました。

ですから、脳を鍛える方法に医学的根拠を
求めている人にとっては、ちょっと期待とは
違った内容に思えるかもしれません。

どちらかと言うと、人生の目標を次々と
達成してきた川崎さんの成功法則の本と
捉えた方がシックリくる内容です。

この本から何を活かすか?

川崎さんは中国への留学経験もあるので、
本書では、陰陽五行説の考えも紹介されていました。

感情をコントロールして脳を安定化するために、
感情と五臓を関連付けるて考えます。

私には、この陰陽五行説の考えが新鮮でした。

 木 ⇔ 肝 [怒]
  肝臓に異変があると、怒りっぽくなる。逆にその
  怒りが強くなると、肝臓を痛めることにつながる。

 火 ⇔ 心 [喜]
  有頂天になったり、大声で笑ったりすることで、
  気の緩みが不快となり、心臓の力を弱める。

 土 ⇔ 脾 [思(物思い)]
  物思いに耽りすぎると、脾臓に害を及ぼす。

 金 ⇔ 肺 [悲]
  憂いや嘆き、悲しみといった感情が強いと、
  肺を弱める原因となる。

 水 ⇔ 腎 [恐・驚]
  恐れや驚きの感情が過ぎると、腎臓を害す。

中国医学では、それぞれの感情や五臓に対応した
食事をすることで、過剰に働く感情を抑えることが
できると言われているようです。

本書では、これらの5つの感情を安定させるための
食材も紹介されていました。

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| | 09:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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女子高生社長、経営を学ぶ

満足度★★
付箋数:17

本書は女子高生社長として話題の椎木里佳さんと、
フラッシュアニメ「秘密結社 鷹の爪」を生んだ
ディー・エル・イー社長の椎木隆太さんの
経営者親子の対談本です。

パパ 里佳は、自分の強みを知って、「女子高生
  起業家」って名乗りだしたわけだよね。
  自分では思ってもみないところに強みが
  あったという発見って、けっこう大きかった?

里佳 かなり大きかった!「あなたは女子高生で、
  かわいくて、社長で、お父さんもすごくて、
  いろんな要素が詰まっているんだよ」みたいに
  言われたりして。じゃあ、それ全部使って
  いこう!って。

パパ そこを冷静に「強み」だととらえて、
  それを「利用しよう」と思えるのはいいところ
  だと思うよ。

確かに、里佳さんは女子高生というアイコンを
最大限に利用して活動しています。

本書の表紙もセーラー服を着た里佳さんですし、
ページをめくるとアイドル顔負けの笑顔で佇む
里佳さんのカラー写真が掲載されています。

また、本書は刊行されて1ヶ月もしないうちに、
(2016/2/23現在)150件近くのアマゾンレビューが
寄せられています。

その大半は、批判的な低評価のレビュー。

しかし、そんな炎上も里佳さんは、うまく利用する
ことを心得ているようです。

パパ それにしても里佳は、ネットでの批判も
  うまく受け流して、たくましくやってるよね?

里佳 いちいち考えていたら大変だしね。(中略)

パパ 最初は凹んだんだ?

里佳 「半年で潰れる」とかいろいろ書かれた。
  そのときはめちゃくちゃ凹んだんだけど。
  でも、あまりに量が多くなってきたというのも
  あるし、慣れたっていうのもあるし。
  あと、けっこう、泳がせると、すごくいいな
  と思い始めて。

パパ 泳がせる?

里佳 泳がせるっていうか、炎上させておくという。
  ツイッターのフォロアーが一番増えるのって、
  テレビでもなく、新聞でもなく、ネットの炎上
  なんだよね。(中略)
  私にとって、経営者として発信力を増やす
  ことは重要で。だから、泳がせるだけ泳がせて
  おいて、知名度・発信力をバンバン増やす。

ここまで炎上をプラスに考えることが
出来ていますから、アマゾンのレビューが低くても
数多のレビューが入ることで、里佳さんの狙いは
達成されているということなのでしょう。

里佳さんは、2020年には会社を上場させ、
同時に結婚と出産をすることを目標にしています。

本気で計画しているかどうかはわかりませんが、
女子高生が「2020年に結婚と出産と上場します!」
と宣言したら、話題になることは間違いありません。

こういったところも、計算しているのでしょう。

個人的には、本書の内容うんぬんというより、
親子のやり取りが気持ち悪くて、
正直、あまり内容が入ってきませんでした。

里佳さんの、何でもパパ、パパと言うの
もそうですし、隆太さんの父親としての
溺愛ぶりも、読んでいて辛いものがありました。

かわいい娘を溺愛し過ぎる様は、傍から見ると、
こんなにも不快に思えるという事実を知り、
私も我が身を振り返って、大いに反省しました。

かわいい娘を持つ世のお父さんは、その意味で、
本書を読んだ方がいいかもしれません。

この本から何を活かすか?

里佳 楽できるんだったら、みんな楽したいし、
  楽してなんぼな時代になっているじゃない、
  今って。だから、別にみんなそんなに苦労して
  生きていないし、日本中探しても生きるのに
  必死って人は、本当に少なくなってきたと思う。
  そんなふうに、みんなイージーモードの中、
  「あいつ一番イージーモードだよね」って
  なれたらいいんじゃないかな。

さすが、いろいろなものを持っているだけの
ことがある発言です。

こんな娘を受け入れられる父親だからこそ、
思春期でも父親離れしなかったのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 経営・戦略 | 10:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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戦後経済史は嘘ばかり

満足度★★★★
付箋数:25

  「過去の事象について間違った認識を持って
  いると、それに影響されて、現在の状況を正しく
  見ることができなくなります。(中略)
  とりわけ日本では、そのことは十分すぎるほど
  十分に気をつけて、自分自身で知的武装をして
  おかねばなりません。なぜなら、この国では
  不思議なことに、間違ったことを主張したり、
  当たらない予測を繰り返しているエコノミストや
  経済学者が、いつまでも淘汰されずに主張を
  繰り返していく傾向にあるからです。」

本書は高橋洋一さんが、「戦後経済史」の
誤った認識を正す本です。

なぜ、「失われた20年」と言われたデフレ不況に
陥ってしまったのでしょうか?

その大きな原因となっているのが「バブル期」に
対する誤解です。

バブル期は、物価がどんどん上がるような、
ものすごいインフレ状態だったイメージが
ありませんか?

バブル期は、どこもかしこも羽振りがよく、
接待に次ぐ接待で大変だったという話を聞きます。

私自身もバブル期の最後で就職しているので、
当時は就活すればするほど儲かるというのが、
学生の常識だったように記憶しています。

そんな「バブルの時のお金の使い方はすごかった」
という話を聞いて、当時は著しいインフレが
起こっていたと認識している人がたくさんいます。

  「しかし、現実は違います。価格が上がっていた
  のは土地や株式など一部の資産価格だけです。
  一般物価はそれほど上がっていませんでした。
   “バブル期はものすごく経済の調子がよく、
  経済成長率も非常に高かった” という認識も
  誤りです。当時の経済成長率は、先進国水準では
  ごく平均的なものでした。」

実際の数字を見てみると、バブル期とされる
1987年~1990年の一般物価の物価上昇率は、
0.1~3.1%で、健全な物価上昇率の範囲に
収まっています。

また、実質GDP成長率も4.2~6.2%であり、
1960年代の毎年10%を超えていた時期と比べても
それほど高かったわけではありません。

バブル期に異様に高騰していたのは、
「株式と土地」のいわゆる「資産価格」だけ
だったのです。

その加熱した資産インフレの主因は、
法律や規制の不備という穴でした。

しかし、そこで日銀はマネーが余剰していると
誤認して、金融引き締めを行い、
市場からマネーを引き上げてしまったのです。

一般物価が上昇している状況では、
有効な施策ですが、実際には一般物価が健全な
状態の中で、余計な引き締めを行ったので、
その後のデフレ、「失われた20年」を
招いてしまったのです。

  「日銀は、引き締めてはいけないところで
  引き締めたにもかかわらず、自分たちの
  したことを正当化しようとしました。
  間違ったことを正当化しようとすると、
  その後もずっと間違ったことをやり続けなければ
  いけなくなります。こうして日銀は、
   “過去の間違い” を正当化するために、
  その後も、ずっと間違いを犯し続け、
  デフレを引き起こし、放置し、どんどん悪化
  させました。」

高橋さんの主張は、すべてデータに基づいて
いるので、非常に明快です。

世間が間違って認識している戦後経済史を、
次々と正していくので、読んでいて痛快。

未来を見通すためにも、読んでおきたい一冊です。

この本から何を活かすか?

1ドル=360円の固定相場時代に為替介入して
いないというのも大きな誤解。

  「固定相場制とは、放っておいても為替レートが
  維持されている制度ではありません。
  どんなに世界中が “1ドル=360円” だと
  認めていて、日本政府が “その相場で固定する”
  と宣言したところで、自動的に為替が
   “1ドル=360円” になるわけではないのです。
  では、どうしていたか。
  実は、1ドルが360円から前後しそうになった時は、
  日本政府が猛烈に為替介入していたのです。」

固定相場についても、かなり多くの人が、
誤解しているようです。

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| 経済・行動経済学 | 06:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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話しかけなくていい! 会話術

満足度★★★★
付箋数:27

  「話の上手い人とコミュニケーションの上手い人は、
  似ているように見えて、実はまったくの別物。
  話の上手い人は “伝達能力の高い人” である一方、
  コミュニケーションの上手い人は
   “人から好かれる人” であり、大きく異なるのです。」

本書が目指すのは、話の上手い人ではなく、
コミュニケーションの上手い人。

実は、話しが上手くなればなるほど、
「好かれる人」から、遠ざかっていきます。

それどころか、「何かいけ好かない人」と思われて、
好感度は下がってしまうのです。

どんなに話しが上手くなっても、周りから
好かれなければ、豊かな人間関係は築けません。

だから自分から無理に話しかけなくてもいいんです。

本書は、頑張って会話をしなくても、
相手が話しかけやすい雰囲気や、
相手が話しやすい状況をつくります。

  「この本に書かれた88のノウハウは、いずれも
  “無言” か “ひと言” のみのシンプルなものばかり。
  “自分にできるかな” と不安に感じることも、
  “覚えなきゃ” と力む必要もなく、
  ただ実践するだけで、周りの人から
  “好かれて話しかけられる人” になれるのです。」

著者の木村隆志さんは、人間関係コンサルタント。

プロフィールを見ると、恋愛のコンサルティングも
行っているとあったので、若干の怪しさも感じつつ
読みましたが、書いている内容は至極真っ当。

その上、使ってみたいと思えるテクニックが
多過ぎて、目移りしてしまうほどでした。

木村さんは著名人専門のプロインタビュアーとして、
2000人超の取材実績があり、本書のノウハウは、
木村さん自身も実践の場で使い続けているようです。

メラビアンの法則にもある通り、話す内容以上に、
見た目の影響度は大きいものです。

そこで、木村さんは「話しかけられ上手の5S」で、
相手に好印象を与えることを最初に説明します。

  Smile=笑顔
  Sight=視線
  Sign=合図
  Salute=会釈
  Skinship=接触

この5Sがある人は、威圧感がなく、親近感が
あるため、話かけられる機会が多くなるようです。

この中で「笑顔」をつくることは、
相手への好意と敵意のなさを示す、
コミュニケーションの第一歩。

やや目を細めて目尻を下げて、口角を上げて、
「イ」や「エ」を言うつもりで微笑みます。

最低3秒、できれば5秒。

1秒程度の短い微笑みだと、「フッ」と鼻で
笑ったように見えるので、逆効果になってしまう
こともあるようです。

微笑んでいる時間が長いほど声をかけられる。

会話がはじまったら、「ハハハ」、「フフフ」と
声を出して笑ったり、身振りや手振りを加えた
ボディアクションを交えると、更に印象が
良くなるようです。

ただし、あまり笑顔に慣れていない人は、
自分の笑顔を一度「鏡」でチェックした方が
いいかもしれません。

自分では笑顔をつくっているつもりでも、
目が笑っていなかったり、顔が引きつっていると
かえって話しかけにくい雰囲気になってしまう
からです。

  第1章 「話しかけさせる」事前準備
  第2章 「話しかけさせる」現場テクニック
  第3章 「相手の話が弾む」無言のアクション
  第4章 「テンションを上げる」返事の仕方
  第5章 「さらに好感度を上げる」小技
  第6章 「会話の盛り上がりが増す」話題と質問
  第7章 「何だか気になる」ひと言
  第8章 「思わずクスッとさせる」秘策

この本から何を活かすか?

「昨日読んだ本が面白かったんだよね」と
言われたら、「面白かったんだね」と返すのが、
一般的なオウム返し。

本書では、このオウム返しを「疑問形」に
することを勧めています。

「そんなに面白かったんだ?」と疑問形で返すと、
相手も「そうそう、こんなに面白くてね・・・」
と更に話しやすくなるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| コミュニケーション | 11:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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10年後、生き残る理系の条件

満足度★★★
付箋数:22

  「私の世代では、40歳を過ぎてから、
  突然リストラを言い渡され、職に追われる人も
  多くいます。研究者やエンジニアとして
  世界トップレベルの知識やスキルがあっても、
  それを活かせる職場を国内で見つけることは
  難しい。
  こうした話は、私の身近にもあります。
  リストラされるエンジニアは、決して無能な人達
  ではありません。専門分野において
  世界トップクラスの業績を上げ、かつては会社や
  日本経済に大いに貢献してきた人達なのです。」

理系のエンジニアは専門性が高ければ高いほど、
市場価値がありますが、一度、その分野が斜陽に
なってしまうと、他の分野に移ることができず、
リストラの憂き目に遭うこともあります。

本書の著者、竹内健さんが大学院を出て、
東芝に就職した当時、DRAMは花形産業の一つでした。

しかし、20年後の現在、DRAMを手がけていた
日本企業はすべて撤退・買収・破綻し、
この事業を営む日本企業はなくなってしまいました。

竹内さん自身は、東芝に入社してフラッシュメモリ
の開発に携わり、「勝ち組」になりましたが、
2007年に退職して大学に移りました。

  「『10年後、生き残る理系の条件』、編集者から
  提案されたこの本のタイトルは、自分には荷が重い
  というのが、正直なところです。
  現実の私は10年後どころか、日々生き残ることで
  精一杯です。(中略)
  しかし、確かに未来を予想できるスーパーマンは
  どこにもいなくとも、ひょっとしたら、
  未来はある程度、自分の手で作ることができる
  かもしれません。」

本書は、理系のエンジニアがどのようにしたら、
生き残っていけるかを考察した本です。

10年後でも衰退しない分野を予想するのではなく、
どのように市場環境が変わっても、個人として
生き残っていく力を高めるための本です。

  第1章 生き残るためには、常識を疑う
  第2章 苦境にあえぐエレクトロニクス業界
  第3章 新たに必要なのは文系力
  第4章 日本のものづくり復活のカギ
  第5章 エンジニア人生は逆張りでいこう
  対談 城繁幸×竹内健 会社を飛び出した先に
    道はあるのか?

本書の中で、私の目を引いたのは、
理系が生き残っていくために身につけるべき能力は
「文系力」であるという指摘です。

経営者的な視点を持ち、開発した製品やサービスを
対外的にアピールする。

市場を切り開くために、自社でできないことは、
異分野・異業種と協力する。

こういった、今まで、技術者や研究者は
積極的にやらないとされてきたことをやるのが、
生き残っていく一つの道です。

竹内さん自身も、多面的な経営者の視点を
身に付けたいと考え、スタンフォードに
MBA留学をしたそうです。

特に日本のエンジニアは技術力はあっても、
その技術を外部にアピールする力が不足
しています。

自分を世界にアピールする力も、大枠では、
「文系力」に入るということなのでしょう。

技術が進めば進むほど、異分野と連携なければ、
事業化は難しく、今やコラボなしでできる仕事は
なくなったとも竹内さんは指摘します。

いわゆるコミュニケーション力や、
リーダーシップといった能力がなければ、
理系文系問わず、生き残っていけないのです。

この本から何を活かすか?

理系の人だけに絞った話ではありませんが、
竹内さんは思いを実現するための
「3つのルール」を挙げています。

  1. 広く情報を得る
  2. やるぞやるぞと言い触らす
  3. 全力でやり遂げる

周りにやることを宣言すると、引っ込みが
つかなくなり、強制的に覚悟を決めなければ
ならない状態を作るのが1つのポイントです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 07:23 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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必ず書ける「3つが基本」の文章術

満足度★★★
付箋数:24

  「どう書くかで大切なのは、伝わるように書く
  ということです。何より描写力が問われますね。
  それからもう一点、どう組み立てるか、
  文章の構成も大切です。つまり文章は
  1.何を書くか 2.どう書くか 3.どう構成するか
  ― この『3つが基本』で、それぞれコツが
  あるんです。ぼくは内容に応じてそれらのコツも
  すべて3つの要素で説明できます。
  それで自分では、必ず書ける『3つが基本』の
  文章術、と言ったりしています。」

本書はコラムニストで、10万部突破のベストセラー
書くことが思いつかない人のための文章教室
の著者、近藤勝重さんが、誰でも簡単に書ける
文章のコツについて解説した本です。

近藤さんは、早稲田大学大学院政治研究科の
ジャーナリズムコースで「文章表現」の講義を
行っています。

本書は、そこでの授業内容や学生から質問を受けた
内容をもとに書かれています。

「何を書くか」の章で最初に紹介されている
コツは次の通りです。

 1-個人的な体験にどう意味を持たせるか。
  それが作文です。
  (1)体験 (2)気づき (3)普遍性

まず説明されているのは作文の書き方です。

「何を?」の部分の題材としては、個人的に体験
したことを取り上げます。

そして、その体験を通して気づいたことや、
発見したことを書きます。

最後は、その気づきが社会とどう関わっていのかを
考えて、普遍的な意味合いを見出して結びます。

この3つの構成で書くのがオーソドックスで、
結びの普遍性の部分に何を書くかを決めてから
書き始めるとラクに文章が書けるようです。

2番目に紹介されているコツは骨格について。

 2-何を書くか。3項目の骨格メモを手元に置いて
  書き始めてください。
  (1)初め(導入)  (2)中(展開)   (3)終わり(終結)

あの村上春樹さんの『ノルウェイの森』も
3つの骨格で構成されているようです。

書くべきポイントを、初め・中・終わりの
3項目にまとめてから取りかかると、
書く時間が大幅に短縮できます。

この3つの骨格メモにまとめることを怠って
書き始めると、文章のまとまりを欠いて、
書き直すことになって時間がかかってしまうのです。

近藤さん自身が毎日新聞の夕刊コラム
「しあわせのトンボ」を書く際にも、
必ず3つの骨格メモを書くところから
始めているそうです。

本書では、これらのような「3つが基本」について、
いろいろな作家の文章を題材に用いて解説します。

近藤さんが交流のある作家とのエピソードをなども
紹介されていますね。

さすが名コラムニストだけあって、
近藤さんの語りに自然と引き込まれて、
知らず知らずのうちに書き方のコツが
わかるようになっています。

文章の種類では、味わい深い文章であったり、
読んだ人が唸るような文章が中心です。

ですから、報告書などのビジネス文書などよりも、
作文やコラム、小論文、ブログ記事などを書く時に、
効果を発揮するコツが多いと思います。

練習問題も豊富に掲載されていますから、
読んで理解するだけでなく、自分でも文章を
書きながら上手い文章の書き方を
身につけていけそうです。

この本から何を活かすか?

