活かす読書

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非線形科学 同期する世界

非線形科学 同期する世界 (集英社新書)非線形科学 同期する世界 (集英社新書)
(2014/05/16)
蔵本 由紀

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満足度★★★★
付箋数:23

谷に架けられた、つり橋があります。

このつり橋を、大人数の集団で渡るとどうなるか?

もちろん、つり橋はその大集団が同時に乗っても
十分耐えられる強度を持っています。

つり橋なので、少しだけ横揺れます。

橋が右に振れると、歩行者は無意識に右足を踏み出します。
左に揺れると、つい左足を踏み出してしまいます。

その結果、つり橋を渡る歩行者たちの足並みが、
ひとりでに揃ってしまう現象が起こります。

すると、揃った足並みが大きな力を生み、
橋の揺れを大きく増幅させてしまうのです。

この現象が知られているので、行進する軍隊がつり橋を
渡る時には、あえて歩調を合わせないよう指示されるそうです。

この知らずに揃う足並みが、橋を大きく揺らしてしまうのは、
山間部の川や谷に架けられた、小さなつり橋だけに
起こる現象ではありません。

条件が揃えば、近代的で強度が十分な橋でも起こるのです。

有名なのがロンドンのテムズ川に架るミレニアム・ブリッジで
2000年6月10日に起きた騒動です。

新世紀の幕開けを記念するプロジェクトの1つとして
造られたミレニアム・ブリッジですが、
騒動は、その開通日に起こりました。

エリザベス女王のテープカットで開通した後、
橋をわたる群衆が数百人に達したところで、
橋は明らかに揺れ始めました。

開通日は、9万人が押しかけ、常時2000人くらいの歩行者が
あったそうなので、ミレニアム・ブリッジは終日、
大きく揺れ続けました。

その時の映像は、YouTubeで「ミレニアム・ブリッジ」で
検索すると見ることができます。

さて、本書は橋の揺れの話ではなく、歩行者の足並みのように
バラバラだったものが自然と揃ってしまう現象に注目した本です。

これを「同期(シンクロ)現象」と呼びます。

他に同期する現象として紹介されるのは、次のような現象です。

振り子時計、メトロノーム、ロウソクの炎、コオロギの鳴声、
ホタルの光、聴衆の拍手、生物の心拍や体内時計・・・・。

本書は、自然界で起こる様々な現象を「同期」という
一本の糸でつなぎます。

著者は、同期現象を記述する数式、「蔵本モデル」を生み出した
その分野の第一人者、蔵本由紀さん。

もともと同期は、自然界に偏在し、昔から知られる現象でした。

しかし、同期現象が科学の表舞台に華々しく登場することは
ありませんでした。

なぜなら、それは全体が部分の総和として理解できる
「線形現象」ではなく、全体が部分の総和として理解できない
「非線形現象」だったから。

そのため、理論的に扱うことが困難だったのです。

しかし、近年の理論家の努力やコンピュータの高度化のおかげで、
同期現象は、やっと理論的に扱えるところまできたのです。

また、最近ではこの同期現象を様々な人工システムなどに
応用できるのではないかと期待されているそうです。

本書は、同期現象を知ってもらうことが目的なので、
数式を使っての詳しい説明はありませんが、
私たちの身近で起こる摩訶不思議な現象を題材に、
同期する世界の謎に迫ります。

この本から何を活かすか?

YouTubeでは、ミレニアム・ブリッジ意外にも、
メトロノームの同期やロウソクの炎の同期の映像が多数あります。

本書で紹介されてた映像とは違いますが、
メトロノームの集団同期は、こちらの映像をご覧ください。



Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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