活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2015年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年08月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

日本経済を「見通す」力

満足度★★★
付箋数:22

  伊藤 アベノミクスの三本の矢の、一番目の矢(大胆な金融政策)
     と2番目の矢(機動的な財政政策)は、もう放たれました。
     (中略)そこで、いま注目が集まっているのが、
     第三の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」です。
     この第三の矢は、誤解している人が多いようなので、
     ちょっと質問してみましょう。
     第三の矢は、成長戦略だと思っている人、どれくらいいますか。

  受講生 はい。成長戦略という名前がついているのですから。

  伊藤 実は、これは×なのです。
     罰ゲームはありませんから安心してください。

本書は、安倍政権の経済財政諮問会議民間議員を務める、
東京大学大学院経済学研究科教授の伊藤元重さんが、
行った講義をまとめたもの。

2014年10月から11月にかけて慶應丸の内シティキャンパスで、
少人数のビジネスパーソン向けに行われた講義です。

これからのビジネスでは、目先の仕事だけをこなすだけは、
立ち行かなくなります。

日本経済や世界経済がどのように動くかを読み、
そこから現在の仕事を考える洞察も必要となります。

本書では、今後のビジネスには欠かせない、
日本経済を「見通す」力を、5回の講義によって身につけます。

第一講義のテーマは、「アベノミクスの衝撃」。

アベノミクスは日本経済にどのような影響をもたらしたのか。
アベノミクスで変わりつつある日本経済とデフレ脱却の
意味について考えます。

第二講義のテーマは、「経済再生と財政再建」。

日本が経済再生を実現しつつ財政再建を果たすには何が必要なのか。
ギリシャやポルトガルとの比較も交えながら、日本が直面する
問題をあぶりだします。

第三講義のテーマは、「変わる日本の産業構造」。

少子高齢化とグローバル化で大きく変わりつつある日本の産業構造。
海外の事例を参照し、日本の企業が生き残るためにとるべき
戦略について考えます。

第四講義のテーマは、「TPPとグローバル経済」。

グローバル化の展開の中で、ディーパー・インテグレーション
(より深い経済統合)の波をうまく取り込んでゆくには、
日本経済はどのような方向に向かうべきかを考察します。

第五講義のテーマは、「日本経済の政策について」。

TPPと農業問題、成長産業としての医療の課題、人口問題、
地方と大都市の問題、教育や雇用の問題などにも対象を広げて、
講座全体のまとめとしての政策議論を展開します。

受講生のみなさんも、専門家ではありませんが、
それなりに政治や経済の仕組みがわる方が参加しています。

よくある「高校生相手に講義しました」的な
噛み砕くことだけを重視した講義ではありません。

伊藤さんが受講生の質問に答えるだけでなく、
議論を深める方向に話を振って、一方的な講義に
終始していないところが、本書の面白いところです。

この本から何を活かすか?

  伊藤さんのユニクロでの行動

ヒートテックが話題になった頃、伊藤さんは奥さんと
世田谷のユニクロに買い物に行ったそうです。

奥さんは買い物に夢中になってしまったので、
伊藤さんはヒートテックの靴下の前に取り残されました。

それから1時間、伊藤さんはそこでじっと観察しました。

色やサイズはいくつもありますが、デザインは2つだけ。
観察した1時間で60足が売れたそうです。

ここから、あれこれと計算します。

1日12時間の開店しているとすると、60足×12時間=720足。
全国に仮に2000店あるとすると、140万足が1日に売れる数。
ひと月30日の営業とすると、2種類の靴下で4200万足になる。

このような計算をして、ユニクロの強さを実感したようです。

一流の経済学者ともなると、ショッピングで置いて行かれても
考えることが違いますね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 経済・行動経済学 | 08:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |