活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2015年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年01月

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年末年始の休載について

本日で、2015年の更新も最後となり、
今年も300冊程度の本を紹介することができました。

沢山の方にお読みいただきまして、
ありがとうございました。

2016年は、1月4日からの再開を予定しています。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、みなさま、よい年をお迎えください。

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| お知らせ | 10:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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数学する身体

満足度★★★★
付箋数:22

居酒屋の下駄箱で、次の番号が空いていたとします。

  2、6、7、9、10、17、18

この中で、あなたは何番の下駄箱を選びますか?

もし、あなたが、「2」、「7」、「17」を選んだのなら、
本書の著者、森田真生さんと感性が合うことでしょう。

「2」、「7」、「17」は、数学好きに愛される「素数」です。

  「数学科に入りたての頃、飲み会に参加して居酒屋の下駄箱が
  素数から埋まっていくのに驚いたことがある。
  素数というのは、1と自分以外では割り切れない数のことで、
  理論的にはかなり特別な数だ。(中略)
  なぜか数学をしていると、そんな素数に、特別な愛着が湧いてくる。
  数学好きが集まると、下駄箱も自然と、素数番から
  埋まっていくことになるのであろう。」

本書は、数学とは何か、数学にとって身体とは何かを
考え直していく本です。

森田さんは、数学と身体性の関係などを研究する独立研究者。

本書は、数式はほとんど使わずに思索するので、
数学的というよりむしろ哲学的という印象です。

数学と哲学は根っこは同じ学問とも言えますから、
真理を追求しようとすると、行き着くところは同じなのかも
しれません。

本書で数学史を紐解きながら、論考をすすめるにあたり、
主役となる方は、アラン・チューリングさんと岡潔さんの
お2人です。

チューリングさんは、コンピューターの概念を初めて理論化し、
第二次世界大戦でナチス・ドイツの暗号エニグマを解読して、
イギリス軍を勝利に貢献した数学者です。

岡さんは、多変数解析関数の分野で世界的業績をあげた数学者。

この分野での3大問題を全て独力で解決したため、
1人の数学者ではなく、数学者集団によるペンネームだと
思われていたという逸話もあります。

お2人とも同時代を生きた、「孤高」という形容がピッタリの
独創的な数学者です。

  「二人の間には重要な共通点がある。それは両者がともに、
  数学を通して “心” の解明へと向かったところである。」

哲学的な表現をすると、形而下のことを突き詰めることで、
形而上的な対象を扱おうとした2人とも言えます。

チューリングさんは、機械で心が作れないかを模索しました。

そして、人工知能の未来を予見し、「考える機械」が
生まれる日も、そう遠くないと考えていました。

一方、岡さんは、数学を使うことで、心の奥底へと
分け入って行こうとしました。

情緒を大切にし、分別智と無差別智の働きにより、
知を身につけるべきと提唱しました。

エピソードが豊富なお2人なので、あまり難しく考えず、
人物伝として読んでも十分に面白い内容です。

しかし、森田さんが目指したのは、岡さんと同じように
思考の道具として身体から生まれた数学を通して、
「人間」そのものに迫ることです。

本書が森田さんにとってデビュー作とのことですが、
個人的には、今後、数学の分野における福岡伸一さんのように
なって欲しいところですね。

本書は、福岡さんの『生物と無生物のあいだ』が
好きな方には、勧めたい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「人間は少数の物については、その個数を瞬時に把握する
  能力を持っている。赤いものが赤ということがわかるのと
  同じように、二個のものは二個だとただちにわかる。」

3個以下と4個以上では、物の個数を把握する時に働く
メカニズムが異なるようです。

ちなみに、3個以下の物の個数をひと目でわかる能力を
スービタイゼーション(subitization)と呼ぶそうです。

八百屋さんでトマトをざるに盛って売る場合は、
3個盛るのと4個盛るのでは、差はたった1個だけですが、
それ以上に大きく違って見えるのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 数学 | 10:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「無知」の技法 Not Knowing

満足度★★★★
付箋数:27

  「信用収縮が進んでいたことに、
  なぜ誰も気づかなかったのですか?」

リーマン・ブラザーズが破綻した後の2008年11月、
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを訪問した
エリザベス女王は、名高い経済学者たちにを前に、
手厳しい質問を放ちました。

この女王の質問に答えるべく、英国学士院は多様な専門家や
学者などから話を聞き、書簡としてまとめます。

  「金融危機は不意打ちではなく、むしろ予測可能であった。」

実際に、国際決済銀行(BIS)やイングランド銀行(BOE)は、
度重なる警告を発していました。

では、予測できたにも関わらず、
なぜ、リーマン・ショックは防ぐとこができなかったのか?

  「ほとんどの人は、銀行はみずからの行動を
  わきまえているものと確信していた。」

女王への書簡では、専門家に対する過信が問題だったと
報告しています。

  「関わった個々人はきわめて知性の高い人々だったのに、
  傲慢さと、群集心理と、重要な役割をはたす専門家への
  盲信による集合的失態として、今回の金融危機は生じた。」

私たちが「知識がある」とみなしたことで立ち止まり、
その先にある「知識がない」ことを知る機会を
閉ざしてしまった可能性があります。

これは知識がありすぎるがゆえに進歩できないという
パラドックスに陥っていたということです。

私たちは、知らないことを恐れ、
つい知っている気になってしまうことがあります。

  「私たちが未知を恐れる理由のひとつは、
  自分自身と向き合わざるを得なくなり、自分の弱さ、
  不完全さをつきつけられるからだ。」

本書は、「知らない」ことを受け入れ、考察し、
「知らない」ことを実りあるものにする方法を探る本です。

スティーブン・デスーザさんとダイアナ・レナーさんという
新進気鋭のコンサルタント2人よる共著です。

「知りたいと」という欲望は、抗いがたいものですから、
「知らない」ことを受け入れ、そこに価値を見出すのは、
なかなか難しいことです。

本書では、知りたい欲望を抑えきれなかった例として、
古代ギリシャ神話のプシュケとエロスの物語が紹介されていました。

絶世の美女プシュケは、アフロディーテの息子エロスと
一緒になる条件として、冥府から箱を持ち帰るよう言われました。

「決して開けてはいけない」という箱を抱えたプシュケは、
中身を知りたいという欲求に逆らえず、冥府からの帰り道で
箱を開けてしまい、深い眠りに落ちるという物語です。

日本では、浦島太郎の玉手箱や鶴の恩返しなどが、
知らないままでいることに耐えられなかった、
パターンのお伽話ですね。

「知らない」を受け入れることは、知ろうとしないことや、
無関心でいることではありません。

「知らない」という状態には、知りたいという好奇心や、
未知にものに対する興奮、そしてこれからの可能性があります。

これが、「知らない」という姿勢で対峙することによって
得られる本当の贈り物であると本書では語られています。

浦島太郎や鶴の恩返しの老夫婦も、知ってしまう前の、
「知りたい」と思っていた状態が、最も脳が活性化し、
活力ある状態だったのかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「物理的な意味での部屋の片づけは、比喩的な意味でも、
  精神を片づけてスペースをつくり出すことにつながる。
  使っていないもの、有用ではないもの(思い込みや決め付け)を
  どれほど多く抱え込んでいるか、象徴的に理解する手助けになる」

私はこれから年末の大掃除をする予定ですが、
溜まった汚れが、自分の心の中の様子も表していると
実感しながら、キレイにしたいと思います。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 09:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術

満足度★★★
付箋数:22

著者の望月実さんから献本いただきました。ありがとうございます。

  「私は18年前の1997年に公認会計士の2次試験に合格し、
  青山監査法人(現PwCあらた監査法人)からキャリアを
  スタートさせました。青山監査法人では監査やコンサルティング
  などの業務を通じて多くのことを学びましたが、その中でも
  いまだに役立っているのはエクセルを使った仕事術です。
  当時学んだ会計基準などの知識は陳腐化しましたが、
  エクセルと説明の技術は今でも十分に通用しますので、
  一生使える技術といってもよいでしょう。」

本書は望月さんがアカウンティングファームで培った、
ムダなく、ミスなく、センスよくエクセルで資料を作るための
ノウハウを公開した本です。

単にエクセルのテクニックだけを知りたいなら、
いくらでもエクセル本は出版されていますから、
自分レベルに合った本を実際に見て選ぶのがいいと思います。

今の時代なら、わざわざエクセル本を買わなくても、
ネットで検索すれば、知りたいテクニックをピンポイントで
調べることができます。

しかし、それらは資料作りの枝葉末節であって、
根幹ではありません。

本書の価値があるのは、常に資料の「構造」を意識した
視点を持っている点です。

構造を意識しているかどうかは、作る資料のボリュームが
大きくなればなるほど、差になって出てきます。

10行×10行程度の表を作るだけなら、
本書の優位性は感じられませんが、数ページからなる
資料を作るときには、速さ・ミスのなさ・見やすさにおいて、
他のエクセル本に圧倒的な差をつけることができるのです。

何人もが手分けして資料を作るアカウンティングファーム
だからこそ、磨かれたノウハウと言えるでしょう。

ツリー状に情報を整理し、「リファレンスを振って」情報を
上からも下からもつなげる技術は、組織が情報共有しながら、
共同作業を進める上で有効な方法です。

  「私がPcWで学んだことの中で一番役立っているのは、
  個別の情報である “木” と情報の全体像である “森” を
  見比べながら、目標に向かって情報を整理していく技術です。
  複雑なエクセルファイルを作る時には構造図を作成しますし、
  パワーポイントで資料を作成するときやワードで原稿を書く
  ときにも構造図や箇条書き(目次)を使って内容をまとめて
  いきます。また、情報をツリー状にまとめておくと情報の修正も
  簡単にでき、本書の執筆にもとても役立ちました。」

ちなみに本書の構造(目次)は次のようになっています。

  第1部 ミスを少なく仕事を早く終わらせるExcelの技術
   第1章 仕事が早く終る便利なテクニック
   第2章 知っておきたい表示・印刷の技術
   第3章 ムダな作業を減らすエクセル機能
   第4章 データ集計・分析に役立つテクニック

  第2部 センスを感じさせる資料作成の技術
   第1章 センスを感じさせる資料の作り方
   第2章 初歩的な関数を使って資料を作成する

  第3部 分かりやすく伝える説明の技術
   第1章 なぜコミュニケーションが難しくなったのか
   第2章 分かりやすく伝えるための説明の技術

この本から何を活かすか?

何年経っても「エクセルにはこんな機能があったのか」と
思わされることがあります。

本書で私が初めて知ったのは「カメラ機能」です。

これは選択した範囲をボタン一つで画像として貼り付ける
機能です。

画像はリンクされているので、元の内容を変更すると、
貼り付けたデータも変更されます。

最初からツールバーに表示されていないので、
クイックアクセスツールバー等に表示する設定が必要。

どうしてもレイアウトがうまくいかない時に、これを使うと、
思い通りのレイアウトで作ることができるようです。

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| ノウハウ本 | 06:20 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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間違いだらけのビジネス戦略

満足度★★★
付箋数:20

日本マクドナルドホールディングスは、
連結売上高を2012年の2947億円から2014年の2223億円へ、
この2年間で724億円も減少させました。

店舗も111ヶ所が閉店し、FCも69店舗が撤退しましたので、
窮地に陥っていることは、誰が見ても明らかです。

このような状態から、マックがシェアを落とし、
その分がモスに流れていると見ている人も多く、
一般には「マック絶不調、モス好調」と認識されています。

しかし、この見方は正しくないと、山田修さんは指摘します。

正しくないのは、「モス好調」の部分です。

マックの売上高減少分が724億円もありますから、
その半分でも取り込めば、確かに好調と言えますが、
モスの売上高は「少しも動いていない」に等しく、
2015年3月期の売上高の伸びはわずか1.5%でした。

店舗数で見てもここ数年間で、10店に満たない増加なので、
好調というほどの状況ではありません。

また、山田さんはモスの「顧客満足度日本一」についても、
疑問を呈します。

モスは、2015年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第1回調査の、
飲食総合部門で、実際に1位となっています。

しかし、この調査では「客単価の割にサービスの印象がいい」
ことを見ているに過ぎないと山田さんは指摘します。

  「例えばしゃぶしゃぶ専門店 “木曽路” は7位だが、仲居さんが
  テーブルで料理をつくってくれる本格お座敷レストランの
  サービスより、モスのそれが手厚いというのは無理がある。」

同様に同じハンバーガーチェーンであっても、
マックの客単価が578.5円に対し、モスは910.4円と
倍近くの開きがあるので、顧客満足度指数だけでは、
単純に比較できないと山田さんは言います。

  「私は37才から59才まで22年の間に6つの会社で社長を務め、
  業績を落としていた企業をV字回復に導き、
   “企業再生経営者” と呼ばれたこともありました。
  現在は経営者に戦略策定の指導、企業内の幹部研修を行う傍ら、
  大手ニュースサイト “ビジネスジャーナル” で連載をしています。
  この本は、そんな本書と同名の連載を抜粋、まとめたものです。」

話題になったビジネス事件を取り上げていて、
その失敗の原因について、鋭く言及していますから、
連載記事が人気が高いのもわかります。

失敗の原因について、深く分析している訳ではありませんが、
経営の裏舞台を少し見せる程度の踏み込み方が、
重すぎず、軽すぎず、記事として読むには、丁度良い感じです。

ただし、「出来るだけタイムリー」をモットーとして
書かれた記事をまとめた本ですから、本書の賞味期限は
決して長いとは言えません。

2014年の秋以降の記事が掲載されているので、
私が読んだ時点で、既に1年以上経過している記事もあります。

書籍化されると、テーマごとに記事が分類され、
読みやすくはなっていますが、やはり旬なうちにWEBサイトで
読んだ方がいいように思えます。

現在の連載はこちら「間違いだらけのビジネス戦略
以前の連載はこちら「展望!ビジネス戦略

この本から何を活かすか?

