活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2014年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年01月

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年末年始の休載について

これで、2014年の更新は最後となります。

今年も、沢山の方にお読みいただきまして、
ありがとうございました。

年明けは、1月5日からの再開を予定しています。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、みなさま、よい年をお迎えください。

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| お知らせ | 07:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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残酷な20年後の世界を見据えて働くということ

残酷な20年後の世界を見据えて働くということ残酷な20年後の世界を見据えて働くということ
(2014/11/22)
岩崎 日出俊

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満足度★★★
付箋数:24

  「私はずっと “キャッシュフローを予測する” ということを
  仕事としてきた。(中略)
   “10年後、20年後のキャッシュフローを引く” こうしたことを
  過去40年近くやってきた金融アナリストの立場から、
   “これから先” の世界を見通してみたのが本書だ。
  そこで見えてくる世界は今の若い人たちにとって、ある意味、
  残酷なものだ。だからこその残酷な海を泳ぎ切るには
   “浮輪” や “いかだ” あるいは “帆船” といった装備や武器が
  必要だと思う。」

本書の著者、岩崎日出俊さんは、日本興業銀行を経て、
J.P.モルガン、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズなどの
投資銀行でマネージング・ディレクターとして働き、
現在は経営コンサルタント会社を起業・経営している方です。

キャッシュフローの面から企業の将来を予測し、
長年、投資判断をしてきました。

本書では、そんな岩崎さんの未来予測と、
その未来に対して、今どのような準備をすべきで、
今後、どう判断を下すべきかのヒントが示されています。

  「今後20年間で世界の人口は15億人も増加する。
  それは中国一国が新たに地球上に出現するに等しい。
  一方で、日本を襲う恐怖は人口減少。それは現在の東京都が
  全部消滅してしまうに等しいものである。」

こういった20年後の人口予測は、特に目新しい物ではありません。

しかし、違いが出てくるのは「空、雨、傘」のフレームワーク
で言うと、「傘」の部分でしょうか。

現在の出生率というファクトを見るのが「空」です。

その出生率から20年後の人口や社会環境を予測するのが、
インサイトの部分となる「雨」。

そして、その予測される未来に対して、今からどんな
アクションを起こすかが「傘」になります。

ここのアクションの部分に、金融畑で豊富な経験を持つ
岩崎さんの洞察が示されています。

  第1章 今から20年後の世界人口は87億人。
      一方でシビアな状況を迎える日本
  第2章 勃興する成長産業に目をつけろ
  第3章 パイ(売上高と営業利益)が大きくなる企業の見抜き方
  第4章 なくなる職種、絶対なくならない職種、
      新たに求められる職種
  第5章 狩猟的職業選択のススメ、定住的職業選択のリスク
  第6章 バイリンガル的な語学力は必須
      そのうえで差がつくスキルとは
  第7章 未来情報を織り込むマーケットと向き合い、
      胆力と察知力を身につける方法
  第8章 年収1000万円超になっても、
      「激務」だけが残る働き方を目指すべきではない
  第9章 「働きがい」を因数分解しながら、さらなる成長を目指せ
  第10章 苛烈な資本主義(レッド・オーシャン)に
       取り込まれない働き方が起業であるとの逆説

本書は20年先を見越していますから、メインターゲットとなる
読者は、これから就職する学生や、若手のビジネスパーソンです。

しかし、40代以降のビジネスパーソンにとっても、
自分たちが創る未来ですから、決して他人ごとではありません。

本書は、20年後に引退しているかもしれないビジネスパーソンにも、
残されたキャリアの中で、何をすることがベストなのかを
考えさせられます。

この本から何を活かすか?

あのウォーレン・バフェットさんも師の一人と仰ぐ
フィッシャーの「超」成長株投資』で知られる、
稀代の株式投資家、フィリップ・フィッシャーさん。

フィッシャーさんで有名なのが、企業の成長性を見つけるための
「フィッシャーの15原則」です。

実は岩崎さんが興銀に勤めていたときに使っていた、
貸出先の企業を審査する「審査報告書」の構成が、
「フィッシャーの15原則」と非常に似ていたそうです。

この15原則でチェックすれば、現在あなたの勤めている企業や、
これから勤めようとしている企業の将来性が見えてくる。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 07:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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本棚にもルールがある

本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか
(2014/12/05)
成毛眞

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kindle版 本棚にもルールがある

満足度★★★
付箋数:22

  「長年、読書を人生最大の楽しみとしてきた私にとって、
  読んだ本をどうするかは頭を悩ませ続けた問題だった。
  取っておくのか、捨てるのか、売るのか。取っておくなら
  どんな形で取っておくのか。本棚に並べるのか、箱に収めるのか、
  それともいっそ、私設図書館でも開設するのか。」

本、1冊1冊は、それほどスペースを取らなくても、
次から次へと新しい本が増えてしまうのが、
読書家に共通する悩みです。

いっそ、本はすべて図書館から借りて読むと割り切るのも
一つの方法です。

お金もかからないし、本の置き場にも困らない。

しかし、すぐに新しい本が読みたくなったり、どうしても手元に
置いておきたい本や、書き込みをしたい本も出てきますから、
すべてを買わずに済ませることは難しい。

やはり、いつかは「本の置き場所」問題に直面します。

本書は、『面白い本 』などを紹介することで知られる
成毛眞さんが出した「本棚のルール」の結論。

こういった、読書家の人が掲げる理想の本棚だと、
壁一面が備え付けの本棚だったり、
何千冊も所蔵できる書庫があったりする場合があります。

そこまで理想的過ぎると、いくらそうしたくても、
スペースの問題や、かけられるお金がないなどの理由で、
簡単にマネすることができません。

しかし、成毛さんが挙げる「本棚のルール」はかなり現実的。

本棚がない人は、やはり買った方がいいですが、
何十万円もするような高価な本棚や、設置工事が必要な
本棚は必要ありません。

推奨されていた本棚は2つあり、
IKEAの「KALLAX シェルフユニット バーチ調」が1万円前後、
無印良品の「スタッキングシェルフセット・5段×2列
でも3万円台前半の価格です。

「ルール」が中心なので、今家にある本棚でも代用できますし、
お金を掛けたくなければ、カラーボックスを2個並べてもいい。

ただし、成毛さんは「本棚は未来のなりたい自分」を表し、
「他人に見せるほど自分の知的レベルが上がる」とも
言っていますから、多少見栄えを良くするために、
少しは投資をした方がいいと思います。

さて、本書では社会人は次の「3つの本棚」を持つように
推奨されています。

  1. 新鮮な本棚
   これは書店の平台のイメージで、棚である必要はありません。
   買ったばかりの本をサイズごとに重ねて置くスペース。

  2. メインの本棚
   8つのセルで、サイエンス・歴史・経済などのジャンルごとに
   分類して保管。余ったセルには下段に「重い本」と
   「これから処分する本」、上段に「特別展示」の場所を確保。

  3. タワーの本棚
   辞書や辞典、年表、地図など仕事をする際に参照すべき資料を
   作業場所から手が伸ばせる範囲内に置く。

この本から何を活かすか?

いくら本棚を用意しても、そこに収納できる本の数は限られています。
そこで、「メインの本棚に入れる基準」を決める必要があります。

成毛さんは、次の3つを基準にしています。

  1. 面白いかどうか
  2. 新しいかどうか
  3. 情報量が多いかどうか

更に、「見やすい・2割の余白がある・勝負本のみを並べる
・多様性はもたせつつ違和感を排除・いつも変化している」の
状態に本棚を保つ。

この中では、「2割のスペースを空けておく」ことが
個人的には、けっこう大事だと思います。

また、本書には言及されていませんが、家族に読書家が
2人以上いる場合は、「本棚の共用問題」も悩みの種ですね。

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| 読書法・速読術 | 06:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術

プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術
(2014/11/27)
印南 敦史

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kindle版 プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術 (中経出版)

満足度★★★
付箋数:21

本書は「ライフハッカー[日本版]」でビジネス書を中心とした
書評を書き続ける印南敦史による、「伝わる」文章の書き方を
解説する本。

印南さんは、2012年8月からライフハッカーで連載を開始し、
土日祝を除く月~金まで、毎日1冊の「書評」を書いています。

これまで700冊以上の本を読んで、論評してきたことになります。

ちなみに、当ブログでは、だいたい印南さんと同じくらいの
ペースで記事を更新していますが、年数が長いので、
これまで紹介した本は2000冊以上。

ただし、数では印南さんを上回っていますが、
あくまで当ブログは自分に活かそうと思って読んだ本を、
単に「紹介」しているだけであり、評してしてはいません。

つまり、「書評」ブログではありません。

「書評」するとなると、その本の主張に対して
独自の見解を示し、考えを抽象化・一般化し、
他の主張と比較したりするなどの作業も必要となります。

その「書評」を毎日やっているのはスゴイことで、
私も毎日「紹介」ブログを書いているからこそ、
その2者の間にある歴然とした差を実感するわけです。

さて、前置きが長くなりましたが、本書から学ぶべきは
「伝わる」文章を書くコツでした。

  「“ ライフハッカー” で書くために意識したのは
   “どんな人が読んでいるだろう?” ということでした。
  そして、それは現在も毎日考え続けています。
  なぜって?
  そこのピントがずれていたら、届くはずのものが
  届かなくなってしまうから。」

「誰が読むのか」、「誰に読んで欲しいのか」を
はっきりと意識するために、特に「性別・年齢・立場」の3点を
考えると良いようです。

ペルソナマーケティングのように、読者をより具体的に
想像するからこそ、どんな文章が読者から求められているかが
わかるのです。

もちろん、本書も「伝えるために」しっかりと読者層が
設定されています。

  「ターゲットは、書くことに専門的に携わっている人では
  ありません。好むと好まざるとにかかわらず、日常業務のなかで
   “書かざるを得ない” 状況に置かれていいる人たちです。」

そして、伝わりやす文章を書く際の最大のポイントとして
挙げられていたのが「簡潔さ」です。

そのために必要なのが「平易な表現」と「わかりやすさ」の2点。

もっとライフハック的なノウハウが書かれているかと
想像していましたが、いたって当たり前のことでした。

しかし、当たり前だからこそ、奥が深く簡単ではないと
印南さんは語っています。

本書では、簡潔でない文章と簡潔な文章の実例で比較して、
実際にどう書くべきか、文章のどの部分をを削ぐべきかが、
解説されています。

また、巻末にはライフハッカー編集長の米田智彦さんと
印南さんの、「ライティングで大切なこと」をテーマにした
スペシャル対談も掲載されています。

ここでは、整理された本文とはまた違った角度で、
「伝える文章を書くための心意気」がわかります。

この本から何を活かすか?

  「てにをは」を意識する

印南さんは、日常的に書いている文章で「助詞」の使い方を
変えることで、文章の雰囲気を変えているそうです。

その時に愛用しているのが『てにをは辞典』。

助詞を調べる目的はもちろん、現近代の250名以上の
作家の文章から結合語を集めているので、
パラパラと読むだけでも楽しめる本のようです。

3800円+税と、ちょっと高価ですが、欲しくなりますね。

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| 文章術 | 09:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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サントリー対キリン

サントリー対キリンサントリー対キリン
(2014/11/22)
永井 隆

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満足度★★★
付箋数:23

かつてキリンの国内ビール出荷数はシェア6割を越えて、
これ以上増えると独占禁止法に抵触する直前まで迫っていました。

それが1987年にアサヒが「スパードライ」を発売したことにより、
シェアが大きく動き始めます。

「ドライ戦争」が起こり、ビール業界では、
アサヒが巨人キリンを猛追する形となりました。

2000年にはついにシェアが逆転し、
アサヒがビール出荷数でトップに立ちました。

その後、キリンとアサヒの2社のシェアは拮抗し、
熾烈なトップ争いが続きました。

これはあくまでもビール出荷数での争い。

実は、酒類メーカーとしての「売上高と営業利益」は、
キリンが1954年以来、ずっと国内トップを守り続けていました。

このキリンの首位の座が、2014年に、
ついに明け渡される見込みとなりました。

トップを奪うのは、アサヒではなく、サントリーです。

サントリーは「ザ・プレミアム・モルツ」が好調とは言え、
ビールのシェアだけで見ると、まだまだキリンの敵ではありません。

しかし、サントリーは2014年4月に、バーボンウイスキーの
「ジムビーム」や「メーカーズマーク」で知られる
米蒸留酒大手のビーム社を買収しました。

これに「山崎」「白州」などウイスキーの国内販売の
好調も加わり、サントリーの売上高と営業利益は
いずれもキリンを抑え、国内トップに立ったのです。

最終的に破談になりましたが、サントリーとキリンは、
2009年頃、水面下で統合計画を進めていたようです。

サントリーは明治時代に、鳥井信治郎さんが創業した
「やってみなはれ」の精神を持つベンチャー企業。

そして、国内でも有数の同族企業です。

一方、キリンは三菱グループが中心となり出資して
創られた財閥系企業であり、サラリーマン企業。

本書では、この2社のこれまでの歴史と企業文化、
ビジネスモデルと今後の戦略を比較します。

著者は、『ビール15年戦争』や『ビール最終戦争』などを
執筆してきた永井隆さん。

さすがに、これまでにも業界の動きを追ってきただけあります。

今回も入念に取材を重ね、単なる比較にとどまらない
読ませるルポルタージュになっています。

  第1章 21世紀のビール・飲料業界
  第2章 サントリー
      ベンチャーから生まれた「やってみなはれ」精神と世界展開
  第3章 キリン
      凋落した巨大企業、「組織力」による復活は
  第4章 ビール・飲料会社の現場力
  最終章 市場の勝敗を決めるものは何か?

「サントリー対キリン」の両社の比較ですが、
首位の座が変わったこともあり、どちらかと言うと、
本書はサントリー中心で描かれています。

同族企業だったサントリーが、一族でもプロパーでもない、
元ローソン会長の新浪剛史さんを社長に引っ張ってきた
ばかりですから、話題としてもサントリーの方が豊富。

大型M&Aを行い、これから世界展開を加速させる
サントリーの動向には、目が離せません。

この本から何を活かすか?

サントリーがビーム社の買収により、蒸留酒事業で世界展開を
行うのに対し、キリンはアメリカ市場で伸びている
「クラフトビール」での国内展開を考えています。

クラフトビールとは、職人が精魂を込めて作る
小規模生産のビールです。

かつて、地ビールが流行った時期がありましたが、
それとはちょっと違ったこ、だわりのビールという
位置付けでしょうか。

今後の戦略でも、サントリーとキリンは、
大きく方向性が違っているようですね。

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| 経営・戦略 | 07:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事の悩みを自信に変えるドラッカーの言葉

仕事の悩みを自信に変えるドラッカーの言葉仕事の悩みを自信に変えるドラッカーの言葉
(2014/11/11)
尾崎 健一

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kindle版 仕事の悩みを自信に変えるドラッカーの言葉(日経BP Next ICT選書)

満足度★★★
付箋数:20

あなたの職場の上司や部下は、次に挙げる項目の
それぞれどちらのタイプに当てはまりますか?

  1. 読む人間か、聞く人間か
  2. 人と組むのがいいか、一人がいいか
  3. 緊張感がある方がいいか、安心する方がいいか
  4. 意思決定者か補佐役か

「仕事の仕方」は人によって「違い」ます。

この「違い」があることを認識せず、誰もが自分と同じ
仕事の仕方をしていると思い込んでいると、
必要以上にストレスを感じてしまうことがあります。

ピーター・ドラッカーさんは、『プロフェッショナルの条件
の中で次のように述べています。

  「驚くほど多くの人たちが、仕事にはいろいろな仕方が
  あることを知らない」

まず、仕事の仕方は人によって異なるという前提に立ち、
上司や部下が、先の4つのリストのどちらに当てはまるかを
見極めてください。

このリストを作る過程で、マネジメントの質が上がるそうです。

  「仕事上の個性は、仕事に就くはるか前に形成されている。
  (中略)修正できても変更はできない。ちょうど強みを
  発揮できる仕事で成果をあげるように、人は得意なやり方で
  仕事の成果をあげる」

これは、『明日を支配するもの』の中で述べられている
ピーター・ドラッカーさんの言葉。

私たちが多様な「仕事の仕方」があることを知るだけで、
「職場のメンタルヘルス」は向上するようです。

本書は、一風変わったドラッカー本。
よくあるマネジメントや経営についての本ではありません。

ドラッカーさんの名言をキーワードに、働く人と組織の
メンタルヘルス維持向上について考察した本です。

著者は臨床心理士で、企業のメンタルヘルス向上の仕組み作りや
人事労務問題対応のコンサルティングを行う尾崎健一さん。

尾崎さんが「日経情報ストラテジー」の2013年1月号から
2014年9月号まで連載した記事を基に加筆修正したものです。

尾崎さんは、メンタルヘルスの専門家ですが、
ドラッカーさんの専門家ではありません。

連載当初の尾崎さんは、「にわか」ドラッカリアンだったとか。

日経BP社から、ドラッカーさんとメンタルヘルスに関する
連載記事の依頼を受け、改めてドラッカーさんの本を
読み返してみると、思った以上にドラッカーさんの発想は
メンタルヘルス向上に適用できる部分が多かったそうです。

本書は大きく3つのパートに分かれています。

  「パート1では、働く人が世代や経験に応じて抱く様々な
  葛藤について、ドラッカーから示唆を得られる話題を取り上げる。
  パート2では、ストレスの多い管理職に助けとなる考え方を
  考察する。パート3では、経営者や人事担当が組織を望ましい方向へ
  導くために必要な心構えと実践を解説する。」

本書は基本的にドラッカーさんの言葉や発想と関連付けて
書かれていますが、『嫌われる勇気』がベストセラーになったことで、
最近流行りになった「アドラー心理学」とメンタルヘルスに
ついても一部取り上げています。

この本から何を活かすか?

職場のストレスの原因No.1として挙げられるのは「人間関係」。

その人間関係に大きく影響するのがコミュニケーションの
取り方です。

そこで本書ではドラッカーさんの挙げる
「コミュニケーションの四則」を振り返っています。

  1. コミュニケーションは情報ではない
  2. コミュニケーションは知覚である
  3. コミュニケーションは期待である
  4. コミュニケーションは要求である

本書では、この四則を踏まえ、実際に職場でどのように
声をかけるべきかの具体例も示されています。

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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チーム・ブライアン

チーム・ブライアンチーム・ブライアン
(2014/11/21)
ブライアン・オーサー

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kindle版 チーム・ブライアン

満足度★★★★
付箋数:20

私は、特別、男子フィギャースケートのファンではありませんが、
話題になっていた本だったので、読んでみました。

これが、意外なほど良かった。

本書は2014年7月にカナダの「トロント・クリケット
・スケーティング&カーリングクラブ(以下クリケット・クラブ)」
にて行われたブライアン・オーサーさんへのインタビュー、
および8月に同所で行われたオーサーさんと羽生結弦選手との
対談を基に構成された本です。

オーサーさんは、ソチオリンピックの男子フィギャースケートで
羽生選手を金メダルに導いたコーチです。

2010年までは韓国のキム・ヨナ選手のコーチも務め、
同じくバンクーバーオリンピックで金メダルを獲得しています。

オーサーさん自身も男子フィギャースケートの選手として、
2度のオリンピックで銀メダルを獲得した、
カナダの国民的スター選手でした。

本書では序章で、オーサーさんと羽生選手の師弟対談、
第1章で選手時代の回顧録、第3章でキム・ヨナ選手へのコーチ方法
について、第3章で羽生選手とハビエル・フェルナンデス選手への
コーチ法について、第4章でソチオリンピックの裏舞台、
第5章でチーム・ブライアンのコーチングについて、
そして第6章でソチ以降と未来について語ります。

ちなみに、「チーム・ブライアン」とは、クリケット・クラブに
所属する、オーサーさんはじめ20名以上のコーチが所属する
コーチングチームです。

オーサーさんは選手時代、初めてオリンピックに出場した
1984年のサラエボでは、オリンピック史上初となる
トリプルアクセルを見事に成功させ、銀メダルを獲得しました。

そして次のオリンピックは、自国カナダのカルガリーでの開催。

前年1987年の世界選手権では初優勝を飾り、選手としても
ピークを迎え、カナダ国民から金メダル獲得の期待を背負って
カルガリーに挑みました。

この時は、ライバルの米代表のブライアン・ボイタノ選手との
「ブライアン対決」にも注目が集まりましたが、
結果、僅差でボタノイ選手に敗れ銀メダルに終わりました。

本書の解説には、このことについて以下のように記されています。

  「試合結果は、オーサーが述べた通り、オーサーにわずかな
  トリプルフリップのミスがあり銀メダル。その映像をオーサーは、
  ショックのあまり見直すことができなかった。
  キム・ヨナのコーチとしてバンクーバーオリンピックに行く直前、
  約20年ぶりにようやくその映像を見たことを、オーサーは
  周囲に打ち明けている。そして “本当の意味で立ち直るのには
  26年かかった” と語る。つまり、 “本当の意味で立ち直った”
  のは2014年、羽生結弦がソチオリンピックで金メダルを
  獲得した後だった。」

本書には、コーチとして金メダルを取るための緻密な戦略や
コーチング技術についても詳細に書かれていますが、
何より伝わってくるのは、オーサーさんの選手に対する愛情です。

そして、オーサーさんの人間としての魅力です。

また、バンクーバーでなぜ、キム・ヨナ選手が金メダルを獲得し、
浅田真央選手が銀メダルに終わったのかについても、
その理由がよくわかります。

フィギャースケートのファンの方が楽しめるのはもちろん、
そうでない方でも、読んで良かったと思える本です。

この本から何を活かすか?

  チーム・ブライアンのコーチング3ヵ条

オーサーさんは、コーチとしてやるべきテーマを
次の3つに絞っているようです。

  1.パッケージング
   スケート技術を高め、衣装や音楽も含む一体感をつくること

  2.マネージング
   練習計画、メディア対応、健康管理など環境を整えること

  3.モチベーティング
   選手を精神的に安定させ、やる気にさせること

ビジネスでの人材育成でも、応用できる部分がありそうです。

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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説得力ある伝え方

説得力ある伝え方 口下手がハンデでなくなる68の知恵 (幻冬舎新書)説得力ある伝え方 口下手がハンデでなくなる68の知恵 (幻冬舎新書)
(2014/11/27)
伊藤 真

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kindle版 説得力ある伝え方 口下手がハンデでなくなる68の知恵

満足度★★★
付箋数:22

あなたは「説得」に対して、どのようなイメージを持っていますか?

説得が必要になるのは、相手と自分の考えや意見が違うとき。

ですから「説得」と聞くと、相手を言い負かしたり、
無理に自分の主張を押し通すイメージがあるかもしれません。

しかし、「説得」には本来、次のような意味があります。

  <広辞苑>
    よく話して納得させること

  <ブリタニカ百科事典>
    コミュニケーションによって受け手の理性や感情に働きかけ、
    相手の自発性を尊重しながら、送り手の意図する方向に
    受け手の意見、態度、行動を変化させる

説得は相手の自発性を尊重した「納得」が前提にあるので、
「命令」や「強制」とは根本的に違います。

そして、相手を納得させるためには、理性と感情の両方に
働きかける必要があるのです。

さて、本書はカリスマ塾長として知られる伊藤塾塾長の
伊藤真さんが「実践的説得の極意」をまとめたもの。

  第1章 人はどんなときに説得されるのか
  第2章 説得して、されて、私が体得したこと
  第3章 口下手でもOK! 説得力のある伝え方
  第4章 正答のない世界で生きるために

私たちは、人の話を聞く時に「この意見には説得力がない」とか、
「あの人の話には説得力がある」といった感想を漠然と持ちます。

その時の「説得力」とはどこから生まれてくるのでしょうか?

この説得力の源泉について伊藤さんは次のように語ります。

  「そこにはさまざまな要素がありますが、中核にあるのは
   “事実” と “論理” と “言葉” だと私は思います。
  司法試験を目指す塾生にも、その三つが不可欠だと教えていますが、
  これは法律家だけに求められるものではありません。」

事実と論理があれば、相手に理性に働きかけることはできます。

しかし、それだけでは相手の感情を動かすことはできないので、
言葉が必要なのです。

では、言葉が感情に働きかけるのなら、
口下手だと、相手を説得できないのでしょうか?

そんなことはありません。

たとえ口下手でも、「熱意」や「情熱」、「誠意」があれば、
相手の気持を動かすことができるのです。

では、その「熱意」や「情熱」はどうすれば、出てくるのか?

