活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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私がマッキンゼーを辞めた理由

私がマッキンゼーを辞めた理由  ―自分の人生を切り拓く決断力― (ノンフィクション単行本)私がマッキンゼーを辞めた理由 ―自分の人生を切り拓く決断力― (ノンフィクション単行本)
(2013/07/10)
石井 てる美

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満足度★★★
付箋数:23

ギャップは人を引きつけます。

マッキンゼーを辞めて、転職する人や独立する人は、
毎年たくさん出ていますが、「お笑い芸人」になった人は、
本書の著者、石井てる美さんしかいません。

東大、東大大学院、マッキンゼーというエリートコースを
歩んできた石井さんが、次に選んだ道がお笑い芸人ですから、
「えっ、どうして?」と疑問に思うのが、普通の反応でしょう。

この「どうして」には、「どうしてマッキンゼーを辞めたのか?」
という意味と、「どうしてお笑い芸人なのか?」という2つの意味が
含まれています。

  「私の決断の最後の一押しをしてくれたのは他でもない、
   “即断・即決・即行動” というマッキンゼーで培われた
  マインドセットでした。私はこの考え方を、ビジネスから
  自分自身の人生へと応用しました。
   “どうしたら人生後悔しないのか?” と自分に問い、
   “お笑い芸人になる” という強烈な仮説が生まれた以上、
  仮説を検証するべく即行動するしかなかったのです。」

優秀な人が集まるマッキンゼーは、誰にでも背伸びをして
成長し続けることを要求する会社で、
「100m走のスピードでフルマラソンを走るような会社」と
石井さんは振り返ります。

「やればできる」の精神で地道に努力を重ね、
エリートコースを歩んできた石井さんにとって、
マッキンゼーはそれまでのやり方がまったく通用しない、
別世界だったようです。

結果が出せず、精神的にかなりまいっていた石井さんは、
出社の道すがら「車が轢いてくれたらいいのに」と考えるほど、
追い詰められていました。

そして、死んだ方がラクと考える状態になって、
「でも、どうせ死ぬんだったら、その前に最後に
本当にやりたかったことをやろう」という境地に至ったようです。

本書で描かれているのは、マッキンゼーのコンサルタントらしい、
スマートで合理的な人生の決断ではありません。

自分の強みと弱みをフレームワークで考えて、
戦略的に下した転職の判断でもありません。

本書にあるのは、死を考えるほど精神的に辛い日々の中で、
自分にとって本当に大切なものがなにかを考え、
もがき苦しんで得た「お笑い芸人になる」という
決断に至るまでの記録です。

決して、タレント本ではありません。

ちょっと重苦しく、あまりにマジメに自分に向き合って
書いているので、お笑い芸人の書く本としてはどうなの?
と心配してしまうくらいです。

本書で石井さんは、なぜマッキンゼーを辞めてお笑い芸人に
なったのかについて、十分に語ることができました。

それは、あと一歩を踏み出す勇気がなくて、
決断できないでいる人を後押しするものです。

ですが、次作はそういったものさえも完全に捨てて、
もっとユーモアのある笑える本を書いて欲しいと思います。

私には、まだ石井さんの中には、東大やマッキンゼーが
残っていて、芸人としてブレイクするためには、
一度それらを完全に捨てる必要があるように思えます。

この本から何を活かすか?

これまで当ブログでは、現役、元を含めたお笑い芸人さんの本を
何冊か紹介してきました。

  ・イラン人は面白すぎる!
  ・あきらめない生き方
  ・お前なんかもう死んでいる
  ・自己プロデュース力

これらの中で、最も笑えたのはエマミ・シュン・サラミさんの
イラン人は面白すぎる!』でした。

という事は、面白い本を書く才能と、芸人として売れる才能は
違うということなのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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