活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2014年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年01月

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直感を裏切る数学

直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法 (ブルーバックス)直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法 (ブルーバックス)
(2014/11/21)
神永 正博

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満足度★★★
付箋数:23

所持金100ドルから始める、次の2つのゲームがあります。

  ゲームA
   48%の確率で、所持金が1ドル増える。
   52%の確率で、所持金が1ドル減る。

このゲームでは、1ドル増える確率より減る確率の方が
高いので、試行回数を増やすほど負け越す可能性が高くなり、
長期的には、ほぼ確実に所持金が減ってしまいます。

ルーレットで、毎回1ドルずつ、ひたすら黒に
張り続けるようなものですね。

  ゲームB
   所持金が3の倍数になっているとき、勝率は1%。
   それ以外では勝率85%。
   勝つと1ドル増え、負けると1ドル減る。

こちらは、ちょっと変わったゲームです。

100ドルから始めた時点で、所持金が1ドル増えて、
101ドルになる可能性が85%です。

次に101ドルから1ドル増える確率も85%。

しかし、102ドルになると3の倍数ですから、
99%の確率で負けて101ドルに戻ってしまいます。

ここで101ドルと102ドルを行ったり来たりする
振動現象が起こる可能性が高くなります。

この振動現象のサイクルから抜け出すのは、
偶然勝ちが続いたり、負けが続いたりする場合です。

ここでは掛け金が減る方が高確率なので、
試行回数を増やすと、じわじわと所持金は減っていきます。

ちなみに、最初の所持金100ドルの時点で、
負ける確率は15%あるので、そうなると99ドルで3の倍数となり、
99%の確率で98ドルに減ってしまいます。

さて、負ける確率が高いゲームAとBを組み合わせると、
その勝敗はいったいどうなるのでしょうか?

「直感」で考えると、負けと負けを組み合わせても、
やはり負けることになリそうです。

しかし、50%の確率でゲームAを行い、
50%の確率でゲームBを行うだけで、
所持金が増える勝ちゲームにできるのです。

このアイディアを思いついたのが、
マドリード・コンプルテンセ大学で物理学を教える
ユアン・パロンド教授です。

そのためこの問題は「パロンドのパラドックス
(パロンドのゲーム)」と呼ばれています。

負けるゲームと負けるゲームを組み合わせて、
勝つゲームにできる理由は、長くなるので本書に譲りますが、
本書はこのような「直感を裏切る」20のトピックスが
紹介されています。

比率の魔術、ベイズの定理、ジップの法則、ベンフォードの法則、
恐怖の誕生日、待ち行列、ビュフォンの針、ふたと50ペンス、
ルパート公の問題、空間充填曲線、モンティ・ホールの穴・・・

本書では、直感を裏切る問題を楽しみながら、
実は努力の積み重ねが何より重要であることを学びます。

  「天才は才能があるからひらめくのではなく、
  たくさん考えるからひらめくのです。数学に “直感” という
  近道はありません。結局は、問題を粘り強く考え続けること、
  論理を一つ一つ丁寧に追いかけることが、
  正解への唯一の道なのです。」

この本から何を活かすか?

Aさんは健康診断で行った胃のX線検査で、
「要精密検査」と結果が出ました。

  ・検診を受ける人の1000人に1人は、実際に癌に罹っている
  ・癌の人が要精密検査となる率は90%
  ・本当は癌に罹っていないのに、陽性反応が出て
   精密検査に回される確率は10%

この条件のとき、Aさんが癌である確率は、
非常に高いと言えるのでしょうか?

これは迷惑メールのフィルターで応用されている、
「ベイズの定理」で考える条件付き確率です。

今回の条件だと、実際に癌である確率は0.99%ほどで、
決して高いとは言えないようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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