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ストーリーで学ぶ戦略思考入門

ストーリーで学ぶ戦略思考入門―――仕事にすぐ活かせる10のフレームワークストーリーで学ぶ戦略思考入門―――仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク
(2013/09/21)
グロービス経営大学院、荒木博行 他

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満足度★★★★
付箋数:25

  食品容器メーカーで資材調達課長を務める狩野幸太は、
  コストリーダーシップの実現でコスト競争に打ち勝つ
  という社の方針に従い、原材料の調達先との価格交渉など、
  日々現場で奮闘していました。

  そして、小手先の勝負では値下げも限界に近いと感じ、
  上司である部長に、次のように掛け合いました。

  「やっぱりコストリーダーシップの実現に向けては、
  規模の経済を効かせないとダメだと思います。
  発注量を倍にすれば値下げしてくれると言われましたが、
  倍までは無理としても、発注量を増やす方法を
  考えられないでしょうか・・・・」

  この提案を聞いた部長は狩野を試すように質問します。

  「ん? コストリーダーシップ実現のために規模の経済?
  狩野にしては珍しくそれらしい言葉を使うな・・・。
  で、たとえば規模の経済とはいったいどんな意味なんだ?」

  何でこんな当たり前のことを聞くんだと思いながら、
  狩野は答えます。

  「いや、ですから、大きくなれば交渉力を発揮して
  安くできるってことですよ。それに大きくなれば工場の稼働率も
  上がりコストも安く生産できます。そうすることで利益が上がり、
  また再投資して規模を拡大していくサイクルを重ねていくことが、
  規模の経済っていうことですよね」

  それを聞いた部長の反応はつれないものでした。

  「お前、それは規模の経済をほとんどわかっていないに等しいぞ。
  もう少し勉強したらどうだ」

本書のミニストーリーを少し短縮して紹介しました。

フレームワークや戦略オプションについて、言葉では知っていても
そのメカニズムを知らないと、現場では使えないものです。

3C分析、5フォース分析、バリューチェーン分析、差別化、
コストリーダーシップ、集中戦略、イノベーションのジレンマ、
プロダクトライフサイクル、PPM、PDCA

最近は、フレームワークの本もたくさん刊行されているので、
これらの10のフレームワークは聞いたことがある方も多いでしょう。

でも、あなたは本当にこれらを有効に活用することはできますか?

実際に現場でこれらのフレームワークを使ったことがある方は、
意外と少ないのではないでしょうか。

本書は基本となる10のフレームワークについて、
ミニストーリーで学び、実践で使えるようにするための本。

各章では、現場で苦悩するミドルリーダーを主人公とした
ミニストーリーを皮切りに、戦略論のエッセンスや実践上の知恵を
紹介し、最後にはミドルリーダーがどうすべきだったのかという
解説でまとめられています。

パワーポイントでフレームワークに当てはめた資料を作ると、
一見きれいな分析をして、まとめたように見えるので、
それで満足してしまう人も多いようです。

これはフレームワークを表層的に学んだ人が陥るパターン。

その分析が地に足のついたファクトをもとにしたもので、
今後の具体的なアクションにつながるものでなければ、
フレームワークを本当に使ったとは言えません。

本書は、 基本のフレームワークのメカニズムを深く理解し、
本当に使えるようにすることを目的としています。

  「基本の習得なくして応用はありえません。
  そして、基本を習得するためには “反復” して習熟度を
  高めるのみです。本番の切羽詰まった勝負においては、
  結局は反復練習して体が覚えたものしか使えないのですから。」

この本から何を活かすか?

  狩野課長には何の理解が足りなかったのか?

「大きいこと=規模の経済が効く」と単純に考えていたところが、
理解不足です。

まず、規模の経済が効くかどうかを検証するためには、
自社のコスト構造を正しく理解する必要があります。

更に、規模の経済と言っても、その効用に物理的範囲がありますから、
それを超えると「規模の不経済」が生じることにも注意が必要です。

規模の拡大には、必ず物理的な限界があるので、
意外と規模の経済は効かない場合が多いようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 07:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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