  「アマゾンより速い! ヨドバシ・COMがスゴすぎる?」

本書には、日本の人口ベースで60%を超える地域で
当日6時間以内の配送を実現したヨドバシ・COMの
物流体制について書かれていました。

先日、私はヨドバシ.COMで「キムワイプ」を3箱注文しました。

こんな単価の安いものが「配送無料」であることも驚きましたが、
朝4時半に注文して、私の住む北海道に午後3時に到着したことが
それ以上に衝撃的でした。

確かにヨドバシ.COMはスゴ過ぎます。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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行動の科学

満足度★★★
付箋数:21

マイケル・ボルダックジャパン代表の吉田裕澄さんに、
献本いただきました。ありがとうございます。

この漫画を読み終わったらやろう、午後になったら始めよう、
明日になったら本気でやろう・・・

先延ばしする人の代名詞と言えば、のび太くんです。

嫌なことや面倒なことは、とことんまで先延ばしして、
いつも切羽詰まってから、ドラえもんに泣きつきます。

そこまで極端でなくても、先延ばししたいという心理は、
誰でも持っているものです。

しかし、本書の著者、マイケル・ボルダックさんは、
少し厳しい指摘をしています。

  「先送りの究極の結果は “死” であるとさえいえます。
  人間関係、ビジネス、キャリア、財政面、感情、成長・・・・、
  先送りは私たちの理想の人生を徐々に破滅させることになります。
  私の信念の1つは、 “先送りはドリームキラーである” 
  というものです。」

世の中には、「明日できることは今日するな」といった、
格言めいた言葉もありますが、先延ばしをしている限り、
決してそれが実現することはありません。

行動しないと、人生において大きな負債を抱えることになり、
心も身体もいずれは死に追いやられてしまうのです。

本書は、のび太くんのような「先送りする自分」を
「すぐやる自分」に変えるための本です。

ボルダックさんは、すぐやる人になるための第一歩として、
「痛みと快楽の法則」を説明します。

これは、意識している、していないに関わらず、
私たちは「痛みか快楽」のいずれかをきっかけとして
行動を起こすというもの。

つまり、痛みと快楽をコントロールすることで、
前向きな行動を自然と選ぶようにできるのです。

やらなければならない行動を、快楽に結びつけ、
その快楽に感じる領域を徐々に広げて習慣化します。

次にボルダックさんは、私たちが一歩踏み出すことを
止めてしまう「リミティング・ビリーフ」について説明します。

これは、「もうこのままの現状維持でいいや」と考えるような、
自分の可能性を閉じてしまう信念のことです。

すぐに行動を起こすためには、リミティング・ビリーフを
別の信念に書き換える必要があるのです。

私たちが行動を先延ばしをする3つ目の原因として、
ボルダックさんは、「内的再表現と言葉」を挙げています。

私たちは、目で見て、耳で聞いて、身体で感じたことを
自分の中で再表現しますが、これがネガティブな場合、
行動意欲を減退させてしまいます。

この内的再表現と言葉を変えることで、行動への障害を
取り除くことができるのです。

最後に本書では、すぐやるためのゴールの作り方を
解説します。

ゴールに向けて、何が何でも達成していと思える、
絶対的な理由が見いだせれば、私たちは先延ばしせずに、
すぐに行動を起こすことができるのです。

  「成功の80%は心理面であり、20%が方法である」

これがボルダックさんの中心的な信念の1つです。

本書の構成も、全体の80%がものの見方などの感情面、
20%が具体的な方法論について書かれています。

本書は実践心理学に基づいていますから、
取り組みやすい本だと思います。

この本から何を活かすか?

モチベーションを失うことなく、常に行動し続けるための
3つの質問「R・E・M」

  R=Result:結果「行動して得られる欲しい結果は何か?」
  E=Emotion:感情「なぜその結果を達成したいのか?」
  M=Massive Action Plan:大量行動プラン
   「この結果を達成するための具体的な行動は何か?」

この順番で自分に問いかけることを習慣にすると、
行動へ向かうことに集中できるようです。

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| 目標達成本 | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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成功脳と失敗脳

満足度★★★
付箋数:18

茂木健一郎さんは、成功している人たちに共通する特徴として、
対等なコミュニケーションを実践していることを挙げています。

キャリアや肩書などは気にせず、どんな人でも「ゼロ」から
出発するコミュニケーションです。

本書には、対等なコミュニケーション一例として、
次のようなエピソードが紹介されていました。

アメリカのプリンストンに住む一人の少女がいました。

少女は時々どこかに出かけていくので、母親は不思議に思って、
「あなたはいつもどこへ出かけて行っているの?」と訪ねました。

少女は、数学の宿題の中に解けない問題があって
困っていたときに、近所の112番地に頭のいい人が住んでいる
という話を友だちに聞きました。

少女は112番地を訪ね、宿題を教えてもらえないか頼みました。

するとその人はとってもいい人で、少女が困っていた宿題を
よろこんで説明してくれたそうです。

  「とても親切に教えて下さったので、学校で習うより、
  よくわかったわ。しかもその人は、もし難しい問題があったら、
  またいつでも、いらっしゃいと言って下さったので、
  難しい問題があると教えてもらいにいくのよ。」

母親はこの話を聞いて、心底驚きました。

なぜなら、少女が何度も通っていた112番地の住人というのは、
最近 ノーベル物理学賞を受賞したばかりの、
アルベルト・アインシュタインさんだったからです。

すぐに、少女の母親はアインシュタインさんの所に行って
お詫びをしました。

ところが、アインシュタインさんは次のように言ったそうです。

  「いやいや、そんなにお詫びする必要はありませんよ。
  あなたのお嬢さんと話をすることによって、お嬢さんが私から
  学んだ以上のことを、私はお嬢さんから学んだのですから。」

アインシュタインさんのような天才物理学者が、
近所の女の子に自分の正体を自慢するでもななく、
ましてや偉ぶらないで、このように対等に話していたのが、
茂木さんの言う理想的なコミュニケーションなのです。

さて、本書は「成功脳」と「失敗脳」という切り口で、
茂木さんが脳のちょっとした使い方を指南する本です。

成功脳とは、成功体験を積み重ねるのがうまい脳のことを言います。

自ら設定した目標に向かって、小さな成功体験をすると、
神経伝達物質であるドーパミンが出て脳が喜び、
それが積み重なって大きな成功にたどり着くようです。

それに対して、失敗を恐れて何もチャレンジできない、
うまくいかなければ何かしらの言い訳をしてしまうのが、
典型的な「失敗脳」です。

失敗に対する言い訳は、自分が負けている状態を
安定化させるための「悪魔の薬」と茂木さんは呼んでいます。

  第1章 成功か失敗かは、脳が決めている!
  第2章 成功ルールと報酬は自分で設定しよう
  第3章 フローは、成功脳へ導く最強の武器
  第4章 すべては自分をありのまま見ることから始まる
  第5章 成功脳をつくる習慣を身につけよう

本書では、「失敗脳」から抜け出し「成功脳」の持ち主に
なるための、脳回路の強化法を紹介します。

文字は少なめで、専門性は高くない気軽に読める本です。

茂木さんは、「賢いホームレス」というあだ名を、
有吉弘行さんに付けられたことを気に入っているそうです。

本書には、そんなイメージに合った茂木さんの写真が、
ちょっとうるさいぐらいに、ふんだんに使われています。

この本から何を活かすか?

  「意識高い系」は失敗脳の典型例

意識高い系とは、自分の経歴や人脈を過剰に演出して、
一見すごいように見えて、実はたいした経歴や活動は
していない人のことを言います。

プロフィールだけ盛って現実をごまかして、
いつも真剣勝負せずに回避行動ばかりとっていると、
結局成功体験を積み重ねることができないのです。

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| | 11:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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自分を変える習慣力

満足度★★★
付箋数:23

  「 “潜在意識” は、 “コンピューター”  “原子エネルギー”
  と並ぶ、20世紀の三大発明の1つとも言われ、精神分析で有名な
  ジグムント・フロイトらにより提唱されてから、21世紀にかけて
  その研究が進んでします。(中略)

  本書は、その潜在意識の特性を理解し、潜在意識の抵抗を
  受けない状態にし、さらには潜在意識を味方につけながら、
  習慣化を進める画期的な方法をお伝えする本です。
  また、読み進めていくうちに、あなたを変える、
  そしてあなたの人生を変える、習慣の驚くべきパワーを
  知ることになるでしょう。」

本書は、早起きやダイエット、禁煙といった生活習慣のみならず、
人生を大きく変化させる「コミュニケーションの習慣」や
「心の習慣」の身に付け方までを伝える本です。

著者は、オリンピック日本代表のアスリートや経営者などの
メンタルコーチとして、数千回のセッション実績を持つ三浦将さん。

エグゼクティブコーチの中でも、自身が外資系企業での
エグゼクティブポジション経験を持つ稀な存在の方です。

本書で三浦さんが伝えるメッセージは、大きく3つあります。

  1. スイッチとなる習慣を1つ見つけ、それを習慣化することで
   あなたの人生は変わること

  2. 潜在意識の特性を理解し、セルフコーチングを応用すれば、
   習慣を身に付けるのに固い意志は必要ないこと

  3. 良い習慣をみにつけることで、あなたの脳力までもが
   向上していくこと

また、三浦さんは、習慣化には4つの段階があると説明します。

第1の段階は、「知らない」段階。

習慣化について何も理解していない状態で、
まだ「無意識」の段階です。

第2段階は、習慣化について「知っている」という段階。

例えば、本書のような習慣化の本を読んで、
それがどのような効果をもたらすかを知っている様態です。

知識レベルで留まっていて、「意識」はあるものの
習慣化していない、世の中によくある状態です。

第3段階は、「できる」という段階。

習慣化のために、日々繰り返し始めた段階で、
少しできるようになっていますが、
まだ「意識」してこなしている状態です。

意志の力によって継続させる場合が多いので、
習慣化できずに挫折してしまうのがこの段階です。

最後が、「やっている」という段階です。

繰り返しやっているのが当たり前で、
ほぼ「無意識」に近い状態です。

ここまで来ると、意思を働かせる必要はないので、
本当に習慣化と言えます。

最初は「無意識」から始まり、「意識」するようになり、
また最後は「無意識」の状態になります。

本書では、本来、意思の力が必要な第3段階で、
あまり意志の力に頼らずに定着させ、
第4段階へ移行させる方法を伝えます。

意思の力は消耗するので、毎日続けられる、
「小さな1つのこと」だけに集中して、頑張ったり、
無理をし過ぎないことが、この段階では最も重要。

多くの人が習慣化の前に挫折してしまうのは、
ここで意志の力を使って、頑張り過ぎるからのようです。

この本から何を活かすか?

私の代表的な習慣は、やはり早起きと読書です。

これらは、頑張らなくても、できているので、
無意識に近い状態で「やっている」と言えます。

一方、このブログを書くことも1つの習慣だと思っていましたが、
スタートから9年目、2500本以上の記事を書いていますが、
気付いたら記事が書けていたという経験はありませんね。

まだ意志の力で書いているので、道半ばということなのでしょう。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 07:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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いつも余裕で結果を出す人の複線思考術

満足度★★★
付箋数:24

あなたは、人の話を聞きながらメモをとっていますか?

齋藤孝さんは、いつも人の話を聞きながらメモをとっているので、
そのことを知人から感心されることがあるようです。

実は、本当に関心すべきなのは、そのメモの中身。

齋藤さんがメモしているのは、相手の手の話に出てきた
印象的な言葉やポイントではありません。

メモしているのは、話を聞いて自分の中に浮かんできた考えです。

次に話すべきことや、この後に展開させるべき項目を
書き出しているのです。

人の話を聞きながら、そのことだけを考えるのが「単線思考」。
一方、聞いた話とは別のことを同時に考えるのが「複線思考」。

  「二つの思考のイメージはこうです。列車を走らせるための
   “線路” が敷かれているとすると、単線思考はその線路が
  一本だけ。列車が一本の線路上を走っていきます。
  一方、複線思考の場合は二本以上の線路が敷かれ、
  列車が並走している状態です。」

忙しいのに結果が出ない人と、いつも余裕で結果を出す人の
違いは、この思考法の違いにあるようです。

単線思考だと、そのルートが詰まってしまうと、
すぐにパニックに陥りますが、複線思考だと別のルートが
あるので余裕が持てるのです。

  「本書では、さまざまな角度から複線思考を捉え、
  その考え方を解説していきます。
  複線思考によって仕事のスキルをアップさせる方法や、
  人間関係を築くためには複線思考をどう取り入れるかといった
  具体的な方法もたっぷりと紹介します。」

少し具体的にイメージするために、齋藤さんが
複線思考を持つ「芸能人」として挙げた3人を紹介します。

1組目は、さま~ずの三村マサカズさんと大竹一樹さん。

鋭い面白さを持っているのに、全然鋭くないように見え、
狙って笑いを取りに行っている感じや無理な力みが一切ありません。

融通無碍な自然体で、「こうあるべき」という発想に
縛られていないので、いつも余裕が感じられます。

2人目として、齋藤さんが挙げていたのは有吉弘行さん。

仕切り感が強いわけでもないのに、すごくテキパキと番組を進行し、
掘り下げても何も出てこないときは、サッと切り上げます。

全体が俯瞰できているので、段取りをしっかりと守りながらも、
その場に合わせた柔軟な対応ができるのです。

齋藤さんが3人目に挙げていたのは、マツコ・デラックスさん。

マツコさんの持ち味は、視聴者の共感を呼ぶ
巧みなコメント力です。

それは男性でも女性でもない、複線化せざるを得ない視点を
持っているからこそ出せる持ち味です。

これらの3人が共通して持っているのが、複線思考なのです。

それでは、どうしたら複線思考を持てるようになるのでしょうか?

齋藤さんは、次の5つの力が複線思考につながると
解説しています。

  その1 他者への理解力
  その2 自分を客観的に見る力
  その3 全体を俯瞰する力
  その4 直感と論理を合わせた判断力
  その5 思い込みにとらわれない発想力

齋藤さんの複線思考も長年培われてきた思考の癖ですから、
一朝一夕で真似てできるものではありません。

しかし、複線思考を身につけるためのトレーニング方法も
紹介されていますから、試してみる価値はあると思います。

この本から何を活かすか?

  「文章を図にして、その図を文章にすれば理解が早い」

複線思考の1つの肝は、視点の切り替えができることです。

文章を図化するときには、俯瞰的な視点が必要になり、
図を文章化するときには、仰視的な視点が求められます。

この図化と文章化を意識的に繰り返すことが、
複線思考を身につけるための有効な訓練になるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| アイディア・発想法・企画 | 12:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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脳が認める勉強法

満足度★★★★
付箋数:25

ダイヤモンド社の小川さんから、献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、新しいことを覚えるときに、
どんな環境で、どのようにして勉強してきましたか?

音楽など聞かずに、静かな場所で勉強する。
場所を決めて、座ったまま勉強する。
一夜漬けで勉強する。
苦手な問題を何度も繰り返し、反復学習をする。

これらの勉強方法は、脳の機能からすると、
実は、あまり効率のいい勉強方法ではなかったようです。

本書は、NYタイムズでベストセラーになった、
話題の「勉強本」の日本語訳です。

著者は、25年にわたって科学と健康の記事を書き続ける
サイエンス・ライターのベネディクト・キャリーさん。

本書はこれまで定説となっていた多くの勉強方法が
間違っていたことを指摘し、本当に効率のいい勉強方法を
多くの事例と共に示します。

まず、静かな所で勉強するよりも、音楽を聞きながら
勉強した方が、思い出す手がかりが増えるので効果的。

場所も一箇所にとどまるよりも、場所を変えて、
いろいろな環境で勉強したほうが記憶に鮮明に残ります。

次に、時間の使い方に関しては、分散して勉強する方が、
一度に勉強するよりも、はるかに効果が高いようです。

例えば、2回に分けて勉強する場合、2回目をいつ勉強するのが
最適なのかは、試験までの期間に応じで決まります。

試験までの期間が1週間なら、2回目の勉強は1~2日後。

試験が3ヶ月先なら2週間後で、1年後の試験なら1ヶ月後に
2回目の勉強をするのがベストのタイミングのようです。

そして覚えるのに使う時間と、反復に当てる時間の
理想的な比率は1:2。

1/3の時間で覚え、残り2/3の時間で反復します。

ただし、同じことだけを繰り返し反復すると、
効果が頭打ちになってしまうので、別のことの復習を間に挟む
「インターリーブ」というテクニックを使います。

インターリーブは、予期していないことを脳に準備させるので、
アクシデントにも強くなります。

そして、最も効果の高い学習テクニックは、
「自分で自分をテスト」することです。

復習に時間を使うつもりなら、自己テストした方が、
記憶の定着と理解が、大幅に上昇するようです。

自己テストといっても、さまざまな形があり、
鏡の前で暗唱したり、キッチンを歩きながら自分に向かって
学んだことを説明するのも自己テストになります。

「他人に説明すると自分の理解が深まる」と、よく言わますが、
これは脳科学的にも、その効果が証明されているようです。

また、大学受験のときに「赤本」をいつやるかは、
悩ましい問題でしたが、本書では「最初」にやるのが
効果的との見解を示しています。

知らないことをテストする「事前テスト」には、
その後の学習効果を高めるので、全然解けなくても
まず、やってみることが重要なようです。

本書は、キャリーさんの経験に基づく勉強方法ではなく、
多くの科学者に取材を重ね、実証データや研究論文から
解き明かした、脳科学的に根拠のある勉強法です。

350ページを超える大作ですが、サイエンス・ライターとして
活躍しているだけあって、読み物としても面白い。

この本から何を活かすか?

  Q. 創造性を必要とするプロジェクト(課題や仕事)が
   長期にわたる場合、優れた結果を出すために有効な
   テクニックはあるか?

  A. ある。そういうプロジェクトを抱えたときは、できるだけ早く
   着手し、「行き詰ったら中断してよい」と自分に言い聞かせる。

これは、物事を中断した方がよく覚えているという
「ツァイガルニク効果」で、記憶に差がでるだけでなく、
創造性も飛躍させる効果があるようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 勉強法 | 07:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学

満足度★★★★
付箋数:26

近年の経営学の研究は、国際化と科学化が急速に進み、
多くの有用な論文が発表され、新しい「ビジネスの知」が、
次々と生み出されていると言います。

しかし、そういった最先端の経営学の知見は、
「MBAの教科書」には、決して反映されることはありません。

なぜなら、教科書に掲載するためには、一度、分析ツールに
落としこむ作業が必要であり、そのツール化は学業実績に
ならないため、経営学者へのインセンティブが働かないからです。

本書は、MBA本を読んでも、ビジネス誌を読んでも、
ビジネススクールの授業を通しても知り得ない
最先端の経営学の知見を紹介する本です。

著者は、『世界の経営学者はいま何を考えているのか』で、
「米国の主要なビジネススクールにいる教授は、
ピーター・ドラッカーさん「の本をほとんど読まない」
と書いて、反響を読んだ経営学者の入山章栄さん。

ちなみに、ドラッカーさんの本のみならず、日本で重宝されている、
ジム・コリンズさんの『ビジョナリー・カンパニー』についても、
米ビジネススクールの研究者は、ほとんど読まないそうです。

本書で紹介される経営学の研究の1つに、
ある有名な経営学の学術誌で最優秀論文の候補になった、
ピーター・マドセンさんと、ビニット・デサイさんの
共同論文があります。

それは、「宇宙軌道衛星ロケットの打ち上げの成功・失敗」
に関する研究です。

一見、ビジネスには関係ないように思えますが、
軌道衛星ロケットの打ち上げは、成功と失敗の区別がつきやすく、
かつ、失敗の割合も一定数あるため、組織が過去から学ぶことを
研究するには、格好の材料になるようです。

この研究では、4646回のロケット打ち上げを統計分析して、
次の3つの発見をしました。

  発見1. 一般に成功体験そのものは、「その後の成功」の確率を上げる
  発見2. とはいえ、大事なのは成功体験よりも失敗体験
  発見3. 組織に失敗体験が乏しい場合に限り、その組織の
     成功体験はむしろその後の失敗確率を高める。

つまり、失敗をほとんどしないまま、成功だけを積み重ねると、
サーチ行動が十分でないまま成功してしまうので、
結果長い目で見た成功確率が下がるということです。

入山さんは、「成功体験と失敗体験には望ましい順序がある」
と結論づけています。

これは、「若いうちに失敗経験を積め」という
人生訓が正しいことも証明しています。

このパターンに符合する例として入山さんが挙げているのが、
2014年に史上最高額でIPOを果たした、中国アリババ集団の創業者、
ジャック・マーさんです。

人生の前半で極端なまでに連続して失敗を重ねた後、
世界で最も成功した起業家になったマーさんは、
まさに望ましい順序を歩んだと言えます。

また、本書で紹介されていた、2001年の研究では、
「真にグローバルな企業」は、世界にわずか「9社」しかない
ことが示されていました。

真にグローバルな企業とは、ホーム地域からの売上が
大半を占めるのではなく、世界中からまんべんなく売り上げる
企業と定義されています。

この研究では、世界市場を「北米地域」、「欧州地域」、
「アジア太平洋地域」の三極に分け、ホーム地域から5割以下、
他の2地域からは2割以上の売上構成の企業を
真のグローバル企業の条件として調査しました。

2014年のデータで、この基準に当てはめると、
真にグローバルな企業と呼べる日本企業は、
「キヤノン」と「マツダ」の2社だけになるようです。

定義の仕方にもよりますが、意外と少ないものです。

この本から何を活かすか?

  経営学は「答え」を教えてくれない

経営学は、それぞれの企業の戦略や方針に、
「それは正解です」、「それは間違っています」と
安直に答えを出せる学問ではありません。

あくまで、経営学は「思考の軸」を示すに過ぎず、
「ビジネスという航海の羅針盤の役目」と本書では
説明されていますから、過度に期待することは禁物です。

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| 経営・戦略 | 07:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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図解 今すぐ使える! 孫子の兵法

満足度★★★
付箋数:18

著者の鈴木博毅さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

本書は、2014年10月に刊行された『実践版 孫子の兵法』を
わかりやすく図解した大判本です。

「孫子の兵法」とは、今から2500年前の古代中国の呉という国で、
将軍だった孫武さんが書き上げたとされる戦略書です。

孫武さんは、「孫子の兵法」の作者と言われながら、
史実は多くなく、今でも議論がなされている存在です。

彼は、紀元前506年の楚軍との戦いで、
みごとな陽動作戦を使い数倍の規模の敵を撃破しました。

さらに進軍して5戦5勝、10日で楚の首都を陥落させて、
照王を逃亡に追い込んだと言われています。

「孫子の兵法」は、そんな軍事の天才である孫武さんが著した、
戦争に勝つための方法が書かれた兵法書。

その兵法書が、これまで長きに渡って、
多くの成功者や経営者たちに読み継がれてきました。

ビル・ゲイツさんや北尾吉孝さんらが、「孫子の兵法」の
熱心な読者であることが知られています。

なぜ、経営者たちは「孫子の兵法」に熱中するのか?

