活かす読書

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群れは意識をもつ

群れは意識をもつ 個の自由と集団の秩序 (PHPサイエンス・ワールド新書)群れは意識をもつ 個の自由と集団の秩序 (PHPサイエンス・ワールド新書)
(2013/07/20)
郡司ぺギオー幸夫

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満足度★★
付箋数:20

ムクドリは1羽で行動するときは、ハトやスズメなどと
さほど変わらない個性的な行動をとります。

しかし、群れになった途端、まるで集団としての意思を
持つかのように、大空を飛び回ります。

それは巨大な1個の細胞になったかのようにさえ見えます。

  「ムクドリの巨大な群れは、明確な縁をもった塊であり、
  密度のあまりの高さゆえ、黒い、光沢さえ感じるような様態を示す。
  遠くから眺めるその様子は、のたうち回る巨大な化け物―
  もののけ姫のダイダラボッチや、ナウシカの巨神兵、
  エヴァンゲリオンといっても過言ではない。」

ムクドリ以外でもイワシの大群や餌に向かうアリなど、
群れが意識を持っているように見える動物がいます。

これらの動物の群れは、いかにして一糸乱れぬ行動をとるのか?

そこには、集団としての「意識」は存在するのか?

このテーマは生物学者にとってはもちろんですが、
人工知能の研究者たちにも興味をもたれてきました。

なぜなら、1つ1つは何の意識も持たない神経細胞が、
千数百億集まって集団になることで、
そこに「意識」が出現することに似ているからです。

本書の著者は、理論生物学者の郡司ペギオ幸夫さん。

ちなみに、郡司さんのミドルネームの「ペギオ」は、
本名ではなくペンネーム。

自分の子供につけようと考えた「ペンギン」という名前が、
奥さんに却下されたため、自分のペンネームに取り入れたとか。

本書では、これまでの群れの意識にまつわる人工知能の研究も
紹介しつつ、自身の西表島のミナミコメツキガニの行動研究から
個の自由と集団の秩序の謎に迫ります。

  第1章 意識と群れ―モノとコトの未分化性
  第2章 動物の群れ―個体の視点におけるモノとコト
  第3章 ミナミコメツキガニの群れは痛みを感じているか
  第4章 群れによる時計・身体・計算機
  第5章 群れの意識―条件から経験へ

本書のように個と群れのつながりを見る時に考慮すべきなのは、
「モノ」と「コト」の関係性。

  「モノとは、その外部と区別可能な境界を有する対象であり、
  外部から操作可能な実態であり、量によって数え上げられるような
  概念装置である。コトとは、無限定に全面的に展開される事態であり、
  内部で経験されるしかない出来事であり、強度によって
  理解される概念装置である。」

ちょっと哲学的な表現でわかりにくいですが、
モノは三人称の客観的な概念で、コトは一人称の主観的な
概念ということです。

第三者が群れに意識があるかどうか観察する場合は、
モノとコトは不可分で、両者を見なければならないということ。

本書の中心となるのは、ミナミコメツキガニの行動研究です。

ミナミコメツキガニは、周りに仲間が集まってくると、
進む方向を一匹が決めるのでも、、他のカニに合わせるでもなく、
互いに共鳴し合って進む方向を決めいているようです。

本書は、全体的に理論やモデルの説明の言い回し話が難しく、
理解するには時間のかかりそうな本でした。

この本から何を活かすか?

郡司さんと茂木健一郎さんは仲が良いようですね。

郡司ペギオ幸夫伝説」として、茂木さんのツイートが
Togetterでまとめられています。

これらの茂木さんのツイートを読む限り、
郡司さんはペンネームが強烈で、著書が難しいだけでなく、
キャラクターとしてもインパクトがある方なんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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