活かす読書

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動的平衡ダイアローグ

動的平衡ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト動的平衡ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト
(2014/02/07)
福岡伸一

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満足度★★★
付箋数:21

  「動的平衡は生命観であるとともに、世界観でもある。
  動的平衡によって生命を再定義することは、世界を再定義
  することでもある。近代の思考は、あまりにも要素還元論的に、
  世界を分解し、その組み立てとしての機械論的に生命を、
  そして世界を捉えすぎてきた。アルゴリズム的な因果律として、
  世界の成り立ちを考えすぎてきた。その必然的な帰結として、
  私たちがどのようなリベンジを受けつつあるか、それは昨今、
  起こった様々な災害や事故のことに思いを馳せれば明らかである。
  動的平衡は、古くて新しい世界観であり、機械論的・因果律的な
  世界観に対するアンチテーゼ、あるいはアンチドート(解毒剤)
  としてある。」

動的平衡とは、福岡伸一さんがテーマとする生命観。

生体の中では、絶えず合成と分解という相反する反応が
繰り返されています。

このインプットとアウトプットの速度が同じ時、
一見何の変化も起きていないように見える状態のこと。

平衡状態が維持されつつも、淀みなく流れていることが
生きている証なのです。

福岡さんは、2009年に『動的平衡』、
2011年に『動的平衡2』を著しました。

本書は、その動的平衡シリーズの第3弾。

今回は、動的平衡的な世界観を共有する
各界をリードする識者との対談集。

福岡さんが対談のゲストに迎える方は次の8名です。

  作家 カズオ・イシグロさん
  小説家 平野啓一郎さん
  自然科学研究機構長・東大名誉教授 佐藤勝彦さん
  作家・僧侶 玄侑宗久さん
  米カリフォルニア大教授 ジャレド・ダイアモンドさん
  建築家 隈研吾さん
  多摩美大教授・芸術人類学研究所所長 鶴岡真弓さん
  日本画家・京都造形芸術大教授 千住博さん

バックグラウンドが科学者なのは、佐藤さんと
ダイアモンドさんのみで、他は作家や芸術家といった
クリエイティブな活動をする方々。

もともと福岡さんの世界観に共鳴する方々との対談ですが、
異なる分野の方と対談をすすめても、行き着く先は動的平衡。

これはまるで、世界の真理が動的平衡であることを、
福岡さんが対談を通して帰納法的に証明しているようにも
見えますね。

千住さんとの対談では、動的平衡に近い概念として
「ケオティック・オーダー」という言葉が出てきます。

  「滝は、天上的な存在でありながら、猛烈なエネルギーと
  荒れ狂う濁流をもつ暴力的、地獄的な存在でもある。
  強い光であると同時に、死を思わせる深い闇でもある。
  つまり両極を合わせ持つケオティック・オーダー
  (秩序ある混沌)なんです。
  ケオティック・オーダーとは、生命そのものじゃないですか。
  人はそこに美を感じる。なぜなら、私たち自身が
  ケオティック・オーダーだから。」

滝に秩序と混沌を合わせ持つ美しさがあるのも、
そこに常に流れがあるからなのです。

この本から何を活かすか?

福岡さんは、イシグロさんに紹介された映画に対し、
次のように発言しています。

  「なるほど、その映画は必ず見なければなりませんね。」

なぜ、福岡さんさんがそこまで言ったかというと、
その映画には動的平衡的な世界観が描かれているからです。

その映画とは、デイヴィッド・クローネンバーグさんの
ヒストリー・オブ・バイオレンス』。

イシグロさんの説明を聞いていると、私も見たくなりました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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