活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2013年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年01月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

サロンはスタッフ育成で99%決まる

サロンはスタッフ育成で99%決まるサロンはスタッフ育成で99%決まる
(2013/10/28)
榎戸淳一

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

代官山ブックス、廣田さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

私は、最初に「サロン」というタイトルを見て、
「まったく馴染みがないな~」と思ったのが正直なところ。

実は著者の榎戸淳一さんも、サロンに対する最初の反応は、
私と同じようなものでした。

それは、榎戸さんがまだ船井総合研究所で、
コンサルタントとして毎日修行を積んでいた頃の話。

突然、上司から仕事を振られました。

  「エステティックサロンのコンサル案件が1件あるんだけど、
  榎戸頼むよ」

当時の榎戸さんはエステに行ったこともなく、
「え?男性の私がエステティックサロンのコンサルティング!?」
と正直思ったそうです。

そしてコンサルティングのために、未経験のエステを
まずは自ら体験することにしました。

最初の3週間でまわったエステティックサロンは30店舗。
更に6ヶ月後には100店以上のサロンをまわったそうです。

その後、榎戸さんは、船井総研の中で
エステ専門コンサルタントとして活躍するようになりました。

その中で見つけた、理想のサロン経営。

榎戸さんは、エステ専門のコンサルタントとして
4年間で全国1300店のサロンをまわるうち、
自分自身でサロン経営に挑戦して成功させ、
そのスタイルを発信していきたいと思うようになりました。

2009年春、榎戸さんは船井総研を退職し、
自分の考える「理想のエステティックサロン」経営に挑戦します。

しかし、理想と現実は違いました。

コンサル時代に培った、顧客倍増プログラムがあったため、
逆に、サロン経営で一番大切なことが欠けていたのかもしれません。

  「コンサルタント時代に全国のサロンをまわっていた私は、
  エステティシャン数人に囲まれて一方的に文句を言われる
  オーナーの姿をたくさん見てきたのですが、その時は、
  まさか自分がその立場になるとは夢にも思いませんでした。
  しかし、その日は突然やってきたのです。」

オープンから1ヶ月、予約はあまり入らず、スタッフとも対立、
運転資金も底をつき、閉店の危機を迎えることになります。

コンサルタントの経験から、サロン経営に対して持っていた自信が、
榎戸さんの中で、もろくも崩れ去っていったのです。

しかし、榎戸さんはこのどん底の状態から、
サロン経営を目指した原点に返り、這い上がります。

なんと、オープンから2年で全国のエステティックサロンの
頂点に立つほどに、劇的な飛躍を遂げます。

一体、どのようにして榎戸さんのサロンは、
日本一の称号を得るまでに成長したのでしょうか?

本書は2部構成で書かれています。

第1部は、榎戸さんのサロンが、どん底の状態から全国1位に
なるまでのストーリー。

第2部は、実際に榎戸さんの店舗で採用している
「スタッフ育成プログラム」と「顧客倍増プログラム」の
紹介です。

エステ業界は、同じ顧客を奪い合う弱肉強食の世界。

それでも、榎戸さんが写真付きでこれだけ手の内を明かすのは、
本当にエステ業界全体を考えているからなのでしょう。

本書はサロン経営に限らず、組織改革をしたい経営者、
店舗のオーナーや接客サービスに従事する方にとっては、
必ず何らかのヒントが見つかる本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「終礼がサロンの成長スピードを決める」

どんな業界でも、朝礼をやっているところは多いですが、
終礼をやっているところは意外と少ないように思います。

榎戸さんのサロンでは、毎日の終礼で、その日に書かれた
お客様アンケートから改善点を洗い出し、
翌日からすぐに行動できるようにしているそうです。

  「サロンが日々向上するためには、地道にこれを
  続けていくしかないと思います。」

物理的に実施が難しい業態も多いでしょうが、
何らかの工夫をして、終礼をする価値はあるように思えました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 組織・社内教育・コーチング | 07:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ビジネスに効く400冊! 必読本 大全

ビジネスに効く400冊! 必読本 大全 (日経BPムック)ビジネスに効く400冊! 必読本 大全 (日経BPムック)
(2013/12/02)
日経ビジネスアソシエ

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

本日は、当ブログではおよそ2年ぶりのムックを紹介します。

日経ビジネスアソシエ編のスキルアップシリーズからの一冊。

カラー130ページの大型本で、「日経ビジネスアソシエ」に
掲載された特集「今、読むべき本2012」と「今、読むべき本2013」
の内容を元に再編集されたもの。

  「本書はビジネスパーソンが、今こそ読んでおきたい “必読本”
  についてまとめたものです。
  さて、そもそも “本” とはどんな存在か。
  読書の達人、編集工学研究所所長の松岡正剛さんによれば、
   “本とは水たまりである” 。
  道端の小さな水たまりを、ふとのぞき込んでみると、
  角度によって、自分の顔や大きな建物が映り、
  広大な空まで収めてしまう。
  本も小さな紙片の束ですが、その中には多種多様なことが
  収められている。本をのぞき込めば、誰かの人生や心をなぞり、
  自分の心と向き合うことができる。自分に足りないのが
   “経験” なら、本ほど強い味方はありません。」

いきなり、松岡正剛さんの言葉が引用されていますが、
本書の巻末には松岡さんへのインタビュー記事も掲載されています。

こういったムックや雑誌の強味は、数多くの達人の知恵を借り、
多面的な内容の本を作れることですね。

本書は全6パート構成で、トータル400冊の本が紹介されています。

  PART1 必修15テーマ 課題図書139
  PART2 社長が薦める仕事の必読書 
  PART3 プロを支える読書の流儀
  PART4 主人公に学ぶリーダーシップ
  PART5 仕事に効く逸品マンガ104
  PART6 もっと本とつき合いたい

こういった雑誌の特集が元になっている本では、
紹介されている内容が、その時の「流行り」に
なっていることがよくあります。

ビジネス書を紹介する雑誌記事なら、その時のベストセラーを
中心に特集するのがセオリーでしょう。

しかし、本書は見事なくらい今の流行りにとらわれず、
「本物」を紹介することに徹しています。

何年も前に刊行された名著や、10年以上も前に刊行された
不朽の名作なども多く紹介されています。

それは、何人もの良い目利きを選者として採用しているから。

さすがに1冊1冊の紹介は、それほど深くないものの、
全400冊の書影がカラーで掲載さているのもイイ点です。

また、本書では26ページにも渡って「仕事に効くマンガ」が
紹介されています。

サラリーマンマンガとして無難な「島耕作」シリーズを
紹介してお茶を濁すのではなく、ポジショニングマップを
作ったり、テーマ別にまとめるなどの本格的な特集です。

その中でも、大ヒットマンガ『キングダム』から学ぶ、
複数の視野の持ち方の特集が良かったですね。

1つめと2つめの「虫の目」、「鳥の目」に続き、
3つめとして「大将軍の目」を持つように書かれていた点が
面白いところ。

私も『キングダム』は愛読していますが、
このマンガは面白すぎて、読んでいるときは興奮状態にあるため、
ビジネスで使えるとは、まったく考えてもいませんでした。

この本から何を活かすか?

  「歴史小説の醍醐味は、 “いかに生きて、いかに死ぬか”
  という人生観を学べる点だ。人生は一度きりだが、
  歴史小説には無数の人生が描かれている。」

私が本書から参考にしたと思ったのが、歴史小説です。

以下の5冊はKindleでも入手可能でした。

  ・『影武者徳川家康
  ・『鬼平犯科帳
  ・『樅ノ木は残った
  ・『宮本武蔵 』(¥0)
  ・『ふぉん・しいほるとの娘
  ・『大菩薩峠 』(¥0)

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 読書法・速読術 | 06:51 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

文系のための理系読書術

文系のための理系読書術 (知のトレッキング叢書)文系のための理系読書術 (知のトレッキング叢書)
(2013/11/26)
齋藤 孝

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

齋藤孝さんは、文系の学生に理系本を読むことを
積極的に勧めています。

それには次のような理由があります。

  「今もっとも知的好奇心を沸き立たせてくれるのは、
  科学の分野だからです。
  単純な比較はできないのですが、世の中の重要な知識の
  半分以上は、理系的なものではないでしょうか。
  もし私たちが19世紀に生きていたら、宇宙論や素粒子論の本を
  楽しむことができなかったでしょう。
  21世紀になって、とくにこの20年ぐらいで、
  宇宙の様子とか素粒子の世界のことがどんどんわかってきた。
  ということは、今の時代に生きている喜びは、そういう本を
  読んでいる時間にいちばん味わえるということでもあります。」

本書は、文系の人のための理系本のガイドブック。

数式や化学式が出てくるハードな理系本ではなく、
理系小説から、比較的読みやすいポピュラーサイエンスの
良書などが紹介されています。

どちらかと言うと、読書術というよりは、本の内容紹介が中心。

そもそも文系の方は、本を読む事自体は得意な人も
多いはずなので、その強みを活かして、
理系の知識を吸収したり、科学の醍醐味を味わえる本が
全部で52冊紹介されています。

目指すのは、広く浅い理系の知識を得ること。

齊藤さんは、文系の人は「理系知識の潮干狩り」程度に
読むのが丁度いいと言っています。

ただし、「雑学」として知っているだけでなく、
「小ネタ」として披露できるレベルになることを目指します。

例えば、「雑学」では次のような話で終わります。

  「人類の祖先って、ピカイアっていうウナギみたいな
  ヤツなんだよ」

これを「小ネタ」レベルまで持って行くと、こうなります。

  「ピカイアっていうウナギみたいなヤツでさ、なぜこれが
  祖先だと言われているかというと、脊椎の原型である脊索が
  あるからなんだよ。そして、ピカイアが偶然にも生き残った
  おかげで、人間には背骨があると言われているんだ。
  もしピカイアが絶滅して、他の生物が生き残っていたら、
  人間はこんな姿ではなかったんだよ」

このように、理系本で読んだ知識を意味のある話として
再構成して話せるレベルになることが目標です。

また、理系本の選び方では、内容やタイトルよりも
「著者から入る」のがコツのようです。

  「私のモノサシで言えば、たとえば生物なら池田清彦さん、
  脳科学は池谷裕二さん、数学は藤原正彦さんや秋山仁さん、
  化学は米山正信さん、量子論は佐藤勝彦さん、
  宇宙論は村山斉さんです。この人たちは、みなさん優秀な
  専門家である上に、語り口がわかりやすい。」

私なら、このリストに福岡伸一さんは欠かせませんし、
サイエンスライターのサイモン・シンさんや竹内薫さんを
加えます。

この本から何を活かすか?

齋藤さんの52冊の推薦本の中で、当ブログで紹介済みの本は
以下の3冊です。

  ・『脳には妙なクセがある
  ・『「大発見」の思考法
  ・『宇宙はなぜこんなにうまくできているのか

今までこのブログで、科学と数学の分野では
150冊以上の本を紹介してきましたが、
意外と齋藤さんの推薦リストとは重なりませんでした。

また、私は「理系小説」を読んでいないので、
この分野は今後読んでみたいと思いました。

本書で紹介されてた理系小説は、以下の3冊です。

  ・『パラサイト・イヴ
  ・『博士の愛した数式
  ・『ジェノサイド

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 読書法・速読術 | 08:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

トップリーダーが学んでいる 「5年後の世界経済」入門

トップリーダーが学んでいる 「5年後の世界経済」入門 いま知っておくべきこと、やるべきことトップリーダーが学んでいる 「5年後の世界経済」入門 いま知っておくべきこと、やるべきこと
(2013/12/19)
中原 圭介

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

日本実業出版社、細野さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「私は、経営コンサルタントとして仕事をする一方で、
  経済アナリスト(エコノミスト)としても活動しています。
  私は “経営と経済は一体である” と常日頃から考えていますが、
  本書では “これから5~10年スパンの世界経済の見通しを
  述べながら、リーダーは今、何をしておくべきなのか”
  をご提案させていただいています。」

著者は、人気エコノミストの中原圭介さん。

本書では、5年後の世界経済の未来予測を中心に、
後半では自己啓発書的な内容も述べられています。

中原さんの読む、未来図の軸は「シェール革命」。

シェール革命とは、今まで難しかったシェール層からの
石油や天然ガスの採掘技術がアメリカで開発されたことで、
世界のエネルギー事情が大きく変わることを指します。

アメリカには、石油や天然ガスの100年分を超えるほどの
シェールガスが埋蔵されているとか。

本格的に採掘が始まれば、世界最大のエネルギー輸入国だった
アメリカはエネルギー輸出国になるとの見方もあります。

それでは、このシェール革命が現実のものとなると、
世界経済はどのように変わるのでしょうか?

まず、中原さんが予測するのは、世界の生産拠点が変わること。

具体的には、世界中の工場が集まっていた「中国」から、
生産拠点がエネルギーコストの安くなる「アメリカ南部」へ
移るということ。

これはアメリカ企業の国内回帰のみならず、
日本、中国、台湾の企業にも、同様の動きが出るようです。

このシェール革命で変わるのは、エネルギー事情だけに留まらず、
世界経済にも大きく影響すると中原さんは予測します。

特にアメリカはシェール革命で、エネルギー自給率が上がります。

すると、これまで中東からの原油の輸入で計上していた
貿易赤字が大幅に縮小し、経済的にも復活を遂げるそうです。

  「シェール革命の真骨頂は、なんといっても、アメリカが
  再び世界経済の絶対的な盟主に復活する大きなチャンスに
  つながるということです。」

逆に産油国である中東やロシアの経済は悪化。

日本においては、2017年以降アメリカからのシェールガス輸入が
可能になり、大幅なエネルギーコストの値下がりが実現すると
予想されています。

ですから、日本企業が苦しい時期も、あと5年だというのが、
本書での中原さんの見込みです。

  第1章 中国は崩壊もありうる
     これからは投資すべきではない
  第2章 アメリカは製造業大国になる
     エネルギー価格下落を再評価すべき!
  第3章 世界各国への投資のタイミングはいつか?
     どこの国と付き合うべきか?
  第4章 「チャイナ・プラス・ワン」から「アメリカ・プラス・ワン」へ
     アメリカは“よいデフレ”によって復活する!
  第5章 日本はこれからどうすべきか
     グローバル化の中でのリーダーの戦い方
  第6章 世界で生き抜くために今からできること
     日本力を活用せよ

この本から何を活かすか?

中原さんは、本書で「企業の失敗史」を作ることを勧めています。

いわゆる社史を作る場合、過去の栄光を綴っても
そこから学べることは少なく、失敗にこそ多くの教訓が
含まれているからです。

個人的には、この「失敗史」を作ることは、
投資やトレードを行う人にとっても必要だと思います。

過去から学ばなければ、同じ失敗を繰り返してしまいます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 社会・国家・国際情勢 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

≫ EDIT

にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語

にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語
(2013/10/08)
サム・キーン

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

本書の原題は『The Violinist’s Thumb(バイオリニストの親指)』。

このバイオリニストとは、19世紀のイタリアで活躍した
バイオリンの超絶技巧奏者として知られるニコロ・パガニーニさんです。

あまりの演奏技量の素晴らしさに、才能と引き換えに魂を
悪魔に売ったとも噂される天才バイオリニスト。

本書の著者サム・キーンさんは、パガニーニさんが取引したのは、
悪魔ではなく「DNA」だったと指摘します。

つまりは、パガニーニさんは遺伝子疾患だったために、
指が信じられないくらいに柔軟に曲がって、
最高の演奏をすることができたと言うのです。

  「遺伝子疾患のせいで彼の指が奇妙なほどしなやかだったことは、
  ほぼまちがいない。小指を手のひらに対して横向きに垂直に
  曲げられるくらい、彼の結合組織は弾性があった
  (ぜひ試してみてほしい)。さらに、彼は手を異常なほど
  広げることもできたが、これはバイオリンを弾きときに
  抜群の強みになる。」

本書は、このような遺伝子にまつわる興味深い物語を紹介する
ニューヨーク・タイムズのベストセラーにもなった
サイエンス・ノンフィクション。

  ・なぜ遺伝学者は自然淘汰説を抹殺しようとしたのか?
  ・ヒトのDNAのどれだけが本当にヒト特有なのか?
  ・人間はいつ、どうして、サルから別れたのか?
  ・遺伝子は歴史的英雄について何を教えてくれるのか?
  ・どうして一卵性双生児はまったく同じではないのか?

人間のすべての活動の中に、DNAが記録する物語があります。

それはときに天才と呼ばれたり、奇跡と呼ばれるなど、
かなり特殊な能力を発揮したように見えますが、
遺伝子の側面から考えると、十分に納得できる場合も
あるようです。

ところで、「DNA」と「遺伝子」は同じ意味で語られることも多く、
この記事の中でも、2つの言葉が混在していますが、
この違い、わかりますか?

  「DNAと遺伝子が本当は何なのかを理解するために、
  この二つの言葉を切り離す必要がある。
  二つは同一ではないし、同一だったこともない。
  DNAはものであり、あなたの指にくっつく化学物質だ。
  遺伝子にも物理的性質があり、実際のところ、
  長く伸びるDNAでできている。しかしある意味で、遺伝子は
  物質ではなく概念としてとらえるほうがよい。
  遺伝子は実は情報であり、どちらかというと物語のようなもので、
  DNAという言語で書かれているのだ。」

簡単に言うと、遺伝子は情報で、DNAはモノということですが、
これ意外にもゲノムや染色体などの用語の意味が、
ごちゃごちゃになりがちですね。

キーンさんは、淡々と科学的な事実を語るパートと、
ドラマチックに物語として綴るところを取り混ぜながら、
最後まで飽きさせない読み物として仕上げています。

ただし、言い回しが少し独特なところもあるので、
好き嫌いが別れる文章かもしれません。

この本から何を活かすか?

本書には、広島と長崎の二重被爆者となった山口彊さんの
エピソードが紹介されていました。

  「1945年8月6日、おそらく20世紀で最も不幸な男性にとって、
  1日の始まりはとても幸運だった。
  山口彊は、三菱重工広島造船所近くでバスを降りた直後、
  日本のサラリーマンには欠かせない印鑑を忘れたことに気づいた。
  寮までわざわざ引き返さなくてはならなかったため、
  そのミスにいらついたが、その日、何が起きても彼の気分は
  台無しにならなかった。彼はついに三菱の5000トンタンカーの
  設計を終え、ようやく翌日には妻と幼い息子が待つ長崎に
  帰れる予定だ。戦争のせいで彼の人生はだいぶ狂ったが、
  8月7日にすべては平常にもどるはずだった。」

「DNAは壊れるもの」としての語られるこのエピソードも
一読の価値ありです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 06:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

君に友だちはいらない

君に友だちはいらない君に友だちはいらない
(2013/11/13)
瀧本 哲史

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

2011年9月に刊行された瀧本哲史さんのベストセラー、
僕は君たちに武器を配りたい』では、企業のみならず、
個人でもコモディティ化が進むと指摘されていました。

そのコモディティ化を避けるために、
瀧本さんが新たな武器として、本書で提示するのが「仲間」。

本書は、これからの時代を生き抜くための「仲間づくり」を
すすめる本です。

「仲間」というテーマで思いつくのが、国民的マンガとなった
尾田栄一郎さんの『ONE PIECE(ワンピース)』です。

しかし、瀧本さんがチームと考えるのは、
ワンピース的な仲間ではありません。

  「私はこの『ワンピース』が提示する “仲間のあり方” に、
  両手を挙げて賛成することはできない。
  それは私が考える “チーム” がワンピース的な “仲間” とは
  似て非なるものだからだ。
  さらに言えば、今日本に生きる私たちに必要なのは、
   “ワンピース的なチームではない” と考えているからだ。」

ワンピースで描かれる仲間は、仲間のために戦う仲間。

そして、一度仲間になったら、運命を共にし、
どんな苦境が来ても、一緒に乗り越えるために戦います。

瀧本さんが本書で示す仲間は、ファンタジーの世界ではなく、
ある目的を持った人々が、目的を果たすために集まった
社会的集団です。

ですから、当初の目的を達成し、互いに必要とする時期が終われば、
離れていくチームです。

決して、ただ仲の良い「お友だち」ではないのです。

それが、本書のタイトル「君に友だちはいらない」に
つながっていくのです。

  「夢を語り合うだけの “友だち” は、あなたにはいらない。
  あなたに今必要なのは、ともに試練を乗り越え、
  ひとつの目的に向かって進んでいく “仲間” だ。
  SNSで絡んだり、 “いいね!” するだけの “友だち” はいらない。
  必要なのは、同じ目標の下で、苦楽をともにする “戦友” だ。」

瀧本さんは、SNSで友だちの数を争ったり、ラインの既読に
一喜一憂したり、居酒屋やシェアハウスで愚痴を言うような
「友だち」ごっこは人生の無駄遣い、とも言い切ります。

ワンピースの仲間も、苦楽をともにする戦友ではありますが、
同じ目的のもとに集った仲間ではありません。

「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を目指しているのは、
ルフィだけで、他のメンバーはルフィの人的魅力でつながった
仲間なので、瀧本さんの目指すチームとは異なります。

本書で、ワンピースの仲間と対極として挙げられているのが、
黒澤明監督の映画『七人の侍』です。

この傑作映画を生み出した黒澤さんのチームと
物語の中で登場するサムライのチームの両方が、
瀧本さんの目指す秘密結社的チームの理想モデルです。

本書では、どのようにすれば「七人の侍」のような
仲間と出会い、チームをつくれるのか、
瀧本さんの在籍したマッキンゼーでのチームづくりや、
多くの事例を交えながら解説します。

人脈構築術のような、小手先のノウハウを紹介する類の
本ではありません。

この本から何を活かすか?

本書には、表紙のモノクロ写真ほか、
各章の扉絵に『七人の侍』のカットが使われています。

読んでいると、久しぶりに『七人の侍』が見たくなりました。

私は、黒澤映画のファンですが、『七人の侍』から、
蜘蛛巣城』、『隠し砦の三悪人』、『用心棒』、
椿三十郎』、『天国と地獄』までの作品が好きです。

今でもシーンが蘇ってくるほど、どの作品も躍動的で、
さすがに「世界のクロサワ」と言われる名作揃い。

これらの中でも一番圧巻だったのは、『蜘蛛巣城』でした。

今年の年末年始は、これらの作品を一挙に見たいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 組織・社内教育・コーチング | 07:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

新しい自分に生まれ変わる 「やめる」習慣

新しい自分に生まれ変わる 「やめる」習慣新しい自分に生まれ変わる 「やめる」習慣
(2013/12/21)
古川 武士

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

献本いただきました。ありがとうございます。

最初に紹介するのは、習慣化コンサルタント古川武士さんが、
メルマガ読者を対象に調査した、「やめたい習慣」ランキングです。

この中に、あなたの「やめたい習慣」は入っていませんか?

