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問いかける技術

問いかける技術――確かな人間関係と優れた組織をつくる問いかける技術――確かな人間関係と優れた組織をつくる
(2014/11/26)
エドガー・H・シャイン

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kindle版 問いかける技術 ― 確かな人間関係と優れた組織をつくる

満足度★★★
付箋数:23

  ・話し合いが良からぬ方向へ逸れてしまった。
  ・こちらからの助言として最良のものが無視された。
  ・人から忠告されて自分が不愉快になった。
  ・言ってくれれば状況を改善できた、または落とし穴を回避
   できたかもしれないのに、部下がそれを報告してくれなった。
  ・議論が泥沼化して歩み寄れなくなり、互いに傷つけ合った。

よくこのような事態に陥ることがありますが、
いったいどこで道を誤ったのでしょうか?

本書の著者、MITの名誉教授のエドガー・シャインさんは、
そのような事態に陥らないために、次の3つのことを
自分に言い聞かせる必要があると指摘します。

  1. 自分から一方的に話すのを控える
  2. 「謙虚に問いかける」という姿勢を学び、
   相手にもっと質問するように心がける
  3. 傾聴し、相手を認める努力をする

話すのを控えて、相手に質問するだけでは不十分です。
それだけでは、互いに信頼できる人間関係は築けません。

もし、自分のほうが相手よりも一段高い位置にあることを
証明したいと心のどこかで思っていたら、
その気持がつい態度に表れてしまうからです。

本書では、「謙虚に問いかける(Humble Inquiry)」によって、
より良いコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことを目指します。

  「 “謙虚に問いかける” は、相手の警戒心をとくことができる
  手法であり、自分では答えが見いだせないことについて
  質問する技術であり、その人のことを理解したいという純粋な
  気持ちをもって関係を築いていくための流儀である。」

単に「問いかけ」といっても、相手の思考プロセスに影響を与える
「診断的な問いかけ」もあれば、質問という形をとりつつも
自分の考えを差し挟むだけの「対決的な問いかけ」などもあります。

これらの「問いかけ」に対して、「謙虚に問いかける」は、
自分よりも相手を立て、自分が知らないということを積極的に認め、
相手に興味を持っていることを伝えます。

本書では、多くの実例から、「謙虚に問いかける」姿勢を学びます。

ちなみに本書は、シャインさんの前著、2009年8月に刊行された
人を助けるとはどういうことか』の考えを更に推し進めたもの。

理論のベースは組織心理学であり、前著で示された「支援学」の
流儀をより身近にかつ幅広い状況に適用しています。

しっかりとした理論体系に立脚しているところが、
いわゆる自己啓発書とは違うところです。

理論があるからと言って、難解な説明はなく、平易な言葉で
人間関係とコミュニケーションの原理・原則が語られています。

この本から何を活かすか?

「妻のメアリーをお茶に誘おう」という事例では、
若かりしころのシャインさんが、「謙虚な問いかけ」を
実践できなかった事例が紹介されていました。

シャインさんは新婚当時、MBA取得を目指す学生向けに
はじめて社会心理学の授業を担当することになり、
毎晩遅くまで講義の準備にかかりきりになっていたそうです。

奥さんのメアリーさんは、幾度となくシャインさんに
ひと休みするように勧め、お茶に出かけようと提案ました。

しかし、シャインさんは「悪いけど、忙しんだ。
講義の準備を終わらせてしまわないと」と言って、
いつもその誘いを断ったそうです。

シャインさんは当時を振り返り、「はっきり断る」でも
「お茶に行く」でもない第3の選択肢、「謙虚な問いかけ」を
実践できなかったことを後悔しています。

  「謙虚に問いかける。メアリーの気持ちを考え、
  しばらく彼女と向き合い、そのあいだは彼女だけに意識を集中させる。
  悩んでいることがあるなら話して欲しいと親身になって
  やさしく尋ね “少し話そう” と提案する。
  今になって思うと、私はこれをすべきだったのだ。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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