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マクドナルド 失敗の本質

マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデルマクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル
(2015/01/30)
小川 孔輔

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kindle版 マクドナルド 失敗の本質―賞味期限切れのビジネスモデル

満足度★★★
付箋数:23

経営の危機に立たされている、日本マクドナルド。

2014年夏には、使用期限切れの鳥肉を使用していた
問題が発覚し、2015年1月には「人の歯」や「ビニール片」など
異物が混入していた事実が全国で報告されました。

しかし、マクドナルド失速の予兆は2012年初め頃から
データに現れ始めていたと言います。

その1つが、JCSI顧客満足度指数の急落です。

2010年の調査ではCS順位が飲食業界21社中14位で
中位グループに位置していましたが、2012年の調査では
最下位集団に入り、2013年には24社中最下位に転落。

また、2013年12月期の決算では売上高は前期比▲11.6%、
営業利益は▲53.3%と、大幅の減収減益。

更に2014年通期連結決算では、過去最大となる218億円の赤字を
計上したと発表されたのは、記憶に新しいところです。

なぜ、外食の雄、マクドナルドは失墜してしまったのか?

マーケティング研究者として、10年以上、マクドナルドを
追いかけてきた法政大学経営大学院教授の小川孔輔さんが、
本書でその真相に迫ります。

藤田田さんから原田泳幸さんに経営が引き継がれ、
マクドナルドは2004年からV字回復を見せていました。

しかし、その時点から小川さんは、次の5つの課題が
克服されない限り、マクドナルドの未来は厳しいと
指摘していました。

  1. 為替レートの反転
  2. 高齢化社会の到来
  3. 食文化の和風回帰
  4. 後継経営者の不在
  5. 安価で良質な労働力の確保

結局、現時点でもこれらの根本的な課題への対処は
なされていませんから、ここしばらくマクドナルドが
復活することはないのかもしれません。

本書では、一般に公開されている資料やデータから、
凋落の原因を探ります。

興味深いのは藤田さんが指揮を執った最後の10年間と、
原田さんバトンタッチされてからの10年間で、
売上高のカーブが、ほぼ同じ曲線を描いていることです。

もともと、現地適応のローカルモデルを推進し、
日本的温情主義的だった藤田さんと、米国式経営で、
グローバルスタンダードを目指した原田さんでは
マネジメントスタイルが異なります。

しかし、どちらも右肩上がりだった売上高が、
戦略転換後の8年目で経営危機に陥ったことが酷似しています。

小川さんは、この不思議な一致の裏に、
共通する3つの要因があると指摘します。

  ・マーケティングの失敗

  どちらも短期的なマーケティング施策に走ってしまったことが、
  行く先を危うくしてしまった。

  ・サービスのトライアングルの崩壊

  サービスを支えていた企業、顧客、従業員のトライアングルが
  アルバイトを含む従業員の所から崩れてしまった。

  ・画期的なイノベーションの不足

  日本マクドナルドのみならず、米国のマクドナルド本体でも
  減収減益の決算となっていますが、その原因は抜本的な
  イノベーションが起こらず、ビジネスモデル自体が古く
  なってしまったため。

これは10年のスパンで、市場環境が大きく変化し、
その期間に根本的な改革やイノベーションがなければ、
淘汰されてしまうということなのでしょう。

この本から何を活かすか?

  2014年のCS調査では痛々しい限りのマクドナルド

「美味しさ」でマクドナルドはモスに負けているのはわかりますが、
吉野家よりも低い評価になっているのは深刻です。

また、かつてマクドナルドの売りだった「お値打ち感」や
「ロイヤリティ」も他社に比べて極端に下がっています。

セットメニューでモスと30円しか価格差がなくなっては、
このような結果になるのも致し方ないところでしょうか。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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