活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2013年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年10月

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データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人

データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人 (ソフトバンク新書)データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人 (ソフトバンク新書)
(2013/08/19)
橋本 大也

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満足度★★★
付箋数:22

これからの時代、最も魅力的な職業は何でしょうか?

米グーグルのチーフエコノミスト、ハル・ヴァリアンさんは、
2009年8月のニューヨーク・タイムズへの寄稿した
記事の中で、こう発言しました。

  「I keep saying that the sexy job in the next 10 years
  will be statisticians. And I'm not kidding.
  (私は、これからの10年で最もセクシーな職業は、
  statisticiansだと言い続けている。冗談ではなくてね。)」

statisticiansを直訳すると、統計学者となりますが、
これこそが、「データサイエンティスト」。

米ハーバード・ビジネスレビューもデータサイエンティストを
「21世紀で最も魅力的(セクシー)な職業」と呼びました。

では、データサイエンティストとは一体、どんな職業なのか?

ビッグデータ分析で必要なのが、データサイエンティストで、
現在の日本には千人程度しかいないそうです。

政府の試算では、ビッグデータ分析の経済効果は7兆円で、
将来的にデータサイエンティスト25万人が不足するとの
見通しがあるそうです。

現時点では、公式な定義はないそうですが、
橋本大也さんは、本書の中でデータサイエンティストを
次のように定義します。

  「データを科学的に分析してビジネスの課題を
  創造的に解決する人材」

統計×IT(情報技術)×ビジネスの領域を横断する
クロス人材のイメージです。

例えば、「パズドラ」などのソーシャルゲーム。

ゲーム自体は無料ですが、有料でアイテムを買うと、
よりゲームが楽しめるように設計されています。

ほとんどのユーザーは無料で遊んでいても、
一部ユーザーがどっぷりハマり、有料アイテムを
どんどん買う仕組みが、ソーシャルゲームのメーカーに
高収益をもたらしています。

この中毒性をゲームに仕掛けるのが、データサイエンティスト。

  「彼れらはゲームをするユーザーの膨大な行動ログを
  徹底的に分析し、利益を最大化するチューニングを
  施しているのだ。ゲーム内でどれくらいのペースで
  キャラクターを成長させればよいか、どんなタイミングで
  次のイベントを発生させればよいか、どのように有料アイテムを
  提示すればよいかという確率のパラメータを、高度な統計や
  データマイニング処理、認知心理学的な分析をを通して、
  ユーザーがゲームにハマり、最もお金を使いたくなるように
  最適化する。」

本書では、21世紀の新産業で中心的な人材となる
データサイエンティストについて、現役のデータサイエンティスト
へのインタビューも交え詳しく解説します。

あの名著『イシューからはじめよ』の安宅和人さんも
インタビューで登場します。

データサイエンティストは、なにも理系だけの仕事ではなく、
実際に文系出身者もいるそうです。

職業としてのデータサイエンティストを目指さなくても、
「データサイエンティスト的な思考」は身につけたいですね。

また、データサイエンティストから学ぶということでは、
こちらの本も参考になります。
データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」

この本から何を活かすか?

本書では、優れたデータサイエンティストは、
次の3つの思考ツールを使うと紹介されていました。

・オッカムの剃刀 - シンプルに考える
・フェルミ推定 - 限られた情報からざっくり答えを出す
・アブダクション - たくさんの仮説から「もっともらしいもの」
           を選び出す

統計の知識がなくても、とりあえずこの3つの思考ツールは、
使えるようにしたいところです。

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| IT・ネット | 05:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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部下のやる気を引き出す 上司のちょっとした言い回し

部下のやる気を引き出す 上司のちょっとした言い回し―――聞き方・褒め方・頼み方・伝え方・叱り方…すぐに使える150フレーズ部下のやる気を引き出す 上司のちょっとした言い回し―――聞き方・褒め方・頼み方・伝え方・叱り方…すぐに使える150フレーズ
(2013/09/21)
吉田 幸弘

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満足度★★★
付箋数:20

著者の吉田幸弘さんに献本いただきました。ありがとうございます。

同じ内容を伝えても、「言い回し」一つで相手に与える印象が
かなり違うことがあります。

本書の冒頭で紹介されているのは、本当は同じ内容なのに、
伝わり方が驚くほど違う例です。

あなたが取引上で大きなミスをしてしまい、
上司に報告した時に叱責を受ける場面を想像してください。

  1. 「大変だったな。報告ありがとう。詳しく聞かせてくれないか」
  2. 「何やっているんだ! なんで、そうなったのか教えてくれよ」

どちらも上司としては、現状を把握しようとしているわけですが、
180度違う印象を与えてしまいます。

1.のような労いの言葉があると、トラブルの解決に
上司も協力してくれるような印象を与えますから、
詳しく状況を説明する気にもなるでしょう。

一方、2.の場合はミスを問い詰められるような感じなので、
言い訳をして、自分に不利な点は隠してしまうかもしれません。

更に、今後ミスした場合でも、この上司にだけは
報告したくないという心理も働くはずです。

1.の上司も2.の上司も、正確に状況を掴み
最善の対処をしたいと、頭の中で考えている時点までは
同じでしたが、その考えを口に出した瞬間から、
大きく反応が別れてしまうのです。

平時には、一呼吸置いて考えを口に出すことができるので、
少し配慮した言い方ができるかもしれません。

しかし、この例のような、イザという時には、
つい使い慣れた言い方が出てしまいます。

そして、一度でも2.のような言い方をしてしまったら、
それまでに時間をかけて築いてきた信頼関係は、
一瞬にして崩れ去ってしまいます。

ですから、部下のやる気を引き出す、
ちょっとした「言い回し」は、普段から地道に使って、
無意識でもスッと出てくるように、
口に馴染ませておきたいものです。

本書では、ビジネスの現場ですぐに使えるフレーズを
徹底して集めました。

その数、なんと150フレーズ。

効果別に分けて、事例を交えて紹介されていますから、
コツコツと1フレーズずつ自分のものにしていくには、
使いやすい本だと思います。

  第1章 部下が話しやすくなる相槌の打ち方
  第2章 部下の言いたいことを上手に引き出す聞き方
  第3章 部下のプライドをくすぐる上手な褒め方
  第4章 部下が気持ちよく働いてくれる頼み方
  第5章 部下を立ち直らせる励まし方
  第6章 部下にやる気と気づきを与える伝え方
  第7章 部下が行動を改善してくれる効果的な叱り方

この本から何を活かすか?

褒めても、それを素直に受け止めてくれない部下もいます。

  「伊藤さんは、プレゼンが上手ですね」

こんな風にストレートに褒めても、
「そんなことありません」と否定されて会話は終わり。

そうならないために、本書で紹介されているのが
「質問しながら褒める」方法です。

  「どうしたら伊藤さんのようなプレゼン資料がつくれるのか、
  教えてもらえますか」

こう質問すると、「上手い」という前提が受け入れられ、
気難しい人でも、意外と気分良く話してくれるようです。

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| コミュニケーション | 12:39 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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最強交渉人のNOをかならずYESに変える技術

最強交渉人のNOをかならずYESに変える技術最強交渉人のNOをかならずYESに変える技術
(2013/08/07)
島田 久仁彦

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満足度★★★
付箋数:23

あなたは交渉の時、次のどちらの場所に座りますか?

  A. 窓に向かって座る
  B. 窓を背にして座る

交渉の場所に必ずしも窓があるとは限らないと
考えるかもしれませんが、場所を決める段階から
既に交渉は始まっているのです。

  「交渉の際は、かならず窓を背にして座ってください。
  仮に初回の交渉から相手のテリトリーに赴くことになっても、
  窓を背に座ることで、自分に有利な状況をつくることができます。」

では、なぜ、窓を背にして座らなければならないのでしょうか?

それは交渉は「情報戦」だからです。

  「窓を背にして座ることで、窓から差し込む太陽の光のおかげで
  こちらからは相手の顔の表情などが細部までよく見えます。
  逆に相手は眩しくて、こちらの表情が見えづらくなるのです。」

交渉と聞くと、「相手を言い負かす」というイメージが
強いかもしれませんが、交渉の際は、むやみに喋ってはいけません。

交渉を有利にすすめるポイントは、
できるでけ自分側の情報は漏らさず、相手側の情報を集めること。

だから、交渉のプロは聞き上手。

自分の主張をガンガンするのではなく、
できるだけ質問を投げかけ、70%は相手に話してもらいます。

こちらが本当に「したいこと」、「できないこと」、「交渉期限」は
絶対に明かしません。

時には、沈黙を武器にしたり、わからないふりをしてでも、
秘密保持を徹底するのです。

ただし、主導権を握るために、交渉の本題に入る時は、
こちらから切り出します。

そして、相手側の情報は、最初の段階では振り分けることなく、
ひたすら集めます。

その準備が、「戦わない交渉術」につながります。

本書は国連の紛争調停官として国際紛争の解決を行ってきた
国際ネゴシエーターの島田久仁彦さんが、
自身の交渉ノウハウを体系的にまとめたもの。

  第0章 交渉の流れ
  第1章 交渉・商談に臨む前に知っておきたいこと
  第2章 交渉中のポイント
  第3章 伝え方の極意
  第4章 合意に向けた最終段階

交渉の流れや戦術といった大きなところから、
相手の表情、ジェスチャーの読み取り方、色の使い方など
かなり細かい部分まで紹介されています。

「どんな難題でも解決に導く調停官」と呼ばれた
島田さんが、実践を通して培ってきた具体的なノウハウが
惜しげもなく披露されていますね。

ただし、島田さんは「戦わない交渉術」と言っていますが、
それは一見、表面的に戦っていないように見えるだけ。

交渉の表側では心理戦として、裏側では情報戦として、
熱い戦いが繰り広げられているのが本当のところです。

この本から何を活かすか?

本書では、交渉の事前準備として「ブレーンストーミング」が
欠かせないプロセスだと説明されていました。

このブレスト関係の記述だけで、全240ページ中の
20ページも割いていますから、かなり重視していることが
わかります。

そしてブレストについて、私の考え方を改めさせられたのが、
次の点です。

  「ブレーンストーミングは事前準備なしで臨んではいけない」

自分の中で、情報の整理や分析、事実関係の洗い出しを
行ったうえで、ブレストに臨む必要があるようです。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 05:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ脳は「なんとなく」で買ってしまうのか?

なぜ脳は「なんとなく」で買ってしまうのか? ニューロマーケティングで変わる5つの常識なぜ脳は「なんとなく」で買ってしまうのか? ニューロマーケティングで変わる5つの常識
(2013/07/26)
田邊 学司、小野寺 健司 他

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満足度★★★
付箋数:23

NFL(ナショナル・フットボールリーグ)の王者決定戦
「スーパーボウル」は、アメリカ全土が注目する一大イベントです。

試合の中継時間には、あのニューヨークのマンハッタンでさえ
タクシーがまばらになるほど、全米がテレビに釘付けとなります。

高視聴率となる番組のテレビCM枠は高騰し、
30秒で3億円を超えるとも言われています。

各企業はここぞとばかりに、力の入った新作CMや、
スーパーボウル枠専用のCMを放送しますから、
いくつもの名作CMが、この放送枠から出ています。

2008年、米コカ・コーラ社は、企業の明暗を分ける
スーパーボウルでのCMを、ある方法によって決めたことで
注目を集めました。

その方法とは、「脳波測定」。

コカ・コーラ社は、候補となる10本のCMの中から、
実際に放送する1本を決めるために、
CMを見た時の「脳波」の動きを判断材料としたのです。

これが「ニューロマーケティング」がブームとなるきっかけでした。

ニューロマーケティングとは、脳科学を利用して、
消費者の脳の反応を計測することで消費者心理を解明し、
マーケティングに応用しようとする試み。

アンケートやインタビューでは現れない、
人の無意識下の行動に働きかけると言われています。

ニューロマーケティングは、今後ますます注目を集める
マーケティング手法であることに間違いありませんが、
まだまだ発展途上の手法です。

本書は、ニューロマーケティングの歴史と現状、
そして問題点を実例をあげて、レポートする本です。

  「ニューロマーケティングの真贋は、当分の間、
  見極めようとしても見極められないだろう。
  真贋のつかない脳科学を安易に信奉することなく保留しつつ、
  それでも、脳科学が時折示唆してくれる一段高い視座から、
  既存のビジネスを支配する根本的世界観を見直し、
  新しい世界観でビジネスのフレームを捉え直すべきである。」

これが、本書のニューロマーケティングに対するスタンスです。

そして、従来のマーケティングでは、誰もが信じて疑わなかった
5つの常識に対して、疑問を投げかけます。

  1. 商品の名前を覚えてもらうことがコミュニケーションの
   最低条件である・・・のか?

  2. 商品を魅力的に表現するメッセージが顧客の
   購入意向を刺激する・・・のか?

  3. 商品の選択はオンラインへ、体験はリアルから
   バーチャルへ向かう・・・のか?

  4. 不都合や不満を最小化した商品は満足度が
   最も高い商品である・・・のか?

  5. 国の文化や習慣を考慮しない商品やサービスは
   受け入れられない・・・のか?

本書では支持と不支持の両方の視点が取り入れられているので、
少しスッキリしないところは残りますが、
ニューロマーケティングの現状がよくわかります。

どちらかと言うと、科学的な検証よりも
マーケティング視点で語られている本でした。

この本から何を活かすか?

敬虔なクリスチャンとアップルの熱狂的ファンの脳の反応は同じ?

2006年秋、イギリスのウォーリック大学で
2つのグループに対して、fMRIを使う実験が行われました。

1つのグループは敬虔なクリスチャンで、
もう1つのグループはアップル社の熱狂的ファンです。

クリスチャンにキリスト教のシンボルを見せた時と、
アップルファンにアップル社の製品を見せた時の
脳の反応が非常に似ていたという結果が出たそうです。

この実験結果、なんとなくわかる気がしますね。

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| マーケティング・営業 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リーダーの基本

リーダーの基本リーダーの基本
(2013/09/19)
横山 信治

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満足度★★★
付箋数:21

著者の横山信治さんから献本いただきました。ありがとうございます。

  【設問】
  近い将来「権威や権力がより尊重される」社会が訪れるとすると、
  あなたの意見は次の3つのうちどれでしょうか?

   1. 良いこと
   2. 気にしない
   3. 悪いこと

これは1980年代から世界80以上の国や地域で実施される
「世界価値観調査」の設問の1つです。

社会の運営には、「権威や権力」が尊重されるべきかを
問うものですが、ある1つの国だけが、
他の国と大きく違う傾向を示しました。

フランス、イギリスでは80%前後の人が「良いこと」を選びました。
また、アメリカでも「良いこと」を選んだのは約60%。

しかし、日本で「良いこと」を選んだのは、わずか3.2%。
逆に80.3%の人が「悪いこと」と回答しているそうです。

この調査結果から、日本人が求めるリーダーシップは、
明らかに他の主要国と異なることがわかります。

つまり、欧米発のリーダーシップ論が、
世界中のスタンダードだとしても、それは日本人の特性には
合わない可能性があるということです。

「権威や権力」が国を治め、組織を統率する場合に必要でも、
日本では率いられる側が、それを「悪いこと」と見なしていますから、
少し違う形のリーダーシップを示さなくてはなりません。

横山信治さんは、日本のリーダーに求められる要素は、
「人間力」だと説明します。

それは、横山さんが長年、ビジネスの社会で
成功する多くのリーダーを見てきてわかった特徴です。

  「人を動かす前に、まずは自分を磨け!」

本書が伝えるのは、「人間力」を磨くための35の方法。

ひと言で「人間力」といっても、かなり漠然としているので、
本書ではこれを「観察力」、「コミュニケーション力」、
「行動力」、「部下を育てる力」、「チームをまとめる力」
に分解し、ビジネスの現場でどのように磨くかを解説します。

例えば、あなたが上司から直接自分がやっていない間違いを
指摘されて叱られた場合、次のような対応をしていませんか?

  上司  「先日の資料の数字が間違っていたぞ!
       きちんとチェックしないとだめじゃないか」

  あなた 「すみません。誰が作成たのか確認し、厳しく注意します」

私も過去にこんな対応をしたことがあるような気がしますが、
これでは上司からも部下からも信頼されません。

ミスがあっても部下のせいにせず、
間違いは素直に認めることが、信頼関係につながります。

  上司  「先日の資料の数字が間違っていたぞ!
       きちんとチェックしないとだめじゃないか」

  あなた 「申し訳ございません。以後、十分気をつけます」

  上司  「たぶん君が資料を作ったんじゃないと思うが」

  あなた 「いえ、きちんと見直さなかった私の責任です。すみません」

本書では、このようにかなり具体的な例を挙げて
説明されていますから、リーダーとしてどのような姿勢を
身に付けるべきかがわかります。

これらの基本姿勢は、リーダーになってから修得するのではなく、
もっと早い段階から身につけておくべきものだと思います。

この本から何を活かすか?

部下は、褒めたほうがいいのか、叱ったほうがいいのか?

  「実は、大切なのは常に部下の味方になることで、
  信頼関係が築けていれば、褒めても叱ってもどちらでもいいのです。」

言い方をかると、ケースに応じて、褒めることも、叱ることも
両方できないとダメということ。

具体的な褒め方と叱り方は本書を参考にしたいですね。

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| リーダーシップ | 06:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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その英語、こう言いかえればササるのに!

その英語、こう言いかえればササるのに! (青春新書インテリジェンス)その英語、こう言いかえればササるのに! (青春新書インテリジェンス)
(2013/08/02)
関谷英里子

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満足度★★★
付箋数:17

同時通訳者の関谷英里子さんは、日本のビジネスパーソンが
使う英語で、「あと一歩なのに損をしてしまっている」という
表現をよく耳にすると言います。

せっかく頑張って伝えているのに、残念な英語になっている。

本書はそんな日本人が間違えやすい表現66個を、
ネイティブに伝わる表現に関谷さんが添削する本です。

例えば、「おかまいもしませんで」を英語で言うとどうなるか?

日本人が言いがちな表現は次の通りです。

  ・I did not care about you.

しかし、この言い方だと相手には、
「あなたのことなんて、全然なんとも思っていませんでした」
と伝わってしまうようです。

英語のあいさつで、基本的にcareは使わない。

関谷さんオススメの伝わる英語は、こんな表現です。

  ・I hope you had a good time.

本書の帯には「中学英語の単語でOK」と書かれていましたが、
確かに、難しい単語や表現は使われていません。

では、なぜ、私たちは、伝わる表現ができないのでしょうか?

それは、日本語をそのまま英語に直訳しようとするからです。
必要なのは英語特有のポジティブな表現への発想の転換。

先程の例でも、「おかまいもしませんで」が、
「楽しんでいただけたらいいのですが」という表現に
転換されています。

この発想転換なしに、いくら瞬間的に英作文できても、
それはトンチンカンな英語でしかないのです。

英語はネイティブだけが話す時代ではなくなったと言っても、
元々の文章が日本人にしか理解できない言い回しなら、
それをいくら直訳しても伝わらないということです。

ですから、本書で何度も関谷さんが強調しているのは、
英語らしいポジティブな発想を身につけることです。

「ご心配をおかけしました」と言う時も、
「I'm sorry for your worry.」とは言いません。

「ご心配をかけて申し訳ない」という気持ちを
「心配してくれてありがとう」という英語発想に切り替えて、
「Thank you for your concern.」と表現するです。

本書は、66個の日本語発想を英語発想へ切り替える、
発想の転換集とも言える内容です。

実際に関谷さんが耳にした日本人の表現を集めていますから、
けっこう英語を話せる人でも、残念な表現をしている
というとこなのでしょう。

ビジネスシーンで使う表現が多く紹介されているので、
英語を使う機会が多い人は、一度、自分の表現が
おかしくないか本書でチェックしてみるのもいいと思います。

また、これから英語を学ぶ人は、最初から関谷さんの
オススメの表現を覚えてしまった方が効率的です。

この本から何を活かすか?

私は、関谷さんの担当する「NHKラジオ 入門ビジネス英語
をたまに聞いています。

なぜ、「たまに」なのかと言うと、
この番組、紹介されているフレーズはいいのですが、
1回の放送で1フレーズしか使わないので、
ちょっと単調に感じてしまうからです。

私と同じように放送の密度に不満を感じる人には、
関谷英里子のビジネスに効く英単語101』がおすすめ。

また、NHKのラジオ講座を直接聞くには、やはり杉田敏さんの
実践ビジネス英語」が抜群に面白いですね。

そうでなければ、私が同じ講座を10年以上も
聞き続けることは、不可能だったと思います。

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| コミュニケーション | 06:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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プロ・ブロガーの 必ず結果が出るアクセスアップ テクニック100

プロ・ブロガーの 必ず結果が出るアクセスアップ テクニック100 ファンにも検索エンジンにも好かれるブログ運営の極意プロ・ブロガーの 必ず結果が出るアクセスアップ テクニック100 ファンにも検索エンジンにも好かれるブログ運営の極意
(2013/08/09)
コグレマサト、するぷ 他

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満足度★★★★
付箋数:23

  「2013年には日本のブログが10周年を迎えることもあり、
  そこに向けて、ブログ再評価の流れを作りたいと考えました。」

このように語るのは「ネタフル」のコグレマサトさん。

本書は、2012年に3月に刊行して大好評だった、
「和洋風KAI」のするぷさんとの共著、
必ず結果が出るブログ運営テクニック100』の続編。

アクセスアップが、本書のテーマですが、
その前に、ブログにとって一番大切なことが語られています。

  「筋トレのようにコツコツ書き続けることが
  アクセスアップの大前提。
  書き続けることは、ブログの基本中の基本です。
  ブログは、どこかで “完成” するものではありません。
  書き続け、新しい記事を公開し続けていることが、
  読者にとっても、書き手である自分自身にとっても、
  ブログの存在価値そのものです。」

