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その問題、経済学で解決できます。

その問題、経済学で解決できます。その問題、経済学で解決できます。
(2014/08/29)
ウリ ニーズィー、ジョン・A. リスト 他

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kindle版 その問題、経済学で解決できます。

満足度★★★★
付箋数:22

インセンティブは人を動かす効果があることが知られています。

だから私たちは、頑張った子どもにご褒美を与えたり、
会社は、従業員の成績によってボーナスを支給します。

しかし、せっかく用意したインセンティブでも、
与え方によっては、あまり効果がなかったり、
中にはかえって逆効果になってしまう場合もあります。

インセンティブは一体、どれだけ、どんなタイミングで
与えると、一番効果的なのでしょうか?

本書の著者、ウリ・ニーズィーさんとジョン・A・リストさんが
たどり着いたのは「実地実験」で調べる方法。

「なんだ、実験で調べるなんて当たり前じゃないか」と思うかも
しれませんが、経済学者の間では、意味のある実験を行うことは
難しいと考えられてきました。

なぜなら、ある効果を検証するためには、調べたいこと以外全部を
同じ条件に保たないと、対照実験にならないから。

現実の世界では、科学の実験のように、他の条件を一定に保つ
ことなんてできないからです。

しかし、ニーズィーさんとリストさんは、本物の人間を相手に
「ランダム化実地実験」で、効果検証できることを見つけました。

  「対照実験のできない奇っ怪な現実の世界を相手に
  ものごとの仕組みを調べてみたいなら、ランダム化実地実験で
  本当の答えを出せる。この本でそれをご覧に入れる。
  実際、実地実験はここ数十年に起きた、実証研究上のもっとも
  重要な発明の1つになった。ぼくたちのやり方を使えば、
  起きていることを観測でき、それだけでなく、
  なぜそんなことが起きるのかも調べられる。」

この2人がすごいのは、なんとかして現実の世界で
フィールド実験をやってしまうところです。

例えば、教育の効果を検証するために、
実地実験用の保育園をイスラエルに作ってしまうほどです。

本書の実地実験で示されるのは、次のような疑問の答えです。

  ・現代社会のほとんどの経済では、女性と男性が同じだけ
   働いても女性のほうが稼ぎが少なく、経営の首脳を担うことも
   少ないのはどうしてだろう?

  ・同じモノやサービスを買っても他の人よりたくさんお金を
   ふんだくられる人がいるのはどうしてだろう?

  ・どうして人はお互いを差別するのだろう?
   そしてどうすれば差別をやめさせられるだろう?
   自分でもやらないようにできるだろう?

本書では、人の行動の背後にある動機まで解き明かします。

ランダム化実地実験は、意思決定の奥にあるものを炙り出し、
机上の空論ではない実際に使える形で、解決策を示します。

どんなインセンティブはうまくいかず、
どんなインセンティブならうまくいくのか。

ニーズィーさんとリストさんは、経済学が科学であることを
証明しています。

あの『ヤバい経済学』のスティーヴン・レヴィットさんも、

  「彼らは経済学に過去50年最大の発明の1つを
  もたらした開拓者だ。」

と絶賛。

訳者は、型破りな経済学系の本の翻訳で定評のある望月衛さん。
本書も読みやすい文体で書かれています。

この本から何を活かすか?

望月さんの解説によると、ニーズィーさんとリストさんは、
いずれもスティーヴン・レヴィットさんの本に登場するようです。

ニーズィーさんは、『ヤバい経済学』に。
そしてリストさんは、『超ヤバい経済学』に。

私はどちらの本も読んでいますが、正直、覚えていませんでした。

改めて、この2冊も読み直してみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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