 独自の見方、視点を心がけて、
 誰も書いていないことを書く方法
  (1)何? (2)なぜ (3)それにしても

近藤さんは、自身の体験エピソードを
この3つで語る簡単な例文を紹介しています。

 (1) ある時、電車に目を見張るような美女が
   乗り込んできました。 
   ところが、車内の乗客は一瞬目を奪われた
   ものの、すぐに関心を失ってしまいました。

 (2) なぜなら、彼女はすぐさまスマホに目を落とし、
   バサッと落ちてきた前髪で顔が隠れ、
   周りの女性と同化してしまったからです。

 (3) それにしても、スマホは凄い。
   何しろ美女への視線まで吸い取ってしまうのだから。

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| 文章術 | 08:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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若田光一 日本人のリーダーシップ

満足度★★★★
付箋数:23

本書は、小原健右さんと大鐘良一さんの共著で、
2010年6月に刊行された『宇宙飛行士選抜試験』の
続編です。

前著は、2009年に放送されたNHKの番組、
「NHKスペシャル 宇宙飛行士はこうして生まれた
~密着・最終選抜試験~」を書籍化したもの
でした。

今回も「NHKスペシャル 日本人船長
(コマンダー)宇宙へ」を書籍化したものです。

本書の主人公はタイトルにある通り、
宇宙飛行士の若田光一さん。

若田さんは、2013年11月から2014年5月までの
国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在において、
最後の約2ヶ月間、日本人として初めて、
船長(コマンダー)を務めました。

これは宇宙開発の世界では一つの「事件」でした。

  「若田が選ばれるまでISSにはのべ38人の船長が
  いたが、そのほとんどがアメリカとロシアの
  宇宙飛行士だった。ヨーロッパの船長さえも
  たった1人で、アジアは皆無、人間を宇宙に
  送り込む活動、すなわち “有人宇宙開発” に、
  1980年代から本格的に取り組み始めた
  日本にとっては、まさに夢にまで見た悲願だった。
  1960年代に月に人類を送り込んだ宇宙大国
  アメリカ、そして有人宇宙開発のパイオニアとも
  いえるロシアを、日本が率いる立場になるとは、
  誰も思いもしなかった。」

本書は、若田さんが船長に選ばれるまでの訓練、
そして選ばれてから実際に船長を務めるまでの
密着ドキュメンタリー。

前著でも、よくそこまでJAXAへの密着取材が
できたなと関心しましたが、今回はNASAでの訓練
の取材ですから、その驚きは更に大きなものでした。

さすがNHKと言ったところでしょうか。

日本人宇宙飛行士のエースである若田さんでも、
エリートばかりの米露の宇宙飛行士の中では、
それほど突出した能力があったわけではありません。

どちらかと言えば、若田さんは「普通に優秀な」
宇宙飛行士だったようです。

宇宙空間という特殊な環境下の緊急事態でも、
冷静な判断と統率力が求められるISSの船長。

若田さんの前までは、ほとんどが「軍」出身の
パイロットしか船長を務めていませんでした。

異常事態に対処する力を、宇宙飛行士になる前から
職業人として備えていたかどうかが、
大きな差になるからです。

しかし、若田さんは宇宙飛行士に選抜される前は、
日本航空の整備士で、普通のサラリーマンでした。

なぜ、普通のサラリーマンだった若田さんが、
ISSの船長にまで上り詰めることができたのか?

本書は密着取材を通じて、その理由に迫り、
「日本人ならではのリーダーシップ」を
明らかにします。

  第1章 日本人「船長」の誕生
  第2章 船長の仕事
  第3章 緊急対処訓練
  第4章 自分を客観視する力
  第5章 「和」の調和力
  第6章 試される日本人のリーダーシップ
  第7章 次代の船長のために

ドキュメンタリーとしては、「緊急対処訓練」
の章は圧巻の内容です。

そして、本書を読んだ後は、多くの人が、
「自分のなりたいリーダー像」を聞かれると、
若田さんの名前を挙げることでしょう。

この本から何を活かすか?

  「若田であれば船長にしてもいい」

NASAやロシアから船長候補として
名前が挙がった若田さん。

船長としての能力もさることながら、
狭い宇宙ステーションに長期で滞在する
環境の中では、「一緒に宇宙に行きたい」と
思える人柄であることも重要な要素です。

Googleの採用面接で、飛行機が欠航になって、
空港で一晩一緒に過ごさなければならないときに、
その人と夜通し語り明かしたいと思う人物か
どうかを見る「エアポートテスト」があります。

本書から伝わってくる若田さんの人柄は、
Googleの「エアポートテスト」にも、
合格するように思えました。

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| リーダーシップ | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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数字力×EXCELで最強のビジネスマンになる本

満足度★★★
付箋数:21

  「本書は、いわゆる “EXCEL本” ではありません。
  純粋なEXCELスキルを身に付けたい方は、
  ちまたにあふれるEXCEL本をお買い求めください。
  筆者は、 “EXCELはただのツールに過ぎない” と
  考えています。 “EXCELをどう使うか” という
  以前に、 “EXCELで何をしたいのか” を明らかに
  することのほうが大切です。本書では、
  その “目的”  “ゴール” を解説しています。」

タイトルに「EXCEL」と入っていますが、
EXCELの使い方は、あくまでオマケ。

本書は、ビジネスで必要な「数字力」を身につける
ための本です。

著者は、アクセンチュア在籍時には、幅広い領域で
戦略コンサルティング行っていた田中耕比古さん。

外資系コンサルタント流の「仕事」と「数字」の
考え方を解説します。

ところで、なぜ、コンサルタントは「数字」を
重視するのでしょうか?

それは、クライアントを納得させるためには、
「数字」=「ファクト」が必要だからです。

コンサルタントの提案は、必ずしもクライアントが
聞きたいものではありません。

クライアントにとっては耳の痛い、そして社内を
説得して、動かさなければなければならない
提案をしなければなりません。

そんな場合でも、数字によって裏付けされた事実を
しっかりと持つことで、コンサルタントは自らが
正しいと信じる主張を行うことができるのです。

コンサルタントが、「数字」を使って説得するのは、
問題解決のためですから、その目的を考えると、
「数字」は、コンサルタントだけに必要なもの
ではありません。

もう少し詳しく言うと、「数字」を見る目的は
2つあります。

1つは、数字を用いて物事を正確に捉える
ことにより、「気付き」を得ること。

もう1つは、自分の考えが正しいかどうかを
数字で「検証」すること。

実は、数字で何かに「気付けるかどうか」が、
ビジネスにおいては、非常に大きな分かれ道に
なります。

気付けない人は、数字を「単なる数字」と
見てしまい、情報を受け流してしまいます。

結果、深く考えることができず、
新しいアイディアを思いついたときに、
検証せずに飛び付いてしまう傾向があります。

一方、数字を見て「気付ける」人は、その気付きを
自分の業務と関連付けて考えることができます。

数字を見て「あれ?」と思ったら、
「なぜこの数字なんだろう?」と考えて、
仮説を立てます。

そして、再度、数字を使って仮説が正しいかどうか
検証することができるのです。

では、どうすれば「気付ける」人になれるのか?

その答えは、数字に基づいた「基準」を持つこと。

比較するから、「何か違う」と気付くことが
できるのです。

数字に基づいた「基準」、すなわち定量的な基準は、
次の3つの方法で設定します。

  1. 継続的に同じデータを見続ける
  2. 「ある期間」のデータを基準にする
  3. 「比較対象物」を設定して基準とする

これらを基準に比較をして、何が違うのか
「気付き」を得たなら、なぜ違うのかを突き詰めて
「仮説」を立てていきます。

  気付き → 仮説構築 → 仮説検証 → 新たな疑問
  → 疑問の深掘り → 気付き(2周目)

このように、気付きから始まった仮説検証の
サイクルを回して、問題解決に当たります。

この本から何を活かすか?

  EXCELを使う時の3つのルール

  1. データベースのように使う
  2. 主目的は「計算」と「手入力削減」
  3. データ構造を常に意識する

特に3つ目のデータ構造は、「トランザクション」
と「マスタ」に分けて見ていきます。

トランザクションとは、最小単位の行為のこと。
いわゆる生データと言われるもの。

一方、マスタとは、項目の一覧のことです。

項目の中身や属性情報を示しているので、
マスタを見ると、ビジネスの全体構造がわかります。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「儲け」のネタ大全

満足度★★★
付箋数:20

著者の岩波貴士さんに献本いただきました。
また本書の「ビジネス書評一覧」の中で、
当ブログをご紹介いただきました。
ありがとうございます。

名著、『アイデアのつくり方』の中で
「アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせ」
と言ったのは、ジェームス・W・ヤングさんです。

もし、既存の要素が3つしかなければ、
新しいかどうかは別にして、そこから2つ選ぶ
組み合わせは3通りしかできません。

既存の要素が10個集まれば、そこから2つ選ぶ
組み合わせは、120通りまで増えます。

単純な話ですが、既に知っている要素が
多ければ多いほど、その組み合わせも多くなり、
今までなかった組み合わせ=新しいアイディアが
生まれる可能性も高くなります。

つまり新しいアイディアを生む最初のステップは、
できるだけたくさんの既存の要素を集めることに
なります。

そんなときに頼りになるのが本書です。

本書は岩波さんが過去10年以上に渡って集めてきた、
知恵のサンプル集です。

  「発想力は、理論を学ぶことで高められるもの
  ではありません。わたしは発想力を高めるために
  最も効果があるのは “知恵のサンプルを数多く
  知ること” だと考えています。」

ですから、1つ1つの知恵については、
1~2ページのシンプルな説明になっていて、
あまり詳しく解説されていません。

また、1つ1つのネタもそれほど重厚なものではなく、
むしろ軽めのネタが並んでいるというイメージです。

しかし、本書の目的はできるだけたくさんの
知恵のサンプルを網羅すること。

ネタの数を絞って詳しく解説していたり、
ストーリーで追体験して学ぶように書かれていると、
逆に使いにくくなってしまいます。

サンプル集として組み合わせて使うには、
ちょうど良い文章量でまとめられているのです。

何はともあれ、本書は岩波さんが過去に執筆した
4作品の総集編的な内容にもなっていて、
大ボリュームの本です。

「大全」と言うだけあって、384ページもあります。

しかも、そのページ数で定価が1000円というのは、
青春出版社さんも随分、頑張りましたね。

岩波さんは、本書の対象を次のような方と定め、
まとめたようです。

  ・ビジネスで “差” を生むポイントを効率よく
   学びたい人
  ・ “異業種の知恵” を数多く知りたい人
  ・企画会議で提案するアイディアのヒントを
   お探しの人
  ・副業にも活かせるノウハウや情報源をお探しの人

ある業界で誰もが知っている常識だと思われて
いたことが、他の業界では全く新しいアイディアに
なることもよくあります。

無理に新しい組み合わせを考えなくても、
他の業界のアイディアをパクるだけでも、
画期的な効果をもたらすことがありますから、
そんな視点で本書を眺めてもいいかもしれません。

また、本書には「仕組み」という表現が、
よく出てきますが、そこには2つの意味が
込められています。

1つは、ビジネスを行う上で意識すべき
「収益モデルとしての仕組み」。

もう1つは、人間の持つ「心の仕組み」。

この2つを理解し、買い手の心理を揺さぶりながら、
収益化するシステムを組み合わせることで、
長く続くビジネスモデルとして成立するのです。

この本から何を活かすか?

本書の巻末には、当ブログを含め、
全29ブログが「ビジネス書評一覧」として、
掲載されていました。

また、岩波さんの「日本アイデア作家協会」の、
書評ナビ」には、50の書評ブログのリンクが
掲載されています。

こうして眺めてみると、当ブログと同じ時期に
始めて、今でも更新されてるブログは、
だいぶ数が減ってきました。

書評ブログの栄枯盛衰をしみじみと感じますね。

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| アイディア・発想法・企画 | 11:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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心配学 「本当の確率」となぜずれる?

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、「テロ」に巻き込まれて死亡した人の
ニュースを見て、「テロは怖い」と思いますか?

2015年11月にフランスのパリ同時多発テロ事件では、
死者130名、負傷者は300名以上も出ましたから、
もし、旅行や出張でパリに行く予定だったら、
かなりテロが心配になったことと思います。

旅行の予定がなくても、「もし、日本でもテロが
起こったらどうしよう」と心配した人も
いるかもしれません。

しかし、冷静に考えてみると、テロに巻き込まれて
死ぬ確率は、普通に生活していて自動車事故に
遭って死ぬ確率よりも、ずっとずっと小さい。

それでも、私たちは道を歩いていて車に轢かれる
ことよりも、テロに遭うことの方が
心配になってしまいます。

本書の著者、島崎敢さんは、この「心配」こそが
テロの目的だと指摘します。

  「実は人々の “心配” こそがテロリストの狙いです。
  極端な話、テロリストたちにとって、
  テロは未遂に終わってもいいのです。
   “テロが起きるかもしれない” とみんなを心配な
  気持ちにさせるだけで、旅行がキャンセルされたり、
  街や空港のセキュリティを強化しなければ
  なりません。これによって、精神的打撃に加えて
  経済的打撃も与えられるのです。」

本書は、「心配」することによって「感じる確率」
と実際に起こる「本当の確率」のズレについて
解説した本です。

私たちは、「わからない」ものに対して
不安を感じます。

不幸なできごとが、起きるのか、起きないのか、
その度合がわからないことが心配を生み出します。

そして、誰でも不幸なできごとは起きて欲しく
ないので、それを回避しようとする行動を取ります。

  「しかし、 “本当の確率” と“ 感じる確率” は
  大抵ずれており、このずれが大きいと、
  私たちの危険回避行動はとんちんかんなものに
  なってしまいます。
  とんちんかんな行動を防ぐためには、
  不幸なできごとが起きる確率を、
  なるべく正確に計算する必要があります。」

島崎さんが言う「とんちんかんな行動」とは、
起こる確率の非常に小さなことを心配し過ぎて、
もっと大切なことができなくなってしまうことです。

 第1章 どうせいつかは死んじゃうのに、
    なぜ、「心配」するのか?
 第2章 セレブと自分を比べて凹まない、
    ひとつの方法
 第3章 ゴキブリに殺された人はいないのに、
    なぜこわい?
 第4章 もっとも悲観的な情報が安心させてくれる
 第5章 実践! 心配計算学講座
 第6章 心配しすぎず、安心しすぎず生きるには

本書は心理学と人間工学という2つの専門分野を
持つ、島崎さんだからこそ書ける本です。

身近なエピソードが上手に紹介されていて、
知らず知らずのうちに、島崎さんの「心配学」の
世界に引き込まれていいく良書です。

納得感が多く、読んで損のない本だと思います。

この本から何を活かすか?

確率の話ではありませんが、認知心理学の例として、
「ハイヒールとスカートの組み合わせは最強」
であることが解説されていました。

ちなみに、島崎さんはハイヒール好きのようです。

私たちは、経験的に「足が折れ曲がっている
ところが足首」と無意識で思ってしまいます。

ハイヒールを履いている人を見ると、
本来の足首の部分が真っ直ぐ伸びて、
つま先近くで折れ曲がっているように見えるので、
その分、足(スネ)が長いと認知してしまいます。

更に、足首の位置を勘違いすると、
もう1つ別の勘違いも誘発します。

私たちは経験的に、スネとモモの長さが、
おおむね同じであるという認識があります。

つまり、膝から下のスネが長いと勘違いすると、
膝から上のモモの部分もそれと同じだけ長いと
勘違いするのです。

この錯覚を起こさせるためには、膝の位置が
見えていて、同時に本当のモモの付け根の位置が
わからないようになっていなければなりません。

この条件に合っているのが、
膝が見える丈のスカートを履いていること。

ですから、ハイヒールとスカートの組み合わせは、
認知心理的な勘違いを二重に引き起こし、
スタイルをよく見せることができるようです。

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| 科学・生活 | 08:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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藤原先生、これからの働き方について教えてください。

満足度★★★★
付箋数:24

あなたの時給はいくらですか?

こう聞くと、「いやいや私は時給ではなく
月給で働いています」とか、「年収ならわかります」
という答えが返ってくることが多いでしょう。

なぜ、時給を確認する必要があるかというと、
時給こそが、1時間あたりに生み出す「付加価値」
そのものだからです。

仮に年収1000万円でも、年間に3000時間以上
働いていると、時給にすると3000円強です。

これはよく稼ぐ家庭教師の時給を下回ります。

私たち日本人が就く職業を時給換算すると、
中心はおよそ時給3000円から5000円の領域。

しかし、この時給分布は下は時給800円の
ハンバーガー店やコンビニバイトから、
上は時給8万円のシニアレベルのコンサルタント
まで、実に100倍の開きがあります。

この差は、一体、何から生まれるのでしょうか?

時給100倍の差は、仕事の大変さや熟練の度合いで
つくものではありません。

時給に100倍もの差がつく原因は「希少性」。

その人以外に、同じ仕事ができる人が少ない
からこそ、時給が上がるのです。

では、どのようにしたら、自分の「希少性」を
高めることができるのか?

本書で藤原和博さんが、講義するのは、
キャリアを3つ掛け算して「信任(クレジット)の
三角形」をつくる方法です。

例えば、藤原さんの場合、リクルートに入社後、
「営業プレゼン」の練習に1万時間かけて、
100人に1人の人材になりました。

次に、30代で「リクルート流マネジメント」を
1万時間かけて身につけ、この分野でも
100人に1人の人材になりました。

最後に、40歳で独立し、民間校長を務め、
1万時間かけて教育改革に取り組み、
ここでも100人に1人の人材になりました。

結果、3つの分野で100人に1人の人材になり、
100×100×100=100万人に1人の希少性を
手に入れたのです。

この三角形は、最初に経済がどうなっても
食っていけるプロの仕事として、
底辺の左側に軸足を作ります。

次にそれと掛け算すると相乗効果がある仕事を
底辺の右側に軸足を築きます。

この底辺ができたなら、最後に三角形の
頂点となる軸を上の方におもいっきり突き出し、
三角形の面積を広くするのです。

3つ目の軸ができると、希少性のある人材に
なっていて、「三角形の面積=信任」は、
大きくなっているはずですが、
それを全て報酬として換金してしまうと、
自分の自由度が減ってしまいます。

ですから、広げた三角形の面積のうち、
一部だけ換金して報酬にし、残りは現金化せず、
「自由度」として残しておくことで、
余裕をもって仕事ができるのです。

ここまでが、「21世紀の働き方」の基礎講座。

本編では、21世紀という正解のない時代を
したたかに生き抜くために、「情報編集力」を
核として、「信任(クレジット)の三角形」を
作る方法を解説します。

 オリエンテーション 
  21世紀を働く人に必要なたった2つの基礎知識
 レクチャー1
  「情報編集力」の時代に脳みそをアップデートする
 レクチャー2
  納得解を紡ぎ出す情報編集力の鍛え方
 レクチャー3
  「納得解」を共有するための伝える技術
 レクチャー4
  「経営者意識」で飛躍する

本書は講義形式で話しが進みますが、
読者に質問する例題が多く、一方的に話を
聞いているのではなく、自分でも考えながら、
「21世紀の働き方」についての理解が深まります。

この本から何を活かすか?