そのために、本書で紹介されているのが、
あまり負荷をかけずに、永くブログを続けるための
仕組みづくりです。

いくらアクセスを急激に集めることができても、
ブログ自体が長続きしなければ、それではただの一発屋。

私と同じく、水野俊哉さんの「書評ブロガーマトリックス」
2008年版2010年版で取り上げられたブログでも、
現在も書き続けているブロガーの方は、
意外と少ないのではないでしょうか。

3年、5年とブログを続けていると、自分の置かれる環境も
変化して当然です。

その中で何年もブログを書き続けることは、
一時的にアフセスを集めるより難しいことだと思います。

  「大リーグで活躍するイチロー選手の言葉に、
   “打率は変動し、自分でコントロールできない面もあるが、
  安打数は自分の努力で積み重ねることができる。
  だから自分は打率ではなく安打数に目標を置く”
  といったものがあります。
  ぼくは、これを聞いて大きな衝撃を受けました。
  ブログに当てはめると、アクセスはさまざまな要因によって
  増減し、一喜一憂の原因にもなりますが、記事数は減ることがなく、
  右肩上がりに積み重ねることができる、ということです。」

するぷさんのブログ対するこの姿勢は、
本書で最も参考にしたい点です。

記事の更新を続けた先に、はじめて「プロ・ブロガー」が
見えてくるのだと思います。

また、個人的にアクセスアップのテクニックとしては、
いままで使い方がよくわからなかった、
グーグルの「ウェブマスターツール」を使ってみようと思います。

とりあえず、本書を参考に登録できました。

あと、「iPad mini」は外付けキーボードと組み合わせると、
ノートパソコンのように使えてかなり便利とも紹介されていました。

私は購入予定はありませんでしたが、
本書の紹介にかなり魅了されてしまいました。

Retina化されたら、買ってしまうかもしれません。

この本から何を活かすか?

「グーグルリーダー」が2013年7月1日に廃止になってから、
私はフィードリーダー難民と化していましたが、
本書で紹介されていた「Feedly」をその後継とすることにしました。

まずは、ブログにフィードを登録してもらうための
「登録ボタン」を設置しました。

これから自分の「Feedly」へも、以前読んでいた
ブログフィードを登録します。

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| ノウハウ本 | 10:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あの人と一緒にいられる時間はもうそんなに長くない

あの人と一緒にいられる時間はもうそんなに長くないあの人と一緒にいられる時間はもうそんなに長くない
(2013/06/07)
千田 琢哉

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満足度★★★
付箋数:20

ストレートなタイトルの通り、日常の忙しさの中で、
忘れそうになっていた大切なことを思い出させてくれる本。

  「親が子に言われて一番嬉しいのは、
   “生んでくれてありがとう” だ。
  子が親に言われて一番嬉しいのは、
   “生まれてきてくれてありがとう” だ。
  たったこれだけの信頼関係があれば、人生の壁はすべて
  乗り越えていける。たったこれだけの信頼関係がないだけで、
  どんなに成功しても心は満たされない。

  たった今から人生を好転させたければ、親に手紙を書こう。

  今すぐ本書を閉じて、手紙を書こう。

  余計な前置きは要らない。
  ハガキの裏に、目一杯大きな文字で
   “生んでくれてありがとう”
  と太いマジックで書いて投函すればいい。」

千田琢哉さんが語るメッセージに心が動かされるのは、
誰もが本当はそうすべきだと思いながらも、
心の奥底にしまい込んでしまっていることだからです。

それらは、いろいろなことを言い訳にして、
今までやってこなかったこと、
あるいは気づかないふりをしてきたことです。

でも、ずっと心に引っ掛かっていることなので、
何かのきっかけで、抑えこんでいる感情を、
解き放つことを、待っているのです。

本書の57個のメッセージは、心の中に押し込めていた
気持ちを、一気に開放するトリガーとなります。

  Part1 親と、一緒にいられる時間はもうそんなに長くない
  Part2 友と、一緒にいられる時間はもうそんなに長くない
  Part3 師と、一緒にいられる時間はもうそんなに長くない
  Part4 嫌な人と、一緒にいられる時間はもうそんなに長くない
  Part5 子と、一緒にいられる時間はもうそんなに長くない
  Part6 愛する人と、一緒にいられる時間はもうそんなに長くない

私たちがそう思っていながらも、言葉にできなかったことを、
千田さんは、ストレートなメッセージで語ってくれます。

ただし、千田さんが分ける6つのカテゴリは、
親子関係については、2つの章に分けて書かれているのに対し、
夫婦関係については語られていません。

同じ家族でも、兄弟姉妹については、Part1で語られています。

夫婦については言及されていませんから、
Part6の「愛する人」の中に含んでいるということなのでしょう。

ひょっとすると、千田さんの中では、
血族と姻族は分けて考えているのかもしれません。

しかし、個人的には夫婦間にある信頼関係は、
千田さんがPart6で語る生々しい愛する人への想いとも、
少し違うような気がします。

そう思って、千田さんのブログ「3行日記」を拝見すると、
次のような記事がありました。

  『命がけで不倫している美人には、「がんばれ!」って思う。

  不倫したことのないのが唯一の自慢の男性は、
  「モテないんだな」って思う。』

短い言葉なので真意はわかりかねますが、
私のように40代で結婚している身としては、
少し首を傾げるところがあります。

この本から何を活かすか?

  「 “今でもいじめって、あるの?” が、対話のはじまり。」

なかなか、こういう話題は子どもが当事者でも、
そうでなくても話しにくいものです。

子どもの世界でも、「そのことには触れないという暗黙の了解」
という「空気」が存在するのでしょう。

「空気」については、昨日紹介した鈴木博毅さんの
「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法
に詳しいので、そちらを参照してください。

千田さんが、本書で紹介してくれているフレーズは、
重たくなりがちな親子の「空気」を動かすことができそうです。

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| 心に効く本 | 08:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法

「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法
(2013/09/05)
鈴木 博毅

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満足度★★★★
付箋数:26

著者の鈴木博毅さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

「KY(空気読めない)」という言葉がある通り、
私たちは「空気」に支配されています。

「特定の空気」の中に入ると、特に私たち日本人の行動は
「空気」に影響されてしまいがち。

そして、空気で成功する人と、空気で失敗する人がいます。

これは単純に空気を読んで成功する人と、空気を読めずに
失敗する人がいるという話ではありません。

成功する人は、空気を読み、空気をあるべき方向に動かし、
新たな空気を作りだすことができるのです。

本書は、ビジネス戦略・組織論のコンサルタントの、
鈴木博毅さんが、「空気」の正体を突き止め、
「空気」を制して勝者になる方法を解説した本です。

ところで、「空気」とは、一体、どんなものなのでしょうか?

空気を制するには、その本質を正しく見抜く必要があります。

一部で、「空気=同調圧力」という見解もあるようですが、
鈴木さんの考えは少し違います。

同調圧力とは、同じ方向への強制ですが、
実際には、そのことには触れないという空気もあります。

本書では「空気」を次のように定義します。

  「ここで “それは検討しません” という暗黙の了解」。

一度この空気が作り出されてしまうと、思考の死角が生まれ、
何らかの悪い出来事が起こる場合もあるので、
悪い空気は、早目に動かす必要があるのです。

鈴木さんは、本書で「空気」を4つのタイプに分類します。

  1. 問題への「問い」を設定することで生まれる「空気」
  2. 体験的な思い込みに固くこだわることで生まれる「空気」
  3. 検証、測定によって偏った理解に固執して生まれる「空気」
  4. 選択肢を限定してしまうために生まれる「空気」

本書では、この4タイプの「空気」に対して、
それを動かす4つのスキルとテクニックを
数多くの事例を交えながら解説します。

空気を動かす4つのスキルを駆使した例の1つとして、
挙げられているのがプロ野球でヤクルト、阪神、楽天の
監督を歴任した野村克也さん。

楽天の監督を田尾さんから引き継いだ時に、
野村さんは、現実に対して新しい「問い」を設定して、
「空気」を変えるという手法を使いました。

田尾監督時代には、設立当初の楽天が勝てない理由について、
「戦力が足りない」という結論しか出てきませんでした。

それに対して、野村監督は次のような「問い」を立てたのです。

  ・どうすれば足りない戦力で戦えるのか?
  ・楽天を将来どのようなチームにすべきか?
  ・そのためには何が足らず、何がどれだけ必要で、
   どれくらい時間がかかるのか?

この「問い」を立てることで、当時の楽天にあった
「勝てない空気」を少しずつ「勝てる空気」に変えていくことに
成功したのです。

空気は使う人によって、それが武器にも、足枷にもなります。

本書は、空気をどう読めばいいのかわからない人や、
人間関係の重苦しい空気を動かしたい人にも役立つ本です。

この本から何を活かすか?

  「空気」を動かすためのキラーフレーズ

空気は、ほんのひと言で大きく変わることがあります。

本書の最終章には、「空気」を動かすキラーフレーズが
まとめられていました。

その中から、私がすぐに使ってみようと思ったのは
次の3つのフレーズです。

  ・「こんなとき、ほかの人ならどうしますか?」
  ・「最終的に何を達成すべきですか?」
  ・「例えば、こういう方法も可能ですか?」

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「これからの世界」で働く君たちへ

伝説の元アップル・ジャパン社長の40講義 「これからの世界」で働く君たちへ伝説の元アップル・ジャパン社長の40講義 「これからの世界」で働く君たちへ
(2013/04/26)
山元賢治

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満足度★★★
付箋数:23

  「日本では今、英語は道具なのだから通じればいいじゃないか、
  日本人なのだから日本語訛りでいいじゃないかという
   “アジアン英語” “グロービッシュ” がブームです。
  英語な苦手な人の多い日本では、そのような本がたくさん売れる
  傾向にあります。しかし、ダマされないでください。
  それは世界でまったく通用しません。」

元アップルジャパン社長の山元賢治さんは、
大学を出てから30年間、これまでに働いてきた企業すべてが
外資系です。

そのビジネス経験の中で、発音や文法が正しくない
日本人の英語を聞いて、顔色を変えたネイティブを
何度も目にしてきました。

逆にネイティブな発音で話す日本人に対して、
良い意味で表情を変えるネイティブも何度も見てきたそうです。

ネイティブ並みの英語を話すことは、かなりハードルの
高いことですが、ゆっくり話されている時点で、
もはや対等にビジネスはできていません。

英語の発音で判断されるのは、厳然たる事実だと
山元さんは言います。

  「世界においては、英語の発音がその人の器量、
  どういう会社でどういう仕事をしているのか、
  どんな教育を受けてきたのか、どんなことに興味を持っているのか
  といった人格そのものを表すことになりかねません。」

また、日本語で話す場面でも、「英語的発想」で話すことが
ビジネスでは最適だといいます。

それは「SVO(主語+述語+目的語)」を意識した話し方。

メッセージの結論を導くのは、述語である「動詞」。
そして主語は省略せず、「I」で話すことを意識します。

日本語の環境に安住しきっている人にとっては、
いずれも難しいことのように思えますが、
「これから世界で働く人」にとっては、必要なことなのです。

本書は年間5000人の前で話す山元さんの講演や、
主宰する私塾「山元塾」での講義内容の108項目を
書籍用に40項目に再編して紹介したものです。

  Part1 世界を変える「チェンジメーカー」になれ!
  Part2 これからの世界を生き抜く「世界標準の武器」
  Part3 どこでも一生役立つ「サバイバル・スキル」
  Part4 「自分の価値観」に素直に世界を生き抜く
  Part5 これからのビジネスで何より大切なこと
  Part6 世界で戦う前に知っておきたいこと

本書で、紹介されているのは世界で通用する「原理原則」。
グローバルでビジネスをする上では「当たり前」のことです。

しかし、その原理原則は、私たち日本人が考える
当たり前とは、少々違っているようです。

これまで外資系企業での守秘義務があり、
山元さんは、アップルでの裏話を外部の人に
ほとんど語る機会がなかったそうです。

しかし、アップルを辞めて3年以上経ったため、
本書では、はじめて明かされる話も披露されています。

基本的に若い世代向けに書かれた本ですが、
上の世代の人が読んでも、参考にすべき点が多くある本です。

この本から何を活かすか?

