活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2014年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年03月

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成功は“ランダム”にやってくる!

成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方style=成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方
(2013/10/31)
フランス・ヨハンソン

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Kindle版 成功は“ランダム”にやってくる!

満足度★★★★
付箋数:24

「1万時間の法則」をご存知でしょうか?

偉大な起業家や世界的に有名なスポーツ選手など、
ある分野で「天才」と呼ばれるようになる人たちは、
最低1万時間打ち込むことで成功を収めたというもの。

マルコム・グラッドウェルさんの『天才! 成功する人々の法則
で紹介されて有名になりました。

グラッドウェルさんは、こんなことも言っていました。

  「一万時間より短い時間で、真に世界的なレベルに達した
  例を見つけた調査はない。まるで脳がそれだけの時間を
  必要としているかのようだ。」

しかし、本書の著者フランス・ヨハンソンさんは、
この法則が当てはまらない分野もあると言います。

  「もしこの法則が正しいとしたら、完全に予測可能な方法で
  成功をものにできるように思えるかもしれない。
  うまくなりたいと思うものを選び、うまくなるよう
  必死に練習すればいいだけだからである。」

ヨハンソンさんは、1万時間の法則が当てはまらない例として、
任天堂の宮本茂さんを挙げています。

宮本さんは、「ドンキーコング」、「ゼルダの伝説」、
「マリオブラザーズ」など数々のヒットを生み出した
有名なゲームデザイナー兼プロデューサー。

宮本さんは、ケーム制作をはじめて、わずか3作目で
「ドンキーコング」が爆発的にヒットしました。

この時点では、1万時間に達していなかったと言います。

逆に、ゲームデザイナーとして1万時間を超えた後に
制作した「スティールダイバー」は、まったく売れなかった。

  「宮本が成功するのに1万時間の苛酷な練習は必要なかった
  ばかりか、1万時間を達成しても成功は保証されなかった。」

それでは、どのようにしたら成功できるのでしょうか?

ヨハンソンさんは、次の考えをテーマに本書を執筆しました。

  「成功は私たちが考えているよりはるかにランダムに起きる」

もし、本当に成功がランダムに起こるのなら、
私たちの努力は無駄になるのでしょうか?

成功のランダム性を認めたからといって、
努力が無駄になるわけではありません。

なぜなら、個人や組織がランダムに起きる成功をつかみ、
うまく利用するためにできる行動はいろいろあるからです。

成功者が、後から成功のきっかけを振り返ってみると、
「あの瞬間が始まりだった」というタイミングがあります。

その瞬間に、偶然出会い、突然ひらめき、
予期せぬ結果を得ることなどを経験しています。

ヨハンソンさんは、その人生を変える瞬間のことを
「クリック・モーメント」と名付けました。

そして、本書ではクリック・モーメントを起こす方法を考察。

  1. ボールから目をそらせ
  2. 交差的に考える
  3. 好奇心に従う
  4. 予測可能な道を避ける

偶然を認めながら、それを利用する方法を考えるところは、
J.D.クランボルツさんの『その幸運は偶然ではないんです!
で紹介されていた「計画された偶然理論」に共通しています。

この本から何を活かすか?

本書では「目的ある賭けをする」ことをススメています。

これは、うまくいくかわからなくても、とにかく行動すること。

そうすることで、予測不能でランダムな新しい方向へ
導いてくれるターニングポイントを作りだすことができます。

この「目的ある賭け」は、何度も、小さく、
そして許容損失額を計算して行うことがポイント。

まるで、トレードをする時のようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 成功哲学 | 09:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あなたの1日を3時間増やす「超整理術」

あなたの1日を3時間増やす「超整理術」 (角川フォレスタ)あなたの1日を3時間増やす「超整理術」 (角川フォレスタ)
(2014/02/22)
高嶋 美里

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満足度★★★
付箋数:20

遊雅セレブリティ株式会社の住山さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、1日の自分の行動を詳細に記録をとったことはありますか?

  ・8:58 席につく
  ・8:59 パソコンを立ち上げる
  ・9:04 お茶を淹れて席に戻る
  ・9:06 メールチェック開始
  ・9:27 メールチェック終わり
  ・9:31 メール返信開始

このように自分の行動を分単位で記録していくと、
1つの行動が終わって、次の行動に移るまでの間に、
数分間のスキマ時間があることがわかります。

また、直接仕事につながっていない行動も結構とっているもの。

  「そうした時間も空白の時間とカウントし、隙間時間を合わせると、
  結果的に仕事の時間の中でも1人平均5時間くらい、
  仕事をしていない時間が見つかるのです。」

これが、整理術を使って、「1日3時間増やす」の根拠です。

仕事をしていると、誰でもしなければならない「雑務」が
発生します。

本書の整理術のポイントは、意外と時間をとってしまう雑務を
「5分でやることリスト」にして、スキマ時間で効率的にこなし、
浮いた時間を有効活用することにあります。

著者の高嶋美里さんは、筋金入りのスキマ時間活用の達人。

子供の頃から、学校で出る宿題は一切家に持ち帰らず、
予習や復習もすべて学校にいる時間内で終わらせていたそうです。

その習慣は社会人になってからも同じで、
他の人が始めようと思った時には、高嶋さんは既に仕事が
終わっていて、「いつやったの!?」と驚かれることもしばしば。

そんな時間活用ができるから、育児をしながら起業できたわけです。

本書では、高嶋さんの時間を効率よく使うルールを公開。

使用するツールはGoogleが提供する無料のサービスのみ。
Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダーを徹底活用します。

「身の回りの整理」から始め、「情報の整理」、
そして「頭の中の整理」という流れで整理術を伝えます。

これを14日間でステップ・バイ・ステップで
身に付けられるように、本書では解説しています。

それほど難しいことや特殊なことはしていないので、
どちらかと言うと時間術の王道的な内容です。

時間の使い方が上手い人は、魔法を使っているのではなく、
いくつものテクニックを使い、細かな時間を積み重ねて
大きな時間を作り出していることがよくわかります。

時間活用が上手くできていない人は、忙しいから仕事の質が落ち、
質が落ちるからやり直して、余計に時間がかかってしまいます。

こういった負のスパイラルから抜け出すためにも、
本書の整理術は取り掛かりやすい内容になっています。

私が本書で1点気になったのは、各章の最後にある「マンガ」。

整理術を使うと、仕事がどのように変わるか
イメージするために描かれています。

しかし、このマンガ、最後が「報奨金1万円ゲット」とか
「ボーナス10万アップ」などお金につながるオチになっています。

仮に時間活用の目的が年収のアップだとしても、
これは短絡的で、本書の品を下げているように感じました。

この本から何を活かすか?

  「財布にポイントカードがある人はお金がたまらない」

高嶋さんは、財布の中のポイントカードは処分することを
すすめています。

それは、わずかなポイントよりも、時間の方が価値があるから。

ポイントカードを使う時に、「このカードあったっけ?」と
考えたり、それを管理するための時間がムダだと考えています。

非常に潔いですね。

私もポイントカードは苦手で、持ち歩きません。

それは、時間のムダではなく、ポイントカードがあることで
その店に縛られるのが嫌だからです。

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| 時間術 | 06:24 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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起業家のように企業で働く

起業家のように企業で働く起業家のように企業で働く
(2013/10/16)
小杉 俊哉

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満足度★★★★
付箋数:24

  「新入社員から3年間くらいは、仕事を覚えて、言われたことを
  一人前にできること、それをめざす必要がある。
  しかし、いつまで経っても言われたことしかできない人間は、
  環境が変化すると生き残れない。」

あなたは、ただ会社から言われた通りに働き続けるのか?

本書の著者、小杉俊哉さんは、企業で働くビジネスパーソンに
とっても「起業家」のように考え、働く必要があると説きます。

かつては、上司から指示を受け、言われたことをきちんと
そつなくこなす部下が優秀だとされました。

しかし今の時代は、それだけでは不十分です。

企業で働くにしても、自ら仕事を作りだし、
自らの責任において行う、「自律」が必要になったのです。

言われたことをするだけなら、あなたである必要はなく、
すぐに他の人に置き換えられてしまいます。

これからの時代は、自ら解決すべき課題を設定できる人、
HowではなくWhatを考えられる人が、バリューを生み出せるのです。

マッキンゼーやユニデン、アップルを経て、
慶応大学で教鞭をとる小杉さん。

本書は、小杉さんのゼミを卒業していった教え子に宛てた
「手紙」という形式で語られています。

「起業家」マインドを持って自律的に働くことを
ススメる内容なので、昨日紹介した日野瑛太郎さんの
あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。
とは見ている景色が全く違います。

日野さんの本に強い共感を覚えた方には、
本書の考えは合わないかもしれません。

ただし、小杉さんのススメる働き方と、
日野さんのススメる働き方にも共通点はあります。

それは、企業にとって都合のいいだけの「社畜」にならないこと。

企業に所属して、起業家のように働くということは、
自らの使命感をもって働くことです。

場合によっては、あなたの使命感が、上司のアジェンダと、
衝突することもあります。

そんな時に必要なのが、「いつでも辞められる」と
腹を括っておくことです。

会社にしがみつこうとすると、どうしても守りに入ってしまいます。

会社で働きがいを感じ活き活きと働くためには、
逆に会社にロイヤリティを持たない方が良いようです。

これはつまり、「脱社畜」という働き方。

また、小杉さんは日本の労働環境の特性を利用することもススメます。

アメリカでは、会社は頻繁に変わっても、ジョブは変わらない
「転職を伴わない転社」が圧倒的に多い。

一方、日本では異動で職種が変わることも度々あります。
これは「転社を伴わない転職」をしているのと同じこと。

これを「社内転職」の選択肢があるメリットと
考えることができると小杉さんは説明します。

確かに、同じ会社でも部門が変われば、
全く別の会社といっていいほど違う場合もありますから、
一種の転職と考えた方がシックリくるかもしれません。

本書は、若手のビジネスパーソン向けとなっていますが、
刺激が欲しいミドル層にも読んで欲しい本です。

この本から何を活かすか?

  「業績に貢献したかどうかは、お金に置き換えてみるのが
  もっともわかりやすい。」

ここまでシビアに考えるのが、起業家精神を持つということ。

小杉さんが、ユニデンで働いていた頃は、
時間単価制を採用していたそうです。

会議をやる場合には、役員だと1人1時間5万円、部長だと3万円、
課長は2万円、担当者は1万円として経費を計算。

例えば、役員1人、部長3人、課長5人、担当8人で
会議をする場合は総額32万円かかることになります。

その会議で生み出す価値がそれ以上なければ、
メンバーを絞り、時間短縮して行う必要があるのです。

会議にいくらかかるか、事前に計算しておいた方がよさそうですね。

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| 仕事論 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。

あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。
(2014/01/10)
日野 瑛太郎

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Kindle版
あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。

満足度★★★
付箋数:18

  「この本では、 “やりがい” のために働くことがいちばん大事で、
  そのためであれば他のものを犠牲にしても構わない、
  という従来の働き方とはまた別の選択肢を提案したいと考えています。
  人間は、別に仕事のためだけに生きているわけではありません。
  結婚・出産・育児、趣味やボランティア活動など、
  仕事以外にも人生で重要なことは山ほどあります。(中略)
  それなのに、たかが仕事の “やりがい” のためにプライベートを
  犠牲にし、劣悪な労働環境でいいように使われて、
  心身ともにすり減ってしまうのはアホらしいと思いませんか。」

本書は、日本で当たり前とされる「働き方」に一石を投じる本。

著者は、「脱社畜ブログ」で人気の日野瑛太郎さん。

アマゾンを見ると、「ブログの内容と同じ」というレビューが
いくつもありますが、私は日野さんのブログ読者ではなかったので、
特に不満なく読むことができました。

  第1章 あ、今日は用事があるんで定時に失礼します。
  第2章 いえ、それは僕の仕事じゃないんで。
  第3章 はい、将来の夢は毎日ゴロゴロ寝て暮らすことです!
  第4章 えー、「従業員目線」で考えますと・・・・

「あ、“やりがい” とかいらないんで、とりあえず残業代ください。」
という本書のタイトルや各章のタイトルは、
多くの労働者が一度は言ってみたいけれど、
グッとこらえて心のなかにしまってきた言葉です。

お笑い芸人・飯尾和樹さんの「現実逃避シリーズ」に、
感覚的に近い部分があると感じました。

ただし、本書はギャグではなく、そんなことが言えない
労働環境こそが間違えであると主張します。

残業するのが当たり前の職場、払われない残業代、
あっても使えない有給休暇など、こういった労働環境自体が
そもそも間違っていると。

ただし、日野さんは「やりがい」をもって働くことを
否定しているわけではありません。

それも一つの選択肢。

しかし、誰もが「やりがい」を最優先する一種の洗脳された
状態がおかしいのであって、人によって優先するものは
違ってもいいはずという考えです。

仕事の「やりがい」を否定することがタブーとなっている
ことに問題を感じ、日野さんは本書を執筆しているのです。

  「 “社畜” になってただ真面目に働いてさえいれば、
  それで幸せになれるという時代はもう終わったのです。」

日野さんがススメるのは、会社と自分を切り離して
考えられるようになる、「脱社畜」です。

確かに日野さんの言っていることは間違っていませんが、
日本の企業で働くビジネスパーソンが、本書に共感しても、
余計に理想と現実の違いを感じ、苦しくなる可能性もあります。

本当に幸せになるためには、骨の髄まで社畜となって
徹底的に働くというのも一つの選択肢だと思います。

本書は、日野さんの考えに同調できる人、同調できない人、
読む人によって評価が大きく別れる本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「マクロを使って仕事を効率化したら “ズルだ” と言われました」

インターネットの相談サイトにこのような内容の投稿があり、
一時期、物議をかもしたと本書で紹介されていました。

相談者は、それまで手作業でやっていた仕事をエクセルのマクロを
利用することで、1時間かかっていた作業を1分に短縮しました。

すると職場の先輩からそれは次のように非難されたそうです。

  「エクセルのマクロを組んで仕事を自動化させて終わらせても、
  それはズルをしているのと同じことで、“仕事が早い”とは言わない。
  仕事が早いというのは同じ環境でどれだけ間違いがなく効率よく
  作業ができるかだ」

先輩はトンデモないのは勿論ですが、
「作業は仕事ではなく、仕組み化こそが本当の仕事です。」
と言い返すぐらいの気概を相談者にも持って欲しいものです。

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| 仕事論 | 10:32 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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人を動かせるマネジャーになれ!

人を動かせるマネジャーになれ!人を動かせるマネジャーになれ!
(2013/09/25)
ブライアン・トレーシー

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Kindle版 人を動かせるマネジャーになれ!

満足度★★★
付箋数:22

本書は2011年に刊行されたブライアン・トレーシーさんの
Full Engagement!: Inspire, Motivate,
and Bring Out the Best in Your People
』の翻訳本。

生前のスティーブン・R・コヴィーさんからも、

  「すべての部下のモチベーションを高めて、
  毎日全力を発揮するための起爆剤を提供してくれる名著だ」

という推薦の言葉をもらっています。

トレーシーさんは、アメリカで最も著名なスピーカーの1人で、
ビジネスコンサルタントの権威。

アメリカの講演家で構成されるアソシエーションの
5大スピーカーの1人として選ばれています。

そんなトレーシーさんが、本書でテーマとするのは、
部下のモチベーションを高めて成果を上げる方法です。

ビジネスで成果をあげるためには、学歴や知識、経験よりも、
感情的な影響を与える接し方や言動のほうが重要と説きます。

本書で紹介される「マネジメントの17の原則」は以下の通りです。

  原則1  明確さが不可欠だ
  原則2  有能さが成否を分ける
  原則3  制約を見つける
  原則4  創造性を発揮する
  原則5  一心不乱に集中する
  原則6  自分の信念を曲げない勇気を持つ
  原則7  人格を磨く
  原則8  前もってすべての細部を計画する
  原則9  仕事をはじめる前に段取りを決める
  原則10  すべてのレベルで正しい人材をそろえる
  原則11  効果的に権限移譲する
  原則12  自分の期待を知る
  原則13  上司に情報を伝える
  原則14  高い生産性をめざす
  原則15  すべての領域で最高の質をめざす
  原則16  つねに成長をめざす
  原則17  革新をつづける

原則だけ書き抜くと、抽象的な表現が多いように感じますが、
本書にはこれらに関して、具体的に取るべきアクションについても
書かれています。

また、17の原則のどれから順番に手を付けるべきかについては、
次のように書かれています。

  「それぞれの原則を見直し、10点満点で自分に点数をつけてみよう。
  あなたはそれぞれの原則をどの程度まで実行しているだろうか。
  たいていの場合、もっとも弱い部分が足かせとなり、他のスキルまで
  最高レベルまで活用できなくなっている可能性がある。
  ここであなたがすべきは、その弱い部分を見つけ、
  その弱点のなかからもっとも重要な分野を1つ選び、
  その分野を向上させるために実行することだ。」

あれもこれもと手を付けるのではなく、最も影響力の大きい分野を
1つだけ選び、まずはそこに集中して改善を図るのです。

トレーシーさんの本は、箇条書きが多いのが一つの特徴です。

それだけ、トレーシーさんの方法論は、
エッセンスが煮詰められているということなのです。

この本から何を活かすか?

マネジャーの原則は世界共通ですが、雇用環境によって、
日米でアプローチを変える必要がある部分もあります。

特に「解雇」については、本書の考えをそのまま採用するのは
現実的ではないかもしれません。

  「多くの場合、採用はまず解雇からはじまる。
  優秀な人材を集めた最高のチームをつくりたいのなら、
  まず間違った人にバスを降りてもらわなければならない。」

間違った採用をしてしまうと、その人の年収の3~6倍の
コストがかかるという試算も紹介されています。

ピーター・ドラッカーさんも

  「無能な部下を解雇しないマネジャーは、
  そのマネジャー自身が無能である」

と言ったそうです。

この考えは、正しいかもしれませんが、
日本ではそこまでドライに実行するのは難しい。

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| リーダーシップ | 09:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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今は苦しくても、きっとうまくいく

今は苦しくても、きっとうまくいく今は苦しくても、きっとうまくいく
(2014/02/13)
横山 信治

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満足度★★★★
付箋数:24

著者の横山信治さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

本書は読むとスッと心が落ち着き、幸せを感じられる本です。

人はその時の心理状態によって、刺さる話は異なりますが、
本書には44のエピソードが紹介されていますから、
きっとその中の幾つかは、あなたの心に響くはず。

私が本書を読んで気に入ったのは、次の話です。

横山さんの創作なのか、昔からある逸話なのかわかりませんが、
そのまま紹介します。

  ある国の王様が仙人を訪ねました。

  王様 「仙人様。私はどんなご馳走を食べても心は満たされません」

  仙人 「そうか」

  王様 「家来の失敗を許せず、1日中イライラするのです」

  仙人 「そうか」

  王様 「どうか私に心の安らぎを得る方法を教えてください」

  仙人 「それでは、特別に秘伝の方法を教えてあげよう」

  王様は仙人から、心が安らぐ方法を伝授してもらい、
  国に帰りました。それ以来、王様は、喜びごとに有頂天になるこも
  なければ、家来の失敗にイライラすることもなくなりました。

  余生を穏やかに暮らし、臨終の時に世継ぎの息子を呼び、
  王様 「息子よ。私は昔、心が満たされず悩んでいた時がある」

  息子 「はい。よく存じております」

  王様 「その時、仙人の教えを賜り、悩みごとはなくなった」

  息子 「あれ以来、父上は穏やかになられました」

  王様 「その秘伝の方法を記した巻物がここにある。おまえに授けよう」

  息子 「ありがとうございます」

  王様 「一つだけ条件がある。お前が苦しんで、どうしようもない
     時期がくるまで、決してこの巻物を見てはならない。わかったか」

  息子 「はい。かしこまりました」

  まもなく王様が死に、息子が王位を継承しました。
  父親との約束通り、巻物頼ることなく国を治めていきました。
  ある日、どうしようもなく苦しいことが起こったので、
  巻物を広げました。

  その巻物に書いてあったのは、
  「これも、いっとき」

これは、どんな悩みも “時間” が必ず解決してくれる
というお話です。

幸いなことに私自身は、現在、大した悩みはありません。

しかし、最近、仕事と家庭の両方がうまくいかず、
思い悩んでいる友人がいます。

私はその友人に本書を贈りたい。

きっと、本書から光明を見いだせるはずです。

  「たとえ今は苦しくても、大丈夫です。
  きっとうまくいきますから。
  長い人生、苦しくて死にたくなる時もあります。
  どうして自分だけがうまくいかないのかと嘆く時もあります。
  でも、この世の中は結局うまくいくようにできています。」

今まで、何冊か横山さんの本を読ませていただいていますが、
その中で本書は私の一番のお気に入りとなりました。

悩んでいる人がいたら、読むことを勧めたい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「心配事の大半は実際に起こらない。
  ただし、順風の時に最悪の事態を想定しておくことは大切」

本書の主旨とは異なりますが、これって投資においても
欠かせない考えですね。

米ミシガン大学の研究によると、心配事の80%は起こらない
という結果があり、横山さん自身も起こる確率は
もっと低いと考えています。

心配しすぎるのは良くないですが、ワーストケースシナリオを
考えてリスク計算しておくことは、投資では必須。

投資においては、思っているより最悪の事態はよく訪れます。

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| 心に効く本 | 14:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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これからデータ分析を始めたい人のための本

これからデータ分析を始めたい人のための本これからデータ分析を始めたい人のための本
(2013/11/23)
工藤卓哉

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満足度★★★
付箋数:25

米フロリダ州のディズニーワールドでは、
あるアトラクションに混雑する「気配」の出はじめると、
そのアトラクションへ向かう導線経路にミッキーマウスが
登場するそうです。

すると、ミッキーの登場に喜んだ顧客の足は止まります。

アトラクションへの進路を変更して、ミッキーの行く方向に
ついていく人もいるでしょう。

ミッキーは、アトラクションの過剰な混雑を回避するために、
顧客の導線を「先読み」して登場するのです。

なぜ、ミッキーは、実際に混雑する前にそんな予測ができるのか?

そこにはデータ分析の活用があります。

ディズニーワールドは、カーネギーメロン大学と
インターンシップ制度を持っています。

多くのエンジニアやデータサイエンティストの卵が、
ディズニーのイマジニアリング部門で、統計分析を駆使して
子どもの夢の実現を支援しているのです。

混雑解消のために、オペレーショナルリサーチの
待ち行列理論が利用され、満足度を落とすことなく、
パーク内のアトラクションの稼働率の統計的なバラツキを
制御しているのです。

  「本書では、一冊を通じて、データ分析について正しく
  実践的な理解を深めていただくと共に、
   “無理なく”  “無駄なく” データを活用するために
  必要な組織づくりのポイントを、データサイエンティストの
  立場からわかりやくす解説していきます。」

著者の工藤卓哉さんは、ブルームバーグ市長政権下の
ニューヨーク市で統計ディレクターを務めた方。

本書では、従来の「見える化」からもう一歩進み、
冒頭のディズニーワールドのような分析力を駆使した
情報の徹底活用を目指します。

今は統計ブームのご時世ですから、分析の入門書や
手法を解説する本はたくさん刊行されています。

しかし、データ分析の実践となると、
本書のように経営に活かす方法にまで踏み込んで
解説している本は稀です。

本書の後半では次の5つのステップで、
データ分析のプロセスについて、組織づくりを中心に解説。

  ステップ1 役者を揃える
  ステップ2 狙いを定める
  ステップ3 データを処理する
  ステップ4 モデリングする
  ステップ5 運用を最適化する

この5ステップでデータ分析を実践する過程は、
架空の清涼飲料水を製造・販売する会社を舞台にした
ストーリー形式で解説されています。

  「データ分析だけで仮説はつくれない」

データ分析をして、それが誰の目にも明らかな傾向を示す場合、
「そりゃそうだよね。それで?」という、新たな施策に
結びつかないことが多くあります。

工藤さんは、そんな机上のデータ分析の限界にも言及。

データから導き出された相関と現場で蓄積された経験や知恵を
突き合わせて、より精度の高い仮説をつくりあげていくことこそ、
データ分析の醍醐味であると語っています。

この本から何を活かすか?

データ分析を進めていると、データ量や精度が不十分で、
それ以上進めない「データの壁」に直面することがあります。

そんな時の選択肢は2つ。

  「立ち止まる」
    データの正確性を高める施策に集中する

  「走りだす」
    手持ちのデータを用いた分析と並行して必要なデータを補う

「環境が整っていないから諦める」のはもったいないので、
このどちらかの選択肢でデータ分析は進めたいですね。

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| 数学 | 07:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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もっと面白い本

もっと面白い本 (岩波新書)もっと面白い本 (岩波新書)
(2014/01/22)
成毛 眞

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満足度★★★
付箋数:20

成毛眞さんによる、究極のブックガイド第2弾。

2013年1月に刊行した『面白い本』が大好評で、
読者から「もっと面白い本が読みたい」という反響が
多かったようです。

本書はその要望に応えるために出した続編。

本書の「もっと」は、「前作以上の」という比較の意味ではなく、
「更に」という付加の意味です。

つまり、「面白い本」のおかわり。

  「本書で紹介した本は70点(151冊)。このうち、全集の
  『日本の歴史』 『興亡の世界史』 『日本の美術全集』と
  品切れ本を除く64点(80冊)を購入すると、18万3624円になる。
  もしこの3つの全集も合わせて買うと、なんと56万8146円にも
  なる計算だ。前作『面白い本』のときは、紹介した本を
  全部買った読者もいたと聞く。今回はそういう無謀な人が
  出ないことを祈るばかりだ。」

前作は100冊で、全部買うと約20万円だったはずなので、
今回は、若干、本の単価が上がっているのでしょう。

紹介されている本は、前作同様にノンフィクションが中心。

点数は70点に絞られたものの、成毛さんが読んで
印象に残った文章も引用し、1作品に割く紹介のボリュームを
多くしています。

テーマは「人間」、「宇宙」、「世界」、「歴史」、
「芸術」、「科学」の6つに分けて本が選ばれています。

ただし、この分類、「世界」の中に「宇宙」が入っていたり、
「科学」の中に経済が入っていたり、一般的な分類とは異なり、
私には、今ひとつ分け方がよく分かりませんでした。

いずれにしても、所謂、ポピュラーサイエンスの本が
紹介されている割合が高かったですね。

また、一部、品切れや絶版本の紹介もありますが、
成毛さんは読者が買うことを想定していますから、
入手しやすい、ここ1~2年で刊行された本の比率が
高くなっています。

成毛さんの紹介文が上手いので、
どの本も魅力的に感じ、すぐにでも読みたくなります。

映画の予告みたいなもので、
その本のシズル感を伝えるのはさすがです。

基本的に、成毛さんの紹介する本にハズレはありません。

ただし、成毛さんが絶賛するほど、その本を読んで
感動するかどうかは、また別の話です。

感性は人によって違うので、そこまで感動しない
という場合もあるでしょう。

私も、『面白い本』で紹介されている本を読んで、
「そこまで感じないな~」というのもありました。

以下、本書を読んで私が読んでみたくなった本です。

  ・『誰も知らなかったココ・シャネル
  ・『宇宙はなぜこのような宇宙なのか
  ・『ローマ・ミステリーガイド
  ・『最初の刑事: ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件
  ・『イラスト・図説でよくわかる 江戸の用語辞典

他にも読みたい本がありましたが、そういった本に限って、
品切れとなっていました。

それらの本は、図書館で探してみることにします。

この本から何を活かすか?

  成毛さんのブログで最も売れた本

「HONZ」を始める前に、成毛さんのブログを始めた当時、
最も売れた本は『地球最後の日のための種子』とのこと。

この本、私も読みましたが、確かに面白かった。

また、成毛さんがブログで紹介した本で、第1位の売上は、
大金持ちも驚いた105円という大金』という本だそうです。

「せどり」をテーマにした貧乏克服ノンフィクションが
第1位というのはかなり意外でした。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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イーロン・マスクの野望

イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者
(2013/12/06)
竹内一正

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満足度★★★
付箋数:21

映画『アイアンマン』のトニー・スタークのモデルとなった人物。

それが本書の主人公、起業家イーロン・マスクさん。

実際に「アイアンマン2」にも少しだけ出演しています。

日本ではあまり知られていませんが、21世紀で最もすごいCEOとか、
スティーブ・ジョブズさんを超えたとも評されています。

それどころか、著者の竹内一正さんは、マスクさんについて
次のように語ります。

  「イーロン・マスクの戦いは、映画 “アイアンマン2” の
  トニー・スタークを超越している。」

それは、マスクさんが目指している究極のゴールが、
「人類を火星に移住させる」ことだから。

その前段階として、マスクさんは、ここ15年で
火星旅行を可能にすることを目標にしています。

マスクさんは、1971年、南アフリカ共和国に生まれました。
17歳で母国を出て、カナダ、アメリカへ移り住みます。

米ペンシルベニア大学では、経営学と物理学を学びます。

この大学当時から、インターネット、持続可能なエネルギー、
宇宙開発の3つの分野に従事したいと考えていました。

24歳で進学したスタンフォード大学院では、
学ぶことがないと、わずか2日で退学してソフト制作会社
「Zip2」を起業します。

この会社は、コンパック社に約3億ドルで売却し、
その売却資金を元にインターネット決済サービス会社
「Xドットコム」を立ち上げてペイパル社の母体を築きます。

ここまでなら、成功したネットベンチャーのCEOとして、
ありえる話ですが、マスクさんの凄さが加速するのは、
ペイパル社をeBayに売却してからです。

次に立ち上げたのが、宇宙ロケットベンチャー「スペースX」社。

独自開発で、わずか6年でロケットの打ち上げに成功。
2010年には民間では初めて国際宇宙ステーションに宇宙船を
ドッキングさせ、無事に帰還させるという偉業を達成しました。

マスクさんは、スペースXの経営と並行して、
2004年には電気自動車ベンチャー「テスラ・モーターズ」社に
出資して会長になります。

同社が売りだした電気自動車テスラ・ロードスターは、
ポルシェよりも速く、約400Kmもの長距離走行が可能
ということで大きな話題となりました。

テスラ・モーターズ社は2010年ナスダックに上場。

この上場は、米自動車メーカーとしては、
1956年のフォード社以来、約半世紀ぶりの新規上場でした。

  「本書は、イーロン・マスクの壮大なスケールの奮闘と、
  人類の未来を変える冒険をわかりやすく紹介していく。
  彼の野望が、野望のままに終わるか、人類の歴史を変えるのか、
  それはまだわからない。しかし、我々は彼と同時代に生き、
  見守ることができる。どうか、身のまわりのいろいろな悩み事から
  しばし離れ、破天荒なイーロンの挑戦を楽しんでほしい。」

本書は、マスクさんの半生と彼の思い描く未来を
まとめたもの。

直接取材できていないので、深いエピソードはあまり
紹介されていませんが、アメリカ大統領以上に世界が注目する人物、
マスクさんについて、人物像とその野望を知ることができます。

果たして、2030年までに火星へ8万人を移住させるという計画は、
実現するのでしょうか?

この本から何を活かすか?

  宇宙を目指す経営者

本書のイーロン・マスクさんを筆頭に、
リチャード・ブランソンさん、ジェフ・ベゾスさん、
サーゲイ・ブリンさんなどは、宇宙に投資している経営者です。

そして、日本では堀江貴文さんも。

彼れらは、宇宙開発は国がやるものという
既成概念を打ち破りました。

そして、趣味やロマンとして資金をつぎ込むのではなく、
最終的にはビジネスとして採算の取れるところまで考え、
宇宙開発を目指すのが、成功した経営者ならではですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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ぼくだったら、そこは、うなずかない。

ぼくだったら、そこは、うなずかない。ぼくだったら、そこは、うなずかない。
(2013/11/14)
石原明

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満足度★★★
付箋数:23

  「すごいぞ、この本! すぐに実践してみよう。」
  →危険、危険、成功体験うのみにしちゃ。陰謀かもよ。

著者の石原明さんは、人気経営コンサルタントで、
イヤな客には売るな!』や『営業マンは断ることを覚えなさい
などで知られる方。

本書は、私たちの凝り固まった常識や思い込みを開放し、
違った物の見方を示してくれる本です。

毎日うなずいてばかりいるあなたに贈る、仕事と人生のヒント。

もちろん、本書にだって簡単にうなずいてはいけません。

いくら石原さんが、おっ! と思う斬新な事を言っていても、
うなずく前に本当にそうかどうか、自分の頭でよく考えて、
納得してからうなずく必要があります。

それにしても、石原さんの考えはユニーク。

しっかり自分の頭で考えることを意識をしていないと、
「そう考えればいいのか」と思わず納得してしまいそうになる
アドバイスばかりです。

だからこそ、本書は思考のトレーニングにもなるのです。

  「仲間はずれにされたくないので、無理してつきあってます。」
  →ぼくだったら、仲間はずれにされたら祝杯をあげちゃうな。

  「会社の飲み会なんて時間の無駄。
  適当に理由つけて、休んじゃおっと。」
  →おっと。気持ちはわかるけど、それって、受け身だからだよね。

  「勉強、勉強! 平日の夜はセミナー、
  週末はビジネス書を読破するぞ。」
  →そりゃ、大変。どんどんお馬鹿になっちゃうよ。

  「なるほど~。すごいですね、さすがですね。」
  →うなずいているだけじゃダメだって、社長。

  「困ったら、困難な道を選びますっ!」
  →いや~ん、ラクな道でしょ。

  「会社がブラックです(汗)」
  →首まで、どっぷりつかりましょう。

石原さんのアドバイスは全部で45個。

いずれも、世間では「非常識」と思われるようなものばかり。

しかし、非常識と思えるような言動も、
よく解説を読むと正しいことを言っていますから、
そのアドバイスは、人を惹きるける魅力があります。

では、一体、どのようにしたら、石原さんのような視点で
モノゴトを見ることができるのでしょうか?

まずは、今の自分の常識を疑ってみることから始めます。

そして、真逆の視点で見て、それが正しいと仮定すると、
どんな理由があるかを考えてみます。

本書の45個のアドバイスに関しても、
世間ではこう考える、それに対して石原さんはこう考える、
それじゃあ自分はどう考えるのか?

そんな対話をするように本書を読むのがベストです。

そうすることで、単に本を読んで知識を身につけることから脱し、
自分の頭で考える習慣を身に付けることができます。

この本から何を活かすか?

上司が無能だった時に抱えるストレスは大きなものです。

  「無能な上司にうんざり、転職を考えています。」

こんな悩みに対して、石原さんは次のようなアドバイスをします。

  「おめでとうございます! あなた、ほんとに運がいい。
  うんざりしているヒマはありませんよ。その無能な上司を、
  全力で出世させちゃいましょう。その人が抱えている
  面倒くさいことを全部引き受けて、手柄をすべて捧げてしまうのです。
  あなたが成し遂げたいことを代わりに成し遂げてもらうくらいの
  勢いでやりましょう。」

本当に無能な上司なら、会社の中でも過去の実績から、
その人が仕事ができないのは知られているハズ。

それなのに、急にすごい実績を上げるようになったら、
「本当は誰の仕業なんだ?」と、その上司を出世させたあなたに
会社が注目するという訳です。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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読書は「アウトプット」が99%

読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)
(2013/12/24)
藤井 孝一

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満足度★★★
付箋数:20

あなたは普段、平均してどのくらい本を読みますか?

ライフメディアでは毎年、秋の読書週間に「読書に関する調査」を
行っています。

全国の10代から60代の男女、1200名を対象とした調査で、
雑誌・漫画・電子書籍等は除きます。

この2013年に行われた調査結果は次の通りでした。

  週に数冊読む・・・・・・・7.8%
  週に1冊読む ・・・・・・・10.8%
  2~3週に1冊読む ・・・・・12.1%
  1ヶ月に1冊程度読む・・・・15.0%
  2~3ヶ月に1冊程度読む ・・12.0%
  それ以下・・・・・・・・・29.0%
  本を読むことはない・・・・13.3%

50%近い人が、月に1冊以上の本を読んでいます。

スマホの普及によって、もっと本を読まなくなっているかと
思いましたが、それほど読書離れは進んでいないようです。

これだけ多くの人が読んでいる本。

それをただ楽しむだけで終わらせるのはもったいない。

  「本は読む(インプット)だけでなく、 “アウトプット”
  することで、もっと血となり肉となる
  ― 私が本書で言いたいのは、このことです。(中略)

   “読後のアウトプット” を意識することで、
  1冊の本はいつまでもあなたの中で、生き続けることになります。」

週末起業で有名な本書の著者、藤井孝一さんが
本書で伝えるのは、読後のアウトプットのすすめ。

それは、何も特別なことをするわけではありません。

アウトプットと言っても、基本は次の3つのです。

  1. 話す

今日の出来事を話すように「本の話」をします。

話す際には、要約力が必要で、人に話すことで初めて
その内容が自分のものになります。

  2. 書く

思いついたことを本の余白にメモをしたり、
別の紙に読書メモをすると、それは備忘録にもなります。

また、要約とコメントを書けば、伝える力も鍛えられます。

  3. 行動する

本に掲載されているワークを実際にやってみるのも、
1つの行動です。

実行するのは、最強のアウトプットですが、
書かれていることすべてを実行せずとも、
10%でも、たったひとつでも実行できたら、
それが自分の血肉となるのです。

本書はこの3つのアウトプットを軸に語られていますが、
それ以外にも、本の選び方、読書時間の確保の仕方なども
紹介されています。

さすがに「ビジネス選書&サマリー」を毎日発行し続けている
藤井さんならではの、読書ノウハウがまとめられていますね。

この本は文庫本のための書き下ろしのようですが、
これ自体も、藤井さんの読書経験のアウトプットなのです。

まずは、本書を読んで、その内容を今日あった出来事を
報告するように、内容を誰かに伝えましょう。

この本から何を活かすか?

  「私は、本を誰かにプレゼントするのも、
  アウトプットのひとつだと考えています。
  なぜなら、そこには本を読み、いいと思ったという
  インプットの前提があるからです。
  自分でいいと思ったものを勧めるのは、
  立派なアウトプットでしょう。」

個人的には、この藤井さんの考えには大賛成です。

ただし、あまり読むようにプレッシャーを与えてはいけません。

本来なら、自分では選ばないような本をプレゼントしたい
ところですが、まずは興味をそそる本からプレゼントするのが
無難だと思います。

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| 読書法・速読術 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方

宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方 (マイナビ新書)宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方 (マイナビ新書)
(2013/12/21)
古川 聡

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Kndle版 宇宙飛行士に学ぶ心の鍛え方

満足度★★★
付箋数:22

2011年の国際宇宙ステーション第28/29次長期滞在ミッションで
連続宇宙滞在期間167日間の日本人としての最長の記録を作った
宇宙飛行士の古川聡さん。

この長期滞在記録は、2013年11月から行われている
第28/29次長期滞在ミッションで若田光一さんに
塗り替えられる予定です。

しかし、たとえ若田さんでも決して破ることのできない
日本人宇宙飛行士として最長の記録を古川さんは持っています。

12年4ヶ月。

これは、古川さんが宇宙飛行士候補に選抜されてから、
実際に宇宙に行くまでに待たされた期間。

  「12年という年月は1人の人間にとって短い期間ではありません。
  しかも、不測の事態でいつまで待てばよいかも分からない。
  そうした中で、私自身も悩み、不安にかられたこともあります。
  
  では、なぜそうした中で12年間を乗り越えることができたのか。

  本書では、宇宙飛行士がリスクやストレスに打ち勝つため、
  そして “想定外の事態” に対応するために、どう “受け止め”
  “考え”  “対処して” いるのかを、私の経験を元に紹介しています。」

カッコイイ職業に見える宇宙飛行士の仕事も、
考えてみると、世の中で最もストレスの多い仕事です。

度重なるミッションの延期、過酷な訓練、閉鎖環境での長期滞在、
宇宙のゴミ接近による国際宇宙ステーションの危機・・・

これだけの極限状態で、常にストレスを受け続けてきた
古川さんからは、その対処法について学ぶべきことが
たくさんあります。

  「リスクを受け入れる際には、そのリスクと背景を
  きちんと知っているということが大切です。
  言い方を換えれば “正しく怖がる” ということです。」

  「予想がつかない状況は、人を不安にさせるものです。
  そういうとき、私は複数の視点で物事を見るように努めています。」

  「成果が見えない中で続けるというストレスに耐えるのは、
  簡単なことではありません。宇宙飛行士の訓練ではストレスに
  耐えられるかどうかというよりも、仕事でそれを使うわけですから、
  そこは割り切ってやるしかありません。
  そうでない方はどうすればよいか。
  単純に言えば、 “割り切る” そして “できることをやる” の2点です。」

  「(パニックを起こさないためには)基本的には、
  目の前の物事からいったん引いて全体を見渡すということが重要です。
  目の前のことに集中しすぎると視野狭窄に陥ってしまうのです。」

そして、国際宇宙ステーションなどは人間関係の縮図。

本書からはストレスへの対処や心の鍛え方のみならず、
他人への指摘の仕方やコミュニケーションの取り方、
チームプレーにおけるリーダーシップとフォロワーシップなど
ビジネス上でも参考にできる知恵が詰まっています。

本書は、宇宙飛行士としての訓練や、実際のミッションの
エピソードも紹介されているので、宇宙に興味がある方は
存分に楽しめる内容です。

そうでない方にとっても、専門的な話はないので、
十分に興味が湧き、分かる内容となっています。

現代の不透明な時代を生きる私たちにとっては、
宇宙飛行士の心の鍛え方は、本当に参考になります。

この本から何を活かすか?

  「trust but verify(信ぜよ。されど確認せよ)」

これは古川さんが訓練で学んだ考え方。

メンバーを信頼しつつもリーダーとして適時状況を確認し、
必要なタイミングで適切にサポートすることで
トラブルを未然に防ぎながら育成に努める、という姿勢。

私たちが、チームでプロジェクトを行なう際にも、
使えそうな考え方ですね。

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| 心に効く本 | 07:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「戦略力」が身につく方法

「戦略力」が身につく方法 (PHPビジネス新書)「戦略力」が身につく方法 (PHPビジネス新書)
(2013/09/19)
永井 孝尚

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満足度★★★
付箋数:23

本書の著者、永井孝尚さんは、簡単な2つの質問をするだけで、
プロフェッショナルの力量が見抜けると言います。

その質問は、こちらの2つ。

  「ご自身の経験で、マーケティングとはどのようなものだと
  考えますか?」

  「ご担当の業務分野について、ご自身が考える今後3年間の
  戦略を教えてください」

最初の質問の「マーケティング」の部分を、「セールス」や
「エンジニア」などに変えることで、さまざまな職種で使えます。

この質問で求めているのは、日頃の問題意識。

最初の質問に、本で読んだりインターネットで調べたような
教科書的な回答をしてもダメ。

「ご自身の経験で」と前置きしている点が重要です。

ここでは、自分自身のプロフェッショナルな経験でつかんだ
知恵があるかどうかが問われています。

2番目の質問でも、事業計画さえ知っていれば、
誰でも話せる内容を求めてはいません。

自分自身が仕事の主役になり、具体的に何をいかに解決するのか。
3年間の自分の仕事のテーマは何かを考えているかが問われています。

本書の目的は、この2つの質問に答えられるような
「戦略力」を身につけること。

  「ただし、座学だけでは身につかない。
  現場でひたすら仕事するだけでも、身につかない。
  現場で仕事を通じて壁にぶつかりながらつかみ取り、
  並行して方法論も学び、仕事で得た経験に方法論を当てはめて
  理解を深めることで、確実に身につき、
  自分自身の知恵となっていくのだ。」

本書の役割は自身の仕事で得た経験を
方法論への当てはめ方を示すことです。

顧客を中心に、戦略的に考え、現場を巻き込んでいく
実践的な「戦略力」の身につけ方を解説します。

ここで大切なのは、顧客は中心であって、絶対ではないこと。

お客様は神様で、すべての要望に答えなければならないと考える
「顧客絶対主義」ではありません。

「顧客中心主義」と「顧客絶対主義」は似て非なるもの。

「顧客中心主義」とは、顧客を大切なパートナーと考え、
顧客の期待値を上回ろうとする考え方です。

顧客自身が気づかない課題を解決し、
それにより顧客を大きく感動させるのです。

最近の事例では、アップルのiPhoneが顧客中心主義の成功例。

最初から顧客がiPhoneを求めていたわけではありません。

スティーブ・ジョブズさんは、顧客の言いなりになるのではなく、
顧客のことを徹底的に考え抜くことで、
顧客の期待を超えるiPhoneを生み出したのです。

本書は、永井さんの処女作『戦略プロフェッショナルの心得』と
バリュープロポジション戦略50の作法』を元に書き直した、
永井さんの原点とも言える本です。

大ヒットシリーズとなった、
100円のコーラを1000円で売る方法
100円のコーラを1000円で売る方法 2
100円のコーラを1000円で売る方法 3
とは、違ったテイストで書かれています。

この本から何を活かすか?

  悪循環に陥る「悪魔のサイクル」に陥っていないか?

  「 “問題の本質” は、売れていないこと。だから営業力を強化する」

こういった方針をよく目にしますが、「売れていないこと」は
現象であり、問題の本質ではありません。

これは「売れていないのは、売っていないから。だから売る」と
言っているようなもので、根本の原因を探ってないので、
そこには何のロジックもありません。

永井さんは、このような悪循環を「悪魔のサイクル」と呼んでいます。

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| 経営・戦略 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スマホは人気で買うな!

スマホは人気で買うな! (日経プレミアシリーズ)スマホは人気で買うな! (日経プレミアシリーズ)
(2014/01/11)
吉本 佳生

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満足度★★★
付箋数:25

  「SF映画『アバター』は、高価な資源が大量に眠る惑星が
  舞台になっていました。
  現実の世界でも、木星や土星などにはダイヤモンドが
  眠っている可能性があると指摘されています。
  では、土星に高品質のダイヤモンドが大量にあるとわかり、
  掘削して地球に運搬できるとしたら、
  地球でのダイヤモンド価格はどうなるでしょうか。
  暴落するか、しないかを考えてください。」

本書はこのようなクイズ形式で、経済学思考を
トレーニングする本です。

経済学思考が身につくと、お店や企業など、
その裏に隠されているホンネを知ることができるのです。

冒頭で紹介したクイズは、たまたまSF的な内容ですが、
タイトルに「スマホ」とある通り、
基本的には私たちの日常で接する身近な経済現象から
68問が出題されています。

この手の、日常的な題材を見つけクイズ形式にするのは、
吉本佳生さんお得意のパターンですね。

ケチャップ、ホテル料金、カフェ、生鮮食品、インターネット、
スマホ、学習塾、テーマパーク、旅客機、コンビニ・・・

私たちが普段の生活で、何気なく接するものを題材に、
経済学思考を鍛えるクイズは作られています。

そして、それらのクイズは目からウロコの連続。

ちなみに、土星のダイヤモンド掘削問題は、
「暴落しない」が正解です。

なぜなら、ダイヤモンド価格が暴落したら、
土星での掘削は採算がとれないからです。

技術的に掘削が可能でも、そもそも採算がとれないほど
掘削コストが高ければ、掘削自体も行われることはありません。

仮に、今のようにダイヤモンド価格が高い状況で、
土星での掘削して採算がとれる状態だったとしても、
ダイヤモンドが大量に流通することで、価格は暴落し、
結局は、赤字になってしまう。

だから土星での掘削は行われず、暴落もしないのが正しい。

吉本さんは、映画『アバター』に登場した地球人も、
経済的思考ができ、このパラドックスに気づいていれば、
資源を巡る争いをせずに済んだかもしれないと指摘しています。

では、本書からクイズをもう1問紹介します。

  「同僚の教授が “ネットでホテルを探したら、
  料金が高いホテルばかり出てくる” といいました。
  これに対して筆者は、 “WindowsとMacの、どちらのパソコンを
  使って、ネットで検索したのですか?” とたずねました。
  なぜでしょうか?」

Windowsパソコンを使う人たちよりも、Macを使う人たちの方が
相対的に年収が高いと言われているそうです。

更に、旅行においてもMacユーザーの方が、
高い旅行プランを選びやすいという調査結果もある。

実際にアメリカの大手旅行予約サイトでは、
Macユーザーにはより高価な部屋を
表示する設定にしているところがあるので、
吉本さんはWindowsかMacかを聞いたのです。

データ分析を活用した価格戦略の事例として、
一時期話題になったそうです。

この本から何を活かすか?

私が、吉本さんの解説がちょっと足りないなと思ったのは
「学習塾業界では、月謝は少しずつ上昇しているにもかかわらず、
夏期講習などの無料ビジネスをおこなうのはなぜ?」という設問。

このクイズの解説として、「難関校への合格者を増やし、
 “評判・評価” を高めることが狙いだから」とありました。

もちろん、この解説自体には間違いはありません。

しかし、学習塾の講習会には、普段の授業の
「見本市」という側面があります。

化粧品の無料サンプルと同じで、無料の講習会をきっかけに、
毎月の月謝を払ってくれるようになれば、
十分に採算がとれるのが、学習塾のビジネスモデルなのです。

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| 経済・行動経済学 | 11:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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明日の幸せを科学する

明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
(2013/12/11)
ダニエル・ギルバート

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満足度★★★
付箋数:24

私たちは、自分の未来を予測することが、
自分で思っているほど得意ではありません。

むしろ、苦手と言ってもイイくらい。

本書は、なぜ、私たちが自分の未来を読み違えるかについて、
実験データや脳科学から説明する本です。

本書で検証するのは、「未来の出来事」そのものではなく、
「未来の時点での自分の感情」です。

著者のダニエル・ギルバートさんは、ハーバード大学の
社会心理学教授で、未来の出来事に対する自分の反応を
どれくらい正確に予測できるかを研究している方。

  「タイトルには “明日の幸せ” とあるが、この本には
  幸せになるための具体的な方法は何も書かれていない。
  その手の書籍は、二列向こうの自己啓発本の棚にある。
  一冊買ってみて、書かれていることをすべて実行し、
  それでもみじめな気分のままだったら、その理由を知りに
  いつでもここへ戻ってくるといい。

  この本は、人間の脳が自己の未来を想像したり、どの未来が
  もっとも喜ばしいかを予測したりする仕組みと精度を、
  科学で説明しようというものだ。」

  第1部 人間はなぜ予想するのか?
  第2部 そもそも、幸せとは何か?
  第3部 感覚のトリック ~実在論に気をつけろ
  第4部 時間のトリック ~現在主義に気をつけろ
  第5部 意味のトリック ~合理化に気をつけろ
  第6部 正しい予測をする方法

私たちの想像には、3つの欠点があると、
ギルバートさんは指摘します。

1つ目は、私たちの想像は、わからない部分を勝手に穴埋めし、
それを放置してしまう点です。

未来の出来事の一部だけを検討し、それ以外の部分を検討せず、
穴埋めしてしまうのです。

しかし、検討しなかった部分に重要な未来のヒントが
隠されている場合が多いようです。

2つ目は、私たちは現在の姿を未来に投影しがちな点。

未来を思い描く時、細部まで想像できないので、
現在から借りた細部で隙間を埋めてしまいます。

その際に、今どう感じているかが、
未来予測に誤った影響を及ぼしてしまうのです。

3つめの欠点は、物事がいったん起こると、
思っていたのと違って見えるようになるのに、
前もってそれに気づかない点です。

ギルバートさんは、これらの欠点の唯一の解決方法を
次のように紹介します。

  「自分の未来の感情を予測する1つの方法は、
  自分が予測している出来事を今まさに経験している人を探して、
  どんな気持ちかを尋ねることだ。」

なかなか現実的には難しいことですが、
そうでもしなければ、自分の未来の感情を
正しく想像することは、難しいということのようです。

本書は、2007年2月に早川書房から刊行された
幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学
を改題し、文庫化したもの。

若干、古さを感じさせる内容の部分もありますが、
多くのわかりやすい日常的な例を挙げているので、
それはやむを得ないところでしょう。

ユーモアも交えて語られる、読みやすい心理学本です。

この本から何を活かすか?

私は、早川書房のノンフィクション文庫が好きです。

そもそも、早川書房のノンフィクションは、
海外で実績のある本を厳選して邦訳し、
単行本化しているので、ほとんどハズレがありません。

その単行本のノンフィクションの中から、
文庫本化されている本は、更に良い本だけが
残っているという印象があります。

唯一残念なのは、あまりKindle化されていない点ですね。

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ストーリーで学ぶ戦略思考入門

ストーリーで学ぶ戦略思考入門―――仕事にすぐ活かせる10のフレームワークストーリーで学ぶ戦略思考入門―――仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク
(2013/09/21)
グロービス経営大学院、荒木博行 他

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満足度★★★★
付箋数:25

  食品容器メーカーで資材調達課長を務める狩野幸太は、
  コストリーダーシップの実現でコスト競争に打ち勝つ
  という社の方針に従い、原材料の調達先との価格交渉など、
  日々現場で奮闘していました。

  そして、小手先の勝負では値下げも限界に近いと感じ、
  上司である部長に、次のように掛け合いました。

  「やっぱりコストリーダーシップの実現に向けては、
  規模の経済を効かせないとダメだと思います。
  発注量を倍にすれば値下げしてくれると言われましたが、
  倍までは無理としても、発注量を増やす方法を
  考えられないでしょうか・・・・」

  この提案を聞いた部長は狩野を試すように質問します。

  「ん? コストリーダーシップ実現のために規模の経済?
  狩野にしては珍しくそれらしい言葉を使うな・・・。
  で、たとえば規模の経済とはいったいどんな意味なんだ?」

  何でこんな当たり前のことを聞くんだと思いながら、
  狩野は答えます。

  「いや、ですから、大きくなれば交渉力を発揮して
  安くできるってことですよ。それに大きくなれば工場の稼働率も
  上がりコストも安く生産できます。そうすることで利益が上がり、
  また再投資して規模を拡大していくサイクルを重ねていくことが、
  規模の経済っていうことですよね」

  それを聞いた部長の反応はつれないものでした。

  「お前、それは規模の経済をほとんどわかっていないに等しいぞ。
  もう少し勉強したらどうだ」

本書のミニストーリーを少し短縮して紹介しました。

フレームワークや戦略オプションについて、言葉では知っていても
そのメカニズムを知らないと、現場では使えないものです。

3C分析、5フォース分析、バリューチェーン分析、差別化、
コストリーダーシップ、集中戦略、イノベーションのジレンマ、
プロダクトライフサイクル、PPM、PDCA

最近は、フレームワークの本もたくさん刊行されているので、
これらの10のフレームワークは聞いたことがある方も多いでしょう。

でも、あなたは本当にこれらを有効に活用することはできますか?

実際に現場でこれらのフレームワークを使ったことがある方は、
意外と少ないのではないでしょうか。

本書は基本となる10のフレームワークについて、
ミニストーリーで学び、実践で使えるようにするための本。

各章では、現場で苦悩するミドルリーダーを主人公とした
ミニストーリーを皮切りに、戦略論のエッセンスや実践上の知恵を
紹介し、最後にはミドルリーダーがどうすべきだったのかという
解説でまとめられています。

パワーポイントでフレームワークに当てはめた資料を作ると、
一見きれいな分析をして、まとめたように見えるので、
それで満足してしまう人も多いようです。

これはフレームワークを表層的に学んだ人が陥るパターン。

その分析が地に足のついたファクトをもとにしたもので、
今後の具体的なアクションにつながるものでなければ、
フレームワークを本当に使ったとは言えません。

本書は、 基本のフレームワークのメカニズムを深く理解し、
本当に使えるようにすることを目的としています。

  「基本の習得なくして応用はありえません。
  そして、基本を習得するためには “反復” して習熟度を
  高めるのみです。本番の切羽詰まった勝負においては、
  結局は反復練習して体が覚えたものしか使えないのですから。」

この本から何を活かすか?

  狩野課長には何の理解が足りなかったのか?

「大きいこと=規模の経済が効く」と単純に考えていたところが、
理解不足です。

まず、規模の経済が効くかどうかを検証するためには、
自社のコスト構造を正しく理解する必要があります。

更に、規模の経済と言っても、その効用に物理的範囲がありますから、
それを超えると「規模の不経済」が生じることにも注意が必要です。

規模の拡大には、必ず物理的な限界があるので、
意外と規模の経済は効かない場合が多いようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 07:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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社長のための 1年で売上が急上昇する「黒字シート」

社長のための 1年で売上が急上昇する「黒字シート」社長のための 1年で売上が急上昇する「黒字シート」
(2014/01/25)
武田 雄治

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満足度★★★
付箋数:23

著者の武田雄治さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「私は会計士のライセンスをもっていますが、
  自分の会社の伝票入力や決算書作成はアウトソースしています。
  また、税理士のライセンスをもっていますが、
  自分の会社の確定申告書作成は、別の税理士に依頼しています。
  もちろん、やろうと思えば自分でできます。
  しかし、やっている場合ではないのです。」

武田さんが、公認会計士・税理士でありながら、
自分の会社の決算書作成や確定申告書作成をしないのは、
それが武田さんにとって、最も大切な仕事ではないからです。

武田さんが最優先しているのは、
クライアントの中小企業を黒字化することです。

同様に「中小企業の経営者」にとっても、経費削減や財務分析が
一番大切な仕事ではありません。

中小企業の経営者が、最も注力すべきは、売上向上です。

それでは、どのようにしたら、売上を伸ばせるのでしょうか?

会社の売上を「運任せ」にしてはいけません。

本書は理詰めで黒字にし、理詰めで売上を上げるための本です。

まずは、会社の方向性(ドメイン)を決めなければなりません。

そのためには、次の4つの要素を押さえます。

  1. 売り手(自社)の強みを「知る」こと
  2. 社会が何を求めているかを「学ぶ」こと
  3. 買い手(お客様)が何を求めているかを「知る」こと
  4. 1~3をもとに、会社の方向性(ドメイン)を決め、
   ビジネスシナリオを組み立てること

本書では「ビジネスシナリオMAP」というフレームワークを
順番に埋めていくことで、この4要素を押さえて
自社のドメインを決定します。

「ビジネスシナリオMAP」は、各フレームを埋める際には、
「虫の目」で詳細に検討し、それがMAP上に配置されると
「鳥の目」で自社のビジネスを鳥瞰できるという優れもの。

会社の方向性が決まったら、次に考えるのは、
誰に、どうやって届け、どのように儲けるのかという
「ビジネスモデル」を構築すること。

この段階では、お客様を定義し、その客様にもたらす価値(商品や
サービス)を定め、販売する最適なチャネルを決定します。

本書では「ビジネスモデルMAP」というフレームワークを使い、
儲けの仕組みを作り上げます。

この「ビジネスシナリオMAP」と「ビジネスモデルMAP」が、
儲けるための設計図になるのです。

  「 “セールス”  “マーケティング”  “イノベーション” を
  社長自身がやっていない、もしくは、これらの重要な業務を
  社長以外の社員に任せっきりにしていては、
  会社が売上を継続的に上げることはできません。」

これらの社長必須の業務をA4シートのMAPを埋めながら、
漏れなくやっていくのが本書の経営メソッドです。

もちろん、設計図だけを作って、それが行動に結びつかなければ、
単なる自己満足で、何の意味もありません。

本書は、「ビジネスシナリオMAP」と「ビジネスモデルMAP」を
確実に実行するための、経営者のための「タイムマネジメント」に
ついても解説しています。

武田さんの前著『社長のための 1年で会社を黒字にする方法』では、
決算書の正しい作り方、決算書の読み方、決算書の経営への
活かし方が解説されていましたが、本書はその続編に当たります。

この2冊を併せると、中小企業の経営に必要な「守り」と「攻め」が、
すべて網羅されていることになりますね。

この本から何を活かすか?

  「超簡単な2つのタイムマネジメント法」

本書では、時間の使い方を「見える化」するために、
手帳を使うタイムマネジメント法と、
メモ帳を使うタイムマネジメント法が紹介されていました。

どちらも、ベースになるのはスティーブン・R・コヴィーさんの
7つの習慣』で紹介されていた、「緊急軸」と「重要軸」で
4つの象限に分ける2×2のマトリックス。

私も、このマトリックスは常にホワイトボードに書いて
活用しています。

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| 経営・戦略 | 10:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「最強チーム」の作り方

「最強チーム」の作り方 (マイナビ新書)「最強チーム」の作り方 (マイナビ新書)
(2013/11/26)
毛利 豪

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満足度★★★
付箋数:19

「最強のチーム」を作るには、どうしたら良いのでしょうか?

これは、ビジネスでもスポーツでも、
結果を出すことを要求される組織に共通する課題です。

手っ取り早いのは、お金で助っ人を雇うこと。

しかし、それはドーピングをしているようなもので、
一度それで上手くいったら、止めることができなくなります。

その上、本当のチームの強さにはつながらず、
長い目で見ると、何かしらの副作用が出てきます。

本書の著者、毛利豪さんは、今いるメンバーで最強チームを
作ることができると言います。

しかも、環境やメンバーが変わっても、何度でも、
結果を出すチームビルディングが可能だと。

なぜ、毛利さんはどこに行っても最強チームを再構築できるのか?

それは、最強チームを作るためのポイント法則を
知っているからです。

強いチームは、偶然できたり、お金さえかければ
できるものではありません。

本書では、毛利さんの実務上の経験から得たチーム作りの法則と、
それを裏付けるビジネス理論や心理学上の理論の
両面から解説します。

  第1章 自分のチームを正しく理解すれば、問題の9割は解決している
  第2章 最強チームを作るリーダーシップ
  第3章 チームをゴールに導く戦略的マネジメント術
  第4章 最強チームのコミュニケーション術
  第5章 チームの成果が劇的に変わる会議術
  第6章 チーム運営で最低限押さえておきたい学問的な知識

強いチームを作るには、リーダーがどれだけ鮮明に
ゴールを描き、その景色をメンバーに見せられるかがポイント。

しかし、その前提として今のチームの現状を
リーダーは十分に把握しておかなければなりません。

各メンバーが何に重きを置いているのか、
その価値基準を知った上で、チーム作りを進めます。

実際のビジネスでは、戦力となるメンバーが加わるより、
現状のメンバーが離脱したり、不合理な配置転換で、
急にチーム構成が変わってしまうことはよくあります。

ですからチームメンバーのモチベーションも、
常に外部環境と会社環境の影響を受け続けるのです。

そんなチームのメンバーが、
日々ゴールに向かう行動を積み重ねていくには、
「なぜ、いまそれをやらなければならないのか」という
動機づけが必須となります。

それができれば、たった3ヶ月でダメチームが
高いパフォーマンスを発揮するチームに生まれ変わることさえ
可能なのです。

毛利さんのチーム作りは、教科書や講習で学んだことを
活かしたのではなく、先に実践での積み重ねがあって、
後から体系化するために、理論を学んだスタイルだと思います。

だから机上の空論にはならず、常に臨戦態勢の現場でも
マネることができるチーム作りの方法なのでしょう。

ただし、本書はバランスよく網羅的に書いている反面、
読み物としては薄味になってしまった印象があります。

もう少し突っ込んで解説するパートを作っても
良かったかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書のタイトルは以前紹介した内田和俊さんの
最強チームのつくり方』と思いっきりかぶっています。

こちらの本は、リーダーシップによるチーム作りより、
メンバーの「依存する人」を「変化を起こす人」に変えることで、
チーム作りを進めるアプローチが中心でした。

読み物としては、こちらの本の方が面白かった。

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| 組織・社内教育・コーチング | 11:25 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ジェフ・ベゾス 果てなき野望

ジェフ・ベゾス 果てなき野望ジェフ・ベゾス 果てなき野望
(2014/01/08)
ブラッド・ストーン

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Kindle版 ジェフ・ベゾス 果てなき野望

満足度★★★
付箋数:25

  「出版社はキンドル発売前の2年間、新しいデジタル形式を
  受け入れろとアマゾンからおだてられたり脅されたりしてきた。
  だがその間、キンドル発売を宣言する40分間のスピーチの
  17分目でベゾスが明かした重要情報は伏せられたままだった。

  ベゾスは
   “ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーと新刊をわずか
  9ドル99セントで提供します”
  と、Wホテルにおける記者会見の半ば近くになって語ったのだ。
  (中略)
  2009年頭のキンドル2発売でキンドルが本格的に普及しはじめると、
  アマゾンが支配する未来が不可避だとの理解が業界に広がった。
  ガゼルは傷を負い、チーターは元気に走り回っている。」

本書は世界最大の書店から、何でも買える店
(The Everything Store)に成長を遂げたアマゾンの創業者、
ジェフ・ベゾスさんの実像に迫る伝記。

フィナンシャル・タイムズ紙の「Business Book of the Year2013」
となった『The Everything Store』の邦訳本。

ベゾスさんの生い立ちから、アマゾンの成功に至るまでを
詳細に綴った、約500ページもの大作です。

秘密主義のベゾスさんが、本書の著者、ブラッド・ストーンさんに
取材の許可を与えたのは驚き。

本書の冒頭にはアマゾンから提供された、ベゾスさんの幼少期の
写真や社内での仮装パーティーの写真なども掲載されています。

ちなみに、ガゼルとはリアル書店や出版社のことで、
ベゾスさんはそれを非情なまでに追い詰めるチーターと
本書では形容されています。

この表現が気に食わなかった、ベゾスさんの奥さんの
マッケンジーさんが、アマゾンのレビューで「★」1つの
酷評をしたことも話題になりました。

今でも、米アマゾンのサイトではカスタマーレビューの
トップでマッケンジーさんのレビューを読むことができます。

奇才の経営者と評されることも多いベゾスさんですが、
ブレずに「顧客第一主義」を貫く姿勢には圧倒されます。

  「我々は正真正銘、顧客第一ですし、正真正銘、長期的です。
  また、正真正銘、創意工夫を重視しています。
  ほとんどの会社は違います。顧客ではなく、ライバル企業の
  ことばかり気にします。2~3年でリターンが得られることばかり
  やりたがりますし、2~3年でうまくいかなければほかのことを
  始めます。新しいことを発明するより、誰かの発明を
  まねるほうを好みます。そうほうが安全だからです。
  これがアマゾンが他社と違う理由であり、アマゾンの実態です。
  この3要素をすべて備えている企業はほとんどないのです」

これが、アマゾンに貫かれるジェフィズムです。

今や書店だけではなく、インターネット上を含む全ての小売業が
アマゾンの競合他社になります。

ベゾスさんは、そのあらゆる競合を冷徹に追い込み、
規模のパワーとロングテールを活かして市場を支配します。

アマゾンに立ち向かう他社は、その異常なまでに低い
営業利益率を1.1%に対抗して顧客還元を図らなければ
ならないので、たまったものではありません。

私のように、ベゾスさんの敵ではなく顧客にとっては、
この上なく有難いことなので、アマゾンへの依存度が
益々高くなってしまいます。

この本から何を活かすか?

本書の巻末には、ベゾスさんの愛読書が
12冊紹介されています。

その中で私が読んでみようと思ったは本は、
小説の『日の名残り(Kindle版)』です。

私が未読の本は他にも何冊かありましたが、
日本のアマゾンでは、Kindle化されていないのが残念。

古い出版の本こそKindle化して、安価で提供し欲しいですね。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:39 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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ケプラー予想

ケプラー予想: 四百年の難問が解けるまで (新潮文庫―Science&History Collection)ケプラー予想: 四百年の難問が解けるまで (新潮文庫―Science&History Collection)
(2013/12/24)
ジョージ・G. スピーロ

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満足度★★★
付箋数:22

「フェルマーの最終定理」は、17世紀フランスの数学者
ピエール・ド・フェルマーさんのメモ書きから、
360年の時を経て、イギリスの数学者アンドリュー・ワイルズさん
によって証明されました。

そのフェルマーの最終定理以上に、長い間世界中の数学者を
苦しめた難問がありました。

それが、「ケプラー予想」と呼ばれる問題です。

これは、1611年、天文学者で数学者でもあった
ヨハネス・ケプラーさんが友人に宛てた「六角形の雪について」
という小冊子の中で示した問題。

ケプラーさんは、球を敷き詰めたときに、
面心立方格子が最密になると予想しました。

簡単に言うと、球をもっとも効率よく3次元空間に詰め込む方法は、
「果物屋の店先にオレンジが積まれる時の方法と同じ」である
という予想です。

この問題、規則正しく並べるという条件付きなら、
19世紀最大の数学者カール・ガウスさんによって、
問題ができてから、およそ200年後に証明されました。

しかし、不規則な並べ方まで含めた場合まで証明するには、
400年もの間、数学者を苦しめた難問として君臨したのです。

この問題を1998年に解決したのが、米ミシガン大学の
数学者トーマス・C・ヘイルズさんでした。

子どもでも直感的に、オレンジの積み方が正しいとわかる問題も、
証明するには、これだけの年月を要したのです。

本書は、ケプラー予想が生まれる少し前に、
イギリスの数学者・科学者トマス・ハリオットさんによって
考えられた「倉庫に積まれた砲弾数」問題から始まり、
ヘイルズさんが証明するまでの400年間の、
数学者たちの苦闘の歴史を描きます。

  「フェルマーの最終定理に関するワイルズの証明は
  トルストイの “戦争と平和” のようなものであり、
  ケプラー予想に関するトーマスの証明は電話帳のようなもの」

これは数学者で一般向けの数学書の書き手として知られる
イアン・スチュアートさんの言葉。

要するに、ワイルズさんの証明はエレガントで美しく、
それに比べてヘイルズさんの証明は高尚さや品がなく、
月とすっぽんだと言っているのです。

なぜ、このような比喩が使われたかというと、
ケプラー予想の証明は、コンピュータを使った
力ずくの証明だったからです。

通常、数学の証明でパターンが多くて調べきれない場合は、
その問題の否定を考えて、矛盾を証明する背理法が使われます。

しかし、コンピュータの発達により、近年ではしらみつぶしに
調べていく方法も可能になったのです。

無論、その証明には「それは本当に証明なのか?」という
非難も出てくることになります。

ヘイルズさんのケプラー予想の証明は、
論文を審査する査読チームにより4年の歳月をかけ調べ、
「99%正しい」と報告されました。

本書では、コンピュータを使った数学の証明問題についても
多くのページを割いて描いています。

数学の難問を扱う本ですが、数学者たちの人間ドラマとして
書かれている面も多いので、ほぼ数学的な知識はなくても
読むことができます。

本書は、2005年4月に新潮社から刊行された『ケプラー予想
を文庫化に際し、改訳したものです。

この本から何を活かすか?

訳者の青木薫さんは翻訳にあたり、ビー玉やオレンジを
実際にテーブルの上に積み上げて、ケプラー予想を
体感したようです。

ビー玉だと、転がってしまい、最密充填が実感できなかった
ようですが、オレンジでやってみると、手応えを感じたとか。

私も、家にあった「みかん」を使って挑戦してみましたが、
ちょっと違うな~という感じでした。

やはり「みかん」は、オレンジと違い球体ではないので、
動いてピタッとハマる感じがなくダメでした。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 数学 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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その言葉だと何も言っていないのと同じです!

その言葉だと何も言っていないのと同じです!その言葉だと何も言っていないのと同じです!
(2014/01/30)
吉岡 友治

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満足度★★★★
付箋数:24

日本実業出版社の細野さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

具体的には、どうしたら良いのかわからないけれど、
言われるとなんとなく納得してしまう言葉。

本書の著者、吉岡友治さんはそういった種類の言葉を
「マジック・ワード」と呼びます。

例えば、「可能性はゼロではない」という言い回し。

中身がないのに、わかった気になってにしまうのでたちが悪い。

本書は、そんなマジック・ワードを反面教師にして、
「自分の考えを論理的に伝える技術」を解説します。

本書ではシチュエーション別に36個のマジック・ワードを
紹介します。

私はこれを読んで、普段、自分がどれだけマジック・ワードに
毒されていて、いかに中身のない発言をしていたかがよくわかりました。

ちなみに、本人は意識せずにマジック・ワードを使いがちなのは、
「直感を信じ過ぎる人々」、「いつも正しいことを言いたがる人々」
「何も考えなくなった人々」です。

少し本来の目的からは外れますが、論点をスルーしたい時に、
あえてマジック・ワードを使って状況を切り抜ける視点も
提示しているのが、本書の面白いところです。

例えば、上司から注意を受けた時に、あなたが
マジック・ワードを駆使して答えると、次のような会話になります。

  あなた 「お言葉はよくわかります。しかし、これはそもそも
      悩ましい問題です。評価に関しても、人それぞれだと思います」

  上司  「私の言うことが間違っていると言いたいのか?」

  あなた 「いえ、今回のことは一人ひとりができることを
      しただけであって・・・・」

  上司  「きみがもっと頑張れば、この案件はうまくいったはずだ」

  あなた 「私なりに、主体性をもって取り組んだつもりですが、
      そういうご評価をいただくとは・・・不徳のいたすところです。
      とにかく、いっそう市場の動きに注目したいと思います」

  上司  「つべこべ言い訳をするな!」

  あなた 「失敗は二度と繰り返してはならない。それは私も同意いたします。
      ただ、会社の限られた資源を有効に使うなら、実行にかかる前に、
      もっと議論すべきだったと思います」

この会話の中で、あなたが使ったマジック・ワードは、
「悩ましい問題」 「人それぞれ」 「一人ひとりができることをした」
「主体性をもって」 「市場の動きに注目し」 「二度と繰り返してはならない」
「限られた資源を有効に使う」 「もっと議論すべき」です。

怒れる上司に対して、雰囲気だけのマジック・ワードを使い、
具体的にどんな手を打つかを何も言わずに、
その場をなんとかやり過ごす作戦ですね。

もちろん、本書ではキャッチーなマジック・ワードの
紹介にだけ留まらず、「自分の考えを論理的に伝える技術」も
しっかり解説します。

吉岡さんが挙げる、論理的に伝えるためのポイントは以下の5点です。

  1. まず言葉を定義しよう
  2. 首尾一貫して考えよう
  3. 主張の正しさは根拠で示そう
  4. 論理とイメージを対応させよう
  5. 結論まで同一の内容にしよう

この本から何を活かすか?

「枠を埋める作業」を続けていると、コメントが枯渇し、
いつも同じ表現を使ってしまう。

定期的に情報を発信し続けなければならないマスコミは、
こういった言葉の罠に陥ると、吉岡さんは指摘します。

私も、日々ブログを更新するのは、「枠を埋める作業」なので、
思考停止状態にならないよう注意しなければなりません。

よくあるステレオタイプな表現をリストアップして、
そういった常套句に頼らないようにするのが、
吉岡さんからのアドバイスです。

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| コミュニケーション | 10:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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どん底から這い上がった起業家列伝

どん底から這い上がった起業家列伝どん底から這い上がった起業家列伝
(2013/10/18)
松崎 隆司

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満足度★★★
付箋数:18

これを書くと色眼鏡で見られてしまうかもしれませんが、
本書はタブロイド判夕刊紙「日刊ゲンダイ」に連載された記事
「語り部の経営者たち」を加筆編集したもの。

大変失礼ですが、私は「日刊ゲンダイ」にも
ちゃんと取材した、まともな連載があることを知りました。

著者の松崎隆司さんは「日刊ゲンダイ」以外にも、
「エコノミスト」や「プレジデント」、「日経ビジネス」などでも
取材を行なう経済ジャーナリスト。

本書では、たたき上げで登りつめたベンチャー経営者、
9名の苦闘の半生を描いています。

自伝として本人が語っているわけではありませんが、
日本経済新聞に連載される「私の履歴書」をもう少し
親しみやすくしたイメージです。

本書で取り上げられる起業家は次の方々です。

  第1章 すしざんまい喜代村社長 木村清さん
  パイロットの夢破れるも、新コンセプトの寿司屋チェーンで快進撃

  第2章 カレーハウスCoCo壱番屋創業者 宗次徳二さん
  天涯孤独な人生から、ギネス認定の世界一カレーチェーンを築き上げ

  第3章 ライフコーポレーション会長 清水信次さん
  焼野原からスタートし、日本最大の食品スーパーへ飛躍

  第4章 リンガーハット会長兼社長 米濱和英さん
  兄弟力合わせて新天地で再出発、長崎ちゃんぽんで全国を席巻

  第5章 雪国まいたけ社長 大平喜信さん
  貧乏と学歴差別のハンデをバネに、きのこ業界の頂点に

  第6章 東洋ライス社長 雜賀慶二さん
  「無洗米」「金芽米」と、大ヒット商品を連発 

  第7章 堀場製作所創業者・最高顧問 堀場雅夫さん
  敗戦で研究者の道を断念、学生ベンチャー第1号に

  第8章 ガリバーインターナショナル会長 羽鳥兼市さん
  詐欺に引っ掛かり、一文無しから中古車販売事業で大成功

  第9章 アキュラホーム社長 宮沢俊哉さん
  成功と失敗を繰り返した末、革命的なシステムを開発

波瀾万丈の人生を綴っていることもあって、
紹介されている経営者のほとんどは既に高齢になっています。

若干、昭和の時代の空気感がありますね。

いずれの経営者も、転んでもただでは起きなかった方ばかりで、
しぶといと言うか、したたかと言うか、旺盛な生命力を感じます。

松崎さんは取材を通じて、9名の経営者の方の
共通点を2つ挙げています。

1つは、「突破力」。

  「ベンチャーには新規開発事業という意味以外にも “冒険”
  という意味がある。 “これはおもしろい” と感じたら
  リスクを冒しても突っ走る、いわば “突破力” だ。」

チャンスだと思ったら、たとえ異業種でも飛び込んでいって、
一点突破することで、その後に進む道を切り拓くのが
成功する鍵となっています。

もう1つは、「着眼点」。

これは、新しい時代を見据える目。

  「ベンチャーで成功する決め手は、 “着眼点×突破力”
  このふたつを兼ね備えていることだ。
  読者はぜひ、彼らがどのような思いで商売を始め、
  そして怒涛のように襲いくる苦難をいかにして
  乗り越えていったのか、小説を読むような気持ちで
  9つのサクセスストーリーを堪能していただきたい。
  そこには、ビジネスで成功するためのヒントが
  多く隠されているはずだ。」

この本から何を活かすか?

私が以前から気ないなっていたのは東洋ライスの「金芽米」。

金芽米とは、白米と同じ口あたりで、白米よりも旨味・甘味が
あって、栄養価も高いという健康志向のお米。

物は試しということで、Amazonでも取り扱いのある
【精米】タニタ食堂の金芽米 4.5kg」を注文してみました。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アップルvs.グーグル

アップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのかアップルvs.グーグル: どちらが世界を支配するのか
(2013/12/18)
フレッド ボーゲルスタイン

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Kindle版 アップルvs.グーグル

満足度★★★★
付箋数:24

  「アップルのiPhone、iPad、iPodタッチの合計売上は
  年間2億台を超えている。これは全メーカーのテレビの
  年間販売台数とほぼ同じで、車の約4倍だ。
  これらすべてによって、アップルはジョブズの大きな野心をも
  はるかに上回る巨大企業に成長した。
  1997年に破産寸前まで行ったことなどまるでなかったかのように、
  時価総額も利益率もこの惑星で最高クラスの企業になった。
  なのに、アップルは敵に包囲された企業のようにふるまっている。

  なぜか?

  じつはこれだけ成功しているのにもかかわらず、
  敵に包囲されているからだ。敵はグーグルだ。」

原題「Dogfight」。

本書は、邦題のタイトルからわかるように、
アップルとグーグルという2大企業の闘いの記録。

そもそも、この2社はマイクロソフトという
強大な敵と闘う仲間でした。

  「iPhoneが初公開された2007年の初め、アップルとグーグルは
  たんなるビジネスパートナーではなく、精神的に結びついた仲間、
  技術革命を支える “陰と陽” だった。アメリカのビジネス市場
  もっとも緊密と言えるほどの提携関係にあったのだ。」

この2社の関係は、グーグルの元CEOエリック・シュミットさんが、
アップルの取締役を務めていたことからもわかります。

しかし、マイクロソフトは以前PCは市場にとどまったため、
スマホ市場に共通の敵はいませんでした。

そして、グーグルがスマホ用OS「アンドロイド」を発表した
ことで、この2社の友好関係に亀裂が入ります。

スティーブ・ジョブズさんは、アンドロイドの発表を
完全な不意打ちととらえて激昂します。

可愛さ余って憎さ百倍とでも言うのでしょうか、
ここからアップルとグーグルの骨肉の争いは始まります。

しかし、アップル対グーグルの闘いで見落とされがちなのが、
アップルが直接グーグルを訴えた例はないということ。

あくまで訴訟相手はサムスンやHTC、モトローラなど
アンドロイド携帯のメーカーだけなのです。

その後、Dogfightの行方を左右する2つの転機が訪れます。

1つは、iPadの発表。

  「アンドロイドをあらゆる場所に行き渡らせるグーグルの
  戦略に対して、ジョブズのとった策は、シンプルで斬新だった
  ― iPadの発表である。
  グーグルが “広さ” でモバイル・プラットフォーム戦争に
  勝とうとするのなら、アップルは “深さ” で勝とうと
  していることを世に知らせた。」

そして、もう1つの転機は、ジョブズさんの死です。

アップルはiPhone5で、グーグルマップから、
自社開発のマップに切り替えましたが、
そのアプリは欠陥だらけで使える代物ではありませんでした。

  「このとき何より人々が考えたのは、ジョブズが生きていたら
  こんなへまを見すごしただろうかということだった。」

アップルとグーグルの闘いは、かてのアップルVSマイクロソフト
のようなプラットフォーム戦争です。

それは、勝者が75%以上の市場シェアを獲得し、
敗者はその市場にとどまることさえ難しいくなる結末が待っています。

著者のフレッド・ボーゲルスタインさんは、入念な取材を行い
両社のキーマンからも証言を集めて、その激しい闘いを
内側から臨場感溢れるタッチで描き出しています。

この本から何を活かすか?

  「ごく短期間でひとつのデバイス、iPadに数えきれないほどの
  メディアが集約される “コンバージェンス” が起きたので、
  たとえメディア企業が抵抗しようとしても無駄だっただろう。」

ITとメディアの融合、いわゆる「コンバージェンス」を起こしたのが、
iPadで、ポイントとなったのが、画面を大きくするという
シンプルな改良でした。

本書では、このiPadの登場とその影響力について
詳細にレポートされている点も、1つの読みどころです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ

1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ  4倍値上げしても売れる仕組みの作り方 (SB新書)1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ 4倍値上げしても売れる仕組みの作り方 (SB新書)
(2014/01/17)
氏家 健治

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満足度★★★★
付箋数:23

(株)アールズコンシェルジュの西さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

本書は、新宿のスイーツ店「ケンズカフェ東京」の
シェフ氏家健治さんが書いた実践的マーケティング本。

ケンズカフェ東京は、ガトーショコラの専門店で、
しかも 1本250gの「特撰ガトーショコラ」一品のみしか
商品を扱っていません。

このガトーショコラ、当初は1本500gで1300円で販売し、
1日に4~5本売れる程度でした。

それを量を半分の250gにして1500円に値上げ。

次に同じ分量で2000円へ値上げし、
最終的には3000円に値上げしました。

すると値上げするほどに売上を伸ばし、
現在では月間3000本を販売するようになりました。

本書では、その驚異的なブランディングと緻密に計算された
マーケティングの手法を明かします。

氏家さんは、2000円に値上げをした後、それほど間を置かずに、
急遽3000円への値上げを敢行しています。

なぜ、一気に1000円も値上げしたのでしょうか?

それは、「行列のできるラーメン店が潰れる」轍を踏まないため。

美味しいと評判のラーメン店が、時に潰れることがあります。

それは、何かのきっかけでブレイクすると、
その評判を維持するために相当なコストがかかるから。

他店に真似られないように工夫したり、お客に飽きられにように、
味をどんどん進化させるのに、お金がかかるのです。

つまり原価ギリギリでやっているところで、
急にブレイクしてしまうと、後が大変になってしまうのです。

ブレイクしてから値上げすると、
「ちょっと売れるようになったから、儲けに走るのか」と
あらぬ誤解を受けることもあるようです。

氏家さんが、急遽3000円への値上げを決意したのは、
「とんねるずのみなさんのおかげでした」の
「新・食わず嫌い王決定戦」のコーナーで藤井フミヤさんが、
特撰ガトーショコラを紹介してくれるということになったから。

人気が出て潰れるパターンに陥らないように、
番組で紹介される前に、急いで値上げをしたのです。

もちろん、値上げにともなって、材料のチョコレートを
更に良質なものに変更するなど、質の向上も図り、
顧客に価格以上の満足を与えていることが成功の要因です。

もともとは、パティシエではなく、イタリアン・レストランの
オーナーシェフだった氏家さん。

それをガトーショコラ専門店へと、大きな転換を図ったのです。

これは経営戦略の本質とも言われる「集中と選択」。

この戦略、言うのは簡単ですが、実際にここまで徹底して
行なうのは本当に難しいものです。

また、弱者が強者に勝つための
「ランチェスター戦略」を使ったとも言えます。

ガトーショコラをすべて手作りする傍ら、
WEBも活用したマーケティングも、
実践してしまうのが氏家さんの凄いところ。

もちろん、戦略的なブランディングが成功したのは、
「美味しいものだけを作って商売をする」という
氏家さんの強固な信念が根底にあったからです。

この本から何を活かすか?

ケンズカフェ東京「特撰ガトーショコラ」
満足度★★★★★

実際に、「特撰ガトーショコラ」を食べてみました。

パッケージは、セレブ御用達という感じで、かなり高級感があります。
ガトーショコラ1

中から、ズッシリとした特撰ガトーショコラが登場。
ガトーショコラ2

「常温」、「冷やして」、「温めて」の3通りの食べ方がありますが、
今回は、「冷やして」食べるので、薄くスライス。
ガトーショコラ3

私が今まで食べたことがあるガトーショコラとは、全く別物。

この味を知ってしまったら、他のガトーショコラは
食べられなくなるので要注意です!

私はいつもグルメの友人の家に遊びに行くときの
手土産に頭を悩ませていましたが、
次はこの「特撰ガトーショコラ」で決まりです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| マーケティング・営業 | 12:07 | comments:0 | trackbacks:157 | TOP↑

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