情報編集力とは、頭の中にある知識・技術・経験を
すべて組み合わせて、個別の状況の中で、
自分も他の人も納得できる「納得解」を導き出す力。

本書では、情報編集力を鍛える4つの方法が
紹介されていました。

  1. ブレストで「修正主義脳」を鍛える
  2. 面接で「ロールプレイング脳」を鍛える
  3. 「シミュレーション脳」を鍛える
  4. 「今の世の中にないもの」を発想する

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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最高のリーダーは何もしない

満足度★★★★
付箋数:23

ダイヤモンド社の藤田さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

本書の著者、シンクタンク・ソフィアバンク代表の
藤沢久美さんは、NHK教育テレビでキャスターを
務めた「21世紀ビジネス塾」やラジオ日経の番組
「藤沢久美の社長Talk」などを通じて、
多くのトップリーダーたちにマンツーマンで
インタビューを行ってきました。

中小企業の経営者から、世界的な企業の経営者、
更には政治家や非政府組織の指導者まで、
インタビューしたリーダーの数は1000人以上。

藤沢さんは、過去15年間、リーダーたちの話を
聞いてきて、求められるリーダー像が変わった
と感じたそうです。

では、藤沢さんがインタビューから感じた
現代が求めるリーダーシップ像とは、
一体、どのようなものなのでしょうか?

過去の一般的なリーダー像は、即断即決、
勇猛、大胆、頼りになる、カリスマ性がある
といったところでしょうか。

しかし、いま最前線で活躍しているリーダーは、
一見すると「何もしない」ように見えるそうです。

  「権限を現場に引き渡し、メンバーたちに
  支えられることで、組織・チームを勝利へと
  導いています。」

優秀なリーダーほど、リーダーらしい仕事は、
何もしていないように見えるのです。

そして、同時に一流のリーダーたちは、内向的で、
心配性で繊細、という共通点もあるようです。

  ・最高のリーダーは指示をしない
  ・最高のリーダーは動きまわらない
  ・最高のリーダーはみんなに相談しない
  ・最高のリーダーは会社のために働かない
  ・最高のリーダーはチームを巻き込まない

では、何もしていないように見えるリーダーは、
実際のところは何をしているのでしょうか?

やっているのは、2つのことです。

1つは、メンバーが共感して自ら動きたくなる、
「魅力的なビジョン」をつくること。

もう1つは、「ビジョン」をメンバーに
しっかり伝え、浸透させること。

まずはリーダー自身が、練り込んだビジョンを
腹落ちするまで考え、自分の中に深く刻み込む
必要があります。

そして作り上げたビジョンを自分の信念として、
何度も何度も時間をかけて、現場で物語として、
伝えるのです。

そのためにリーダーに必要なのは「発想の転換」。

本書では、藤沢さんがトップリーダーへの
インタビューで学んだ「6つの発想転換」を軸に、
新しいリーダー像を明らかにします。

 第1の発想転換
  「人を動かす」から「人が動く」へ
 第2の発想転換
  「やるべきこと」から「やりたいこと」へ
 第3の発想転換
  「命令を伝える」から「物語を伝える」へ
 第4の発想転換
  「全員味方」から「全員中立」へ
 第5の発想転換
  「チームの最前線」から「チームの最後尾」へ
 第6の発想転換
  「きれいごと<も>」から「きれいごと<で>」へ

本書は、多くの優良企業の経営者への
インタビューがベースになっているので、
坂本光司さんのベストセラーシリーズ
日本でいちばん大切にしたい会社』を
リーダー目線から見たような印象を受けます。

現場が指示通り動かなかったり、
自分の思いが伝わらず、空回りしている、
悩み多きリーダーの方には
非常に参考になる本だと思います。

この本から何を活かすか?

  ノルマなしで毎年新しいお菓子が生まれる理由

藤沢さんは、北海道の菓子メーカー「六花亭」が
ノルマなしで新商品が次々生み出せる理由を
社員の方に質問したことがあるそうです。

  「私たちは、お客様の『幸せの時間』をつくる
  ためにお菓子をつくっているんです。
  ですから、幸せの時間をもっと増やすために、
  新しいお菓子をもっとたくさんつくりたいと
  思うのは自然のことなんですよ」

ビジョンが伝わり、社員一人ひとりが自律的に
努力する社風になっているは理想的ですね。

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| リーダーシップ | 12:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。

満足度★★★★
付箋数:25

あなたは、何のためにメモを取りますか?

このように質問すると、ほとんどの人が、
「聞いたことを忘れないため」と答えます。

もちろん、人は忘れる生き物ですから、
忘れないようにメモすることは大切です。

しかし、本書の著者、コピーライターの
小西利行さんは、メモに秘められる本当の効果は、
忘れないためのメモでなないと指摘します。

ちなみに、小西さんは、サントリー「伊右衛門」や
「ザ・プレミアム・モルツ」などのCMやヒット商品
を生んだ著名クリエーター。

では、小西さんが言うメモがの本当の効果とは?

それは、「考えるきっかけ」をつくること。

本書は、メモの取り方を説明する本に見えて、
その実態は、「思考術」・「発想術」の本です。

メモをうまく使うと、頭の中を整理し、
新しいアイディアを発見することができます。

ここで前提として、押さえておきたい事実は、
メモは「腐る」ということ。

フルーツや魚が時間が経つと腐って食べられなく
なるのと同様、何の技術もなく取られたメモは
時間が経つと、自分でも意味がわからなくなり、
かえってストレスを生むことになります。

そこで、時間が経っても腐らないメモにするために、
あらかじめ「後で見返す自分がわかるように」
書いておくべきなのです。

メモは未来の自分が「考えるとっかかり」をつかみ、
新しいアイディアを生むために書く。

ここで、もう1つ押さえておきたいポイントは、
未来の自分はあまり信用できないということ。

どんな素晴らしいアイディアを思いついても、
少し時間が経てば、ほとんど忘れてしまいます。

ですから「まったく何も覚えていない未来の自分」
が読み返すことを想定して、メモを書くのです。

タイムカプセルと言うと大袈裟ですが、
未来にそのメモを読み返す自分を想像して書くと、
忘れていた過去のアイディアからも、
新しい価値を生み出すことができるのです。

さて、本書は未来の自分に向けたメモ術として、
3つの方法を説明します。

 未来メモ1 「まとメモ」

  「まとメモ」は、文字通り、メモを使って
  情報をまとめるメモ術。

  乱雑になりやすい情報をシンプルにまとめて、
  使えるメモにします。

 未来メモ2 「つくメモ」

  これはアイディアをつくるメモ術で、新しい発想や
  ビジネスの打開策を考えるときに使います。

  図や絵を多用することで、視覚的に右脳を刺激し、
  新しいアイディアを生み出します。

アイディアに関する必読書とも言われる、
ジェームス・W・ヤングさんの名著、
アイデアのつくり方』の中で書かれていた、
「アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせ」
を実践するためのメモ術です。

この「つくメモ」のパートが、「発想術」の本
としての心臓部です。

 未来メモ3 「つたメモ」

  「まとメモ」と「つくメモ」で生み出した内容を
  わかりやすく人に伝えるためのメモ術。

  チームで仕事をする場合や社外の人と連携して
  仕事をする場合など、意思疎通を促進します。

また、本書の巻末には作家・伊坂幸太郎さんと
小西さんの対談も掲載されています。

17ページほどの対談ですが、伊坂さんが作品を
構想するときの手書きメモも載っていますから、
伊坂さんファンは必見です。

この本から何を活かすか?

  「ハードルを設けて、それを超えることをルールに
  すると、アイディアの質は確実に向上します。」

これの考えをメソッドにしたのが「ハードルメモ」。

本書では、思考のルールを生み出し、
人の行動を促す、「ハードルメモ」の型が
紹介されています。

  「それは本当に、◯◯するか?」

例えば、「30代の女性に売れる商品をつくる」と
単純に目標を立てるのではなく、
「それは本当に、30代の女性に売れる新商品か?」
と問いを立てます。

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| アイディア・発想法・企画 | 09:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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成功する人の考え方

満足度★★★
付箋数:19

著者の加地太祐さんは、2015年2月6日、
仕事を終えてロードバイクを運転して帰宅する
途中に交通事故を起こしました。

すぐに救急車で病院に運ばれましたが、
5日の間、意識不明の重体に。

事故から6日目に、やっと意識が戻りましたが、
鼻は折れ、顔面も68針縫い、
まるでフランケンシュタインのような顔に
なってしまったそうです。

意識が朦朧とする中で加地さんは、
「このまま死んだら自分は何もこの世界に
残していないことになる」と思いました。

そして、自分に残せるものは言葉だと悟り、
「成功するための考え方」というウェブサイトを
立ち上げ、成功するためのコラムを
毎日書き続けることにしました。

それがフェイスブックで月間リーチ数250万の
人気コラムになりました。

  「本書に書いている内容は、すべて自分が
  これまでに実践して効果があったことや、
  今も実践し続けていることです。
  すべての原稿は、新たに書き下ろしました。
  どんなに困難な状態にあろうとも
   “成功する人の考え方” は、人を幸せにする
  チカラを持っていると僕は信じています。
  僕は自分の全人生を通して、それを証明しようと
  思っています。
  人生は、いつも僕らにドラマチックな物語を
  用意してくれています。
  その物語を実現させるかしないかは、
  僕らの考え方と行動で決まると思います。」

成功するための考え方を伝える、
加地さん自身は成功者なのでしょうか?

現時点では、世間で言うような成功者では、
ないかもしれません。

しかし、成功するための教えを現在進行形で実践し、
成功の過程にいることは間違いありません。

加地さんは、人生のどん底にいるときに、
それまでの考え方を大きく変える人生の師に
出会いました。

その師は、大企業の会長という立場でありながら、
時間をかけて加地さんに、成功するための考え方を
教えてくれたそうです。

その師の教えをすこしずつ実践するうちに、
徐々に出会う人間の質が変わっていきました。

年間数兆円を売り上げる起業家から、
日本を代表するスポーツ選手、
更には世界的な大富豪にまで出会うようになり、
加地さんは多くの成功するための考え方を
学びました。

本書は、そこから「45の教え」をまとめたもの。

  Chapter1 人生をコントロールする
  Chapter2 出会いと智恵の扉を開ける
  Chapter3 困難を乗り越える
  Chapter4 己との戦いに勝つ
  Chapter5 成功する人生の生き方

いわゆる自己啓発書ですが、目線が読者と同じ
位置にあるためか、非常に読みやすいです。

等身大の自己啓発書という感じがしますね。

加地さん自身も師から学んだ考え方を、
自分でもよく考え、実践した上で書いていることが
よくわかります。

この本から何を活かすか?

  やる気のスイッチの押し方

加地さんの娘さんは、高校受験に失敗し、
毎日、憂鬱な気持ちのまま、
滑り止めで受けた高校に通っていました。

加地さんは、そんな娘さんを師に会わせました。

すると次のような質問があったそうです。

  「こんにちはお嬢さん。何か将来の夢は
  あるのかい?」

娘さんは、キャビンアテンダントだと答えました。

すると加地さん師は次のように言いました。

  「いい夢ですね。でもこの調子でお父さんと
  学んでいたら、もしかしたら航空会社の社長
  というのもあり得るかもしれませんね」

こう聞いて、娘さんは苦笑いしました。

  「ムリだと思ったでしょう。でもね。
  高校1年生で航空会社の社長になろうと
  思っている人がキミ以外にいると思いますか?
  きっといないでしょう。だから今から頑張ったら
  誰よりもスタートが早いのですから、
  きっと叶うでしょうね」

この一言で、娘さんのやる気のスイッチが
入ったそうです。

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| 成功哲学 | 05:58 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本人の闘い方

満足度★★★
付箋数:20

致知出版社、小森さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

本書は、日本最古の兵法書「闘戦経」の精神を
現代のビジネスパーソンに伝える本。

著者は、当ブログでも多数著作を紹介している
明治大学文学部教授の齋藤孝さんです。

最初に「闘戦経」について、説明しましょう。

今から約900年前の平安時代の末期に
書かれた兵法書です。

著者は朝廷の書物を代々管理してきた大江家35代の
大江匡房(歴史上の人物敬称略、1041~1111年)
といわれています。

当時、中国の兵法書「孫子」が既に日本にも
伝わっていて、匡房はこれに精通していました。

源義家は匡房から「孫子」の兵法を学び、
前九年の役や後三年の役で活躍したという
逸話もあります。

有名な「雁行の乱れ」もその1つ。

義家は進軍中に雁が列を乱して飛んでいるのを見て、
かつて匡房から習った兵法を思い出し、
敵兵が隠れているのに気づいたというエピソードです。

さて、それほどまでに「孫子」の教えに通じていた
匡房が、「兵は詭道なり(戦いの基本は敵を欺く
ことにある)」として徹底的に勝つことだけに
こだわった兵法が、日本人には合わないと感じて
著したのが、本書で紹介される「闘戦経」です。

  「 “戦いというのはただ勝てばいいのではない、
  ズルをして勝つのではなく、正々堂々と戦うべき
  である” と、中国ではなく日本の戦うスタイルを
  宣言しました、それが『闘戦経』なのです。
  そうした思いを匡房は『闘戦経』を入れた函に
  金文字で書いています。
   “『闘戦経』は『孫子』と表裏す。
  『孫子』は詭道を説くも、『闘戦経』は真鋭を説く、
  これ日本の国風なり” 」

知略ばかりに頼らず、武の精神を伝えるのが、
「闘戦経」なのです。

  「孫子十三篇、慴れの字を免れざるなり
  (慴れを持ちすぎてはいけない)」

「孫子」の最善の策は「戦わずして勝つ」ことです。

最小限のリスクで確実に勝ちを収めるのが、
優れた兵法書である「孫子」の特徴です。

ですから、実際に戦う場合でも、勝つために
敵の背後を突くことに、何の躊躇もありません。

匡房は、これは慴れ(おそれ)の念に根ざしたもの
と考え、「闘戦経」では、覚悟を決めて
正々堂々と戦うべしと書いています。

日本的な武の精神を持った戦い方は、
「遠からん者は音に聞け・・・」と名乗り合いから
始め、先陣を切って敵に向かっていきます。

命を落とすリスクよりも、名誉を重んじる戦い方。
これは大和魂につながっています。

但し、「闘戦経」は死を慴れず、何のリスクも
考えないで、ただ突っ込んでいくことを
良しとしてのではありません。

あくまでも、精神面で逃げずに強くなる意味で
語られているのです。

「闘戦経」は「孫子」と表裏であり、
足りない部分を補完する役割を担うのです。

  「私自身は、平安の終わりにこれほど精神性の
  高い、戦いの書物が書かれたこと、
  そして九百年以上の時を越えてそれを読める
  ということに感動しています。
  この当時、 “武” ということをテーマにして、
  それを順序立てて整理し、しかも一人ひとりの
  心構えとして書くというのは、それだけ深い
  問題意識を持っていたのだと思います。」

ビジネスでも、ただ儲けさえすればいいという
段階から、次の段階を迎えている現代においては、
「闘戦経」の精神を改めて学ぶ必要があるのかも
しれません。

この本から何を活かすか?

本書の読み下し文は家村和幸さん著、
闘戦経 (武士道精神の原点を読み解く)
を参考にしているようです。

家村さんによると、建武の新政の立役者として
活躍した楠木正成も、「闘戦経」を学んだ
武将の一人。

大江時親に就いて、「孫子」と「闘戦経」の両方を、
まさに表裏として学んだそうです。

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| 経営・戦略 | 11:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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戦略読書

満足度★★★
付箋数:24

  「ある日職場で、初めて人と意見が被りました。
   “◯◯って××だよね” と、同僚と同時に
  口に出してしまったのです。その内容までは
  覚えていませんが、まあ、実に凡庸な意見で
  それが二重のショックでした。(中略)
  そうなってしまった理由は簡単でした。
  その前の1年半、人と同じものを読み続けていた
  ためでした。」

三谷宏治さんは、学卒でコンサルティング会社
(ボストン・コンサルティング・グループ:BCG)
に入ったので、入社後は弱点を補強のために、
コンサルタントなら誰もが読むような
ビジネス書ばかりを読んでいたそうです。

その結果、自分がみなと同じことを言う
「ツマラナイ奴」になってしまったと痛感しました。

そこで、「ヒトとは違ったオモシロイ発想」が
できるような読書にシフトしました。

それが本書で紹介する「戦略読書」です。

戦略読書は、自らをコモディティ化せずに、
独自性を作るための読書法です。

まず、人と同じ本ばかりを読まにように、
「読書ポートフォリオ」を組んで、
限られたリソース(時間やお金)を配分します。

読書ポートフォリオは、2軸2×2のマトリックスで、
本を大きく4つの種類に分類します。

BCGの有名な経営資源配分のマトリックス、
「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」
(PPM)を模したものです。

  縦軸:ビジネス系/非ビジネス
  横軸:基礎/応用・新奇

  左下:ビジネス基礎(カメ)徹底攻略
  左上:ビジネス応用(ウサギ)ファクト集中
  右下:非ビジネス基礎(リュウ)楽しく雑学
  右上:非ビジネス新奇(トリ)流行チェック

このフレームで考えて、自分のキャリアの段階に
合わせて、ポートフォリオを変えていくのです。

例えば、年に100冊読むとすると、
社会人1年目はビジネス分野が100%で、
ビジネス基礎が10冊、ビジネス応用が90冊。

これが社会人2年目~4年目になると、
ビジネス基礎が3冊、ビジネス応用が47冊、
非ビジネス基礎が50冊。

更に社会人5年目以降になると、
ビジネス基礎が1冊、ビジネス応用が33冊、
非ビジネス基礎が54冊、新奇12冊。

ポートフォリオで読む本が決まったら、
次は読み方です。

同じ文章を読んでも、それをどう読むかによって、
読み取る内容に大きな違いが出てきます。

本書では、次の5つの視点を持った「発見型読書」
で、5倍読み取ることを目指します。

  1. 過去や他業界と「対比」して大局観を持つ
  2. 当たり前を覆した「反常識」を見つける
  3. 徹底的に「数字」にこだわる
  4. 人より「一段深く」まで調べる
  5. 得たものは「抽象化」して考える・覚える

また本書は、読み方だけでなく、
「何」を読むべきかの具体的な推奨本も
多数紹介されています。

  「この本には、これまで延べ227冊の本が
  登場しました。そのうち何冊、読みたくなった
  でしょうか?」

227冊は本文で紹介された冊数で、巻末に
掲載されたブックガイドでは435冊(本文内と
重複あり)の本が紹介されています。

この内、SF・ファンタジーが131冊あります。

三谷さんのこれまでの読書史も書かれていて、
本当に読書好きであることが伝わってきます。

書斎や本棚へのこだわりも写真付きで
紹介されていますから、家にどのように
本を置くかも参考になります。

この本から何を活かすか?

  「長年の試行錯誤の末に、本棚は
   “奥行きの浅いものを天井まで” と決めました。
  造り付けの本棚も、通販で買った組み立て式の
  本棚も、奥行きは17cmで統一です。」

私も一般的なサイズの本棚は、手前のスペースが
ムダだと思っていました。

あまり高級感はありませんが、本中心に考えると、
奥行き17cmの本棚が理想的かもしれません。

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| 読書法・速読術 | 10:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜヒラリー・クリントンを大統領にしないのか?

