活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2015年07月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年09月

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確率を攻略する

満足度★★★
付箋数:23

100万枚の「宝くじ」があります。
中に1枚だけ当たりが入っていて、それが400000番だったとします。

この宝くじを「1枚だけ引くとき」の当たる確率はいくらか?

100万枚の宝くじの中に、1枚だけ当たりが入っているので、
普通は、当たる確率は「100万分の1」と考えます。

しかし、この考えに反論したのが数学者がいます。

それは、確率論について業績を残した20世紀の数学者、
フォン・ミーゼスさんです。

ミーゼスさんは、次のように指摘しました。

個々の宝くじ、1枚1枚を取りあげて、「その宝くじの当たる確率」
などを考えるのは意味がない。

なぜなら、400000番以外なら「はずれ」、400000番なら「当たり」
と確定しているから。

それは可能性ではなく、「確定的」。

したがって、「宝くじの当たりやすさ」を表したいなら、
100万枚をひとまとめにしてみて初めて意味が生まれる。

当たる確率が「100万分の1」というのは、
「1枚だけ引くとき」の当たる確率という意味ではなく、
「100万枚の中のどれか1枚が当たり」という意味であると。

確かに、「1回の試行における確からしさ」は、あくまで
概念的なもので、その1回の観測からは何も導き出せません。

例えば、医者が「あなたの病気はこの薬の投与で8割は治るはず」
と言った場合、もし治らなければ、「あなたは不運な2割の可能性
のほうが起きた」と言い訳することができます。

同じく金融商品でも、「儲かる可能性が8割」と説明して販売し、
損をした場合は同様の言い訳で責任回避が可能です。

こういった側面を持つことが、確率を難しく感じさせる
理由の1つです。

さて、本書では3つの意味で確率を「攻略」します。

  ・数学者が確率を攻略する
  ・あなたが確率を攻略する
  ・コイン投げだけで攻略する

本書は、数学者たちが確率を攻略してきたプロセスを描きます。

次に、確率というものがわからなくなってしまった、
あなたが確率をわかるように攻略します。

そして、その説明を「コイン投げ」だけを例に
すべての理論を説明します。

  「確率の考え方が数学概念として誕生したのは、今から300年
  くらい前のことである。したがって、確率の理論は2000年以上もの
  歴史を持つ数学の中でも比較的新しいものなのだ。
  確率の概念を生み出したのは、17世紀フランスの2人の数学者、
  パスカルとフェルマーである。パスカルのサロンでの知り合いに
  メレというギャンブラーがいて、メレから賭けについての相談が
  ことの始まりだった。パスカルは親しい数学者フェルマーとの
  文通によって、メレの問題への解決を与えた。」

確率は誕生から現在まで、キャンブルを攻略するための道具
という側面を持ちます。

それは、「世界の時間的な分岐のあり方」を捉えようとする概念。

  「確率とはギャンブルの理論である。そして、人生はギャンブル
  そのものである。だから、確率こそが、人間の運命や生き様を
  浮かび上がらせ、その悲喜交々を解き明かせる道具なのである。」

著者の小島寛之さんは、このように語り、本書でゲーム論的確率の
最新理論までを紹介します。

ただし、数式などは普通に出てきますから、ある程度数学の
素養がないと、本書を「攻略」することは難しいと思います。

本気で確率を攻略しようと考える人向きの本です。

この本から何を活かすか?

ギャンブルでのマルチンゲール戦略とは、負けている限り、
賭け金を倍々に増やしていく戦略。

数学的には、いつかすべての負けを取り返し、プラスの収益を
得ることができるが、現実的には無限の資金を必要とするため、
この戦略を用いる人のほとんどが破綻してしまいます。

このマルチンゲール戦略に由来する「マルチンゲール理論」とは、
反対の意味で使われ、誰もが絶対的に得をするようなことのない
公平な賭けのプロセスを表現するもののようです。

これを説明している章も、なかなか難しかった・・・・。
もう一度、時間をかけて読んでみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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