  「これはもう、 “本気になる” しかありません。
  たとえば自社製品を売り込むにしても、営業マン自身が本気で
  良い商品だと信じていなければ、セールストークにも
  説得力が出ないでしょう。内心で “どうせ3年で壊れるんだよな”
  と思いながら、 “これは一生ものですから是非!” と勧めても、
  相手は熱意を感じません。こればかりは、テクニックで
  どうにかなる問題ではないのです。」

説得は、「相手にとってもその方が良い」と本気で
信じているからこそできる行為なのです。

本書で語られるのは、説得のテクニックではなく本質論。

いかにして、相手と自分の共通のゴールを設定し、
相手に自発的にゴールに向かってもらうかについて、
伊藤さんの経験を交えて書かれています。

この本から何を活かすか?

  「憲法」と「法律」の違い

なんとなく違うことはわかりますが、どうちがうの?
と聞かれると、うまく答えられません。

本書では、この違いについて次のように説明されています。

  「憲法と法律では役割がまったく異なります。
  どちらも国民の権利を守るためのものではありますが、
  法律はそのために国民を制限する。
  したがって、法律を守らなければいけないのは国民です。
  それに対して憲法は、国民を守るために、
  政治家や公務員などの権力者の行動を制限します。」

法律は国民を縛り、憲法は権力者を縛る違いがあるんですね。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち

ニコニコ哲学 川上量生の胸のうちニコニコ哲学 川上量生の胸のうち
(2014/11/14)
川上 量生

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kindle版 ニコニコ哲学-川上量生の胸のうち

満足度★★★
付箋数:22

  「この本は、川上量生さんのインタビューをまとめたものです。
  僕が運営するウェブメディアcakes(ケイクス)での連載原稿が
  もとになっています。川上さんが普段考えている、
  いろんなテーマについて、じっくり話を聞いてみたいという
  ご提案をいただいて実現したもので、延べ10時間以上
  お話をうかがいました。」

本書は、KADOKAWA・DWANGOの会長になった川上量生さんに、
加藤貞顕さんがインタビューした内容をまとめたもの。

加藤さんは岩崎夏海さんの出世作『もしドラ』の担当編集者
だった方です。

川上さんがドワンゴのCTO(最高技術責任者)になった際に、
やった改革で「女子マネ弁当」という施策があります。

以下、その施策についてのインタビューを一部抜粋します。(敬称略)

  加藤 女子マネ弁当!(笑) ふたつのギャップがすごいんですけど。
     女子マネ弁当は、ネットでも話題になっていました。
     毎朝、女子マネージャーが弁当を配ってくれるという、
     画期的な制度ですよね。

  川上 そういう面白い施策が必要だと思ったんです。
     あの企画、ずっと前からアイディアはあったんですよ。
     1年に1回くらいは会議で “やりたいね” って浮上するけど、
     実行されずに消えていくネタだった。
     それを、今こそやるべきだ! と思って(CTOになったときの)
     公約にしたんです。

  加藤 これはエンジニアは限定でやっているんですか?
  
  川上 エンジニア限定です。だってこれ、CTOとしの企画なので(笑)。
     エンジニアの士気を上げるためにやっています。
     うちの会社、エンジニアが朝にちゃんと出社しないんですよ。
     営業職や企画職の社員はちゃんと来ているのに。

  加藤 エンジニアはそんなに朝に来ないんですか。

  川上 ほとんどが午後1時とか2時に来て、午前中に来ているのは
     300人中10人くらいだった。

  加藤 この女子マネ弁当を始めて、出勤時間はどれくらい
     改善されたんですか?

  川上 100人くらいは午前10時半に来るようになりましたよ。

この「女子マネ弁当」とは、女子マネージャーのように
体操服を着た女子が、ドワンゴのエンジニアと一緒に
ラジオ体操をして、体操した社員に弁当を手渡しするというもの。

こんなことを本気で実施してしまうのがスゴイですね。

世間で若き天才経営者と呼ばれるような川上さんから、
本音を聞き出すのは、なかなか難しい作業です。

しかい、加藤さんは、本書でそこをうまく引き出しています。

  「ぼくが語ったのは、世間ではあまりそうは思われていない
  けれどもぼくが正しいと信じていること、そして一定以上の人が
  理解が可能であろうレベルの理屈として説明可能なことである。
  世間に公表しても、面白いと思う人はある程度は存在するだろうと
  ぼくが確信できる範囲の内容をしゃべったつもりだ。」

起業家であると同時に、思想家でもあり活動家でもある川上さん。
ときに徹底的に論理的で、ときに徹底的にバカをやる。

そして1億年先を考える思考を本書では語りつくします。

この本から何を活かすか?

理系と文系という区分けは意味がないと言われることもありますが、
川上さんはこの2つに明確な違いがあると考えます。

  「文系の論客は、言葉は道具だと考え、論理を手段として扱う。
  そして、理系の研究者は、論理的に正しいことは何なのか、
  ということに興味がある。」

つまり、論理的だから理系だとか文系だとかということではなく、
論理の使い方が、理系と文系では全く違うということ。

論理を使って他人を説得したいのが文系で、
論理で一般法則や真理を探求したいのが理系のようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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怒らないで聞いてください

怒らないで聞いてください ~ビジネストーク鉄板フレーズ集~ (マイナビ新書)怒らないで聞いてください ~ビジネストーク鉄板フレーズ集~ (マイナビ新書)
(2014/11/26)
平林 信隆

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kindle版 怒らないで聞いてください ビジネストーク鉄板フレーズ集

満足度★★★
付箋数:18

  「課長、怒らないで聞いてください。実は・・・・」

もし、あなたの部下がこのように切り出してきたら、
それがどんなミスでも、なかなか怒りにくいものです。

もちろん、ミスに対応しなければなりませんし、
再発防止策も打たなければなりません。

しかし、怒りの感情は、それほど湧いてこないものです。

逆に、あなたがミスをして報告する側でも、
「怒らないでください」と前置きすることで、
上司に悪い知らせを聞く心の準備をしてもらえるのです。

このように、同じ内容を伝えるにしても、
その前に1フレーズ加えたり、伝え方を少し変えることで、
相手の反応はまったく違うものになります。

本書はこのようなビジネスの現場で、
すぐに使える鉄板フレーズをまとめたトーク集です。

著者の平林信隆さんがこれまで30年以上にわたり
ビジネスシーンで見聞きしたり、使ってきたもの中から
厳選して掲載しています。

平林さんは、現在は心理カウンセラーとして活動しているので、
各フレーズが、相手の心理にどのような影響を
与えるかについても的確に解説しています。

掲載されているのは全部で187のフレーズ。

これが、次の7つのシーンに分けて紹介されています。

  第1章 成果が出る! 営業・接客の鉄板フレーズ
  第2章 人見知りでも効果を発揮! 会話を盛り上げるフレーズ
  第3章 部下のモチベーションを上げるキラーフレーズ
  第4章 上司にかわいがられるフレーズ
  第5章 人間関係がうまくいく「断り方」と「謝り方」のフレーズ
  第6章 できる大人の魅力を見せる言いまわし
  第7章 会議を完璧に仕切る達人フレーズ

本書で紹介されているフレーズは、どれも読んだ直後から
そのまま使えるものばかり。

特段、何の訓練も必要としません。

例えば、気配りで周囲を支える部下をねぎらう場合、
いつもなら「よくやってくれてるね」と伝えているとします。

それを本書では「あなたがいてくれて本当に助かるよ」と
言い換えます。

チームに献身的に尽くしてくれる人には、
それが小さな事実でも、感謝とねぎらいの言葉を
まめにかけることが大切です。

ですから、その部下の存在価値を認めることで、
部下の心を満たし、やる気につなげていくのです。

本書のフレーズは簡単に使えるものばかりですが、
より効果的に使うためには、相手のタイプを見極めて、
そのタイプのツボに嵌るフレーズを選んで使った方が
いいと思います。

この本から何を活かすか?

  コミュニケーション力を更に磨くための5つのポイント

本書で紹介されている、鉄板フレーズ加えて、
次の5つのポイントを押さえておくといいようです。

  ポイント1 最初は会話のテンポなどを相手に合わせながら
        徐々にリードする

  ポイント2 否定的な表現は肯定的な表現に
        できるかぎり置き換える

  ポイント3 相手の短所を指摘する際はその前後で
        相手の長所をほめる

  ポイント4 会話やプレゼンの内容に関係のない
        ムダな体の動きは避ける

  ポイント5 相手を観察し、常に相手を世界の中心に
        据えて対話する

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| コミュニケーション | 12:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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理不尽な進化

理不尽な進化 :遺伝子と運のあいだ理不尽な進化 :遺伝子と運のあいだ
(2014/10/25)
吉川 浩満

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満足度★★★★
付箋数:24

アメリカでは3人に1人が進化論を信じないとの話も聞きますが、
私たちは進化論が大好きです。

日常生活やビジネスにおいても、よく進化論的な表現が使われます。

「ガラパゴス化」、「ダメなものは淘汰される」、
「刻々と変化するビジネス環境に適応できるのか」、
「日本の生存戦略」、「勝ち組/負け組」といった表現などなど。

生物学以外の分野でも、あらゆるものは進化し、
環境の変化に適応できないものは消えていきます。

さて、本家本元の生物の世界では、現存する生物種が、
進化と淘汰の荒波にを越えて、生き残った種ということです。

逆にいうと、それまで多くの種が、消えていきました。

それでは進化の過程で、絶滅してしまった生物種は、
どの程度あったのでしょうか?

実は、生物の世界では、生き残りという表街道よりも、
絶滅という裏街道の方が、はるかに広いようです。

地球上に出現した生物種のうち、絶滅してしまったのは、
なんと「99.9%」もの割合にも上ります。

私たちがまだ見ていない生物も含めて、地球上にいる生物の種類は、
かなり多いように思えますが、僅か0.1%に過ぎないのです。

「勝ち組/負け組」の表現を使えば、生き残っている種は
超エリートの「勝ち組」と言えるのです。

本書は圧倒的に数の多い「絶滅」の観点から
生物の進化をとらえた、ちょっと変わった本です。

  「本書は次のような構成となった。軽い導入のあと(序章)、
  絶滅という観点から生物の彩る理不尽さを味わい(第一章)、
  そこで得られた眺望をもとに私たちが漠然と描いている
  通俗的な進化論のイメージの内実とその問題点を指摘し(第二章)、
  それにたいして本物の進化論がもつ意義と有効性を
  専門家同士の論争を通じて明らかにしたうえで(第三章)、
  第二章で描いた素人の混乱と第三章で描いた専門家の紛糾の
  両者がともに私たちの歴史と自己認識をめぐる終わりのない
  問いかけに由来するものであると論じる(終章)、というものだ。」

本書の目的は、進化論の解説や評価をすることではなく、
進化論と私たちの関係について考察することです。

一般向けのエッセイとして書かれていて、
専門知識がなくてもスムーズに読めますが、
後半は少し哲学的な内容になります。

しかし、そこが本書の一番の読みどころ。

アメリカの著名な古生物学者、進化理論家の
スティーヴン・ジェイ・グールドさんを中心とした論争が
描かれています。

グールドさんが批判したのは、『利己的な遺伝子』でも知られる
適応主義派のリチャード・ドーキンスさんです。

この2人の論争は「ダーウィン・ウォーズ」または、
「エボリューショナリー・ウォー」とも呼ばれ、
注目を集めました。

論争の決着は、勝者がドーキンスさんで、
敗者がグールドさんということになっています。

ここでも、本書では勝者のドーキンスさんの視点ではなく、
敗者グールドさんの視点で考察しているのがいいですね。

なぜ、負けが明白であるにも関わらず、グールドさんは
最後まで不利な戦いを続けたのか?

この辺りのストーリーの組み立ては見事で、
若干専門的な内容であるにも関わらず、
引き込まれるように、読み進めることができます。

この本から何を活かすか?

本書は、吉川浩満さんが2011年5月から2013年12月まで、
朝日出版社第二編集部ブログに全28回に渡って連載した記事が
ベースとなっているそうです。

そこで、そのブログを見にいったところ、
「連載を読んでいただきありがとうございました。
書籍化いたしました。」と書かれてあり、
本書の「まえがき」が公開されていました。

書籍化したので、ブログ記事は削除されたのでしょうか?

だとすると、ちょっと残念ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 08:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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小さな会社こそ、高く売りなさい

小さな会社こそ、高く売りなさい小さな会社こそ、高く売りなさい
(2014/11/05)
竹内 謙礼

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満足度★★★
付箋数:25

  「本書はスモール・プレミアム戦略を論じたものである。
  分かりやすく言えば、 “小さな会社が、商品を高く得る方法” 
  ― この戦略について、豊富な事例と具体的な手法を
  徹底解説している。」

  第1章 なぜ、小さな会社は「値上げ」ができないのか?
  第2章 小さな会社が大きい会社と戦うための
      「プレミアム商品戦略」
  第3章 小さな会社が少ない広告費で戦うための
      「プレミアム集客戦略」
  第4章 小さな会社がライバル会社よりも高く売るための
      「プレミアム販売戦略」
  第5章 こんなにあるスモール・プレミアム戦略企業

著者は、カリスマ経営コンサルタントの竹内謙礼さん。

竹内さんは、ベストセラーになった『会計天国』や
投資ミサイル戦略課長)』などのストーリー形式の本で、
知られている方です。

竹内さんは、9年前に「タケウチ商売繁盛研究会」を立ち上げ、
小さな会社から寄せられる集客や経営に関する相談に、
毎年2000件以上答え、解決に導いてきました。

その小さな会社向けのノウハウを詰め込んだのが本書です。

世の中には有名なマーケティング理論や経営理論が
数多く存在しますが、それらのほとんどは小さな会社では
役に立ちません。

なぜなら、そもそも著名な経営戦略は大きな会社を
対象としたものだからです。

大きな会社には、人もモノも金も揃っています。

その豊富な経営資源を集中と選択によって投下するのが、
一般的な経営戦略論なのです。

人・モノ・金のいずれも揃っていない小さな会社では、
大きな会社と同じように、著名な経営戦略を使うことが
できません。

例えば、小さな会社には優秀な人は集まってきません。

給料が安いから優秀な人を雇えませんし、たまたま優秀な人を
雇えたとしても、すぐに条件のいい会社に転職してしまいます。

だから優秀でない人ばかりが残ってしまう。

しかし竹内さんは、優秀な人材を諦めたからこそ見えてくる、
小さな会社ならではの人材コントロール術があると言います。

優秀でない人は、考えることが苦手。

例えば、スーパーマーケットで「売れる販売ポップ」を
作って欲しいと店員に指示しても、なかなか考えることができず、
1週間待っても、10日待ってもポップはできあがりません。

そこで、店員への指示を「毎日、必ずひとつ、何でもいいから
販売ポップを作って欲しい」と変えます。

すると、「何でもいい」と考えなくてもよい条件をつけたので、
継続して販売ポップが作れるようにまります。

1ヶ月もすると、売り場は賑やかなポップで一杯になる。

たとえそれが売れない販売ポップだとしても、
店内に販促物が溢れかえり、店に活気を与えてくれます。

また、ポップを作ることを継続していくことで、
考えることが苦手だった店員も、次第に「売れる販売ポップ」に
興味を持つようになるそうです。

だから、小さな会社の優秀でない人には、「考える仕事」から
入るのではなく、「続ける仕事」や「早くできる仕事」を与え、
責任感を持たせることを優先する方が良いようです。

この本から何を活かすか?

本書の事例で紹介されていた書店、「東京天狼院」に
行ってみたくなりました。

この書店では本を購入した「読書後」のサービスに
力を入れています。

買った本を教材代わり使うプロが教えるイベントが開催され、
また参加者同士で本のテーマを研究する様々な企画も
用意されているようです。

リアル店舗でしかできない付加価値をつけて、
お客さんを惹きつけているんですね。

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| マーケティング・営業 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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プレデターシンキング/略奪思考

プレデターシンキング/略奪思考 欲しいものはすべて「誰かのもの」プレデターシンキング/略奪思考 欲しいものはすべて「誰かのもの」
(2014/11/20)
デイブ・トロット

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kindle版 プレデターシンキング/略奪思考 欲しいものはすべて「誰かのもの」

満足度★★★
付箋数:20

  「人生は戦争と同じくゼロサムゲームだ。
  何かが欲しいなら、誰かからそれを奪わなければならない。
  誰かが勝つには、誰かが負けなければならない。
  逃げ場はなく、傍観者になる余地もない。
  誰もがどちらかを選ばなければならない。
  食うものになるか、食われるものになるか。
  選ばなければ、誰かに運命を決められる。」

これが、本書の「プレデターシンキング(略奪思考)」です。

プレデターとは、略奪者、捕食者のこと。

この言葉を聞くと、ジョン・マクティアナンさん監督の
SFアクション映画『プレデター』を思い出します。

1987年に制作された、アーノルド・シュワルツェネッガーさん
主演の映画でした。

しかし、本書はその映画とはまったく関係なく、
肉食系のエイリアンは登場しません。

欲しいものは、誰かから奪わなければ手に入らないと、
説くものの、メインは「クリエイティビティ」についての本です。

著者のデイブ・トロットさんは、広告業界で輝かしいキャリアを
持つクリエイター。

本書の特徴は、ノウハウを一切語っていないことです。

箇条書きにされたルールはなく、エピソードで創造性を刺激します。

  「 “8つの真実”  “12の法則”  “10の理念” ・・・・
  読んだとたんに忘れるルールばかり。
  そんなものはおもしろくない、クリエイティブでない、
  思考ではない。(中略) 自分なりに得た教訓は、
  丸暗記したルールよりずっと強力だ。それは消えることなく残る。
  だからこの本には、ルールではなくエピソードが登場する。
  私に影響を与え、私に “プレデターシンキング” を
  教えてくれた数々のエピソード。
  できる限り幅広い分野から集めた具体的な実例。
  これなら、原則を学び、自分なりに応用することができる。
  ・・・・もしかしたら私にも予想外のやり方で。」

本書には、「そんなアイディアもあるのか!」と感心する、
63の事例が紹介されているので、読むと思考幅が広がります。

この本から何を活かすか?

本書のトロットさんが、レーシック手術をした時の
エピソードを紹介します。

トロットさんが手術を受けたのは、レーシックが登場して
間もない頃で、周りに体験者はいませんでした。

心配していた手術は意外に簡単に終了。

局部麻酔なので、すぐに仕事に戻れると聞いていたので、
トロットさんは、手術後、そのままタクシーで出社しました。

しかし、出社してデスクの前に座って書類を読もうとしましたが、
焦点を合わせることができず、文章が歪んで見えました。

いくつかの文字は目に迫るようで、
別の文字はすごく遠く感じて、めまいがしました。

別の書類を取り上げてみても、文字の歪み具合がひどすぎて、
船酔いしているかのように思えました。

時計を見ると、文字盤の数字が波打っているように感じ、
吐き気をもよおしてきました。

トロットさんのレーシック手術は、失敗したのでしょうか?

その日は仕事をあきらめて、まっすぐ家に帰り、
ベッドにもぐり込みました。

翌日、目が覚めると気分が良かったので、
着替えて会社へ向かいます。

出社して書類を見てみると、何の問題もなく、
文字はちょうどいい大きさで見え、
揺らいで見えることもありませんでした。

ほっとしたトロットさんが、オフィスの中を見回すと、
ゴミ箱が丸めた紙でいっぱいになっていることに気づきます。

いくつか拾い上げて見ると、また文字が歪んで見えました。

奇妙に思ったトロットさんが秘書を呼んで聞いてみると、
彼女は笑ってこう答えました。

  「ゴードンがコピー機を使って書類を細工したんです。
  手術から戻ったときに、何もかも歪んで見えるようしようって。
  時計の文字盤にまで手を加えたんですよ。
  ちょっとたちが悪いんじゃないかと言ったんですけど、
  絶対におもしろがってもらえるって」

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う

粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う (文春新書)粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う (文春新書)
(2014/10/20)
中垣 俊之

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満足度★★★
付箋数:24

  「粘菌のフィル

  僕はただの アメーバ野郎
  動物細胞さ カビじゃない
  ずっとずっと 長いこと
  泣ける程 退屈な日々
  冷たいところを ただ這い回るだけ

  だから 何かすごいことに挑戦したかった
  あるとき カガクシャとかいう連中に
  とっつかまって 皿の上に連れてこられた
  そして オートミールを食えという
  奴らは なんとかして僕に問題を解かせようとした

  やってみたら 僕は凄い才能があったんだ

  迷路なんか さっと解けるし
  最短経路だって 計算できる
  でもそんなのは 序の口さ
  僕の本当の力は ネットワークを設計すること

  東京の鉄道網なんか おちゃのこだったけど
  ボストンのは かなりややこしそう
  君たち人間にゃ まかせていられない
  僕にひと声 かけとくれ
  イケてるネットワークを 作ってあげるよ」

これは中垣俊之さんが、「2回目」のイグ・ノーベル賞を
受賞した時の「粘菌からの手紙」というスピーチです。

イグ・ノーベル賞とは、本家ノーベル賞のパロディとして、
毎年ユニークで風変わりな研究を行った数名に与えられる賞です。

受賞条件は、人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究
であること。

そんな賞を2回も受賞したのが、「粘菌」の研究をする
本書の著者、中垣俊之さんです。

1回目は2008年に、「単細胞生物の粘菌という生物が、
迷路などのパズルを解くことを証明した」という理由で
イグ・ノーベル認知科学賞を受賞。

2回目は2010年に、「粘菌の力を借りて関東圏の鉄道網を
設計した」という研究が交通計画賞を受賞しました。

そもそも、「粘菌」の何がすごいのでしょうか?

私たち人間は、脳や神経細胞があることで
はじめて「知性」を持つことができます。

しかし、単細胞生物には知性の源泉となる
脳や神経細胞がありません。

それは、生き物ですが、モノに近いということです。

にも関わらず粘菌が集まると、まるで知性を持つような
行動を取ります。

それはつまり、物質の運動法則から知性が生まれる
可能性があることを示します。

粘菌は人間が忘れてしまった、単純に見えて賢い
思考のプロセスを思い出せてくれるかもしれません。

本書は、そんな不思議な魅力を持つ「粘菌」の秘密と、
その驚くべき可能性につて、最新の研究成果を交えながら
解説します。

この本から何を活かすか?

中垣さんは2000年に英国の科学雑誌ネイチャーに、
「アメーバ状生物である粘菌が迷路の最短経路を解く能力がある」
という趣旨の論文を発表しました。

この論文は、粘菌を迷路一杯に広げた状態で2つの出口に
それぞれエサ場をつくると、粘菌は次第にエサ場へと
集まっていきますが、半日ほど後には2つのエサ場をつなぐ
最短経路だけに管を残して2つのエサ場をつないだという
実験結果をもとに書かれています。

粘菌のネットワークを形成するアルゴリズムを
解明すると、カーナビなどにも応用可能です。

渋滞の状況が刻々と変わっても対応できる
「動的最適化」ができるシステムになるようです。

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| 科学・生活 | 05:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「お金」って、何だろう?

「お金」って、何だろう? 僕らはいつまで「円」を使い続けるのか? (光文社新書)「お金」って、何だろう? 僕らはいつまで「円」を使い続けるのか? (光文社新書)
(2014/11/13)
山形 浩生、岡田斗司夫 FREEex 他

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kindle版 「お金」って、何だろう?~僕らはいつまで「円」を使い続けるのか?~ (光文社新書)

満足度★★★
付箋数:18

本書は岡田斗司夫さんの「賢い人に無茶な質問をしてみよう」
シリーズの第6弾。

本書の「あとがき」を読むまで知りまあせんでしたが、
過去に当ブログで紹介した本も、このシリーズに
含まれているようです。

  第4弾 内田樹さんとの対談『評価と贈与の経済学
  第5弾 堀江貴文さんとの対談『ホリエモンとオタキングが、

さて、本書では経済学の本を多く翻訳する山形浩生さんに、
岡田さんが「経済とお金」について質問した本。

お2人が対話を通じて、「お金とは、一体、何なのか?」
その本質を解き明かします。

山形さんと言えば、ポール・クルーグマンさんの本をはじめ、
かなりクセのある原書の翻訳で定評がある方です。

そんな山形さんが、独特の世界観を持つ岡田さんの質問に
どう答えるかが、本書の一つの見どころです。

また、山形さんがどういう考えを持った方なのか、
今まで「訳者解説」のページでしかわかりませんでしたが、
本書では山形さん個人の考えもよく伝わってきます。

  第1章 どうして僕らは「円」を使うのか?
  第2章 政府や銀行のお仕事
  第3章 「評価」は「貨幣」の代わりに使えるか?
  第4章 評価経済が本当に回るか実験してみる
  第5章 格差の本質
  第6章 自由時間経済学への序曲

途中までは、岡田さんも意外と普通の経済について、
質問しています。

  「金利! ついにこれを聞かなければいけないときが
  やってきました。ニュースでは、金利を下げるとか上げるとか
  よく言ってますけど、どうやって金利なんてものを
  ちょうせいしているんでしょう?」

こういった普通の質問については、山形さんもそれほど答えに
窮することなく、概要を説明しています。

しかし、次第に既存の経済学やお金の話から離れ、
岡田さんが予てから主張する「評価経済学」の話に
入っていきます。

だんだんお金そのものではなく、その背後にある
人間同士の価値のやりとりについての話になっていく。

後半は山形さんに質問に答えてもらうというより、
岡田さんの考えを肯定してもらう場となっている感じです。

  「国家 100兆ドル紙幣 経済政策 AKB48 叶恭子
  ビジュアル系バンド 戦争 非モテ
  これら多様な雑多なモノやコトに関して、
  とにかく山形さんに聞きまくる。
  すると、なにがすごいかって山形さん、ぜんぶに答えてくれる!
  それでもわからない問題は、2人で
   “じゃあ、こっちのアナロジー考えてみよう” とか
  突破口を探しながら話しました。
  そういう “問題がわからないときの考え方” コミで
  ぜんぶ出しちゃったのが本書です。」

この本から何を活かすか?

本書で山形さんが紹介していた「死刑囚のパラドックス」は、
「抜き打ちテストのパラドックス」とも呼ばれているものですね。

あるクラスで教師が、学生たちに予告しました。

来週の月曜日から金曜日までのいずれかの日にテストを行う。
テストがいつ行われるかは、事前にはわからない。

これを聞いて学生たちは考えました。

もし木曜まで、テストが行われなければ、金曜にテストが
行われることになり、テスト日がわかってしまうのでダメ。

同じように、水曜までテストがないと、金曜はダメだから、
必然的に木曜とわかってしまうので、これもダメ。

同じ理屈で考えていくと、水、火、月も結局ダメ。

つまり、いずれの日も抜き打ちテストができないという
結論に学生たちは達しました。

しかし、教師は木曜日にテストを実施しようとします。

学生たちは、「約束が違う! 事前にテスト日がわからないように
テストを実施することはできない」と言って、理屈を説明しました。

すると教師は次のように言ってテストを実施しました。

「つまり、テスト日は事前にわからなかったということだな。」

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| マネー一般 | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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直感を裏切る数学

直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法 (ブルーバックス)直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法 (ブルーバックス)
(2014/11/21)
神永 正博

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満足度★★★
付箋数:23

所持金100ドルから始める、次の2つのゲームがあります。

  ゲームA
   48%の確率で、所持金が1ドル増える。
   52%の確率で、所持金が1ドル減る。

このゲームでは、1ドル増える確率より減る確率の方が
高いので、試行回数を増やすほど負け越す可能性が高くなり、
長期的には、ほぼ確実に所持金が減ってしまいます。

ルーレットで、毎回1ドルずつ、ひたすら黒に
張り続けるようなものですね。

  ゲームB
   所持金が3の倍数になっているとき、勝率は1%。
   それ以外では勝率85%。
   勝つと1ドル増え、負けると1ドル減る。

こちらは、ちょっと変わったゲームです。

100ドルから始めた時点で、所持金が1ドル増えて、
101ドルになる可能性が85%です。

次に101ドルから1ドル増える確率も85%。

しかし、102ドルになると3の倍数ですから、
99%の確率で負けて101ドルに戻ってしまいます。

ここで101ドルと102ドルを行ったり来たりする
振動現象が起こる可能性が高くなります。

この振動現象のサイクルから抜け出すのは、
偶然勝ちが続いたり、負けが続いたりする場合です。

ここでは掛け金が減る方が高確率なので、
試行回数を増やすと、じわじわと所持金は減っていきます。

ちなみに、最初の所持金100ドルの時点で、
負ける確率は15%あるので、そうなると99ドルで3の倍数となり、
99%の確率で98ドルに減ってしまいます。

さて、負ける確率が高いゲームAとBを組み合わせると、
その勝敗はいったいどうなるのでしょうか?

「直感」で考えると、負けと負けを組み合わせても、
やはり負けることになリそうです。

しかし、50%の確率でゲームAを行い、
50%の確率でゲームBを行うだけで、
所持金が増える勝ちゲームにできるのです。

このアイディアを思いついたのが、
マドリード・コンプルテンセ大学で物理学を教える
ユアン・パロンド教授です。

そのためこの問題は「パロンドのパラドックス
(パロンドのゲーム)」と呼ばれています。

負けるゲームと負けるゲームを組み合わせて、
勝つゲームにできる理由は、長くなるので本書に譲りますが、
本書はこのような「直感を裏切る」20のトピックスが
紹介されています。

比率の魔術、ベイズの定理、ジップの法則、ベンフォードの法則、
恐怖の誕生日、待ち行列、ビュフォンの針、ふたと50ペンス、
ルパート公の問題、空間充填曲線、モンティ・ホールの穴・・・

本書では、直感を裏切る問題を楽しみながら、
実は努力の積み重ねが何より重要であることを学びます。

  「天才は才能があるからひらめくのではなく、
  たくさん考えるからひらめくのです。数学に “直感” という
  近道はありません。結局は、問題を粘り強く考え続けること、
  論理を一つ一つ丁寧に追いかけることが、
  正解への唯一の道なのです。」

この本から何を活かすか?

Aさんは健康診断で行った胃のX線検査で、
「要精密検査」と結果が出ました。

  ・検診を受ける人の1000人に1人は、実際に癌に罹っている
  ・癌の人が要精密検査となる率は90%
  ・本当は癌に罹っていないのに、陽性反応が出て
   精密検査に回される確率は10%

この条件のとき、Aさんが癌である確率は、
非常に高いと言えるのでしょうか?

これは迷惑メールのフィルターで応用されている、
「ベイズの定理」で考える条件付き確率です。

今回の条件だと、実際に癌である確率は0.99%ほどで、
決して高いとは言えないようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 数学 | 06:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大前研一 日本の論点 2015~16

大前研一 日本の論点 2015~16大前研一 日本の論点 2015~16
(2014/11/14)
大前研一

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kindle版 日本の論点2015~16

満足度★★★
付箋数:20

  「さて、今の日本にとって最大の論点は何だろうか。
  種切れのアベノミクス、冷え込んだ中国や韓国との関係、
  (中略)・・・各論はいくらでもある。しかし論点を整理して
  1つに絞るならば、約1000兆円を超える巨大な国家債務をどうするか、
  という問題に尽きると私は考える。」

これは、本書のプロローグで大前研一さんが語った言葉。

40兆円の税収しかないのに、100兆円の予算を組み続ける日本。

過去に積み上げた債務の利払の問題もありますが、
まずは止血をしなければ、債務残高は増え続けるばかりです。

この国家債務問題で、いちばん問題なのが、
日本国民の多くがこのことについて、見て見ぬふりをして、
やり過ごしていることと、大前さんは指摘します。

  「超倹約か、超増税か、あるいは両方か―。
  国家債務問題の解決策はこれしかない。
  ところが、そうした正論を真正面から訴える政治家は
  ほとんど選ばれないし、マスコミも報道しない。
  従って、この超難題を解決しようという国民的議論が
  立ち上がってこない。」

大前さんの言う通り、日本の国家債務は最も優先して
解決しなければならない問題だと思います。

だから、各論など後回しにして、徹底的に国家債務問題について
議論し、解決策を探るべきでしょう。

ところが、その各論について多岐に渡って
論じているのが本書です。

なぜなら、本書はプレジデント誌で大前さんが連載している
「日本のカラクリ」の1年分の記事の中から、
反響の大きかったトピックを中心にまとめたものだから。

同連載をまとめて、2013年10月に刊行された
日本の論点」の続編となります。

前著同様、雑誌の連載記事らしく話題が豊富で、
様々なことに言及している点は、読んでいて飽きませんが、
優先すべき国家債務問題について論じられているのは、
書き下ろしのプロローグのみです。

  「こうやって論を並べておいて言うのもなんだが、
  論点は広げればいいというものではない。
  論点を広げすぎると議論が拡散してしまうからだ。
  コンサルティングの世界でも、クライアントが抱えている
  課題をあれやこれやとあげつらうだけのコンサルタントは
  レベルが知れる。課題を煎じ詰めて問題の本質を炙り出し、
  処方箋とともに端的に示せなければ、相手にアクションを
  促すことはできない。」

それでは、なぜ、大前さんはプロローグ以外で
国家債務問題について論じていないのか?

今回まとめた期間の連載記事の中に、たまたま
国家債務問題がなかったのでしょうか?

もし、それが理由なら、わざわざ本書のために書き下ろした
プロローグで、国家債務が優先して解決すべき問題だなどど
書かないでしょう。

大前さんの意図としては、本書に掲載されている
各論の大前さん的な思考法や解決の手法を学び、
最重要課題については、国民一人ひとりが自分の頭で
考えて欲しいということなのでしょう。

この本から何を活かすか?

  「スマホがコモディティ化すればするほど、
  そこからどんな情報を引き出せるか、
  使い手の情報力が “違い” を生むのだ。」

「違い」を生み出すために、大前さんは、

  「食べ物を胃に入れる金額と情報を頭に入れる金額を同じにせよ」

とも言います。

食費と同じ金額の情報投資って、かなり大きいですね。

スマホのコモディティ化で、出てきた話ですが、
情報投資は、何もスマホのコンテンツに限定するものでは
ないと思います。

読書も、立派な情報投資ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:26 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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デザインコンサルタントの仕事術

デザインコンサルタントの仕事術デザインコンサルタントの仕事術
(2014/11/05)
ルーク ウィリアムス、Luke Williams 他

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kindle版 デザインコンサルタントの仕事術

満足度★★★
付箋数:22

  「もし、バラバラの靴下を3つ1組で売ったら、どうなるだろう?」

単に色を変えたり、機能を増やしたりするのではなく、
考え方を根本から変えるために、あえて非合理に立てられた仮説。

これを「破壊的仮説」と呼びます。

この破壊的仮説を元に、2003年にカリフォルニア州
サンフランシスコで生まれたファッション雑貨ブランドが
リトルミスマッチ」です。

このブランドは、実際に左右柄の違う靴下を3枚セットにして
売り出し、アメリカ中の若い娘たちに受け入れられました。

リトルミスマッチは、従来の靴下業界の常識に挑み、
ミスマッチをコンセプトにして成功を収めたのです。

ところで、リトルミスマッチは、どのような問題を
解決したのでしょうか?

実は、そもそも解決すべき問題など存在しませんでした。

しかし、問題点を洗い出しそれを解決しようとする
アプローチをとらないことが、破壊的ソリューションには
重要なのです。

リトルミスマッチの共同設立社の1人でCEOを務めるのが、
ジョナ・ストーさん。

そのストーさんが、同社を設立する前の在籍していたのが、
世界的デザインファームの「frog」社でした。

本書の著者、ルーク・ウィリアムスさんは、frog社時代、
ストーさんとは同僚だったそうです。

本書は、リトルミスマッチのような破壊的イノベーションを
起こすための本。

以前から破壊的思考法を教えている学校がありました。

それはMBAの教育プログラムではなく、デザイン学校です。

  「ビジネススクールは分析の仕方を教えるが、消費者にとっての
  魅力や感情的なつながりを作る方法を教えない。
  一方のデザイン学校はそうしたつながりの作り方を教えるが、
  それが商業化できるものか確かめる方法を教えない。
  それぞれ素晴らしいものではあるが、今日のビジネス環境で
  生き残る―そして繁栄する―ためには、両方が必要なのだ。」

本書では、それらを両立させるためにウィリアムスさんが
frog社で考案した「frogTHINK」を元に、
破壊的ソリューションを生み出す方法を解説します。

それは次の5つのステップからなります。

  STEP1 破壊的仮説を立てる
      ―正解するために、まずは間違える

  STEP2 破壊的チャンスを見つける
      ―いちばん目につかない場所を探る

  STEP3 破壊的アイディアを生み出す
      ―想像もつかないアイディアには競争相手もつかない

  STEP4 破壊的ソリューションを仕上げる
      ―「新しさのための新しさ」は無駄

  STEP5 破壊的プレゼンで売り込む
      ―聴衆の心をつかむストーリーの作り方

本書は、戦略コンサルタントの本などで示されている
アプローチとはまた別の方法論を提示します。

それは、マーケットを破壊する強力なアイディアを創造し、
実現に向けた段階的プロセスを示したものです。

この本から何を活かすか?

  「スターバックスがコーヒーで行ったことを靴下で実現する」

これがリトルミスマッチが自分たちのビジョンを伝えるために
用いた表現です。

本書では、この表現フォーマットを「穴埋め式」で用いて、
アイディアを伝えることを推奨しています。

  ・これは(あなたの業界)版の(比較対象)である。

   例) これはインクジェットプリンター版のボルボXC70である。

  ・私たちは(比較対象)が(比較対象の業界)で行ったことを、
   (あなたの業界)で実践しようとしている。

   例)私たちはナイキがランニングシューズで行ったことを、
     靴下で実践しようとしている。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| アイディア・発想法・企画 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣

「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣
(2014/11/20)
坂本 幸蔵

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満足度★★★★
付箋数:24

1982年生まれの「やったります男」こと、坂本幸蔵さんは、
2006年4月にサイバーエージェントに入社しました。

ネット広告の販売で月間1億円の売り上げるなどして、
入社した年は、上期と下期の2期連続で新人賞を獲得。

入社2年目では、子会社のCAテクノロジーの取締役に抜擢されました。

この役員就任のために、坂本さんが大阪から東京へ移る直前、
付き合いのあったお客さまから、ある発注書をもらいました。

それは、商品メニューを空白にした数千万円の注文書。

そのお客さまから、「好きに書いてください」と言われて、
金額だけが書かれた注文書を渡されたそうです。

いくら商品が優れていたり、サービスレベルが高くても、
人間として相当惚れ込んでもらわない限り、
こんな注文書をもらうことはできないでしょう。

なぜ、坂本さんは短期間で物凄い実績を残し、
お客さまから圧倒的な信頼を得ることができたのでしょうか?

それは、目線を高く持ち、1つ1つの行動を積み重ねた結果です。

坂本さんのサイバーエージェントの同期は100人もるそうですが、
目指したのは、同期の中で1番ではありません。

先輩をすべて抜いて、サイバーエージェントの営業マンの
トップを取ることが、坂本さんの目標でした。

更には、「藤田晋さんの椅子を取る」ことも目標として
掲げていたそうです。

そのために、坂本さんはどのような「行動」をとったのか?

  「多くの人が大きな成功を成し遂げる可能性を持っているのに、
  その可能性を活かしきれていないように感じます。
  その可能性を活かせるかどうかは、行動しだいです。
  仕事における結果の差は、行動の差によって決まります。
  この差を埋めるのに必要なものは、能力ではなく、
  行動へつなげるための意識の持ち方です。
   “才能の差は五倍、意識の差は百倍” これが僕の持論です。」

本書にはズバ抜けた結果を出すために坂本さんが実践した、
45の行動習慣がまとめられています。

  第1章 言われるよりも「先」のやれ!
  第2章 準備で一気に差をつける
  第3章 失敗を恐れない思考法
  第4章 目標は超えるためにある
  第5章 行動をさらに一歩進めるために

坂本さんは何事も、「できる、できない」で判断をしません。

常に「やるか、やらないか」。

何も行動しないで「0勝0敗」で終わるよりも、
たとえ失敗しても、行動して「0勝1敗」や「0勝2敗」
という勝ち負けがつくことに価値がある。

坂本さんは、更に「やるか、やらないか」の1段上の
「やるか、絶対やるか」という基準で考えます。

本書には、行動の仕方についても書かれていますが、
中心となるのは、行動するための意識の持ち方です。

自己啓発書的な性格も持っている本ですね。

本書は、高いエネルギーで熱く語られていますから、
かなりの刺激を受けることは請け合いです。

私は、こういう勢いがあって、アツイ気持ちの本は好きです。

この本から何を活かすか?

  「一般の人は、スキルがある人に魅了される。
  スキルのある人は、夢のある人に魅了される。」

誰の言葉かはわかりませんが、坂本さんの好きな言葉として
紹介されていました。(坂本さん自身の言葉かもしれません)

本書で坂本さんは、自分の夢を語っているわけでは
ありませんが、行動の裏に大きな夢があることがわかります。

ですから、本書は一定のスキルのある人にこそ、
本質が伝わり、魅了される本だと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 10:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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没落する日本 強くなる日本人

没落する日本 強くなる日本人 ―弱者の条件・強者の条件没落する日本 強くなる日本人 ―弱者の条件・強者の条件
(2014/12/03)
小笠原 泰

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満足度★★★
付箋数:20

さくら舎さんから献本いただきました。ありがとうございます。

  「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

この言葉を残したのは、鉄血宰相と呼ばれた
ドイツ初代宰相のオットー・ビスマルクさんです。

もちろん歴史から学ぶ理由は、過去に起こったことを
これからに活かすため。

過去の時代に重ね合わせることで、困難克服のヒントとします。

では、これから急激な少子高齢化を迎え、先行きが見えない
今の日本は、歴史のいつの時代に学べば良いのでしょうか?

よく聞くのは、幕末・明治維新になぞらえたり、
太平洋戦争後と重ねあわせようとする政治家や文化人の言動です。

しかし本書の著者、小笠原泰さんは、それらの時代と
今の日本の共通点はほとんどなく、先例から学ぶには
不適切だと言います。

明治維新は、開国という外圧に端を発する日本内部の
権力基盤の交代で、それに伴う既存制度の否定と
抜本的な改革の実施でした。

太平洋戦争後は、敗戦で進駐軍によって旧制度を
すべて破棄させられ、ゼロベースで物事を進めました。

これに対して、今の日本はこれといった外圧もなく、
既存制度の見直しを小手先だけでやろうとしている状況なので、
似ているとは言えないようです。

  「自分を “維新の志士” に見せたい政治家だとか、
  高度成長がまたくると唱えることで講演に呼ばれたいと願う
  高齢の文化人の連中が、さもしい実利的な理由から
  こうした言説をくり返すわけですが、それを鵜呑みに
  することはできません。」

このように本書での小笠原さんの発言は、かなり辛辣です。

では、今後の社会改革を乗り切るために、
私たちは歴史上のいつの時代を手本とすべきなのでしょうか?

  「社会の外部環境、内部環境の変化から見た場合、
  現在の日本は、既存価値体系が一挙に崩壊した
  室町末期から戦国時代に至る状況に酷似しているように、
  私には思えてならないのです。」

下克上と言われた混乱の時代でもありますが、
同時に経済活動は活発化しました。

それでは、もし、今の日本が戦国時代化していくならば、
そこから一体何を教訓とすべきなのでしょうか?

  「もはや国家に頼ることはできず、自ら恃み、
  自衛するしか方法はない、ということです。
  武士階級に匹敵するデジタルネイティブにならずとも、
  1人ひとりが自衛農民や戦闘的士民になるしかないのです。」

本書は、戦国時代化するこれからの日本において、
国家はどうすべきか、企業はどうすべきか、
そして個人はどうすべきかの処方箋を示した本です。

まずは、日本の現状から目を逸らさず、直視すること。

そして、持続的経済成長といった夢にいつまでもすがりつかず、
少子高齢化にと人口減少による経済規模の縮小を
前提に考えること。

現実を見たうえで、「国を縮小均衡させる」ことに
挑まなければならないと小笠原さんは主張します。

日本がダウンサイズする現実を受け入れてこそ、
初めて生き残る術が明らかになるのです。

この本から何を活かすか?

戦国時代化する日本の中では、個人は「考える」ことが重要です。

しかし、「考える」ことは姿勢なので、
明日から急に「考える」姿勢を持つことはできません。

では、徐々にでも「考える」姿勢を身につけるために、
私たちは、どうすべきなのでしょうか?

  「考えるためには、まず、健全な “疑念” を持つことが
  重要です。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ここらで広告コピーの本当の話をします。

ここらで広告コピーの本当の話をします。ここらで広告コピーの本当の話をします。
(2014/10/29)
小霜 和也

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kindle版 ここらで広告コピーの本当の話をします。

満足度★★★★
付箋数:23

あなたの目の前に現れた人が、突然に尋ねてきました。

  「このグラス1杯の水道水、100円で買いませんか?」

あなたは、怪訝な顔をして、その人の頭はだいじょうぶか
と思うことでしょう。

しかし、尋ねられたときの状況が違うと、
相手への対応もまったく違ったものになります。

もし、あなたが砂漠で遭難して飲水が尽きた時に、
同じように聞かれたら、水道水だって喜んで買うでしょう。

そんな状況なら、きっと1万円出してでも、
何とかその水を手に入れたいと思うはずです。

  「モノの “価値” とは、ヒトとの関係性で決まる」

広告コピーとは、価値が最大化されるように
商品を「定義付け」するもの。

この「定義付け」に特化したコピーのことを
「タグライン」と呼ぶようです。

そして、コピーライターとは、言葉によって、
モノとヒトの関係を創り、改善することで、
企業や商品の価値を上げる人のことを言います。

  「そもそもコピーって何なの。そもそも広告クリエイティブって
  何なのか。(中略)若手コピーライターやコピーライターを
  志望する人たちが、コピーの役割、コピーライターの存在価値を
  正しく理解してくれるようにこの本を書きました。
  もちろん、広告会社の営業さん、クリエイティブ、
  クリエイティブ以外の部署の方、広告主、さらには社会人の
  誰が読んでも役に立つ本です。 “そもそも広告とは” を
  いっしょに考えることで、広告コミュニケーションの
  本質をよく掴むことができると思うからです。」

著者はプレステの全盛期をつくったことでも知られる
クリエイティブディレクターの小霜和也さん。

他にも小霜さんは、KIRIN 一番搾りのキャンペーンなど、
これまで数多くの広告を手がけてきました。

本書は、コピー1本で100万円請求するための教科書です。

  第1章 そもそも広告コピーって何
  第2章 コピーを「考える」
  第3章 そもそも広告って何
  第4章 コピーを書く「姿勢」
  第5章 コピーライター人生とは

ちなみに、日本で最初のコピーライターは、江戸時代の才人、
平賀源内さんだと言われています。

彼がコピーを書いたのが「土用丑の日」。

もともと鰻は冬に脂が乗るため、夏場にはほとんど食べられて
いませんでした。

そこで夏場の売り上げ不振に悩んでいた鰻屋に頼まれて、
源内さんはコピーを考案しました。

ターゲットは「夏バテしている人」、
USPは「他の魚と比べて鰻は精がつく」ということ。

そこで源内さんは、「夏に鰻を食べるとよい」という
キャンペーンを展開。

これが定着して、現在の夏に鰻を食べる習慣ができたのです。

まさに、モノとヒトとの関係をクリエイトする
広告のお手本となったわけです。

本書はコピーライティングのノウハウを学ぶというより、
コピーについて小霜さんと一緒に考えることにより、
モノの本質を掴み、その価値の伝え方を知る本です。

この本から何を活かすか?

  「言葉というものの役割は、大きく2つあります。
  1つはコミュニケーション。もう1つは思考の補助です。」

私たち人間が考えることができるのは、言葉があるから。

そして言葉があるから、「未来」を考えることができる。

  「だからこそ、コピーという言葉には、企業の未来を
  決定づけるパワーがあります。」

私たち個人においても、未来を創りたければ、
「まず、言葉にせよ」ということですね。

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日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)

日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)日本の奈落 (TRI REPORT CY2015)
(2014/10/29)
植草 一秀

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満足度★★★
付箋数:21

高橋洋一さんが、少しずつ表舞台に戻りつつあるのに対し、
かつて竹中平蔵さんの論敵として鳴らした植草一秀さんは、
完全に表舞台から消えたままです。

現在の植草さんの活動は、文筆業が中心。

会員向けに月2回のペースで、「金利・為替・株価特報」という
タイトルのレポート(TRIレポート)を発行しています。

その年次版として1年の政治・経済金融の見通しを示す内容で
まとめられたのが本書のシリーズです。

本書は、2013年3月に刊行された『金利・為替・株価大躍動』、
2013年11月に刊行された『日本経済撃墜 』に続く、
シリーズ第3弾です。

  第1章 撃墜された日本経済
  第2章 安倍増税内閣の運命
  第3章 2014年の総括
  第4章 イエレン議長の憂鬱
  第5章 アベノミクスの運命
  第6章 欧州・中国・原油・金
  第7章 最強・常勝5ヵ条の極意
  第8章 2015年の投資戦略

安倍政権は2014年11月13日、消費税率の再引き上げを
1年半先送りして2017年4月からとし、衆議院を解散しました。

この結果がわかったうえで、本書の予測が当たっていたかどうか
検証してみましょう。

ちなみに、本書は2014年10月刊行ですから、
植草さんが執筆したのは8月~9月頃と考えられます。

消費税増税と衆議院の解散については3つのシナリオが
用意されていました。

第1のシナリオは、12月に安倍政権が2015年10月に消費税率を
10%に引き上げる方針を決定し、2015年半ばに解散・総選挙に
打って出るシナリオ。

このシナリオが実施される見込みは45%とされています。

第2のシナリオは、12月に安倍政権が2015年10月の消費税増税を
先送りを判断するシナリオで、実施確率は45%。

この場合、増税の実施時期は2017年4月への1年半先送りとし、
解散・総選挙は2015年半ばと予想されています。

第3のシナリオは、サプライズシナリオで、
年内に解散・総選挙を実施するケースで、確率は10%。

この場合、消費税増税は予定通り実施されると予想されています。

植草さん自身は、消費税増税の先送りシナリオを期待し、
先送りしても財政再建は可能と判断しています。

完全な的中ではないものの、消費税増税の先送りと
サプライズの解散・総選挙を予想シナリオの1つに
加えていたのは、流石に鋭い読みですね。

また、米国金融市場においては、サブプライム金融危機の
後遺症としての金融不安リスクが残っていて、
他方、急膨張したFRBのバランスシートの劣化が、
FRBに対する信認を揺るがす事態もあり得ると書かれていました。

本書では、経済情勢と政治動向を背景とした、
今後の展望が理路整然と語られています。

この本から何を活かすか?

前作までは、株式投資で成功する「最強・常勝の極意」は、
7ヵ条」構成で紹介されていました。

本書ではこれが、容易に頭の中に整理して常備できるように、
次の「5ヶ条」構成に改訂されていました。

  第1条 損切り(損切りラインを決めて厳守する)
  第2条 逆張り(チャート、RSI、ストキャスで安い時に買う)
  第3条 利食い(利食いラインを3つ用意)
  第4条 潮流(相場全体の流れを読む)
  第5条 波動(個別銘柄の循環変動を読む)

植草さんは、「利食い千人力」という格言が好きなようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 07:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本 なんクリ

なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本 なんクリなんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本 なんクリ
(2014/10/30)
福田 敏也

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満足度★★★★
付箋数:25

私の世代で「なんクリ」と言えば、田中康夫さんが1980年に
発表して話題を読んだ小説、『なんとなく、クリスタル』です。

本書では、「なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと
思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本」を
略して「なんクリ」と言っていますが、著者の福田敏也さんも、
田中さんの小説を意識して、このタイトルをつけたのでしょう。

  「企画仕事はクリエイターだけのものではありまあせん。
  どんな職種であっても、どんな職場であっても、
  それぞれの視点と考え方で本質と向き合う力をつけていれば、
  ユニークな企画マンになれる可能性はあるのだと思います。」

本書は日本を代表するウェブ・クリエイティブディレクターの
福田敏也さんが書いた技術本としての企画本。

企画というと一般的に「ひらめき」のイメージがあります。

しかし、繰り返し企画し、それが仕事として成立するには、
偶発的思いつきに頼らないノウハウが必要です。

ノウハウがなければ、素晴らしい「ひらめき」が湧いても、
一発屋で終わってしまいます。

ミュージシャンで言うと、桑田佳祐さんのような
ヒットメーカーは、きっと何かしらの曲作りのノウハウを
持っているのでしょう。

もちろん、「ひらめき」が必要ないわけではありませんが、
まずは「ひらめく」ための手順とルールを習得します。

本書では、企画するためのメソッドが、
成長のステージごとにまとめられています。

  「企画が上手になるコツと一言で言っても、初心者が
  レベルアップするのと、上級者がさらに上を目指すのでは、
  意味が違います。また、ぶつかる壁のあり方も
  年代ごとに違っているはずなのです。」

ですから、本書は今読んで、それで終わりにする本ではなく、
自分の企画レベルが上がるごとに、読むパートが変わる、
成長しながらずっと付き合っていける本なのです。

  STAGE1 準備期
  STAGE2 新人時代
  STAGE3 3年目
  STAGE4 ユニットリーダー期
  STAGE5 プロジェクトリーダー期
  STAGE6 ベテラン期

先日、当ブログで著名クリエイターである佐藤可士和さんの
佐藤可士和の打ち合わせ』を紹介しましたが、
本書にも同じような内容が書かれていました。

それは、自分の過去の感情を頼りに記憶を呼び出すこと。

  「昔のことを掘り起こすことそのものに意味があるわけでは
  ないのです。そうして深層に格納された強い記憶は、
  強い感情や感覚とともに格納されていることに意味があるのです。
  強い感情や感覚とともに残っている記憶には、
  住む場所や環境が違えども、みんなに共通するものが多いのです。
  忘却のフィルターを通って残っていくものは、人間の感情や
  感覚の共通部分に触れているものが多いのです。」

本書では、思い出し上手になるメソッドとして、
「放射A4法」という連想して思い出す方法が紹介されていました。

この本から何を活かすか?

福田さんの企画で有名なのが「Lupin Steal Japan Project」。

これは2009年に行われた『ルパン三世』40週年の節目に
キャラクターの話題性を高め、ルパンキャラクター関連ビジネスの
売上向上を目指したキャンペーンでした。

犯行予告をした上で、渋谷駅南口のモヤイ像を盗み出し、
その後犯行声明を出すなど、かなり大掛かりなものでした。

結果、関連商品は売上目標をクリアし、アニメスペシャルの
視聴率も前年より大きく上がりました。

本書では、このプロジェクトにつても、
どのように企画に至ったのか、その過程が公開されています。

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| アイディア・発想法・企画 | 06:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?

なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」
(2014/10/31)
久世 浩司

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満足度★★★
付箋数:21

あなたは、ハードに働くことに価値を置く、
ハードワーカーですか?

ここで言う「ハードワーク」とは、健康を犠牲にして
朝から深夜まで長時間働く「ロングワーク」ではありません。

働く時間はそれほど長くなくとも、脳をフルに使って
集中的に働く頭脳労働を指します。

本書は、「ハードに仕事をしながらも、心が折れることなく、
仕事を通した幸せを求める人たち」に向けて書かれた本。

なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか?

これは本書のタイトルでもありますが、
その答えは「レジリエンス」が鍛えられているからと、
著者の久世浩司さんは言います。

レジリエンスについて、私は久世さんの前著、
「レジリエンス」の鍛え方』で初めて知りました。

レジリエンスとは、逆境や困難、強いストレスに直面したときに、
適応する精神力と心理的プロセス。

これは、物事を何でも前向きにとらえるポジティブシンキング
とは異なります。

高いレジリエンスを持っていると、心が折れそうになるほどの
逆境から、立ち直ることができます。

このブログで、久世さんの前著を紹介したときは、
レジリエンスという言葉は、世間でも聞いたことがない
という人がほとんでした。

しかし、2014年4月17日にNHKテレビ「クローズアップ現代」で
折れない心の育て方 ~レジリエンスを知っていますか?~
が放送されてから、にわかに注目されるようになりました。

本書では、ハードワークをしても折れない心にするために、
レジリエンスを鍛える方法を3つのステージ、
7つの技術を紹介します。

  ステージ1 精神的な落ち込みを「底打ち」する
   第1の技術 ネガティブ感情の悪循環から脱出する
   第2の技術 役に立たない「思い込み」を手なずける

  ステージ2 スムーズな「立ち直り」を図る
   第3の技術 「やればできる」と信じる自己効力感を身につける
   第4の技術 自分を特徴づける「強み」を活用する
   第5の技術 心の支えとなる「サポーター」をもつ
   第6の技術 感謝のポジティブ感情を豊かにする

  ステージ3 感情にラベリングする
   第7の技術 痛い体験から意味を学ぶ

レジリエンスを鍛える骨格となる部分は、前著と共通です。

本書ではハードワークを目指す人向けですから、
実在するハードワーカーたちの事例が多く紹介されていました。

本書で個人的に参考にしたいと思ったのは、
ときどき時間を確保して過去の体験を棚卸しする
習慣を持つことです。

私はどちらかと言うと心が折れない方ですが、
逆境体験を振り返って内省する時間は
ほとんど持っていませんでした。

内省することで教訓化され、成長できるようです。

また、ときおり立ち止まって「自分はこれからも今いる
場にい続けるべきべきだろうか」と「場」の選択も
自分に問いかけてみた方がいいようですね。

この本から何を活かすか?

  ・仕事で思い通りにいかないと、やる気をなくし辞めると言う
  ・難しい問題があると、途中で諦めてしまう
  ・新しい課題になかなか挑戦しようとしない

もしあなたの職場の新人にこのような傾向が見られれば、
「自己効力感」が下がっているのかもしれません。

自己効力感とは、セルフ・エフィカシーとも呼ばれる
自己の能力への確信と信頼。

新卒でも中途採用者でも、入社100日以内に仕事に対する
「自己効力感」をいかに高めるかが、
逆境に負けない人材を育てるためのポイントです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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佐藤可士和の打ち合わせ

佐藤可士和の打ち合わせ佐藤可士和の打ち合わせ
(2014/11/08)
佐藤 可士和

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kindle版 佐藤可士和の打ち合わせ

満足度★★★
付箋数:22

  「なんて忙しいんだ」

ほとんど毎日のように、このように感じている
ビジネスパーソンも多いはずです。

実は、博報堂に勤めたいた時代、佐藤可士和さんも
同じように思っていたそうです。

当時から佐藤さんは、多くのクライアントを担当し、
いくつものプロジェクトに参加して、
限界までスケジュールが詰まっていました。

しかし、今から考えてみると、当時の仕事量は
大したことはなかったと、佐藤さんは言います。

なぜなら、現在では忙しいと思っていた当時の
「10倍以上」の仕事量をこなしているから。

では、どうしたら、限界だと思っていたときの、
10倍以上もの仕事ができるようになるのでしょうか?

もちろん、単純にスキルアップするだけで、
仕事のキャパシティは増えません。

佐藤さんが変えたのは「打ち合わせ」の方法です。

日々、最高に質の高い打ち合わせを重ねることで、
10倍以上もの仕事が、できるようになったのです。

人によって、打ち合わせの重要度は違うかもしれませんが、
佐藤さんにとって、打ち合わせは仕事そのもので、
クリエイティブの現場なのです。

佐藤さんのオフィス「サムライ」では、クオリティの高い
打ち合わせができているので、流通、ITから、
自動車、飲料、商社、ファッション、国や地方の仕事まで、
常時30以上のプロジェクトが無理なく動いているのです。

  「打ち合わせのクオリティを上げ、仕事の質を上げるには
  どうすればいいのか。そのための、僕なりの提言を
  まとめたのが本書、というわけです。(中略)
  毎日の食生活が健康を作るように、毎日の打ち合わせが
  仕事を変える。打ち合わせを変えることで、
  仕事が変わり、チームが変わり、会社が変わり、
  ひいては日本のビジネスが変わる―。」

「打ち合わせ」は、「会議」とは違う役割を持ちます。

「会議」は情報共有のために報告が行われたり、
最終的な意思決定を行い、それを承認するオフィシャルな場です。

それに対して、「打ち合わせ」は、会議に上げられる前段階で、
自由に考え議論する場です。

完全に意思決定される前のプロセスすべてを、
佐藤さんは、打ち合わせと呼んでいます。

  RULE1  打ち合わせは「本音の真剣勝負」で臨め
  RULE2  プロジェクトの「構造計算」をして必要な打ち合わせを洗い出せ
  RULE3  「イメージの徹底」が打ち合わせの準備である
  RULE4  「ラスト5分」と「終了後5分」が打ち合わせの黄金の時間
  RULE5  出すお茶にまでこだわれば、仕事はきっとうまくいく
  RULE6  打ち合わせは「ファシリテーターの腕」で決まる
  RULE7  すべての打ち合わせを「ブレインストーミング」にせよ
  RULE8  会食は「未来を語らう場」として活用せよ
  RULE9  社内の打ち合わせはなるべくやらない

社内の打ち合わせではなく、主に社外との打ち合わせを
扱っている点では、野地秩嘉さんの『打ち合わせの天才』と
共通しています。

しかし、本書の方がシンプルで本質的な打ち合わせの方法が
語られているように感じました。

この本から何を活かすか?

  「相手に刺激になるような話をするためのコツ」

佐藤さんは、相手が「へぇ、そうなんだ」と感心するような
話をするために、ある習慣を持って日頃からアンテナを
張っているそうです。

それは「感じたことだけをインプットする習慣」を持つこと。

たくさんの情報が氾濫する中で、何でも覚えようとせず、
「感じたこと」だけを、心のヒダに記憶します。

すると、後からどう感じたかを思い出すことで、
それと紐づけられた出来事が、
スムーズに記憶から取り出せるようです。

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| 会議術・ファシリテーション | 13:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?

一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?~仕事力を常に120%引き出すカラダ習慣~一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?~仕事力を常に120%引き出すカラダ習慣~
(2014/11/13)
上野啓樹、俣野成敏 他

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満足度★★★
付箋数:22

仕事でパフォーマンスを上げるためには、
何をどう変えたら良いのでしょうか?

ここで普通考えるのが、スキルを身につけること。

しかし、いくらスキルが身についても、「体調」が悪ければ、
十分なパフォーマンスを発揮することはできません。

また、スキルを身につけるにしても、
体調次第で吸収するスピードが違ってきます。

真に仕事のパフォーマンス向上するために必要なのは、
カラダのコンディションを整えることなのです。

では、どうのようにしたら、カラダのコンディションを
良い状態で維持することができるのでしょうか?

これは一朝一夕で、できるものではありません。

コンディショニングのためには、「生活習慣」自体を
見直す必要があるのです。

生活習慣の根幹となるのは、食事・排泄・睡眠・運動など。

本書では、これらの生活習慣を改善して、
安定して高いパフォーマンスを発揮できるカラダを作ります。

副産物として、リバウンドしないダイエットができるのです。

本書は、ライフコンサルタントの上野啓樹さんと、
プロフェッショナルサラリーマン』シリーズで知られる
俣野成敏さんの共著です。

上野さんは、かつてテレビ番組や雑誌で企画される
ダイエットのビフォーアフター企画で管理指導を行っていました。

しかし、それだけでは健康の大切さを伝えられないと考え、
「ダイエットアカデミー」を開校します。

そのアカデミーに参加し、上野さんからコンディショニングの
指導を受けたのが俣野さんでした。

俣野さんは2ヶ月で、それまでムラのあったコンディションが
安定するようになり、体重も10キロ落ちたそうです。

もともとコンディショニングのための生活習慣改善が目的で、
ダイエット目的ではありませんから、リバウンドもありません。

結果として本書は、「一度痩せたら、二度と太らない」
究極のダイエット本になったのです。

本書では俣野さんが指導を受けたプログラムを公開します。

  第0章 気合と根性だけでは、結果を出せない
  第1章 コンディションと仕事の関係
  第2章 新しいカラダに生まれ変わる
  第3章 太りにくく疲れにくい1日の習慣
  第4章 世の中の常識を疑え
  第5章 ハイパフォーマンスには、7つの特徴があった

私が本書で面白かったのが、「消化」を制して、
仕事の能率を上げるという考えです。

人間のカラダにとって1日のうちで最もエネルギーを使うのが、
実は、食べたものを消化する時。

ですから、消化で体力を浪費してしまうと、
仕事の効率が落ちてしまうのです。

しかも、空腹の時の方が「サーチュイン遺伝子」が働き、
仕事でハイパフォーマンスが発揮できるようです。

だから、できるだけ「消化の良い物」を食べた方がいい。

消化の悪い肉を食べる場合は、少しでも消化を助けるために、
よく噛んで食べた方がいいようです。

この本から何を活かすか?

本書では「フルーツデトックス」が紹介されていました。

これが良い理由として、次の4点が挙げられています。

  1. 糖質や脂肪を分解・燃焼する酵素が豊富
  2. 抗酸化作用の高いポリフェノールが多く含まれ、
    脂肪の活性化と代謝を促す
  3. 食欲を抑えるアミノ酸が含まれる
  4. 便通をよくする食物繊維が豊富

最低3日間以上、フルーツと水だけを摂り、
カラダの毒を出し切るフルーツデトックス。

連続は厳しそうですが、まずは1日フルーツデーを
実践してみようと思います。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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統計学が最強の学問である[実践編]

統計学が最強の学問である[実践編]---データ分析のための思想と方法統計学が最強の学問である[実践編]---データ分析のための思想と方法
(2014/10/24)
西内 啓

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kindle版 統計学が最強の学問である[実践編]

満足度★★★★★
付箋数:28

2013年1月に刊行され、一大「統計ブーム」を巻き起こした
西内啓さんの『統計学が最強の学問である』。

私も絶賛した本で、統計学がどれほど有用なのかがわかり、
取っ付きづらい統計を学ぶモチベーションが上がりました。

しかし、この本はあくまで統計学の「入門の入門」。

この本を読んで、統計を勉強する気満々になった方は、
次に統計学の入門書へ進むことになります。

ところが、そこで次のような壁にぶち当たる・・・・

  ・数式が出てくると手が止まる
  ・しかしツールをいきなり触っても何を意味しているのかわからない
  ・それぞれの手法が自分の仕事にどう役立つのかがわからない
  ・自分の仕事に必要な範囲がどこまでなのかがわからない

要するに、学問として統計を学びたいわけではなく、
道具として統計をビジネスで活用したいので、
既存の本では、そのニーズが満たされないのです。

そこでそのニーズを満たすべく、実践編として書かれたのが本書です。

  「本書の狙いは、すべてのビジネスマンにとって有用な、
  データからアウトカム(最大化したい/最小化することで
  利益に繋がる成果指標)と説明変数(アウトカムの大小を
  説明しうる要因)も関連性を分析できるようになることにある。」

正直、本書を読む前は、実践編となると普通の統計本に
なってしまうのではないかと心配ましたが、
そんな心配は杞憂に終わりました。

やはり、西内さんの統計本は、一味も二味も違います。

例えば、小学生でも知っている「平均値」。

あなたは、「平均値」と「割合」が本質的に同じであることを
知っていましたか?

仮に100人のグループで「男性である度合い」を調べるとします。

このグループの内、60人が男性なら60%の「割合」ですね。

ここで調査の結果、自分が男性と回答したなら1、
そうでなければ0の値として平均値を出します。

  (1×60+0×40)÷100=0.6

この平均値0.6は先ほどの60%という割合と同じ値になります。

  「つまり、割合と平均値というまったく別物の集計方法が
  存在しているわけではなく、数の形で表現できない質的変数に
  ついては、それぞれの分類についての1か0かという形で
  表現される “該当するか度合い” という量的変数を考え、
  その平均値を計算しているということなのだ。」

意外と平均値と割合が同じ意味であることを
知らなかった人は多いのではないでしょうか。

本書では、仮説検定、重回帰分析、ロジスティック回帰、
因子分析、クラスター分析などの手法が解説されていますが、
その前提として、平均値などの本質的な意味合いも
詳しく学びます。

一般的にデータに偏りがある場合など、
平均値だけで判断してはいけないとも言われますが、
「洞察のための統計」では、平均値は中央値など他の
代表値より推定の方法として相応しい。

  「平均値とは最小二乗法に基づき、観測値に含まれるズレを
  最も小さくすると考えられる良い推定値である。」

平均値を、データを足してその数で割るという、
当たり前の計算過程ではなく、なぜそうした計算を行った結果、
得られる平均が洞察の統計学で重要になるかという、
本質を理解するための説明にページが割かれています。

本書を読むと、こういう結果を求めているからこの分析をするという、
意味の分かった統計分析ができるようになります。

この本から何を活かすか?

  「儲かりそうなアイディアが見つかったら、
  適切なランダム化実験あるいはA/Bテストで検証しよう」

本書では、統計分析の結果として相関と因果を混同しないように
といった漠然とした注意ではなく、あくまでビジネスに則した
具体的なアドバイスが書かれているのがいいですね。

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| 数学 | 06:59 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?

石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 (文春新書)
(2014/09/19)
岩瀬 昇

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kindle版 石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門

満足度★★★
付箋数:23

石油は、あと何年もつのでしょうか?

私が小学生の頃、今から35年くらい前のことですが、
石油はあと30年位でなくなると言われていました。

これは現存埋蔵量を生産量で割った「可採年数(P/R Ratio)」
の話しです。

確かに、当時のP/R Ratioは30年くらいでしたが、
実際に石油が掘り尽くされて、なくなることはありませんでした。

それどころか、2014年時点でのP/R Ratioは、
以前より減るどころか逆に増えて、50年強になっているのです。

実はP/R Ratioを出す際の、「埋蔵量」は成長します。

そればかりか、「埋蔵量」に世界的に統一された定義はないのです。

まず、地中に埋まっている全ての炭化水素量のことは、
埋蔵量ではなく、「資源量」と表現します。

その中で、「技術的に回収可能な資源量」のうち、
通常の方法で経済的な採掘が可能なものを「埋蔵量」と呼びます。

更に回収可能性が90%以上の場合を「確認埋蔵量」、
50%以上の場合を「推定埋蔵量」、
10%以上の場合を「予想埋蔵量」と呼ぶそうです。

一般的に埋蔵量と言うと、確認埋蔵量のことを指し、
この計算方法は複雑で、素人にはなかなか理解できません。

また、石油開発事業のどの段階で行うかでも異なり、
発表する団体により、埋蔵量の計算結果が違うのです。

本書では、その「素人には理解できない」埋蔵量の計算を
(容積法)を次のように解説しています。

  「地下の貯留層を、実際には岩石なので非常に硬いものだが、
  食器を洗う時に使用するスポンジだとイメージしてみよう。

  スポンジには見えない孔が開いていて、その孔に水分が含まれている。
  そのスポンジの中に、単位あたりどの程度の水分が入っているかを
  計算する。スポンジなら絞ってみればおおよその量はわかるが、
  貯留槽の場合は孔隙率と浸透率を利用して計算する。

  それから、そのスポンジがどのくらいの大きさかを推定する。
  地震探査データと試堀井データから、広がりと厚さ、
  つまりスポンジの全体の大きさが推定できる。

  この2つをかけあわせれば、全体の含有水分量がわかる。
  水が原油だと思えば、埋蔵量はこうやって計算できる。」

今までの歴史においても、これからの未来においても、
世界情勢はエネルギー問題を抜きに語れません。

エネルギーをどう押さえるかで、世界の勢力地図が塗り変わります。

本当のところ、石油の埋蔵量はどれくらいあるのか?
日本の輸入ガスは、なぜ高いのか?
今話題のシェール革命は、実際どうなのか?
日本のエネルギー政策は、どうしていくべきなのか?

本書では、エネルギー一筋43年の岩瀬昇さんが、
エネルギーリテラシーが低いと言われる私たち日本人に、
この問題をわかりやすく解説します。

岩瀬さんは、これまで海外勤務を含め、三井物産株式会社、
三井石油開発株式会社で一貫してエネルギー関連業務に
携わってきた方です。

本書では、世界経済、各国の外交戦略、安全保障、
ナショナリズム、環境問題、新技術など、
あらゆる問題に関連するエネルギーの基礎知識について
解説しています。

単に原発に賛成とか反対とかではなく、エネルギー全体から、
複眼的思考ができるようになる手助けをしてくれます。

この本から何を活かすか?

  第5の燃料という名の「効率」

エネルギーは発電ロス、輸送ロスなどを伴うため、
最終消費に回らないエネルギー量が実に31%にも上るそうです。

それが、「効率」が第5の燃料と言われる所以。

  「一次エネルギーのほとんどすべてを輸入に頼らざるをえない
  我が国にとって、特にこの分野 “省エネ”、  “効率的エネルギー
  利用” の分野での技術革新は今後大いに期待されるところである。」

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| 科学・生活 | 06:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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