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東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」

東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」
(2014/10/15)
松尾 豊、塩野 誠 他

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kindle版 東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」

満足度★★★
付箋数:22

哲学者のジョン・サールさんが1980年に発表した思考実験、
「中国語の部屋」をご存知でしょうか?

ある人工知能のプログラムがあったとします。

プログラムには箱があって、その中には小さな人が入っています。

その人に中国語で話しかけると、中国語で答えてくれます。

実は中でやっていることは、中国語の文字が入ってきたら、
難しい漢字でまったく意味がわからないとしても、
「この文字が出てきたらこう返せ」と書かれた分厚い辞書を
猛スピードでめくりながら言葉を作り、できたら箱の外に
投げ返すという作業です。

中国語で問いかけると、中国語で返してくれますし、
外から見ると会話は成立しているように見えます。

このとき、箱の中の小さな人は中国語がわかっていると
言えるでしょうか?

この思考実験では、「人工知能には人間と同じような思考が
あるか」という質問の答えを示してくれます。

中の人がいくら賢い返答をしたとしても、それは中国語を
理解しているとは言えません。

人工知能がやっていることが、箱の中の人がやっている作業と
同じことなのです。

2014年6月8日、ロンドンで開催されたチューリングテスト
(人間とコンピュータがチャットしているのを、文字のやりとり
だけを見た審査員が、コンピュータであることを見破るテスト)
の大会において、初めて「ユージーン」というコンピュータが
合格しました。

しかし、この「中国語の部屋」の考えでは、まるで知能が
あるかのような受け答えができたからと言って、
本当に知能があるかどうかは、分からないことを示しています。

さて、本書はビジネスに関わる戦略立案・実行を
仕事にしている塩野誠さんと、東大の准教授で人工知能の権威
である松尾豊さんの対談本です。

塩野さんが「人工知能によって世の中がどう変わるのか?」
という質問を、政治、経済、教育、医療など様々な角度から
ぶつけ、松尾さんが未来像を答える形で対談が進みます。

  Prologue えっ、人工知能ってそんなことまでできるの!?
  Chapter1 ウェブとビッグデータ、人工知能(人工知能の怖さ)
  Chapter2 政治も経済も、国境すらも変わる
        (近い将来、国はなくなるか)
  Chapter3 ヒトと人工知能(人の「意思」は作り出せるか)
  Chapter4 ロボットに限界は必要か
        (すべての犯罪が記録される世の中に)
  Chapter5 身体と学習、教育の役割(もう公教育は必要ない)
  Epilogue 未来はそこまでやってきている

SFで描かれていた未来の世界が、どの程度現実味を
帯びてきているかという話も興味深い。

しかし、マイノリティ・リポートのプリコグや、
ターミネーターのスカイネットなどは、現状の人工知能から
考えると、まだまだ実現しそうにありませんね。

この本から何を活かすか?

人工知能は、小説を書くことができるのか?

現在、公立はこだて未来大学で松原仁教授が中心となった
あるプロジェクトが進行中です。

プロジェクト名は「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」。

これは、人工知能に星新一さんのようなショートショートを
書かせることを目指したプロジェクトです。

星さんは、生涯で1000本ほどの短編小説を残しているので、
それをすべて分析して、人工知能におもしろいショートショートを
創作させるべく研究が行われています。

パラサイト・イヴ』の瀬名秀明さんもブレーンに加わって、
将来的には、各種小説の賞への入選も狙っているそうです。

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