  「The only constant is change」

  「Make a decision in a second」

  「Your time is limited, so don't waste it
  living someone else's life」

さすがに、本書では英語の刺さるフレーズが、
いくつも紹介されていました。

ちなみに、3番目はスティーブ・ジョブズさんの名言で、
「あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きて
無駄に過ごしてはいけない」という意味です。

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| 仕事論 | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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売上目標は立てるな!

売上目標は立てるな!  20人までの組織をまとめるリアルマネジメント売上目標は立てるな! 20人までの組織をまとめるリアルマネジメント
(2013/08/29)
岩渕龍正

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満足度★★★
付箋数:25

著者の岩渕龍正さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

「なぜ、うちの社員はやる気がないんだろう?」

本書はこんな悩みを持つ、従業員「20人」くらいまでの
会社の経営者の方にはに、是非、読んでもらいたい本です。

  「あなたは気づいていませんが、逆に社員のやる気を
  奪うようなことをしているケースがとても多いのです。」

小さな会社で働く社員の就職の動機は、
それほど高尚なものではありません。

  「家から近かったから」
  「親から言われたから」
  「違う仕事をしたかったけど、就職できなかったので仕方なく」

こういった理由で働いている人が大半です。

そんなスタッフに、売上や予算のことばかり言っても、
かえってやる気を削ぐばかりです。

そもそも多くのスタッフには、
「頑張らなければならない理由」がないのです。

そして、結果を出させるために
「お金」でモチベーションをあげようとする。

この「お金のためだけ」、「生活のためだけ」に
社員が働くようになると、組織は崩壊し会社は傾いていくのです。

では、一体どのようにしたら、やる気のない社員の
モチベーションを上げることができるのでしょうか?

岩渕さんが、クライアント先で実践し、効果を上げているのが、
「結果至上主義」ではなく、「プロセス至上主義」。

つまり、やる気がない社員に結果だけを求めるのではなく、
失敗させないように、決まったプロセスをきちんと
実行させるのです。

小さな成功体験を数多く積ませて、自信をつけさせていく。

そして、デキない社員を「怒る」のではなく、
「ストローク」を打ち込むのです。

ストロークとは、自他の存在や価値を認めるための
言動や働きかけで、「心の栄養」になるもの。

そのために社長が社員に対し行うのが「面談」です。

  「20人までは毎月、全員と面談しよう」

社長は面談を通して、社員の心の状態を
管理することこそが仕事なのです。

本書では、「初回の面談」と「2回目以降の面談」とに分けて、
社員にどんな質問をして、どのようなことを伝えるべきかが
細かく解説されています。

また、本書で特徴的なのは社長の「妻」について
1章を割いて説明している点です。

本書が目指す、会社も家庭も成功させる理想の姿は、
「夫婦経営」です。

  「あなたもぜひ、夫婦で会社経営をし、
   “会社も家庭も成功する=夫婦成功” を目指してください。
  きっと、さらなる会社の成長とより強い夫婦の絆が
  得られるはずです。」

この本から何を活かすか?

本書には、岩渕さんが実際に社員教育で使っている
マニュアルやテストなどが公開されています。

あまり社員教育にお金や時間を割けない、
小さな会社では参考になるものばかり。

その中で、私の目を引いたのは「スタッフ絶対把握テスト」です。

これは、試用期間1週目に岩渕さんの会社で行うテストで、
「社長の名前をフルネーム」で書かせたり、
「会社の住所」を書かせたりする内容です。

入社したばかりのスタッフに、こういう所から、
1つ1つ教えていかなければならないことを
意外と多くの経営者は見落としがちだと思います。

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| 経営・戦略 | 06:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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本当の答えを見抜く力

スタンフォードが最初に教える 本当の答えを見抜く力スタンフォードが最初に教える 本当の答えを見抜く力
(2013/05/21)
キース・デブリン

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満足度★★★
付箋数:25

  4枚のカードがテーブルの上に並べられています。

  各カードには片面にアルファベットが、もう1面に1桁の数字が
  印刷されています。4枚のカードの表は次のようになっています。

  [B] [E] [4] [7]

  次に、カードが「片面が母音ならば、その裏側は奇数」
  というルールに従って選ばれたことを知らされました。

  このルールが本当かどうかを検証するには、
  最低何枚のカードをめくる必要があるでしょうか?

  実際に、めくる必要があるのはどのカードですか?

これは、心理学者のピーター・ウェイソンさんが考案した
有名な推論心理学のテストです。

この問題、難しく感じましたか?
実際に、かなりの確率で間違える問題のようです。

この問題を難しいと感じた人は、次の問題を考えてみてください。

  1つのテーブルで4人の若者が、各自の身分証を
  テーブルの上に置いて、ドリンクを飲んでいます。

  1人はビール、もう1人はコーラを飲んでいましたが、
  その2人の身分証は裏返してあったので、年齢を確認できません。

  残り2人の身分証は表だったので、年齢を確認できました。
  1人は未成年、もう1人は20歳以上でした。

  しかし、この2人がビールとコーラのどちらを
  飲んでいるのかはわかりません。

  さて、誰も法を犯していないことを確認するには、
  誰の身分証とドリンクを確認する必要があるでしょうか?

こちらの問題は、それほど難しく感じないはずです。

まず、身分証が裏返しの2人では、コーラを飲んでいる人は
何歳でも問題ないので、ビールを飲んでいる人の身分証を
確認する必要があります。

次に、ドリンクがわからない2人では、20歳以上の人は
何を飲んでいても問題ないので、未成年のドリンクだけを
確認すれば良い。

特に、難しいと感じない問題ですよね。

実は最初の「母音と奇数の問題」と「身分証とドリンクの問題」
は同じ論理構造なのです。

ちょっと抽象度の高い問題でも、身近な社会性を含む問題に
置き換えただけで、ずいぶんわかりやすくなるものですね。

さて、本書はスタンフォード大学の「数学移行講座」の教科書。

もちろん、一般向けにアレンジされていますが、
数学の教科書であることは間違いありません。

なぜ、数学には「移行講座」の授業が必要なのでしょうか?

それは、高校まで求められてきた数学と、
大学以降で求められる数学がかなり違うからです。

高校までは、数学的な「手順」に重きが置かれます。
それは「箱の中で考える」数学。

一方、大学以降で求められるのは、「数学的思考力」で、
世の中の様々な物事に対する具体的な考え方です。

こちらは「箱の外で考える」ことができなくてはなりません。

それは社会に出てからも、問題解決の場で必要とされる力です。

ですから、本書は分析的な思考力を習得したい、
もしくは向上させたいビジネスパーソンも対象に
執筆されています。

5~7週間かけて、論理学を中心とした「数学的思考力」を
学ぶことができる本です。

練習問題は豊富に掲載されていますが、
答えが載っていないのが玉に瑕。

この本から何を活かすか?

最初の「母音と奇数の問題」を「対偶」を使って考えると、
このように解きます。

「母音⇒偶数」が真なら、その対偶である「偶数⇒子音」も
真でなくてはなりません。

従って、母音が表の[E]のカードと、偶数が表の[4]のカードの
2枚の裏面を確かめる必要があるのです。

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| 数学 | 06:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕方ない理論

脳が買う気にさせられる消費のメンタリズム  仕方ない理論 (徳間ポケット)脳が買う気にさせられる消費のメンタリズム 仕方ない理論 (徳間ポケット)
(2013/05/23)
西田 文郎

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満足度★★★
付箋数:22

能力開発の第一人者、西田文郎さん。

当ブログでは、過去に何冊か「ツキ」や「脳トレーニング」に
関する西田さんの自己啓発系の本を紹介しました。
できる人の3秒ルール究極の成功思考ウラ目の法則
ツキと幸運がやってくる31日の習慣10人の法則かもの法則

しかし、本書は西田さんのメンタルコントロールを応用した
モノを売るための「マーケティング本」です。

どんな商品も飛ぶように売れてしまう秘術。
それが「仕方ない理論」なのです。

例えば、好意を抱いているのはわかるけれど、
なかなか落ちない女性がいます。

女性側では、一夜を共にするのは嫌ではないけれど、
なかなか覚悟がつかないといった心理です。

そんな時に、女性が「仕方がない」と覚悟を決めて、
男性からの誘いを断らずにホテルに行ってしまうのが、
「終電を逃してしまった」ときです。

その事実がトリガーとなり、女性の背中を押し、
「終電がなくなったから、仕方がない」という言い訳ができ、
それまでガードを固くしていた心のホックを外させるのです。

これが「仕方ない理論」の基本的な仕組み。

  「一夜を共にすることを躊躇する女性の姿は、
  まさに今の消費者の状況と同じだと思いませんか。
  何もせずともモノが売れていた時代、消費者は、
  よさそうなものがあったら、 “とりあえず” 買っていました。
  しかし、今はいいモノがあふれている時代です。
  たとえ、いいモノであっても、なにか “きっかけ” や
   “理由付け” が必要になったのです。
  それが “仕方のない” という感情なのです。」

西田さんは、メガヒット商品には複数の「仕方ない」が
隠されているとして、本書では26の「仕方ない理論」を紹介します。

  ・「便利」で仕方ない
  ・「楽しくて」仕方ない
  ・「みんなが持っているから」仕方ない
  ・「コレを買ったら、アレを買わなくては」仕方ない
  ・「なくなるから」仕方ない

ホストクラブ通いで大金を使ってしまう女性は、
その場にいる瞬間が「楽しいから」仕方ない状態で、
同時に「面倒を見てあげなければ」仕方ないという心理も
働いているようです。

恋愛にしても、商品を売るにしても心を動かすのは、
共通の「仕方ない理論」なのです。

そして、本書では「仕方ない理論」の前にやっておくべき、
ビジネスモデルの作り方を8ステップで解説します。

過去の西田さんの著作では個人やチームの
メンタルトレーニングに焦点が当てられていたので、
本書のビジネスモデル構築の解説は、
私には、意外な内容でした。

西田さんは経営者の勉強会として「西田塾」を
ずっと開催していますから、もともと持っていたノウハウを
単に今まで書籍化していなかっただけなのかもしれません。

この本から何を活かすか?

最近はAmazonのサイトを開くと、2013年10月22日発売の
Kindle Paperwhite」ニューモデルの広告が目に入ります。

今まで、あまり意識していませんでしたが、
「おまけがあるから仕方ない」、「そこにあるから仕方ない」
という自分への言い訳を作り、買ってしまいそうです。

そして、一度Kindle本体を買ってしまったら、
「コレを買ったら、アレを買わなくては仕方ない」の心理で、
次々と電子書籍を買ってしまいそうな予感がします。

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| マーケティング・営業 | 12:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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フリーで働く前に! 読む本

フリーで働く前に! 読む本フリーで働く前に! 読む本
(2013/09/07)
中山 マコト

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満足度★★★
付箋数:23

日本経済新聞出版社、堀内さんから献本頂きました。
ありがとうございます。

本書は「フリーで働く前に!」ですから、
現在、サラリーマンやOLとして働いている方が読む本です。

では、会社勤めをしながらも「いずれは独立しよう」と
考えている人だけを対象にしているのでしょうか?

いいえ、将来フリーで働くことを考えていなくても、
本書は大いに参考になります。

なぜなら、「個の力」を磨くことが本書のテーマだからです。

  「他の誰も真似できない、圧倒的な “個” の力。
  それこそが、これからの大転職時代を生き抜いていく、
  唯一と言ってよい武器なのです。」

中山マコトさんは、個の力を「自在力」と呼びます。

自在力とは、「いつでも新しく魅力的なオファーが来る力」。

自在力がある人は、自らの個としての発想や行動を
商品価値として高めることができますから、
会社勤めをしていても、独立していても、
好きな仕事を選ぶことができるのです。

同じ企業・組織にいても自在力を持った人と、
そうでない人には大きな違いがあります。

自在力を持っていない人は、人生の主導権を会社に握られた
「サラリーマンマインド」の人。

企業に属していても、高い自在力を持った人は、
主導権を振るうことができる「フリーランスマインド」の
持ち主なのです。

本書は独立することを、安易にすすめる本ではありません。

むしろ、すぐに独立したいと考えている人には、
もう少し今の会社に留まって、自在力を高めることを
勧めています。

なぜなら、独立して成功するかどうかは、
実は独立する前に、半分決まっているからです。

では、フリーを目指す人は、いつまで今の会社で
個の力を磨き続ければ良いのでしょうか?

それは、中山さんの前著『フリーで働く! と決めたら読む本
にも書いてありますが、次のタイミングです。

  「辞めさせてくれなくなったときが辞め時」の法則。

もちろん、社中で代えのきかない存在になるだけだは不十分。

社外でも通用する自らのカテゴリーをつくり、
そこで唯一の存在なることが必要なのです。

本書では、そのブルー・オーシャンをつくりだすために
「魔法のチャート」という2軸のマトリックスが
紹介されていました。

本書は、出版年月では『フリーで働く! と決めたら読む本』の
続編という位置づけですが、独立への準備としては、
こちらを最初に読むべきだと思います。

この本から何を活かすか?

  「私が “GNP” と呼んでいる概念があります。
  もちろん国民総生産ではありません。

  G=グロス、N=ナカヤマ、P=ポイント。中山総生産です(笑)。」

中山さんは自分のアウトプットするものに、
「GNP指標」を与えているようです。

これはお金を稼ぐということだけではなく、
自分のアウトプットが他人の行動にプラスの影響を
与えることまでを考える指標です。

実際に測定することは難しいと思いますが、
そういうマインドでアウトプットを続けることが大切なのです。

  「GNPの “N” の部分に、あなたの名前のイニシャルを
  入れてみてください。いったい、自分に何ができるのだろうか?
  即物的な数字だけでなく、何を生み出すことができるのだろうか?
  そう考えてほしいのです。」

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| ブランディング | 11:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ディズニー、NTTで実践した 「感動とリピート」のマーケティング

ディズニー、NTTで実践した 「感動とリピート」のマーケティング
(2013/08/01)
渡邊 喜一郎

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満足度★★★
付箋数:19

  「ディズニーの代名詞は、サービスやホスピタリティ
  といったものですが、実は “マーケティング” こそ、
  ディズニーの真骨頂ではないかと私は思っています。
  東京ディズニーリゾートには “マーケティング” のエッセンスが
  凝縮されているといっても過言ではありません。」

本書の著者、渡邊喜一郎さんは東京ディズニーランドの運営会社
であるオリエンタルランドへ1981年に新卒2期生として
入社して以来、マーケティングを担当しました。

オリエンタルランドに10年間勤めた後、
日産、NTT、トミー、ユニバーサルスタジオなど、
いずれもマーケティング畑で活躍した方です。

本書のタイトルには、ディズニーとNTTの2社しか
挙がっていませんが、マーケティング事例としては、
渡邊さんが他に勤めた会社での事例も数多く紹介されています。

本書は「感動とリピート」をキーワードにしたマーケティング本。

  Chapter1 発想しよう!
        人がいちばん笑顔になるのは「アニバーサリー」
  Chapter2 特化しよう!
        「今ある技術×新しいフィールド」で独自化する
  Chapter3 浸透させよう!
        「○○ならココだよね」のオンリーワン感
  Chapter4 リピートしてもらおう!
        あきられない「感動」を目指して
  Epilogue ビジネスで忘れてはいけない2つのこと

ところで、「マーケティング」は、ビジネスで当たり前に
使う言葉となっていますが、本当のところは、
一体何を意味するのでしょうか?

マーケティングについて、なんとなく分かっていても、
その業務が多岐にわたるので、意外と定義するのが
難しいかもしれません。

一般的に言うと、消費者、顧客にモノやサービスを買ってもらう、
あるいは受け入れてもらうための仕組みづくり。

しかし、これではちょっと面白くありませんから、
渡邊さんは、次のように表現しています。

  「マーケティングは1本のわらをバラの花束に変えること、
  私はそう思っています。
  市場調査を行って商品やサービスを開発。
  さらに、広告宣伝を通じて販売の促進を図る。
  一連のマーケティング活動は、素材としてのわらを、
  人々に笑顔と感動をもたらすバラの花束にしていく
  仕組みづくりといえます。」

本書では、渡邊さんがディズニーで学んだマーケティング手法を、
転職した先の会社で応用した例が紹介されていますから、
同様に本書の手法を、読者が自分のビジネスで使う場合も
どう転用すれば良いのか、イメージがつきやすいと思います。

昨日の記事で紹介した北岡秀紀さんの
96%の人がやっていない 稼ぐ人の常識破りの仕事術』にも、
「パクるなら全く違う業界から」と書かれていましたから、
マーケティングに限らず、ビジネスノウハウを
他の業種で応用した方が、より効果を発揮するのだと思います。

本書は東京ディズニーランド開園当時の
苦労したエピソードも紹介されているので、
「あのディズニーでも、そんな時代があったんだな」と
親近感をもって読むことができますね。

この本から何を活かすか?

  「子どもが笑えば5000円、孫が笑えば1万円」

これは渡邊さんが、東京ディズニーランド時代に
よく口にした鉄則のようです。

少子化が進む日本では、3世代を意識したマーケティングが
より効果を発揮するのでしょう。

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| マーケティング・営業 | 06:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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96%の人がやっていない 稼ぐ人の常識破りの仕事術

96%の人がやっていない 稼ぐ人の常識破りの仕事術96%の人がやっていない 稼ぐ人の常識破りの仕事術
(2013/08/30)
北岡秀紀

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満足度★★★★
付箋数:23

AYAインターナショナル加藤さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたの周りにいる人を思い浮かべてください。

他の人より圧倒的に仕事がデキると言われたり、
ビジネスで成功している人は、何人くらいいますか?

周りに1人もいないということはないと思いますが、
それほど多くはないはずです。

なぜ、ビジネスで成果をあげる人は少ないのか?

ビジネスコンサルタントの北岡秀紀さんは言います。

  「ビジネスにおいて成果をあげる人はごく少数です。
  ということは、ビジネスで成果をあげるという点において、
   “常識” は間違っている。それが私の考えです。」

「常識」とは正解ではありません。
多くの人が、それが当たり前だと信じていることです。

しかし、中には常識を疑い、多くの人が取る行動とは
違う行動を取る人が、わずかにいます。

それがビジネスで成果をあげる人なのです。

本書で北岡さんは、私たちが当たり前だと思っていた常識を、
ことごとく否定します。

  「本書を読まれたらイラッとすることが多数あるはずです。
  信じていた “常識” を否定されるのですから。
  しかし、イラッとしているということは、それだけ “常識” に
  とらわれいるサインです。」

  ・電話を取る → 電話は都合のいい時にまとめて折り返す
  ・仕事の効率をあげる → それって、本当に必要な仕事?
  ・速読で情報収集 → 本当に必要なのは役立つ本を選ぶ技術
  ・競合調査をする → パクるなら全く違う業界から
  ・お客さまは神様 → その神様は貧乏神じゃないですか?
  ・季節のしきたり → それ何の意味があるの??
  ・これからはノマドの時代 → ノマドも結局、だだの下請け

北岡さんが言っていることが、すべて人にとっての
正解というわけではありません。

一見、ただの天の邪鬼に思えるような考えもあります。

しかし、本当に大切なのは、世間で言われる「常識」が、
自分にとっての正解かどうか、一度疑ってみることです。

あまりにも、常識に囚われすぎていると、
それが常識であることにさえ気づきません。

「常識」と書いて「あしかせ」と読む。

本書を読むと、今まで自分がどんな「足枷」をつけていたのか、
気がつくことができます。

ちなみに、タイトルの「96%の人がやっていない」は、
次の計算から由来します。

パレートの法則(80:20の法則)で、
成果をあげている人は、全体の20%。

更に、その20%の人の中でも、80%の収益をあげる20%の人がいる。

つまり全体の20%×20%=4%の人が収益を稼いでいる人。

そのたった4%の人が、稼いでいる収益は全体の
80%×80%=64%にもなるのです。

この本から何を活かすか?

ビジネスの常識、「優先順位を決めろ」を疑う。

優先順位を決めて仕事をしようとすると、どうしても「緊急度」
だけが優先されてしまい、「重要度」が後回しになってしまいます。

分かっているけれどできないジレンマを解消するために、
北岡さんは次の方法を提案をします。

  「1週間ごとに重要な仕事をアポイントとして入れておくことです。
  毎週最低ひとつは、長期的視野に立って重要なことを完了させる
  というルールを作ります。」

長期的に必要な行動が取れると、緊急で起こる問題も
どんどん減っていく好循環を生むようです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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バブルの死角 日本人が損するカラクリ

バブルの死角 日本人が損するカラクリ (集英社新書)バブルの死角 日本人が損するカラクリ (集英社新書)
(2013/05/17)
岩本 沙弓

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満足度★★
付箋数:18

なぜ経団連は消費税増税を歓迎するのか?

消費税増税は、日本経済全体にとって大きなブレーキとなります。

しかし、消費者の購買意欲が減退すると困るはずの、
経団連や経済同友会などの財界は、消費税増税に諸手を挙げて、
歓迎していると言います。

大阪経済大学教授で経済評論家の岩本沙弓さんは、
消費税増税の裏には、国民が必死に働いて生み出した富を
巧妙に掠め取っていく、強者のルールが埋め込まれていると
指摘します。

  「消費税について国内外の文献を調べ、識者の見解をうかがって
  いくうちに、じょじょにではあるが判明してきた事実があった。
  それは端的に言えば、消費税とはすなわち、輸出企業にとっての
   “打ち出の小槌” だという点に尽きるだろう。」

岩本さんが、「打ち出の小槌」と言っているのは、
「輸出還付金」のことです。

これは、輸出戻し税のことで、輸出企業は国内で生産する時は、
仕入れの際に消費税を払うけれども、国外で販売する時は消費税を
上乗せできないので、その分を政府が還付する仕組みです。

岩本さんは、元静岡大学教授の湖東京至さんの試算結果を引用し、
輸出還付金は、消費税が引き上げられれば引き上げられるほど、
輸出企業に大量の還付金が流れる打ち出の小槌だと明言しています。

そして、税務署ではこの還付金によって赤字を計上し、
医療サービスと比べても優遇されていると指摘。

更には欧州で付加価値税が普及したのは、輸出企業への補助金
として期待された歴史があるとも言及しています。

しかし、いずれも輸出還付金についての「伝聞」を
まとめただけに過ぎず、岩本さん自らそれが本当に
打ち出の小槌、あるいは影の補助金であるかどうかを
計算し、検証を行ってはいません。

ですから、私が読んだ限りでは、ファクトベースで
論理的に話が展開されているというより、
雰囲気だけで自説を展開している印象があります。

タイトルにあるように、岩本さんは現状の日本経済が
「バブル」だとい認識で本書を執筆しています。

  「本書執筆中にも、株高円安が進行し、いよいよバブルの様相が
  日本経済に顕になってきた。しかし繰り返し申し上げてきたように、
  訪れつつあるバブルが中間層を底上げしてくれる保証は
  今のところ乏しい。むしろ、これまでどおり、国内外の一部の
  大企業、既得権益を享受する人や団体など、
  ごく限られた強者だけが、かりそめの景気回復の恩恵に
  あずかる結果になってしまうのではないか。
  そうした懸念を『バブルの死角』というタイトルにこめた
  つもりである。」

本当に現状の日本がバブル経済なら、そこに死角は
あって然るべきですが、そもそも岩本さんにとって、
バブルの定義はどうなっているのでしょうか?

そんなことを考えさせられる本でした。

国民の敵を作り、親しみやすい語り口で書かれているので、
そのまま信じてしまいそうになりますが、
どこまでが事実で、どこからが岩本さんの想像なのかを
見極めて読むべき本だと思います。

この本から何を活かすか?

日本の子どもは相対的貧困?

  「日本の相対的貧困率は、経済的先進国35カ国中9番目に高い
  貧困率であり、OECDでも1人あたりの年収が高い20カ国のなかでは、
  日本は上位から4番目というあまりよろしくない結果がでていた。
  日本の子どもが飢え苦しんでいるということではなく、
  同じ社会にありながら、子どもの生活に大きな格差がある
  ということを示している。」

日本の再分配機能が働いていない証拠として書かれていました。

個人的には、再分配機能が働いているから、
飢えで苦しむ子どもがいないと認識しています。

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| 経済・行動経済学 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビシッと言っても部下がついてくるできる上司の叱り方

ビシッと言っても部下がついてくるできる上司の叱り方ビシッと言っても部下がついてくるできる上司の叱り方
(2013/09/07)
嶋田 有孝

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満足度★★★
付箋数:20

著者の嶋田有孝さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

部下を「叱る」ことが苦手な管理職が増えています。

  「人間関係が壊れてしまいそうで怖くて叱れない」
  「自分でもできないことを棚に上げて叱れない」
  「どう叱ったらよいか、その方法やフォローの仕方がわからない」

これらの叱れない理由が上がるのもごもっとも。

なぜなら、私たちは今まで、「叱り方」を体系的に
学ぶチャンスがなかったからです。

ほとんどの人は、職場や家庭、学校で叱られた
自分の経験をもとに部下を叱ります。

更に今の管理職の中には、自分自身も叱られた経験が少なく、
手本がないから、叱り方がわからないという人もいるようです。

本書は、そんな上司のための「叱り方の教科書」。

  序章 言わなければならないことをビシッと言うのが、上司の仕事
     ~叱ることの本質を知ろう
  第1章 ビシッと言うには技術がいる
     ~技術があれば、叱る勇気が湧く
  第2章 言い訳する部下、反抗する部下、逃げる部下をどう叱るか
     ~部下の心情に配慮した叱り方
  第3章 何のために叱るか、それは組織と部下の成長のためである
     ~求められる上司の姿勢
  終章 叱っても愛される上司になる
     ~効果的な叱り方

日経サービス社長の嶋田有孝さんも、管理職になった当初は、
叱り方について、ずいぶん悩んだそうです。

そして20年以上の管理職経験の中で、試行錯誤を重ねて
辿り着いたのが、本書にまとめた「正しい叱り方」。

管理職が部下を正しく叱るためには、
次の3つの壁を乗り越えなければなりません。

1つ目は、叱ることの本質を知ること。

「叱る」ことも「褒める」ことも本質は一緒で、
部下や組織を成長させるための行為なのです。

2つ目は、叱る勇気を持つこと。

時には自分のことを棚に上げて叱らなければなりません。
役割と責任を自覚して、愛情を持って部下をしかるのです。

3つ目は、正しい叱り方のポイントを学ぶこと。

やはり叱るからには、相手に伝わる叱り方でなければなりません。

そのためには、叱られる側の心理を理解して、
何をどうしたら良いのかわかるように、
的確な叱り方をする必要があります。

「ミスを憎んで、部下を憎まず」とは言いますが、
では具体的にどうしたら、相手を否定しない叱り方ができるのか?

  叱るときには、YOUメッセージを使わない。
  YOU(君)を主語にせずに、行為を主語にして叱る。

「君はまた遅刻したのか!」ではなく、「遅刻の原因は何だ」
という叱り方をすると、客観的に部下にも伝わるようです。

自分が上司になってしまうと、叱り方を学ぶ機会も
あまりありません。

叱り方に自信のない人は、本書で体系的に学ぶことが、
ビシッと言っても部下がついてくる上司になる近道です。

この本から何を活かすか?

  失敗の報告は叱るな

  「悪い報告は、ただでさえしづらいものです。
  部下は、勇気を持って、報告してくれたのです。
  まず正直に報告してくれたことに対して、感謝しなければなりません。
  ここでガツンと叱るようでは、悪い報告をするのを皆が怖がって、
  失敗を隠して報告しなくなる恐れがあるからです。」

ここは上司としての忍耐力が問われるところ。

個人的には、部下が上司を信頼するようになるのは、
失敗を報告した時の上司の対応の仕方だと思っています。

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| コミュニケーション | 06:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界初をつくり続ける東大教授の 「自分の壁」を越える授業

世界初をつくり続ける東大教授の 「自分の壁」を越える授業世界初をつくり続ける東大教授の 「自分の壁」を越える授業
(2013/07/26)
生田 幸士

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満足度★★★★
付箋数:23

科学者の世界もビジネスと同じで、研究の成果を
いかに他の研究者より早く出すかを争う競争社会です。

しかし、医用ロボットの世界的権威、
東京大学教授の生田幸士さんは、研究者につきものの
「競争」とは無縁の研究生活を送ってきたそうです。

なぜ、生田さんは競争せずに成果をあげることができたのか?

それは、大勢の人が注目する分野には目もくれず、
誰ひとり見向きもしない分野で、伸び伸びと研究してきたからです。

ビジネスの世界で言うと、「レッド・オーシャン」ではなく、
「ブルー・オーシャン」で研究したということです。

しかし、生田さんは世間で言われる「ブルー・オーシャンを探せ!」
という議論には、違和感を覚えるそうです。

なぜなら、ブルー・オーシャンは「探す」ものではなく、
自らの手で「つくる」ものだからです。

生田さんは新しい「モノ」をつくったのではなく、
新しい「ジャンル」をつくったのです。

では、どのようにしたら、他の人が思いつかないような
画期的な新ジャンルを生み出すことができるのでしょうか?

  「もっとバカにならなアカンよ!」

生田さんは、東大の学生たちに口酸っぱく言います。

そして、NHKの番組でも取り上げられたことがある
「バカゼミ」という特別講義を毎年開講します。

  「バカを貫くことは、世間の常識を疑い、常識と戦うことです。
  そして世間の常識を徹底的に疑い、そこから “新しい常識のあり方”
  まで考えられる人のことを、人は天才と呼ぶのです。
  秀才は、与えられた課題を効率よくこなし、既存の枠組みの中で
  最大限の結果を残すことができます。しかし、天才は、
  枠組み(ジャンル)そのものを自分の手で生み出すことができます。
  その大前提として “バカ” があることを、多くの人は知りません。」

生田さんは、本書で「バカゼミ」のベースとなる考え方、
その他大勢から突き抜ける方法を解説します。

また、生田さんは「人は誰でも天才になれる」とも言います。

天才になるにはIQや偏差値は必要ありません。
更には、豊富なアイディアや才能も必要ありません。

  「天才とは生き方の問題だ。
  天才な人は頭がいいのではなく、生き方が天才なのだ。」

天才とは、高い志と行動力を持って、周囲からなんと言われようと、
人生のすべてを投入する生き方を貫く人。

そういう他の人と違う生き方をする人を、
世間一般では、「あいつはバカだ」と非難します。

  「いまの日本にはバカが不足している」

本書は、常識的な発想しかできない人、
あるいは面白いことを思いついても行動に移せない人に
是非、読んで欲しい本です。

さあ、「バカゼミ」で常識というリミッターを外しましょう。

この本から何を活かすか?