  第1位 嫌なことの先延ばし
  第2位 ネットやスマホへの依存
  第3位 つい食べ過ぎてしまう
  第4位 夜更かしで寝不足になる
  第5位 ムダ遣いをしてしまう

私が特に気をつけたいのが、第3位 の「食べ過ぎ」ですね。

習慣には、「よい習慣」と「悪い習慣」の2種類があります。

「よい習慣」は「続ける」ことが難しく、
「悪い習慣」は「やめる」のが難しい。

古川さんは、2010年11月に刊行した
30日で人生を変える「続ける」習慣』で、
「よい習慣」を続けるためのノウハウを示しました。

しかし、悪い習慣を放置していると、よい習慣を駆逐します。

  「 “悪貨は良貨を駆逐する”  これはグレシャムの法則です。
  悪い貨幣(偽造貨幣)の流通を放置すると、
  よい貨幣(本物の貨幣)を人々が手元においてしまい、
  市場から消えてなくなるという意味です。
  習慣にもまったく同じことが言えます。」

せっかく「よい習慣」を身につけたとしても、
「悪い習慣」をいつまでもやめなければ、
人生や生活のベースの部分がガタガタになってしまいます。

「よい習慣」を「続ける」ことと、「悪い習慣」を「やめる」
ことは、理想の生活を実現するための両輪なのです。

本書は、コーチングやNLPのノウハウをベースに
「悪い習慣」をやめるメソッドを体系化したもの。

本書では、やめたい習慣を「行動習慣」、「身体習慣」、
「思考習慣」の3つに分類して、それぞれをやめる方法について、
具体的なプログラムを提示します。

やめたいのにやめられない人が多いことでは、
喫煙の習慣が代表的ですが、禁煙するときに、
ニコレットガムを噛むことで、イライラなどの症状を
和らげる方法が知られています。

これは、タバコを吸いたいという欲求を、
ニコレットガムに含まれるニコチンで代用して満たし、
禁煙する方法です。

本書で取り上げられる「悪い習慣」にも、
もともとその行為をすることで満たされる欲求があります。

ですから、禁煙補助剤のように、心理的なメリットを
得る代わりの行動が必要なのです。

それが、本書で紹介される「スイッチング」という技術。

スイッチングは、やめる時の苦痛を軽くしてくれます。

また、習慣によっては数週間でやめられる行動から、
数ヶ月かかる行動まであります。

本書では、その習慣をやめるのに必要な期間と症状に応じて、
対処方法が示されているのが心強いところです。

本書を手にすれば、二度と「悪い習慣」に振り回され、
自己嫌悪に陥ることもなくなるかもしれません。

この本から何を活かすか?

  食べ過ぎをやめるための習慣プラン

私が心配しているのは、ドカ食いの波が定期的にやってくること。

若い時は、ドカ食いしても基礎代謝が高いので、
脂肪として蓄積することはありませんしたが、
最近では、その分が確実に身になっている感じがします。

私はお腹が空きすぎて、飢餓スイッチが入ってしまうと、
後から気持ち悪くなるくらい、食べてしまうことがあります。

本書で示されていた「スイッチング」の行動は次の2つ。

  ・空腹がピークになりそうなら、低カロリーのヨーグルトを食べる。
  ・満腹感を味わうために、先に野菜を食べる。

今日から実践してみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ゼロ

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していくゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく
(2013/11/01)
堀江 貴文

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

  「理詰めの言葉だけでは納得してもらえないし、
  あらぬ誤解を生んでしまう。
  そればかりか、ときには誰かを傷つけることだってある。
  僕の考えを理解してもらうためには、まず “堀江貴文という人間”
  を理解し、受け入れてもらわなければならない。
  その認識が完全に抜け落ち、多くの誤解を招いてきた。
  これは最大の反省点である。」

普通の大人なら、誤解されないよう、相手を傷つけないよう
言葉を選んでしまう。

そんなことを気にせず、話すのが堀江貴文さんの魅力であり、
多くの信者を生むと同時に、多くの敵も作ってきました。

本書は、逮捕され、すべてを失い、ふたたび「ゼロ」から
始めるために、ありのままの堀江貴文さんを知ってもらうための本。

  「だから本書では、 “これまで語られてこなかった堀江貴文” の
  姿についても、包み隠さず語っていこうと思う。
  僕がどこで生まれ、どんな家庭の中で、どんな人生を送ってきたのか。
  なぜ東大をめざし、なぜ起業したのか。女の子にはモテたのか、
  モテなかったのか。カッコ悪い話も、長年抱えてきたコンプレックスも
  すべてありのままに語っていきたい。
  なぜなら僕には、どうしても伝えたい思いがあり、
  どうしても成し遂げたい夢があるからだ。」

もちろん本書で、すべてのことを洗いざらい書いているわけでは
ありませんが、確かに今まで語ってこなかった人間味を感じる部分に、
多くのページが割かれています。

こういう本をもっと前に書いていたら、堀江さんを
目の敵にしてきた大人たちの、態度も変わっていたかもしれませんし、
逮捕もなかったかもしれません。

本書の中の堀江さんからは、作られたタレントのホリエモンではなく、
人間臭い生身の堀江さんが感じられます。

堀江さんの持つカリスマ性に憧れを抱いている方には、
不評かもしれませんが、尖ったところがないので、
多くの人に受け入れられる本だと思います。

本書で堀江さんが読者に贈るメッセ―ジは、
「はたらこう」ということ。

「出所したら、最初に何をやりたいと思っていましたか?」
と出所後のインタビューでよく聞かれたそうですが、
いつも堀江さんの答えは決まっていました。

  「早く働きたい、と思っていました」

そして、何のために働くのか、その意義を本書で問います。

かつて、堀江さんの宿敵とされた北尾吉孝さんも
何のために働くのか』という本を執筆しています。

その本の中で、北尾さんは「信・義・仁」を説いていましたが、
本書で堀江さんは、失敗してゼロに戻ったときに、
あなたを救ってくれるのは「信用」だと述べています。

実は根本的な所では、堀江さんと北尾さんには、
通じる部分があったのかもしれません。

今なら、お二人とも分かり合えるかもしれませんから、
いずれ堀江さんと北尾さんの対談を企画して欲しいものです。

この本から何を活かすか?

  「チャンスをつかむのは、ノリのよさ」

チャンスは誰の前にも平等に流れてくると堀江さんは言います。

その目の前に流れてきたチャンスに、
躊躇なく飛びつくことができるかどうかが問題。

堀江さんは、そのチャンスに飛びつく力のことを、
シンプルに「人としてのノリのよさ」と表現しています。

リスクを見極めるとか、タイミングをはかることは必要なし。

好奇心のおもむくままに、フットワーク軽く
面白いと思ったものに飛びつく「ノリのよさ」が、
大きなチャンスをつかむことにつながるようです。

私は最近「ノリのよさ」とは無縁の生活をしていたので、
これを機に行動を改めたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 仕事論 | 12:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

伝わる書き方

伝わる書き方伝わる書き方
(2013/11/09)
三谷宏治

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

  「書き方のお手本を知りたいなら、実はプレゼンテーションが
  最適なのです。まずは、TED.comにアクセスしてみましょう。
  (中略)でもスライドを真似するわけではありません。
  真似すべきはトークそのものなのです。」

本書で三谷宏治さんが解説する「伝わる書き方」が目指すのは、
簡潔なプレゼンテーションのように書くこと。

なぜなら、私たちが文を理解するには、黙読した時でも、
頭の中では、音読している時と同じ状態で処理しているから。

つまり、伝わる文章とは、「聴いてわかる」ものなのです。

そこで、本書では次の3つの戦略を「伝わる書き方」の柱とします。

まず、1つ目の戦略は、「短く書く」こと。

装飾だらけの文章から無駄を省き、簡潔でわかり易い文章にします。

そのために、メイン以外はサブに落とし、漢語を減らし、
あいまいな形容詞を定量化します。

2つ目の戦略は、「構造化する」こと。

それぞれの文を塊にまとめて整理して結論を選びます。

結論につながらない部分は思い切って捨て、
結論につながる部分には、数字か実例の論拠を加えます。

そして、最後の戦略は、「波をつくる」こと。

文の初めでは相手の理解度に合わせます。

次に意外な事実を突きつけて、相手の心を動かし、
最後に裏切りや驚きを与え、相手の心の逆手を取るのです。

いずれも、書いてみて書き直すことが前提の戦略になっています。

本書に詰め込まれた技は、全部で33個。
推敲の方法論が述べられていると言ってもいいでしょう。

いずれも三谷さんが行った、1000回以上のプレゼンテーションと
20年近いコンサルティングの経験からノウハウ化されたものです。

そして、本書の魅力はバラエティに富んだ事例。

日本国憲法の全文から無駄を省いたのがこの例です。

  原文
  「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を
  支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、
  平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
  われらの安全と生存を保持しようと決意した。」

この長い文から余分な装飾や当たり前のことを省き、
理想がわかるよう、シンプルに直したのがこちら。

  「日本国民は、諸国民の公正と信義を信頼して、
  自らの安全と生存を保持しようと決意した。」

あくまでも、元の文章を切り貼りしたもので、
表現は何も変わっていません。

それでも、本当に何が言いたいのかがわかる
簡潔な文になっています。

三谷さんは、他にもキング牧師の演説を能動態に修正し、
マイケル・ポーターさんの「5力」をやさしく言い換え、
いろは歌を構造化し、ジブリ映画の広告を要約します。

また、三谷さんが文が苦手だった過去のエピソードも
紹介されているので、共感を持って読むことができます。

この本から何を活かすか?

  「ネットであまり知られていない面白情報を得る方法」

本書には、ネットでいま流行りの情報とは一味違う
三谷さんの情報検索方法が紹介されていました。

  1. 知りたいトピックをキーワードにしてグーグル検索。
  2. 「-」の記号を使ってコピペサイトが表示されないようにする。
  3. 更に「-2ch」や「-Amazonランキング」なども削除。
  4. 検索下位まで、頑張って読んでいく。
  5. 1000位くらいまで読むと、まだ多くの人に支持されていない
   面白い情報が見つかる。

ダブリ情報を消してから、面白情報を発掘するようですが、
けっこう地道な作業ですね。

また、いいネタが見つかっても、それを使う場合には、
真偽を確かめる必要もありそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 文章術 | 11:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

最強チームのつくり方

最強チームのつくり方 「依存する人」が「変化を起こす人」に成る (日経ビジネス人文庫)最強チームのつくり方 「依存する人」が「変化を起こす人」に成る (日経ビジネス人文庫)
(2013/12/03)
内田 和俊

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

著者の内田和俊さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「上司の対応が悪いから、やる気が起きない。」
  「職場の環境が悪いから、集中力が高まらない。」
  「あの人がいるから会社にいきたくない。」

もし、このように考えている人がいたら、
それは「依存者」という段階です。

依存者は、今の状況は自分以外に原因や責任があり、
自分は常に悪くないと考えます。

一方、自発的・主体的に考えて行動し、チームワークを
発揮することによって、1+1を3以上するのが、
変化を起こすことのできる「主体者」や「協働者」です。

依存者が、主体者や協働者になるためには、
職務遂行能力である「やり方」以外に、
仕事に対する心構えともいうべき「あり方」を
変えていく必要があります。

「あり方」は、仕事に対する精神的な成熟度。

内田さんは、本書で「あり方」を5つのステージに分け、
依存者を主体者に変えるアプローチを紹介します。

  ステージⅠ 自分以外に問題があると考える「依存者」
  ステージⅡ 自己中心的な「自称勝者」
  ステージⅢ 成果を実感できない「分岐点に立つ人」
  ステージⅣ 周囲に変化を起こせる「主体者」
  ステージⅤ 1+1を3以上にできる「協働者」

面白いのは、ステージⅠやⅡの人には、
コーチングが有効に機能しない可能性があるという指摘です。

この段階の人は、いかにラクをしてトクをするかを
考えている人も多いので、コーチングだけでは、
かえって逆効果になることもあるようです。

「依存者」や「自称勝者」には、何が良くて何が悪いのかを
しっかり教え込むティーチングが必要なのです。

本書では「依存する人」を「変化を起こす人」に
変えるための10のポイントが解説されています。

また、本書がユニークなのは、
部下やチームを成長させる方法を解説していると同時に、
読者自身のリーダーシップを高める内容になっていることです。

他人を育てるために本書を読むと、自分も成長できるという
一粒で二度美味しい本なのです。

実は本書は、2006年に日本実業出版社から刊行された
「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか
を増補改訂し、文庫化したものです。

旧版のアマゾンのレビューを見ると、当時もかなり好評で、
再版が望まれていたことがよくわかります。

増補改訂にあたり、チームビルディングの内容を
充実させたので、『最強チームのつくり方』に改題したようです。

7年経っても、内容は古くなるどころか、
より今の時代に求められている本になっています。

そして、理論だけでなく、実際に現場で指揮を取る
ビジネスリーダー7名の実名インタビューが掲載されているので、
本書で解説されている方法論が、リアルに伝わってきます。

この本から何を活かすか?