それは、戦争であってもビジネスであっても、
組織を指揮して戦いに勝つことの本質は同じだからです。

  「『孫子』はおもに将軍職を対象に書かれており、
  その立場は現代のビジネスならマネジャー職にあたります。
  リーダーである人物が、会社や組織、チームの中でどのような
  活躍をすべきか。日本、海外を問わず経営者や管理職に
  『孫子』の愛読者が多いのは、単なる兵法ではなく、
  人間という存在への鋭い洞察が含まれているからでしょう。
  人間の本質、それを深く知る者ほど、
  人間で構成されたこの社会では多くの勝利と幸せ、
  そして富を手にしているのですから。」

「孫子」の中で最も有名な戦略思想は、「戦わずして勝つ」こと。
これは戦う前に勝てる条件を、1つでも多く揃えておくことです。

つまり、その条件が揃わないときは、戦いません。

  「勝てる見込みがなければ、逃げることに専念せよ」

これが負けないことであり、最も大切な考え方です。

  「戦争は国家の重大事であって、国民の生死、国家の存亡が
  かかっている。それゆえ、細心な検討を加えなければならない」

状況を冷静に見極め、最大限の準備をしても不利だとわかったら、
勇気を持って、戦わないことを決断します。

そして撤退を決めたら、無駄な損害を出さないために、
逃げることに専念するのです。

この「不敗」に徹するには、「ありのまま」や「無為自然」で
あってはいけません。

情勢に流されてしまうのではなく、勝てないときは潔く退くことを
「定石」として意識して身に付ける必要があるのです。

私は、約1年前に『実践版 孫子の兵法』を読みましたが、
本書を読むことで、その理解がより深まったように思えます。

本書は100ページもありませんから、
内容の濃さではオリジナルの『実践版』に敵いません。

しかし、「孫子の兵法」の考えを人に説明するときなどは、
本書の図解は役に立ちそうです。

もちろん、本を読む時間があまり取れなくて、
「孫子の兵法」のエッセンスだけでも知りたい人にとっては、
こういった図解本はありがたいですね。

この本から何を活かすか?

  勝利の5条件を整える

  1. 彼我の戦力を検討した上で、戦うべきか否かの判断ができること
  2. 兵力に応じた戦い方できること
  3. 君主国民が心を1つに合わせていること
  4. 万全の準備を整えて敵の不備につけこむこと
  5. 将軍が有能であって、君主が将軍の指揮に干渉しないこと

ビジネスでも勝負の前に、この5つの条件を
徹底して整えることが重要なのです。

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| 経営・戦略 | 07:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事力を高めるデジタル文章術

満足度★★★
付箋数:21

スマホ、タブレット、パソコンなどで文章を打つときに、
頻繁に起こるのが「変換ミス」。

あまりの不適切な変換に、イラついたり、
笑ってしまうこともあります。

「変換したい」が「変換死体」になったり、
「書く仕事がしたい」が「隠し事がしたい」になったり。

なぜ、変換は思うようにいかないのでしょうか?

日本語の変換には、英語にはない、3つの壁があるようです。

1つ目は、同音異義語が多いこと。

「厚意」と書きたくても、同じ入力で「好意」、「行為」、
「更衣」、「高位」など多くの候補が出てきます。

「ご厚意ありがとうございました」と書くつもりで、
「好意」を選んでしまうと、何か違う感情が入った文章に
なってしまいます。

2つ目は、日本語入力システムが、とにかくなるべく多くの漢字に
変換しなさいというコマンドを受けていること。

「ほんとうにお心のこもったおことばをいただき」と、
なるべく平仮名を使って、たおやかなお礼の文を書こうとしても、
「本当」、「言葉」、「頂き」などは漢字に変換しようとします。

司馬遼太郎さんなど人気作家の方の文章を見ると、
人の気持ちや情景を書くときには、漢語ではなく和語を多用し、
なるべく「かな文字」を使うよう徹底していることがわかります。

気持ちを伝える文章を書こうとするときには、
できるだけ漢字に変換したがる入力システムは、
足を引っ張ることになるのです。

3つ目は、私たちユーザーが、「にほんごのにゅうりょくが」
のように、異なる単語をいくつでも連続して入力することを
当たり前と思い込んでしまっていること。

日本語入力システムによっては、使われる頻度によって、
優先的に表示する仕様になっていますが、
まだまだ、かゆいところに手が届くようにはなっていません。

日本語には、単語と単語がくっつきやすい癒着性があり、
それがデジタルで日本語を書くときの大きな壁に
なっているようです。

本書には、これら3つの壁の特性を理解して、
少しでも変換ミス減らすTIPSが紹介されています。

著者は、日米でベストセラー編集者として活躍した河口鴻三さん。

本書は、伝説的な編集者が、デジタルで文章を書く際の
イライラを解消する方法や、創造性を高めるためのヒントを
惜しみなく公開した本です。

  第1章 書くことの意味はこんなに変わった
  第2章 デジタルの大問題=漢字変換をサクサクやる方法
  第3章 思考スピードの文章術=登録機能を自由発想で使いこなす
  第4章 発想力を高める=置換、検索の本当の威力とは
  第5章 「送らないメール」も縦横に活用する
  第6章 読みやすい文章のトータルデザイン
  第7章 一見トリビアのようでも大事なノウハウ
  第8章 魔法のスマート日記術
  第9章 会社全体でデジタル文章術
  第10章 良い日本語を書くための主語、和語、漢語のマネジメント
  最終章 デジタルにはリスクもいっぱい

個人的には、入力の効率を上げるノウハウよりも、
文書の中の特定の単語を置換して、別の角度から見直す方法などの、
発想系のノウハウの方が使ってみたいと思いました。

この本から何を活かすか?

  ポインターの色は黒に変えて使う

本書では、パソコンのポインタが行方不明にならないように、
「白抜き」から「黒」に変えることが推奨されていました。

とりあえず、私はマウスのポインター設定を「反転色」に
変えました。

デフォルトと反転色で、どちらが快適か試してみます。

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| 文章術 | 10:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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創造的脱力

満足度★★★
付箋数:22

2014年の春、福井県鯖江市の市役所の中に「JK課」が誕生しました。

JKとは、女子高生のことです。
メンバー13人が全員女子高生で、「まちづくり」を行います。

これまでも多くの自治体で、高校生が地域行政に関わるような
取り組みが考えられてきました。

高校生が、商店街の活動に参加するプログラムや、
まちおこしに携わるインターンシップなど。

しかし、JK課の活動は、それら既存の活動とは全く異なるものです。

従来の取り組みは、大人や専門家たちが用意したプログラムに
高校生を参加させるという取り組みでした。

これに対して、JK課では女子高生のメンバーが活動の中心。

女子高生自ら、何をやりたいのか、何をやるべきなのかを考え、
実際に行動に移していきます。

大人は、女子高生のやりたいことを実現させる上での
あくまでサポーターに徹します。

大人が女子高生を使うのではなく、女子高生が大人を使うのです。

このJK課を企画したのが、本書の著者で、
「ゆるいコミュニケーション」を提唱する若新雄純さんです。

女子高生はツイッターを通じた口コミで募集されました。

  「市役所にJK課って、マジなの? ウケる」
  「なんか面白そうじゃね?」

それまで、市役所に一歩も足を踏み入れたことがない、
普通のJKたちが集まりました。

もちろん、「まちづくり」なんて一度も真剣に考えたことは
ありません。

しかし、メンバーとなったJKたちは、学校や大人から与えられた
問題を解くのではなく、自分たちで「問題にした問題」に
取り組むことに新鮮さを感じて、ハマったそうです。

参加したメンバーにインタビューすると、
もし、「JK課」という名称ではなく、「女子高生まちづくり課」
というような名称だったら、参加しなかったと言っています。

様々な批判を浴びながらも、JK課のネーミングを通したのは、
素晴らしいですね。

若新さんは、JK課をサポートする市役所職員の方々に、
「教えない」ことを徹底してお願いしました。

当初、市の職員の方は、服装や髪型は自由でもいいけれど、
挨拶だけはきちんとさせたいという要望があったそうです。

それでも若新さんは、挨拶の指導だけでも「教える・教えられる」
の関係性になってしまうので、そのような指導もしないよう頼み、
「ゆるい」関係性を維持しました。

そんな環境で立ち上げたJK課は、市立図書館の空席情報を
確認できるスマホアプリの考案・運用や、JKスイーツの開発、
まちを美化するピカピカプランやかわいいゴミ袋など、
1年間でさまざまな活動を具体化していきました。

立ち上げた時点では、周囲の大人や一部の学校からは、
「よくわからないから、怪しくて危険」と拒否されたり、
専門家からは「未成年だから話にならない」と否定されていました。

そんな逆風の中でも、JKたちは自分たちの目線からの
自由な発想で、誰もが驚くような実績をあげたのです。

若新さんが、本書で紹介するのは、「白か黒か」とか、
「成功か失敗か」という過度な緊張感を遠ざけた
「ゆるいプロジェクト」の数々です。

ジョセフ・シュンペーターさんが唱えた「創造的破壊」に対して、
若新さんは「創造的脱力」と命名しています。

本書で提唱されるのは、破壊するのではなく、
ゆるめることで社会を変える、脱力的なアプローチです。

この本から何を活かすか?

  週休4日・月15万円の「ゆるい就職」

2014年の夏に、若新さんは、人材サービス会社と組んで、
新卒や20代の若者を対象に「ゆるい就職」という
実験的なサービスを開始しました。

説明会には150名が参加し、早慶MARCH以上の高学歴の若者が、
35%以上を占めていたとか。

若新さんは、卒業したら、すぐに正社員として就職するのではなく、
将来を考えるモラトリアムの期間を、もっと長く提供したいと
考えたそうです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 09:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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BCGの特訓

満足度★★★
付箋数:24

ボストン・コンサルティング・グループ(以下BCG)には、
銀行、商社、メーカー、医師、弁護士、会計士など
さまざまなバックグラウンドを持つ人材が集まります。

もともと能力の高い人が集まっているというのを抜きにしても、
BCGの人材は驚くべきスピードで成長すると言います。

入社して1年経つと中堅、2年経つとベテラン、
3年経つ頃には、1段上のポジションの仕事に
チャレンジすることが、求められるようです。

BCGでは、どのようにして超高速で人材を育成しているのか?

その人材育成の秘密を公開するのが本書です。

巷にはロジカルシンキング本やフレームワークの本など、
現役もしくは元コンサルタントがスキルを解説する本が
数多く出版されています。

しかし、本書の著者、BCGのパートナーである
木村亮示さんと木山聡さんは、その手のコンサル本に書かれている
ノウハウは、あくまで「必要条件」に過ぎないと言います。

  「ビジネス・パフォーマンスを上げていくには、
  これらのスキルとは別にBCGが重視している “十分条件” とも
  言える能力が存在する。具体例を挙げれば “必要な問題を
  正しく設定し、それを解く能力”  “結論に基づいて人に
  動いてもらう能力” などが該当する。これらの能力については
  これまであまりオープンにしてこなかった。したがってその
   “十分条件” をどやって身につかることができるのか、
  という成長の “秘伝のたれ” について言語化を試みるのは
  本書が初めてとなる。」

本書で公開される1つ目の成長の方程式は、しっかりとした
土台になる「マインドセット」を持った上で、個別のスキルを
身につけ、その使い方を磨くこと。

「他者への貢献に対する強い想い」、「折れない心」、
「原因自分論を持てる素直さ」の3点が、
本書で示される成長に必要なマインドセットです。

2つ目の成長の方程式は、正しい目標設定と正しい自己認識を
持つことです。

成長とは、目指す姿と現状のギャップを埋めること。

正しい目標設定と正しい自己認識がないまま、
やみくもに頑張っても必要な成長は成し遂げられません。

これまで培ってきた無意識の思考のクセも意識化して、
コントロールすることが大切のようです。

以上の2つの成長の方程式を踏まえた上で、
本書では「成長を加速させる鉄則」が示されています。

  鉄則1 スイッチ “オン” の時間を増やす
  鉄則2 自分の「目を肥やす」
  鉄則3 自分の行動を「分解」する
  鉄則4 とにかく実践する、変化する

超高速で成長するためには、「量」と「質」を同時に満たす
必要がありますが、鉄則1は量を増やすもの、
鉄則2、3、4は質を高めるものです。

そして、本書が最終的に目指すのは、
成長をPDCAで「自動化」することです。

秘伝のたれは、簡単に真似できないからこそ秘伝のたれ。

本書では、その簡単に真似できない秘伝のたれをつくる際に必要な、
精神や考え方を学ぶことができます。

あとは、本書のレシピに沿って試行錯誤を重ねることが、
自らの成長を速めることになると思います。

この本から何を活かすか?

