活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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チェンジング・ブルー

チェンジング・ブルー――気候変動の謎に迫る (岩波現代文庫)チェンジング・ブルー――気候変動の謎に迫る (岩波現代文庫)
(2015/01/16)
大河内 直彦

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満足度★★★★★
付箋数:22

  「本書では、現在だけでなく、過去数万年の間に起こった
  気候変動を、おもな題材にしている。 “過去数万年の気候変動
  なんて長すぎて、今起きつつある気候変動には役に立たないさ”
  という意見をしばしば耳にする。そう考えるのも無理はない
  かもしれない。太古の昔に起きた気候変動なんか、
  記録の質は悪いし、そもそも古臭い。しかし、本書で解説するように、
  気候変動のからくりを理解するために、かつて起きた
  気候変動に関する知識が役立つのはまぎれもない事実だ。
  気候変動のからくりの理解なしには、いくら高速のコンピュータを
  使ってシミュレーションしたところで、数字合わせが関の山だ。
  残念なことだが、そのことは一般にはあまり理解されていないようだ。」

第25回講談社科学出版賞を受賞した、
大河内直彦さんの傑作科学ノンフィクションが
文庫化されました。

人によっては、講談社の賞を受賞した本というより、
成毛眞さんの「オールタイム・ベスト10」に入っている本、
と言った方が刺さるかもしれません。

単行本で3000円払っても全く惜しくないスゴイ作品なのに、
それが文庫化されたのですから、読まない手はありません。

「文庫なのに1300円もするのは、ちょっと高い」と
思ったあなた、それは大きな間違いです。

1500円前後の下手なビジネス書を買うより、よっぽどいい。

本書を読み始めると、そんな比較をしてしまったことが、
大河内さんに失礼だったと感じてしまうほどです。

本書は科学的な根拠やデータをもとにして、
地球温暖化の根源に潜む、気候変動の謎に迫りますが、
そのストーリー展開に思わず引き込まれてしまう、
サイエンス・ノンフィクションの一級品です。

  第1章 海をめざせ!
  第2章 暗号の解読
  第3章 失われた巨大氷床を求めて
  第4章 周期変動の謎
  第5章 気候の成り立ち
  第6章 悪役登場
  第7章 放射性炭素の光と影
  第8章 気候変動のスイッチ
  第9章 もうひとつの探検
  第10章 地球最後の秘境へ
  第11章 気候が変わるには数十年で十分だ
  第12章 気候変動クロニクル
  第13章 気候変動のからくり

地球温暖化というテーマはキャッチーですから、
しばしば政治的な道具に利用されることがあります。

しかし、本書はあくまで純粋に科学者の視点で、
気候変動に起こったパラダイムシフトを描きます。

また、それに携わった研究者たちの歴史や
人間ドラマも独特の語り口で書かれていますから、
本書は魅力的なのだと思います。

  「過去に起きた気候変動を知らずして気候を理解しようと
  することは、あたかも国の歴史を知らずにその国を
  理解しようとするものだ。一時的な政情や経済事情だけで
  国を理解しようとしても、それには限界がある。
  本書では、気候変動の研究に生涯を捧げた研究者たちの
  くり広げたクロニクルとともに、 “気候” という怪物の
  ベールを剥いで、その素顔を垣間見ることにしよう。」

この本から何を活かすか?

本書は、ポピュラーサインエンス本では、
個人的には、福岡伸一さんの『生物と無生物のあいだ』に
出会ったときぐらいの衝撃がありました。

また、あえて小説に喩えるとジェイムズ・P・ホーガンさんの
星を継ぐもの』を読んでいるような感覚です。

これだけ質が高いノンフィクションを読むと、
大河内さん次作を読みたいと思う反面、次を読んで
失望したくないという妙な感情さえ出てきてしまいます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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