活かす読書

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しなやかな仕事術

しなやかな仕事術 (PHP新書)しなやかな仕事術 (PHP新書)
(2013/06/15)
林 文子

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満足度★★★
付箋数:20

横浜市長、林文子さんの業績として注目されるのは、
やはり「待機児童ゼロ」でしょう。

2009年に林さんが市長に就任した時点で、
横浜市の待機児童は1552人で全国ワースト1位でした。

当然、周囲からは「そんなの無理」、「できっこない」という
反応が多かったそうです。

しかし、名だたる企業の経営者として、
できないことを可能にしてきた林さんにとっては、
「待機児童ゼロ」もまた、困難ではあるけれど、
実現可能なミッションだったのです。

待機児童を減らすには、保育所を増やす必要があります。

けれど、保育所を増やすと、そこに入所希望者が殺到し、
更に待機児童が増えるという悪循環がありました。

林さんが、このスパイラルを断ち切るために見直したのが、
「そもそも、いまある保育所は、本当にお母さんたちの
ニーズに合っているのか?」という点でした。

実際に調べてみると、入所希望者のお母さんの過半数は
パートやアルバイト勤めで、1日3時間程度の預かりや、
週に2~3日の預かりの希望でした。

一方、横浜市の保育所は、フルタイムで共働きする家庭を
利用者の中心と考えていたので、「1日4時間以上、月16日以上」
などの条件がありました。

こうしたミスマッチをすべて洗い出し、林さんは
ニーズに合ったマッチングを1つ1つ積み重ねていきます。

林さんが、「待機児童ゼロ」を公約にあげた当初、
新しくプロジェクトの担当になった市の職員は、
「自分たちがしたことじゃないから、仕方がない」
という気持ちが強かったそうです。

林さんが、「(待機になっている)1552人の方々が、
いまどうしていらっしゃるか、把握しているんですか?」
と尋ねても、みな困惑し、顔を見合わせるばかり。

  「えっ、どうして把握しないの?」

  「いえ、あの。入れなくて困っている方に連絡したら、
  怒らせてしまうのではないかと思いまして・・・・」

ビジネスの世界で、迷惑をかけたお客さまへのアフターケアを
徹底していた林さんにとっては、このお役所的な職員の反応は
かなりのカルチャーショックだったようです。

市の職員にしてみれば、問題意識はあっても、
それは待機児童1552人という数字であって、
市民という「お客さま」の認識ではなかったのでしょう。

その後、横浜市では、1人1人のミスマッチを解消し、
2013年4月、ついに待機児童ゼロを実現します。

この結果に対して、数字のマジックだという批判もありますが、
数字として見える結果を出すことも、経営者として経験豊富な、
林さんの力量の1つなのだと思います。

本書は、セールスパーソン、経営者を経て横浜市長になった
林さんの仕事術を紹介した本です。

ノウハウのような仕事術ではなく、人との接し方や
振る舞い方などを中心に、林さんの考え方が紹介されています。

この本から何を活かすか?

オリンピック招致のプレゼンで、滝川クリステルさんの
「お・も・て・な・し」が話題になりましたが、
本書では、林さんが自動車会社のショールームで
働いていた時の「おもてなし」が紹介されていました。

  「お客様の姿が外に見えた時点で、もう頭を下げていたものです。
  ショールームの自動ドアが開く前に表に飛び出し、
  満面の笑みでお迎えするのです。そして、お疲れのご様子なら、
  すぐにソファに座っていただく。暑い夏にお越しのお客さまには、
  冷たい麦茶を差し上げる・・・・と、至れり尽くせりの
  おもてなしに徹します。」

ここまでされたら、感動して車も買ってしまうかもしれまん。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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