活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2014年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年12月

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戦わない生き方

戦わない生き方戦わない生き方
(2014/11/27)
横山 信治

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満足度★★★
付箋数:22

著者の横山信治さんから献本いただきました。ありがとうございます。

  Q1.「戦わない生き方」をすればどうなりますか?
  A1. あなたの夢・目標が実現します。

  Q2.「戦わない生き方」をしていると相手に負けてしまい
    夢・目標が遠ざかるのでは?
  A2.誤解です。相手に勝っても夢や目標は実現しません。

  Q3.「戦わない生き方」をしていると、相手から舐められたり、
    便利屋として使われるのでは?
  A3.「戦わない生き方」とは、相手に迎合することではありません。

  Q4.「戦わない生き方」をすれば、悩みは解消しますか?
  A4.「戦わない生き方」をすると、多くの悩みを軽減できます。

  Q5.「戦わない生き方」をすれば、夢・目標が実現し、
    悩みも軽減できるのですね?
  A5.はい、その通りです。
    具体的な方法は本書に詳しく書いてあります。
    是非、読んでみてください。

私たちは、学校や仕事、プライベートでも、
あらゆる場で、ライバルと「戦って勝つ」ことを
良しとしてきました。

では、なぜ、私たちは人と戦うのでしょうか?

それは、自分の考えが正しいことを証明したいから。
自分が素晴らしい人間だと認められたいからです。

しかし、横山さんは指摘します。

私たちは、自分の考えが正しいことを証明するために
生まれてきたのではないと。

私たちは、自分なりの夢や目標を実現するために生きているのです。

そのために、人との戦いは必要ありません。

これは、横山さんが平和主義だから戦わないことを
勧めているのではありません。

戦わないことの方が、夢や目標を実現するために、
一番有利だから勧めているのです。

戦う代わりに、相手を認め、教えを乞います。
相手から奪う代わりに、こちらから先に与えます。

そうすることで、自然と周囲が応援してくれるようになるのです。

ただし、横山さんは100%戦いを否定しているわけではありません。

時として戦うことが必要な場合もあります。

それは、誰かを守る時です。

史上最強の兵法書と名高い「孫子の兵法」にも、
戦わずして勝つことが、最上の戦略と書かれています。

目的は勝つことであって、戦うことではないと。

本書の「戦わない生き方」はそれに通じるものがありますね。

もともと、横山さん自身が「上司」、「同僚」、「部下」、
「取引先」、「ライバル会社」など、あらゆる人や会社と
戦ってきたと言います。

その結果、待っていたのが成功ではなく、
「入院」と「左遷」でした。

本書では、そんな横山さんの体験談も交えて、
戦わずして勝つ方法が語られています。

社会人の持つストレスの大部分は人間関係が原因です。

戦うことをやめると、そんなストレスを抱えなくなり、
人間関係の悩みも解消できるのです。

本書は、職場や学校で人間関係がうまくいっていなかったり、
とにかく成功したいと考えている人には、読んで欲しい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「テレビドラマに出てくるような、理想の上司なんていない」

横山さんは、上司を嫌う事自体は問題ないと言います。

そもそも、私たちは自分の能力を実力より高く見積もり、
嫌いな上司の能力は実力より低く見積もる傾向があります。

だから余計、上司が無能に見えてきて、嫌いになってしまう。

しかし、そんな上司でも、力関係は常に上ですから、
やり込めるようなことをして、無駄に戦ってはいけないのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:08 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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売れる文章術

売れる文章術売れる文章術
(2014/11/08)
中野 巧

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満足度★★★
付箋数:19

お客さまを「煽って」売れる時代は終わりました。

では、今の時代、どのようにしたら売れるのでしょうか?

  「私は、 “これからのセールスやビジネスのキーワードは
  『共感』だ” と言い続けてきました。」

お客さまの気持ちに寄り添って、「共感」を呼び起こす。

言うのは簡単ですが、そんな文章を書くことができるのでしょうか?

それを実現するのが、「エンパシーライティング」。

「エンパシーチャート」というフレームワークを埋めることで、
共感を生む文章が書けるようになるというもの。

これは中野巧さんが、共感を生む文章を書くために作り出した
ノウハウで、前著『6分間文章術』で紹介されていました。

人によって、合う合わないはあるかもしれませんが、
このノウハウを学ぶだけなら、本書より前著の方が、
詳しく説明されています。

では、本書は前著と何が違うのか?

  「本書でお伝えするノウハウは、“売れるセールス文章”
  についてですが、その効果を最大限に引き出すために、
  見込み客が自動的に集まるマーケティングを仕組み化した
   “売れるプラットホーム” の構築法についても公開していきます。
  なぜなら、 “共感され、売れるセールス文章” のスキルと、
  ソーシャルメディアのツール活用やそれらを連動させる
  仕組みが両輪となり、あなたのビジネスを加速させるからです。」

本書で紹介されるのは、ブログをハブにして、
ツイッター、フェイスブック、メールマガジン、
商品のセールスレター、無料プレゼントの5つを組み合わせた
プラットホームです。

これを顧客動線を考えて設計し、成約率を高めます。

本書では、このプラットホームの作り方と、
エンパシーライティングの方法の両方が紹介されています。

  第1章 なぜ多くの人がセールス文章を書くのに苦しむのか?
     セールス文章に潜む「7つの落とし穴」と、その突破口
  第2章 売れる文章を書く前にあなたが知っておくべき、
     売れるプラットホームを作る3ステップ
  第3章 リアルな事例から読み解く、「共感」と「結果」を
     生み出す、売れる文章8つのメカニズム
  第4章 売上の8割を支配する売れるヘッドラインの作り方
  第5章 それでもうまくいかないときに読む5つのヒント

「お客様の声」を利用するのは、売るためのセオリーです。

しかし、それがわかっているからこそ、「お客様の声」が
あまり多用されていると、かえって逆効果になり、
胡散臭さが増してしまいます。

個人的に本書では、『6分間文章術』の評判を多用している点が、
少し気になりましたが、トータルな売れる仕組み作りのノウハウは、
わかりやすく解説されていると思います。

ただし、「共感」を呼ぶ文章を書くことだけに
特化して学びたいなら、先に『6分間文章術』を読んだ方が
いいでしょう。

本書は、前著を読んで疑問に思った部分や、足りないところを
Q&A形式で応えてくれます。

この本から何を活かすか?

中野さんが考える「夢は紙に書くと叶う」メカニズム

  1. きわめて自由度の高い、あなたの「思考・想い・夢」
     ↓
  2. それを文章で「カタチ化」する
     ↓
  3. とてつもないエネルギーが生まれる
     ↓
  4. 夢が叶う

本書では、このメカニズムを水蒸気が水になる時の
状態変化の喩えを使って説明していましたが、
個人的にその説明は、あまりシックリ来ませんでした。

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| 文章術 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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流しの仕事術

流しの仕事術流しの仕事術
(2014/10/20)
パリなかやま

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満足度★★★
付箋数:21

代官山ブックスの廣田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「本書のタイトルにある “流し” とは、移動しながら商売を
  する人の通称だ。私の場合は、東京の恵比寿横丁を中心に
  流しながら歌っているので、“ 流し歌手” または“ ギター流し”
  などと呼ばれている。流し歌手は、場所を選ばず、
  即座にお客さんの目の前で演奏するのが生業だ。
  本書はいわば、 “流しをするためのマニュアル本” である。」

著者のパリなかやまさんは、現役の流しです。

なかやまさんは、2004年に「コーヒーカラー」というユニットで
歌手としてメジャーデビューしています。

デビュー曲の「人生に乾杯を!」は平成のサラリーマン応援歌
として話題を呼び、ヒットしました。

しかしその後は、なかなかヒット曲に恵まれず、
なかやまさんは、6年前に流し歌手に転向しました。

本書は、なかやまさんのこれまでの流しの経験と
ノウハウを詰め込んだ本です。

  流しの仕事術その1. 流しは特技を売れ!
  流しの仕事術その2. 流しは場所を探せ!
  流しの仕事術その3. 流しはポイントを押さえろ!
  流しの仕事術その4. 流しはチャンスを見極めろ!
  流しの仕事術その5. 流しは工夫を怠るな!
  流しの仕事術その6. 流しは未来を自ら掴め!
  流しの仕事術その7. 流しはトラブルに打ち勝て!

本書がターゲットする読者層は2つあります。

まず1つ目は、実際に流しに挑戦したい人。
これは、必ずしも「歌手」である必要はありません。

占いでも、似顔絵描きでも、漫談でも、マジックでも、
何かしらの特技があれば、それを売り物とすることができます。

そういった自分の特技を活かして人を幸せにし、
そのコンテンツを収入に変える秘訣が、
本書では披露されています。

恐らく、本書は日本で唯一の流しの教科書です。

少し前に、「ノマド」というワークスタイルが流行りましたが、
流しは究極のノマドと言うことができます。

もう1つのターゲットは、流しのコミュニケーション術を
今の仕事で参考にしたいビジネスパーソン。

ストリートミュージシャンは、通りがかった人に
聞いてもらう受け身の商売です。

一方、流しはお酒を楽しんでい流人たちに自ら営業をかけます。

そのためには、酒場の人の流れを掴み、客席の状況を見極め、
絶妙のタイミングで売り込まなければなりません。

しかも、お客さんのノリに合わせて、即座にリスエストに応え、
エンターテイメントを提供し、楽しみ、満足してもらって、
お金を払ってもらう現金商売です。

ですから、ただ歌がウマイだけでは商売は成り立ちません。

流しとして食べていくには、優れたコミュニケーション能力が
必要なのです。

営業職の方や、コミュニケーション能力を鍛えたいと
思う方には、きっと参考になるところがあるはずです。

また、巻末には、恵比寿横丁のお店紹介も掲載されています。

普段流しをさせてもらっているお店に、感謝の意を込めて
紹介しているのでしょう。

この本から何を活かすか?

本書はYouTube連動型の書籍です。

本書には、イラストもふんだん掲載されていますが、
それだけでは、流し独特の雰囲気が伝わりません。

そこで本書では70本の撮りおろしムービーを用意。

1本当たり30秒から1分程度の長さですが、
臨場感が伝わってきます。



この映像を見ると、恵比寿横丁に行って、
なかやまさんの生歌を聞きたくなりますね。

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| コミュニケーション | 10:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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外資系とMBAに学んだ「先を読む」会話術

外資系とMBAに学んだ「先を読む」会話術 (PHPビジネス新書)外資系とMBAに学んだ「先を読む」会話術 (PHPビジネス新書)
(2014/10/18)
理央 周

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kindle版 外資系とMBAに学んだ「先を読む」会話術

満足度★★★
付箋数:20

あなたは、「腹黒」ですか、それとも「腹白」ですか?

正確には、腹黒の対義語は腹白ではありませんが、
イメージは伝わると思います。

腹黒とは、三省堂の大辞林で調べてみると、「心がねじけている。
心の中に悪巧みや陰謀をもっている。」とネガティブな意味が
載っています。

本書の著者、理央周さんは、ある経営者に言われたそうです。

  「理央さんって、腹黒よね」

コンサルタントで腹黒と聞くと『極悪がんぼ』のような世界を
想像してしまいますが、理央さんはそういう意味で
言われたわけではありません。

その経営者は続けました。

  「あ、もちろんいい意味でね。しっかりと先を読んで
  お仕事を進めてらっしゃいますね」

本書は、腹黒いコミュニケーションをススメる本。

つまり、先読み力で、知らず知らずのうちに相手にYESと
言わせるコミュニケーション力をつける本です。

  「仕事を進めていく上では、いい意味での
   “計算ずくのしたたかさ” をもつべきである。
  本書では、私の最も得意とするエリアである “マーケティング” の
  手法とMBAのフレームワークをベースに、時間の浪費や不要な失敗を
  避けるための先読みコミュニケーション術を展開する。」

  第1章 腹黒く「先読み」せよ
  第2章 思いどおりに事を運び、人を動かすテクニック
  第3章 賢者のコミュニケーション術
  第4章 コミュニケーションをフレームワーク化する

本書のコミュニケーションは「結果を出す」ことが目的ですから、
目的やゴールから逆算して準備をします。

例えば、新規得意先へ契約獲得のプレゼンを行う場合でも、
相手のタイプに合わせて、話の「まくら」を用意します。

具体的には、次の2軸でマトリックスを作り、
相手のタイプから「まくら」になる話題を準備しておきます。

  1. 自分と同年代か、年上か
  2. 地元または遠方

この2×2のマトリックスで相手のタイプを分け、
ご当地ネタや出身校などの共通の話題や、
自分や相手にとっての最新トピックスを用意します。

もし、相手が地元の同年代の得意先なら、
「私はX高校の出身で」とか「昨日、名店と言われている
大勝軒でつけ麺を食べたのですが」といったところから入ります。

相手が年上で遠方なら、その地方の地元紙に目を通して
経済ネタを拾ったり、相手地元の「ゆるキャラ」や
駅で見つけた自分の地元にはない名物などをまくらにします。

先が読みにくいコミュニケーションだからこそ、
緻密なシミュレーションと入念な準備を怠らないのです。

本書ではロジカルにコミュニケーションの組み立て方を
を説明するだけでなく、豊富な事例も紹介されています。

それは理央さんがアマゾンをはじめ、外資系を中心に
10社での勤務経験があるからなせる業。

したたかなコミュニケーション術を身につけたい人には、
参考になる本です。

この本から何を活かすか?

  名前を忘れた非礼はわびるな

ビジネスで付き合う相手の名前を覚えていると、
相手との距離がグッと縮まります。

だからこそ、「すみません、どちらさまでしたでしょうか?」
などど馬鹿正直に聞いてはいけません。

相手の名前を忘れてしまったなどとはおくびにも出さずに、
うまく教えてもらう必要があるのです。

そんな時、理央さんは次のように挨拶します。

  「お久しぶりです。
  私の新しい名刺はお渡ししていましたでしょうか?」

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| コミュニケーション | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アベノミクスの逆襲

アベノミクスの逆襲アベノミクスの逆襲
(2014/11/06)
髙橋 洋一

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満足度★★★
付箋数:22

安倍総理大臣は、平成26年11月21日、衆議院を解散し、
総選挙を行う決断をしました。

安部総理が「選挙で国民に信を問う」とされるのは、
消費税増税の延期は正しい判断か? という点と、
アベノミクスの効果はあったのか? という点です。

本書は、まさにこの疑問に答える本です。

  「本書では、 “アベノミクスをどう評価すべきか”
   “消費税増税をどう考えるべきか”  “これからの日本経済が
  どうなるのか” などについて、すべての疑問について
  答えていきたい。当然、あらゆる “不見識な議論” についても、
  率直に指摘させてもらうつもりだ。」

著者は元財務官僚で経済学者の高橋洋一さん。

高橋さんは、いつもの切れ味ある明快な論理で、
喧伝されている「世迷い言」を論破します。

メインの話は、消費税増税について。

消費税は、2014年4月に5%から8%に引き上げられました。

一部で、増税の影響は軽微であるとか、反動は想定内といった
意見もありますが、実際は凄まじい消費の冷え込みが起こりました。

増税直後の2014年4-6月期のGDPは、実質年率でマイナス7.1%
(二次速報値)となりました。

増税後4ヶ月の消費水準は、過去33年間で最悪の結果です。

それもそのはず、1989年4月の消費税導入と、1997年4月の5%へ
引き上げの際と比べても、今回の増税は決定的に違うのです。

実は過去2回の消費税増税は、減税とセットになった
「レベニュー・ニュートラル」でした。

消費税で増税とはなるものの、他の減税と組み合わせて、
国民の税負担はあまり増えないようになっていたのです。

しかし、今回の増税は組み合わせる減税はなく、
逆に前年から復興税として所得税、住民税、法人税が
増税されるという、増税+増税の組み合わせでした。

常識的に考えても、このタイミングで増税すると、
景気が悪くなっても、まったく不思議ではありません。

高橋さんは、消費税増税の悪影響を数値で示し、
増税利権に群がる人たちのデタラメな主張をぶった斬ります。

高橋さんが展開するのは、「景気が悪い時は減税し、
景気が良い時に増税するという」至極当然の主張です。

ですから、どんな状況下においても闇雲に増税に反対している
わけではありません。

  「私は、税理論のセオリーに忠実に意見を述べているだけで、
  特別なことをいっているわけではない。消費税率に関しても
  未来永劫上げるなといっているのではない。景気が過熱
  しすぎたときには、景気を冷やすために増税が有効に働く。
  (中略)だから私はいつも、 “そんなに増税したければ、
  インフレ率2%超を実現してから、存分におやりください”
  といっているのである。」

ちなみに、アベノミクスはとは次の三本の矢ですから、
そのメニューに消費税増税は入っていません。

  第一の矢 大胆な金融政策
  第二の矢 機動的な財政政策
  第三の矢 民間投資を喚起する成長戦略

増税は、かえってアベノミクスを撹乱する要因なのです。

この本から何を活かすか?

消費税が8%から10%に増税された場合の景気への影響は
火を見るより明らかですが、景気を悪化させないために、
どのような策を施したらいいのでしょうか?

  「消費税をどうしても上げたいというのなら、
   “全商品・軽減税率5%” にすればいい。」

つまり、消費税は10%に引き上げるけれど、全商品5%の減税をして、
実質消費税率を5%に下げるということ。

高橋さんは、そもそもこんなタイミングで消費税増税を行うこと
自体バカげた政策なのだから、バカげた政策の悪影響をなくすには、
バカげた策をとるしかないと言っています。

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| 経済・行動経済学 | 06:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「働く意味」がわからない君へ

「働く意味」がわからない君へ ビクトール・フランクルが教えてくれる大切なこと「働く意味」がわからない君へ ビクトール・フランクルが教えてくれる大切なこと
(2014/10/30)
諸富 祥彦

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満足度★★★
付箋数:18

日本実業出版社の細野さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

  「私は、ほかの人々が人生の意味を見出すのを援助することに
  自分の人生の意味を見出したのです。」

これは、1991年の86歳の誕生日を控えた日に、ある編集者から
「あなたの人生と仕事について一言でまとめるとどうなりますか?」
と質問され、答えたビクトール・フランクルさんの言葉です。

ビクトール・フランクルさんは、『夜と霧』、
それでも人生にイエスと言う』などの著者として知られる、
オーストリアの心理療法家。

ドイツのオーストリア占領後、ユダヤ人だったフランクルさんは、
1942年にナチスに捕らえられ、強制収容所へ送られます。

その時の体験を綴ったのが、世界的ベストセラーになった
『夜と霧』でした。

そのフランクルさんが創設したのが「ロゴセラピー」という
心理療法です。

ロゴセラピーとは、ギリシャ語で「意味」を表す「ロゴス」と
治療・癒やしという意味の「セラピー」を合わせた造語。

ジークムント・フロイトさんの「精神分析」、
アルフレッド・アドラーさんの「個人心理学」に続く
3つ目の潮流としてロゴセラピーは位置付けられています。

ロゴセラピーは「実存分析」とも呼ばれ、「意味への意思」こそ
人間を最も強く動かしているものだと考え、心の虚しさを
抱えて苦しんでいる人が、自らの「生きる意味」を見つめ直し
再発見するのを援助する心理療法です。

本書はフランクルさんの言葉やロゴセラピーをベースに、
ビジネスパーソンが抱きがちな、働くことや仕事での悩みに
答える本です。

著者は明治大学文学部教授の心理学者、諸富祥彦さん。

NHKのEテレ「100分de名著」でフランクルさんの『夜と霧』が
放送された回では、ゲスト講師を務めていた方です。

  「日々の仕事に “意味” を見出し、 “使命感” を感じて
  取り組むことができていると、人間の心は深く満たされていきます。
  目の前の仕事を “自分の人生の使命” と感じて、無我夢中で
  仕事をしながら毎日をすごすとき、人は自分の心が深いところで
  満たされているのを感じることができるのです。」

本書で諸富さんは、フランクルさんの言葉を引用し、
わかりやすい解説を加え、人生の意味・働くことの意味を
見つける手助けをします。

本書で紹介される48の悩みの中から、いくつか紹介します。

  ・自分が決められた仕事をこなすだけの機械のように思えます。
  ・毎日残業ばかりで、人生にすっかり疲れきってしまいました。
  ・転職先で毎回、同じような人間関係の問題に苦しめられます。
  ・上司の評価がとにかく気になります。
  ・言われた仕事をしているだけでモチベーションが上がりません。
  ・平凡な毎日の繰り返しに嫌気がさしています。
  ・会社の事情で異動になりましたが、納得できずにいます。
  ・人生の目標を失っているように感じます。

Q&A形式で書かれていますから、自分の思い当たるところから
読むのもいいでしょう。

この本から何を活かすか?

少し古い映像ですが、YouTubeでフランクルさんの
インタビュー映像を見ることができます。



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| 心に効く本 | 07:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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合理的なのに愚かな戦略

合理的なのに愚かな戦略合理的なのに愚かな戦略
(2014/10/23)
ルディー和子

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満足度★★★★
付箋数:25

日本実業出版社の細野さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

  「一流企業の頭脳明晰であろう経営者が、なぜ、同じ間違えを
  繰り返すのか? 米国ビジネススクールの著名な学者によって
  書かれた経営書を熱心に読む経営者たちが、
  なぜ、誰からも指摘されるような単純な間違いを犯すのか?
  理由は簡単です。ほとんどの経営やマーケティング戦略に
  関する本は、読者が論理的に考え意思決定を下すことを前提として
  書かれているからです。
  データや資料に基いて戦略を立てるまでは論理の世界です。
  でも、それを実行するかどうかの決断は理性だけでは決められません。
  過去の経験に基づくひらめきや、成功体験から生まれたしがらみ、
  プライドや功名心、執着心といったような要素が大きな影響力を
  行使します。優秀な経営者であるからこそ、自分が理性以外の要素で
  判断しているとは思ってもみない。
  これが、有名企業が経営ミスを犯す最大の理由です。」

本書は豊富な事例をもとに、企業が「失敗」するメカニズムを
解き明かす本です。

著者は立命館大学大学院経営管理研究科教授で、日本ダイレクト
マーケティング学会副会長を務めるルディー和子さん。

本書はマーケティングの第一人者による失敗の経営論。

日本企業が翻弄される「6つのパラドックス」を軸に、
合理的な経営判断をしたはずの企業が、愚かな失敗を犯す
プロセスを解説します。

  第1章 顧客志向の逆説
  第2章 プライシングの逆説
  第3章 ブランドの逆説
  第4章 コミュニケーションの逆説
  第5章 経営戦略の逆説
  第6章 イノベーションと幸福の逆説

本書の冒頭で紹介されているのは、エビスビールの失敗事例。

かつて、麦芽100%のエビスは「ちょっと贅沢なビール」としての
地位を確立し、高級ビールの代名詞でした。

しかし、2009年にはサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」に
お中元、お歳暮といったギフト市場で抜かれます。

更に、2012年には販売量でエビスはプレモルに2倍近い差を
つけられてしまいました。

なぜ、エビスは長年築いてきた「ちょっと贅沢なビール」という
確固としたイメージを失ってしまったのか?