  「人は聞くときにギアを持っていて、無意識ではありますが、
  必ずどこかのギアに入れています。その場に応じて、
  そのときの状況に応じて、相手に応じて、
  無意識にギアをシフトしているのです。
  それが、クセとなり、パターン化しています。」

  ギア1 聞く意思を持っていない。聞く気がない。
  ギア2 聞いているつもり。
  ギア3 聞きたいように聞いている。
  ギア4 答えを出すために聞く。
  ギア5 相手の立場に立ち、相手の個性に共感しながら聴く。

私は、「ギア3」になっている場合が多ような気がする。
だから「感情のしこり」が出てくるのか・・・・。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 組織・社内教育・コーチング | 06:21 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

爆速経営 新生ヤフーの500日

爆速経営 新生ヤフーの500日爆速経営 新生ヤフーの500日
(2013/11/07)
蛯谷 敏

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

きっかけは、2011年10月26日にソフトバンクアカデミアで
行われた、プレゼンテーション大会でした。

これはアカデミアの中で選抜された受講生が、
孫正義さんの前で新事業の提案を行うというもの。

その中で、ヤフーの元社員が行ったプレゼンが、
孫さんを黙らせてしまいました。

プレゼンのタイトルは「MOTTAINAI」。

これは2004年にノーベル平和賞を受賞したケニアの女性、
ワンガリ・マータイさんによって世界的に有名になった言葉。

  「私が今、非常にもったいないと思っているもの。
  それはヤフーの経営体制です!

  ヤフーはインターネットについては日本一の会社です。
  人材、技術、ノウハウはどこにも負けない。
  しかし、せっかくの資産を経営陣は生かし切っていない」

その受講生は孫さんの前で、公然とヤフー批判を始めました。

スマートフォンが主流となる時代において、
ヤフーは存在感を失いつつある。

彼は、ヤフーからスピード感が失われ、保守的になり、
大企業病に陥っていると指摘したのです。

創業以来、売り上げ、利益ともに最高記録を
更新し続けてきたヤフー。

本体のソフトバンクは大きな利益を上げる年度もあれば、
大赤字となる年もある中で、ヤフーはこれまで屋台骨を支え、
増収増益を続け、孫さんからは絶対的な信頼を得てきました。

しかし、目の前で見せられたプレゼンもまた現実。

LINEを使う女子高生に話を聞いてみると、
「ヤフー? ああ、小学校のパソコンの授業で使ったことがある」
という答えしか返ってこない程度にヤフーの高齢化は進み、
影響力が低下していたのです。

孫さんは、沈黙する中で、本当にヤフーが失速する前に
改革の手を打つことを決断します。

そのプレゼンから3ヶ月後、ヤフーの後継者として、
白羽の矢が立ったのが、1997年入社の生え抜き社員、
宮坂学さんでした。

本書は、宮坂さんがヤフーのCEOに就任してから500日、
新生ヤフーの改革を追った記録です。

  「10倍挑戦して、5倍失敗して、2倍成功する」

これが、宮坂さんが新リーダーに就いた際に掲げたスローガン。

実は本書、当初の発売予定を1ヶ月延期して刊行されました。

それは、新生ヤフーを象徴する発表が控えていたからです。

その発表とは、2013年10月7日にリリースされた
「ヤフーショッピング」の無料化施策。

これまでショッピングの出店者から徴収していた
出店料や売り上げロイヤリティなどを廃止するという、
ビジネスモデルを大きく転換する施策です。

ヤフーの狙いは、無料化施策で出店者を大幅に増やし、
品揃えと価格競争力を高め、そこに集まった
大量のトラフィックから広告収入を得ることです。

この施策の効果で、出店数は一気に楽天を超えたと
されますから、今のところ狙い通りに、
ことが進んでいるということなのでしょう。

本書は、企業にパラダイムシフトを起こさせ、
組織を再活性化するケーススタディでもあります。

この本から何を活かすか?

本書の巻末には、ヤフーの経営陣が新体制を築くにあたり、
参考にした経営書が18冊掲載されていました。

その中から、私の好きな本を何冊か紹介します。

  ・『グーグル ネット覇者の真実
  ・『イシューからはじめよ
  ・『V字回復の経営
  ・『影響力の武器
  ・『イノベーションのジレンマ

これらは、いずれも読んで損のない名著です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 経営・戦略 | 12:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

根っからの文系のためのシンプル数学発想術

根っからの文系のためのシンプル数学発想術根っからの文系のためのシンプル数学発想術
(2013/11/08)
永野 裕之

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

  「文章を読んだり書いたりするのは得意なのに、
  数学ができないというのは矛盾している。」

これが本書の著者、永野数学塾(大人の数学塾)の
塾長を務める永野裕之さんの持論です。

本書は、「自称」文系の人が元来持っている数学の力、
数学的発想力を呼び起こすための本。

数学の本としては異例の縦書なので、
数字を使った計算はあまり出てきません。

むしろ、冒頭からセンター試験の現代国語の問題が
出てきますから、数字よりも文章を読むことに苦手意識が
ある人のほうが、尻込みしてしまうかもしれませんね。

現代国語の問題を解く場合、必要なのは論理的に考える力
ですから、数学とは根っこの部分でつながっているのです。

本書では、2004年慶応義塾大学環境情報学部の入試問題が
紹介されていました。

  【問題】次の(  )にあてはまる番号を答えなさい。

  1、2、3番の3人が面接を受けている。このうちいつも真実を
  述べるのは1人だけで、他の2人は嘘つき(いつも嘘をつく)
  である。
    1番の発言「2番の人は嘘つきです。」
  この発言から(  )番の人が嘘つきであることが確実にいえる。

実はこれ、「数学」の入試問題。

本書で養成するのは、計算力を要する数学力ではなく、
この入試問題を解くような論理的思考力なのです。

ちなみに、この問題は次のように場合分けして考えます。

1番が嘘つきの場合と正直の場合に分けて考え、
3人中2人は嘘つきで1人は正直という前提条件に当てはめます。

  1番が嘘つきの場合→2番正直、3番嘘つき
  1番が正直の場合→2番嘘つき、3番嘘つき

この結果、いずれの場合も、3番は嘘つきになるので、
答えは「3」と決まります。

さて、本書で永野さんは「数学的発想術」を次の7つの
パターンに分けて解説します。

  パターン1. 整理する
  パターン2. 順序を守る
  パターン3. 変換する
  パターン4. 抽象化する
  パターン5. 具体化する
  パターン6. 逆の視点を持つ
  パターン7. 数学的美的センスを磨く

図も多用され、数字や計算式をほとんど使わず、
数学的発想術が、わかりやすく解説されています。

もちろん読んだだけで、すぐに数学的発想術が
身につくわけではありませんが、普段の生活の中でも、
どんな視点を持つべきか、どのように考えるべきかが
よくわかります。

これらの思考法を身につけると、仕事や日常生活で遭遇する
様々な問題に対して、解決の糸口がこれまでとは
比べられないくらい確実に見つけられるようになるようです。

この本から何を活かすか?

  「世の中には説明の上手な人とそうでない人がいます。
  私のみるところ、説明が下手な人はだいたい次のどちらかです。

    ・具体的にしか言わない。
    ・抽象的にしか言わない。」

つまり、わかりやすい説明をするには、
具体と抽象とを行き来することが必要ということ。

今、自分の説明が具体なのか抽象なのかを常に意識して、
抽象的に話したら、次に具体例を出し、
詳細を語ったら、汎用性の高い抽象的なまとめをする。

この具体と抽象を往復するのが、
わかりやすい説明のポイントなんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 数学 | 06:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

マッキンゼー

マッキンゼー―――世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密マッキンゼー―――世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密
(2013/09/21)
ダフ・マクドナルド

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

世界中の大企業のみならず、政府に対しても大きな影響力を
持つ経営コンサルタント会社、マッキンゼー&カンパニー。

マッキンゼーには、世界中の最も優秀な頭脳が集まり、
ハーバード・ビジネススクールとも共生関係があります。

そんなマッキンゼーにコンサルティングの仕事を依頼すれば、
最高に優秀な人材から、最も高額なフィーを要求されます。

果たして、マッキンゼーは、そのフィーに見合う、
本当に価値のあるコンサルティングを行っているのでしょうか?

本書は、最強のコンサルティングファームとして君臨する
マッキンゼーの功績と失敗、その歴史を綴るノンフィクション。

著者はニューヨークを拠点に活躍するカナダ人ジャーナリストの
ダフ・マクドナルドさん。

ジェームズ・マッキンゼーさんによる創成期から始まり、
マービン・バウアーさんによる発展と輝かしい実績、
新興のBCGへシェアを奪われながらも戦略転換で復活、
GMやエンロンでの失敗と、最高責任者の不正問題まで描きます。

更に、世界を動かすマッキンゼー・マフィアのネットワークと
今後のマッキンゼーの可能性にまで言及しています。

マッキンゼーへの単なる礼賛でも批判でもなく、
その矛盾に満ちた実態、光と影が入念に描かれています。

その歴史の中で、やはり注目すべきは大前研一さんの功績。

日本人のマッキンゼー出身者で活躍している方は多数いますが、
社史に名を残しているのは、大前さんしかいません。

では、大前さんについて書かれている内容をいくつか紹介します。

  「ハーブ・ヘンツラーがマッキンゼーの最後のバロンだとするなら、
  大前研一は唯一のエンペラーだった。
  しかし、ヘンツラーはセールス・マシーンであるのに対し、
  大前はむしろ扇動家だった。」

  「エゴの強い社員で満ちた会社で、大前はほかの社員よりはるかに
  優秀だった。何と言っても彼は、世界中の政府のために声明を
  準備するような人物だった。彼と同時期にマッキンゼーにいた
  元コンサルタントは、次のように言う。
   “大前のことは知らなかった。でも誰もが、彼に会ったときには
  いまだかつてないほどの頭の切れる人物と話していることが
  わかると言った。なぜなら、彼自身がそう言うからだという。” 」

  「大前への大きな注目は、マッキンゼーにとっては諸刃の剣だった。
  彼に魅了された日本人クライアントから仕事が流れ込んだが、
  彼の評判は、個人よりも会社を重視するマッキンゼー精神への、
  大きな圧力となった。日本支社のあまりにも重要なシンボルに
  なってしまったため、1994年に大前がマッキンゼーを去ったときには、
  多くの日本人クライアントがマッキンゼーのほかのコンサルタント
  との仕事を望まないほどだった。」

大前さんは、トム・ピーターズさん、ハーブ・ヘンツラーさんと
並ぶ、マッキンゼーが生んだスーパースターなのです。

よく、大前さん自身からその伝説的な活躍ぶりを
語ることがありますが、その事実を本書は裏付けていますね。

本書は、マッキンゼーやコンサルタント業界に興味がある方、
そして大前さんファンの方は十分楽しめる一冊です。

この本から何を活かすか?

  「マッキンゼーが成長をつづける一方で、影響力がともなわない
  という議論が出るようになった。現在の勝者で、マッキンゼーに
  助けられてその地位を獲得した企業はほとんどいない―
  アップルやグーグルを考えればわかる。
  マッキンゼーの代表的な勝者は、アメリカン・エキスプレスや
  AT&T、シティバンク、GM、メリルリンチなど、
  古くからある産業分野の企業だ。」

私は、大前さんの発言を聞いて、歴史ある会社へのアドバイスは
本当に的を射ているように感じます。

しかし、新しいネット企業への言及には、
たまに違和感をおぼえることがあります。

それは、このマッキンゼー体質が原因なのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 06:28 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

≫ EDIT

小飼弾の失言学

小飼弾の失言学小飼弾の失言学
(2013/11/02)
小飼 弾

商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:17

小飼弾さんは、ある連載で次のように書きました。

  「今回はまだ書かれていない本について書く事にする。
  あればベストセラー間違いなし、柳の下にどじょうが
  何匹どころか入れ食い状態というそういう本なのだが、
  なぜかまだどこも出していない。それは、失言集。」

この発言に対し、「だったら、おまえ書け!」という反響があり、
小飼さんも「だったら書いてやる!」と返して
出来上がったのが本書です。

果たして、本書はベストセラーになったのか?
また、続編をいくらでも出せるほど、入れ食い状態なのか?