満足度★★★
付箋数:15

  「大統領選挙は、熾烈なエゴをさらけ出した
  人間同士の戦いである。権力の座を求める人の
  戦い方は、なりふり構わない。
   “相手を倒し、勝てばよい” のである。
  それは、自分の世界観、求める理想の勝利でなく、
  エゴの勝利なのである。」

2016年11月8日、第45代アメリカ合衆国大統領を
選出する大統領選挙が行われます。

アメリカ合衆国憲法修正第22条によって、
2回を超えて大統領に選出されないので、
今回バラク・オバマさんの出馬はありません。

米大統領選は、日本では考えられないような
ネガティブ・キャンペーンの応酬です。

  「彼らの “ネガティブ・キャンペーン戦略” は、
  人間の常識では考えられない、非常なものである。
  デマゴーグも使われる。容赦しない。
  他の候補にネガティブな攻撃を仕掛け、徹底的に
  叩く。不利なレッテルを貼る戦いなのである。」

著者の佐藤則男さんはニューヨークに
40年以上住むジャーナリスト。

これまで現地で、フォードさん、カーターさん、
レーガンさん、父ブッシュさん、クリントンさん、
息子ブッシュさん、オバマさんと、
7人の大統領が選ばれるのを見てきました。

本書は、日本のメディアがあまり伝えない、
現地で見た、生の大統領選の実態を伝えます。

  「日本の方々に、エゴの塊となり、
  アメリカ大統領という巨大な権力の座を
  目指す戦士たちが繰り広げるすさまじい戦いの
  一端をお伝えしたいと思う。」

まずは、共和党予備選挙で一番注目を集めている
ドナルド・トランプさんについて。

なぜ、トランプさんにこんなに支持が集まるのか?

  「それは、何も決められないワシントンの
  エスタブリッシュメント(体制側)に対する
  アメリカ国民の大きな不満に起因している。
  (中略)トランプ氏の演説を聞いていると、
  大衆、とりわけ知識レベルの低い大衆が
  聞きたいような表現で、人を馬鹿にするような
  セリフを織り交ぜながら、わざと庶民的に
  しゃべるのである。」

そして、本書のタイトルにもなっている、
初の女性大統領を目指す民主党予備選候補の
ヒラリー・クリントンさんについて。

42代大統領のビル・クリントンの妻であり、
彼女自身も非常に有能であることは、
誰もが認めるところですが、あまり米国民から
愛されているという印象はありません。

  「ヒラリーは、政治的にピンチに巻き込まれると、
  巧みな法律用語を使って逃げるのが得意であった。
  優秀な弁護士である。そのまま弁護士を続けて
  いたとしたら、相当な成功を収めていたであろう。
  だが、政治家としては、冷たくて賢すぎるし、
  エリートでありすぎると筆者は思う。
  彼女は “ポピュラー・ヴォート(人気投票)” が
  ものをいう大統領選挙には向かないのではないか。
  これはヒラリーの最大の弱点ではないかと思う。」

また、佐藤さんは大統領選の特徴として、
以下の点を挙げています。

  ・カネまみれの選挙
  ・右と左に真っ二つに分かれた対決
  ・メディアは徹底的にあら探しをする
  ・好感度が勝負を決める
  ・民主党と共和党の泥仕合になる

本書では、これらの要素が、いかにこれまでの
大統領を決めてきたかをレポートします。

また、現在進行形の2016年の選挙については、
ヒラリーさんを主役にして、各候補・政党の思惑を
解き明かし、選挙の行方を占います。

本書を読んでおくと、2016年の選挙戦が
楽しめそうです。

この本から何を活かすか?

私の大好きな米TVドラマに、女性弁護士が主役の
「グッド・ワイフ」があります。

このドラマでは大統領選ではありませんが、
州知事選のネガティブ・キャンペーンの様子が
描かれていました。

「グッド・ワイフ」は、アメリカでは2016年現在、
シーズン7まで放映されていますが、
日本ではNHKがシーズン4でやめてしまいました。

しかし、最近「アマゾンプライム」で、続きの
シーズン5・6(字幕版)が見れることを発見しました。

見ていない方はシリーズ1からどうぞ。おすすめです。

グッド・ワイフ シーズン1 (吹替版)



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| 社会・国家・国際情勢 | 09:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アイディアの神が降りてくる 「3」の思考法

満足度★★★
付箋数:21

  「本書は “3” を使った思考の “型”  “技” を
  身に付けていただくための本です。
  長年にわたって私が編み出してきた
   “3を使った思考法” の数々を紹介しています。
  何が起こるかというと “考えることが得意”
  になります。考える作業にはエネルギーが
  必要ですから、考えるのは面倒だ、
  苦痛だとう人も少なくないと思います。
  ところが “3” を使うと苦痛ではなくなるのです。
  むしろ考えるのが楽しくなっていきます。
  これが本書の一番の “効能” です。」

齋藤孝さんは、3を使った思考法を紹介しつつ、
「3」への思い入れを語ります。

齋藤さんと言えば、「3色ボールペン」を使って
線を引きながら本を読むことを、
長年提唱してきましたから、
「3」に縁があることはよくわかります。

しかし、ここまで数字の「3」に思い入れがある
ことは知りませんでした。

以下、本書で齋藤さんが「3」に対する特別な
思いを語るくだりです。

  「3という数字は、私にとっては万能の
   “神の数字” として存在してきました。
  大好きな長嶋茂雄さんの背番号が3だったからと
  いうだけではありません。なぜか昔から
   “3” のことが気になっていたのです。」

  「どうもこの数字には人間を突き動かす
  特別な力があるのではないか。そのように考えた
  私は “3” の動きに注目し、3の研究を続けて
  今日に至っています。」

  「強引に3にこだわることで、思考に推進力が
  つきます。 “3” について私に語らせたら、
  止まりません。 “普段から3ばかり意識して
  生活している人間” としては日本で一、二を争う
  人間でしょう。」

齋藤さんの、ちょっと大袈裟すぎる
「3」アピールですが、本書の説明で、
「3の効能」はよく分かります。

例えば、「好きな映画を挙げて」と言われるよりも、
「好きな映画を3つ挙げて」と言われた方が、
頭がよく働きます。

数を限定されずに挙げてと言われた場合は、
なんとなく思いついたものを挙げて終わりです。

これに対して、数を限定されると、
思いついたものの中から絞り込む作業が必要なので、
自然と頭が働くことになります。

全体を俯瞰して、候補を絞りながら3つだけ
残す作業を頭の中でやっていくのです。

ここで選ぶ数が「5」や「10」なら、
けっこう大変な作業になりますが、
「3」ならそれほど負担をかけずにできる数です。

  「 “3” は逡巡せずにとりかかれる
  ちょうどいい数で、しかも、反射的に答えられない
  というのが重要なポイントです。」

何かを思考する時は、3つの箱を用意して、
その箱を埋める作業をするのが良いと、
齋藤さんは解説します。

ビジネスで根拠を説明するときも、
最初に「理由は3つあります」などとと言ってから
始めた方が、説得力が増しますから、
確かに「3」は大きな力を持つ数字なのだと
思います。

 第1章 「3」はアイディアを生む神の数字
  1-1 「3つ選ぶ」と眠った頭が動き出す
  1-2 「3つに分類する」と考えの道筋がつく
  1-3 「3で評価する」とスパっと決断できる
 第2章 「3」の思考法、30年分の実践から
  2-1 「3本柱」で思考を積み上げる
  2-2 3ボックス方式で思考を深める
  2-3 第3の選択で自分に余裕を持つ
 第3章 「3」で行動を変える
  3-1 3つの標語でよい習慣をつける
  3-2 3で時間を管理する
  3-3 3で人生の目標を更新する

この本から何を活かすか?

  「私は書評を書く時、この “セレクト3” 方式を
  存分に活用してきました。これまで人生で実に
  たくさんの書評を書いて、いろいろな本をお勧め
  してきましたが、ある時、 “本の中から引用文を
  3つセレクトすると、書評はできたも同然だ” 
  ということに気が付いたのです。」

3つ選んだら文が骨組みになって、その文に説明を
加えると、本全体の説明になるようです。

今度、齋藤さん方式を試してみます。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 12:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事の技法

満足度★★★★
付箋数:23

なぜ、書店には「プロフェッショナルの書いた本」
が溢れているにもかかわらず、現実には
「プロフェッショナルになる人材」が少ないのか?

書店に足を運べば、凄腕の経営者の書いた本や、
プロフェッショナルとしての考え方を説く本が
たくさん並んでいます。

同様にテレビでも、プロフェッショナルの
仕事の流儀などを特集する番組が放送されます。

プロフェッショナルの仕事ぶりは、本や雑誌、
テレビを通じて、容易に知ることが可能です。

しかし、世の中を見渡すと、プロフェッショナルと
呼べる人材はそれほど多く生まれていません。

なぜ、プロフェッショナルの書いた本や記事を
読んでも、プロフェッショナルのインタビューを
聞いても、それだけではプロフェッショナルに
なれないのか?

それは、本や雑誌、テレビで「知識」を
学んだだけで、プロフェッショナルの「智恵」を
掴んだと考えてしまうから。

そもそも「知識」と「智恵」の間には
大きな違いがあります。

「知識」とは、言葉で表せるものであり、
書物で学ぶことができるもの。

一方、「智恵」とは、言葉で言い表せないもので、
経験を通じてしか掴めないもの。

各分野で活躍するプロフェッショナルが、
どれだけ細やかに「仕事の技法」を語っても、
それを言葉にした瞬間、読む人の「読み方」に
よっては、単なる「知識」になってしまうのです。

そして、「勉強のできる人間」ほど、
「知識」を学んだだけで、「智恵」を掴んだと
思い込む「落とし穴」に陥りやすい。

この落とし穴に気づかない限り、
どれだけプロフェッショナルの本を読んでも、
「智恵」としては身につかないのです。

では、どのような「本の読み方」をすれば、
「単なる知識」とすることなく、「深い智恵」
として掴むことができるのか?