  「 “今” 優秀なのではなく、自分で環境変化に合わせて
  成長し続ける人材になることが重要」

即戦力が必要とは言われていても、本当に必要なのは、
今はまったく予測もできない環境に変化したとしても、
その環境に自分を変化させていく力です。

本書は高速で成長することを目指す本ですが、
このように高い目標を持って、長期で成長する視点も
欠かしてはいません。

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| 組織・社内教育・コーチング | 09:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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課長のための一瞬で人を動かす「数字の技術」

満足度★★★
付箋数:21

あなたが、3人のメンバーを預かる営業部門の
リーダーだったとします。

ある製品のメンバーの売上実績が次の通りでした。

  [2014年度]
  山田:1000万円 鈴木:200万円 佐藤:300万円

  [2015年度]
  山田:600万円 鈴木:300万円 佐藤:1200万円

この3人の内、一番評価すべきメンバーは誰でしょうか?

2年連続で成績が低迷している鈴木さんは、まず外れます。

残り2人の内、2015年度に1200万円の実績をあげた佐藤さんを
最も評価すべきでしょうか?

それとも2014年度と2015年度の合計実績が3人の中で最大の
山田さんを最も評価すべきでしょうか?

本書の著者、深沢真太郎さんは、2014年度の山田さんを
最も評価すると言います。

なぜなら、みんなが好成績だったときの好成績と、
みんなが苦しんだ中での好成績では価値が違うから。

感覚的には、なんとなくわかります。

しかし、それだけでは説得力に欠けるので、
誰もが納得できる数字で表現してみましょう。

ここで必要なのが「偏差値」です。

学生時代にテストの結果や入試の難易度を表したアレですね。

  偏差値=(偏差値を求めたい数-平均)÷標準偏差×10+50

ちなみに、エクセルでは標準偏差が「STDEVP」で求まるので、
偏差値の計算も容易にできます。

計算の結果、山田さんと佐藤さんの偏差値は次の通りになりました。

  2014年度 山田さん・・・偏差値64.05
  2015年度 佐藤さん・・・偏差値63.36

ただし、本書で深沢さんが目的としているのは、
感覚的なものを数字で表すことではありません。

  「単なる数字の入った言葉や指示が必要なのではありません。
  人を動かすチカラの宿った数字が必要なのです。
  どうすれば、数字にチカラを宿すことができるのか。
  そのコツを知っているかどうかが、リーダーの大きな課題なのです」

そこで実際に佐藤さんと山田さんを評価する場合は、
偏差値を示しながら、次のように伝えます。

佐藤さんには、1200万円の実績をしっかり評価しつつ、
実は前年の山田さんの方が評価に値する数字であるという
小さなツッコミも付け加えます。

ただ今年の数字だけを見て「よくやった」と評価するのではなく、
「来年こそは文句ない実績を出して欲しい」と今後の成長を
促すように伝えます。

一方、山田さんには2015年の不振を厳しく指摘しつつ、
同時に2014年の実績がいかに価値あるものだったかを伝えます。

「かつて質の高い仕事をしていた。この先できないはずはない」
と激励します。

本書は、このようにリーダーが人を動かす時に
現場で数字をどのように使うかを解説した本です。

  序章 「75%の納得」に人を動かすカギがある
  第1章 ときどきではなく「常に」数字で指示せよ
  第2章 問題点はこう指摘する
  第3章 数字で「考える力」を確実に高める
  第4章 「結果をスピーディーに出す」数字の技術
  第5章 「心を熱くする数字」のつくり方

この本から何を活かすか?

次の[ ]の中に何を入れると式が成り立つでしょうか?

ただし、四則演算(+-×÷)と数字を入れてはダメです。

  18[  ]=5[  ]

これは、リーダーはいかに言葉で人の心に火をつけるかを
トレーニングするためのパズルです。

実は[ ]の中には単位が入ります。

18[km/時]=5[m/秒]

リーダーは数字と単位をセットで考え、伝わりやすいように
単位を変えて伝えるべきということです。

「1日に2万8800本売れている」ではなく「3秒に1本売れている」と
伝えるべきなのです。

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| 数学 | 09:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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社員が自主的に育つスゴい仕組み

満足度★★
付箋数:15

規模の大小を問わず、ほとんどの企業が「人材育成」に
力を入れたいと思っています。

実際に社内研修のプログラムを組み、外部研修も取り入れ、
OJTを仕組み化するなど、人事育成にエネルギーを割いている
企業も多いことでしょう。

しかし、本書の著者、人材育成と人事制度改革のプロである
末永春秀さんは、その前にやるべきことがあると指摘します。

それは、現状において「人材が伸びない理由」を探る作業。

人材育成の上での阻害要因を明確にし、できるだけその要因を
取り除くことです。

末永さんが、これまで30年以上に渡り、人事コンサルティングを
行ってきて気がついたことは、人材が伸びない理由の多くは、
「経営者自身の言動」にあるということです。

人材育成に熱心に取り組もうとする経営者ほど、
自身にその原因があることに、気づいていないのです。

末永さんは、本書で「人が育たない組織」の経営者が持つ、
15の共通点を挙げています。

  1. 経営理念の重要性を強調するが自ら実践する姿勢がない
  2. 人材育成を抽象的に語るだけで指針も仕組みもつくっていない
  3. ついつい感情的に叱るだけでフォローもせずを繰り返している
  4. 人材育成に継続性がなく、その場しのぎが続いている
  5. 自己改善の姿勢がなく他責になっている
  6. 社員への接し方が好き嫌いや相性に左右され公平さがない
  7. その仕事をする目的を示せず、こなすだけの仕事になっている
  8. 愛情の注ぎ方がわからないので心が通じない
  9. 自分は尖ってここまできたのに、幹部や社員が尖ることを嫌う
  10. コミュニケーションが極めて少なく、あっても対話にならない
  11. 自分に甘くまわりに厳しいので信頼されない
  12. 人事面接が、過去の追求ばかりで未来思考が全くない
  13. 得意・不得意こそ人の個性であることを理解できない
  14. 人材育成にじっくり取り組む辛抱さがない
  15. 人間観や魅力が乏しく「この人のために」という人望がない

本書は、「経営者」が自社の社員育成のために読む本であり、
少なくとも人事制度改革に携わる立場の人が読む本です。

  「本書では、どんな業種でも効果を発揮する社員育成の
  仕組みづくりについて具体的に解説します。また、経営理念を
  浸透させるにはどうしたらよいのか、効果的な人事面接とは
  どういったものかといったことの事例もふんだんに盛り込みました。
  本書を読んだ経営者の皆さんが、優れた人材を育て、
  社員の活気が満ち溢れる会社をつくりあげることができれば、
  これにまさる喜びはありません。」

メインテーマは社員が自主的になる「人事制度」の作り方です。

末永さんの会社が制定する「全従業員幸福人事」という制度を
モデルとして解説します。

これは人間性をベースに利他的な心を持った人材を育てることを
目標とした、従来の人事制度を超える理想的な制度です。

実際にどの程度機能するかどうかはわかりませんが、
従業員側としてもそんな制度のある企業に
勤めたいと思えような制度ですね。

ただ、私は組織のリーダーが人を育てる本を期待していたので、
その意味では違った内容の本でした。

あくまで経営者向けに書かれた本で、上司が部下の自主性を
発揮させ育てる類の本ではありませんでした。

この本から何を活かすか?

自主性こそが生産性を高める最大のポイント

  「自主性があれば、自分から仕事のやり方をこう変えようと思い
  行動します。お客様のために新たな仕事を考え出します。
  自分が軸になって、お客様や同僚とも、仕事、市場、社会とも
  正面から向き合うようになるのです。こうした個々人の
  自主性ある行動にチームワークが加われば、その組織は最善の
  組織になるはずです。」

人事制度とは別に、上司が部下の自主性を引き出すことが、
チームの士気を上げるためには、必要不可欠だと思います。

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| 組織・社内教育・コーチング | 10:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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2020 狂騒の東京オリンピック

満足度★★★
付箋数:24

日経ビジネス編集部さんより、献本いただきました。
ありがとうございます。

  「僕は大半の競技団体がどうやってお金を稼いでいいのか、
  全くわかっていないのではないかと感じています。
  だから国からの補助金に頼っており、もっと増やして欲しいと
  要望しています。政府は東京五輪までは補助金を増やしていく
  でしょう。けれども五輪が終われば、ガクッと減らします。
  このままでは2020年以降には、半数の競技団体が
  立ちゆかなくなって、破綻するでしょう」

このような予測をするのは、元陸上日本代表の為末大さん。

プロ化されている一部を除き、日本のスポーツは、
「自ら稼ぐ力がなさ過ぎる」という指摘です。

本書は、旧態依然として競争力を失い、弱体化が進んでいる
日本のスポーツ界に警鐘を鳴らすルポルタージュです。

著者は、日経ビジネス記者の吉野次郎さん。

本書は、日経ビジネス2015年4月6日号の特集
「弱体化するスポーツ市場『公共施設』の呪縛」
をベースに、大幅に加筆して再構成したものです。

本書では、日米の学生スポーツの稼ぐ力を比較しています。

日本で最も人気の高い学生スポーツの高校野球。

夏の甲子園として知られる全国高等学校野球選手権大会は、
延べ80万人がスタンドから観戦し、決勝戦のテレビ視聴率は
15%~20%にも達します。

しかし、これだけの人気を誇る夏の甲子園は、
「慈善事業」なのです。

高野連は試合を中継するNHKや民放から放映権料を一銭も
もらわず、収入は内野席の入場料のみで、
4割を占める外野の観客からの収入はゼロです。

その結果、高野連が夏の甲子園で得ている収入は、
毎年4億5000万円程度にとどまります。

これと比較するのが、NCAA男子バスケットボールトーナメント。

米国の大学バスケットボールの大会で、「マーチマッドネス
(3月の狂気)」と呼ばれるほどの人気を誇ります。

夏の甲子園とほぼ同じ、観客動員数が延べ80万にも上る、
国民的な学生スポーツ大会です。

大きな違いは、高野連はスポーツを通じて得られる対価は
「不浄なもの」と考えているのに対し、NCAAは学生スポーツを
発展させるために「必要なもの」と考えている点です。

そのためNCAAは放映権をCBSなどに売り、
放映権料を含めた収入は毎年約1100億円にもなります。

同じレベルの動員数でも、NCAAは1回の大会で、
夏の甲子園200年分以上の収入を得ているのです。

運営するNCAAも高野連と同じ利益を目的としない団体ですから、
得られた収入は学生リーグに所属する大学に分配され、
学生アスリートの学業や部活動の支援などに使われます。

1校あたり平均1億7000万円が分配される計算になるようです。

最も人気のある高校野球でさえ、学生スポーツ市場として
これだけの日米格差がありますから、競技人口の少ない
他のスポーツの収入がないことは、火を見るより明らかです。

日本ホッケー協会、日本ウェイトリフティング協会、
日本アーチェリー連盟などは、町のコンビニ1店舗と同等以下の
資金力で競技の普及と選手の育成に取り組んでいるようです。

本書は、2020年の東京オリンピックに向けて、
日本のスポーツ界が抱える問題点を経済的観点から指摘します。

核心を突いていて、非常に興味深いレポートでした。

この本から何を活かすか?