実際は、それほどでもなかったように思えます。

なぜなら、先の発言自体を小飼さんは「失言」と認めているから。

  「失言を糊塗するために言を重ねるうちに、また失言・・・・。
  本書の成り立ち自体が、 “失言リスク拡大” の
  ケーススタディのようです。」

小飼さんは、「失言」について、本書で次のように条件付けします。

  「失言は、発言そのものではなく、立場が決めるということです。」

同じ内容でも、別の立場の人が発言したら失言ではなく、
ある特定の立場の人が発言すると、失言になるということ。

つまり、冒頭の発言は、小飼さんが本を書く立場
だったから失言となったというわけです。

明らかに本を書けない又は書かない立場の人の発言なら、
「だったら、おまえ書け!」とツッコまれなかったということです。

本書で、小飼さんは古今東西の著名人の「失言」を集め、
その傾向と対策について解説します。

そもそも人間には4つのタイプがあると、小飼さんは言います。

  A : おしゃべりで失言が多い
  B : むっつりで失言が多い
  C : おしゃべりで失言がない(少ない)
  D : むっつりで失言がない(少ない)

この中で、いいところが何もないのがBとDの「むっつり型」。

なぜなら、このタイプは、失言にならないよう自分の発言の
精度を上げる学習機会を放棄してしまっているから。

目指すのは「おしゃべり型」で、Aタイプの人が、
失言による失敗体験を経て、Cタイプになることです。

また、為政者などの立場の人は、事前にしっかりと台本を用意し、
直言を避けるのが失言しないポイントと書かれています。

決して、思いつきで発言してはいけません。

むしろ、予定稿を作ってそれを読み上げることに徹する
「棒読み」こそが有効な失言対策であるようです。

小飼さんが、棒読みの達人として挙げるのが、
故スティーブ・ジョブズさんと、日本の皇室です。

ジョブズさんは、プレゼンを行う際には、綿密なリハーサルを
繰り返し、予定稿を一字一句練り上げることで知られています。

ただし、プレゼン以外ではいろいろと放言していましたから、
Cの「おしゃべりで失言がない」タイプとも違いますね。

また、皇室の発言としては、東日本大震災直後に、
天皇陛下が行った「平成の玉音放送」を取り上げています。

  「このとき、 “棒読み” を非難する声はまったくありませんでした。
  そもそも多くの国民が天皇に期待しているのは、
  いつもながらの “棒読み” なのです。」

この本から何を活かすか?

本書は188ページ、行間もかなり広めです。

小飼さんは、執筆前は「失言集」ならネタに困らないと
考えていたのかもしれませんが、実際に書いてみると、
意外と書けないと感じたのかもしれません。

本書のタイトルは「失言学」となっていますが、
あくまで「失言集」の域を出ていません。

個人的に本書に物足りなさを感じたのは、
ネットと失言の関係が、サラッとしか書かれていないこと。

この点に期待していましたが、小飼さんらしい独自の視点が
少なかったように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

カンブリア宮殿 村上龍の質問術

カンブリア宮殿 村上龍の質問術 (日経文芸文庫)カンブリア宮殿 村上龍の質問術 (日経文芸文庫)
(2013/10/25)
村上 龍

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

  「たとえば、あなたがあるセミナーに参加すると仮定しよう。
  安くない参加費を払った重要なセミナーである。
  講師が最後に “何か質問はありませんか” と聞く。
  あるいは、あなたが就活で最終面接に残ったと仮定する。
  人事の担当から、いろいろ聞かれたあと、 “当社について、
  何か質問がありますか” と言われる。
  いずれの場合も、あなたの質問はとても重要で、
  場合によっては人生を左右するかもしれない。」

村上龍さんは、本書の「あとがきに代えて」で、
このような場面を想定させて、質問の重要性を説いています。

まず、的確な質問をするためには、準備が必要。

それはセミナー講師の著書を読むことであり、
面接を受けた会社に関する資料を読み込んでおくことです。

しかし、それだけでは「核となる質問」は出てきません。

なぜなら、「核となる質問」は、相手への興味であり、
好奇心から生まれるものだからです。

本書は、村上さんがインタビュアーを務める
テレビ東京の人気番組「カンブリア宮殿」を題材に、
村上さんの質問術を公開した本です。

流れの中から繰り出される、村上さんの核心を突く質問も、
用意周到な準備と、相手に対する旺盛な好奇心から
繰り出されていることがよくわかります。

問題解決は、適切な「問い」が設定できた時点で、
ほぼ解決するとも言われます。

それだけ重要な「質問」の仕方について、
私たちは今まで習う機会はありませんでした。

本書は、「質問」の仕方を学ぶための生きた教材です。

「カンブリア宮殿」は1時間番組ですから、
「核となる質問」1つだけで、番組は成立しませんし、
冒頭でいきなりその質問をぶつけるわけにもいきません。

ですから、本書では「核となる質問につなげていくための質問」、
「核となる質問から派生する質問」、
「時系列と空間軸の変化に注目した質問」、
「ユーモアとリスペクト」など他の質問や構成要素についても
解説されています。

実際に番組で行われた17人の経営者に対するインタビューと
その準備のための想定質問メモも掲載されています。

ただし、教材として使われるインタビュー内容が、
あまりに面白いため、質問の仕方よりも、つい話の内容に
興味が移ってしまいそうになるのが欠点でもあります。

話に引き込まれすぎると、インタビュー全てが掲載されている
わけではありませんから、欲求不満になる可能性もあります。

そんな時は、別途『カンブリア宮殿 村上龍×経済人』を
読んだほうがいいのかもしれませんね。

また、村上さんの作家ならではの質問術は、
ビジネス書によくある質問術とも異なります。

まるで小説のキャラクターを立体的に描くように、
相手の人間的な魅力や深みを引き出していきます。

この本から何を活かすか?

  「どうしてミシン製造会社であるブラザー工業が、
  プリンターやファックスやカラオケを作ることができたのか。
  蛇の目、リッカーなどは無理だったのに」

これは、ブラザー工業小池和利社長へのインタビューで
用意された「核となる質問」です。

実は、本書を読む数カ月前から、我が家のプリンターの
調子が悪く、新しいプリンターの購入を検討していました。

それまでプリンターと言えば、キヤノンとエプソンの2択
でしか考えていませんでしたが、本書を読んでブラザーも
選択肢に加わりました。

最近、あまり使わなくなったファックスも置き場所を
変えたかったので、無線ファックス対応の
BROTHER PRIVIO MFC-J820DN」の購入を決めました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| コミュニケーション | 11:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

その科学があなたを変える

その科学があなたを変えるその科学があなたを変える
(2013/10/25)
リチャード ワイズマン

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

1968年、米アイオワ州の小学校教師、ジェーン・エリオットさんは
授業の中で、驚くべき実習を行いました。

エリオットさんは、青い目をした子は、茶色い目をした子より
優秀だと教室で話したのです。

最初は信じなかった生徒たちも、青い目は色素のせいであり、
その成分が頭の良さに影響するという、もっともらしい説明を
加えると一様に信じました。

生徒が、この偽りの説明を信じたところで、
エリオットさんは、次のようなルールを設けました。

青い目の子は優秀なので、昼食のお代わりができ、
休み時間も長くとれ、教室の前に座ることができる。

一方、茶色の目の子どもは、茶色の目の子としが遊んではいけない、
青い目の子どもたちと同じ水飲み場を使ってはいけない。

更に、違いを際だたせるために、茶色い目の子どもたちに
首輪のようなものを着けさせました。

すると、子どもたちの人格は劇的に変わり、
青い目の子どもは偉そうに威張り散らすようになり、
茶色の目の子どもはオドオドと卑屈になりました。

テストでも、青い目の子どもは茶色の目の子どもより
良い点数を取るようになったのです。

数日後、エリオットさんは、先日は私が間違っていた、
本当は茶色の目の子どものほうが、青い目の子どもより
優秀なのですと言いました。

すると、子どもたちの自己意識は逆転し、青い目の子どもは
控え目になり、茶色の目の子どもが自信にあふれた行動を
とりはじめました。

最終日、エリオットさんは、これはすべて差別される人の
気持ちを理解するための実習だったと説明し、
青い目の人も茶色の目の人も能力に差はないと話し、
子どもたちに着けていた首輪を外すように言いました。

すると、生徒の中では泣き出す子が続出し、
互いに抱き合う子も大勢いたそうです。

今の時代では、できないような大胆な実験ですが、
これは「行動」が「感情」を生み出す最たる例です。

よく、人は幸せを感じて笑うのと同様に、
笑うと幸せを感じられるとも言われます。

このように、因果関係を逆にして、感情を呼び起こすために、
そうであるかのような行動を先に取ると効果があることが
知られています。

本書の著者、 リチャード・ワイズマンさんは、
これを「as if(のように)の法則」と名付けています。

本書は、○○のように振る舞うと、そのような感情になることを、
数多くの実験データで裏付けて解説する本です。

また、単に「as ifの法則」を説明するだけでなく、
行動を変えるための様々なエクササイズも用意されています。

ワイズマンさんは、本書の冒頭で読者に「ルール」を破るように
言います。

これは印刷された「ザ・ルールブック」(ただの紙)というページを
破り取って、4つにちぎり、丸めて4つの紙玉にするエクササイズ。

それが本書の原題「Rip It Up(破ってみよう)」なのです。

3年前に刊行されたワイズマンさんの
その科学が成功を決める』は、本当に素晴らしい本でしたが、
本書もそれに迫る興味深い本でした。

この本から何を活かすか?

  「自分の弱点を左手で書くと自信がアップする」

これは、紙と鉛筆を使うエクササイズです。

  1. 自分の自信度を1(まったく自信なし)から7(非常に自信あり)
   までの点数で評価する。

  2. 自分の良い特徴にあてはまる形容詞を3つ、自分の悪い特徴に
   あてはまる形容詞を3つ書き出す。

  3. 鉛筆を聞き手と逆の手で握り、自分の悪い特徴として挙げた
   3つの形容詞をゆっくり紙に書く。

  4. 鉛筆を聞き手で握り、自分の良い特徴として挙げた3つの形容詞を
   ゆっくり紙に書く。

  5. 自分自身に感じる自信度を1から7までの点数で評価する。

すると最初の自信度に比べて、点数が上がる傾向にあるそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ジェフ・ベゾスはこうして世界の消費を一変させた

ジェフ・ベゾスはこうして世界の消費を一変させた (PHPビジネス新書)ジェフ・ベゾスはこうして世界の消費を一変させた (PHPビジネス新書)
(2013/10/19)
桑原晃弥

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「ベゾスを知ることは、インターネットが変えたマーケティングの
  常識や顧客サービスのありよう、経営手法などを知ることでもある。
  本書はそんなベゾスの言葉を見開きスタイルでまとめたものだが、
  なかにはつい “当たり前だろう” と思える言葉も少なくない。
  しかし、大切なのは “見たことがある” とか “聞いたことがある”
  ではなく、 “やっているか”  “実行しているか” だ。
  知っていても実行しなければさしたる意味はない。」

本書はサブタイトル「ネットビジネス覇者の言葉」の通り、
Amazon.com の創設者でありCEOのジェフ・ベゾスさんの発言を
まとめた本。

ベゾスさんの発言から、その素顔を読み解き、
同時にネットビジネスでの成功の秘訣を探ります。

右ページには、ベゾスさんの象徴的な言葉が大きなフォントで
掲載され、左ページにはその言葉が出た背景や、
ライバルとの比較などの解説文が掲載されています。

ベゾスさんの名言集と言ってもいい本ですが、
解説もしっかり書かれているので、
一般的な名言集より読み応えのある本です。

著者の桑原晃弥さんは、スティーブ・ジョブズさんの本を
何冊か執筆していますから、ベゾスさんとジョブズさんの
比較も良く出てきます。

この2人の共通点に、成功するための原則が
隠されているのかもしれません。

例えば、今では当たり前になった1時間ごとに更新される
アマゾンランキング。

当初は、過去24時間の売上に基づくランキングを表示していました。

これを1時間単位で更新しようというアイディアが出たときに、
その場にいた誰もが「ばかばかしい」と思ったそうです。

それに対し、ベゾスさんはこのように言い切りました。

  「48時間あればできるはずだ。私がそうしたいんだ。実行しよう」

インターネットの世界では、スピードが命。

ジョブズさんも、目標を達成するために3ヶ月の計画を
説明しようとする部下に、同じような無茶な要求をします。

  「僕はね、一晩で成果をあげて欲しいんだよ」

また、マイクロソフトでもビル・ゲイツさんは、
部下たちが何か素晴らしいことを成し遂げた後でも、
理不尽なほどのスピードへのこだわりを見せたと言います。

  「なんで2日前にしなかったんだ」

常人の感覚からすると、異常と思えるほどのスピードへの執着が
ビジネスで他を圧倒する成果を出す要因なのでしょう。

消費の世界を一変させた、ベゾスさんですが、
アマゾンは今後、どのようなビジネスを目指すのでしょうか?

