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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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ようこそ「多変量解析」クラブへ

ようこそ「多変量解析」クラブへ 何をどう計算するのか (ブルーバックス)ようこそ「多変量解析」クラブへ 何をどう計算するのか (ブルーバックス)
(2014/11/21)
小野田 博一

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満足度★★★
付箋数:19

複数の種類のデータを統計的に分析する「多変量解析」。

主成分分析、因子分析、回帰分析、クラスター分析などの
種類があります。

多変量解析を行う目的は、データの関連性を明らかにすること。

しかし、事前に予想つかなかったことが、分析によって
浮かび上がってくるというより、分析者が考えている仮説を
統計的に理由付けするのが主な使い方です。

特に因子分析は、どんな結果を導き出すかを、分析者本人が
決めるので、分析者は扱うデータに詳しくなくてはなりません。

扱うデータのことをよく知らない人が因子分析すると、
確実にトホホな結果を導き出してしまう。

例えば、囲碁のことを全然知らない人が囲碁の能力について
因子分析しても、見る価値のある結果は得られません。

かつては、計算が困難で研究者用の道具だった多変量解析も、
最近ではコンピュータの発展と分析ツールの普及で、
一般のビジネスパーソンでも使うことができる時代となりました。

しかし、統計ソフトで分析結果をはじき出すことはできても、
そこで何が行われているかを知っている人は多くありません。

どの統計手法を選べばいいのか、どのデータから分析すれば
いいのか、出てきた結果をどう解釈したらいいのか。

そういったことが分からないまま、こわごわと統計ソフトを
使っている人も多いはずです。

本書は、多変量解析の入門書を読む前に読む本。
あるいは、入門書を読んでも理解できなかった人が読む本です。

著者は、私にとってはブルーバックスの「論理パズルの本」で
馴染みのある小野田博一さんです。

本書は高校の数学クラブに所属する3人の女子高生、
紫(ゆかり)、早紀(さき)、鈴(すず)が、
文化祭の出し物として「多変量解析」をテーマにすることを
話し合う設定で書かれています。

多変量解析に詳しい早紀が、ほとんど知らない紫と鈴に
説明する会話形式で進みますから、一般的な統計の入門書より、
取っつき易いと思います。

  紫:文化祭の話なんだけど、占いみたいなこともできると
    いいわね。

  早紀:できるよ。

  鈴:ええーっ! 早紀さん、占いできるんですか?

  早紀:違うよぉ。多変量解析で占い「みたいな」ことするの。
     正確に言うと、占いじゃなくて、予測なんだけど、
     未来の予測なら、ちょっと占いみたいだものね。

  鈴:「今日の運勢は大吉」みたいなこと、できますか?

  早紀:できるよ。運勢の良し悪しを数値で予測して、
     その数値が大吉・中吉などの範囲にあたるかを
     見ればいいのよ。

ただし、いくら会話形式で進んでいても、本書を読むには、
最低限、高校数学の「行列」の知識が必要です。

また、実際にある程度、手を動かして計算してみなければ、
頭に入って来ないので、文系の方がサラッと読み流して
簡単に理解できる本ではありません。

計算過程が丁寧に示されているので、それを読んだり、
一緒に計算するのが苦でなければ、
今まで漠然としか理解できていなかった多変量解析が、
自信を持って使えるようになると思います。

この本から何を活かすか?

  何かを新たに学ぶときの王道

  「わからない事柄にはこだわらず、容易に理解できることだけを
  どんどん多量に理解していくのが、学ぶ方法としてもっとも
  効率がよいのです。はじめわからなかったことも、理解量が
  増えたあとでは自然にわかるようになっていることは多い。」

確かに、最初に理解できないことに突き当たったときに、
どう対処するかで、それを習得できるかが決まりますね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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