本書で田坂広志さんが、提示するのは
次の2つの読書法です。

1つは、「走馬灯リーディング」。

これはプロフェッショナルが書いた本を読む時に
頭の中で「走馬灯」を巡らせ、過去の経験を
「追体験」しながら読む方法。

例えば、プレゼンに関する本を読んだ場合、
自分が過去にやったプレゼンを思い起こし、
本に書かれている内容と照らし合わせながら
1つずつ自省することで、「智恵のヒント」を
掴みます。

もう1つの読書法は、「即実践リーディング」。

これは読んで字の如く、本で読んだ技法や心得を
すぐに仕事の場で実践してみる読書法。

この方法を実践するには、「この技術を掴もう」、
あるいは「この心得を掴もう」という明確な意識を
持って、課題を絞って取り組むことが必要です。

ここでは、本書で田坂さんが語る「読書」に
ついての考え方を紹介しましたが、
本書全般で語られるのは、「仕事の技法」の
根幹である「対話の技法」についてです。

対話には、言葉のメッセージの「表層対話」と
言葉以外のメッセージの「深層対話」の
2種類があり、仕事や生活において、
より重要な意味を持つのが「深層対話」です。

本書では、なぜ「表層対話」より「深層対話」が
重要なのか、そしてどうすれば「深層対話力」を
高めることができるのかを考察します。

田坂さんの他の著書同様、1つ1つ問いを立て、
それに答えながら、「仕事の技法」を
深い智恵として身につける方法に迫ります。

この本から何を活かすか?

相手の真意や本音を感じ取るのが「深層対話力」

言葉で伝わるメッセージと言葉以外のメッセージが
違っていることはよくあります。

例えば、言葉では「大丈夫」と言っていても、
表情には「本当にできるのか?」という不安が
現れている場合など。

本書では、相手の無言の声に耳を傾け、
言葉の奥にある感情や、表情や仕草の変化から
相手の真意や本音を察する力を身につけます。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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グレアム・バフェット流投資のスクリーニングモデル

満足度★★★
付箋数:18

本書はルーク・L・ワイリーさんが著した
The 52-Week Low Formula(52週安値戦略)』
の邦訳本。

  「本書は、安値で買って高値で売ることを
  継続的に効果的に行うにはどうすればよいかを
  解説したものだ。また本書は、人生における
  さまざまな局面で、より賢明に考える人に
  なるにはどうすればよいかについて解説した
  本でもある。」

ファンダメンタル分析の1つである
「バリュー投資」の銘柄選びを解説した本です。

バリュー投資とは、割安になっている株を買い、
適正な価格まで戻るのを待つ長期投資方法。

成長している企業の株を買うグロース投資と
対比されます。

「安く買って、高く売る」という投資の王道を
実践する投資スタイルですが、これは言うほど
簡単な投資方法ではありません。

成功したバリュー投資家として有名なのが、
ウォーレン・バフェットさんと、
その師匠のベンジャミン・グレアムさんです。

ワイリーさんは、グレアム・バフェット流の
バリュー投資の銘柄選びを、5つのフィルターで
機械的にふるいにかける方法(スクリーニング)
を示します。

52週安値戦略では、約3000銘柄の中から、
投資すべき25銘柄を選びます。

スクリーニングをかける5つのフィルターは、
次の通りです。

 1. その会社は長続きする優位性を持っているか

   長期的に市場を独占するような優位性を持つ
   企業であること。

 2. その会社はフリーキャッシュフロー(FCF)で
  考えた場合、買う価値があるか

   会社を丸ごと買った場合、生成されるFCFが
   10年物国債に投資した場合の利益を上回っているか。

 3. その会社のROIC(投下資本利益率)は
  どれくらいか

   その会社は投資コスト(COC)を上回るリターンを
   上げられるようにお金を賢く使っているか。

 4. 長期負債をフリーキャッシュフローで
  短期間で返済することはできるか

   収益が減少しても、長期負債をFCFで短期間内に
   返済する能力がその企業にあるか。

 5. 株価が52週の安値近くにあるか

   52週安値の公式は、どんなに良い会社でも横転し、
   株価が低迷する時期があるという考えに基づくもの。

  「覚えておいてほしいのは、ただ単に52週の安値で
  取引されている会社を買うのではなく、
  52週の安値近くで取引され、高い評価を得ている
  良い会社を買うということである。」

フィルター1~4で、取引可能な株の95%が
振るい落とされるようです。

後は、残った5%の優良企業の株価が
低迷する時期が来るまでじっと待ち、
ひたすら投資のタイミングを図ります。

  「52週安値戦略は、最終目標(下方リスクが
  少なく、市場をアウトパフォームする」を定め、
  そこから逆にたどって、可能性を持つ広い世界を
  絞り込んでいくという戦略的な方法だ。
  具体的に言えば、3000社の上場会社を、
  近い将来、真の価値を生み出す可能性の高い
  25社に絞り込むロジックに基づいた規律ある
  アプローチである。」

ワイリーさんはは、本書で具体例も挙げ
詳しく解説していますが、同じように絞り込むのは
それほど簡単なことではないと思います。

ただし、本書の手順に従って銘柄を選び、
日本市場でも機能するかどうか、
検証する価値はあると思います。

この本から何を活かすか?

ワイリーさんは、投資のみならず人生における
意思決定を、19世紀のドイツの数学者、
カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビさんの
考えに従って下します。

  「逆だ、いつも逆から考えるんだ」

体重を減らしたいと思ったら、
まず太る方法を考え、その逆をやればいい。

結婚したいと思った時も、良い父親になろうと
思った時も、この逆から考えるアプローチが
効果を発揮するようです。

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| 投資 | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ポジティブ・リーダーシップ

満足度★★★
付箋数:20

  「ポジティブ心理学はポジティブ思考とは別物だ。
  レモンをレモネードに変えるための、
  感謝の呪文を研究するものでもない。
  ポジティブ心理学の研究者は、ビジネスリーダー
  なら誰もが取り組んでいる次のような問題の
  解決策を探っている。

  ・スタッフを増員せずに生産性を上げるには
  どうすればいいか?

  ・チームが協力し、パワーアップするように
  仕向けるにはどうすればいいか?

  ・能力を最大限に発揮させるには、
  どのようにして奮起させればいいか?」

ポジティブ心理学とは、私たちが仕事のやりがいや
生きがいを感じ、幸せに生きるための心理学。

生産性、レジリエンス(逆境力)、動機づけ、
感情、強み、チーム力学などの研究を行います。

1998年にマーティン・セリグマンさんが、
アメリカ心理学会の会長になったときに
誕生したとされています。

本書は、ポジティブ心理学を
リーダーシップ発揮のために利用する本です。

著者は、エグゼクティブコーチとしても活躍する
マーガレット・グリーンバーグさんと、
セニア・マイミンさんのお2人。

目指すのは、時代が求める、
前向きで柔軟なリーダーです。

そんなリーダーを本書では、
「ポジティブなはみ出し者」と呼んでいます。

ポジティブなはみ出し者になるための条件は、
次に挙げる4つです。

  1. 抵抗に抵抗しない

  新しいことを導入しようとすると抵抗にあう場合が
  ありますが、抵抗は変化の有望な兆しと考えます。

  このとき、抵抗に抵抗せず、共感して対処します。

  2. 小さなことから始める

  目標は、より小さな目標や段階的な目標に
  分けた時のほうが、実現の可能性が高くなります。

  小さな目標を達成することで自信が生まれ、
  それが将来さらに大きな問題に挑む力になります。

  3. 専門用語を使わない

  リーダーが誰も知らない専門用語を振りかざせば、
  間違いなく嫌がられます。
  ポジティブ心理学という言葉すら、使わなくていい。

  難しい言葉を使わずに、自分が周囲に
  ポジティブな気分を伝えているかに注目します。

  4. あえて裏口を利用する

  新しい方法を取り入れようとするとき、
  熱意のあまり、それまでの方法をすべて
  やめてしまおうとすることがあります。

  本書は、そんな正面から大改革を断行する
  のではなく、裏口からのアプローチで、
  変化を日々の業務に組み込みます。

本書はポジティブ心理学の理論を説明する
だけでなく、リーダーとして何を実践すべきかが
具体的に書かれています。

ただし、個人的には理論と実践例がどのように
結びつくがが、若干不明瞭であると
感じたところもありました。

 パートⅠ リーダーについて
  第1章 生産性の高いリーダーとは?
  第2章 逆境に負けないリーダーとは?
  第3章 感染力の強いリーダーとは?
  第4章 強みを活かすリーダーとは?
 パートⅡ チームについて
  第5章 人材採用
  第6章 従業員エンゲージメント
  第7章 業績評価
  第8章 会議革命
 パートⅢ ポジティブを仕事に活かす
  第9章 ポジティブなはみ出し者

この本から何を活かすか?

  「有名なナイキの広告コピー “Just do it
  (とにかくやろう)” が、生産性向上の道の
  1つだと信じている人も多い。だが、間違いだ。
  状況によってはうまくいくこともあるが、
   “とにかく計画する” のほうがよいことが
  調査によってわかっている。」

「とにかくやってみる」を「とにかく計画する」に
変えて、仕事に取り掛かる前に、簡単な計画を
立てるほうが、生産性を高めるようです。

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| リーダーシップ | 07:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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