生田さんは「若者の理系離れ」の一因として、
マンガやテレビに登場する科学者や理系の博士が、
ヒーローとして描かれていないことを挙げています。

ハリウッド映画の科学者たちは、理知的なヒーローなのに対し、
日本の映画やアニメに登場する科学者は野暮ったい。

頭は爆発したようにモジャモジャで、
牛乳瓶の底のようなメガネをかけて、ヨレヨレの白衣を着て、
ブツブツと呟く姿が描かれているイメージですね。

そこで、若者の理系離れの打開策として、
生田さんが考えたのが、「研究者ヒーロー化計画」。

私もこの計画には大賛成。是非、推進して欲しいですね。

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| アイディア・発想法・企画 | 06:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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稲盛和夫 最後の闘い

稲盛和夫 最後の闘い―JAL再生にかけた経営者人生稲盛和夫 最後の闘い―JAL再生にかけた経営者人生
(2013/07/13)
大西 康之

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満足度★★★
付箋数:21

  「公的資金1兆円の投入を受けたJALが、それを原資に運賃の
  値下げをしてきたら、フェアな競争にならない。」

これはANA社長だった伊東信一郎さんが、
文藝春秋に寄せた手記の中で述べた主張です。

私も伊東さん同様に、世界中のエアラインがあげた利益の
約1/3を、支援を受けて再生したJALがあげるのは、
フェアな競争になっていない証拠だと思っていました。

しかし、「誰がやっても立て直せない」と言われたJALを、
稲盛和夫さんが見事に再生したのも事実。

稲盛さん自身は、JAL再建を次のように振り返ります。

  「人様からは “晩節を汚す” と言われたが、自分のような老人が、
  無給で、スルメをかじりながら必死に働く姿を見て、
  倒産という厳しい経験をしたJALの人たちが何かを感じてくれた。
  だから短期間のうちに、JALという巨大な組織にアメーバ経営と
  フィロソフィが染み透っていった。」

本書は、日本経済新聞社編集委員の大西康之さんが、
稲盛さんの視点からJAL再生の過程を描いたルポルタージュ。

稲盛さんは、JAL再生の1155日間の激しい闘いで、
「おそらく、命を縮めた」とも言われています。

そもそも、再建を請け負う以前は、稲盛さんはJALが大嫌いでした。

  「客室乗務員もカウンターもマニュアル仕事。
  丁寧だが心がこもっていない。高学歴の幹部は自負心が強いくせに、
  政治家や官僚にはペコペコする」

このように感じていた稲盛さんは、国内出張の際は
ANAを使うようにしていたそうです。

私自身も、JALがなくなることが国民全体の損失になるのか?
という部分で、公的資金を投入しての再建には懐疑的でした。

しかし、稲盛さんを突き動かしたのは、
「独占は悪」という信念でした。

日本は電電公社に市場を独占されていたから、
国民は高い電話料金を払わされていた。

だから、この独占をなくすために稲盛さんはKDDIを創ったのです。

稲盛さんがJALの再建を引き受けたのも、
反独占の同じ想いでした。

またJAL再建は、稲盛さんの経営者としての
ラスト・メッセージでもあるようです。

  「JALという企業が腐っていることは、日本中の誰もが
  知っていました。再生は不可能だと思っていたことでしょう。
  その “腐ったJAL” を立て直せば、苦境に立っているすべての
  日本企業が “JALにできるなら俺たちにもできるはず” と
  奮い立ってくれる。そこから日本を変えられる。そう思ったのです」

本書は、以前紹介した引頭麻実さんの『JAL再生』とは、
また違うJAL再建の裏側が描いています。

ただし、大西さんも主役が稲盛さんなので、
比較的キレイな部分しか描かなかったという印象です。

私は、更に別の角度からJAL再生を見るために、
稲盛さんが4年振りに書き下ろした
2013年9月刊行の『燃える闘魂』も読む予定です。

この本から何を活かすか?

本書のエピローグでは、同じ既得権益に切り込んだ経営者として、
土光敏夫さんと稲盛さんを比較しています。

土光さんは、このブログでも『清貧と復興 土光敏夫100の言葉
で紹介したことがありますが、JR、NTT、JTの民営化などで、
「行革の鬼」と呼ばれた方です。

確かに、このお二人、「独占は悪」と考えるところや、
私生活で虚飾に走らないなど、共通するところがあります。

本書では比較していませんが、破綻企業の再建ということでは、
カルロス・ゴーンさんとの比較や、
既得権益や官との闘いということでは孫正義さんの手法と
稲盛さんを比較しても面白いと思いました。

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| ビジネス一般・ストーリー | 07:20 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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わたしたちの体は寄生虫を欲している

わたしたちの体は寄生虫を欲している (ポピュラーサイエンス)わたしたちの体は寄生虫を欲している (ポピュラーサイエンス)
(2013/07/25)
ロブ・ダン

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満足度★★★★
付箋数:25

  「虫垂は腸の下部からぶらぶらと垂れ下がる肉の塊だ。
  小指ほどの大きさで、他の器官に比べると小さいが、
  その存在は十分、説明に値する。
  しかし、虫垂が何をしているかという問の答えは、
  長年にわたってあいまいなままだった。
  心臓は血液を送り出している。肝臓は血をきれいにし、
  血圧の維持を助けている。肺は血液に酸素を供給し、
  二酸化炭素を除去している。
  そして虫垂は、そう、ただ垂れ下がっている。」

昔は、盲腸になると切除する治療が普通でしたが、
最近は破裂するなどの緊急性がなければ、投薬療法が一般的。

虫垂は、長きにわたって「何もしていない」器官と
考えられてきました。

その証拠は、盲腸の手術で切除しても何も起きなかったから。

だから、男性の乳首やクジラの後脚の骨のように、
目立つけれども不要な、進化の遺物だと説明されてきました。

それでは、なぜ、炎症を起こすことで人を死にいたらしめる
何もしない器官が、進化の過程で残ったのでしょうか?

更に、もし虫垂が痕跡器官であるならば、
人間の祖先に近いチンパンジーたちの虫垂は、
サルたちの虫垂より退化しているはずです。

しかし、実際はその逆でチンパンジーの虫垂は、他の霊長類の
虫垂より大きさも構造もはるかに発達しているそうです。

虫垂の役目を初めて発見したのが、デューク大学名誉教授の
ランドル・ボリンガーさんと、同僚のビル・パーカーさん。

  「虫垂は、細菌の家なのだ―ポリンガーとパーカーは、
  それが正解だと信じた。虫垂は細菌が腸内の流れから逃れて
  繁殖するための場所、言うなれば、平和の路地だったのだ。
  その路地があればこそ、何らかの疾患のせいで腸内の細菌が
  一掃されても、そこに逃げ込んでいた細菌によって
  腸内には再び細菌のコロニーが形成されるのだ。」

まだ仮説の段階のようですが、何も役に立たない器官と
考えられていた虫垂も免疫機能に大きな関わりを持っている
可能性があるようです。

さて、本書はノースカロライナ州立大学、生物学部教授、
ロブ・ダンさんによるサイエンス・ノンフィクション。

寄生虫は人類に欠かせない最高のパートナー。

タイトルの通り、私たちの体に寄生虫がいなくなったことで、
新しい病気が発症しているというもの。

寄生虫をあえて体内に入れて病気を治療する女性の話や、
冒頭で紹介した虫垂の役目、腸内細菌の働き、人間の体毛、
人間が大人になっても牛乳を飲む話など、多方面から広く
人間と自然の相互作用について語られています。

最終章では、ビルの壁面を農地にするニューヨーク市での
構想が紹介されています。

ダンさんは本書で、健康になろうとして、清潔にすればするほど、
実は不健康になっている現代人の清潔主義に警鐘を鳴らします。

日本版の序文を担当した『パラサイト・イヴ』の作者、
瀬名秀明さんも絶賛していますが、
読んでいて興奮させてくれるポピュラーサイエンスの本です。

この本から何を活かすか?

私たちは病気の治療で、抗生物質を使うことがあります。

抗生物質を投与することで、病気が治りますから、
体内で「悪い」細菌が減り、「善い」細菌は変わらないか、
むしろ増えると想像しているかもしれません。

しかし、実際に抗生物質は「悪い」細菌だけを選んで
殺すようなことはないようです。

私たちにとって必要な「善い」細菌を含め、
腸内の細菌の大半を殺してしまうのです。

だからこそ、細菌の避難場所として虫垂が必要なのですね。

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| 科学・生活 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「世界で戦える」人材の条件

「世界で戦える」人材の条件 (PHPビジネス新書)「世界で戦える」人材の条件 (PHPビジネス新書)
(2013/06/19)
渥美 育子

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満足度★★★★
付箋数:26

グローバル人材に必要な能力は何か?

本書の著者、渥美育子さんが日本を代表する大企業5社で、
社員500名にこのアンケートを取ったところ、
正しくグローバル化を理解していた回答は、
わずか5名、全体の1%しかなかったそうです。

グローバル化について誤解した回答で多かったのが、
「英語力・語学力」、「コミュニケーション能力」などの答え。

もしそうなら、英語を母国語とする人は、
それだけでみなグローバル人材になりますし、
コミュニケーション能力についても、
話す中身があってはじめて成り立つ能力です。

更に「現地の市場、商習慣や文化を熟知すること」という
回答も多かったそうですが、これはまさに日本人が
「国際ビジネス」と「グローバルビジネス」の違いを
理解していないことの表れだと、渥美さんは指摘します。

  「グローバルビジネスを行う能力は、ルールの軸に沿った理解
  (グローバルスタンダードなど)と、多様性の軸に沿った理解
  (現実の市場)を同時に推進し、全体最適の形でスピーディーに
  成果を出す能力である」

本書は、間違ったグローバル化の呪縛から解き放ち、
真のグローバル人材になるための「道」を示す本です。

  道1 グローバルマインドを持つ
  道2 <文化の世界地図>で、世界を俯瞰的に見る
  道3 倫理とリーガルマインドを強化する
  道4 日本のDNAを磨き、日本型グローバル人材を目指す
  道5 21世紀の学習方法に切り替える

今まで私たちは、宗教分布図によって世界を見ることが
一般的でした。

しかし、時間軸と空間軸を使って地域ごとの
価値観を見直すと、意外な事実が判明します。

それは「アジア」と「ラテンアメリカ」の価値観が
非常に近いということ。

これは、単に世界を見る切り口を変えただけではありません。

本書で注目すべきなのは、渥美さんオリジナルの
グローバル人材になるための教材があること。

1つ目は、<文化の世界地図>。

これは、次の4つのコードで世界の文化を色分けします。

  ・リーガルコード(法的規範):ルールとノウハウ
  ・モラルコード(道徳的規範):人間関係
  ・レリジャスコード(宗教的規範):神の教え
  ・ミックスコード:上記3つの内、2つのコードが併存

2つ目は、<グローバルナビゲーター>。

こちらは、時間軸と空間軸から、その国の価値観を
理解するための教材です。

本書は、私が今まで読んできた「グローバル」を
標榜する本とは、かなり違った印象を受けました。

「グローバル」とただ叫ぶだけで、精神論的な中身のない
グローバル化を説く本や、自分の経験だけを元にした
思い込みによるグローバル人材育成法を解説した本とは、
一線を画す本です。

巻末の資料も充実しているので、ここだけでも十分に
読む価値があるように思えます。

この本から何を活かすか?

