活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2014年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年03月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

スマホは人気で買うな!

スマホは人気で買うな! (日経プレミアシリーズ)スマホは人気で買うな! (日経プレミアシリーズ)
(2014/01/11)
吉本 佳生

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:25

  「SF映画『アバター』は、高価な資源が大量に眠る惑星が
  舞台になっていました。
  現実の世界でも、木星や土星などにはダイヤモンドが
  眠っている可能性があると指摘されています。
  では、土星に高品質のダイヤモンドが大量にあるとわかり、
  掘削して地球に運搬できるとしたら、
  地球でのダイヤモンド価格はどうなるでしょうか。
  暴落するか、しないかを考えてください。」

本書はこのようなクイズ形式で、経済学思考を
トレーニングする本です。

経済学思考が身につくと、お店や企業など、
その裏に隠されているホンネを知ることができるのです。

冒頭で紹介したクイズは、たまたまSF的な内容ですが、
タイトルに「スマホ」とある通り、
基本的には私たちの日常で接する身近な経済現象から
68問が出題されています。

この手の、日常的な題材を見つけクイズ形式にするのは、
吉本佳生さんお得意のパターンですね。

ケチャップ、ホテル料金、カフェ、生鮮食品、インターネット、
スマホ、学習塾、テーマパーク、旅客機、コンビニ・・・

私たちが普段の生活で、何気なく接するものを題材に、
経済学思考を鍛えるクイズは作られています。

そして、それらのクイズは目からウロコの連続。

ちなみに、土星のダイヤモンド掘削問題は、
「暴落しない」が正解です。

なぜなら、ダイヤモンド価格が暴落したら、
土星での掘削は採算がとれないからです。

技術的に掘削が可能でも、そもそも採算がとれないほど
掘削コストが高ければ、掘削自体も行われることはありません。

仮に、今のようにダイヤモンド価格が高い状況で、
土星での掘削して採算がとれる状態だったとしても、
ダイヤモンドが大量に流通することで、価格は暴落し、
結局は、赤字になってしまう。

だから土星での掘削は行われず、暴落もしないのが正しい。

吉本さんは、映画『アバター』に登場した地球人も、
経済的思考ができ、このパラドックスに気づいていれば、
資源を巡る争いをせずに済んだかもしれないと指摘しています。

では、本書からクイズをもう1問紹介します。

  「同僚の教授が “ネットでホテルを探したら、
  料金が高いホテルばかり出てくる” といいました。
  これに対して筆者は、 “WindowsとMacの、どちらのパソコンを
  使って、ネットで検索したのですか?” とたずねました。
  なぜでしょうか?」

Windowsパソコンを使う人たちよりも、Macを使う人たちの方が
相対的に年収が高いと言われているそうです。

更に、旅行においてもMacユーザーの方が、
高い旅行プランを選びやすいという調査結果もある。

実際にアメリカの大手旅行予約サイトでは、
Macユーザーにはより高価な部屋を
表示する設定にしているところがあるので、
吉本さんはWindowsかMacかを聞いたのです。

データ分析を活用した価格戦略の事例として、
一時期話題になったそうです。

この本から何を活かすか?

私が、吉本さんの解説がちょっと足りないなと思ったのは
「学習塾業界では、月謝は少しずつ上昇しているにもかかわらず、
夏期講習などの無料ビジネスをおこなうのはなぜ?」という設問。

このクイズの解説として、「難関校への合格者を増やし、
 “評判・評価” を高めることが狙いだから」とありました。

もちろん、この解説自体には間違いはありません。

しかし、学習塾の講習会には、普段の授業の
「見本市」という側面があります。

化粧品の無料サンプルと同じで、無料の講習会をきっかけに、
毎月の月謝を払ってくれるようになれば、
十分に採算がとれるのが、学習塾のビジネスモデルなのです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 経済・行動経済学 | 11:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |