活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2015年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年11月

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すべての仕事は「肯定」から始まる

満足度★★★
付箋数:24

  「考え足りないことはあっても、考え過ぎて悪いことはない」

本書は、深く考えることの重みを感じさせる本です。
思考は、より内省的、より抽象的な方向を目指しています。

著者はNHKの編成局エグゼクティブ・プロデューサーを務める
丸山俊一さん。

これまで「英語でしゃべらナイト」、「ソクラテスの人事」、
「爆笑問題のニッポンの教養」、「仕事ハッケン伝」などの
異色教養番組を生み出してきた方です。

ちなみに、タイトルにある「肯定」は、本書の根底に流れる
精神であるため、具体的に肯定的考えの重要性が
訴えられているわけではありません。

丸山さんが大切にしている思考の1つが「自分との対話」です。

例えば、ある純文学の小説を読んだとします。

勧善懲悪のハッキリしたストーリーではありませんから、
どのように読みとっていいのかわからず、
すっきりしない読後感になるかもしれません。

今の時代なら、インターネットで検索すると、
「あらすじ」、「テーマ」、「時代背景」、「作者の意図」など
十分な「情報」がすぐにわかり、読みとり方が丁寧に
解説されていることでしょう。

しかし、丸山さんはあえて、「悶々と考える」ことが大切だと言います。

  「もちろん、この “情報” も大事、です。しかし、 “ひとり悶々”
  とする時間が奪われてしまうことによるマイナス、暗闇の中で、
  自分自身と対話するプロセス、そうした数値化できない、
  他の何かに置き換えることのできない過程が失われて
  しまいやすいこと、このことが残念なのです。」

内側に向かって行く思考だと、少し陰鬱になる心配がありましたが、
丸山さんの文体はカラッとしていて、そのような暗さはありません。

これも根本にある精神が、「肯定」だからなのでしょう。

もう1つ丸山さんが大切にしているのが、「抽象化」して考えること。

具体化して考えると、わかりやすい反面、適用範囲が狭くなります。

一方、抽象化して考えると、概念として捉えるため、
わかりやすさには欠けるものの普遍性を持ちます。

  「抽象と具体。 “抽象的に考える” ことと、 “具体的に考える”
  ということ。この2つは思考の両輪です。
  いたずらに “具体的” なものに飛びつくよりも “抽象的” に
  思考を展開することが大事です。そしてさらにいえば、仕事とは、
  抽象と具体の狭間にあるジレンマと向き合うこと、だと思います」

私たちは、わかりやすい「具体」を好む傾向があります。
だから、あえて「抽象」を意識して思考のバランスを取る。

  「抽象的に考えることの大切さは、時代を越えて認識されるべき
  ものであり、この俯瞰して物事を眺めることができる精神こそ、
  養うべきものだと思います。そして俯瞰して眺めることで、
  すべてが相対化して見えるようになり、自然とそこに笑いの精神も
  生まれます。抽象化とユーモアの精神が、自由な思考を保証し、
  新たな展開を開くのです。」

具体思考だと視野が狭くなって広がりを持ちませんから、
新たな発想を生むために、一旦、抽象化して汎用性を高く持ち、
視野を広げてから、最後は再び具体化する。

この具体と抽象の間を行ったり来たりすることが、
思考の両輪を回すことなのです。

この本から何を活かすか?

テレビ朝日「タモリ倶楽部」の人気コーナー「空耳アワー」。

洋楽のフレーズが、あたかも日本語のように聞こえるパートを
募集して、ドラマ仕立ての映像と一緒に紹介するコーナーです。

  「クールな洋楽ほど、コテコテの日本語が貼り付いた瞬間に、
  もうそうとしか聞こえなくなってしまう、あの落差の感覚。」

丸山さんは、この空耳アワーから、「人は、聞きたいように
聞いてしまう」、つまり「脳はだまされやすいものだ」と
認識を新たにしたそうです。

だから、だまされやすい脳が、「一生懸命」やっているだけで、
無条件でそれを良しとする錯覚を起こさないように、
注意すべきと述べられています。

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| アイディア・発想法・企画 | 10:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ヒットを生み出す インスピレーションの力学、共感という魔法

満足度★★
付箋数:17

  「世界中の観客を魅了する映画という商品。決して共通ではない、
  異なる文化や生活背景を生きてきた人々が、異なる文化や生活背景
  を生きる観客のために、長い年月をかけて企画し、制作する
  映画にかかわってきた自分が考えてきたことは何か。

  今回、このような本をまとめる機会を得て、僕が一番思った
  ことは、この “クリエイティブのリレー” の中で、
  自分が体験してきた “アイディアの創造力” と、
   “実践力をともなったコミュニケーション” の僕なりの方法を、
  次の世代を担う人たちに伝えておきたいということです。」

著者は、『アルマゲドン』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』、
ターミネーター2』、『カールじいさんの空飛ぶ家』などの
大ヒット映画の配給を手掛けてきた鈴木英夫さん。

30年間以上に及ぶ映画人生の中で培ってきた思考方法を
エッセイとして綴ります。

本書は、鈴木さんがウォルト・ディズニー・ジャパンの
日本代表を退任し、東映株式会社の執行役員に就くまでの
3ヶ月間に、これまでの自分の仕事を振り返って
書き留めたものをベースとしているようです。

  序章 映画配給ビジネスとは
  第1章 映画という商品
  第2章 コミュニケーション私論
  第3章 チームで戦う
  第4章 問題解決力と問題提議力
  第5章 アイディアの力学、アイディアの作法

では、鈴木さんが配給を手掛けた映画の中から、
カールじいさんの空飛ぶ家』のSWOT分析を見てみましょう。

  S(強み)
  ピクサー作品という絶大なブランド力とクオリティの担保。
  ファミリー層へ訴えるクリスマスムービーとしての好タイミング。

  W(弱み)
  登場人物が、若者や美人ではなく老人であること。
  宮﨑駿監督作品に代表される日本人が好きなタイプの
   “可愛らしい” キャラクターではないこと。

  O(機会)
  『トイ・ストーリー』から続くピクサーのCGアニメーションは、
  子供だけではなく、大人も観たいと思う作品となっている。

  T(脅威)
  大作が並ぶ時期なので、競合作品が多い。
  それまでの興行実績を下げるわけにはいかない。

このSWOT分析をベースに実際に配給を成功させるための
ゴール設定をすることになります。

例えば、「S(強み)」については、次のように深掘りします。

  「ピクサー作品のブランド力は確かに強いが、まだピクサー作品を
  一度も観たことがない人たちにはまったく伝わらない強さである」
          ↓
  「では、過去のピクサー作品を観る機会を増やすことは
  可能なのか?」
          ↓
  「もし可能であるならば、それはどのくらいの人たちに
  伝えることができるのか?」

このように考えて、テレビの映画番組で過去のピクサー作品を
放送することなどを具体的に検討するようです。

本書には、各章の最初に4ページの不思議なマンガが
掲載されていましたが、これが何を意図したものなのか
私にはよく分かりませんでした。

この本から何を活かすか?

本書では、次の3つの「海外コミュニケーション術」が
紹介されていました。

  1. 自分が日本語の達人でないのと同じように、
   相手も英語の達人でないはずと考える
  2. 「Perdon?」と聞くより、「おうむ返し」を使う
  3. 聞く力をつければ、英語が日本語のように聞こえてくる

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| アイディア・発想法・企画 | 08:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「ネジザウルス」の逆襲

満足度★★★
付箋数:21

「ネジザウルス」という工具をご存じでしょうか?

年間1万丁も売れれば大ヒットと言われる工具市場で、
2002年の発売以来、シリーズ累計250万丁も売れている
驚異的な工具です。

ネジザウルスは、ペンチやニッパーの親戚で、
ネジ頭を掴んで回すことに特化したプライヤーです。

通常、ネジを回すときはドライバーを使いますが、
ネジ頭の溝が潰れてしまったり、長年屋外に放置して
錆びて固まってしまったネジでも、ネジザウルスなら
回すことができて、重宝されているのです。

この工具を開発・発売したのは、大阪にある従業員30名の
小さな会社、株式会社エンジニアです。

もともと、なめたネジを回す工具にはニーズがありましたが、
ただ開発して売るだけでは、ここまでのヒットにはなりません。

ネジザウルスも当初は全く注目されず、ほとんど売れませんでした。

しかし、あるときから人気に火がついて、売れるようになり、
初代モデルでは対応できなかった頭の小さなネジや大きなネジも
外せるように改良して、2代目、3代目を発売しました。

すると各モデルの相乗効果もあり、2008年にはシリーズ累計
40万丁に達しました。

ところが、さすがにここまで売れると売れ行きも鈍くなり、
頭打ちであることが鮮明になってきました。

販売担当者からは「もう飽きた」と、新商品を催促され、
社内でも、もうこれ以上売れないのではないかという
諦めムードが漂いかけてきたそうです。

しかし、本書の著者、エンジニア社長の髙崎充弘さんは、
「まだいける」と考え、4代目「ネジザウルスGT」を発売しました。

なぜなら、工具業界の常識では40万丁売れれば飽和であっても、
日本の世帯数、5000万の全世帯に普及させることを想定すれば、
まだ100倍は売れる余地があると考えたからです。

4代目では頭の出っぱりの低いトランスネジにも対応。

そして「一家に一本、ネジザウルス」をキャッチフレーズにして、
プロモーション用のキャラクター「ウルスくん」も採用し、
マーケティングにも力を入れて販売しました。

その結果、4代目のGTは、シリーズ最大のヒットとなり、
累計250万丁の売上を達成したのです。

本書では、髙崎さんがこのヒットを生む過程で発見した
ヒット商品の法則「MPDP理論」をもとに、
中小企業がヒット商品を生み出すためのヒントを披露します。

MPDP理論は、次の4つの要素からなります。

  ・マーケティング(Marketing)
  ・パテント(Patent)
  ・デザイン(Design)
  ・プロモーション(Promotion)

これは人材や資金が乏しい中小企業が、
知財戦略を駆使してヒットを生み出す方法をまとめたもの。

  「MPDP理論というのは、ヒット商品を生み出すために不可欠な
  要素を表すもので、人間の体にたとえれば、いわば必須アミノ酸
  のようなものと考えていただければ、わかりやすいかもしれません。
  (中略)MPDPという4つの要素を意識した開発や販売促進活動を
  行ったとき、その商品やサービスはヒットする確率が高まる
  という考え方です。」

また、髙崎さんは、32歳のときに家業を継いだ二代目社長なので、
本書は中小企業後継者の悩みも解決してくれます。

この本から何を活かすか?

株式会社エンジニアは、ネジザウルスだけの一発屋ではありません。

同じくMPDP理論を使って開発した工具ハサミ
「鉄腕ハサミGT」を2011年に発売しました。

これは小さくてもパワフルな切れ味を誇る工具ハサミで、
不要になったクレジットカードやDVD、革ベルト、ロープなどの
硬いものでも、わずかな力で切れるようです。

こちらも累積販売数は2015年7月で15万丁に達しています。

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| ビジネス一般・ストーリー | 12:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生を面白くする 本物の教養

満足度★★★
付箋数:23

本書は、ライフネット生命会長兼CEOの出口治明さんが、
「教養」について語った本です。

早速ですが、教養とは、一体、何なのでしょうか?
そして、なぜ、人には教養が必要なのでしょうか?

これらの問いに、出口さんはシンプルな一言で答えています。

  「教養とは、人生におけるワクワクすること、面白いことや、
  楽しいことを増やすためのツールです」

つまり、少しでも多くの教養を身に着け方が、
人生が豊かになるということ。

その具体例として本書では、冒頭でココ・シャネルさんの
言葉を紹介しています。

  「私のような大学も出ていない年をとった無知な女でも、
  まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つぐらいは
  覚えることができる。
  一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。
  その分だけ人生と世界は単純になっていく。
  だからこそ、人生は楽しく、生きることは素晴らしい」

知ることへの喜びと、ワクワク感が伝わってくる、
何とも素敵な言葉ですね。

では、教養とは、単に知識をつけることなのでしょうか?

花の名前は知識ですが、それを知ることが目的ではありません。

教養を身につけるためには、一定の知識は必要です。
しかし、それはあくまで道具であって、目的ではありません。

シャネルさんの話で言うと、花の名前を知ることで、
世界の謎を解き、「人生を豊かにする」ことが目的です。

知っている状態で思考停止してはいけません。

知識をもとに、想像して、自分の頭で考えることが、
人生を豊かにするのです。

教養がある人は、ボキャブラリーが豊富で、
広く、ある程度深い知識を持ち、それに加えて自分の意見も
持っているので、自らが楽しいだけでなく、
他人から見ても面白いと興味を持たれます。

それでは、教養は、どのように身につけるのでしょうか?

出口さんは、「本を読む」、「人に会う」、「旅に出る」の
3点によって教養を身につけることをススメています。

本の読み方は、オール・オア・ナッシング。

本文を読み始めて5~10ページほど進んで、面白いと思ったら
最後まで読み、そうでなければその時点でやめてしまいます。

中途半端な読み方はありません。

そして、速読はせずに、わからない部分があったら、
腑に落ちるまで何度も何度も読み返して、
その内容を自分のものとして血肉化します。

人と会う場合は、つき合いよりも、その人と会って
面白いかどうかが、会うことの基準となります。

もちろん、一定のつき合いは必要ですが、お互いの時間を
使うので、会って面白いかどうかを最大限に優先します。

旅は最高の遊びににして、教養の源となります。

出口さんの旅は、がっちり旅程を組むのではなく、
気の向くまま、足の向くままが原則。

例えば、列車の旅で目的地に向かう途中でも、
「この街、キレイそうだな」と思ったら、途中下車して、
そこから新しい旅を始めます。

そんな調子ですから、海外に行く場合でも、
往復の航空券は事前に取りますが、ホテルは予約をせず、
現地に入って実際に見てから決めるそうです。

この本から何を活かすか?

  「英語」は仕事で使わないから不要とは考えない

かつて成毛眞さんは『日本人の9割に英語はいらない』という
本を書いていましたが、出口さんは英語は必要と考えます。

なぜなら、英語を使えた方が、より多くの情報にアクセスでき、
世界が広がり楽しくなるから。

TOEFLで100点を取れる力を身に付ければ、
世界が違って見えてくると出口さんは言っています。

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| 勉強法 | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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クチコミ販促35のスイッチ

満足度★★★
付箋数:22

著者の眞喜屋実行さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  おいしいものを提供していれば、お客様はクチコミしてくれる
  いい商品を売っていれば、自然と良い評判は広まる
  いいサービスをしていれば、勝手にクチコミは広がっていく

クチコミに関して、このように「誤解」している人は
意外と多いと眞喜屋さんは指摘します。

誤解と言うよりは、幻想を抱いていたり、シビアな現実を
直視したくないので、そう思っているだけなのかもしれません。

しかし現実には、ほとんどのクチコミは自然と起きないのです。

  「では、クチコミは、どんな時に起こるのでしょうか?
  大事なことは、 “品質以外” の部分にありました。
  それに気づかないと、クチコミはいつまで待っても生まれません。
  そうです。クチコミは “待って” いても生まれないのです!
  クチコミは、 “しかける” ことで生まれるもの。
  クチコミとは、 “スイッチ” を押すことで、お客様から自然と
  生まれるものなのです。」

クチコミには発生させる「スイッチ」があり、
それが押されると、クチコミが生まれるのです。

ならば、意図的に「スイッチ」を押して、
クチコミを生み出すように、仕掛けることが本書の目的です。

目指すのは、世界中に広がって社会現象となるような
クチコミではなく、1人のお客さまが1人の友人に話すような、
小さくても着実に広がるクチコミです。

本書では、35個のクチコミのスイッチを実例と共に紹介します。

スイッチは大きく分けて2種類あります。

1つは、「お客様の心が動いて、誰かに話したくなるスイッチ」。

もう1つは、「心がとくに動かなくても、自動的に広がっていく
仕組みのスイッチ」です。

そして、有り難いことに、心が動くスイッチは、
人によって大きく異なるものではありません。

また、時代によっても簡単に変わるものではありません。

ですから、本書の事例を参考にして、あなたのお店でも
クチコミのスイッチを再現して作ることができるのです。

ちなみに、クチコミには外せない3つの要素があると、
眞喜屋さんは解説しています。

1つ目は、絶対に外せない要素の「話材」。
話すネタである材料がなければ、そもそも会話にすらなりません。

2つ目は、「Hotな気持ち」。
これはお客様の気持ちが高まることで、「びっくりした!」、
「うれしい!」、「すごい!」といった感情を呼び起こすもの。

3つ目は、「アイテム」。
アイテムがあると、お店での体験を思い出すきっかけになり、
それを話す相手に見せることもできます。

SNSが活用されている時代ですから、お客さまが写真に
撮って投稿したくなるようなアイテムを用意するのです。

スイッチを押すように仕掛けるのはお店側ですが、
お客様自身が「今、私はクチコミをしている」と意識せずに、
自然と「人に伝えたい」と思わせることがポイント。

お客様が、自分の体験を人に語りたいと思わせるために、
お店側はこれらの3つの要素を揃えるのです。

この本から何を活かすか?

本書の中から、ちょっとした工夫で簡単に押せる
クチコミのスイッチを1つ紹介します。

  「タイミングをズラすだけで、 “当たり前” が
  “驚き!” に変わるスイッチ」

することは同じですが、タイミングをズラすだけで、
クチコミを生む方法です。

本書で紹介されていたのは、セミナー参加へのお礼状。

普通、お礼状は、セミナーへ参加した後に届くものです。

しかし、そのタイミングをズラし、申し込んだ直後に、
手書きでお礼状のハガキを書いて送るのです。

まだセミナーに参加する前の、予想していないタイミングで
お礼状が届くと、人は驚いて、誰かに話したくなるものです。

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| マーケティング・営業 | 06:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ソーシャル物理学

満足度★★★★
付箋数:24

2009年12月に米国防高等研究計画局(DARPA)は、
インターネット誕生40週年を記念して、あるコンテストを開催しました。

それは、北米大陸の合衆国領内のどこかに設置された
10個の気象観測用のバルーンを探し出すコンテストです。

名付けて「レッドバルーン・チャレンジ」。

コンテストの目的は、インターネットとソーシャルネットワークを
駆使して、限られた時間で何かを探しだすための最善の戦略を
見つけることです。

最も早くバルーン10個すべての正確な位置を割り出すことに
成功したチームに支払われる賞金は4万ドル。

コンテストに参加したのは、4000チームにも上りました。

このレッドバルーン・チャレンジで優勝したのが、
本書の著者、アレックス・ペントランドさんをはじめとする、
MITメディアラボのチームです。

優勝タイムは8時間52分41秒でした。

勝負を決めたのは、賞金は4万ドルをどのように分配して、
協力者を募るかという点です。

何せ広大な北米大陸の中から、小さな赤い10個の風船を
探すわけですから、チームメンバーだけで探すのは不可能です。

北米家地球空間情報局のアナリストは、この課題について、
「通常の情報収集手法では解決できない」と評していました。

果たして、ペントランドさんのチームは、どのような方法で
協力者を集め、10個のバルーンを見つけ出したのか?

実は優勝できなかった他のチームの多くは、次のような戦略を
採用していました。

それは、オンラインで数多くの協力者を雇って探す方法。

しかし、この方法ではネットワーク型の組織としては、
それほどうまく機能しませんでした。

一方、MITメディアラボが採用したのは、インセンティブを
次のように配分する方法です。

優勝賞金は4万ドルなので、1個のバルーン割り振りすることが
できるのは4000ドル。

そこで最初に個々のバルーンの正確な位置を伝えてくれた人に、
2000ドルの報酬を支払うことに決めました。

次に、最終的な情報提供者を仲間に引き入れた紹介者には
1000ドルを支払い、その紹介者の紹介者には500ドルを支払い、
そのまた紹介者には250ドルを支払う分配方法を設定しました。

この広く報酬を分配する方法で、多くの人を巻き込み、
有益な情報をうまくネットワーク上に乗せ、
短時間で10個のバルーン発見に成功したのです。

驚いたことに、このアプローチ方法で、
バルーン探索に協力したのは、200万人もいました。

実際にこのチームに協力を申し出た人は約5000人でしたが、
1人ひとりがネットワークを通じて、平均400人もの友人や知人に
風船探しの協力を依頼していたのです。

さて、本書は「社会物理学」が、現実社会に応用できるかを
示した本です。

社会物理学とは、情報やアイディアの流れと人々の行動の
間にある、確かな数理的関係性を記述する定量的な社会科学です。

ビックデータが扱えるようになってから、大きく発展しました。

社会物理学では、ネットワークの中をアイディが
どのように流れるかを見極めるることができるので、
まさに「レッドバルーン・チャレンジ」のようなイベントは
お手のものだったのです。

この本から何を活かすか?

社会物理学が登場する以前の社会科学では、
アンケート調査によって人々の行動を定量化していました。

しかし、アンケートへの回答は主観的で精度が低いことが
問題でした。

一方、ペントランドさんは人々が無意識でとる、
ちょっとした「行動」をデータとして取得。

この「パンくず」のようなデータこそが、社会や人々の行動を
理解するために重要だとして分析したのです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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新・オタク経済

満足度★★★
付箋数:17

  「あまりにオタク然とした人を見かけなくなっており、
  そしてオタク一人あたりの消費金額が減っているのに、
  オタク市場は拡大している。つまり、今時のオタクは明らかに
  以前のオタクから変貌を遂げているわけですが、
  彼らの実態とこの謎を解き明かすのが本書の目的です。」

本書は、最新型の若者オタクの生態と消費傾向を調査した本です。

著者は、『ヤンキー経済』、『さとり世代』などを著した、
若者研究の第一人者の原田曜平さん。

「オタク然」というのも、かなりステレオタイプなイメージですが、
チェックのシャツに大きなリュック、あまりオシャレでないメガネ、
太っている、早口でまくしたてる・・・・。

こういった「アキバ系」と呼ばれる典型的なファッションの人は、
以前に比べ、最近ではほとんど見かけなくなったそうです。

また、オタクの消費金額については様々な調査がありますが、
一人あたりの消費金額は2004年に年間10万円だったものが、
2013年は2万5000円にまで減っているようです。

つまり、オタクのライト化が進んでいる。

しかし、オタク市場規模は2004年に2600億円だったものが、
現在は3兆円くらいの規模に膨らんでいるのではないかと、
原田さんは推測しています。

オタクというと、狭く深い存在でしたが、ライト化が進み、
浅く広い存在になったということです。

以前のオタクは少なからず、差別的に見られていた
ところがありました。

スクールカーストでは、ヤンキーやギャルは上位で、
オタクは下位という位置づけもありましたから、
自分がオタクであることを公言する人は多くありませんでした。

しかし今では、暗く、引きこもっているようなイメージは薄くなり、
キラキラしたモテ系の容姿を持っている女子が
オタクを自称したり、サッカー部のレギュラーの男子が
オタクであることを公言するようになりました。

社会人になっても、自己紹介で「◯◯オタクです」と、
ドヤ顔で言うのも、珍しいことではなくなり、
オタクであることを自分の肩書として使っている人もいます。

オタキングこと岡田斗司夫さんも、

  「もうヤンキーは校舎の窓ガラスを割る必要はなくなったし、
  オタクは社会から迫害されることもなくなった」

と発言しています。

こういったオタクのイメージアップは、市川紗椰さん、
中川翔子さん、栗山千明さん、加藤夏希さんといった
華やかな芸能人が、オタク性をアピールしてきたことも
貢献しているようです。

本書で原田さんが定義するのは、新しい2つのタイプのオタクです。

1つは「リア充オタク」。

社交性があり、普通に恋愛もする現実生活が充実している、
いわゆるリア充なオタクです。

もう1つのタイプは「エセオタク」。

こちらはオタクというパーソナリティ属性を、
自分のキャラとして利用し、対人コミュニケーションツールとして
利用している人です。

本書では、100名以上のオタクにインタビュー調査を行い、
新型オタクの発生原因と生態を探り、
その生態に合ったオタク向けのマーケティングを考察します。

この本から何を活かすか?

