活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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グレアムからの手紙

グレアムからの手紙 ──賢明なる投資家になるための教え (ウィザードブックシリーズ)グレアムからの手紙 ──賢明なる投資家になるための教え (ウィザードブックシリーズ)
(2013/06/15)
ベンジャミン・グレアム

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満足度★★★
付箋数:18

  「本書の目的は、証券分析に関してグレアム自身が寄稿した
  数々の文献を、はじめて一冊の書としてまとめることにある。
  また、本書は2009年出版されたグレアムおよびドットの大著
  『証券分析』第6版の手引書として活用することにも
  役立つことであろう。」

ウォーレン・バフェットさんの師として知られる
ベンジャミン・グレアムさん。

ウォール街に多大な影響を与え、証券分析の父とも呼ばれます。

グレアムさん以前と、以降では世界が一変しました。

グレアムさん登場以前は、株式投資はギャンブルに過ぎず、
財務諸表を分析し、企業の本来持つ価値に目を向けることは
ほとんどありませんでした。

ですから、投資家は「債券」に投資する人を指す言葉で、
「株式」に投資する人は投機家と呼ばれていました。

財務諸表を分析することで、一発当てるためだった株式を
投資に生まれ変わらせたのが、グレアムさんなのです。

かつて、大前研一さんは、Windowsバージョン1が出た
1985年以前をB.G(ビフォー・ゲイツ)と呼び、
以降をとA.G(アフター・ゲイツ)と呼び、時代の転換点としました。

これは、キリストの生誕前後でB.C(ビフォー・キリスト)と
A.C(アフター・キリスト)に時代が分けられることに
なぞらえたものです。

個人的には、投資の世界では、B.Gをビフォー・グレアム、
A.Gをアフター・グレアムと呼んで時代を区別しても
いいぐらいだと思います。

さて、本書はジェイソン・ツバイクさんとロドニー・サリバンさんの
Benjamin Graham, Building a Profession:
The Early Writings of the Father of Security Analysis

の邦訳本です。

これは名著『証券分析』や『賢明なる投資家』を補完するするもので、
グレアムさんの短い論文や寄稿文とその解説が掲載されています。

また、グレアムさんの公正さに対する情熱や、
貧弱な企業統治に対する憤りなども見ることができるので、
今まで知られていたグレアムさんとは違う一面も
知ることができる本です。

後半には対談も掲載されていますから、グレアムさんの人間性を
垣間見ることができる貴重な一冊とも言えます。

ただし、これから投資を始める人が、
本書を読んで、具体的な投資方法がわかるといった
種類の本ではありません。

あくまでグレアムさんの考えの変遷や、
投資の歴史を知るための本です。

グレアムさんによって、かつて投機と呼ばれた株式が、
投資に生まれ変わった記録が書かれている本なので、
本書を読んだからといって、投資がうまくいくことはありません。

時間のある時に、ゆっくり読みたい本です。

この本から何を活かすか?

  『証券投資』は誤訳だった。

長尾慎太郎さんの監修者まえがきによると、グレアムさんの著書
「Security Analysis」は「証券分析」ではなく「安全分析」が
正しい訳語だそうです。

「Securities」と複数形になっているのなら、「証券分析」が
適切ですが、「Security」と単数になっているので、
「安全分析」が本来の意味になるようです。

  「はるか昔、“Security Analysis”が『証券分析』と訳出された
  ことが遠因で、今ではグレアムの功績と安全分析の存在が
  日本ではまったく無視されている事実は、その意義を少しだけでも
  知る者としては残念でならない。」

確かに私も、長尾さんが言うように、日本でもグレアムさんの
功績や分析方法はもっと知られるべきだと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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