日本の「本音と建前」をどのように説明するか?

本音と建前をリーガルコードの人に、解説しようとすると、
即座にダブルスタンダード(二重基準)だと捉えられてしまい、
前近代的な意思疎通をする国民は信用できないと
思われる可能性があるそうです。

渥美さんは、本音と建前を「舞台上の現実」と「楽屋の現実」と
説明し、理解してもらうそうです。

上手い説明なので、そのまま使わせてもらいます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 08:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アップル帝国の正体

アップル帝国の正体アップル帝国の正体
(2013/07/16)
後藤 直義、森川 潤 他

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満足度★★★★
付箋数:23

  「今、日本に “アップル” を知らない人はほとんどいないだろう。
  だが、このクールせ先進的な巨大企業が、様々な日本企業と
  交叉して成り立ってきたという歴史を知る人はとても少ない。
  これまで、アップルの姿は常にスティーブ・ジョブズという
  歴史に名を残す天才が放つまばゆい光の向こう側にあり、
  誰もその実像を掴むことができなかった。
  スター経営者の陰に隠れて、時に猛禽な姿さえ見せながら
  仕事を着実に実行するグローバル企業の姿はあまり伝わってこない。
  私たちは、このアップルの “知られざる正体” にスポットを
  当てるべく、地道に取材を進めてきた。」

本書は、週刊ダイヤモンドの記者、後藤直義さんと
森川潤さんによる、アップルの「正体」に迫る渾身のドキュメント。

アップルによる日本メーカー残酷物語の様相を呈しています。

  プロローグ アップル帝国と日本の交叉点
  第1章 アップルの「ものづくり」支配
  第2章 家電量販店がひざまずくアップル
  第3章 iPodは日本の音楽を殺したのか?
  第4章 iPhone「依存症」携帯キャリアの桎梏
  第5章 アップルが生んだ家電の共食い
  第6章 アップル神話は永遠なのか
  エピローグ アップルは日本を映し出す鏡

表紙のデザインは、巨大で真っ赤なリンゴが、
今にも日本を飲み込もうとしていますが、
本書を読む限りでは、日本のものづくりは、
完全にアップル帝国に飲み込まれてしまった印象を受けます。

シャープやソニーなどの日本の名だたるメーカーは、
もはや帝国に支配された植民地でしかありません。

アップルに逆らっても生きていけませんし、
帝国の一部となったと思っても、
それはアップル依存症が高くなっているだけのこと。

植民地の末路は、アップルから要求されるコストカット地獄と、
それを乗り越えた後に来る、受注削減による突然死です。

メーカーにとっては、生きるも地獄、死ぬも地獄。

私たちが、アップルの優れた製品から受ける恩恵は、
多くの日本のメーカーの犠牲の上に成り立っている
ということがよくわかります。

もちろん、これはブラック企業が従業員を酷使するのとは違い、
あくまでビジネス上の提携関係ですから、
アップルが一方的に悪いというわけではありません。

ただ、私が本書を読んで思い出したのが、
「フェアトレード」という言葉。

フェアトレードは、途上国の原料や製品を適正な価格で
継続的に購入することを通じて、立場の弱い途上国の
生産者や労働者をサポートする運動です。

本書の後半では、強大な力を誇るアップル帝国であっても、
永遠には続かないことを示唆していますが、
今しばらくその支配が続けば、日本やアジアの国々の
メーカーを保護するための、フェアトレード運動が起こっても
不思議ではないようにさえ思えました。

本書は、入念な取材を行い、日本のサプライヤーの視点から
アップルの栄光の裏側を描いた力作です。

この本から何を活かすか?

多くのビジネス書では、アップの先見性や、
スティーブ・ジョブズさんのクリエイティビティを礼賛し、
成功事例として取り上げています。

しかし、仮に日本のメーカーにジョブズさん同様の
クリエイティビティがあったとしても、
アップルにはなれなかったように思えます。

それは、日本人がアングロサクソン系の
猛禽類的な俊敏性と冷酷さを持っていないから。

帝国を築き上げ、支配できるかどうかは、
クリエイティビティの問題だけでなく、
狩猟民族と農耕民族の違いも大きいと感じました。

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| ビジネス一般・ストーリー | 08:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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3年後、残る人 あぶれる人

3年後、残る人 あぶれる人3年後、残る人 あぶれる人
(2013/08/24)
キャメル・ヤマモト

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満足度★★★
付箋数:24

日本実業出版社、細野さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「自分の強味(Strength)を見いだし、磨きあげ、
  それで勝負するような人生は充実し、世の中にもベストの形で
  貢献できるだろう。
  本書は自分の強味をデザインして、磨きあげていく方法を
  詳細に説明する。」

本書は短くても3年、長ければ25年以上つきあっていく、
人生の長期戦略をつくるための本です。

著者は当ブログでも『「世界標準」の仕事術』を
紹介したことがあるキャメル・ヤマモトさん。

  「3~5年で専門性などの強味を1つ身につければ、
  おそらく100人に1人くらいの人材になれるだろう。
  次の3~5年で、新しい強味を身につけて、また、
  100人に1人くらいの人材になれるだろう。
  ここで最初の強味(専門性)と次の強味がうまくつながって
  掛け合わされば、100×100=1万で、
  1万人に1人の人材になれるだろう。」

なぜ、「強味」を磨く必要があるのかというと、
情報化とグローバル化で、世界が変わってきているからです。

それは強者と弱者に2極化して、中間的なサラリーマンが
職を失う「ハイパーコネクティッド」な世界。

ハイパーコネクティッドな世界を生き抜くためには、
「ユニークな強味」が必要とされるのです。

ヤマモトさんの計算上では、100人に1人の専門性と
100人に1人の専門性を掛け合わせると
1万人に1人になることはわかります。

では、どのようにして、3年かけて身につけていくべき専門性、
これから磨くべき強味を決めたらよいのでしょうか?

強味を決めるためには2つの段階が必要です。

まずは、自分にはどのような本質的な強味があるのか、
現状を知ること。

そして次に、今の強味を元に、3年後に身につけたい
自分の武器となる強味を特定すること。

本書でヤマモトさんは、この2つのステップを踏まえ、
スムーズに強味を見つけられるよに、
次の2つのフォーマットを提供します。

  ・「強味の補助シート」 → 現在の強味を知る
  ・「強味シート」 → これから身につける強味を見つける

もちろん、3年後に欲しい強味を見つけたからと言って、
それで自然とその強味が身につくわけではありません。

大切なのは、強味を身につけるための行動の習慣化。

本書では、行動の習慣化までフォローしています。

  「あなたの強味を作ることは、繁栄のための手段としての意味
  にとどまらず、それ自体が意味(価値)を持つ。
  もう少しいえば、強味作りは生きる目的の1つ。」

1つの分野に徹底的に打ち込んで極めていく過程は、
自分の成長がわかり非常に面白い。

私は、強味を磨くことが生きる意味になるという
ヤマモトさんの考えに賛同します。

この本から何を活かすか?

本書の「強味の補助シート」では、自分の強味を知るために、
「エニアグラム」も活用します。

エニアグラムとは9つの性格に分類する性格診断です。

詳しくは『9タイプ・コーチング』の記事を参照してください。

また、「エニアグラム性格診断心理テスト」のサイトでは、
あなたのタイプを診断することができます。

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| 目標達成本 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?

世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?
(2013/04/11)
田村 耕太郎

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満足度★★★
付箋数:16

  「この本は最高のパフォーマンスを出す総合コンディショニングの
  テキストブックを目指した。雑誌『ターザン』誌上での連載が
  ベースになっていることもあり、気合も大事だが気合だけでなく
  科学思考も取り入れてわかりやすく説得力を持たせることを心がけた。」

田村耕太郎さんによると、とにかく欧米のエリート達は、
常に運動を欠かさず、「文武両道」を実践していると言います。

それに比べて、今の日本のリーダー達は運動が足りない。

脳の機能をよくするには、運動をすべきで、
最高のパフォーマンスをコンスタントに出すためには、
日頃からコンディショニングに配慮して、努力を続けるべき
というのが田村さんの持論です。

本書のメインの内容は、次の3つのHowToです。

  1. トレーニング方法(クロスフィット)
  2. 食生活の改善(ミートアウト)
  3. 精神修行(座禅)

雑誌『ターザン』連載で想像がつく通り、写真やイラストを使い、
総合的なコンディショニングの方法が解説されています。

しかし、そこの説明に至るまでがかなり長い。

いかにトレーニングで体を鍛え、朝方の生活をするのが良いかが、
6名のエリートの実例を交えて解説されています。

確かに、いままで運動をしていなかった人が、
本書に紹介されるような、フィットネスを継続するには、
途中で挫折しないための「なぜ続けるのか?」という
問いへの答えが必要です。

始めるきっかけとして、気持ちを高揚させ、
習慣化のためにも、精神的な支えがあった方がいいでしょう。

その意味では、文章すべてが煽動的な田村さんの本は、
読めば「やらなくちゃ!」という気にさせてくれます。

実際に、ワークアウト方法や食事の改善方法などは、
その道の専門家が書いた本の方が、実効性が高いと思います。

しかし、いくら効果的なコンディショニング方法が書かれていても、
読者をやる気にさせ、継続できなければ意味がありませんから、
田村さんのアジテーション調の語りは、総合的に見て
効果が高いのかもしれません。

  「最後まで楽しんでいただけただろうか?
  われながら濃くて読みがいのある1冊だと思う。
  トレーニングから食事そして座禅までコンディショニングの
  実践方法を具体的に書いたので、通常の啓発本や
  ビジネス書の範疇を超えたものになった。
  本書の主旨は時代の変化を先取りして準備するコンディショニング、
  さらにはライフスタイルの提案である。」

いつもながら、この田村さんの自信満々な様子というか、
自画自賛ぶりには頭が下がります。

世界のエリートのと伍して戦っていくためには、
これぐらいのセルフコンフィデンスが必要なのでしょうか。

この本から何を活かすか?

本書では「クロスフィット」というワークアウト法が
紹介されていました。

方法はいたって簡単。

  ・腕立て伏せ 6回
  ・腹筋 6回
  ・スクワット 6回

これを1セットとして、5分間でできる限り行うというもの。

短時間で効率よく鍛えられ、時間との闘いでモチベーションが
アップし、数値を出すので仲間と競争できるようです。

私もクロスフィットをやってみました。

最初は「1セットたった6回なら楽勝」と思ってやっていましたが、
回数を重ねるごとに、どんどんキツくなり、
たった5分が相当長く感じました。

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| ノウハウ本 | 06:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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