ルディーさんは、プレモルに追い込まれていた時の、
エビス経営陣の心理を、1980年代に米コカ・コーラが
ペプシコーラに追撃され、味を変えてしまった時の心理と
同じであったと指摘しています。

経営陣は、じりじりと迫ってくる2番手のプレッシャーを
極度に恐れ、なにか新しい試みをしなくてはと考えました。

その結果、コカ・コーラは顧客の声に耳を傾け、
顧客好みに味に変えて失敗。

エビスも不景低迷の中で「贅沢は敵」のような社会風潮に
に合わせて、「ちょっと贅沢なビール」というポジションを
捨ててしまったと解説されています。

本書で紹介される失敗事例は、外部から客観的に見ると
「なんでそんな間違いをするの?」と思うものばかりですが、
当事者から見ると、その失敗は合理的に判断を下した必然で
あったことが興味深いところです。

この本から何を活かすか?

2009年に英ダイソンは、羽根のない扇風機エアマルチプライアーを
3万円を超える値段で販売を開始しました。

この発売を前にダイソンは、世界市場における特許を申請しましたが、
「あまりに日本の発明に似ている」という理由で却下されました。

実は東芝が、30年も前に羽根のない扇風機のアイディアを思いつき、
特許を取得していたのです。

では、なぜ、そんな画期的な製品を作った東芝は、
羽根なし扇風機を発売しなかったのか?

その理由は、是非、本書を手にとってお読みください。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ディズニーを知ってディズニーを超える 顧客満足入門

ディズニーを知ってディズニーを超える 顧客満足入門ディズニーを知ってディズニーを超える 顧客満足入門
(2014/10/30)
鎌田洋

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満足度★★★
付箋数:20

  「書店に並ぶディズニー関連本は、パークで起きた感動の
  エピソードを紹介したり、クオリティサービスやキャスト教育の
  システムについて語っているものがほとんどです。
  それらも大いに参考になりますが、ディズニーが特別すぎて、
  どこか別世界の話を聞かされているような印象を持った人も
  少なからずいたのではないでしょうか。
  大切なのは、ディズニーの話を聞いて唸ることではなく、
  ディズニーの事例からどの事業にも共通するエッセンスを抽出して、
  形式知として理解し、自社に応用して実践することです。」

東京ディズニーリゾートが、継続的成長を続けている最大の要因は、
95%を超えるリピート率です。

来園者100人のうち、95人以上が再びパークを訪れる
というのですから、とにかく圧倒的なリピート率です。

なぜ、一度ディズニーを訪れた人は、再度訪れるのでしょうか?

その理由は、顧客満足度「CS(customer satisfaction)」
にあります。

リピートしたくなるのは、来園時に何かしらの感動を覚え、
またあの感動を味わいたいと思うからです。

それでは、ディズニーは、どのように顧客に感動を与え、
CSを高めているのでしょうか?

その秘密を解き明かし、他の企業でも活かすことが本書の目的。

著者は、『ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』の
シリーズがベストセラーになった鎌田洋さん。

鎌田さんは、東京ディズニーランドのオープニングスタッフでした。

初代ナイトカストーディアル(夜間の清掃部門)・トレーナー兼
エリアスーパーバイザーとして、キャスト育成を担いました。

その後、ディズニー・ユニバーシティ(教育部門)にて、
オリエンタルランド全スタッフの教育・指導に携わった
経歴を持ちます。

本書では、ディズニーの感動話は程々に、少しビジネスライクに
CSを高める6つのポイントを中心に解説します。

  1. 理念・哲学を伝える
  2. 仕組みを整える
  3. 絵に描いた餅に終わらせない
  4. プライドを喚起する
  5. 真のニーズを読み取る
  6. 個人の自立を促す

紹介される事例は、ディズニーだけではありません。

他のCSが高い企業、あるいは反面教師にすべき企業などについても、
紹介されています。

例えば、次の企業理念もその中の一つ。

  「すべてのお客さまに『愛』を
  店舗スタッフへ『感動』を
  『愛と感動』のレストランチェーン」

なかなか立派な理念ですが、どこの企業のものかわかりますか?

実はこれ、2011年に食中毒を起こして営業停止に追い込まれた
焼き肉レストランチェーン「焼肉酒家えびす」の運用会社、
フーズ・フォーラスのものです。

不祥事を起こすかどうかは別にして、このように立派な理念を
掲げながら、実態は別の姿になっている企業は少なくありません。

本書では、抽象的な理念を絵に描いた餅に終わらせない、
実行に移すための方法なども紹介されています。

この本から何を活かすか?

最初に本書ではディズニーの感動話よりも、CSを高めるための
エッセンスを抽出するという鎌田さんの言葉を引用しましたが、
実は感動話の共有も重要だと思います。

なぜなら、それもディズニーのCSを高める方法の1つだから。

ディズニーには、最低限の作業手順書はありますが、
いわゆるサービスマニュアルはありません。

その代わり、スタッフ一人一人がサービスを提供する
想像力を高めるために、「事例の共有」を行っているのです。

ですから、私たちがディズニーの感動話を読むことも、
「事例の共有」であり、想像力を高めるために貢献するはずです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スタンフォード・マッキンゼーで学んできた熟断思考

スタンフォード・マッキンゼーで学んできた熟断思考スタンフォード・マッキンゼーで学んできた熟断思考
(2014/09/26)
籠屋 邦夫

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満足度★★★★
付箋数:25

クロスメディア・パブリッシングの瀧澤さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

私たちが、仕事やプライベートで日々迫られる意思決定には、
即断即決すべきものと、そうすべきでないものがあります。

ほとんどの問題は、即断即決で大丈夫。

しかし、あまり数は多くありませんが、その決断が将来を左右し、
一度の失敗で取り返しのつかないダメージを負う問題もあります。

しかもそのような問題に限って、複雑で判断が難しい。

なぜなら、意思決定には次の条件が入っているからです。

  ・不確実性のもとで判断しなくてはならない
  ・二者択一ではなく、複数の選択肢が考えられる
  ・価値判断の基準によって結論が大きく異る
  ・下した決断が、将来に大きな影響を及ぼす

企業の例では、環境の変化による戦略転換などがそうですし、
個人では転職などのキャリア設計などがこれに当たります。

このような「これからの大事なこと」に対して、後悔しない、
ベストな決断をするには、どうしたらよいのでしょうか?

ここで思いつくのが、ロジカルシンキングによる意思決定です。

もちろん、ロジカルシンキングやそのためのフレームワークは、
現状やその延長線上にある少し先の未来について分析するには、
非常に有用なツールです。

しかし、ロジカルシンキングから「で、どうする?」の部分は
導き出せません。

ロジカルシンキングで行った現状分析から、意思決定するには、
ある種天才的なアイディアの「ひらめき」や「跳び」が必要に
なるのです。

つまり、ロジカルシンキングから先のベストな決断に進めるのは、
一部の限られた才能ある人だけなのです。

そこで、「ひらめき」や「跳び」を必要としない、
誰もができる意思決定方法として、本書で籠屋邦夫さんが
紹介するのが「熟断思考(ディシジョン・マネジメント)」です。

これは、籠屋さんがスタンフォードで学んだ意思決定理論と
マッキンゼーで学んだロジカルシンキングを融合させて
作り上げた方法論です。

本来、「ひらめき」や「跳び」が必要とされた部分を
意思決定理論で埋め、システマティックに判断します。

熟断思考では、次の6つのステップで意思決定を行います。

  1. 悩みや課題のリストアップと全体観の把握
  2. 個別課題のフレーム設定
  3. 具体的な複数の選択肢の検討
  4. 不確実要因の明示的な取り扱い
  5. 価値判断尺度の認識とトレードオフ判断
  6. 1~5を統合した最終的な意思決定への取り組み

この6つのステップに従って決断すると、複雑に交差した課題でも、
誰でも確実に、後悔しないベストな選択肢にたどり着けるようです。

本書で紹介される事例の中心は、集団による意思決定ではなく、
個人のものです。

籠屋さんは、最初に熟断思考の基本を押さえるために、
本書を個人編と位置付けており、次作で集団編の執筆を
構想しているようです。

意思決定に期待値計算も行う本書のディシジョン・マネジメントは、
個人的には、非常にしっくりくる思考法でした。

この本から何を活かすか?

  「私もマッキンゼー時代に大前さんのもとで働く機会があった
  のですが、思考の瞬発力は猛烈なものでした。
  大前さんは、若い頃から徹底的に現状分析の経験を積んでおり、
  まずその時点で並みのコンサルタントとは格が違います。
  彼の特徴は、その分析をもとに、天才的な“跳び”を見せることです。
  (中略)しかし、そうした天才的な人物だからといって、その答えが
  企業によい影響をもたらすかといえば、そうではないと思います。
  というのも、天才的なアイディアを思いつく確かな方法論は
  ないために、会社組織の継続性という面から言えば、非常に危ない
  やり方でもあるからです。」

私も、大前研一さんの「跳び」の部分はスゴイと思う反面、
自分ではそんなことは思いつかないという、諦めもありました。

この部分の記述を読んで、「やっぱり、そうだよね」という
共感がありました。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 10:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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打ち合わせの天才

打ち合わせの天才 (光文社新書)打ち合わせの天才 (光文社新書)
(2014/10/15)
野地 秩嘉

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kindle版 打ち合わせの天才 (光文社新書)

満足度★★★
付箋数:18

「打ち合わせ」は、大きく分けると2種類あります。

それは、「社内」の打ち合わせと、「社外」の打ち合わせ。

本書が扱っているのは、「社外」の人間との打ち合わせで、
営業のチャンスとなる戦略的なものです。

ですから本書には、情報共有したり意思決定するための
社内の会議術のような内容は含んでいません。

著者はノンフィクション作家の野地秩嘉さん。

これまで野地さんが、様々な業界の現場に足を運び、
多くの取材を重ねてきた経験から、外部の人との
コミュニケーション術が披露されています。

社外の人間と打ち合わせする目的は次の3つです。

1つ目は、まず「相手を知る」こと。

書類には書いていないようなディテール、電話やメールでは
聞きにくいことなど、相手先の事情や考えていることを
知ることが大切な目的です。

打ち合わせを、こちらの主張を押し付ける機会に
してはいけません。

あくまで、相手から学ぶ機会にするということです。

2つ目の目的は、「友人を作ること」。

例えば、相手先に示したプランが通らなかったとしても、
「またよろしくお願いします」と言って、その後も連絡し、
何らかの用事を作って打ち合わせをして友人を作ります。

これはひとつの人脈術。

さまざまな会社に友人がいる方が、何かにつけて、
仕事には役に立つものです。

3つ目の目的は、「自分の姿勢を正すこと」。

他人とのコミュニケーションにおいて、相手にどう思われるかが
気になる人がいます。

しかし、大切なのは相手が好きな自分を目指すことではなく、
誰に対しても変わらない態度でいられる自分になることです。

ですから、打ち合わせにおいては、それに臨む自分の姿勢や
態度がどうあるかが問われるのです。

また、打ち合わは時間帯によってもアプローチが異なります。

「昼の打ち合わせ」は、主にオフィスで行われます。

ここで勝負になるのは「雑談力」。

雑談というと、「何か喋らなきゃ」と身構える方もいますが、
雑談で大切なのは、自分がしゃべることではなく、
相手の話を興味を持って聞くことにあります。

自分の語りをしてはいけません。

そして雑談に用意すべきなのは、「へえ、そうなんですか」と
相槌が帰ってくるような、関心をひきつける情報です。

これを野地さんは「セクシーな情報」と表現していますが、
仕入れおくと雑談の大きな武器になりますね。

一方、「夜の打ち合わせ」は多くの場合会食を伴います。

会食をともにする打ち合わせでは、誘って良い相手、
誘わない方がいい相手をしっかりと見極める必要があります。

店選びも一つの大きなポイント。

最適な店を選ぶには、事前に相手の好みや、アルコールを
たしなむかどうか、その週はどんな食事をしているか
などの情報を、あらかじめ入手しておくべきです。

本書では、まるまる一つの章(約50ページ)を使って、
「店選びのコツ」が紹介されています。

この辺りは、私が想像していた「打ち合わせ」の本の内容とは
違っていましたが、これはこれで興味深い内容でした。

この本から何を活かすか?

  本当の「もてなし」は、帰りのあいさつ

  「実のところ、人の心に残るのは打ち合わせの際の話の内容よりも、
  (別れ際に)きちんと頭を下げている姿勢なのである。」

見送る側の礼儀、見送られる側の礼儀、帰り道が同じ方向だった
場合の対処法などが本書では解説されています。

常識的なマナーなのかもしれませんが、
私は、このパートを改めて読んで、結構、勉強になりました。

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| コミュニケーション | 06:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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力の抜きどころ

力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣
(2014/11/20)
古川武士

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満足度★★★
付箋数:22

著者の習慣化コンサルタント、古川武士さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、次のチェックリストで当てはまる項目はありますか?

  □ がむしゃらにがんばているのに成果があがらない
  □ 仕事は丁寧だがスピードが遅い
  □ なかなか定時に帰れない
  □ 全部の仕事に全力で取り組んでしまう
  □ デスク周りが持ち物であふれている
  □ 他人に頼るのが苦手
  □ 先延ばし癖がある

1つでも当てはまる項目があれば、あなたは「完璧主義の呪縛」に
囚われているかもしれません。

完璧主義が強くなり過ぎると、余計な時間やストレスを
生み出すことになります。

気がつくと、いつも仕事を自分で抱え込んでしまっている人は、
完璧主義の傾向が強いと言えますね。

プロとして仕事をしている以上、ミスは許されませんから、
最初はそうでなくても、だんだん「完璧主義」の傾向が
強くなっていくのも、ある程度までは仕方ありません。

しかし、ビジネスではミスをしないことと同時に、
スピードや生産性を上げることが求められます。

では、どのようにすると、これらの要求を同時に
満たすことができるのでしょうか?

それが本書で古川さんが提唱する「最善主義」です。

最善主義とは、力の入れどころと抜きどころを見極めて、
より無駄をなくし、限られた時間で最大の成果を出すこと。

生産性の調査で、日本が主要先進7ヶ国の中で
ずっと最下位であると聞いたことがあります。

全てにおいて、まじめに全力投球する日本人は、
完璧主義に陥ってしまうことが原因で、
生産性を下げているのかもしれません。

一方、他の先進国では、力の抜きどころを押さえた、
最善主義でメリハリをつけて仕事をしている。

  完璧主義 : がんばること自体に美徳を感じている
  最善主義 : がんばらないで結果がでることに美徳を感じている

本書では、大きく5つのアプローチから、33の具体的な事例を示し、
完璧主義から最善主義へ移行するための思考習慣と行動習慣を
紹介します。

「でも、完璧主義は性格だから簡単には治らない・・・」
と考えている人もいるかもしれません。

しかし、古川さんは習慣化コンサルタントとしての経験から
「完璧主義は性格ではなく、思考習慣だ」と断言します。

つまり、性格は変えることが難しくても、思考習慣なら
やり方によってコントロールできるのです。

80対20の法則とも呼ばれる「パレートの法則」があります。

元々はイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートさんが
提唱した法則ですが、ビジネスでは仕事の成果の8割は、
費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出していると
考えます。

最善主義はこのパレートの法則で考えても、
影響力の大きい2割に力を注ぐ理に適った働き方なのです。

この本から何を活かすか?

  「失敗した時に、精神的ダメージを受けているならば、
  円グラフを書いてみてください。順番は、まず自分以外の責任から
  埋めていき、最後に自分です。自分の責任も少し細分化して、
  埋めてみましょう。」

どんな失敗でも他人のせいにするのは問題外ですが、
全てに責任を感じて、落ち込み過ぎるのもよくありません。

責任は客観的に切り分けて、今後の対応策や再発防止策を
考えることに、注力すべきなのです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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死を悼む動物たち

死を悼む動物たち死を悼む動物たち
(2014/08/19)
バーバラ・J. キング

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満足度★★★
付箋数:20

  「ギリシャ北西部のアンフラキコス湾、あたりの海には母親と
  その子どもの二頭のイルカしかいなかった。
  母親のイルカは子どもの小さな体を海面まで持ち上げると、
  ふたたび海のなかに押し戻していた。
  持ち上げては沈め、沈めては持ち上げる。
  母イルカは、こうやって死んだ子どもを生き返らせようと
  していたのだ。母親はそんな蘇生を繰り返していた。」

これは2007年に観察された、バンドウイルカの事例です。

母イルカは、子どものイルカが死んだことが受け入れられず、
時に声を張り上げ、何度も何度も亡きがらにくちばしと胸びれで
触り続けていたそうです。

この母イルカの嘆きの行動は、2日間に渡って続きました。

この母子がいた群れのイルカは、150頭程度いたそうですが、
ときどき近寄ってきて、様子をうかがっていましたが、
それ以上この母子に関わろうとはしなかったそうです。

死を悼むには、高度な知能が必要です。

人間でも死を理解するのは、4歳以降と言われています。

動物のなかでも人間だけが、死が避けられない事実であることを
知っていて、愛した人が亡くなったことを悲しみ、
喪失の思いを表すと考えられてきました。

果たして、人間だけが死を悼む特別な存在なのでしょうか?

人間以外の動物には、仲間や家族の死を悲しむ感情は
ないのでしょうか?

本書で、数多くの死を悼む動物の行動事例を報告するのは、
自然人類学を専門とするウイリアム・アンド・メアリー大学教授の
バーバラ・J・キングさん。

本書で紹介される動物の情動反応は、絵本のなかで見かける
ファンタジーではありません。

また、動物愛護のためのプロパガンダでもありません。

純粋に、研究事例として報告されています。

冒頭で紹介した子ども死を悲しむイルカの事例以外にも、
母親の死を追いかけるように衰弱したチンパンジーや、
仲間の遺骸のうえに子の木の葉や枝をかぶせるゾウもいます。

また、身近なところでは猫や犬の事例から、
馬、鳥、ウサギなどの愛着行動が数多く紹介されています。

しかしながら、動物が死を悲しみ、悼んでいる様子も、
彼らは私たちが理解できる言葉を持ちませんから、
あくまで人間のフィルターを通して見た姿になります。

ですから、動物の悲しみを推し量る手法が、現時点では
完璧ではないことを前提に、キングさんは次のように語っています。

  「悲しみに沈む姿が動物に認められたとき、わたしたちは、
  動物の愛情の有無をめぐる分岐点に立ち会っている可能性が
  あるということだ。その可能性は、ふたつの領域に重なる
  境界のようなものかもしれない。有名なだまし絵の前に
  立っていると想像してみてほしい。目をこらして見ていると、
  最初は明らかにウサギに見えていた絵が、見続けているうちに
  視覚に変化が生じ、ウサギからアヒルへとその姿を突然変えている。」

本書で報告される様々な事例を、読めば読むほど、
動物も死を悲しんでいるように思えます。

と同時に本書は、私たち人間の存在する意味を
改めて考えさせられる一冊でした。

この本から何を活かすか?

  「究極の犠牲―母グマ、無残な毎日から逃れるため
  わが子を殺して自殺」

これは2011年8月のデイリーポストのオンライン版に掲載された、
中国のクマ牧場での虐待記事の見出し。

本書では、次のように描写されています。

  「苦しさで鳴き声を上げる子グマをしり目に、胆汁採取の作業を
  進める作業員。愛するわが子が苦しむ様子に絶望する母親。
  拘束からなんとか自由になることができた。
  そして、子グマを抱きかかえて絞め殺す。
  そうすれば、これ以上子グマが苦しむ必要はなくなる。
  激しい感情の痛みに圧倒され、母親は意図して壁に向かって
  突進していった。自分も死ぬつもりだったのだ。」

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| 科学・生活 | 07:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1つずつ自分を変えていく 捨てるべき40の「悪い」習慣

1つずつ自分を変えていく 捨てるべき40の「悪い」習慣1つずつ自分を変えていく 捨てるべき40の「悪い」習慣
(2014/10/17)
午堂 登紀雄

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満足度★★★
付箋数:20

本書はタイトルの通り、仕事や人生を良い方向へ変えるための、
「捨てるべき40の習慣」について書かれている本です。

実は著者の午堂登紀雄さん自身も、以前はこれらの悪い習慣に
囚われていました。

しかし、転職や起業を経験しながら、1つずつそれらの習慣を
手放したことが、現在の成功につながっているのです。

紹介されている「40の習慣」の中で、最も注目すべきは、
「自己啓発書を捨てる」です。

  捨てられない人 関係者のカモになる
  捨てられる人 本当に必要な実務書に出会える

なぜ、この習慣に注目すべきかと言うと、
本書自体が自己啓発書だからです。

自己啓発書に、自己啓発書を捨てよと書いてあるのはスゴイですね。

午堂さんもかつては、無数の自己啓発書を読んで、
モチベーションを上げていた時期もあったそうです。

本書のコンセプトは「捨てる」こと。

これは最初から手にしないということではありません。

一度手にしても、必要がなくなったら、いつまでも手元に
置いておくのではなく、きちんと手放すということ。

ですから、100%自己啓発書を否定しているわけではありません。

自己啓発書に、いつまでも依存してしまうのが良くないのです。

確かに、自己啓発書にはある種、麻薬的なところがあるので、
ハマりすぎないように注意は必要ですね。

自己啓発書に背中を押してもらった後は、行動に移すことで
はじめて、自分を変えることができるのです。

午堂さんは、最初に「目次」に目を通すように促しています。

そして、1つも思い当たる項目がなければ、本書を書棚い戻し、
捨てたいと思い当たる項目が1つでもあれば、
手元に置くよう勧めています。

  「一つひとつ捨てるたびに、少しずつ、あなたの人生は確実に
  変わっていきます。そして、捨てたいと思うものをすべて
  捨てたとき、やりたいことや、大切にしたいこと、
  自分が進みたい道が明確になっているはずです。
  そのときは、この本も捨てるタイミング。そして、次は、
  自分が進む道に役立つ “実務書” に移行するのです。
  その時のあなたはもう、本書のような自己啓発書を読む必要は
  なくなっているはずです。」

本書は、「自己啓発書を捨てる」を説明するページにだけ、
紙面の背景に大きく「自己啓発書を捨てる」と印刷されています。

それは、まるでサブリミナルを狙って、
暗示をかけているようでもあります。

私はこれまで何冊も午堂さんの本を読んできましたが、
本書が一番、午堂さんに親近感を持てました。

あるべき姿を語る前に、それができていなかった時代の
午堂さん自身についても多く語られているからです。

最近の午堂さん本では、『貧乏人が激怒する 新しいお金の常識
や『貧乏人が激怒する ブラック日本の真実』など、
過激に書かれた本が多いように感じていましたが、
本書は同じことを言っていても、語り口はマイルドです。

過激な本が苦手な人は、本書から入るのがいいと思います。

この本から何を活かすか?

  「タイムマネジメントを捨てる」

午堂さんは、タイムマネジメントは不要だと考えています。

その理由は2つあります。

1つは、物理的な時間は変わらないので、本当にマネジメント
するべきは、時間ではなく、効果が最大になるような
「自分の働き方」だからです。

2つ目の理由は、スケジュールは、一般的に「他人との約束」が
多いものですが、本当に重視すべきなのは「自分との約束」
だからです。

いずれにせよ、タイムマネジメントの代わりに、
「自分の行動のマネジメント」が必要ということです。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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出世する人は人事評価を気にしない

出世する人は人事評価を気にしない (日経プレミアシリーズ)出世する人は人事評価を気にしない (日経プレミアシリーズ)
(2014/10/09)
平康 慶浩

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満足度★★★★
付箋数:23

会社に雇われて働く限り、好むと好まざるとにかかわらず、
「出世」と付き合って行かなければなりません。

あんな仕事のデキないヤツが昇進するのが許せない。

これだけ会社に貢献している自分が、
人事でまったく評価されないのが納得できない。

このように「出世」に関しては、理不尽に感じることも
少なくありません。

では、出世させる側では、一体、何を基準に
選考しているのでしょうか?

本書の著者、人事コンサルタントの平康慶浩さんは、
いわゆる「デキる人」が出世できるのは、
課長の手前までだと指摘します。

そして、目の前の仕事で結果を出していても、
ある日昇進できなくなる。

実は会社生活のなかでの競争のルールは、
途中で大きく変わるのです。

最初の変化は、課長になる時に起こります。

それまでの評価は、業務の正確性やスピードなど、
現在担当している仕事での優秀さが昇進の基準でした。

これを「卒業基準」と言います。

小学校を終えたら、中学校、高校へと進むように、
必要なカリキュラムをこなすと、主任や係長までは上がれます。

しかし、課長という管理職に昇進する場合は、
それまでと違った「入学基準」で選ばれます。

これは、ふさわしい学力があると判断された人だけが
入学できる大学のようなもの。

管理職としてふさわしい仕事ができるかどうかが、
課長への昇進基準となります。

そして、課長になった後の次長、部長への昇進も、
更に厳しい入学基準で判断されます。

つまり、課長としての仕事が優秀かどうかではなく、
部長にふさわしいかどうかが基準になるのです。

更に、大きな競争のルールの変化は、
管理職から経営陣になる際に起こります。

経営者になるには、「使われる側」から「使う側」へと、
大きな視点の変化が必要です。

「使う側」と「使われる側」には、目に見えない
大きな壁があるのです。

  「この本で書きたかったことの本質は、 “選ばれる” ルールが
  変わるタイミングがあるということだ。 “使われる側” から
   “使う側” への変化が一番わかりやすいが、 “組織の中で
  生きる” ことから “自分が作ったルールの中で生きる” 立場への
  変化もそうだ。それは従業員から経営者になるタイミング、
  独立して起業するタイミング、ワークライフバランスを
  重視する生き方を選んだりするタイミングなどだ。」

本書は、今までありそうでなかった人事の本。

人事コンサルタントならでは、具体的な事例を示しつつ、
組織の中で求められる、視点の変化をわかりやすく解説します。

仮に、会社の中で出世したい欲求があまりなくても、
こういった人事評価制度のルールを理解しているだけで、
ずいぶん働きやすくなると思います。

また、本書は章の間に人事にまつわるミニストーリーが
掲載されています。

ページ数はそれほど多くありませんが、これが結構面白く、
昇進の壁にぶつかっている人には、ヒントになる物語です。

この本から何を活かすか?

平康さんは、経営者まで出世した人には、
共通する次の2つの行動パターンがあると指摘します。

  第1に、つながりを大事にしている
  第2に、質問を繰り返している

この2つの行動を繰り返していると、経営者に必要な資質が、
自然と手に入りやすくなるそうです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 07:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」

東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」
(2014/10/15)
松尾 豊、塩野 誠 他

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kindle版 東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」

満足度★★★
付箋数:22

哲学者のジョン・サールさんが1980年に発表した思考実験、
「中国語の部屋」をご存知でしょうか?

ある人工知能のプログラムがあったとします。

プログラムには箱があって、その中には小さな人が入っています。

その人に中国語で話しかけると、中国語で答えてくれます。

実は中でやっていることは、中国語の文字が入ってきたら、
難しい漢字でまったく意味がわからないとしても、
「この文字が出てきたらこう返せ」と書かれた分厚い辞書を
猛スピードでめくりながら言葉を作り、できたら箱の外に
投げ返すという作業です。

中国語で問いかけると、中国語で返してくれますし、
外から見ると会話は成立しているように見えます。

このとき、箱の中の小さな人は中国語がわかっていると
言えるでしょうか?

この思考実験では、「人工知能には人間と同じような思考が
あるか」という質問の答えを示してくれます。

中の人がいくら賢い返答をしたとしても、それは中国語を
理解しているとは言えません。

人工知能がやっていることが、箱の中の人がやっている作業と
同じことなのです。

2014年6月8日、ロンドンで開催されたチューリングテスト
(人間とコンピュータがチャットしているのを、文字のやりとり
だけを見た審査員が、コンピュータであることを見破るテスト)
の大会において、初めて「ユージーン」というコンピュータが
合格しました。

しかし、この「中国語の部屋」の考えでは、まるで知能が
あるかのような受け答えができたからと言って、
本当に知能があるかどうかは、分からないことを示しています。

さて、本書はビジネスに関わる戦略立案・実行を
仕事にしている塩野誠さんと、東大の准教授で人工知能の権威
である松尾豊さんの対談本です。

塩野さんが「人工知能によって世の中がどう変わるのか?」
という質問を、政治、経済、教育、医療など様々な角度から
ぶつけ、松尾さんが未来像を答える形で対談が進みます。

  Prologue えっ、人工知能ってそんなことまでできるの!?
  Chapter1 ウェブとビッグデータ、人工知能(人工知能の怖さ)
  Chapter2 政治も経済も、国境すらも変わる
        (近い将来、国はなくなるか)
  Chapter3 ヒトと人工知能(人の「意思」は作り出せるか)
  Chapter4 ロボットに限界は必要か
        (すべての犯罪が記録される世の中に)
  Chapter5 身体と学習、教育の役割(もう公教育は必要ない)
  Epilogue 未来はそこまでやってきている

SFで描かれていた未来の世界が、どの程度現実味を
帯びてきているかという話も興味深い。

しかし、マイノリティ・リポートのプリコグや、
ターミネーターのスカイネットなどは、現状の人工知能から
考えると、まだまだ実現しそうにありませんね。

この本から何を活かすか?

人工知能は、小説を書くことができるのか?

現在、公立はこだて未来大学で松原仁教授が中心となった
あるプロジェクトが進行中です。

プロジェクト名は「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」。

これは、人工知能に星新一さんのようなショートショートを
書かせることを目指したプロジェクトです。

星さんは、生涯で1000本ほどの短編小説を残しているので、
それをすべて分析して、人工知能におもしろいショートショートを
創作させるべく研究が行われています。

パラサイト・イヴ』の瀬名秀明さんもブレーンに加わって、
将来的には、各種小説の賞への入選も狙っているそうです。

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戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!

戦略は「1杯のコーヒー」から学べ! (ビジネス・経済)戦略は「1杯のコーヒー」から学べ! (ビジネス・経済)
(2014/09/11)
永井孝尚

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kindle版 戦略は「1杯のコーヒー」から学べ! 中経出版

満足度★★★
付箋数:22

大好評のうちにシリーズ3作目で完結した、永井孝尚さんの
100円のコーラを1000円で売る方法』。

シリーズ累計で50万部突破のベストセラーとなりました。

本書は、ストーリー形式で最新ビジネス戦略を学ぶ
永井さんの新シリーズです。

  「 “100円のコーラを1000円で売る方法” では、顧客の言いなりに
  ならずに、顧客が本当に必要とする価値を創造することの
  大切さ、特に “バリュープロポジション” の考え方を
  世の中に広げようと考え、書きました。
  おかげさまでシリーズ50万部を超えるベストセラーになり、
  講演や研修の機会も多くいただくようになりました。
  一方で、2013年頃から “バリュープロポジションの大切さは
  わかった。では、具体的にどうすればいいか?”
  というご質問を数多くいただくようになりました。
  本書では、私なりの答えを、物語形式でまとめました。」

「100円コーラ」シリーズは、舞台が会計ソフト会社で、
実はコーラの話は、シリーズ1作目でわずかに出てくる程度でした。

しかし、新シリーズは、タイトル通りコーヒー会社が舞台です。

主人公は、大学卒業後、ロイヤル金融というブラック企業に
3年間務めていた新町さくらという女性です。

さくらは、ある日、ロイヤル金融の社長に
親のことをバカにされたことでブチ切れます。

紙コップ入のコーヒーを社長のおでこに投げつけ、会社から逃走。

その時に逃げ込んだのが「ドリームコーヒー」直営の喫茶店でした。

たまたま店に来ていた、社長の渋谷夢之介にスカウトされ、
さくらはドリームコーヒーで働くことになります。

入社してさくらが配属されたのが、通称、SP室と呼ばれる、
経営改革を行うスペシャルプロジェクト室でした。

そこは、あの日さくらが逃げ込んだ喫茶店で店長をしていた
藤岡が室長を務める、たった2人だけの部署でした。

さくらはこのSP室でドリームコーヒーの生き残りをかけて、
強力なライバル会社を相手に戦うことになります。

この物語では、藤岡をメンターとしてさくらがコーヒー業界を
中心とした様々なビジネス戦略を学ぶことになります。

キャラクター設定としては、「100円コーラ」シリーズの
宮前久美ほど強烈ではありません。

しかし、実際のビジネス事例は、本書の方が密度濃く
盛り込まれている印象ですね。

永井さんは、「1杯のコーヒー」もシリーズ化するつもりですが、
コーヒー業界のネタは続くの? と心配になってしまうほど、
本書に内容は詰め込まれ、お買い得感のある一冊だと思います。

  1杯目 ドトールの本当の勝因は「低価格戦略」ではない
  2杯目 「邪道」と言われた缶コーヒーでUCCが成功した理由
  3杯目 マクドナルドがプレミアムローストで目指したもの
  4杯目 「コーヒーの香り」を失ったスタバが考え続けたこと
  5杯目 ネスレはなぜコーヒーマシンを無償で提供するのか?
  6杯目 5度目の正直で大ヒットしたセブンカフェ
  7杯目 「コーヒー界のアップル」ブルーボトルの第3の波
  8杯目 お客はカフェの「何に」お金を払うのか?
  9杯目 サスティナブルでないコーヒーは生き残れない
  10杯目 スタバが広告費をほとんどかけない理由とは?

この本から何を活かすか?

コーヒー業界には、今、第3の波が来ているようです。

ネスレが主役だった大量生産・大量流通のファーストウェイブ。
スタバが起こした、大量流通でも味にこだわったセカンドウェイブ。

そして、「フロム・シード・トゥ・カップ」で大量流通とは決別し、
自動化せず、1杯1杯を丁寧に人の手で淹れるのがサードウェイブ。

そのサードウェイブで注目されるのが、米ブルーボトルコーヒー

コーヒー界のアップルと呼ばれ、グーグルやツイッターといった
大手IT会社も出資する会社です。

マイクロ・ブリュー・コーヒーを生み出し、「個人の香りがする
コーヒーチェーン」としてアメリカで人気のコーヒー店のようです。

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| 経営・戦略 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方

これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方
(2014/10/15)
吉沢 康弘

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満足度★★★★
付箋数:23

2001年に刊行された、マーカス・バッキンガムさんの
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』というベストセラーが
ありました。

この本は、ビジネスを成功に導くため、34に分類された資質から、
自分の強みを見つけるというものでした。

では、仕事がデキる人たちは、どのように自分の強みを磨き、
実際にはどんな仕事振りなのでしょうか?

それが、日本人の例でわかれば参考になります。

本書は、ライフネット生命の立ち上げに参加したエリートたちが、
どのように自らの強みを活かして、困難なプロジェクトを
成功させたかを振り返り、そこから学ぶことをまとめています。

まさに、バッキンガムさんの本の実践版。

著者の吉沢康弘さんはP&Gを経てライフネット生命に参画しました。

他に本書で紹介されるエリートの方々は、Yahoo!ジャパン、
A・T・カーニー、スターバックスコーヒージャパン、
モルガン・スタンレー証券、マッキンゼー・アンド・カンパニー、
ボストン・コンサルティング・グループの出身者です。

吉沢さんは、共にライフネット生命を立ち上げた同志の
仕事振りをつぶさに観察し、次の3つのスタンスで紹介します。

  1. 各人の習慣的行動をベースとした分析
   習慣的に発揮される行動こそ、その人の強みとして、
   いつも発揮される能力を厳選し、事例とともに紹介します。

  2. 成果への貢献にフォーカス
   最終的にプロジェクト全体に、どのように貢献したかを軸に
   紹介することで、こらから自分が磨こうとする強みの将来像を
   イメージします。

  3. 「善きチーム・善き働き方」として参考になる点を抽出
   チームとして、人と人とのつながりを重視して働くことが、
   個人としても、全体としても幸福につながるという考えから、
   善き人・善き仲間として働き方を紹介します。

立ち上げの時点から、能力が高く、一緒に働きたいという人だけを
仲間にしていることはありますが、仲間を信頼し、
互いの能力を認め合っていることがよくわかります。

ともすると、エリートが自分や仲間の凄い点を紹介することは、
エリート意識が鼻についたり、自画自賛気味になったりしますが、
本書からは、そのような印象は受けませんでした。

本書では、各自の事例を紹介した後、未来のキャリアを作るために、
3つのステップと9つのポイントにまとめています。

  ステップ1. 目の前の仕事に集中する
   ポイント1 : キャリアチェンジを目的とした勉強は行わない
   ポイント2 : 「プライベート」を長期的テーマと位置付けて
         粘り強く取り組む
   ポイント3 : 「締め切り効果」を利用して120%の能力発揮を
         強制する
  ステップ2. 変化の機会に従う
   ポイント4 : 世界旅行と読書によって自分の役割を
         馬鹿正直に探求し続ける
   ポイント5 : 前例でなく仮説で決断することを習慣化する
   ポイント6 : 家族やパートナーへ変化に備えた地ならしを
         行い続ける
  ステップ3. 新たな環境を活かす
   ポイント7 : 自分がさる環境に対して最大限の配慮をする
   ポイント8 : 他の変化要素は最小限に抑える
   ポイント9 : 新たな環境での仮説に拘らない

この本から何を活かすか?

先ほどのステップ2のポイント4で「世界旅行」と「読書」が
ススメられていますが、ライフネット生命会長の出口治明さんは、
かつて次のような本を執筆していました。


出口さんの考え方や、ポリシーが浸透しているのことが
良く分かりますね。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 10:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界はすでに破綻しているのか?

世界はすでに破綻しているのか?世界はすでに破綻しているのか?
(2014/09/26)
高城 剛

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満足度★★★
付箋数:22

  「国家は破綻する。
  もしくは、それに近い状態に陥り、社会は大きく揺らぐ。
  そして、それは誰もが知る国で確実に起こることなのである。
  ではいったい、そのとき人々はどのような行動に出るのであろうか?
  あの3・11の東日本大震災のときのように、秩序を保つことのできる
  素晴らしい日本人でいられるのだろうか? そのとき、自分の預貯金の
  9割が一瞬にして消えることになったとしても。」

日本や世界中の国々が、近い将来破綻することを予想したり、
破綻を警告したりする本が、数多く出版されていますが、
本書はそういった種類の本ではありません。

  「本書は、国家破綻が起きるかどうか、を検証する本ではない。
   “国家が破綻すると(その多くは経済的問題が理由だ)、
  いったい、何がどう変わるのか” を、過去25年にわたって、
  僕がこの目で見てきたことを、書き記した本である。
  そして、その要因を探ると同時に、破綻の根底を成している
   “変わらない人間の欲望” を自戒するための書籍でもある。」

日本で平和に暮らしていると、デフォルト(債務不履行)と聞いても、
どこの国の話? あるいは、いつの時代のこと?と
あまり身近な話として、実感が持てません。

しかし、過去50年の間に、実に50ヶ国以上の国が
デフォルトを経験しています。

日本も例外ではなく、1946年の新円切替の際に、
引き出し制限のある預金封鎖を経験しています。

本書では、高城剛さんが、ここ数十年で実際にデフォルトした
国々を訪問し、直接現地の人々に聞いた話をレポートします。

高城さんが周った国や地域は、ロシア、タイ、アルゼンチン、
スペイン、ギリシャ、キプロス、デトロイトなど。

デフォルトを境に、街がどう変化したか、
一般市民レベルの生活がどのように変わったかを伝えます。

各地をレポートするに当たり、高城さんは参考文献にも多く当たり、
歴史や経済的な背景の説明もしていますが、本書の魅力は、
何といても、実際に見聞きした1次情報の多さです。

デフォルトのレポートが目的ではなく、仕事でいろいろな国を
訪れた時のエピソードも紹介されていますが、
とにかく世界中を移動し、現地の人と交流しているのはさすがです。

私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明』という本を
書いているだけのことはありますね。

アルゼンチン政府が、ビッグマック指数を気にするあまり、
ビッグマックの価格だけを抑えるよう、姑息にもマクドナルドに
圧力をかけていた話は笑えました。

  「2011年にアルゼンチンを訪れた際に、マクドナルドを
  のぞいてみたが、ほかのバーガーが21~23ペソ
  (当時、1ペソは約18円)で売られているのに対し、
  ビッグマックだけが16ペソで特別セールされていたのに驚いた。」

本書の目的は、経済学者や社会学者などとは違った視点で、
デフォルトの実態と、人間の飽くなき欲望との戦いを知り、
身の丈にあった生活をするよう自重することです。

しかし、私にはマルコ・ポーロさんの「東方見聞録」的な雰囲気を
本書に感じました。

東方見聞録には、誤った記述も多くあるようですが、
当時のヨーロッパの人々の世界観を変える紀行でした。

本書にも、そんな可能性を感じました。

この本から何を活かすか?

おとなしい国民性の島国で、国がお金に困った場合どうするか?

高城さんは、2013年に財政破綻したキプロスで、
ある農学博士に聞いた印象的な話を紹介しています。

  「キプロスを破綻させてみて、預金没収(ベイルイン)すると、
  いったいどうなるか? トロイカは実際に実験してみるんだよ。
  キプロスの人々は島国で他国に移動しづらいし、おとなしいからね。
  国が本当にお金に困れば、税金を重くしながら、
  最後に没収すればいいのさ。きっと次はもう少し大きな国で、
  同じようなことが起きるだろうな。」

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| 社会・国家・国際情勢 | 08:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか

なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのかなぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか
(2014/08/01)
裴英洙

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kindle版 なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか

満足度★★★
付箋数:20

  「 “どうしてこの人はこれほどタフなんだろう?”
   “この人はここまで頑張ってなぜ疲れないのだろうか?”
  周囲が不思議がるほど、仕事をバリバリとこなし、
  疲れた顔を見せないビジネスアスリートがおられます。
  私はなぜ彼らがそうなったのか? を知りたいと思い、
  医学的・科学的見地から、 “デキる” ビジネスパーソンを
  見続けてきました。そしてその結果をまとめたのが本書となります。」

もし、あなたが「疲れ」を理由に病院に行って、
医師に相談したとします。

すると、仕事をセーブして、ゆっくり休養をとるように
言われるのが関の山です。

休むことが簡単にできないからこそ、藁にもすがる思いで、
医師にアドバイスを求めたのにもかかわらず。

本書の著者、医師である裴英洙さんは、ビジネスパーソンの
そんな理想と現実の違いがよくわかっています。

なぜなら、裴さんは医師であると同時に、
経営者であり、コンサルタントでもあるからです。

裴さんは、ビジネスパーソンの中にも、
すぐに疲れてしまう人がいるのと同時に、
あまり疲れを見せない人がいることを知っていました。

そして少し観察してみると、あまり疲れを見せない人は、
例外なく、いわゆる「仕事のデキる」一流のビジネスパーソンで
あることがわかりました。

当たり前のことですが、疲れない人などいません。

では、なぜ一流の人は、一見、疲れないように見えるのか?

それには理由があります。

1つ目の理由は、一流の人は、自分の疲れの限界を知っているので、
そのリミットが来る前に、上手に休息しているのです。

一度限界を超えてしまうと、そこから悪循環が始まり、
後々そのツケを払うことになってしまいます。

一流の人は、自分の体のアラームを敏感に察知して、
疲れが溜まる前に効果的にブレイクしているのです。

2つ目の理由は、一流の人は、たとえ疲れたとしても
そこから回復するのが圧倒的に早いのです。

それは元々体力があるとか、年齢的なものではありません。

一流の人は、「自分の体に合った疲れからV字回復する方法」を
実践しているので、実は疲れていても、すぐにリセットされて、
仕事でハイパフォーマンスを発揮できるのです。

本書は、そんな一流のビジネスパーソンを観察してきた裴さんが、
医師としての視点を交え、最速で体を回復する具体的な方法を
紹介した本です。

ただし、本書には今まで聞いたこともないような、
特殊なことが書かれているわけではありません。

1つ1つは、どこかで聞いたことのあるような方法だと思います。

しかし、それらのノウハウを医学的な立場から、
ビジネスパーソンの実情を踏まえた上で、
実践できる方法論としてまとめているのです。

ちなみに、裴さんは体調管理の方法論だけでなく、
ビジネスで使う仕事術の本も執筆しています。

興味のある方は、以前このブログでも紹介した
トリアージ仕事術』の記事をご覧ください。

この本から何を活かすか?

  「カラダ手帳」で疲れを見える化する

疲れたと感じた時には、既に手遅れにならないよう、
自分の疲れのキャパシティを、事前に知っておくことは重要です。

それを知る手段が、本書で紹介される「カラダ手帳」です。

特別な手帳を用意するのではなく、仕事で使っている
スケジュール帳に、自分の体の感じ方や食事、排便について、
簡単にメモします。

体調が仕事のスケジュールと一緒に見える化できるので、
オーバーワークにならないよう、自分でブレーキをか
けられるようです。

スケジュール帳を開いて排便のことがいてあると、
それを見てギョッとする人がいるかもしれませんので、
現実的には自分だけがわかる記号で書いた方が、
いいかもしれませんね。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たちフラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
(2014/10/10)
マイケル ルイス

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kindle版 フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

満足度★★★★
付箋数:23

あなたは、今、A社の株1万株の買い注文を入れようとしています。

板を見てみると、ちょうど買いたいと思っていた株価1000円で
売り気配に1万株が表示されていました。

それ以外の売り気配はほとんどありません。

すぐにでもA社の株を買いたかったあなたは、
指値1000円で1万株の「買い」注文ボタンを押しました。

すると、今まであった売り気配に1万株が板から消え、
少し待つと、今度は1003円の売り気配に1万株が戻ってきました。

買おうと思った瞬間に、株価が上がってしまうのは日常的なこと。

資金に余裕があれば、そのまま値を追って1003円で、
注文し直すこともあるでしょう。

しかし、それは売り方が、たまたまあなたと同じタイミングで
売値を修正したのでしょうか?

もしかすると、その裏には「フラッシュ・ボーイズ」の存在が
あるのかもしれません。

フラッシュ・ボーイズとは、HFT(超高速取引)を行うグループ。

彼らが行うHFTとは、取引所のメイン・コンピュータの
すぐ隣に場所を借りて発注サーバーを設置し、マイクロ秒単位で
売買を繰り返して利鞘を稼ぐ取引です。

彼らは、取引プログラムと高速回線を使って、注文が入ると、
それを先回り(フロントラン)して、利鞘を稼ぐのです。

いわば後出しジャンケンなので、負けることはありません。

しかもHFTが行われてるのは、マイクロ秒単位のことなので、
利益をかすめ取られた方は、ほとんど気付かないのです。

超絶技巧のスリ師のように、高速で財布をかすめ取り、
中から数百円だけを抜き取って、財布を戻すようなもの。

それが瞬きする間に行われているのですから、
気が付かないのが普通です。

本書は、カナダロイヤル銀行に勤める日系カナダ人、
ブラッド・カツヤマさんが、HFTの実態を暴くノンフィクション。

カツヤマさんは、自分が買い注文しようとすると、
売り注文が蜃気楼のように消えてしまうことがあることに
疑問を持っていました。

そして、2009年5月チャールズ・シューマー上院議員が、
証券取引所に宛てた書簡によってある事実を知ります。

それは次のような非難をする内容の書簡でした。

  「証券取引所は、高性能アルゴリズムを駆使する
  超高速トレーダーに対して、ほかのトレーダーに先駆けて
  取引情報を入手することを許している。取引所に手数料を支払えば、
  売買注文情報が “瞬時に送られ” 一般に公開されるより、
  ほんの少し情報を早く入手できるようになる」

この書簡によって、カツヤマさんは、初めてフラッシュ取引
なるものが行われていることを知ります。

カツヤマさんは、それまで存在が知られていなかった
フラッシュ・ボーイズについて、仲間を集め調査を進めることで、
その手口を少しずつ暴いていきます。

本書は、謎解きの要素がある、見えない敵に立ち向かう、
手に汗握るストーリーです。

この作品がマイケル・ルイスさんの創作ではなくて、
入念な取材を重ねたノンフィクションですから、
発表されて業界で反響を呼ばないわけはありません。

今回もルイスさんの作品に「外れなし」ということを
確信させる一冊でした。

この本から何を活かすか?

本書の訳者について。

これまで、ルイスさんの作品の多くを翻訳してきた東江一紀さん。

ライアーズ・ポーカー』、『ニュー・ニュー・シング』、
世紀の空売り』、『ブーメラン 』などは東江さんの訳でした。

本書も東江さんがすべて翻訳する予定でしたが、
途中で渡会圭子さんへ交代しました。

東江さんは2014年6月21日、食道がんのため亡くなりになりました。

心より東江さんのご冥福をお祈りします。

ちなみに、本書の翻訳を引き継いだ渡会さんは、
翻訳の手ほどきを東江さんからうけた、教え子だそうです。

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| トレード | 07:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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コンテキストの時代

コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年
(2014/09/20)
ロバート・スコーブル、シェル・イスラエル 他

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kindle版 コンテキストの時代 ウェアラブルがもたらす次の10年

満足度★★★
付箋数:22

ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち
で話題になったベテラン・テクノロジー・ジャーナリスト、
ロバート・スコーブルさんとシェル・イスラエルさんの最新作。

今回のテーマは、「コンテキスト・コンピューティング」。

コンテキスト(context)とは、一般に「文脈」とか「背景」と
訳される言葉です。

コンテキスト・コンピューティングは、コンピュータが、
ユーザーが今置かれている状況を把握し、今どんな情報を知りたいか、
これからどんな情報が必要となるかを予測し、情報提供する技術。

わかりやすい例で言うと、「Google Now」のような、
パーソナルアシスタントのサービスです。

Google Nowは、スマートフォンにアプリをインストールしておくと、
一日の生活の中で必要な情報が、尋ねる前に自動的に表示される、
まさに欲しい情報をちょうどいいタイミングで提供するサービス。

本書では、「5つのフォース」がコンテキストの未来を
支えると指摘します。

スター・ウオーズに登場した神秘的な力「フォース」
という言葉を敢えて使っているのが印象的でした。

  「 “5つのフォース” は消費者、観客、旅行者、患者の体験を
  変えつつある。大小あらゆる規模のビジネスのやり方を
  変えつつあることは言うまでもない。
  その5つの力、モバイル、ソーシャルメディア、ビッグデータ、
  センサー、位置情報に関するテクノロジーは、ビジネス的にも
  臨界点を迎えつつある。急速な普及が価格を引き下げ、
  それがさらに普及を加速するという前向きの循環が始まっている。」

本書では、実際に使われている、あるいは試験中の
先端的なコンテキスト・コンピューティングの事例を数多く紹介。

  ・アメリカンフットボールの試合会場での販売予測
  ・ディズニーのマジックバンド
  ・グーグルの自動運転車での予測機能
  ・IBMの予測犯罪システム
  ・センサーで飲み忘れをなくす薬
  ・ニーズを分析して絞り込むピンポイント・マーケティング

多くの事例から帰納法的に未来を予測している本書の様は、
ちょうどコンテキスト・コンピューティングが
ユーザーの位置情報などを把握し、必要な情報を予測して
提供しているのに似ています。

本書では、こからどういったコンテキストの時代が来るかを
深い洞察を交えてわかりやすく解説しています。

この本から何を活かすか?

コンテキスト・コンピューティングはウェアラブル化と
密接に関係しています。

本書でコンテキスト・コンピューティングを代表する製品として、
かなりのページを割いて紹介されているのが、「グーグルグラス」です。

グーグルグラスは、センサー、カメラ、マイク、網膜に情報を
投影するためのプロジェクターとプリズムを内蔵した
メガネ型のウェアラブル・コンピュータです。

本書ではグーグルグラスの使用感もレポートされていました。

  「イスラエルはスコーブルのグーグルグラスを借りて
  60秒ほど試してみた。するとそれまでの懸念は消し飛んだ。
  イスラエルも即刻、グーグルグラスが欲しくなった。
  毎日着用するかどうかはともかく、イスラエルもグラスに
  独特の利点が数多くあることを認めた。グーグルグラスのような
  デバイスが新しいコミュニケーション手段、新しい情報への
  アクセス手段を提供し、ユーザーの生産性を高めるであろうことは、
  1分足らずの使用でさえ明らかだった。もうひとつイスラエルが
  気づいたのは、グラスが使って楽しいということだった。
  デバイスの楽しさはおうおうにして見過ごされがちだが、
  ビジネスとして成功するかどうかに大きく影響する要素だ。」

APPLE WATCH(iWatch)」と比較されるグーグルグラスですが、
楽しさの面ではグーグルグラスが優っているのかもしれません。

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| IT・ネット | 06:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界は僕らの挑戦を待っている

世界は僕らの挑戦を待っている (角川フォレスタ)世界は僕らの挑戦を待っている (角川フォレスタ)
(2014/09/23)
横井朋幸

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kindle版 世界は僕らの挑戦を待っている

満足度★★★★
付箋数:23

三菱財閥の創業者の岩崎弥太郎さん、日本の資本主義を作った
渋沢栄一さん、経営の神様の松下幸之助さん。

これらの日本経済の礎を作った方々について、
その偉業を「歴史」として知っている方も多いでしょう。

彼らの成功は、計り知れない努力や人間力によるものですが、
「時代」も、1つの成功要因だったかもしれません。

もし、過去の歴史としてではなく、リアルタイムで財閥を
形成しつつある岩崎弥太郎さんが、現代に生きていたら、
その生の声を聞いてみたいと思いませんか?

そして、その財閥を築きあげる人物が、雲の上の人ではなく、
最初はどこにでもいる普通の若者だったら、
どのように成功したかを、詳しく聞いてみたいものです。

本書は、ある国の経済の生みの親として、
これから歴史に名を残すかもしれない人物の物語。

それが本書の著者、横井朋幸さんです。

横井さんは、カンボジアの首都プノンペンを拠点に、
飲食事業、土木開発事業、テレビ局などの事業を展開する
総合商社「トライアジアグループ」の創業者。

2012年7月にプノンペンで創業したばかりの企業ですが、
既に高等教育を受けるための奨学基金を設立し、
プロサッカーチームのオーナーも務めています。

今後は銀行業にも進出を予定していて、まさにカンボジアで
三菱財閥のような存在になろうとしています。

  「特殊な能力を持っているわけでも、特別に恵まれた家庭環境に
  育ったわけでもない、決してエリートではない自分。
  19歳でイギリスに渡った時点では、英語すら話せなかった。
  そんな私が海外で活躍する経営者になりえたのはなぜなのか?
  それを明かすため、そしてより多くの人に海外で
  チャレンジしてもらうために、私は本書を書き始めました。」

本書は横井さんの半生記であり、経営者として、
そして海外で成功する秘訣が語られている本です。

泥臭いけれど、横井さんの持つ人間性や熱さが伝わってきます。

  第1章 海外で活躍するために必要な10の心得
     ― 世界で生き抜く術を教えます
  第2章 世界は広かった
     ― ノープランで海外に飛び出し、得たもの
  第3章 自分の道は自分で切り開く
     ― ゼロからの起業
  第4章 ビジネスチャンスの見つけ方
     ― 国選びのポイント
  第5章 「人、もの、金、情報」の集め方
     ― 継続的に価値を生み出す四大経営資源
  第6章 世界だからできること
     ― [不動産」「金融」「メディア」を制覇する方法
  第7章 国境を越えて自由に働く
     ― 世界への挑戦に特別な才能はいらない

カンボジアで成功しているとはいえ、横井さんは自ら設定した
ゴールからすると、まだまだ道半ばのため、
最初は本書のような出版の話をすべて断っていたそうです。

それでも、本書の執筆に至ったのには、ある想いがありました。

  「50年、100年と国家の基盤になるような企業を創るチャンスは、
  アジアにはもう数年しか残っていないのだ。
  私の感覚では、あと2年ほどでアジア各国の経済は
   “オセロの四隅が埋まる” ように既得権化していくであろう。」

これは実際にアジアで挑戦し続けている横井さんだからこそ、
肌で感じ取れるリアルな感覚なのです。

本書は、実際に海外進出を考えている人には、
国選びのポイントから、現地パートナーの見つけ方まで、
具体的に書かれていますから、間違いなく参考になります。

また、もし海外を考えていなくても、自分の可能性を
少しでも広げたいと考えるビジネスパーソンにとっては、
大いに刺激になる一冊です。

この本から何を活かすか?

  「もし、この本の内容に少しでも共感していただき
   “トライアジアグループで働きたい!” という方がいたら、
  著者紹介にあるトライアジアグループのホームページから
  応募してほしい。私達は、いつだって世界で共に戦う仲間を
  求めている。」

トライアジアグループの採用情報はこちら

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「成功法則」を本気で科学する

「成功法則」を本気で科学する (ベスト新書)「成功法則」を本気で科学する (ベスト新書)
(2014/10/09)
野口 哲典

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満足度★★
付箋数:15

「あきらめないで続けること」は、多くの成功法則本で言われる、
重要な成功法則の1つです。

もちろん、あきらめてしまうと成功確率は「0」になるので、
成功するまで続けることは、成功するための不可欠な要素です。

例えばアフリカに、日照りが続くと雨乞いの踊りをする部族が
いたとします。

どうしたら、非科学的な雨乞いで、雨を降らせることができるのか?

この場合、踊らなければ、雨がふる確率がゼロになるわけでは
ありませんが、雨が降るまでずっと踊り続けさえすれば、
雨乞いで雨を降らせる確率を100%にすることができるのです。

ちょっと例が非科学的過ぎましたので、
もう少し、数学的に確率で考えてみます。

例えば、10本中に、1本だけ当たりが入っているくじを
作ったとします。

この場合、1回引いて当たる確率は10%。

このくじを連続して引く場合、1度引いたくじをもとに戻すか
戻さないかで、当たる確率は違ってきます。

簡単なのは、元に戻さない場合。

くじは10本しかありませんから、10本引けば100%当たります。

しかし、くじを戻す場合はどうでしょうか?

10回引いたからといって、100%当たるとは限りません。

この場合の当たる確率は、1から当たらない確率を引いて計算します。

1回引いて当たらない確率は1/10。
これを10乗したものを1から引きます。

1-(9/10)の10乗=0.651322…≒65.13%となります。

このくじを30回引けば、当たる確率を約96%まで上げることができます。

ちなみに、成功確率1%の事象を繰り返す場合、
230回繰り返すと約90%の成功確率で、400回では約98%となります。

ですから、「あきらめないで続ける」という成功法則は、
成功確率を100%に近づけることはできるのです。

それでは、「宝くじ」でも買い続けた方がいいのでしょうか?

確かに、買わなければ当たらないという点では同じです。

しかし、宝くじの場合は、当せん金に割り当てられるのは、
売上の内わずか約47%です。

これは1枚300円で買うと、約140円払い戻される計算ですから、
1枚買うごとに約160円損することを意味します。

もし宝くじを1万枚買う場合、期待値から計算すると160万円損し、
100万枚買うと1億6000万円損することになるのです。

このようにテラ銭を控除されて払い戻される、
期待値が1より小さいギャンブルは、
繰り返せば繰り返すほど、破綻に近づくのです。

これが宝くじが「愚か者に課せられた税金」と言われる所以。

本書は、成功法則で言われていることが正しいかどうか、
科学っぽく考察する本です。

タイトルの「本気で」というのは、主観的な表現ですから、
この時点で既にあまり科学ではありませんが、
あくまで著者の野口哲典さんは、そう考えたということですね。

成功法則を実験で証明したり、実証データで検証している
わけではないので、科学テイストのコラムという印象です。

この本から何を活かすか?

  じゃんけんに勝つ確率を上げる方法

じゃんけんでは、連続して同じ手を出す人よりも、
次は別の手に変える人のほうが多いことが、
統計的に知られているそうです。

あえて「最初はグー」を合図にじゃんけんを始めると、
続けて「グー」を出す人は少ない。

よって、「チョキ」を出すと、あいこになるか勝つ確率が
高くなるそうです。

だから、「最初はグー」の後は、「キョキ」、「パー」の
順で出すと、勝つ確率が少しは高くなる。

ちなみに、いきなりじゃんけんをする場合は、
最初に「チョキ」を出す人が少ないので、
「パー」を出すのがいいようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 成功哲学 | 06:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス)

How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス)  ―私たちの働き方とマネジメントHow Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント
(2014/10/09)
エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ 他

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kindle版 How Google Works

満足度★★★★
付箋数:25

グーグルは、世界中から優秀な人材を集めていることで
知られている会社です。

グーグルが集めているのは「スマート・クリエイティブ」と
呼ばれる人材です。

では、スマート・クリエイティブとは、
具体的にどんな人材なのでしょうか?

  「スマート・クリエイティブは、自分の “商売道具” を
  使いこなすための高度な専門知識を持っており、経験値も高い。
  私たちの業界ではコンピュータ科学者か、少なくとも日々
  コンピュータの画面上で起きている魔法の背後にあるシステムの
  理論や構造を理解している人材ということになる。
  だが他の業界では、医師、デザイナー、科学者、映画監督、
  エンジニア、シェフ、数学者などがスマート・クリエイティブに
  なるかもしれない。実行力に優れ、単にコンセプトを
  考えるだけでなく、プロトタイプをつくる人間だ。」

グーグルでは、最高のスマート・クリエイティブを獲得するために、
手間とお金をかけて、採用プロセスを整えています。

それがグーグルの成長の原動力。

それでは、最終的に、最高のスマート・クリエイティブは、
どのようにグーグルに報いてくれるのでしょうか?

  「そう、退社するのである! これは動かしようのない事実だ。
  よくよく頭に入れておこう。最高の人材を採用しても、
  その一部はもっと良い場所があることに気づく。
  ただ、これは必ずしも悪いことではない。
  むしろ健全でイノベーティブなチームには避けられない副産物の
  ようなものだ。それでも彼らを引き止めるために全力で戦おう。」

確かに、ずば抜けてデキる人材は自ら起業を考えている場合も
ありますし、他社からもっと魅力的なオファーをもらっている
場合もあります。

グーグルの場合は、良い人材に残ってもらうために
できる限り手は尽くすものの、それはイノベーティブのめに必要な
新陳代謝と考えているようです。

本書は、グーグル現会長で前CEOのエリック・シュミットさんと、
前シニア・バイスプレジデントのジョナサン・ローゼンバーグさんが
グーグルが驚異的なスピードで成長した裏側を語ったもの。

2014年9月に刊行された原書『How Google Works』の邦訳本です。

グーグルと言えば、創業者はサーゲイ・ブリンさんとラリー・ペイジさん。

しかし、創業者ではなく、豊富な経験を持って途中からグーグルに
移ってきたシュミットさんと、ローゼンバーグさんだからこそ、
グーグルのマネジメントの異端さが、より鮮明に伝えられるのです。

  「本書は成功・成長している企業やベンチャーの発達過程を
  たどるような構成になっている。この発達過程は、雪玉が坂道を
  転がっていくうちに勢いがつき、どんどん大きくなっていくような、
  永続的な好循環に発展できるものだ。一連のステップは、
  スマート・クリエイティブを惹きつけ、意欲を高めるために企業が
  実践可能なものだ。その一つひとつが企業を次のステップへと
  押し上げていく。各ステップは相互に依存し、
  お互いの上に成り立っている。またどのステップも
  決して終わることのない、ダイナミックなものだ。」

本書には、シュミットさんとローゼンバーグさんが、
グーグルで学んだ教訓が示されています。

それは、私たちが知りたかったグーグルのインサイトであり、
企業が躍動的に成長を続けるための秘訣でもあります。

この本から何を活かすか?

  「70対20対10のルール」

グーグルでは、リソースの配分を、70%はコアビジネスである
検索と検索連動広告へ、20%を成長の兆しが見える
成長プロダクトへ、残り10%を失敗のリスクは高いが、
成功すれば大きなリターンが見込まれる新しい取り組みへ
振り分けているようです。

この70対20対10のルールが成長のための黄金比率。

個人が成長するための時間配分や、投資のポートフォリオを
組む際にも、70対20対10のルールは応用できそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 07:24 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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思考のチカラをつくる本

思考のチカラをつくる本: 判断力・先見力・知的生産力の高め方から、思考の整理、アイデアのつくり方まで (単行本)思考のチカラをつくる本: 判断力・先見力・知的生産力の高め方から、思考の整理、アイデアのつくり方まで (単行本)
(2014/10/10)
白取 春彦

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満足度★★★
付箋数:22

ソクラテスさんの例で説明されることが多い「演繹法」。

しかし、演繹法によって推論する場合、
注意しなければならない点が2つあると、
本書の著者・白取春彦さんは指摘します。

まず、1つ目の例。

  大前提 : すべての市民は税金を支払っている
  小前提 : ソクラテスの赤ん坊は市民である
  結論 : よって、ソクラテスの赤ん坊は税金を支払っている

論理は正しくつながっていますが、
この結論が誤りであるのは明らかです。

一体、何が間違っているのでしょうか?

この例では、「大前提」が間違っています。

つまり、演繹法は大前提が誤っていれば、結論も誤ってしまうのです。

では、2つ目の例です。

  大前提 : すべての人間は呼吸している
  小前提 : ソクラテスは呼吸している
  結論 : よって、ソクラテスは人間である

こちらは、先ほどの例より間違っているのが気づきにくい
誤った演繹法の例です。

結論が正しいので、誤った演繹法だとわかりにくのです。

しかも、大前提も小前提も正しく、全体としても
いかにも正しそうに見えます。

確かに、すべての人間は呼吸していますが、
人間だけが呼吸しているわけではありません。

猫も犬もイルカも呼吸しています。

しかし、猫も犬もイルカも人間だとは断定できません。

こちらは、大概念・中概念・小概念の3つが入れ子構造に
なっていない誤りです。

概念をボウルで表すと、正しい演繹法では、
大きなボウルのなかに中くらいのボウルが入り、
更にその中くらいのボウルのなかに、小さなボウルが入ります。

しかし、この例では、大きなボウルのなかに、
中くらいのボウルと小さなボウルが並んで入っていて、
完全な入れ子構造にはなっていないのです。

ここでは、大概念は「呼吸している」、中概念は「人間である」、
小概念は「ソクラテス」です。

中概念と小概念の関係性が、前提で示されていないのです。

もともと、演繹法は、前提と同じことしか言えません。

  大前提 : すべての人間は必ず死ぬ
  小前提 : ソクラテスは人間である
  結論 : よって、ソクラテスは必ず死ぬ

大前提の時点で、既にソクラテスが必ず死ぬことが、
言外に述べられているのです。

それでは、なぜ、前提と同じことしか結論で言えない演繹法が
必要なのでしょうか?

なぜなら、演繹法を使ってしか、正しい前提から、
正しい結論を導き出せないからです。

そして、前提と同じことが結論であっても、
それが未知のものであるかもしれないからです。

つまり、演繹法は未知のものを発見する思考法として、
必要なのです。

ここでは本書の演繹法の説明を紹介しましたが、
これは本書の思考のチカラをつくる技術の一例です。

本書では、生きるチカラにつながる様々な思考法が
紹介されています。

この本から何を活かすか?

  「考えるためには、あらかじめ練習が必要だ。
  その練習とは何か。本を読むことだ。
  読書を、一種受け身の作業だと思わないでほしい。
  読むことは同時に、考えることでもあるのだ。」

つまり、「本を読むとアタマがよくなる」のは
本当だということなんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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