  「我が社の戦略は電子商取引の最終目的地になることです。
  オンラインで何かを買おうと思った時、それが我々の扱っていない
  商品であっても、とにかくうちのサイトに来てもらいたいのです。
  うちのサイトに来れば、買いたいと思っているものを探したり、
  見つけたるすることが簡単にできるという環境にしたいのです」

ベゾスさんが狙っているのは、ショッピング・ポータルに
なることです。

この本から何を活かすか?

  「キンドルで分厚い本が便利に楽に読めるようになると、
  消費者はもっと長編作品を読むようになるだろう。
  もっと読書をしてもらいたいなら、それを楽にすればいい。
  我々が目指しているのはそれなんだ。
  常に本を持ち歩くようになれば、当然読書量は増えるだろう」

私は、第2世代のKindle Paperwhite ニューモデルを購入しました。

実際に使ってみると、ページが勝手に閉じてしまわないことが、
思いのほか快適。

ベゾスさんの狙い通り、Kindleのおかげで、
それまで読む機会が少なかった小説を読むようになりました。

業界2位の10倍になるには、他社のわずか10%だけ優れていればいい
ともベゾスさんは発言していますから、
Koboとの差も、今後更に拡大していくのではないでしょうか。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 06:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

日本経済は大企業と金持ちから完全復活する!

日本経済は大企業と金持ちから完全復活する!日本経済は大企業と金持ちから完全復活する!
(2013/12/04)
中島 孝志

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

さくら舎さんから献本いただきました。ありがとうございます。

タイトルの通りですが、日本経済を復活させる処方箋として、
「輸出企業」と「お金持ち」を優遇せよということを説いた本。

著者は「通勤快読」でおなじみの中島孝志さん。

ところで、お金持はどれぐらいの割合でいると思いますか?

スイスの金融機関の調査によれば、資産家の定義は、
純資産100万ドル(約1億円)以上の富裕層のことを指します。

では、昨日紹介した木原直哉さんの『勝つための確率思考』に
習って、お金持ちの出現率を計算してみましょう。

純資産100万ドル超の人口は、日本では約360万人。

全体の人口は約1億3千万人ですから、
130,000,000÷3,600,000=36.1
約36人に1人の割合でお金持ちがいることになります。

学校のクラスに1人が、お金持ちになるイメージですね。

すると、36人のクラスで「割り勘」をしたときに、
この1人のお金持ちが、かなりの割合の勘定を
負担してくれている状況です。

その1人のお金持ちに「他の35人はお金がなくて厳しいので、
もっと負担してくれないか?」と聞いてみたらどうでしょうか?

もちろん、お金持ちだってビジネスやスポーツなどで、
人並み以上の努力をした結果、やっと作った資産です。

毎回毎回、割り勘の度に、けっこうな額を支払っていたら、
働いてお金を稼ぐモチベーションが削がれてしまいますし、
そのクラスを抜けて、もっと支払割合の低いクラス(アメリカ)
へ移ってしまうかもしれません。

  「日本経済を発展させるためには、金持ちを大切にし
  (少なくとも粗末にしない)、優秀な “人財” に国内で能力を
  フルに発揮させる税制をととのえ、そしてきちんと報いること。
  アベノミクスでいちばん重要なことは、成長戦略ではなかったか。
  働く人のモチベーションが下がるような税制に未来はない。
   “人財” に日本脱出を考えさせるようでは、
  日本沈没は避けられない。」

中島さん自身も、アメリカで執筆活動や講演活動をしようかと
真剣に考えているそうです。

こういった考えの方が増えると、税収の面というよりも、
リソースの部分で、日本にとって大きな痛手となりますね。

  第1章 まずは輸出企業から儲けなさい
  第2章 輸出企業優遇で世界市場を勝ち抜く
  第3章 地熱発電で日本はエネルギー大国になる
  第4章 中韓が吠えても日本には勝てない
  第5章 金持ちを大切にすれば日本はもっと繁栄する
  第6章 日本は文化観光立国をめざせ

また、本書のもう1つの目玉「輸出企業優遇」については、
次のように述べられています。

  「日本の輸出依存度は15%しかない。日本は内需国家である。
  しかし内需企業は輸出企業に比べると、第一線の厳しい競争に
  さらされていないから、生産性はそれほど高くない。
  輸出企業は生産性が高くなければ、競争に負ける。
  生き馬の目を抜く修羅場で闘っているのだ。
  わたしたちは輸出企業と内需起業をきっちり “分別処理”
  すべきなのだ。輸出企業を、その他大勢の企業と同じ次元で
  考えてはいけない。輸出企業は日本社会を安定させる軸なのだ。」

この本から何を活かすか?

アベノミクスでは、2020年に2500万人の外国人観光客を
集客すると宣言し、東京オリンピックが決まってからは、
その目標が2030年までに3000万人と引き上げられています。

しかし、中島さんはこの目標でも、まだ低すぎると言います。

  「わたしは3000万人ではなく、人口と同じ1億2700万人を
  目指すべきだと考えている。」

その理由は2つ。

1つは、フランスが人口を超える観光客を集客しているから。

そしてもう1つの理由は、消費税は観光客から取ることが
できるからのようです。

私も観光については、日本はポテンシャルを秘めているので、
もっと力を入れて取り組むべきだと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 経済・行動経済学 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

勝つための確率思考

東大卒ポーカー王者が教える勝つための確率思考東大卒ポーカー王者が教える勝つための確率思考
(2013/10/23)
木原 直哉

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

著者の木原直哉さんは、東大を卒業してどこにも就職せず、
プロのポーカープレイヤーになりました。

周りからは、「もったいないことをしましたね」と
うんざりするほど言われたそうです。

本当に、東大という学歴に対して、プロのポーカープレイヤーに
なることは、もったいないことなのでしょうか?

木原さんは、本書でそれぞれの出現率を計算しています。

まずは、東大生の出現率。

木原さんと同世代の受験生は150万人、
それに対して東大の定員は3000人。

単純に割り算すると、500人に1人が東大生。

しかし、医学部に進む人、留学する人、京大に進む人など、
学力的に東大に入れるレベルの人を考慮すると、
おおむね100人に1人から200人に1人、
上位0.5%~1%の割合が、東大に入れる人のようです。

小学校で3クラスあれば、その中で1人は東大生に
なる計算なので、意外と高い割合ですね。

それに対して、世界中のポーカープレイヤーは数億人。
その中で、スポンサーがつくほどのプロは数百人しかいません。

これも単純に割り算すると、およそ100万人に1人、
競技人口のわずか0.0001%がプロのポーカープレイヤーなのです。

ですから、東大に入ることよりも、プロのポーカープレイヤーに
なることの方が断然難しいのです。

  「東大に入るということは、学力という面で上位1%に入った、
  というだけのことです。どんな仕事でも、プロの仕事は
  上位1%に入ることからスタートします。」

世間では「東大卒」が過大評価されている訳ですが、
その事実を知っているからこそ、木原さんは、
本書のタイトルにあえて「東大卒」と入れているのです。

本書はポーカーの解説書でも、ギャンブルの必勝本でもありません。

ポーカー以外の日常生活でも、リスクに見合う範囲で、
期待値が最大になる行動を常に取ることを信条とする、
木原さんの「確率思考」を伝える本です。

例えば、東京から大阪まで自腹で移動する場合。

移動手段の選択肢は新幹線と高速バスの2つだと仮定します。

新幹線は片道約13000円で、所要時間は2時間半。
一方、高速バスは片道3000円で、所要時間は9時間だとします。

あなたは、どちらの移動手段を使いますか?

もちろん所持金や時間の制約により、選択肢が1つに
絞られてしまう場合がありますが、それを抜きに考えてください。

木原さんは、新幹線を選択します。
と言うより、この2つの選択肢がある場合、高速バスには乗りません。

なぜなら、事故のリスクが圧倒的に違うからです。

新幹線は50年近い歴史の中で、死亡事故はゼロ件。

それに対して、高速バスは他の車と同じ道路を走りますから、
事故に遭う確率が低いとは言え、ある程度存在します。

木原さんは、自分の命の価値と、事故リスクを考えて、
高速バスには乗らないという判断をするのです。

木原さんの確率思考は、かなり合理的。

  「その時点で起きている事象に対し、自分の幸運・不幸は
  考えても仕方がありません。考えても意味のないことは、
  一切考えるべきではないのです。」

ビジネスでもスポーツでも勝敗を左右するのは、
その時の「運」と「実力」の合計値です。

「運」は考えてもコントロールできませんから、
ただひたすら「実力」を磨くことに専念するのです。

この本から何を活かすか?

  「ポーカーとはある意味では降りることでもあり、
  小さく負け続けること、負けを小さくし続ける
  ゲームでもあるのです。」

勝てない勝負では、素早く降りて損失を抑える。
そして有利な局面が訪れるのをじっと待つのです。

これはトレードにも通じる考え方ですね。

本書は、トレードや投資をする人にも参考になります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 06:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

数学を変えた14の偉大な問題

数学を変えた14の偉大な問題数学を変えた14の偉大な問題
(2013/10/18)
イアン・スチュアート

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

  「偉大な問題を偉大にしているのは何か?
  それは、学問的な深遠さと、単純さやエレガントさとの
  組み合わせである。またそれに加え、難しくなければならない。
  小山なら誰でも登れるが、エヴェレストとなると
  まったく話が違ってくる。」

本書の著者は、英国の第一線級の数学者で、
世界を変えた17の方程式』などポピュラーサイエンス書の
著者としても有名なイアン・スチュアートさん。

本書では、数学の営みをまったく新たな方向へ突き動かした
きわめて重要な問題を選び、その内容、背景、意義、現状を
一般向けに平易に解説します。

偉大な問題として選ばれたのは、ゴールドバッハ予想、四色定理、
円の正方形可、ケプラー予想、モーデル予想、リーマン予想、
フェルマーの最終定理、三体問題、ポアンカレ予想、P/NP問題、
ナヴィエ=ストークス方程式、質量ギャップ仮説、
バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想、ホッジ予想の
14の問題です。

2000年以上の数学の歴史の中で、いまだ未解決な問題と、
この50年以内に解決された問題が中心です。

「○○予想」という名前の問題が多いのは、次の理由から。

ある数学者が何らかの計算を思いつきます。

いくつかの実例を計算すると、そこに一定のパターンが
あることに気づきます。

そのパターンが、すべての例に成り立つことを予想します。

それを証明するのが、「○○予想」という証明問題です。

出てきた背景が、これとちょっと違うのが、
かの有名なフェルマーの最終定理。

  「立方数を2つの2つの立方数に、4乗数を2つの4乗数に、
  あるいは一般的に、2乗より大きいすべての次数の累乗数を
  同じ次数の2つの累乗数に分割することは、不可能である。
  その真に驚くべき証明を発見したが、この余白が狭すぎて
  書くことができない。」

17世紀の一流数学者のピエール・ド・フェルマーさんが
古典的な教科書の余白に書き残したメモを、
300年以上もの間、誰も証明できなかった難問でした。

1995年にアンドリュー・ワイルズさんが解くまで、
数多くの数学者が長年挑戦し、諦めていった問題でした。

この問題を解くことに、どのような意義があるのでしょうか?

  「それは、数学界がその答えを見つけられないことが、
  とてつもない影響を及ぼすからだ。自尊心を傷つけるだけでなく、
  現在の数学理論に、何かきわめて重要な事柄が
  欠けていることを意味する。」

これは、どの問題についても共通して言えること。

特にフェルマーの最終定理は、簡単に書き表すことができ、
余白に残されていたメモが発端で、その謎めいた雰囲気を
一層深めていました。

本書で紹介されるのは、数学を大きく進歩させてた難問と、
未だ解くことができない大問題。

ほとんど数式を使わず、直感的に理解できるように説明され、
その問題にまつわるドラマが紹介されています。

数学の魅力を存分に伝えるオススメの良書です。

この本から何を活かすか?

アンリ・ポアンカレさんのアイディア発想法

  「ポアンカレは自らの苦悩の経験に基づいて、
  準備という初期段階が欠けると先に進むのが難しいと指摘した。
  無意識がめぐらせるにはたくさんの材料が必要であり、
  そうでないとアイディアを思いがけない形で組み合わせて
  最終的に答えを得ることはできないという。
  努力がひらめきを生むのだ。」

何よりも直感を信じたと言われるポアンカレさんですが、
その背景には、かなりの努力があったということですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 数学 | 06:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

「価値」が伝わるしくみのつくり方

「価値」が伝わるしくみのつくり方「価値」が伝わるしくみのつくり方
(2013/10/25)
新城健一

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

「サービス」という言葉は、いろいろな意味を含んでいます。

商品を買ったときにつける「おまけ」や値引きであったり、
「サービス精神」で使う時は、奉仕することだったりします。

また、サービス業という言葉からは、食事や飲み物を提供する
サービス業や、情報を提供するサービス業などを連想します。

本書でデザインするサービスは、これらの一般にイメージされる
サービスとは異なり、企業が顧客と結びつく「しくみ」
のことを指します。

本書の著者、新城健一さんはサービスプロデューサー。

新城さんは、カフェやレストラン等のサービス業を
プロデュースしていると誤解されることもあるようですが、
実際は企業が顧客と結びつける「しくみ」作りをしているのです。

従来は、「製品」が企業と顧客を結びつけていました。

しかし、製品が溢れる今の時代においては、
それだけで、企業と顧客に強いつながりはできません。

企業は「論理」のストーリーで動き、
顧客は「感情」のストーリーで動きます。

この2つのストーリーを結ぶしくみを作ることが、
サービスプロデューサーの仕事なのです。

本書の目的は、サービスを考案できるようになること。

そこで新城さんは仮想プロジェクトを設け、
サービスの構築方法を3つのステップで解説します。

仮想プロジェクトでは、クライアントを「シイタケが嫌いな
子どもを持つ母親」と設定し、「シイタケが嫌いな子どもに、
シイタケを好きになってもらいたい」という母親の思いに応える
サービス構築を目指します。

ステップ1では、ビジョンを構築するためのツール、
ステップ2では、プロジェクトの流れなどの枠決めのためのツール、
ステップ3では、サービスの内容を考えるためのツールが
それぞれ紹介されています。

紹介されるツールは全部で13。
いずれも実践でも使えるように、図や表と共に解説されています。

そして最後の章では、見事にまとめられたプレゼン資料が、
クライアントである母親に提案する想定で掲載されています。

単にノウハウの解説だけだと、実際にそれでどのようなサービスが
出来上がるかが想像できませんが、仮想とは言え、
完成したプロジェクトのプレゼンスライドをまとめて見ることで、
サービス構築の過程がリアルに想像できるようになります。

本書で、特に力を入れて解説されてるのが、
ステップ3のサービスの内容を考えるパートです。

さすがに本書の要ですから、このパートの解説だけで
90ページ弱の紙面が割かれていました。

新城さんのサービス創出法は、かなり独特のものがありますが、
だからと言って、決して汎用性が低いわけではありません。

顧客との関係づくりにはもちろんですが、
プロジェクトや新規事業の立ち上げなどでも
参考にできる一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

  「なぜ、紙の本を出版するのか?」

本書の冒頭で、この問いが掲げられています。

電子書籍のムーブメントが起こっている中で、
新城さんは、あえて紙で本を出すことの意義を自分に問います。

その結果、電子書籍ではできない物理的なユーザー体験を
提供するために紙媒体が最適という結論がでました。

ですから、本書は次の利用方法が推奨されています。

  1. 書き込む
  2. 折り曲げる
  3. 撮影して持ち歩く

私は最近、電子書籍でも本を読むようになりましたが、
小説は電子書籍、ビジネス書は紙という使い分けをしています。

ビジネス書からは、新城さんの言うような
物理的なユーザー体験を得たいという欲求から、
自然と棲み分けをしていたのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| アイディア・発想法・企画 | 08:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

稼ぐ! ロジカル株投資

稼ぐ! ロジカル株投資 個人投資家だからできる「勝者のゲーム」稼ぐ! ロジカル株投資 個人投資家だからできる「勝者のゲーム」
(2013/12/04)
太田 忠

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

さくら舎さんから献本いただきました。ありがとうございます。

  「資産運用とは “気づき” であり、 “気づくか、気づかないか” が
  投資家としての明暗を分けると私は考えている。
  だから、多くのことに “気づく” 投資家になっていただきたいのだ。
  多くのことに気づいていれば、壊滅的な損失からは無縁となり、
  やってはいけないことをやらない投資家になることができる。
  これは非常に大切なことだ。
  本書では、あなたの大切な資金を着実に増やすための戦略、
  言わば“失敗”しないための “投資のルール” を40に絞って
  紹介した。」

本書の著者は、各種のアナリストランキングにおいて
5年連続トップに輝いた実績のある太田忠さん。

太田さんが、本書で提唱するのは、
株式投資において、「勝者のゲーム」をすることです。

元ネタは、チャールズ・エリスさんの名著『敗者のゲーム』。

大多数のアクティブファンドはインデックスファンドより、
パフォーマンスが劣る「敗者のゲーム」になることが
知られていることから、太田さんが命名したものです。

機関投資家と比べて制約のない個人投資家に、
リスク管理をして、負けないゲームをしようという思いで、
本書のサブタイトルにも「勝者のゲーム」と謳ったようです。

個人投資家で、失敗する典型は、小さな利益を重ねても、
一度の大きな損失で市場から退場を喰らってしまうパターン。

いわゆる、「コツコツドカン」というタイプです。

小さな損失を避けるのは不可能ですが、
逆に言うと、壊滅的なドカンさえ確実に避ければ、
市場には利益を上げるチャンスは転がっています。

本書には、投資で大やけどをしないための、
良心的なアドバイスが書かれています。

  ・「リスク管理の習慣こそ投資成果を決定する生命線」
  ・「IPO銘柄にはうかつに投資しない」
  ・「機関投資家の後追い投資は不利」

また、信用取引についても頭から否定するのではなく、
メリットとデメリットを併記し、下落相場でリターンを上げる
手段の1つとして示されていることには好感が持てました。

更に、株式投資をやったことがない人が飛びつく、
安易な株式優待なども推奨していない点からも
太田さんが、十分信用できることがわかります。

本書の内容は成功法ですが、フラットな立場で、
誠実なアドバイスが書かれています。

口座開設から説明が始まっているので、経験のある投資家には
物足りないかもしれませんが、これから株式投資を始める人には、
安心して薦められる一冊だと思います。

もちろん、本書を読んだだけで儲けられるほど、
株式投資は簡単にはいきませんが、本書のルールに従っていれば、
少なくとも市場から退場することなく投資を続けられます。

この本から何を活かすか?

  「NISA口座を積極的に活用する」

2014年から優遇税制がなくなるのと引き換えに誕生する
株や投信などの運用益や配当金を一定額非課税にする制度。

NISA口座を作ると投資額100万円まで、非課税であることが
注目さていますが、デメリットがあることも忘れてはいけません。

何と言っても最大のデメリットは、
損益通算や3年間の損失繰越ができないこと。

本書でも、この点について注意喚起はありますが、
NISAを使った場合のほうが損をする場合があることも、
事前に認識しておく必要がありますね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


このエントリーをはてなブックマークに追加

| 投資 | 05:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか

レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのかレッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか
(2013/10/24)
ヴォルフガング・ヒュアヴェーガー

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

現在、各飲料メーカーがこぞって商品を揃えるエナジードリンク。
世はまさに、エナジードリンクブームです。

エナジードリンクは、ちょっとオシャレな栄養ドリンク。

世界で、そのエナジードリンク市場の約7割という
圧倒的なシェアを占めるのが「レッドブル」。

創業者のディートリッヒ・マティッシさんは、
ユニリーバでマーケティング・ディレクターを務めていましたが、
1985年に独立してレッドブル・トレーディング社を設立。

  「レッドブルのための市場は存在しない。
  我々がこれから創造するのだ。」

この言葉の通り、レッドブル社は短期間で市場を開拓し、
世界165カ国で52億本を販売するまでに、急成長を遂げます。

そして、F1チームのスポンサー、サッカーチームのオーナー、
エクストリームスポーツなどの新しいスポーツを育成するなど、
スポーツ・マーケティングによってブランドイメージを
強固なものとしています。

しかし、コンビニで飲料水の棚に並ぶレッドブルを見かけたり、
スポーツイベントで赤い雄牛のブランドマークを見る機会が
増えても、実はこのブランドがどのように誕生し、
圧倒的なシェアを占めるようになったのかは、
ほとんど知られていません。

また、短期間でレッドブル帝国を築き上げた
創業者のマティッシさんについても、米フォーブス誌が発表する
世界の億万長者ランキングには登場しますが、
どのような人物なのかは、日本はもとより、
欧米でもあまり知られていないようです。

本書は、そんなベールに包まれた企業、レッドブル社の
マーケティングの秘密と、マティッシさんの人物像や経営哲学を
解き明かす本です。

  「このもくろみを実行することはたやすいことではなかった。
  レッドブル創業者からなんの協力も得ることができなかったからだ。」

著者のヴォルフガング・ヒュアヴェーガーさんは、
執筆のために各方面から情報を集めますが、
マティッシさんからは、最後まで取材は許可されませんでした。

更に、マティッシさんからは、自分の公認しなかった
本書の出版を「大惨事」と評され、レッドブル社のイベントには
出入り禁止となってしまったようです。

しかし、ヒュアヴェーガーさんは入念な取材を重ね、
レッドブル社を誹謗中傷することもなく、
そのマーケティングとブランディングの戦略を見事に
解き明かしています。

個人的には、マティッシさんの哲学は、
ヴァージン・グループのリチャード・ブランソンさんに
共通するところがあるようように感じました。

また、これだけのブランドイメージを確立した
レッドブルの着想のきっかけとなったのが、
大正製薬の「リポビタンD」だったことも意外な点でした。

マティッシさんは1980年代にニューズウィーク誌に
掲載された、日本の高額納税者のリストを目にしました。

彼が注目したのは、1位となっていたのが、
ソニーやトヨタというグローバル企業の経営者ではなく、
滋養強壮剤を販売する大正製薬の経営者だったことです。

マティッシさんは、この記事をきっかけに、
エナジードリンクに注目し、市場を世界中に広げていけると
確信したようです。

この本から何を活かすか?