電車男で描かれたイメージのガチオタはいなくなったのか?

原田さんが、100名以上のオタクにインタビューした中で、
旧来型のオタクスタイルを貫いている「残存ガチオタ」だったのは、
わずか2、3名だったそうです。

弱虫ペダル』の主人公、小野田坂道くんも
「残存ガチオタ」でしたが、ロードバイクと出会って、
最新型の「リア充オタク」になりました。

従来型のオタクで居続けることは、現代においては、
かなり難しいことなのかもしれません。

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| 社会・国家・国際情勢 | 07:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アイデアを「カタチ」にする技術

満足度★★★
付箋数:22

  「自分の看板で生きていく方法のひとつに、独立するという
  方法があります。独立したら、当然ですが、自動的にお願いされる
  仕事は一切なくなります。そのため、クライアントを探し、
   “提案し続ける” ということが必要になります。」

これは逆に、アイディアをカタチにする力=企画力があれば、
どこでも生きていけることを意味します。

実際に、著者の長澤宏樹さんは、どこでも生きていけることを
ご自身が縁もゆかりもないハワイに移住することで証明しました。

長澤さんは、博報堂グループ出身のクリエイティブディレクター。

3年前に博報堂の看板を捨てて独立し、アロハ・ブランディングを
立ち上げて、ハワイに移り住みました。

ハワイは気候や自然環境は素晴らしいのですが、
物価は高く、給与水準は低い土地柄ですから、
そこで優雅に暮らすには、「安定した収入を得る手段」を
持っていなければなりません。

長澤さんが移住して気がついたのは、ハワイの成功者は、
単なるお金持ちではなく、「高い企画力」によって収入を
呼び込んでいる人が多いということでした。

ハワイの成功者には、次のような共通の特徴があるようです。

  ・規格の体質を見極める能力が高い
  ・魅力的な企画を自ら考えることができる
  ・考えついた企画は、即実行する行動力がある

本書の冒頭こそ「ハワイ」のことが前面に出ていますが、
中身は長澤さんのクリエイティブディレクターとしての
ノウハウが詰め込まれた「企画の教科書」です。

  第1章 企画があればそれだけで生きていける
  第2章 企画は「準備」が8割を占める
  第3章 人もお金も集まる企画のつくり方
  第4章 企画を支えるビジネススキル
  第5章 企画ができればどこでも生きていける

企画力を身につけるために、最初にすべきことは、
「自分の企画を捨てること」と、長澤さんは解説しています。

まずは、伝わりやすいと印象を受けた企画書が、
なぜ伝わりやすかったかを徹底的に分析することから始めます。

長澤さんも、自分で考えた独りよがりの企画書をやめ、
採用になった企画書の使う言葉や図の見せ方などを
真似するようになってから、企画が通るようになったそうです。

企画も「守破離」の考えに通じ、最初は型を覚えて
守ることから始めるのが王道です。

ところで、手本にすべき「いい企画」とは、
一体、どのような企画なのでしょうか?

  「心を動かす企画は、忙しい人が
   “仕事を差し置いてでも参加したい” と意思表示
  したくなるくらいの爆発力を持っているのです。(中略)
  いい企画は自然と人を呼び、好循環を生むのです。」

本書を読むと「こんなふうに企画をつくってみたい」と
思わせますから、本書を読者に向けた企画書と見立てると、
人を動かすチカラを持った「いい企画書」と言えます。

この本から何を活かすか?

  「あなたの企画をよりよいものにするため、非常に簡単で、
  その気になれば誰でも実践できる効果絶大の方法をお教えします。
  それは、今やるべきことより、ひらめいたことを優先する
  ということです。」

ただし、ひらめいたことは、寝起きの夢と同じで、
瞬時にメモを取らないと、あっという間に消えてしまいます。

そこで、人と話している最中でも、相手を不快にさせない
メモの取り方が、本書では紹介されていました。

例えば、向き合っている人が部長なら、
まず、「話を中断してすみません!」と謝ります。

そしてペンを取って、ひらめきを片っ端から書き取りながら、
次のように言います。

  「今の部長のひと言が大きなヒントになりました。
  すぐにメモさせてください。」

こう言われば、話を中断されても、
かえって気分は良くなるかもしれませんね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| アイディア・発想法・企画 | 06:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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部下がきちんと動く リーダーの伝え方

満足度★★★
付箋数:21

著者の吉田幸弘さんに献本いただきました。ありがとうございます。

あなたの、現在、または過去の上司で、
次のような伝え方をする上司はいませんでしたか?

  ・たくさん指示をされすぎて、どこから進めればいいか分からない
  ・圧迫感があり、質問しにくい雰囲気である
  ・指示が抽象的だったり曖昧で、何をしていいか判断できない

このような指示の出し方なら、どんな部下でも迷うはず。
結果、上司が期待した通りの仕事ができません。

自分が、部下だったときには、「こんな伝え方では分からない」
と思っていても、いざ自分が上司やリーダーになると、
案外、同じような分かりにくい指示や、伝え方をしているものです。

なぜなら、リーダーは忙しく、そこまで伝え方に
労力を割けない方が多いからです。

しかし、部下を持つ以上、部下に動いてもらって
成果を出すことが、リーダーには求められています。

その意味では、部下がきちんと動けるような伝え方をするのが、
リーダーの仕事と言っても過言ではありません。

  「本書は、部下に伝えるのが難しい、コミュニケーションを
  とるのが難しいと思われている方でも、すぐに実践できるような
  形式の “伝え方” をまとめました。また、部下がリーダーに
  伝えやすくなる方法、いわゆる報連相がスムーズになる方法まで
  解説しています。」

本書では、部下のタイプ別に伝え方が解説されています。
その中から一部を紹介します。

  ・飲み込みの悪い部下
   1.仕事を細かく分解する
   2.仕事の進め方の傾向を知る
   3.仕事のダイエットも検討してみる

  ・やる気のない部下
   1.「人並み意識」を刺激する
   2.「人に迷惑をかけたくないという心理」を刺激する

  ・年上の部下
   1.上司と部下は上下関係ではないと認識する
   2.年上部下の強みや長所を認める
   3.自己開示する

  ・ミスの多い部下
   1.具体的な損害を示して、その仕事の重要性を伝える
   2.ミスをした原因の「事象」に注目する

吉田さんの部下マネジメント本は、あまり大上段に構えず、
誰にでもできることが、分かりやすく書かれているのが特徴です。

これは過去に当ブログで紹介した2冊の本、
部下を育てる「承認力」を身につける本』と
部下のやる気を引き出す 上司のちょっとした言い回し
でも同様でした。

本書の内容が実践しやすいのは、吉田さんがこれまで習得してきた
リーダーとして部下に正しく伝える方法を、
著者として読者に伝える方法に応用しているからだと思います。

本書で紹介されている内容は、リーダーを5年から10年続けると、
失敗を重ねながら、自然と身に着けている人も多いはずです。

その経験が本書を読んで、たった1時間で身につくとは言いません。

しかし、これからリーダーになる人やリーダーになりたての人が、
本書の内容を先に知っておくと、身に付けるまでの期間を
大幅に短縮できることは間違いないと思います。

この本から何を活かすか?

部下の「分かりました」は当てにしてはいけない

  「部下からすると、上司の話は分からないところがあっても、
   “ここが分かりません” とは言いづらいものです。」

確かに、余程の部下でない限り、つい「分かりました」と
言ってしまうものです。

それを防止するために、上司は部下に復唱させたり、
質問をして理解を確かめる必要があるのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| リーダーシップ | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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経済用語 悪魔の辞典

満足度★★★
付箋数:23

  アベノミクス【Abenimics】
   無知な人にはまったく効果が見えない「逆・裸の王様」的な
   経済政策。「3本の矢」によってデフレを克服して日本経済を
   復活させる。日本経済復活に向けてあまりにも早くその効果が
   表れてしまったために「敵」に警戒されている。

  えんだか【円高】
   「円高になると輸出企業は損をするが、輸出企業は得をする」
   という都市伝説。「円高とは日本円の価値が上がること、
   つまり日本が世界中から尊敬されることだ」と固く信じている
   愚か者がいた。もちろん、この愚か者の認識は間違いだ。
   そんなことは断じてない。通貨価値と世界の尊敬とはまったく
   別問題だ。しかし、最大の悲劇は、この愚か者の職業が
   日銀総裁だったということだ。

  ねんきん【年金】
   払うと損すると信じられている保険。消費増税の口実にも
   よく使われているが、その実態を知る人は少ない。
   ほとんど税金のように集められているが、集めている日本年金機構
   の中の人たちはウィルスが添付されたスパムメールを平気で
   開封してしまうほど頭の足りない連中だ。

本書は、経済・ビジネス・歴史・政治社会の分野から選ばれた、
55の用語の新解釈を解説する本。

著者はリフレ派の論客で、勝間和代さんのブレーンも務める、
上念司さん。

冒頭で3つの用語解説の一部を紹介しましたが、見ての通り、
ブラックユーモアと毒舌で、上念さんと考え方が異なる人たちを
辛辣に批判しています。

反対派の人たちから見ると、偏見と欺瞞に満ちた本であり、
賛成派の人たちから見ると、胸をすく痛快な本です。

読む人の立場によって、毒にも薬にもなる本。

いずれにしても冷嘲的でかなり過激に書いていますから、
物議を醸す本であることは間違いないでしょう。

本書は1911年にアメリカで出版されたアンブローズ・ビアスさんの
名著『悪魔の辞典』を真似た本です。

『悪魔の辞典』は、容赦ない毒舌と機知に富んだ風刺で、
当時の一般的な用語に新しい解釈を加えた本でした。

  「先に自分で情報を開示しておこう。本書はビアスの100年以上
  前の著作にインスパイアを受けたどころではなく、タイトルを
  丸パクリし、更に辛辣で皮肉な解説というスタイルもパクった。
  対象となる用語こそ違えど、中身はなるべくオリジナルに
  近づけるように頑張った。自分で言うのもなんだが、
  すがすがしいくらいパクったつもりだ。」

上念さんは、高校時代にオリジナルの『悪魔の辞典』に出会い、
大きな衝撃を受けた(その割に、読破できず途中で挫折)そうです。

本書は、上念さんから見ると知識不足や強烈な思い込みによって、
論理的に話し合ったり、議論が成立しない人たちを、
徹底的にコケにして、ギャフンと言わせることを目的で
書かれています。

その執筆動機は、ビアスさんが『悪魔の辞典』を著した動機と
同じであろうと書かれています。

この本から何を活かすか?

  【結婚】
   主人1人、主婦1人それに奴隷2人から成るが総計では2人に
   なってしまう共同生活体の状態または情況。

  【幸福】
   他人の不幸を見ているうちに沸き起こる快い気分。

これらが、オリジナルの『悪魔の辞典』に出ている用語解説。

現在、このオリジナル版の日本語訳は、Amazonで検索すると、
以下の3つが入手しやすいようです。

  ・Kindle版 奥田俊介さんら翻訳『悪魔の辞典』(角川文庫)
  ・西川正身さん翻訳『新編 悪魔の辞典』(岩波文庫)
  ・筒井康隆さん翻訳『筒井版 悪魔の辞典』(講談社+α文庫)

いずれも、ひねくれ者のバイブルですね。

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| 経済・行動経済学 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

満足度★★★
付箋数:24

著者のデイヴ・アスプリーさんは、若くしてIT起業で成功した、
シリコンバレーの億万長者でした。

そんなアスプリーさんが、悩んでいたのが肥満と体調不良。

そこで、自分自身の肉体をハックすることを考えました。

  「人体とネットは大差がない。どちらも膨大な数のデータが
  見当たらなかったり、誤解されていたり、隠れていたりする
  複雑なシステムだ。自分の体をそんなふうに見るうちに、
  ふと気づいた。コンピュータのシステムやネットを改良(ハック)
  するときと同じテクニックを使えば、自分の生態を
  ハックできるようになるんじゃないか、と。」

これを本書では、「バイオハック」と呼びます。

アスプリーさんは、一流の医師や研究者から情報を集め、
バイオハックを繰り返し、30万ドル以上を投じて
自分の体で実験してダイエット法を完成させました。

それが本書で紹介される「完全無欠ダイエット
(ブレットプルーフダイエット)」です。

このダイエット法は、単に痩せるだけでなく、
仕事のパフォーマンスを上げることができるのが特徴です。

この辺がIT起業家が考えた、ダイエット法らしいところです。

アスプリーさんは、「完全無欠ダイエット」によって、
かなりの期間にわたって、毎日0.5キロ痩せ、
IQを20ポイント上げました。

健康を回復しながら、仕事の生産性を上げることに成功したのです。

では、「完全無欠ダイエット」とは、一体、
どんなダイエット法なのでしょうか?

それは、2週間のプログラムによる食生活改善のダイエット法です。

ダイエットの種類は、「ケトン体ダイエット」と呼ばれる方法。

私たちは、通常、糖質を取ることで、体内でブドウ糖に分解し、
それをエネルギー源としています。

しかし、私たちの体は、糖質以外の物質もエネルギー源と
することができます。

実は飢餓状態に陥ると、私たちの体は、体内に蓄えていた
脂肪を肝臓で分解して、「ケトン体」を作ってエネルギーに
することができるのです。

この原理を使って、炭水化物の摂取を減らし、代わりに脂肪を
多く摂取して置き換えするのが「ケトン体ダイエット」。

本書では、パンやごはん、パスタなどの炭水化物は、
1日30グラムの摂取を推奨しています。

この量は、お茶碗半分程度のごはんですから、かなり少ない量です。

そこで炭水化物の置き替えとして摂取するのが脂肪です。

糖の代わりに脂肪を燃やすので、エネルギー面では大丈夫です。

しかも、脂肪を摂ると空腹感も満たしてくれるので、
お腹が空いて食べたいのを我慢するということもありません。

では、具体的に「脂肪」は、どのような形で摂取するのか?

それが「完全無欠ダイエット」の一番の注目点です。

この方法で朝食として、摂取するのが、1杯の「コーヒー」。
そして、コーヒーに入れるのが、大さじ2杯までの無塩バターです。

バターは、ココナッツミルクや牧草で育てられた
牛の乳で作られるグラスフェッドバターを使用します。

このバターが入手不可の場合は、ココナッツミルク大さじ4杯と
MCTオイル大さじ1~2杯で代用することができます。

つまりは「バターコーヒー」を朝食代わりに飲むのです。

これを本書では「完全無欠コーヒー」と呼びます。

このコーヒーは、食の渇望から開放し、脳を復活させるので、
アスプリーさんも、7年以上、朝食は完全無欠コーヒーに
しているそうです。

この本から何を活かすか?

朝食の種類と空腹になるまでの時間については、
本書では以下の通り書かれています。

  ・朝食に炭水化物を摂った場合
   エネルギーが急上昇してから急降下するので、
   食物への渇望に終日悩まされる。

  ・朝食を完全無欠コーヒーだけにした場合
   たいていの人は、短くても5~6時間は食欲がオフになる。

  ・朝食を完全無欠コーヒーにタンパク質を加えて摂った場合
   おおよそ4~5時間は満腹でいられるが、
   脂肪のみの朝食の場合ほど長くはない。

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| ノウハウ本 | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大前語録

満足度★★★
付箋数:18

   「この本には、私がこれまで体系化した “大前式” の集大成とも
  言えるビジネスの判断が凝縮されている。これを参考にして、
  あなたも明日から “言い切る”  “行動する”  “結果を出す”
  ビジネスマンに変身していただきたい。」

本書は「語録」の名の通り、大前研一さんの過去の名言を
まとめたもの。

書き下ろしは、「はじめに」の部分だけで、
残りは過去の著作での発言を加筆・修正して編集されています。

ところで、「大前式」とは、どんな方式なのでしょうか?

  「このところ日本のビジネスマンの間では “マッキンゼー式”
   “マッキンゼー流” のロジカル・シンキング(論理思考)による
  プロブレム・ソルビング・アプローチ(問題解決手法)を
  解説した本が人気を集めている。
  それを書いているのは当然マッキンゼー出身者だが、
  彼らが受けた教育は、元をたどれば40年前に私が世界中の
  マッキンゼー事務所で使われていたいろいろな分析手法を
  日本用に体系化し、汎用化した “大前式”  “大前流” である。」

日本のロジカル・シンキングの源流が大前さんにあると
言っているようなものですが、これは紛れもない事実です。

しかし、それを臆面もなく言ってしまうところが、
大前さんらしくもあり、アンチを生むところなのでしょう。

それでは、本書の語録の中から、いくつか紹介します。

  「日本には “大器晩成” という言葉があるが、
  実際にはそういう人はあまりいないと思う。
  私に言わせれば、それは最初にサボっているだけだ。」

  「 “自分から最も遠い人こそ自分の人脈にする”
  ―こらが人脈作りの最大の要点である。」

  「自分から進んで時間配分を買えない限り、人生は変わらない。
  個人がコントロールできる唯一のものは時間配分だからである。」

  「成功する人間としない人間には唯一、明らかな違いがある。
  それは、成功する人はどんな仕事でも厭わずやるが、
  成功しない人は仕事を選ぶということだ。」

  「野球の中継ぎやリリーフエースは、ブルペンで投球練習をし、
  いつ “登板せよ” と声がかかってもいいように準備している。
  サラリーマンもブルペンで常に投球練習しておく必要がある。
  ベンチや観客席に座って評論家を気取っている場合ではない。」

  「自分の生き方として何を基準にしているかと言うと、
  死ぬ時に “これで良かったのだ” と言うための生き方を
  工夫しているのだ。」

どの語録も難しい言い回しはなく、容易に納得できるものばかりです。

かなり前の著作での発言もあるため、時代を感じさせる語録も
ありますが、すべて鋭くズバリと言い切っています。

その「言い切る力」が、経営コンサルタントとして
大前さんが培ってきたものです。

もし、あなたがビジネスや人生で迷いが生じていたら、
本書は目指す方向を明確に示してくれるでしょう。

ただし、各語録からオリジナルの著作を読みたいと思っても、
その出典が巻末にまとめて掲載されているため、
どの著作からの出典かわからない点は、不便に感じました。

やはり各語録ごとに出典は明示して欲しいところです。

この本から何を活かすか?

あなたは、1冊のビジネス書を読むのに、
どのくらい時間を費やしますか?

大前さんは、ビジネス書は少し不真面目に読むぐらいが
丁度いいと言います。

1冊に4、5時間もかけて読むと、かえって読みどころがどこか
わからなくなってしまい、読後感も散漫になってしまう。

だから、大前さんが勧める、1冊のビジネス書を読むのに
費やす時間の目安は、「1時間」です。

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| 仕事論 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リクルートの口ぐせ

満足度★★★
付箋数:21

  「これまでにも、リクルートに関する本は数多く出版されている。
  組織の強みや事業の構造、企業の歴史を知るには参考になる
  ものも多い。
   “人材輩出企業” と呼ばれ、さまざまな分野で活躍する人を
  生み出しているリクルート。経営者や起業家も数多く存在する。
  本書は、よく書籍に登場する “スター選手” のものではなく、
   “普通のリクルートの卒業生たち” が学んだことを整理している。」

リクルートの社員は、「口ぐせ」という形で、
リクルートの遺伝子を学びます。

それは日常業務の中で、上司や先輩たちから繰り返し聞いた
言い回しや、社員同士の会話の中で自然と口に出るフレーズとして、
身体の中に刷り込まれていきます。

本書はリクルート出身の有志28名が、在籍していた当時の
32の口ぐせをまとめた本です。

  第1章 「仕事を楽しむ人」に変わる口ぐせ
  第2章 「失敗をバネにする人」に変わる口ぐせ
  第3章 「競争を成長につなげる人」に変わる口ぐせ
  第4章 「仕事をつくり出せる人」に変わる口ぐせ
  第5章 「どこでも通用する人」に変わる口ぐせ

本書で紹介されている中に、次の口ぐせがあります。

  「このままじゃウチの会社まずいよね。」

これは、会社の状態や経営方針が良くないことを
他人事のようにグチを言う口ぐせではありません。

むしろ、その180度反対。
リクルートの「社員皆経営者主義」が現れた言葉です。

リクルートでは、仕事の主語が「リクルートとしては」で、
常に「自分=リクルート」です。

お客様に対して伝えるつらい話をするときも、「上司が」とか
「会社が」といった言い方をしないことが浸透しています。

だから「このままじゃウチの会社まずいよね。」は、
社員一人ひとりが危機感を持った自分ごとの口ぐせなのです。

  「社員が健全な危機感を持つことが健全な経営につながります。
  本来、仕事は目の前のことだけを指すのではない。
  どんな仕事も経営という眼鏡で見ると、つねにいろんなリスクと
  可能性をはらんでします。」

新入社員の頃から経営者のように考える習慣を持つので、
リクルートを卒業すると起業する人が多いのでしょう。

本書で紹介される32の口ぐせには、その根底に流れる
共通の哲学があります。

  「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

これはリクルートの創業者、江副浩正さんが
社長だった当時の社訓です。

創業から8年目に当たる1968年に作られました。

残念ながら、リクルート事件後の立て直しで、
公式の社訓からは外されましたが、
いまでも卒業生の多くが大切にしている哲学です。

リクルートの社員や卒業生は、この哲学を
それぞれが自分なりに咀嚼して、成長の糧としているようです。

この哲学こそが、リクルートの遺伝情報を担う
DNAそのものですね。

この本から何を活かすか?

  「この3ヶ月でどれだけ成長したの?」

これは、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
の哲学を実践できているか確認するための口ぐせです。

リクルートでは入社すると、これをしつこいぐらいに問われます。

最初は入社したばかりで、機会をつくるも何も、
仕事すら覚えていないのに、どうやって成長するんだ?
と思うこともあるそうです。

しかし、意外と早い時期に、それも突然に、
自分を大きく成長させるチャンスはやってくるものです。

上から言われたことだけをやっている人は、
それに気づくことさえありませんが、
自ら機会を創った人にはわかる、成長の瞬間なのです。

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| 仕事論 | 09:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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グレートカンパニー

満足度★★★★
付箋数:24

本書の著者、リッチ・カールガードさんは、
企業が継続的に成功するには、正三角形の3辺が支え合うように、
3つの要素が欠かせないと言います。

1つの辺は、戦略的基盤。

成功を続けるには、戦略が適切であることは必要条件です。

戦略は、市場、顧客、競合他社、競争優位性、変革者の
5つの柱で支えられています。

もう1つの辺は、ハードエッジ。

これは企業が実行力を磨く数字の部分です。

ハードエッジは、スピード、コスト、サプライチェーン、
流通、資本効率の5つの柱で構成されています。

カールガードさんは、アップルのCEOティム・クックさんについて、
この数字で表わされるハードエッジを管理することに関しては、
世界で最も優れた経営者であると評しています。

正三角形の最後の辺は、ソフトエッジ。

  「ソフトエッジはビジネスにおいて最も真価を認められない
  側面だ。多くの会社で無視されたり十分な予算が
  割り当てられないことがほとんどである。」

しかし、イノベーションが自然と起きる健全な企業では、
ソフトエッジが、イノベーションの源泉になっていると言います。

ソフトエッジは、信頼、知性、チーム、テイスト、ストーリーの
5つの柱で構成されます。

一般的に企業は、ソフトエッジよりもハードエッジに
多くの予算を割く傾向があります。

なぜなら、ハードエッジは数値で表すことがたやすく、
投資した結果が早く現れるから。

しかし、ハードエッジがしっかりしていても、
つかの間の利益しか得られず、その優位性は継続しません。

それに対して、ソフトエッジに投資して卓越すると、
ブランド認知度が高まり、利益性が上がり、得意先が増え、
熱心な従業員が増え、コモディティ化市場から
抜け出すことができます。

本書の原題は「The Soft Edge」。

本書は、三角形の3つの辺の中で、最も誤解されやすい
ソフトエッジで秀でる方法について書かれた本です。

先程、ティム・クックさん個人が、ハードエッジに
優れていることを書きましたが、アップル製品が愛されてるのは、
ソフトエッジがもたらす強みがあるからです。

ソフトエッジを磨き上げると、簡単に真似されることがないので、
長く優位性を維持することができるのです。

  第1章 「グレートカンパニー」が持つ成功し続ける条件とは何か
  第2章 なぜ経営者は財務諸表だけを眺めてはいけないのか
  第3章 チーム全体の信頼を高める
  第4章 変化に対応し続けるための「知性」を育てる
  第5章 失敗を恐れないチームをつくる
  第6章 他社には真似できない「テイスト」を生み出す
  第7章 心に響くストーリーの語り手になる
  結論 データと感性の融合が最強のチームをつくる

カールガードさんは、世界有数の経済誌である「フォーブス」の
発行人兼コラムニストとして、これまで多くの企業を見てきました。

その中で、グレートカンパニーの経営者が大切にしているのは、
目につきやすい戦略や数値管理よりも、ソフトエッジであることを
見出したのです。

この本から何を活かすか?

本書では、ソフトエッジの1つの柱として
「チーム」の重要性が述べられていますが、
何人ぐらいのチームが最も機動的なのでしょうか?

その1つの答えが、アマゾンのCEOジェフ・ベゾスさんが、
「2枚のピザを食べきれる人数」と言っている10人前後。

これは、「2枚のピザ」ルールと呼ばれています。

この「2枚のピザ」という呼び方を考えたのは、
実はベゾスさんではなく、1970年代にパロ・アルト研究所で
初めて使われたようです。

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| 経営・戦略 | 07:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ヒットの原理

満足度★★★
付箋数:23

「レイコップ」という商品をご存じでしょうか?

韓国人の医師が開発した布団クリーナーで、
日本でも販売台数300万台を超える大ヒット商品です。

布団専用の掃除機ですから、用途はかなり限定的。

多くの家電製品が発売されては消えていく、厳しい市場環境の中で、
なぜ、レイコップはヒットしたのでしょうか?

本書の著者、高杉康成さんはその理由を解明するために、
最近売れている家庭用掃除機のタイプを分類しています。

従来のキャニスター型とは違った進化をしているのが、
次の3つのタイプです。

  ロボットタイプ:ルンバに代表される自動掃除機です。
   掃除をしている時間がないとう困りごとを解決します。
  (販売台数 5万台/月)

  スティックタイプ:スティック状で軽量でコードレスなタイプ。
   重くて持ち運びが大変という困りごとを解決します。
  (販売台数 11万台/月)

  ハンディタイプ:レイコップのように小型で特定の場所用の掃除機。
   布団にホコリや花粉がつくと眠れないという困りごとを解決します。
  (販売台数 15万台/月)

それぞれ困りごとを解決しているので、ヒットにつながって
いるわけですが、実はその「ニーズの強度」が違います。

ロボットタイプが解決している「掃除をしている時間がない」は、
実は「掃除以外に使っている時間を掃除に充てる」で代替できます。

スティックタイプが解決している「重いので持ち運びが大変」は、
もう1台掃除機を買えば解決できます。

しかし、ハンディタイプが解決している困りごとは、
代替方法がありません。

従来の掃除機でも布団のホコリを吸引することができなくは
ありませんが、吸引力が強すぎてうまく取れないのです。

つまり、レイコップが解決している困りごとは、
簡単な代替方法がないために「ニーズの強度」が強いのです。

このニーズの強度の強さが、販売台数にも現れていますね。

本書では、知っていれば努力をムダにすることなく、
売上を伸ばすことができる「ヒットの原理」を使って、
新しい企画や販売促進を成功させるプランの作り方を解説します。

高杉さんが示す「ヒットの原理」は、1本の式で表されています。

  「トレンド」×「隠れたニーズ」=「売れまくり!」

ちなみに、トレンドとは「マクロ」のニーズのことで、
隠れたニーズは「ミクロ」のニーズのことで、
どちらも広い意味でのニーズ情報です。

では、こういったニーズ情報をどのように捉えるのか?

ニーズは、ただ見たり、読んだり、聞いたりするだけでは
捉えられず、「頭で捉える」必要があるようです。

そのために、次の3つの視点に注目すると良いと説明されています。

  ・たくさん存在するモノや、みんなが行っているコト
  ・自分の視野に入ってきた、普段見かけない変わったモノやコト
  ・何かを行う際、手間がかかっているモノ、あるいは行動

高杉さんは、こういった視点で意識的にニーズを捉える時間、
「ニーズタイム」を1日5分でも10分でもいいので、
時間を設けることを推奨しています。

本書は後半で実際のプラン展開の仕方や、
ダメプランの変身のさせ方などを事例をあげて解説しているので、
実用性の高い本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「3C分析」よりも「3T分析」

私は、3T分析という言葉を本書で初めて聞きました。
ひょっとすると、高杉さんのオリジナルなのでしょうか。

プランを立てる前に実行すべきことが3T分析です。

  Trend : 市場動向
  Target : 顧客ターゲット
  Technology : 自社技術・ノウハウ

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| マーケティング・営業 | 09:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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私はいくら?

満足度★★★★
付箋数:26

   「自分は今いくらなのか、つまり自分の価値を知る
  方法がわかれば、自分の価値を絶対的に高めるための
  具体的な道筋も見えてくる。」

では、どのようにして、自分の価値を知るのでしょうか?

本書では、そのために1本の簡単な数式が提示されています。

  現在価値(PV)=将来のキャッシュフロー(CF)÷割引率(R)

これは、「企業」の現在価値を今どれだけの資産を
持っているかではなく、将来的にどれだけのキャッシュフローを
生むかによって決める数式です。

著者の野口真人さんは、この数式を「人の価値」を
求めるときにも使えると、本書で説明します。

  「あなたの現在価値は、あなたが将来生み出すキャッシュフローを
  あなたの割引率で割った値です。自分の価値を高めるということは、
  自分のPVを高めるということなのです。」

この数式によって、あなたの現在価値が決まるとすると、
それを高める方法は2通りしかないことが明白です。

1つは、分子であるキャッシュフロー(CF)を増やすこと。
もう1つは、分母である割引率(R)を下げること。

この2つの要素をどのように増減させるかに絞って考えると、
あなたの現在価値を高めることができるのです。

ちなみに、ここで言うキャッシュフローとは、
あなたがもらう給料のことではありません。

あなたが会社にもたらす利益のことを指します。

給料がいくら高くても、現在価値が高いとは言えないのです。

企業価値を高めることが、経営者の目指すところですから、
求められる人材も、キャッシュを生み出す力を持った人材
というのも、考えてみると非常に納得できます。

それでは、将来のキャッシュフローを最大化するために、
今、何をすべきなのでしょうか?

  「将来のキャッシュフローを大きくするために必要なことは
  たった二つ、 “土台作り” と “実績作り” です。」

「現在価値=将来のキャッシュフロー÷割引率」の式で
必要なのは、現在や過去のことではなく、将来についてです。

ですから、過去に実績をあげていても、それは将来に
キャッシュフローを生むとは限らないはずです。

では、なぜ、過去のものである「実績」が必要なのでしょうか?

それは、ファイナンス的には、次のように説明できるからです。

  「過去にいくら稼いでも、稼いだ金額は一円もその人の価値に
  足されることはないが、その人が将来いくら稼ぐかを知る
  もっとも重要な指標になる」

例えば、過去5年間、毎年稼いだ実績のある人に対しては、
企業側は、翌年も同じくらい稼ぐだろうと評価するということです。

また、現在価値を決めるもう1つの要素、「割引率」は、
どのようにすると、小さくすることができるのでしょうか?

  「割引率が低いほど、現在価値(PV)は上がります。
  実は、この割引率はリスクの大きさに比例します。」

個人におけるリスクとは、あなたの「信用力」を指します。

つまり、割引率を下げるには、信用される力を
伸ばさなければならないのです。

本書では、このようにファイナンス的視点に立って、
あなたの価値を高める方法を示しています。

日本最大の企業評価会社プルータス・コンサルティングを
設立した、野口さんならではの独自の視点が面白い本です。

この本から何を活かすか?

若手社会人に必要な将来キャッシュフローを高める基礎力

  1. 尊敬語、謙譲語、丁寧語を使い分ける力
  2. 相手の名前と顔を覚える力
  3. 時間を厳守する力

野口さんが挙げている項目は、簡単なようで、
意外とできていない人も多い項目です。

評価するのは自分でなく他人なので、他人から見て、
どう見えるかに気を配る必要があるということです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 09:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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すべての仕事はクリエイティブディレクションである。

満足度★★★
付箋数:22

  「本書は、広告代理店のクリエイティブ・ディレクターという
  立場から、今まで体系的に語られたことのなかった、
   “クリエイティブ・ディレクション” について、
  初めて明確に書かれた本になるはずである。
  さらに、クリエイティブ・ディレクションという技術が
  有効なのは、広告だけではない。実は、すごく汎用性があり、
  ほぼすべての仕事に応用可能であることが証明される予定である」

本書の著者は、日本を代表するクリエイティブディレクター、
電通エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターの
古川裕也さん。

なぜ、クリエイティブ・ディレクションの技術が、
広告以外のでも使えるのか?

それは、どんな仕事でも突き詰めると、
課題があって、それに対する解決策(アイディア)を考え、
実行(エグゼキューション)するのが本質だから。

ものごとを良い方向へ、アイディアで変えることが、
クリエイティブ・ディレクションの技術なのです。

古川さんは、クリエイティブ・ディレクションの仕事は、
次の4つで成り立ち、これ以外のことは、
むしろしない方がいいとまで言っています。

  1. ミッションの発見

   ミッションと課題は別のものであり、
   「欲望」と「潜在」の2つがキーワード。

   ミッションは、上の次元へ引っ張り上げなくてはいけない。

  2. コア・アイディアの確定

   ブランドの社会的存在意義を定義し、普遍性と新規性をもった
   コア・アイディアを設定する。

   ブランドとは、哲学そのものであり、コア・アイディアは、
   それをつかみとれるようにするためのツール。

  3. ゴールイメージの設定

   ゴールイメージの設定とは、ターゲットとの接触面を設計すると
   同時に、ターゲットとブランドの遭遇を設計すること。

   アイディアの意味を超えて「こんな感じ」を設計し、
   共感を形成し、非論理領域で人を動かす。

  4. アウトプットのクオリティ管理

   表現の点数を上げ、傑作にならざる得ないように追い込む。
   
   傑作には、「びっくりさせる力」と、はたとひざをうつように
   「納得するさせる力」の2つが必ず入っている。

10年近く続くロングセラーCMの、ソフトバンク「白戸家」シリーズ
と、サントリーBOSS「宇宙人ジョーンズ」シリーズ。

この2つのCMは「異常値」を戦略的意識的に用意して、
人の印象に残るアウトプットを確実に作っているようです。

普通の家庭では、お父さんは白い犬ではないし、
ハリウッドセレブのような顔をした宇宙人は、地球に偵察に来ない。

つくり手側が、異常値を発生させることを強く意識してこそ、
この2つのシリーズはヒットしたと古川さんは解説します。

また、本書では広告業界以外のクリエイティブ・ディレクションの
事例として、グッチで継続的にブランディングを続ける
トム・フォードさん、リブセンスでビジネス・デザインする
村上太一さん、大統領選挙で対比的にイシューを設定して
勝利したバラク・オバマさんの3例を挙げて説明しています。

どんな分野の問題でも、クリエイティブに解決できるように
なるには、本書に詰め込まれている古川さんの叡智を
時間をかけて1つずつ自分のものにしていく必要がありそうです。

この本から何を活かすか?

本書には、古川さんと伝説のクリエーター、ダン・ワイデンさん
との対談が掲載されています。

その対談を古川さんは、次のように表現しています。

  「勘のいい方はお気づきだと思うけれど、これは、僕にとって、
  とても短い『ヒッチコック/トリュフォー』だった。」

古川さんの言う『ヒッチコック/トリュフォー』とは、
もともと映画評論家だったフランソワ・トリュフォーさんが、
敬愛する映画監督のアルフレッド・ヒッチコックさんに
映画術の真髄をインタビューしてまとめた本です。

1990年に晶文社から刊行された、映画ファン必携の傑作本、
定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー』のことです。

ヒッチコキアンの私も持っている、★★★★★の本です。

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人工知能に負けない脳

満足度★★★
付箋数:18

  「我輩は、ミュンヒハウゼン男爵。
  みんなからは、 “ほらふき男爵” とよばれておる。
  今日も、我輩の冒険話を聞かせてやろう。
  我輩は、地球上のあらゆる土地をかけめぐったうえに、
  月世界の探検にも成功した。」

これは、「ほらふき男爵の冒険」からの一節。

ちなみに、ほらふき男爵ことミュンヒハウゼン男爵は、
18世紀に実在したドイツの貴族です。

さて、なぜ、ここで突然「ほらふき男爵」を紹介したか
というと、本書の茂木健一郎さんのアドバイスが、
「人工知能時代を生き抜くには、 “ほらふき男爵” になれ!」
というものだからです。

  「人工知能時代への転換期において、一般常識や固定観念に
  捉われて “えー、無理でしょ” と安易に口に出す人は、
  ほぼ例外なくこれからの時代に取り残されてしまうでしょう。
  イーロン・マスクが “私たち地球人が火星に移住する日が来る!” 
  と言ってしまえるような、予想外の無茶苦茶な夢や目標を
  堂々と言える人こそが、こらからの人工知能時代をリードして
  いくはずです。
  たとえば、 “私は5年後には月へ旅行に行ってきます” と
  言ったとしましょう。これは、ひと昔前であればただの
   “ほらふき男爵” だったわけです。でも、これからの時代に
  おいては、このような夢や目標を公言することで、
  時代の最先端に立ち向かうことができるようになるのです。」

さて、本書は茂木さんが、人工知能時代を生き抜くヒントを
語った本です。

ポイントは、人工知能と同じ土俵には上がらずに、
人間にしかできないことで勝負すること。

よく言われるように、「人工知能が人間の脳を超えるのか?」
といった議論は無意味だと茂木さんは指摘します。

なぜなら、それは人類最速のスプリンターである
ウサイン・ボルトさんとリニアモーターカーが競争したら
どちらが勝つのか? という議論と同じだからです。

記憶力や計算能力で比べると、人間の脳を超えていることは
既に明白です。

私たちが、これからの時代を生き抜くためには、
人工知能が人間に追いつけない、次の5つの分野のスキルを
磨く必要があるのです。

  1. コミュニケーション
  2. 身体性
  3. 発想・アイディア
  4. 直感・センス
  5. イノベーション

人工知能が優れている仕事は人工知能に任せ、私たち人間は
人間にしかできない働き方や生き方を目指せば良いのです。

それは、いい意味での「ちゃらんぽらん」さや「いいかげん」さも
必要だということです。

本書では、最新の人工知能の開発状況を交えながら、
これから求められる人間の役割について、
わかりやすく解説しています。

この本から何を活かすか?

2045年問題は、本当に起こるのか?

「2045年問題」とは、コンピューター技術がいまのスピードで
発達し続けると、30年後の2045年の時点で人類の知能を超える
究極の人工知能が誕生するという予測です。

それが「技術的特異点(シンギュラリティ)」と呼ばれる
ポイントです。

茂木さんは、2045年という数字は別にして、
シンギュラリティは間違いなく起こると説明しています。

ここで起こるのが、人工知能のブラックボックス化。

人工知能が自分で自分を改良できるようになることです。

これは原理的には可能で、そうなるともはや人間には
理解できないブラックボックスとなってしまうようです。

SF映画の世界が、現実のものになる可能性があるようです。

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| | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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TraveLife

満足度★★
付箋数:15

  「本書でシェアしたいことは、旅こそひとりの人間として
  成長するための良き師であり、インスピレーションの源では
  ないかということ。そして旅という最良のツールとリソースを、
  より多くの方々に活用してほしいということ。」

本書はハワイと東京の2拠点でデュアルライフを送りつつ、
世界中を旅してまわっている本田直之さんが、
旅から得た35の大切な気づきをまとめた本です。

旅の有用性は、昔から多くの賢人によって語られてきました。

本書の中でも紹介されていますが、旅にまつわる名言を
いくつか挙げてみましょう。(以下、敬称略)

  ・旅をしない者は人間の価値を知ることはできない。
   ―ムーア人の諺

  ・世界は1冊の本のようであり、旅をしない者は本の最初の
   ページだけを読んで閉じてしまうようなものだ。
   ―アウグスティヌス/神学者

  ・真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。
   新しい目で見ることなのだ。
   ―マルセル・プルースト/作家

  ・旅は真の知識の大きな泉である。
   ―ディズレーリ/政治家

  ・旅の過程にこそ価値がある。
   ―スティーブ・ジョブズ/起業家

  ・移動距離とアイデアは比例する。
   ―高城剛/クリエイター

本田さんは、人生で初めての3つの旅を通して
旅が自分の人生を形づくり、大きな刺激を与えて
くれることに、気がついたようです。

最初は1990年に行った1ヶ月間のフィジーの旅。

まだ英語もあまりできない大学生だった本田さんは、
この旅で、語学や知識などの自己表現のツールを身につける
必要性を痛烈に感じました。

次が1991年に卒業旅行で行ったハワイの旅。

この1ヶ月の旅で、本田さんはハワイの文化に触れ、
「いつかここに住みたい」と目標を明確に持ちました。

3度目は1995年から2年間の米アリゾナのビジネススクールへの留学。

この留学で自己主張の必要性や本物の個人主義を体感し、
年功序列ではないキャリアデザインがあることを知りました。

こういった経験が原体験となり、年の半分をハワイ、3カ月を東京、
2カ月をヨーロッパ、1カ月をオセアニア、アジアなどの国で
生活する、現在の本田さんのライフスタイルが形づくられました。

ところで、なぜ、旅はクリエイティビティを高めるのか?

それは「不便や制約から何かを生み出す能力」が
磨かれるからと、本田さんは解説します。

  「旅とは、不便や制約のもとで工夫し、何かを生み出す
  最良のトレーニングだ。まず、言葉が通じないという不便があるし、
   “時間を誰も守ってくれない、ほしいものがすぐ手に入らない”
  といった制約もある。(中略)
  制約の中でどうやるかという工夫を楽しめば、どこに行っても
  自分のベストのパフォーマンスができるということだろう。」

この本から何を活かすか?

では、本田さんのように、いつでも自由に旅ができない人は
どうしたらいいのでしょうか?

  「旅するように暮らす」

例えば、日常生活で2つの選択肢があったとします。

1つは、いつもやっていること。
もう1つは、今までにやったことのないこと。

この2つの選択肢があったら、迷わず初めての方を選択する。

本書には、このように書いているわけではありませんが、
常にやったことのない方、選んだことのない方を選択するように
心がけていれば、毎日が旅するように変わると思います。

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| 旅行・アウトドア | 11:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「超」集中法

満足度★★★
付箋数:16

本書は、野口悠紀雄さんが20年前にドラフトを書き始め、
完成稿まで辿り着けず、埋もれたままになっていた幻の原稿を
掘り起こして完成させた本です。

  「本書で述べるのは、 “さまざまなことに『コア』と呼びうる
  ものがあり、努力をそこに集中すべきだ” ということです。
   “コア” とは “核” という意味です。コア機能、コア商品、
  コアメンバーなどというように使われます。
  全体の中でコアが占める比率は量的には2割程度であることが多く、
  他方で、 “コア” によって全体の成果や価値の8割程度が
  生み出される場合が多いのです。
  このことは、 “2:8法則” と呼ばれます。」

本書では、重要な部分を「コア」と呼びますが、
基本的に「2:8法則」について書かれた本です。

「2:8法則」については、これまでに多くの本で、
その重要性が指摘されてきました。

この語り尽くされたテーマを、野口さんは、なぜ選んだのか?

私見では、本書が20年前に書き始められた本だから
だと思います。

しかし、野口さんは、これまでの「2:8法則」本では、
次の2点について述べられていなかったからだと説明しています。

  1. コアは、どうすれば見つけ出すことができるのか?
  2. コアが変化したとき、どのように対応したらよいのか?

いくら「2割」の重要性がわかったとしても、それがどこかを
特定できなければ、集中しようがないからです。

「2:8法則」は、あらゆるものに当てはまるので、
もちろん本書自体も例外ではありません。

本書の重要な「2割」の部分に該当するのは、
コアを見つけ出す具体的な方法です。

ただし、そのコアを見つけ出す方法がノウハウと呼べる
レベルまで煮詰められていないのが、少し残念なところです。

野口さんが、かつて提唱した「押し出しファイリング」が使える
資料整理や、「受験勉強」という特殊な領域では、
比較的簡単にコアを見つけることができます。

問題は、ビジネスでどのように「コア」を見つけるかです。

本書ではその方法について、次のように解説されています。

  「第1に、自分が担当している事業について、できる限りデータを
  定量的に把握する必要があります。(中略)
  いまではデータのグラフ表示が実に簡単にできるので、
  それだけで、多くのことが分かります。」

これは、数値化できるものについてのコアの見つけ方です。

では、数値化、グラフ化できないものの見つけ方は?

  「あなたの職場を見渡してください。ヒット商品や企画を連発
  したり、どの地域を担当しても必ず一定の成績を上げる人がいます。
  (中略)そういった名人芸を持っている人から、盗めばよいのです。
  昔から、名人芸は教えてもらうものではなく、
  盗むものだったではありませんか。」

本書は、2:8法則を解説する本としては納得感がありますが、
かつての野口さんの著作のように、新しいノウハウや方法論を
期待して読むと、肩透かしを感じるかもしれません。

特に、野口さんの「超」シリーズにお世話になった人ほど、
事前期待は高いので、読後に感じる落差も大きい気がします。

本書はコアとなる2割が有用な本と言うよりも、
残り8割を楽しむ本と考えた方が良さそうですね。

この本から何を活かすか?

  受験英語と日常英語はコアが違う

このことに初めて気がついて、単語集を執筆したのが森一郎さん。

昭和の大ベストセラー『試験にでる英単語』の著者です。

森さんは、かつて日比谷高等学校で教鞭をとっていて、
実は野口さんの担任だったそうです。

「でる単」は森さんが日比谷高校時代に執筆した本で、
野口さんは、何度か呼びだされて実験台になったとか。

それにしても、「でる単」は、まだコンピューターが
今のように使えない時代に書かれていますから、
データ集計はすべて手作業だったそうです。

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| ノウハウ本 | 11:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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統計学のための数学教室

満足度★★★
付箋数:21

ビジネスパーソンの間では、ここ数年、「統計学」ブームが
続いています。

きっかけは、2013年1月にに刊行された西内啓さんの
統計学が最強の学問である』でした。

それまで、ビジネス書として出版される統計本もありましたが、
かなり地味な存在でした。

しかし、西内さんの本が出た後の状況は一変して、
統計学やデータ分析はホットなテーマとして、
次々と入門書が刊行されるようになりました。

ところで、世に溢れる統計本を読んで、あなたは本当に統計が
理解できるようになりましたか?

そういった本を読むと、概要は掴めますし、計算はエクセルで
やってくれますから、一定、使えるようになったと思います。

では、あなたは、なぜ相関係数が「-1≦r≦1」になるか
説明できますか?

統計を少し勉強した人なら、相関係数は-1~1の間に
なることは知っていると思います。

しかし、その理由を説明するのは意外と難しい。

これを説明するには、実は中学から高校で勉強する
たくさんの「数学」を理解している必要があるのです。

2次関数の基礎、グラフの平行移動、平方完成、2次関数のグラフ、
2次関数の最大値・最小値、2次関数がX軸と交わらない条件、
2次不等式、2次方程式と2次関数の関係、2次方程式の解き方、
2次方程式が実数解を持たない条件、判別式

これらが分かっていて、初めて相関係数が「-1≦r≦1」に
なることが説明できるのです。

  「統計は道具として便利なのでその使い方だけを覚えてしまおう
  という人が多いようですが、いろいろな統計量に対しての
   “理解” がないと、自分が何をやっているかがわからなくなって
  勉強が先に進まなくなります。」

統計を勉強しはじめた人が、入門本の壁を超えられないのは、
それを支える数学がわからないからです。

本書は、統計学を自学自習するために必要な中学から高校レベルの
数学知識をまとめた本。

著者は多くのビジネス数学本を執筆する永野裕之さんと、
統計の専門家の岡田謙介さんです。

  第1章 データを整理するための基礎知識
  第2章 データを分析するための基礎知識
  第3章 相関係数を調べるための数学
  第4章 バラバラのデータを分析するための数学
  第5章 連続するデータを分析するための数学

例えば、統計の基礎となる「標準偏差」を理解して
使えるようになるには、最低限、「平方根」、「分配法則」、
「多項式の計算」といった中学数学が、
ちゃんと分かっている必要があるのです。

本書は数式が出てこない本ではありません。

部分的に対話形式だったり、きたみりゅうじさんのイラストも
挿入されていて、非常にわかりやすく解説されていますが、
あくまで数式と正面から向き合う本です。

そこに目をつぶっていては、いつまでも統計入門者の域を
出ることはできません。

本書ですっかり忘れてしまった数学の内容を思い出す、
あるいはこれまで避けてきた数学を一度きちんと学ぶと、
統計に対する理解が大きく前進するはずです。

この本から何を活かすか?

あなたは、学生時代に統計を勉強しましたか?

高校では選択単元で、入試に必要ないから学校では
統計を勉強していない人も多いのではないでしょうか。

理系の人は、大学に入ってから統計学を学びますが、
文系の人にとっては、ほとんどやらずにきた分野のはずです。

しかし、2015年に初めて大学受験した「脱ゆとり世代」の高校生は
理系・文系に関係なく、数Ⅰに新設された「データの分析」を
必須単元として学んでいるそうです。

永野さんは、このカリキュラム変更により、
「統計リテラシーは大きな世代間格差が生じた」と指摘しています。

脱ゆとりより前の世代は、格差をつけられている危機感を
持った方がよさそうです。

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| 数学 | 08:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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未来に先回りする思考法

満足度★★★
付箋数:25

  「未来を先回りすることができる0.1%の人たちを調べていくと、
  99.9%の人とはまったく違った思考法を用いて、未来を見通して
  いることがわかりました。両者を分けているのは、パターンを
  認識する能力です。彼らは総じてテクノロジーに理解が深く、
  経済、人の感情などの複数の要素を把握し、社会が変化する
  パターンを見抜くことに長けていました。」

本書は未来を予測する本ではありません。

テクノロジーを軸に、未来を見通すためのパターンを見抜く
思考法について伝える本です。

著者は2015年8月に東証マザーズに上場して話題になった
株式会社メタップス代表取締役社長の佐藤航陽さん。

人工知能を使ってアプリの収益化を図るプラットフォームを
提供し、オンライン決済サービスなども提供している会社です。

本書で、興味深かったのは、テクノロジーの進歩が、
起業家さえも置き去りにしはじめたと言及されている点です。

もともとIT分野で起業するのは、その分野に詳しい人たちですが、
そんな彼らでも、技術の進歩の速さについて行けないと言うのです。

なぜなら、Google、Apple、Amazon、FacebookなどのITの巨人は、
最先端の学術的な研究とビジネスを結びつけ、研究者を囲い込んで
開発を行っているから。

テクノロジーが進歩し過ぎると、研究段階から関わっていないと、
流れについていけず、競争に勝てないのです。

そして、これらの巨大IT企業の創業者たちが考える未来像は、
驚くほど酷似していると言います。

  「(酷似している未来に)彼らは “いつ” それに取りかかるかの
  タイミングの読み合いをしているだけです。
  社会・経済・技術・強み・資金などを総合的に考え、
  適切なタイミングで適切なアクションを起こしています。
  その意味では、イノベーターとは、まったくゼロから新しいものを
  創造する人たちではなく、少し先の未来を見通して先回りが
  できる人たちなのだといえるのかもしれません。」

本書の考えでは、資金の少ないITベンチャーは、
ゼロからイノベーションを起こそうと考えるのではなく、
Googleなどがやろうとしていることを先読みして、
その周辺サービスを事業にするしか、生きる道はないように思えます。

私は、未来がIT封建主義社会になるかのような印象を受けました。

  第1章 テクノロジーの進化には一本の「流れ」がある
  第2章 すべてを「原理」から考えよ
  第3章 テクノロジーは人類の敵なのか
  第4章 未来を先回りする意思決定

本書では、テクノロジーの進化にはどのようなパターンが
隠されているか、また、これからテクノロジーは社会のシステムを
どう塗り替えていくか、そして、どんな問題をもたらすかを解説します。

最後には、個人が予測された未来に対し、
どのように意思決定するべきかを示します。

  「本当に重要なのは、自分自身のそのときの認識ではなく、
  進化のパターンから導き出される未来の方に賭けられるか
  どうかです。9割の人がその未来を予見できたタイミングで
  意思決定しても手遅れです。誰の目にもわかってしまえば、
  チャンスはチャンスでなくなります。リアルタイムで状況を
  見ると自分も含めて誰もがそうは思えないのだけれど、
  原理を突き詰めていくと必ずそうなるだろうという未来にこそ、
  投資する必要があります。」

この本から何を活かすか?

佐藤さんは、あるGoogleのマネージャーに、
有名な20%ルールが「実はリスクヘッジのための仕組み」
であるとの話を聞いたことがあるそうです。

仮に創業者の意思決定が間違っていても、数万人の社員の20%の
時間を費やしたプロジェクトの中に正しい選択があれば、
企業は存続できる。

Googleは、この20%ルールによって企業全体が
おかしな方向に行かないようにバランスをとっているそうです。

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| IT・ネット | 09:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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貯金兄弟

満足度★★★★
付箋数:23

経営コンサルタントの竹内謙礼さんと、
公認会計士である青木寿幸さんのコンビによる
ビジネス小説シリーズも、今回で第4弾となりました。

いつも新しいテーマと設定で楽しませてくれていて、
このシリーズには、一切、外れがありません。

第1弾の『会計天国』は、タイトルの通り会計が主題、
第2弾の『戦略課長(投資ミサイル)』は、戦略を扱い、
第3弾の『猿の部長』は、マーケティングがテーマでした。

これまでは、「企業」を主体とした題材が選ばれてきましたが、
第4弾で、初めて「個人」に関わるテーマを扱います。

今回のテーマは「マネー」です。

主人公は、兄の横田宗一郎と弟の横田翔太の
4歳違いの兄弟です。

小学生の時に母親が亡くなり、
2人は義父に虐待を受けながら育てられました。

しかし、ある時、この家で不思議な火災が起こり、
そのことがきっかけで、義父の子どもへの虐待が発覚。

2人は児童養護施設に保護され、その後成長した兄弟は、
母親の残した生命保険金で、暮らすことになります。

仲の良い兄弟ですが、2人はお金に対する価値観が真逆。

兄の宗一郎は、派手好きでお金を浪費してしまう性格。

反対に、弟の翔太は、ものすごい節約家で、
貯金がなによりも大好きな超堅実派です。

この性格が反映して、2人は全く違う道を歩むようになります。

宗一郎は、一流国立大学を卒業して、
大手広告代理店に勤めることになりました。

これに対して翔太は、高卒で消防士になることを希望します。

兄を説得して、消防士になることが人生にとって
有利であることを主張する翔太のセリフがこちら。

  「 “高卒よりも、大卒のほうが、給料は高くなる” と
  断言できるのは、もう昔の話だよ。
  今では、それが当てはまるのは、一流と呼ばれる大学に行って、
  出世競争にも勝ったごく一部の人たちだけさ。
  その他大勢の人たちは、地位は不安定で、給料も上がらず、
  リスクの高い人生を送ることになるんだよ。
  それに比べたら、高卒で早い時期に消防士になったほうが、
  よっぽど安定した人生を送れるはずだ」

この言葉の通り、翔太は高卒で消防士となりました。

お金に対する価値観が180度違う兄弟が、20代、30代、40代、
そして老後へと、いったいどのような人生を歩むのか?

浪費家と倹約家、一生を通じて、本当に幸せだったのは
どちらの人生なのか?

  第1章 大卒の生涯年収が、高卒の生涯年収よりも、
     3000万円も低い理由
   ― これからは、一流大学を卒業しても、安泰ではない
  第2章 給料も人並み、お金を貯める気があるのに、
     なぜ、口座残高がゼロなのか?
   ― 小さな節約を積み重ねなければ、お金なんて貯まらない
  第3章 生命保険は人生で住宅の次に高い買い物、
     だからマジメに選びなさい
   ― 毎月、高い保険料を払っていても、保険金がもらえない!?
  第4章 住宅ローンは固定金利と変動金利、どちらがトクなのか
   ― 借金やローンも、賢く利用すれば家計がラクになる
  第5章 家を買ったほうが、賃貸よりも本当に“正解”なのか
   ― 家の価値が下がってしまうと、売却できない
  第6章 老後にいくらの貯金があれば、安心できるのか
   ― 若いときから貯金ばかりしていても、人生は豊かにならない

ぐいぐい引き込まれるストーリーであるのはもちろん、
読めば、マネーリテラシーを高めてくれる実用性もある本です。

この本から何を活かすか?

本書のストーリーの隠れたキーとなっているのが、
「パイロキネシス」よ呼ばれる、炎を発火させる超能力。

この能力を本当に持っているのではないかと話題になったのが、
2012年にベトナムで起きた、11歳の少女による発火現象です。

ホーチミン大学で、脳波を調べると、少女の右脳から電波による
異常な数値が測定され、これがパイロキネシス現象に
影響してる可能性が指摘されているようですね。

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| マネー一般 | 14:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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幸せな選択、不幸な選択

満足度★★★
付箋数:25

「幸福」の感じ方は、人それぞれです。

同じ状況でも、それを幸福と感じる人もいれば、
逆に不幸と感じる人もいます。

では、私たちは、どのようにしたら「幸福度」を
高めることができるのでしょうか?

本書は、行動科学に基づいて、幸福になる方法を考察した本です。

著者はロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの
行動学教授、ポール・ドーランさん。

ドーランさんは、ノーベル経済学賞を受賞した
ダニエル・カーネマンさんと共同研究した方です。

本書では、まず「幸福」について、次のように定義します。

  「20年にわたって経済学、心理学、哲学および政策の接点を
  研究してきた私は、幸福を次のように定義し、
  それをしっかりと論証するに適した立場にあると思う。

  幸福とは、快楽とやりがいが持続することである。

  これは斬新で整合性のある定義だ。」

ドーランさんは、幸福であるかどうかを考えるには、
スナップ写真のように生活全般を写して評価するのではなく、
ビデオカメラで映像を撮っているときのように、
継続的に経験していることに注意を払うべきと説明しています。

そして、幸福を決める「快楽」と「やりがい」の2つの要素が、
長期的にバランスが取れていることが重要なのです。

私たちの生活で、「快楽」と「やりがい」のどちらが足りないかを
見極め、足りない方を補うと幸福感が高まるのです。

ここでドーランさんの経済学者的なものの見方として、
幸福を製造するプロセスについて考えます。

  「幸福の製造プロセスとはいったいどのようなものだろう?
  幸福を長期的に見た快楽とやりがいの量と捉えた場合、
  この問の答えは時間の使い方に関係していると
  すぐに思い至るだろう。」

ここで言う「時間の使い方」とは、注意を割り振る作業のこと。

つまり、注意を意識的に分配することで、
私たちは幸福を作り出すことができるのです。

その際に必要なのが、本書で「3つのD」と呼ばれる観点です。

  1. 決断(Deciding)
  2. 設計(Designing)
  3. 実行(Doing)

幸福を効果的に生み出すにには、この3つをうまく
つなぎ合わせることが必要なのです。

  「できるだけ幸せになるための注意の配分がうまくいっていない
  と思うときには、決断・設計・実行の3つのステップを通して、
  バランスの取れた状態を見いだせるだろう。
  決断によって、幸福に関するどんな疑問にも答えが出せるだろう。
  設計によって、導き出した答えを容易に実行に移せるようになる。
  実行によって、あなたの注意資源がスムーズに使われるようになる。
  これらは柔軟性のある原則なので、人生におけるどんな経験にも
  応用することができるはずだ。」

本書では、本編に入る前のウォームアップとして、
20項目のリストの中から、自分にとって最も幸せになれる要素を
4つ選び、その実現度を評価するエクササイズをやります。

そして本編を読み終えた後のウォームダウンとして、
最初の20項目のリストから、最も快楽をもたらしてくれるものを
2つ、最もやりがいを感じるものを2つ選ぶことで締めくくります。

最初と最後に選んだ項目の実現度の違いで、
本書を読んだ効果が実感できるはずです。

この本から何を活かすか?

なぜ、レコーディングダイエットが効果があるのか?

本書では、直接、レコーディングダイエットに言及している
訳ではありませんが、次の点が指摘されています。

  ・フィードバックを頻繁に受けることが行動に影響を与える
  ・人は自分が摂取したカロリーを少なく見積もる傾向がある

この2点から、レコーディングダイエットで食べたものを
記録すると、摂取したカロリーを正しく認識できるようになり、
同時にフィードバックも頻繁に受けられるので、
効果があることがわかります。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「偶然」の統計学

満足度★★★★
付箋数:27

  「本書のテーマは、到底起こりそうにない出来事である。
  考えれば考えるほど起こりそうにない物事がなぜ起こるかに
  ついて語っていく。だがそれだけではない。
  なぜ次々に起こるものなのかも解き明かす。
  最初は矛盾に思えるかもしれない。考えれば考えるほど起こり
  そうにないのに、いったいどうやって次々起こるというのか?
  起こりそうにないと言うからにはまれなはずだ。」

本書の著者は、インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科の
名誉教授のデイヴィッド・J・ ハンドさん。

ハンドさんは、普通に考えて、いかにも起こりそうにないことが、
なぜ次々に起こるのかについて、ほぼ数式なしで解説します。

例えば、日本でもお馴染みの「ロト6」。

これは1~43の43個の数字の中から異なる6個の数字を、
自分で選んで購入する、数字選択式の宝くじです。

抽選機による抽選が、週に2回行われます。

もし、ロト6が、「2回連続で同じ当選番号」になったら、
尋常ではないことが起こったとして、世間を驚かせることでしょう。

これが実際に、ブルガリアの国営ロトで起こりました。

ブルガリアのロト6は、1~49までの49個の数字の中から
選ぶので、日本のロト6より当選確率は低いハズです。

この異常事態の発生に、担当大臣は大掛かりな不正が行われた
可能性を疑い、調査を実施したほどです。

実は、ロト6が2回連続で同じ当選番号になる確率は、
起こってもそれほど驚く必要のない程度に起こる確率なのです。

ポイントは、「きわめてありそうにない」ことであって、
「絶対にありえない」ことではないこと。

  「超大数の法則:十分に大きな数の機会があれば、
  どれほどとっぴな物事も起こっておかしくない」

これは、試行回数を十分に多くすると、理論上の確率に近づく、
いわゆる「大数の法則」とは別の概念です。

超大数の法則は、出来事をこれと決めて、十分な数の機会を
与えたなら、1回の機会でどれほど起こりそうにないことでも、
起こってしまうという考えです。

  「同じ6個の数を選ぶ確率が2分の1を超える ― この出来事が
  起こる可能性のほうが高くなる ― には何回の抽選が
  必要だろうか。誕生日の問題と同じようにして解くと答えは
  4404回だ。抽選が毎週2回、年間104回行われるとすると、
  この回数の抽選には43年かからずに達する。」

ブルガリアで、2回連続で同じ当選番号になったのは、
ロト6が始まって53年目のことです。

実はそれだけ試行回数が多くなると、起こる確率の方が
高くなるのです。

ましてや、世界中でいくつもの国でロトの抽選が
次々と行われている事実を考えると、
どこかの国で2回連続同じ当選番号になることは、
それほど驚くべきことではないのです。

ロトで2回連続大当たり、2回連続で雷に打たれる、
3大会連続でホールインワン達成、暗殺の夢を見たあとに
暗殺されたリンカーン大統領、10万年に1度の金融危機・・・・

本書を読むと、こうした今まで「ありえない」と思っていたことが、
実はけっこう「ありえる」ことに納得できます。

数学的思考法を訓練する本ではありませんが、
確率や統計で騙されないための、
最低限のリテラシーは身につく本だと思います。

この本から何を活かすか?

本書の「ありえなさの原理」は、到底起こりそうにない出来事が
起こることを説明するもので、次の5つの法則からなっています。

  ・不可避の法則
  ・超大数の法則
  ・選択の法則
  ・近いのは同じの法則
  ・確率てこの法則

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| 数学 | 06:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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自分の価値を最大化するクオリフィケーション思考

満足度★★★
付箋数:23

本書のプロローグには、日本企業とグローバル企業の
人材に対する「評価基準の違い」を象徴するエピソードが
紹介されていました。

あるアメリカ企業の日本支社の採用担当者は、
新卒採用にに関して、次のような悩みを持っていたそうです。

  「グローバルの統一基準だと、日本人の大卒・大学院卒を1人も
  採用することができなくなってしまう」

この企業の採用は、最初にエントリーシートで優秀な人材を選抜し、
次にグループディスカッションを行い、最後に個別の面談を
実施する過程を経ます。

しかし、いくらエントリーシートで、優秀な人材を選抜しても、
面接に進む前のグループディスカッションで全員落とすしかない
状況だったそうです。

グループディスカッションに参加した人は、みな一流大学出身で、
TOEICで高スコアを持つ、日系企業なら喉から手がでるほど
欲しいと思われる人材でした。

結局、この企業は日本支社での採用基準を下げて、
新卒を採用することにしました。

ただし、不公平が生じないように、日本の新卒のジョブグレイド
(職位)を下げて採用するという条件付きで。

もちろんジョブグレイドが高ければ、早くマネジメントの仕事に
就けますから、低いジョブグレイドからスタートすることは、
採用されて時点で大きなハンデを負うことを意味します。

日本企業の採用基準とグローバル企業の採用基準では、
いったい何が違うのでしょうか?

その違いを示すのが、本書で説明される「クオリフィケーション」。

クオリフィケーションとは、もともと資格やスキルを指す
言葉ですが、著者の池田哲平さんは、もう少し広義で捉えています。

本書では、「相手がどの国の人であっても、ビジネスパーソン
として評価され、必要とされるための “資質”  “市場価値” 」
と定義されています。

では、クオリフィケーションを身につけるには、
どのようにしたらいいのでしょうか?

池田さんは、次の4つの行動規範を変えることによって、
クオリフィケーションが高まると説明します。

  1. 働く姿勢・心構えを変える
  2. コミュニケーションの方法を変える
  3. 見た目・立ち振る舞いを変える
  4. いい人脈を築く

この4つの行動規範を本書では、「クオリフィケーション思考」
と呼びます。

一度、クオリフィケーション思考を身につけてしまえば、
後は過去の経歴に関係なく、キャリアを積み重ねていくことが
できるようです。

「でも、それってグローバル企業の話でしょう?
日本の中小企業に勤めている私には関係ない」

このように思った方もいるかもしれませんが、
池田さんは、近い将来、日本の大企業・中小企業でも
同じ資質が求められるようになると考えています。

個人的には、すぐにそう変わるようには思えませんが、
本書で身につける力の本質は、相手が誰であっても
評価を得られる能力ですから、ビジネスパーソンなら、
身につけておくべき考え方だと思いました。

この本から何を活かすか?

あなたは、1軒の常連の店を作る派ですか?
それとも100軒の店を訪問する派ですか?

クオリフィケーションを高めるのは、
「100軒の店を訪問する」方です。

同じ店に通い続けるのは、自分と価値観の同じ、
居心地のいい場所に居続けるということ。

自分の価値を最大化するには、居心地の悪い場所でも、
できるだけ多様な価値観に触れる必要があるようです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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社内プレゼンの資料作成術

満足度★★★
付箋数:26

本書は、プレゼンでも「社内プレゼン」に特化した本です。

著者は、ソフトバンク在籍時には、あの孫正義さんから、
何度も「一発承認」をもらった実績を持つ前田鎌利さん。

前田さんは現在、プレゼン講師として独立し、
多くの企業から依頼を受け、研修を行っているそうです。

社内プレゼンの目的は、決裁者に瞬時に意思決定してもらい、
素速く実行に移すことです。

ですから、一般的な社外向けのプレゼンとは
異なるノウハウが必要です。

不特定多数の人を惹きつけるパフォーマンスや、
感情に訴えて共感を得るストーリーは必要はありません。

スティーブ・ジョブズさんのような、聴衆を魅了する
特別な才能がなくても大丈夫なのです。

なぜなら、社内プレゼンの対象は、決裁者のみだからです。

重要なのは、感情ではなくロジックで納得してもらうこと。

そして、決裁者には時間がありませんから、
判断に必要な情報だけをシンプルに伝えなければなりません。

あれも大事、これも大事と情報を盛り込み過ぎると、
判断に時間がかかるだけでなく、不要なツッコミどころを
増やしてしまうことになるのです。

社内プレゼンに必要なロジックは、たった1パターンのみ。

  「課題(どんな課題があるのか?)」 → 「原因(その課題が
  生まれる原因は何か?)」 → 「解決策(その原因を解消する
  具体策の提案)」 → 「効果(実施した場合の効果予測)」

また、本書で前田さんは、社内プレゼンで絶対に押さえるべき
3つのポイントを挙げています。

  1. 財務的視点 「本当に利益を生み出すのか?」
  2. 実現可能性 「本当に現場でうまく回せるのか?」
  3. 経営理念との整合性 「会社の理念と合っているのか?」

では、この3つのポイントをロジックで示すには、
どのようにすればいいのでしょうか?

その成否のカギを握るのは「資料」です。

  「私は、社内プレゼンは “資料(スライド)で9割決まる” と
  考えています。決裁者が意思決定するために必要な情報が、
  わかりやすく説得力をもって展開される資料を
  つくることができれば、当日は、それに沿って話すだけでOK。
  資料の内容に自信があれば、話し方にも自然と自信が備わります。
  その意味では、 “資料が10割” と言ってもいいほどです。」

本書では、決裁スピードを上げ一点突破する資料に
徹底的にこだわって、その作り方を解説します。

  ・スライドは「5~9枚」でまとめる
  ・社内プレゼン資料は「4つのパーツ」で構成される
  ・プレゼン資料は、「根拠→結論」を積み上げる
  ・本編スライドは、最も「骨太な要素」だけで構成する
  ・2案を提案して、採択率を上げる
  ・キーメッセージは13文字以内にまとめる
  ・「1分バージョン」も用意しておく

今まで、汎用的なプレゼン本を読んで、そのテクニックが
社内プレゼンで通用するかどうか判断に迷っていた方は、
本書を読むと、そんな悩みは瞬時に解決します。

社内プレゼンをする機会が多い方は、職場に一冊置いておくと
心強い本だと思います。

この本から何を活かすか?

  グラフは「左」、メッセージは「右」

一般的にグラフとメッセージを縦に並べたスライドを
よく目にします。

しかし、グラフとメッセージは縦に並べず、横に並べた方が、
脳内でスムーズに情報処理できるため、決裁者の判断が
早くなるそうです。

左目からの情報はビジュアル処理の得意な右脳へ入り、
右目からの情報は文字情報の処理が得意な左脳へ入る。

そのため、グラフは左に配置し、キーメッセージは右に
配置することを本書では勧めています。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 12:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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