日本でも商業的に成功しているスポーツや団体があります。

  日本スケート連盟、広島カープ、琉球キングス、
  日本トライアスロン連合、沖縄春季キャンプ

これらが成功したのは、古臭いストイックな観念を捨てて、
「スポーツはエンターテイメントだ」と定義したからです。

吉野さんは、こういった動きがいくつも出てくるようになると、
日本のスポーツ市場も成長する可能性があると言及しています。

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| 社会・国家・国際情勢 | 10:58 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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40歳からはカラダで差がつく! エリートの最強コンディショニング

満足度★★★
付箋数:18

  「40代は男にとって分岐点とも言える年代です。
  会社での責任は重くなって自分の時間がとりにくくなる反面、
  基礎代謝が落ちるので、筋肉量も減り脂肪が増えやすくなります。
  ゆえに、体が疲れやすくなる傾向にあります。
  そんな中で、シャープな体型や見た目の良さを保ち、
  毎日が決戦のビジネスアスリートであり続けるために、
  最強のコンディショニングで仕事に臨む習慣をつけましょう!」

一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』が
好評だった上野啓樹さんが、40代以上のビジネスパーソン向けに
コンディショニング全般について書いた本です。

  序章 健康こそが、40代の仕事のデキを分ける
  第1章 40代はシャープな体で仕事に臨む
  第2章 病気のリスクを減らす食事習慣
  第3章 ポジティブな時間管理が仕事の質を上げる
  第4章 潜在能力を引き出す健全なる思考

ビジネスアスリートが目指す理想の姿は、
「キングカズ」こと、サッカーの三浦知良選手です。

三浦選手は、既に50歳が見えてきましたが、
2015年現在、今だ現役。

そんな三浦選手でも2002年頃、一時、
怪我に苦しんだ時期がありました。

普通の選手なら、そのまま引退するところを見事に復活。

それ以来、三浦選手の怪我や病気が驚くほど減ったのは、
トレーニングだけでなく、食生活も変えたからです。

サッカーを続けるのために、バランスのいい食事を考え、
酒もほとんど飲まず、早く寝る習慣に変えました。

常に自分のコンディションをチェックし、全体練習が休みの日も
毎日走ることで体を整えているそうです。

そう言えば、先日発表された
「第1回アンガーマネジメント大賞2015」で、
怒りの感情を上手にコントロールできた人として、
三浦選手が大賞を受賞していましたね。

張本勲さんからの「もうお辞めなさい」との引退勧告に、
「言われるのは光栄です。激励だと思って頑張ります」
と返したことが、受賞の理由になっていました。

心も体もストイックな三浦選手は、本当にカッコイイ。

ただし、本書で上野さんが推奨するのは、三浦選手のような
筋トレやトレーニングではなく、自己管理全般についてです。

むしろ、普段体を動かさない40代の人が、
いきなり筋トレすることは避けるように指導しています。

エレベータの代わりに階段を使う、ストレッチのために
ラジオ体操をするといった、緩めの運動が勧められています。

本書で上野さんが提唱するのは、徹底した自己管理です。

  「自分を管理するから時間を支配できるようになり、
  時間を支配するから効率が良くなり、スムーズに事が進みます。
  それによって仕事が充実し、更にプライベートも輝いていきます」

自己管理するのは、まず「意識」することから始めます。

例えば食事でも、スマホを見ずに味わって食べるようにしただけで、
12キロも体重が落ちた人がいるようです。

食事に向き合って意識して食べることで、
味がわかるようになり、必要以上に食べなくなった。

食事に気持ちが向くと次に、メニューにも気を使うようになり、
薄味のものを好むようになった。

意識したことがきっかけで、このような好循環が起こったようです。

この本から何を活かすか?

よく、食事では、たくさん噛むことが勧められます。

しかし、これがなかなか難しい。

私は過去に何度かチャレンジしましたが、
すぐに面倒くさくなって、挫折していました。

本書では、「箸置き」を使うことが推奨されていました。

口に入れたら食べ終わるまで、一度箸を置くようにして、
急いで食べるクセを治すのです。

これぐらいなら、できるかもしれません。
今日から、箸置きを使ってみます。

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| 科学・生活 | 08:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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コンサルは会社の害毒である

満足度★★★
付箋数:20

言っていることがわからなくもないが、言い掛かりともとれる本。

本書はタイトルの通り、コンサル批判本です。

著者は、日本たばこ産業出身で、
外資系コンサルで勤務経験のある中村和己さん。

  「入社した外資コンサルも世界クラスの企業だったが、
  面接の過程で妙な詭弁に出くわさなかったので入社した。
  たぶん、それなりにマトモなのだろうと考えたからだ。
  しかし、今でもその企業名をわたしは経歴には入れておらず、
   “某外資コンサル” で済ませている。なぜなら、キャリアと
  呼べるほどの価値の無い世界だったと考えているからである。」

中村さんが、コンサルが不当に高い対価を要求する
怪しいビジネスだと主張する根拠は、主に3つあります。

1つ目は、コンサルが結果を出せる状況には、限りがあるから。

特に米国やドイツとは違って、株主からの圧力がかからない
日本においては、株主から経営陣を守る番犬としての役割も
必要ないと指摘しています。

2つ目は、経営コンサルは、もう時代遅れだから。

中村さんは、かつては役に立った経営コンサルの分析も、
1980年以降に進んだ経営学の研究によって、
その商品価値を失ったと考えています。

3つ目の理由は、コンサルが企業や社員の成長を阻害するから。

以前、経営コンサルにしかできなかった分析は、
今では社内で行うことが可能で、コンサルから主導権を取り戻し、
自ら行うことで社内を活性化させ、人も成長できるからです。

そして、中村さんがコンサルが不要であることを説明するために、
槍玉に挙げるのは、マッキンゼー出身の大前研一さんです。

  「本書では、かつて世界から “ミスター・ストラテジー” とまで
  呼ばれた大前氏の過去の分析資料を、現代の技術を使って
  精査することにより、伝説の経営コンサルタントでさえ
  実現できなかった “いささか妥当とは言えない仕事” を通じて、
  結局のところ、属人的な能力を使って経営の本質に迫ることが
  いかに難しいかを説明する。」

ここで中村さんがコンサルを批判するのロジックは、
次のようになっています。

経営コンサルが使う代表的な概念分割の技法「MECE」。

最も優秀な経営コンサルである大前さんが、
かつてMECEと考えたことも、10年以上経ってから検証すると、
実はモレがあり、全然MECEになっていなかった。

最高のコンサルでさえ、基礎技術のMECEができないのだから、
その他のコンサルができるわけがない。

こうした不安定な技術を使って生み出すコンサルの提言は、
役に立つはずがない。

コンサル業界のトップで、教祖的な存在であった大前さんに、
ダメ出しをすることで、コンサルを全否定する論法です。

後出しジャンケンで、非難することは簡単ですし、
いくら先見性があると言っても、当時は知り得なかったことも
ありますから、いささか乱暴なロジックのように感じました。

しかし、高額のフィーを請求するコンサルには、
「軽蔑と羨望」があるのも事実ですから、
コンサルに依頼経験のある企業のビジネスパーソンには、
共感できる部分が多い本だと思います。

  第1章 コンサルは、その対価に見合わない
  第2章 ミーシーは、物事を単純化する危険思想である
  第3章 コンサルタントに、意思決定を求めてはいけいない
  第4章 コンサルタントは筆記用具。考えるために社員がいる

この本から何を活かすか?

本書では、大前さんの過去の分析にダメ出しをしていますが、
大前さんの主催する「ビジネス・ブレイクスルー」の受講は
推奨しています。

その理由は、大前さんはマッキンゼーをやめてから、
現在では実務家の側面が強く、コンサルの利権に反する
行動を取っているから。

また、日本に起業家を増やすために、口先だけではなく、
実際に行動を起こしていることも中村さんは称賛しています。

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| 組織・社内教育・コーチング | 07:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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無印良品が、世界でも勝てる理由

満足度★★★
付箋数:21

無印良品とユニクロの海外展開が、比較されることがあります。

MUJI(無印良品の海外店)は、海外に進出してから
24年で25の国や地域に進出し、301店舗を展開しています。

一方、ユニクロは2001年から海外進出を始めているので、
14年間で15カ国、789店舗を出店しています。

この数字を比較すると、ユニクロの方が10年も短い期間で、
MUJIの2倍以上の出店をしていますから、
「MUJIの海外展開はうまくいっていないのでは?」と
思う人もいるかもしれません。

しかし、無印良品は「これでいい」と考えているそうです。
むしろこれぐらいのスピード感が、無印良品らしいと。

なぜ、MUJIは急速な海外展開を行わないのでしょうか?

それは1店舗ずつ黒字にして、投資した分のお金を回収してから
新しい店舗を作る方針があるからです。

実はMUJIがこの方針に至るには、長い失敗の歴史がありました。

MUJIの海外展開は初めからいばらの道で、急ピッチで出店しても、
閉鎖が相次ぎ、最初の11年間はずっと赤字のままでした。

しかし、1店舗ずつ着実に出店する方針に転換してから
2002年に初めて黒字化を果たします。

現在は、その手堅い展開が功を奏し飛躍期に入っています。

2013年の海外事業の売上高は284億9100万円で前年比19.0%増。
2014年は売上高468億1600万円で前年比64.3%増。

「良品計画(無印良品の会社名)の海外展開は好調」と
報道されるようになったのです。

本書は良品計画前会長の松井忠三さんが、これまでMUJIが
苦しみながら海外展開するなかで見つけた成功法則を
まとめた本です。

「仕組み」、「商品コンセプト」、「戦略」、「人材」
などの切り口から成功の秘密を語ります。

  <海外で勝つ7つの方法>

  方法1 オリジナリティを持つ
  方法2 郷に入っては郷に従え
  方法3 グローバル化の三条件を確立させる
  方法4 コストはいつも最重視
  方法5 失敗しない仕組みをつくる
  方法6 国別の浸透度に出店のペースを合わせる
  方法7 海外に向いている社員の選び方

私が面白いと思ったのは、このような海外展開のノウハウを
積み重ねても、松井さんは日本でも海外でもビジネスの本質は
変わらないと結論付けている点です。

これは人についても同じです。

「グローバルな人材をどう育てればいいのでしょうか?」
と質問を受けると、松井さんはいつも次のように答えるようです。

  「私の答えはいつも同じ、 “グローバル社員はいない” です。
  これを言ってしまうと身もふたもないかもしれませんが、
  海外で活躍できる社員と、日本で活躍できる社員は同じです。
  私は、これまで良品計画の社員を大勢見てきましたが、
  海外で活躍できる社員は特別な資質を持っているわけでは
  ありません。仕事ができる人は、どこへ行っても仕事ができます。
   “元々グローバル向き” な人がいるということではないのです。」

そんなことも言いながら、本書では海外で活躍できる8つの条件
(イノベーターであること、実行力、徹底力、本質追求能力、
先見性、人に任せられる力、現場・現実への対応力、勇気)
を挙げています。

確かに、この8つの条件をすべて持っている人は、
日本でも間違いなく活躍できるように思えます。

この本から何を活かすか?

  「これからの時代は、世界で成功しない企業は日本でも
  生き残れません。それがますます顕著になっていくのだと思います。
   “海外に進出するかどうか” で悩んでいる場合ではなく、
   “どのように進出するか” を悩む段階にきているのです。」

この松井さんのメッセージも、企業を個人に置き替えて
読む必要があるということなのでしょう。

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| ビジネス一般・ストーリー | 05:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あなたもできる3億円のお歳暮をあげなさい! !

満足度★★★
付箋数:23

著者の株式会社デザインこころ 田中明さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

デザインこころは、印刷物や紙媒体の広告デザイン会社です。

田中さんは、双子のご兄弟でこの会社をやっていて、
お兄さんの田中徹さんがこの会社の代表を務めています。

本書は、明さんが本文を執筆し、徹さんが四コマ漫画を描いた、
営業に活かせるアイディア満載の本です。

  第1章 お中元・お歳暮で特別な存在になれ!!
  第2章 お店や事務所の演出で特別な存在になれ!!
  第3章 あなたのお店の前を通る人を笑顔にして
     特別な存在になれ!!
  第4章 名刺や営業に行く時のアイテムで特別な存在になれ!!
  第5章 お店の販促品で特別な存在になれ!!
  第6章 楽しい演出で特別な存在になれ!!
  第7章 広告はお客様に贈るラブレター

まずは、タイトルになっている「3億円のお歳暮」について。

本書を手に取ると、冒頭で種明かしされていて、
アマゾンの商品説明にも書かれています。

これは、「年末ジャンボ宝くじ」をお歳暮と一緒に送るというもの。

  「なぁーんだと思う方もいるかもしれません。
  でも、毎年たくさんの方にお贈りして、皆さんとてもよろこんで
  くれます。3億円で何を買うか真剣に夢を語ってもらえます。
  ここでお伝えしたのは、宝くじを普通にお渡しするのではなく、
  せっかくなら “楽しんで贈ろう!” ということなんです。」

ちなみに、私の元には本書の献本と一緒に、
3億円どころか、「7億円(の宝くじ)」が送られてきました。

私はこれまで、一度も宝くじを買ったことがありません。

そんな頑固な宝くじを買わない派の私でも、
「もし当たったら・・・」と一瞬、考えてしまいました。

本書で大切にされているのは、些細な事でも、
「楽しませよう、喜んでもらおう」とする精神です。

それは、お客様だけに向けたものではありません。

・習字で書いた「本日の一筆」を店頭に貼り出す。
・配達業者用にドアの手前に荷物を一時置きできる机を置く。
・「トイレ貸します。ご自由にお使いください」の貼り紙をする。
・窓から実物大でリアルなキリンの立体造形の顔を出させる。

とにかく、店舗の前を通る人でも興味を持って、
喜んでもらえるような様々な工夫が施されています。

最近はインターネットや紙媒体の縮小もあり、
印刷物の需要は年々減っているようですが、
田中さんの会社は、ほとんど営業しない状態で、
仕事が増えているといいます。

それは、本書で紹介されているアイディアや工夫を見て、
その喜ばせようとする精神に共感して、
興味や関心を持つお客さまが増えているからです。

本書を読んで、印刷物を発注することのない私でも、
「この会社、行ってみたいなー」と本当に思いました。

小さなことでも、こんな工夫ができるんだな~と、
何度も感心しました。

本書は、客商売をしている方なら、そのまま真似できますし、
お客様と接するビジネスマンなら、得意先で活用できる
営業のヒントにできることが掲載されていると思います。

  「アイディアや工夫の具体例はいろいろなシーンで使うことが
  できます。いつも忙しいビジネスマンの皆様、何かおもしろい
  ネタを探している経営者の皆様、気分転換のために会社帰りに
  偶然この本を手に取った社会人の皆様、本の中身を確かめずに
  タイトル買いしたそこのあなたも!
  まずは、読むというよりは、ご覧になって下さい!」

この本から何を活かすか?

田中さんの会社の「本日の一筆」はオリジナルキャラクター
書道娘・櫻船優空(さくらぶね ゆら)が書いているという
設定になっています。

この萌えキャラを作って、情報発信を始めたところ、
大きな反響を呼び、今では地元を紹介して盛り上げる
キャラクターへと成長しているようです。

「本日の一筆」はこちらのブログでご覧になれます。

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| マーケティング・営業 | 07:10 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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水平思考の世界

満足度★★★
付箋数:22

昔、あるロンドンの商人が金貸しから多額の金を借りていました。

金貸しは、商人の十代の美しい娘に目を付け、
娘をくれるなら、借金を取り消しにすると持ちかけました。

ずる賢い金貸しは、神さまに決めてもらえばいいと言い、
商人と娘に次のような提案をしました。

金貸しが空っぽの財布に、黒い小石と白い小石を1つずつ
入れておき、娘がそこから小石を1つだけ取り出す。

娘が選んだ小石が黒ならば、娘は金貸しの妻になり、
借金はなかったことになる。

娘が選んだ小石が白ならば、娘は商人のもとに留まり、
商人の借金もなかったことになる。

しかし、娘が小石を取り出すことを拒めば、商人は投獄され、
娘は飢えることになる。

3人は商人の自宅の小石を敷いた庭に立って話していて、
金貸しはしゃがみこんで小石を2つ拾いました。

このとき娘は、金貸しが拾った小石が2つとも黒で、
そのままそれを財布に入れたことに気づきました。

娘は、この難局をどのようにして乗り切ったのでしょうか?

ここで論理的に考えると、選択肢は以下の3つになります。

  1. 小石を取り出すことを拒否する。
  2. 財布に入れられた小石は2つとも黒であることを示し、
   金貸しの不正を暴く。
  3. 黒い小石を取り出し、自分が犠牲となって、
   父親の監獄行きから救う。

このように考えるのは「垂直思考」の持ち主です。

一方、「水平思考」の持ち主は、財布に残されたもう1つの
小石に注目します。

娘は、財布に手を入れて小石を1つ取り出すと、
それに目をやることなく、うっかりを装ってそれを落としました。

小石はすぐほかの小石に紛れ込んでわからなくなってしまった。

「まあ、私ったらなんてことを」と娘は言いました。

「でも大丈夫。財布の中に残っている小石を見れば、
私が選んだのが黒か白かわかりますもの」

水平思考による解決策は、ひとたび思いついてしまえば、
それは論理的で自明のように思われますが、
垂直思考に囚われていると、思いつかないものです。

水平思考(ラテラル・シンキング)とは、ゴールに向かって
1つずつ、ステップを踏み順序立てて考える思考法ではなく、
視点を変えることによって、新しい方向に突然ジャンプする
非連続な思考法です。

水平思考は、本書の著者、エドワード・デ・ボノさんが、
今から40年以上前に初めてつくった言葉です。

オリジナルは1967年刊行の『The Use of Lateral Thinking』で、
本書は2014年版の『Lateral Thinking: An Introduction
の邦訳本です。

デ・ボノさんが初めて水平思考の有用性を提唱してから、
長い年月が経つので、水平思考という言葉自体は一般的となり、
冒頭の小石のエピソードも、どこかで聞いたことがある方も
多いかもしれません。

本書では、水平思考の4つの原則を示しています。

  1. 支配的なアイディアを認識すること
  2. さまざまなものの見方を探し求めること
  3. 垂直思考の強い支配から抜け出すこと
  4. 偶然の機会を活用すること

本書は、垂直思考の限界を超え、新しいアイディアを生む
水平思考の世界へのイントロダクションです。

  「水平思考は乗馬やケーキ作りと全く同じで、
  習得できる技術である。」

この本から何を活かすか?

詐欺師がいなくならないのは、水平思考よりも
垂直思考の人が多いから。

垂直思考する人が頭の中で考えることは、
予想がつくので、他人に利用されやすいのです。

詐欺ではありませんが、マジックでもこの垂直思考の罠を
利用したトリックが、多数考えられているようです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アウトプットの質を高める 仮説検証力

満足度★★★
付箋数:24

ビジネスでは、様々なアウトプットが求められます。

会議で使う資料や報告書、企画書、提案書、
プレゼンテーションで使うスライドなどが、
頭を使って作り上げるアウトプットの代表例です。

本書では、このようなアウトプットを一本の木に喩えています。

  枝葉 : アウトプットの見せ方
  果実 : アウトプットを実行した結果
  幹 : 最終的に伝えたいことを一言でまとめたもの
  根 : アウトプットの材料(裏付け)

これらの中で、中心となる最も重要な部位が「幹」です。

  「アウトプットの幹とは、裏付けで示した内容の70%程度を
  カバーした上で、そのエッセンスを一言でまとめたもの」

この「幹」をしっかりさせることが、
アウトプットの質を高めることに他なりません。

本書では、次の2つの条件を満たすものが、
質の高いアウトプットと説明されています。

  条件1:具体的な行動を喚起できるものであること
  条件2:納得できる根拠があること

この2つの条件を満たしたアウトプットを行うために
必要なのが、「仮説と検証」の繰り返しです。

本書では、ビジネスの現場で実践できる仮説の立て方と、
その検証方法を丁寧に解説しています。

  第1章 アウトプットの質を高めるとは
  第2章 事実・データから仮説を立てる
  第3章 裏付け補強型の検証で仮説を強くする
  第4章 実験で仮説の精度を高める

著者は、HRデザインスタジオ代表の生方正也さん。

人材開発や組織改革に関するコンサルティングを行う傍ら、
仮説思考やロジカルシンキングなどの指導も行っている方です。

  「この本は、 “仮説と検証” の手法について体系的に
  まとめたものです。特に検証の部分に関しては、これまでの
  刊行物を見ても、具体的にどんな流れを進めていくのかを
  整理したものがほとんどありません。
  そこで、自分なりにその考えを整理し、アウトプットとして
  まとめ、修正することを繰り返してきました。
  まさに、この本でお伝えした “仮説を立て、検証すること” を
  地で行ったようなものです。」

仮説・検証は、一度仮説を立てて検証して終わり
というものではありません。

検証によって仮説を修正しながら、更にその仮説の根拠となる
データを集めて検証するサイクルを繰り返します。

本書では、その繰り返しの部分まで、詳細に解説しています。

また、検証をすればするほど、仮説の精度は上がっていくことは
事実ですが、いつまでそれを続けるかも考えどころです。

本書では、いつまで続けるかの判断の基準として、
「時間」、「仮説がもたらすインパクト」、「情報入手の容易さ」の
3点を挙げています。

このように本書は、机上のノウハウを伝えるだけでなく、
ビジネスの現場で優先される、費用対効果の視点も
重視しているのが一つの特徴です。

この本から何を活かすか?

集めたデータを整理して要約しただけでは、
仮説になりません。

仮説を立てるには、2つの「問いかけ」が必要です。

まず、データに対して、「だから何なの?(So What?)」の
問いかけを行い、仮説を立てます。

次に、そこで言えたことに対し、
「なぜその仮説は妥当だといえるのか?(Why?)」を
問いかけて、逆側からのチェックを行います。

一般的に「Why?」の問いかけが甘くなるので、
注意すべきと、本書では説明されていました。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 10:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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オトナ相手の教え方

満足度★★★★
付箋数:21

大人に教えるのは、子どもに教えるのとは違って、
なかなか難しいものです。

これまでの経験があるので、プライドが高く、
自分の考えも持っているので、素直に話を聞いてくれません。

また、教える側も教えることが専門ではありません。

忙しい仕事の合間を縫って、準備する間もない中で、
教えなくてはならない状況も多いでしょう。

自分でもほとんど知らないことを、
急に教える立場になることさえあります。

  「多様な背景を持つ大人に対して、教えた経験もない、
  教え方も知らない、言ってみれば “素人” がいきなり教える
  立場に立つ。これが、大人相手に教える際に感じる難しさの
  原因です。だとすれば、 “大人相手の教え方” を知れば、
  その難しさが解消されるかもしれません。」

本書の著者は、普段企業研修で大人相手に
教える仕事をしている関根雅泰さん。

本書では、研修などで教える場合とOJTで教える場合の
それぞれについてわかりやすく解説しています。

本書で大切にしている、教えることの本質は2つあります。

1つ目は、「相手の立場に立つ」こと。

教え上手な人は、何がわかっていないかを把握していて、
説明が丁寧で、ポイントも明確。

教わる側の気持ちもわかってくれています。

これらはすべて、「相手本位」にならなければできないこと。

本書がわかりやすいのも、大人へ教えることの難しさを
痛感している読者の目線で書かれているからなのでしょう。

2つ目は、「学習の手助け」をすること。

教えるのだから、当たり前のように感じるかもしれませんが、
これが意外と難しい。

教えることは、命令ではないし、
一方的に知識を与えることではありません。

相手が理解して行動が変わる。
自ら学習して、成長できるようになる。

このように変化して、初めて教えたことになるのです。

本書では、大人相手に教える場合、
学習=「獲得」、「参加」、「変化」と定義しています。

例えば、この中の「獲得」については、
押さえておきたい3つのポイントが示されていました。

まずは、「コップの大きさ」を確認すること。

教える前に相手の経験や知識の度合いを確認し、
これまで相手が経験してきたことや学んできたことを
尊重する態度を示します。

次に、「小分けして入れる」こと。

コップの大きさがわかったら、あれもこれもと詰め込まず、
理解できる範囲に小分けして伝えます。

本書が、文字を少なめにしているのは、わかりやすさを優先し、
あえて持っている情報をすべて伝えないように注意して
書かれているからなのだと思います。

最後のポイントは、「理解度の確認」。

ここで、やってはいけないのが、「わかった?」と訊くことと、
「何か質問ない?」という訊き方です。

「わかった?」と訊いても、「はい」と答えるか、
「はあ」と答えるかの2通りしかなく、
相手の理解度を知ることができません。

「何か質問ない?」と訊いても、何がわかっていないかが、
わかっていない人からは、何の質問も出てきません。

理解度は、「言葉にしてもらう」、「文字にしてもらう」、
「行動してもらう」の3つで、確認する必要があるようです。

この本から何を活かすか?

新人にOJTをする場合、何人もの人が、
手分けして教える場合があります。

こういったケースでは、「過負荷」と「混乱」が起こりやすい。

「過負荷」と「混乱」を起こさないためには、
1人は調整役になって、新人のコップの容量を確認しつつ、
交通整理をすることが望ましいようです。

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| 組織・社内教育・コーチング | 09:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「洞察力」があらゆる問題を解決する

満足度★★★
付箋数:23

第二次世界大戦の初期の1940年11月11日から12日にかけて、
イギリス海軍は、イタリアの軍港ターラントに空襲をかけました。

このときイギリス海軍は、1隻の航空母艦イラストリアスに
歴史上はじめて敵の戦艦を上空から攻撃するための戦闘機を搭載し、
イタリア艦隊を攻撃しました。

このとき、イタリア海軍は空からの攻撃に対しては、
安全だと考えていました。

なぜなら、爆撃機で上空から魚雷を打ち込む場合、
30メートル以上の水深がないと成功しないと信じられており、
ターラント湾は水深12メートル弱しかなかったからです。

ところが、イギリス海軍は魚雷が深く沈まない工夫を施し、
ソードフィッシュ雷撃機で24発の雷撃を行いました。

結果、イギリス海軍は自軍の損害はわずか雷撃機2機のみで、
イタリア海軍の戦艦3隻に大損害を与える勝利を収めました。

このニュースを聞いて、「見えない問題を見抜く力」を
発揮させた2人の海軍大将がいました。

1人は日本海軍の山本五十六さん、
もう1人はアメリカ海軍戦略部のヘラルド・シュタルクさんです。

山本さんは、アメリカとの開戦が不可避であるならば、
アメリカ海軍に壊滅的な打撃を与えなければ、
日本がアメリカに勝てる可能性はないと考えていました。

そして、ターラント海戦のニュースを聞いて、
真珠湾沖に平穏に投錨しているアメリカ艦隊もまた、
空からの奇襲攻撃に弱いかもしれないと考えたのでした。

一方、シュタルクさんは山本さんよりも早くこの事に気づきます。

残されたメモや手紙には、奇襲攻撃によってハワイにある
最も狙われやすい獲物は、そこに停泊している艦隊であり、
もし日本との戦争になれば、奇襲攻撃によって開戦することは
容易に想像できると記されていました。

  「このように敵対する2人の海軍大将は、イギリスの奇襲攻撃の
  意義を素早く把握していたのである。
  2人とも “見えない問題を見抜く力” が働いたのである。」

最終的にアメリカ軍はシュタルクさんの発した警告を聞き逃し、
山本さんはターラント海戦を応用して真珠湾攻撃を行いました。

さて、本書は「見えない問題を見抜く力」を発揮させて、
問題解決する方法を考察する本です。

著者は、現場主義的意思決定(NDM)理論を構築した、
米認知心理学者のゲイリー・クラインさん。

訳者の奈良潤さんは、もしノーベル心理学賞なるものがあれば、
100%の確率で受賞すると言うほど、その分野の大家です。

NDM理論では、「直感」が統計やアルゴリズムなどよりも、
意思決定において重要な役割を果たしていると考えます。

本書では、その理論を応用して「見えない問題を見抜く力」を
発揮する5つの方法を多くのエピソードと共に紹介します。

  1. 出来事のつながりから見抜く方法
  2. 出来事の偶然の一致から見抜く方法
  3. 好奇心から見抜く方法
  4. 出来事の矛盾から見抜く方法
  5. 絶望的な状況における、やけっぱちな推測に拠る方法

正直、どのようにすると「見えない問題を見抜く力」が
身につけられるかという明確な回答はないので、
再現性には疑問が残り、スッキリしない部分はあります。

しかし、興味深いエピソードが数多く紹介されているため、
読むには面白い本でした。

この本から何を活かすか?

2002年にプロスペクト理論によってノーベル経済学賞を
受賞したダニエル・カーネマンさん。

クラインさんは、カーネマンさんを研究上のライバルとして、
「敵対的協力者」と読んでいるそうです。

直感に関しては、カーネマンさんとは真逆の考え。

実際の人間の意思決定や創造性を発揮する場では、
アルゴリズムとはかけ離れたものであるとするのが、
クラインさんの主張です。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 09:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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新エバンジェリスト養成講座

満足度★★★
付箋数:21

本書は、日本マイクロソフトのエバンジェリスト、
西脇資哲さんが行っている「エバンジェリスト養成講座」を
そのまま収録した実況中継本です。

同講座は、2010年12月から定期的に開催され、
これまで3万人以上が受講している大人気の講座です。

ビジネスパーソンから、経営者、国会議員、学生まで、
分野を問わず、伝え方のノウハウを学びたい
あらゆる層の方が受講されている講座です。

この講座が書籍化されたのは、実は今回が2回目で、
1回目は『エバンジェリスト養成講座 究極のプレゼンハック100
というタイトルで2011年9月に刊行されています。

今回、新バージョンとなったのは、西脇さんの講座自体も
この5年間で内容が大きく変わったからです。

改訂というより、最新の講座内容を収録し直しですね。

本バージョンへの大きな変更は2点あります。

1点目の変更は、より即効性のある内容にフォーカスしたこと。

2時間の養成講座を受けて、すぐに真似できて、
プレゼンがうまくなったと実感できるようなテクニックを
より多く盛り込んでいます。

個人的に参考になったのは、話術のテクニックです。

例えば、「接続詞で振り向いて」お客様の顔を見るテクニック。

「実は」とか「それは」と言うタイミングで、軽く顔を上げて
お客様を見るだけで、「ちゃんと顔を見ている」という印象を
与えることができるようです。

また、時間を伝えるときは、「絶対時間」と「相対時間」を
織り交ぜて伝えるというテクニック。

絶対時間とは、「2011年」といったピンポイントの日時。
相対時間とは、「今から4年前」といったある起点からの時間。

この2つを織り交ぜて、例えば次のように伝えます。

  「今から4年ほど前、2011年のバス死傷事故のニュースです。」

絶対時間だけでも伝わりますが、これに相対時間を加えることで、
より相手に身近に感じてもらえ、行動を促す効果があるようです。

2点目の変更点は、スライドの作り方について。

本書は、旧バージョンよりも多くスライド作りについて触れています。

しかし、パワーポイント講座がメインではないので、
効果的な作成ノウハウを精査して、かなりポイントを絞って
伝えています。

私が興味をもったのは、「タイトルスライドこそカッコよく」作る
必要があるということ。

なぜなら、タイトルスライドの投影時間が最も長いから。

来場者が会場に入って着席し、セミナーや講義が始まるまでの時間、
ずっとタイトルスライドが表示されていることも多いです。

  「一番いいスライドはこういうやつなんですよ。
  ここから語りかけるようなスライドなんです。
  多くのものを貼り付けない。でも写真でインパクトがある。
  見ていて飽きないということなんです。だって一番長い時間
  表示するんですから、飽きるスライドはだめなんです。(中略)
  タイトルスライドは大変重要ですから、美しくあって
  ほしいですね。」

本書は、エバンジェリスト養成講座をそのまま文字起こし
したものがベースになっていますから、臨場感が伝わってきます。

また、本書がわかりやすのは、養成講座自体が、
非常にわかりやすいからなのだと思います。

ただし、あくまでも本書はエバンジェリスト養成講座に
参加したいけれど、参加できない人向けの本です。

純粋に書籍とし読むならば、以前に当ブログでも紹介した
プレゼンは「目線」で決まる』を強くオススメします。

この本から何を活かすか?

西脇さんは、講座の中で次のように言います。

  「今日は大変わかりやすいプレゼンテーションのテクニックを
  ご紹介します。」

  「今日ご紹介したテクニックはみなさんも理解できましたよね?」

あえて、このように言うのは「暗示効果」を高めるためです。

しかし、これはプレゼンそのものが上手くないと使えない
上級テクニックです。

確かに、ショボい内容のプレゼンでこれを言っていたら、
逆効果になりそうですね。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 09:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スタンフォードのストレスを力に変える教科書

満足度★★★
付箋数:24

あなたの「ストレス」の捉え方は、次のどちらに近いですか?

  A.ストレスがあると、パフォーマンスや生産性が低下し、
   学習や成長が妨げられる。また、健康や活力が損なわれるので、
   できるだけ避けるべきだ。

  B.ストレスがあったほうが、パフォーマンスや生産性が向上し、
   学習や成長に役立つ。また、健康や活力の向上にも役立つので、
   利用すべきだ。

今の世の中で、まったくストレスを感じずに生きていくのは
なかなか難しいことです。

そして、大きな心労を抱えると、それが精神や肉体へも影響し、
ひどい場合は病気になると考えられてきました。

「ストレスは敵」、「ストレスは避けるべきもの」、
「ストレスは軽減させたり発散する必要があるもの」と
見なすのが一般的でしょうか。

しかし本書では、ストレスは敵にも見方にもなると指摘します。

最も重要なことは、ストレスの捉え方。

「ストレスは悪いもの」と考えた場合には、実際に健康にも
悪い影響を及ぼし、「ストレスは良いもの」と考えた場合には
逆に良い影響を及ぼすようです。

本書の著者は、『スタンフォードの自分を変える教室』が
ベストセラーになったケリー・マクゴニガルさん。

マクゴニガルさん自身も以前は、ストレスは避けるべきものと
考えていたそうですが、アメリカで行われたある研究結果を
知ってその考え方が変わりました。

それは3万人の成人を対象に行われた研究で、次の質問を行い、
その8年後に、追跡調査を行いました。

  「この1年間でどれくらいストレスを感じましたか?」
  「ストレスは健康に悪いと思いますか?」

追跡調査でわかったことは、強度のストレスを感じていた人の
中でも、死亡リスクが高まったのは、「ストレスは健康に悪い」
と考えていた人だけでした。

実は、強度のストレスを感じていても、それを「健康に悪い」と
感じていなかった人は、ストレスを感じていない人よりも
死亡リスクが低かったのです。

この研究結果を知って、マクゴニガルさんは自分の役割を
捉え直しました。

  「健康学者としてのわたしの目標は変わりました。
  わたしはもう、みなさんのストレスをなくすためのお手伝いを
  しようとは思っていません ― それよりも、みなさんが
  ストレスに強くなるためのお手伝いをしたいのです。
  それがまさにストレスの新しい科学が示していることであり、
  本書の目的でもあります。」

ストレスを悪いものと考えず、うまく付きあって行くと、
レジリエンスも鍛えられるということです。

本書では、スタンフォード大学の「ストレスの新しい科学」の
講座と同様に3つのステップで進みます。

  1. ストレスの新しい考え方を学ぶ。
  2. 新しい考え方を取り入れ、実践するためのエクササイズを行う。
  3. ストレスについて自分が学んで実践したことを、
   ほかの人たちと分かち合う機会を持つ。

本書で紹介されるのは「ストレスを見直す」エクササイズと
「ストレスを力に変える」エクササイズの2種類。

これらを実践しながら、逆境や困難、強いストレスに直面しても、
それを自分の成長に変える力を身につけていきます。

この本から何を活かすか?

こちらは、2013年にマクゴニガルさんが行ったTEDでの講演、
「ストレスと友達になる方法」です。



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| 心に効く本 | 08:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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