本書の解説は『ストーリーとしての競争戦略』の著者、
楠木建さんが担当しています。

楠木さんは、本書から学ぶ論点を3つ挙げています。

  1. ビジネスはそれを始める動機が大切だということ。
  2. ビジネスの端緒となるアイディアはオリジナルである
   必要はないこと。
  3. 経営における「独立自尊」の重要性。

また、楠木さんは、本書をスポーツ・マーケティングの
ベストプラクティス本だと誤読しないように、
との注意も書いています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| マーケティング・営業 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

電信柱の陰から見てるタイプの企画術

電信柱の陰から見てるタイプの企画術電信柱の陰から見てるタイプの企画術
(2013/11/01)
福里真一

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

  「漫画やコメディ風のドラマなどに時々出てくる、
  電信柱の陰から主人公たちの様子をじっと見ている、
  あの暗いキャラクター、それが私です。
  そんなタイプでも企画はできる。
  いや、そんなタイプだからできる企画がある。
  そんなことを書いていこうかなと思います。」

CMプランナーとしては、ジョージアの「明日があるさ」、
樹木希林さんの富士フィルム「フジカラーのお店」、
トミー・リー・ジョーンズさん主演のサントリーBOSSの
「宇宙人ジョーンズ」シリーズなど、誰もが知っている
数々のヒットCMを手がけてきた福里真一さん。

本書は、福里さんが雑誌「宣伝会議」に2011年4月から
2013年3月まで連載した「電信柱の陰から見てるタイプの企画術」
の内容をまとめたもの。

本書には、表紙のイラストと同じポーズを、
福里さん自身がとった写真も掲載されていますが、
とにかく、福里さんの発言は、後ろ向きで、ネガティブです。

  「うーん、どうなんでしょうね、こういう連載とかって。
  そんなに、みなさんのためになるようなことが
  書ける気もしませんし、正直、面倒くさいですし。
  あ、すいません、正直すぎましたか。
  とにかく、この連載を持つ、よかいう状況が、
  なんか、自分にまったく似合っていない気は、します。」

しかし、逆に自分を良く見せようとしていない人柄が出ていて、
不思議と嫌な感じはしません。

しかも、その一歩引いた場所から見るネガティブ思考が、
福里さんのクリエイティビティの源泉になっている場合もあります。

例えば、「宇宙人ジョーンズ」シリーズ。

  「そもそも私自身が、この宇宙人とそっくりな部分があった。
  地球人の輪の中に入れないまま、やや離れたところから、
  地球人たちのことを、皮肉めいた、でも決して悪意ではない
  目線で見ている。考えてみると、なんだか同じだなあ、と。
  まさに、 “電信柱の陰から見てるタイプの” であることが、
  ここにきて、生きてきたわけです。
  宇宙人と立ち位置が似ているって、あまりうれしいことでも
  なんでもない気がするのですが、とにかく、今までの自分の人生の
  すべての時期にわたって仲間はずれだったという実績が、
  ここにきて、俄然有利に働いた。」

世の中、常に前向きであることが善とされる風潮があります。

それは、皆が皆、どんな時でも、同じ考えになってしまうことを
意味します。

だからこそ、福里さんの後ろ向きな考えには、
他の人とは違う、キラリと光るものがあるのでしょう。

本書は、ノウハウ本ではありませんから、
本書を読んだだけで、どんどん素晴らしい企画が
出せるようになるわけではありません。

1人のCMプランナーの内面を赤裸々に綴った内容です。

しかし、福里さんの語り口やキャラクターに好感が持て、
読んでいると、自分の中にあり、封印しようとしていた
後ろ向きな部分を受け入れることができるようになる
予想外の効果をもたらしてくれます。

もちろん、CMづくりや企画の仕事に興味がある人には、
福里さんのモノの見方が参考になります。

この本から何を活かすか?

  「才能がないと決めるとラクだった」

特に福里さんのように、クリエイティブな仕事をしている人が、
自分に才能がないことを認めるのは、とてもツライことです。

しかし、才能がないと決めたことで、考え方が変わり、
いい企画が思いつかなくても、全然あせらなくなるようです。

この辺は、ネガティブ思考のようで、
実は、ポジティブなモノの見方になっていると思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| アイディア・発想法・企画 | 05:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

一生お金に困らない「華僑」の思考法則

一生お金に困らない「華僑」の思考法則一生お金に困らない「華僑」の思考法則
(2013/10/31)
大城 太

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

日本実業出版社の細野さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「私が華僑の師匠であるA氏に出会ったのは、会社を辞める
  2年前のこと。ある知人を通じて、幸運にも華僑の大物と言われる
  師匠を紹介してもらうことができたのです。
  初回からA師匠にただならぬオーラを感じていた私は、
  絶対にこの人からビジネスを教わりたいと強く願いました。
  ですからすぐに会社を辞めて弟子入りしたかったのですが、
  けっきょく2年後になったのは、その間ずっと断られ続けたからです。」

本書は、日本人である著者の大城太さんが、
大物「華僑」から教わったビジネスの極意を伝える本です。

華僑とは、中国に国籍をもったまま、海外に居住している中国人。

世界各国に進出した華僑は、成功している人も多く、
特に東南アジア各国の富裕層は、華僑で占められている
イメージがあります。

なぜ、華僑は世界中で財をなすことができたのか?

本書はその秘密を公開します。

そして、意外にもその極意は「コミュニケーション」を
取ることにありました。

例えば、本書の教えの1つに「とにかく借りを作りまくる」
というのがあります。

これは、「借りたので返しに来ました」という口実を作り、
自分より「立場が上」の人と、コミュニケーションを取る機会を
得るためです。

大城さんは、借りる相手のレベルを3段階に分けて解説します。

  レベル1 : 小さく借りて大きく返す(自分より少し上の人)
  レベル2 : 大きく借りて何度も返す(自分より確実に上の人)
  レベル3 : 力を借りて仕事で返す(いわゆる「大物」と呼ばれる人)

とにかく、作りまくった「借り」は、
相手とコミュニケーションを取るための材料です。

実際のところ、自分よりレベルの高い人からの借りは、
時間や知恵も貸してもらっていることになるので、
本当の意味では、借りを返せていません。

ですから、借りを返す際の強力なモチベーションになってくれる
相手へ感謝の気持ちを忘れないことが大切だと、
大城さんは説明しています。

また、華僑は、ほぼ100%ペット(犬や猫)を飼っているそうです。

お金持ちだけでなく、ビジネス資金を貯めるために
節約をしているサラリーマンの華僑家庭でも。

その理由は、ペット好きだからではありません。

ペットを会話の糸口とし、初対面の人ともスムーズに
コミュニケーションをとるためです。

つまり、ペットは会話のきっかけを作るダシなのです。

会話の糸口としては、子どもの話や趣味の話でもいいのでは?
と思いがちですが、やはりペットでなくてはならないようです。

なぜなら、ペットはただ可愛いだけで優劣がつかないから。

それに対し、子どもや趣味では優劣がつく場合があり、
相手の気分を害する恐れがあるからです。

本書で紹介される習慣や思考法は、日本人の成功者や
欧米の成功者が書く内容とは異なり、
派手さはありませんが、「したたかさ」があります。

本書の46の習慣を身につけることで、ビジネスで成功するための、
人脈と金脈がジワジワと太くなっていくように感じます。

この本から何を活かすか?

  「目を見て話すのではなく、相手の口を見て話す」

これは、目を見ると照れるからという、
デートの際のアドバイスではありません。

これは、相手の心を読む際のアドバイスです。

ウソをつくことが上手な人は、目の表情を作るのに
慣れていますが、よく動く口元には無意識のうちに
感情が現れるそうです。

だから、相手の心を読むためには、一緒に食事をして
口を観察するのがベストなんですね。

このアドバイスは、私には盲点でした。
今度、一緒に食事する人の口元に注目てみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 成功哲学 | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ミツバチの会議

ミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのかミツバチの会議: なぜ常に最良の意思決定ができるのか
(2013/10/14)
トーマス・D. シーリー

商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

ミツバチは、「分蜂」の習性を持つことをご存知でしょうか?

分蜂とは、巣分かれ。

晩春から初夏にかけて、コロニーのハチが増えて、
巣の中に蜜を集める場所や住む場所が無くなってくると、
女王バチは1万匹の働きバチと共に大移動し、
新しいコロニーを作ります。

一方、元の巣に残ったハチ達は、新しい女王バチを育て、
元のコロニーを存続させます。

この分蜂は、ハチの数を増やすだけでなく、
巣の数を増やすことになるので、種の保存にとっては
とても重要な役割を果たします。

しかし、分蜂は同時にコロニーの死活問題でもあります。

もし、新しく作った巣穴の環境が悪ければ、
そこに移った群れは、全滅してしまう危険性があるからです。

では、この分蜂の際に、ミツバチはどのようにして、
最適な候補地を決めて移動しているのでしょうか?

ミツバチは個々の知恵を超えた、集合知を使っています。

ここまでは、他の生物でもありそうな話ですが、
驚くべきことにミツバチは、「民主的な意思決定のプロセス」
によって、新しい巣穴の候補地を決めているのです。

本書は、ミツバチ研究の第一人者でコーネル大学生物学教授、
トーマス・D・シーリーさんによる「分蜂」をテーマにした一冊。

  「ミツバチの分蜂群は将来の住処を選ぶとき、
  直接民主主義の名で知られる形式の民主主義を実行する。
  意思決定に参加を希望する共同体の個々の構成員が、
  代表を通してではなく直接参加するというものです。
  したがってミツバチ分蜂群の共同的意思決定は、
  ニューイングランドのタウンミーティングに似ている。」

分蜂をする前に、何百匹もの探索バチが群れから飛び立ち、
それぞれが新たな巣の候補地を見つけて帰ってきます。

ミツバチは、それらの候補地の中から、
どこが巣作りに理想的かを決めるために
「民主的に議論」を行います。

もちろん、議論は喧々諤々と言葉で行われるのではありません。

ミツバチは「ダンス」によって、意志を伝え、
情報が集められたすべての候補地を平等に検討し、
最適地への合意形成を行うのです。

シーリーさんは、この研究のために250個以上も巣箱を作ります。

そして、ミツバチ用ランニングマシーンを開発したり、
ゴム製のホースでミツバチの笛鳴らしの音に聞き耳をたてるなど、
研究に見せる情熱の中にも、ミツバチへの愛情とユーモラスさを
感じさせてくれます。

本書は、専門的な研究内容を一般の読者にもわかるように書かれた、
ポピュラーサイエンスの良書ですが、研究の成果を、
人間社会の意思決定に応用しているところが、興味深いですね。

シーリーさんは、ミツバチから学んだ意思決定の方法を、
月1回の教授会で応用し、その効果を実感しているそうです。

  「もちろん、昆虫に経営指南を求めるといっても限度があり、
  そのやり方をやみくもに真似ればいいというものではない。
  それでもミツバチは、効果的な集団意思決定の原則を
  いくつか示しており、それらを実行すればヒトの集団による
  意思決定の信頼性を引き上げられると、私は主張したい。」

この本から何を活かすか?

本書には、「分蜂群の知恵」として、
次の5つの教訓がまとめられています。

  教訓1 意思決定集団は、利害が一致し、
     互いに敬意を抱く個人で構成する

  教訓2 リーダーが集団の考えに及ぼす影響を
     できるだけ小さくする

  教訓3 多様な解答を探る

  教訓4 集団の知識を議論を通じてまとめる

  教訓5 定足数反応を使って一貫性、正確性、
     スピードを確保する

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| 科学・生活 | 11:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |