活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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Googleの72時間

Googleの72時間  東日本大震災と情報、インターネットGoogleの72時間 東日本大震災と情報、インターネット
(2013/04/10)
林 信行、山路 達也 他

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満足度★★★★
付箋数:25

  「2011年3月11日の地震が発生した瞬間、
  日本のGoogleにはまだ災害対応チームもない状態だったが、
  数時間後には最初のサービスが立ち上がり、
  つづく週末の間にもいくつものサービスが本格始動していった。」

本書は、東日本大震災発生直後に、Googleがいかにして
もの凄いスピードで災害対応サービスを立ち上げたかの
ノンフィクション。

Googleの社員が、他の企業に比べて多少自由に動けたとしても、
混乱した状況の中で迅速に連携を図り、次々と有用なサービスを
リリースしていったのは、やはり驚異的なことです。

過去に米国のハリケーン・カトリーナやハイチの地震、
四川大地震などで安否確認サービスを提供してきた経験が
あるとはいえ、普段から正しいことをやるという風土の中で
仕事をしていないとできないことだと思います。

本書は、Googleのクライシスレスポンスのサイトに
掲載されている「東日本大震災と情報、インターネット」の
情報を再構成し、大幅に加筆したもの。

著者はサイト同様、 IT系ジャーナリストの林信行さんと、
ライターの山路達也さん。

主役はGoogleですが、連携するテレビ局や自治体、
更にYahoo!JAPANの災害対応などもレポートされています。

東日本大震災関連の本だと、「今さら」という感じもしますが、
本書は「今だからこそ」読んでおきたい本でした。

なぜなら、緊急時にどれだけ動けるかは、
いかに平時に準備をしているかにかかっているからです。

平時に培った力しか、イザという時に発揮できませんし、
非常時こそ力の差が如実に現れるのです。

本書はGoogleの称賛本ではなく、震災の教訓と
Googleの行動から、自分たちが普段からできることを
考えるための本です。

  「東日本大震災を乗り越えた私たちは、被災した方々の体験を
  無駄にせず、未来に役立てる使命を背負っている。
  それでは、私たちにできることは何だろう?」

林さんと山路さんは、本書をきっかけに、
ITを使った防災について考える機会を与えてくれます。

この本から何を活かすか?

震災後のテレビとネットの融合は、何人もの勇気ある人の
法や組織を超えた行動によるものでした。

本書のレポートを一部割愛して紹介します。

  最初の揺れから17分後の午後3時3分。

  NHKで放送された画面をネットに流したら、
  助かる人がいるんじゃないかと考えた少年がいました。

  少年は福島県に住む、当時、中学2年生。

  NHKから訴えられたらどうしようと、一瞬考えましたが、
  東北には自分より不安を抱えた人がものすごい数いる
  という思いから、自分のiPhoneでテレビ画面を写して、
  Ustreamに流しはじめました。

  配信の話題は、Twitterを通じてあっという間に広まり、
  午後4時には、Ustream Asiaの社長にも伝わります。

  Ustream側は、NHKの著作権を侵害する違法配信であると
  認識しつつも、停電などでテレビを見れない人には
  貴重な情報源であると考え、NHKから要請がない限り、
  配信を停止しないと判断。

  そして、午後5時20分、NHK広報のTwitterアカウントが、
  この配信情報に対し、「情報感謝!」というメッセージを添えて、
  自らUstreamのURLを広げました。

  この時点で、ネット上では事前許可なしで行われた配信が、
  NHKの同意を得たと認識されましたが、
  実は、NHK広報のTwitterも一職員の独断によるものでした。

  そのNHK職員は、他のユーザーからそんなことをして大丈夫か
  と問われると、「私の独断なので、あとで責任を取ります」と
  返したそうです。

  午後6時、NHKは公式にUstreamの配信を承諾し、
  午後9時からNHK自身によるUstream公式配信をスタートさせました。

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| ビジネス一般・ストーリー | 07:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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成功者3000人の言葉

成功者3000人の言葉成功者3000人の言葉
(2013/05/31)
上阪徹

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満足度★★★
付箋数:20

  「文学専攻の著名な大学教授に取材をしているときでした。
  次々に質問を繰り出していた私に対して、
  彼が突然こう聞いてきたのです。

  “上阪さん、ドストエフスキーを読まなければいけない
  理由を知っていますか”

  私がキョトンとしていると、彼は訥々と語り始めました。

  “ドストエフスキーの小説には、人間というもののすべてが
  詰まっているんですよ。特に、人間が生きる世界が、
  いかに理不尽で、無慈悲で、不平等で、不合理で、
  残酷なものであるかが語られている。
  それを理解して生きるのと、まったく理解しないで生きるのとでは、
  人生は大きく変わっていくんです”」

私はドストエフスキーさんの小説を漫画まとめ本でしか、
読んだことがないので、こんな話を聞くと、
ちゃんと読まなきゃなと思います。

さて、本書はフリーライターの上阪徹さんが、
過去3000人以上に行なったインタビューの中から、
気づきや人生をより良くするためのヒントをまとめたもの。

グローバル企業の経営者や、高名な大学教授、オリンピックに
出場したアスリート、誰もが知っている俳優やテレビタレント、
ベストセラー作家やミュージシャンなどの言葉を紹介します。

ただし、すべての方は肩書きだけで、固有名詞は出てきません。

もちろん、上阪さんの取材メモには、インタビューした人の名前が
記されているはずですが、それをあえて本書では書いていません。

名前を出してしまうと、有名な方々だけに、
先入観で話を聞いてしまって、その言葉の持つ本当の意味が、
伝わりにくくなってしまうからなのだと思います。

ただし、「芸能界でトップランナーとして20年以上も活躍する
タレント」と書かれると、私の場合は、それって誰?
と想像して、一度内容から離れてしまうので、
名前を出さないことがプラスとは言えない面もありました。

本書は、「成功者3000人の言葉」というタイトルですが、
インタビューから成功法則をまとめた本ではありません。

よくある成功法則の本は、成功者の共通した考えが
まとめられているので、積集合(A∩B∩C・・・)を表しています。

しかし、上阪さんは、成功に限らずいろいろな人生があってもいい
と考えているので、本書は和集合(A∪B∪C・・・)のような、
人生の幅広さを認める本になっています。

  「私はこうも思うようになりました。果たしてこうした人たちほどの
  大きな成功を、誰もが求める必要があるのか、と。
  人生は、人それぞれ、でいいはずなのです。
  身近な人に捧げる人生があっていい。(中略)
  大事なことは、それを自ら認識し、納得し、望むということ。」

本書は、一つの目標を目指すための本ではなく、
ろいろな場面で、ヒントとなる言葉が散りばめられているので、
その中から、自分にふさわしい言葉を見つける本です。

この本から何を活かすか?

  「仕事では、 創造力が強調されることがよくあるのですが、
  それより “想像力” を重視したほうがはるかに有効です。
  なぜなら、創造力は誰にでもあるわけではなく、
  この力を磨くのは極めて難しいけれど、想像力は誰にでもあって、
  しかもそれを磨くことができるからです。」

では、想像力を働かせて、人間関係にどう活かすのか?

  「自分にしてほしいことを、人にもする。
  自分にしてほしくないことを、人にしない。」

小学校の道徳の時間に習うような内容ですが、
そういうことこそ、本当に大切なんですね。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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頭が良くなる議論の技術

頭が良くなる議論の技術 (講談社現代新書)頭が良くなる議論の技術 (講談社現代新書)
(2013/05/17)
齋藤 孝

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満足度★★★
付箋数:22

齋藤孝さんが基準をつくる「生産的議論ができる人ランキング」。

あなたは、どの階級にに入りますか?

  S級 : 生産的な意見・アイディアがポンポン出てきて、
      短時間で議論の成果があげられる人。
  A級 : 整理能力が高く、それなりに話しの進め方がちゃんとできる人。
  B級 : 「生産的」である意思はあるが、整理能力が低く、
      いいアイデアも少ない人。
  C級 : 発言量が少ない人。アイディアが全然ない人。
  D級 : 周りに対する影響力が強いのに、生産的意見を出さない人。
      議論を潰してしまう人。

齋藤さんは、C級の人がかなり大きなボリュームゾーンに
なっていると感じているようです。

目指すは、A級以上。

  「さて、 “自分はこのランキングかな” と確認できたなら、
  これからは1つでもランキングを上げることを心掛けてください。」

本書は良い議論をするための本。
良い議論をすると、結果として頭も良くなることが述べられています。

では、なぜ良い議論は頭をよくするのでしょうか?

それは「頭の良い人」がどのような力を身につけているかを
考えてみるとわかります。

まず、頭の良い人は、1つの視点だけでなく、
さまざまな視点から、ものごとを考えることができます。

良い議論では、他人の意見を柔軟に受け入れます。
そうすることで、多面的なものの見方が身につくのです。

また、頭の良い人は、弁証法的な対話の構造を身につけています。

弁証法とは、ある主張があると、それに反対の主張をぶつけ、
あえて対立や矛盾を生み出し、その2つの意見に矛盾が出ない
1つ高いレベルで考え、ステップアップしていく思考法。

螺旋階段を上がるように思考するイメージで、
高い次元へ止揚することをアウフヘーベンと言います。

この「正-反-合」こそ、思考法の基本。

いい議論を通して弁証法的な思考過程を身につけると、
頭が良くなるというわけです。

ただし、齋藤さんが本書で目指すのは、
単にロジカルな議論ではありません。

ロジカルに傾きすぎると、気づかいに欠け、
一般的な日本人の感覚からすると、拒否反応を起こす場合があります。

ですから、弁証法的なステップアップする議論であっても、
互いに気持ち良くなり、良好な人間関係を築ける議論を目指します。

  「スポーツとして議論を楽しみ、 “知の汗” を流す。
  そして終えた後、仲間と健闘をたたえ合う。
  むしろ、議論を通して仲間となる。」

生産性も高いのに、人間関係も良くするような、
楽しく爽快な議論をするコツが、本書で紹介されています。

この本から何を活かすか?

  「議論で使える言葉づかい10」

  ・データは~となっています
  ・とりあえず~と設定しましょう
  ・ここまではよろしいですね(確認)
  ・A視点、B視点とします(整理)
  ・では、選択肢は以下のA、B、Cで
  ・たいへんいいですね。これをプラスします
  (反論に見えない反論)(修正の技術)
  ・別の視点で何かありませんか(多様性の促し)
  ・考えてもみなかった視点ですね(新しい視点の発見)
  ・整理すると~になります
  ・残り~分なので結論を出しましょう(時間の管理)

議論が迷走しないように、ファシリテーターは、
これらのフレーズが自在に使えるようにしたいところです。

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| 会議術・ファシリテーション | 07:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本

「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本「それ、根拠あるの?」と言わせない データ・統計分析ができる本
(2013/05/11)
柏木 吉基

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満足度★★★★
付箋数:23

  「まず知っておいていただきたいのは、一部の専門的な職種を
  除いて、一般的なビジネスの現場でビジネスパーソンが日常的に
  活用している手法は限られているということです。
  であれば、まずは使いやすいものに絞り、それらを効果的に使う
  方法や考え方を身につける方が、ずっと “お得” で “かしこい”
  ということに徐々に確信するようになりました。」

本書は統計分析の範囲をムリに広げず、必要なところに限定して、
確実に仕事で使えるようにする本。

本書が扱う範囲は、「平均」から「単回帰分析」までです。

  序章 データ・統計分析のための発想とコツ
  第1章 効果的なデータ分析のための集め方と分析の視点
  第2章 利益を出すために必要なことは?(平均・中央値)
  第3章 リスクをどう見積もるか(標準偏差)
  第4章 何が成功要因なのか(相関分析)
  第5章 目標達成に必要な予算はいくらか?(単回帰分析)
  第6章 効果的なデータの見せ方・伝え方

統計分析の入門書で、範囲を限定して解説する本はよくありますが、
本書が類書と比べて優れているのは、何のために統計分析するかが、
しっかりと解説されている点です。

統計分析とは、あくまで「仮説」を検証するための手段。

何の仮説も持たず、統計分析をしてもムダな分析が増えてしまいます。

本書では統計の話に入る前に「仮説アプローチ」として、
ピラミッドストラクチャなどについても解説されています。

仮説を持つことで、大局的な視点で見ることができ、
分析の目的が明確になり、ムダな分析もなくなるのです。

また、統計についての知識はあっても、それをビジネスで
どう使うかがわからない人も多いはず。

例えば、標準偏差。

これが、データのバラつきを示すことを知っていても、
実際に標準偏差そのものを、実務上の意味のある情報として
使うことはなかなか難しい。

本書は、そんな中でも、実務上で「標準偏差」を使うケースについて、
以下のようにまとめています。

  ・平均に隠されたデータのバラつきを見たいとき、見せたいとき
  ・データの統一感、バラバラ感を知りたいとき
  ・データの値がバラバラであることをシンプルに表現したいとき
  ・平均に対して、直感的にしっくりこないとき

一般的に統計の本を読むと、計算する手段だけが身につき、
そもそも何をしたかったかを忘れ、いきなり分析をしがちです。

しかし、本書ではそんな自己満足的な統計分析には陥らないように、
ベースとなる部分がちゃんと解説された良書です。

本書は、これからビジネスで統計分析を使いたい人や、
統計の本を読んでも、イマイチ仕事で使えなかった人には
ちょうどイイ本。

本書のレベルをクリアしている人には、西内啓さんの
統計学が最強の学問である』がオススメです。

この本から何を活かすか?

本書では各章の冒頭にミニストーリーがあるので、
具体的にどのような場面で使えるかも、
イメージしやすく書かれています。

ミニストーリーは、国内でブームの去ったサイクロン式掃除機を
アジアの新興国で販売することを計画する内容で、
ある大手総合商社を舞台としています。

物語は「新興国へ新規参入の妥当性を示す」ことを目的として、
いくつかの仮説を立て、その仮説を検証するために統計分析を
用いる構成になっています。

ピラミッドストラクチャを元に章立てしているので、
短い話の中でも、無駄なく解説されていることがよくわかります。

やはり、ピラミッドストラクチャは偉大ですね。

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| 数学 | 07:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか?

彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか? 窃盗癖という病彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか? 窃盗癖という病
(2013/04/02)
河村重実

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満足度★★★
付箋数:21

  1. あなたは、盗みをしますか、もしくは盗みたいという
   衝動がありますか?

  2. あなたは、盗むことばかり考え、盗む衝動に心を
   占拠されていますか?またその考えや行動がもっと少なかったら
   いいのにと思いますか?

  3. 盗む前、もしくは盗みの衝動を感じるとき、
   緊張や不安はありますか?

  4. 窃盗行為やその衝動が激しい精神的苦痛の
   原因となっていますか?

  5. 窃盗行為やその衝動がなんらかの形で生活の妨げに
   なっていますか?

質問1と2の両方に「はい」と答え、さらに、3~5のどれかに
「はい」と答えた場合、その人は「窃盗癖」に罹っている
可能性があります。

一度、「赤城高原ホスピタル」で診察を受けた方がいいでしょう。

本書の著者の河村重実さんは、国内観光・旅行・グルメを
中心に本や雑誌の記事を書くフリーライターです。

なぜ、国内旅行関連のライターの河村さんが、
窃盗癖に関する本を書いたのか?

それは、窃盗癖の問題を抱える身内がいたからです。

実は、河村さんの弟の奥さんが、盗みをやめたくてもやめられない
状態で、何度か万引きをして捕まったことがあるからです。

ところで、本書のタイトルもなっていますが、万引きを
やめられないのは、なぜ、「彼」ではなく「彼女」なのでしょうか?

もちろん、窃盗癖が女性だけの病気ということではありません。

しかし、窃盗癖は女性の方が陥りやすい、
別の病気に併発して罹る可能性があるからです。

その病気とは、摂食障害。いわゆる、拒食症や過食症です。

ちなみに、摂食障害と合併しやすい嗜癖行動には、
以下のようなものが挙げられます。

アルコール乱用、薬物乱用、窃盗癖(クレプトマニア)、
買い物癖(ショッピング嗜癖)、自傷行為癖(リストカット)、
性的逸脱行為(恋愛嗜癖、セックス嗜癖、売春)、家庭内暴力

本書は、これらの中で「摂食障害を伴う窃盗癖」について調査し、
その概要を一般の読者に理解してもらうために書かれたもの。

監修は、実際に窃盗癖の治療に当たる、
赤城高原ホスピタル医院長の竹村道夫さん。

実は、ダメだとわかっていても、どうしてもやめられなくて、
苦しんでいる人は、私たちの想像以上にいるようです。

しかし、次のような理由から、有病率は高いのに、
治療の現場に現れる患者さんの数は少ない。

  ・夢中になっている行為を恥じるあまり、家族や友人にも
  秘密にしている。

  ・法に抵触する行為を自制できないことで、弱い人間、
  自分に甘い人間であると評価され、軽蔑されることを恐れて
  隠してしまう。

  ・かかりつけの医師に見放され、他の精神障害まで
  治してもらえなくなるのではないかと恐れて、黙ってしまう。

  ・なんとかして自力で治せると思い込んでいる。

窃盗癖も、一度万引きをしただけでは、それが病気であることを
自覚することはほとんどなく、やめたいのにやめられなくなり、
何度も再犯して捕まることを繰り返して、初めて精神科を訪れる
ようなので、軽いうちに治すことは難しいようです。

この本から何を活かすか?

万引きがよくあるスーパーでは、本書を売り場に
置いておくことを勧めます。

さすがに、窃盗癖の人でも、その場で本書を手にとって
読まないかもしれませんが、やめたくてもやめられないと
自覚のある人なら、家に帰ってから本書について調べるはずです。

店側も万引き抑制になるし、窃盗病の人も、
本書でどのように治療にあたればよいかわかるはずです。

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| 科学・生活 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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経営戦略全史

経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)経営戦略全史 (ディスカヴァー・レボリューションズ)
(2013/04/27)
三谷 宏治

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満足度★★★★
付箋数:28

少し前から本書は私の手元にありましたが、
固そうなタイトルと400ページ超の分厚さに気後れして、
つい読むのを後回しにしていました。

しかし、実際に読んでみると、わかりやすく楽しい本でした。

しかも、戦略を学ぶ初心者が入門書として読むことも、
MBAで戦略を学んだ人が仕上げの一冊として読むこともできる
不思議な本でした。

でも著者が三谷宏治さんなら、そんなこともあり得ます。

このブログでは過去に6冊の三谷さんの著書を紹介していますが、
今回も「三谷さんの本にハズレなし」ということを
証明することになりました。

  ・一瞬で大切なことを伝える技術
  ・ペンギン、カフェをつくる
  ・特別講義 コンサルタントの整理術
  ・ハカる考動学
  ・発想の視点力
  ・正しく決める力

本書は「経営戦略100年の歴史」を振り返り、
オリジナルの意図や内容をストーリーで紹介します。

  「この経営戦略全史という物語を、今から100年前の世界に生きた、
  フレデリック・テイラー(1856~1915)から始めることにします。
  彼こそが、すべての源流だからです。」

このように本書は、科学的管理法の生みの親、
フレデリック・テイラーさんの紹介から始まり、
最後はBCGのマーティン・リーブスさんのアダプティブ戦略で
締めくくります。

登場する人物は述べ132名、書籍は72冊、会社は110社。

100年の歴史で発明された90個余りの経営戦略コンセプトを
時系列に沿って生まれた背景と、位置づけを紹介します。

三谷さんは、本書に次のような工夫を施しています。

  1. これまでの経営戦略論の書籍は基本的に、
   論文の寄せ集めか人物評・学派紹介のみであるのに対し、
   社会状況を含めたストーリーであり、俯瞰的でわかりやすい

  2. 紙面の下部4分の1で、関連する書籍や論文、人物を
   書影・肖像付きで紹介。キーコンセプトも図解することで、
   これ1冊で経営戦略論の全体が理解でき、発展的学習にもつながる

  3. 自社組織が(意図するしないにかかわらず)採用している
   「戦略タイプ」や「立て方」がどういったものか、
   その性格や限界が理解できる

また、三谷さんは「巨人たちの午後」と題し、
戦略の大家たちがもし出会っていたら、こんな会話を
していたかもしれないというバーチャル対談を9つ創作。

テイラーさんVSメイヨーさん、アンゾフさんVSチャンドラーさん、
アンドルーズさんVSポーターさんなどなど。

実際にそんな会話をすることはなかったでしょうが、
ライバル的な関係の2人が、お互いに思っていそうなことを
うまく表現しています。

正直、このバーチャル対談だけを読んでも面白い。

ただし、いきなりバーチャル対談を読むよりも、
やはり各章を読み終えて背景をつかんでから読んだほうが、
より面白さが増します。

あと、読むにはそれほど影響しませんが、
本書で1点だけ難点を挙げるとすると、
ページが綴じている付け根の背側に印刷されているのが
イマイチ使いづらい。

私は読書ノートを書く時に、ページ数も記載するので、
これはちょっと見にくかったですね。

この本から何を活かすか?

戦略全史に日本や日本人は登場するのでしょうか?

本書では125ページまできて、やっと日本が登場。

BCGがジェイムズ・アベグレンさんをナンバー3に迎え、
東京オフィスを設けたところで日本が出てきます。

また、日本人の経営戦略家も何人か出てきますが、
タイトルとして出てくるのは野中郁次郎さんのみです。

欲を言えば、もう少し日本人を登場させて欲しかった。

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| 経営・戦略 | 06:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?

インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?
(2013/04/19)
佐々木 融

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満足度★★★
付箋数:23

  疑問1 日銀がお札を刷れば、財布の中の1万円札は増える?
  疑問2 問題はデフレで、その克服のためにインフレを目標にする?
  疑問3 日銀が国債を引き受けうとハイパーインフレになる?
  疑問4 円安誘導のインフレで日本経済は復活できる?
  疑問5 インフレターゲットを採用すればインフレになる?
  疑問6 日本国債は日本人が保有しているから売られない?

本書は、デフレ脱却をめぐる6つの疑問に
答えるように構成されています。

つまり、この6つの疑問が本書の目次です。

著者は2011年に『弱い日本の強い円』がベストセラーになった
佐々木融さん。

本書は、その佐々木さんの書き下ろし第2弾です。

佐々木さんは、インフレには3種類あると言います。
その内、「良い」インフレは1つだけ。

1つ目は、原料や食料品の価格上昇による「悪い」インフレ。

このインフレでは、雇用や所得が増加しないまま、
エネルギーや食料品の価格だけ上昇するので、
実質的には購買力が下がります。

2つ目は、お札の価値引き下げによる「最悪」のインフレ。

中央銀行と政府が意図的にお札の価値を下げて、
インフレを起こそうとするパターンで、
ハイパーインフレにつながる可能性があります。

3つ目は、需要の増加による「良い」インフレ。

さまざまは製品やサービスに対する需要が増加すると、
雇用の機会も多くなり、給料も増える。
すると更に需要が増えるという好循環が続く状態。

デフレは悪で、インフレになければならないと主張している人も、
需要の増加を伴ったこのインフレを想定しています。

そして、このタイプのインフレは、製品やサービスの価格が
上昇し過ぎると、需要が減退するため、
ハイパーインフレにもつながりません。

本来、日本が目指すべきなのは3番目の「良い」インフレなのに、
アベノミクスがやろうとしていることは、
2番目の「最悪」のインフレだと佐々木さんは解説します。

そもそも日銀は、短期金利をコントロールすることはできますが、
長期金利をコントロールすることはできません。

長期金利を決めるマーケット参加者が広範囲に及ぶため、
それなりに日銀の影響力は強いにせよ、
完全にコントロールできるわけではないのです。

ハイパーインフレが起こるか否かについては、
識者の間でも意見の別れるところですが、
佐々木さんは可能性はゼロではないと考えているようです。

日銀の国債引き受けだけなら、ハイパーインフレは
起こりませんが、日銀に国債を引き受けさせた政府が、
打ち出の小槌を見境なく振り続ければ、
ハイパーインフレにつながる可能性もあると。

本書では、インフレが私たちの暮らしへ、どのように影響を
与えるのかという素朴な疑問を軸に、経済の仕組みを解説し、
アベノミクスに浮かれる風潮に警鐘を鳴らす一冊です。

また、あまり本筋ではありませんが、
本書には、佐々木さんが新卒で日銀に入行した後、
発券課に配属された際のエピソードなども紹介されています。

お札の山を台車で運んだり、自動監査機にお金を流し込む作業を
していた話などは、けっこう新鮮でした。

この本から何を活かすか?

本書には、特別付録として、「現役ストラテジストが
顧客にしか教えない為替の構造要因と見通し」が掲載されています。

わずか30ページ程度の付録ですが、これがなかなかイイ。

見通しはこうなりますという結果よりも、
見通す過程も解説されていますから、参考になります。

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| 経済・行動経済学 | 10:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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小さくても仕組みでガンガン売れる会社のつくり方

小さくても仕組みでガンガン売れる会社のつくり方小さくても仕組みでガンガン売れる会社のつくり方
(2013/06/05)
北岡 秀紀

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満足度★★★
付箋数:20

AYAインターナショナルの加藤さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

商品やサービスが良い「だけ」では売れないのは、
今の時代、商売をやっている人なら誰もが実感しているところです。

ですから、商品やサービスを良いものに向上させつつ
マーケティングにも力を入れるというのが一般的な考えでしょう。

しかし、本書の著者、北岡秀紀さんは、
「むしろ良いものにすればするほど売れない」と言います。

なぜか?

なんでも簡単に手に入る時代に、商品やサービスを良くするには、
他と差別化する「付加価値」をつけなければなりません。

ところが、付加価値はその商品を作り出す匠の技や希少価値、
あるいはそれを生み出すストーリーだったりするので、
目に見えない「情報」であることが多いようです。

例えば、Amazonでも販売されている京都西川の
アンデスの至宝 ビキューナ掛けふとん」。

なぜ、ただの掛ふとんが670万円もするのか、
見た目だけでその付加価値はわかりません。
(この布団、以前はAmazonの表示価格が1ケタ間違っていて、
6700万円で販売されていました)

  南米ペルー・アンデス地方の
  標高3,700~5,000mの間の寒冷地に棲息するビキューナ。
  この高地の山脈で育ったビキューナのからだを・・・・(中略)
  その希少価値のある「ビキューナ」は
  国際希少野生動植物種登録票付なので販売できます。

かなり詳しく説明しないと670万円の価値は
伝わりませんから、これをAmazonの写真を見ただけで、
気軽に購入する人はいないでしょう。

高付加価値の商品は、目に見えない情報をじっくり説明して
はじめて売れる商品なのです。

しかし、営業の売り込みを拒否する人も多いので、
そもそもお客さんに会って、その価値を説明することが難しい。

だから、良い商品を作って付加価値を上げれば上げるほど、
その説明が長くなり、聞いてもらえる機会が少なくなって、
ますます売れなくなるというロジックです。

そこで北岡さんが本書で紹介するのが、売り込まなくても
買いたくなる顧客を集めて、ガンガン売れる仕組み。

営業のプロセスを3つに分けた「ABCシステム」です。

  A : Attract(見込み客を引きつけて集める)
  B : Build(信頼関係と先生の立場を構築する)
  C : Convert(契約し商品を購入してもらう)

この組み合わせを活用して、優秀な営業マンがいなくても、
販売ノウハウのないバイト社員でも売れる仕組みを作ります。

具体的には、従来のダイレクトレスポンスマーケティングに、
ペルソナマーケティングと権威付けのブランディングを
組み合わせた手法といったところです。

本書には、北岡さんが主宰する、
年商1億円を突破したい社長向けの情報サイト
「オクゴエ!」の会員やクライアント企業に伝えてきたノウハウが
詰め込まれているようです。

また、メールアドレスを登録すると、
解説動画が試聴や、テンプレートがダウンロードできるなど
特典付きです。

この本から何を活かすか?

本書を読んで、かつての神田昌典さんを思い出しました。

今、神田さんは何をしているのでしょうか?

著書も2012年に刊行した
2022―これから10年、活躍できる人の条件』から
出していないようです。

たまに神田さんの本も読みたいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| マーケティング・営業 | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜタクシーは動かなくてもメーターが上がるのか

なぜタクシーは動かなくてもメーターが上がるのか―経済学でわかる交通の謎なぜタクシーは動かなくてもメーターが上がるのか―経済学でわかる交通の謎
(2013/04/24)
竹内 健蔵

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満足度★★★★
付箋数:24

  「あっ、渋滞にはまってしまった。全然動いていないのに
  タクシーメーターの数字が上がっていく。
  何で1センチも動いていないのにメーターが上がるんだ?
  たしかJRは二時間遅れたら特急料金を払い戻してくれるが、
  タクシーは乗客が払う。
  なんで鉄道とタクシーで対応が正反対なんだ。」

タクシーの運賃について、このように思っている人も
多いかもしれません。

私たちの日常には交通の話題があふれています。
そこには、交通機関に対する不満や素朴な疑問が含まれています。

路線バスで子供も大人と同じ席を占有しているのに、
なぜ、運賃は大人の半額なのか?

なぜ、航空運賃は安くなったのに、鉄道運賃は安くならないのか?

本書はそんな交通の疑問に、経済学を使って答える本。

著者は、「交通経済学」を専門とする竹内健蔵さん。

ちなみに、本書のタイトルにもなっている、
動かなくてもタクシーメーターが上がる不思議については、
次のように考えます。

実は、タクシーには2つの費用が発生しています。

1つは、誰もが思いつく、人を運ぶための「運賃」。

もう1つの費用が、この問題を理解する鍵。
それは、経済学でいうところの「機会費用」です。

機会費用とは、オポチュニティ・コストとも呼ばれ、
複数の選択肢がある時に、ある行動を選択することで失われる、
他の選択肢を選んでいたら得られたであろう利益のこと。

つまり、もしタクシーが渋滞にはまっていなければ、
他の客をどんどん拾って稼げたであろう利益が、
時間費用として乗客に上乗せされているのです。

それが、タクシーに採用される時間距離併用費用なのです。

では、なぜ同じ遅れで時間を取られても、
JRは反対に特急料金を払い戻してくれるのか?

それは、交通機関と客のどちらに機会費用が
発生しているのかを考えてみると理解できます。

タクシーの場合、運転手は行き先を選べませんから、
渋滞にはまった原因は客側にあり、運転手に機会費用が発生します。

一方、JRは目的地に早く着くことの対価として特急料金を徴収し、
客側は早くことで得られた時間で、経済活動を行うことができます。

ですから、客側に責任のない理由で列車が遅れると、
早く着いて仕事をする選択肢が奪われてしまうので、
機会費用は客側に発生するのです。

ついでにバスの場合は、道路混雑で遅延が生じても、
バス会社の責任ではない、つまりバス会社が客側に機会費用を
発生させているわけではないので、払い戻しは行われていないようです。

このように経済学の機会費用の考え方を使うと、
釈然としなかったタクシーメーターや払戻しの問題について、
すっきり理解できるのです。

交通に関する素朴な疑問に答えてくれる本は少ないので、
経済学という統一的な視点からわかりやすく解説してくれる
本書は貴重な存在です。

この本から何を活かすか?

通学定期券の割引分は誰が負担しているのか?

  「結論から言えば、負担しているのは同じ鉄道やバスを
  使っている一般の利用客ということになる。」

これは、教育を受けやすくして、教育を受けた人が増えると、
社会全体に恩恵があると考える政策的な割引です。

ならば学生にも、自分たちの交通費を一般客が負担してくれていて、
今受けている教育で将来社会貢献することが、
その対価になっていることを知ってもらった方がいいですね。

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| 経済・行動経済学 | 07:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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決断できる人は2択で考える

決断できる人は2択で考える (星海社新書)決断できる人は2択で考える (星海社新書)
(2013/04/26)
石黒 謙吾

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満足度★★★
付箋数:22

なぜ人は迷うのでしょうか?

それは、いろいろなものを一度に見てしまうから。

同時にたくさんの選択肢から選ぼうとすればするほど、
どうしても迷って、判断に時間がかかります。

ならば、シンプルな「2択」にしてしまおうというのが、
石黒謙吾さんが提唱する「2択思考」です。

小泉元首相が2005年に行った郵政選挙も、
2択にすると決断しやすくなることを利用した選挙手法でした。

  「たとえ選択肢が100個あったとしても、それを1対1の決定を
  繰り返すと考えることで、最も適切なひとつを
  速く正確に選ぶことができるのです。」

つまり、複数の選択肢から1つを選ぶ場合は、
トーナメント方式で2択の状態を作り、ベストを選ぶのです。

もちろん、2択にしてどちらかを選ぶ場合でも、
選ぶための明確な「基準」を用意しておく必要があります。

しかし、ここで注意をしなければならないのは、
すべての事柄を○(いい)と×(悪い)で判断してしまわないこと。

世の中には○と×で優劣をつけられないものがたくさんあります。

ですから、2択は上下を決めるのではなく、
右か左かを決めるようなもの。

正誤や善悪ではなく、「好き嫌い」を決めるのです。

  「たとえば、僕は女性タレントの中では “松たか子は好き、
  沢尻エリカは嫌い” です。ですが、 “松たか子はいいけど、
  沢尻エリカはダメだよね” という言い方はしないようにしています。」

また、一般的に、2択と聞くと「究極の選択」を
イメージしてしまいますが、実際の2択ではそこまで極端に
違うものから選ぶことはありません。

むしろ、似て非なるものから選ぶことが2択力をアップさせます。

それは比べる対象が似ていれば似ているほど、
ディテールに目を向けることになるからです。

  「差を比べる作業を繰り返すことで、言いたいことや好みも
  ハッキリしてくる。すぐ仕事に役立ったりしなくても、
  人に流されない、自分の考えを持っている人にられると思うのです。」

いわゆる「違いの分かる人」になれるということなのでしょう。

2択思考は、思考が整理され、判断のスピードが早くなり、
ストレスフリーになるというメリットがあります。

しかし、意外とデジタルな判断ではなく、
好き嫌いで判断するなど、人間的なアナログな考えのようです。

判断に時間がかかる人は、身につけておきたいメソッド。

この2択思考が瞬時にできるようになると、
「あの人、勘がいい」といわれるようになるかもしれません。

ちなみに、本書は2010年10月刊行の『2択思考』を新書化したもの。

3年経っても、内容が古くなっているようには感じませんでした。

私は、以前に石黒さんの『7つの動詞で自分を動かす』を
読んだ時に2択思考に興味を持ちましたが、
今回新書が出たので、手頃な価格で読むことができました。

この本から何を活かすか?

  「とりあえず生!」は思考のサボリなので禁止

石黒さんは、居酒屋でみんなが生ビールを注文しても、
ひるまずに「あ、オレ、瓶」と注文するそうです。

  「 “みんな生だから生” というのは、とても消極的で受動的。
  決めているようでいて実は決めていない。
  みなさんには、もっと能動的な決断をしてほしいのです。」

やはり自分の判断基準は持っていたいものです。

こだわりのない人は、なんとなくみんなが生だから生ではなく、
「必ず一番多い注文と同じ注文をする」という判断基準を
設けておくのなら、いいのかもしれません。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 07:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハーバード流 自分の潜在能力を発揮させる技術

ハーバード流 自分の潜在能力を発揮させる技術ハーバード流 自分の潜在能力を発揮させる技術
(2012/07/06)
マリオ・アロンソ・ブッチ

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満足度★★★
付箋数:15

  昔、剣術に長けた武将がいました。
  傲慢で尊大で、剣の強さこそが人の価値だと考えていました。

  その武将がある村に出向いたときのこと。

  村人がこぞってどこかへ向かっていたので、
  武将は、そのうちのひとりをつかまえて聞きました。

  「どこへ行く?」

  「ウェイのところです。お話を聞きにいくのです」

  「ウェイとは何ものだ?」

  「あの高名な方を知らないのですか」

  武将はこの男がウェイなる人物に尊敬の念を抱いていること、
  そして自分のことなど眼中にないことに愕然とした。

  武将は対抗心から村人についていき、やがて大きな広場についた。

  ウェイは小柄な老人だった。こんな奴が、なぜ―。

  「この世には強い武器がたくさんあります。
  けれども、言葉に勝る武器はないと私は考えます」

  このウェイの言葉を聞いた武将は、たまらず群衆の真ん中で、
  剣を抜いて空にかざして叫んだ。

  「そんなことを言うのはあんたのような間抜けな年寄りだけだ。
  いいか、武器というのはこういうもののことだ」

  ウェイは彼の目を見てこう言った。

  「なるほど、あなたがそう思われるのはもっともです。
  教養も知性もないお方だというのは見ればわかります」

  この言葉を聞いて、武将は顔を真赤にしてウェイに詰め寄った。

  「老いぼれめ、この世の別れに言い残したことがあるなら
  今のうちに言っておけ」

  するとウェイが言った。

  「お許しください。私はただの年寄りです。
  年のせいで、愚かなことを口走ってしまったのです。
  どうか武士の情けでこの愚か者があなたのお心を傷つけたことを
  お許しくださいませんか」

  「いいだろう」

  ウェイは武将の目をまっすぐに見て言った。

  「おわかりになったでしょう。
  これでも言葉に力がないとおっしゃいますか」

これは、言葉が現実を作ることを示す逸話。

本書は、このような逸話を数多く用いた自己啓発書です。

著者はハーバード大学メディカルスクールの特別研究員を務め、
外科医でストレス緩和の第一人者、マリオ・アロンソ・ブッチさん。

本書では、心が設定した限界を知り、
それを越えて、新しい自分の可能性を切り開くことを勧めます。

本当の自分を少しずつ掘り下げ、偽りのアイデンティティを捨て、
自分の中に答えを見出すための旅。

はじめは医学の立場から脳の反応について解説していますが、
次第に逸話を使って説明することが多くなっていきます。

あまり「ハーバード流」に期待して読むと、
肩透かしを喰らうかもしれません。

本書は「自分の潜在能力を発揮させる技術」というほどの
明確なノウハウは書かれていませんが、非常に読みやすく、
自分を変えるためのヒントは数多く散りばめられています。

この本から何を活かすか?

「ハーバード流」と勝手に名乗ることは許されるの?
と思うほど、タイトルにハーバードとつく本は数多く存在します。

これも何十年も前に刊行された
ロジャー・フィッシャーさんとウィリアム・ユーリーさんの
ハーバード流交渉術』が大ヒットして、定番となったからでしょう。

このブログでも、過去に何冊かのハーバード本を紹介しています。

中でも、最もインパクトがあったのは児玉教仁さんの
パンツを脱ぐ勇気』です。

これは、ハーバード本と言っても、ハーバード留学記。

実際は、児玉さんがハーバードMBAの夏休みに参加した、
ジャンクフードの全米選手権に挑戦の記録。

バカバカしいことを一生懸命やる、とてもとても熱い本です。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 07:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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賢人の読書術

賢人の読書術賢人の読書術
(2013/05/10)
松山 真之助、藤井 孝一 他

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満足度★★★
付箋数:17

この5人が一ヶ月に読む本の量を合計すると、300~400冊には
なるのではないでしょうか。

本書は、成毛眞さん、松山真之助さん、藤井孝一さん、
中島孝志さん、平野啓一郎さんの5人が読書術を紹介する本。

紹介される読書方法は、5者5様。

それぞれがベストと信じて疑わない読書術を解説ていますから、
きっと自分に合う方法が見つかるはず。

  「目的を決めて本を読むと、その目的に縛られてしまい、
  決まった内容の本しか手に取らなくなる。
  それでは世界が狭まり、目新しいアイディアは浮かびにくくなる。」

このように成毛さんは、目的や問題意識を持たない読書を
勧めていますが、反対に藤井さんは読む前に目的を持つことの
重要性を説いています。

  「本を読む前に、その本を手にした目的を改めて明確にして
  おくのである。このプロセスをしっかり踏んでおくことにより、
  目的を果たすことに意識を集中して読み進めることができる。
  逆に目的をはっきりさせずに本を読むと、本から得られるものが
  限られてしまう。」

また、ある分野を勉強しようと思った時に、松山さんは
派生本を避け、元本を読むことを勧めます。

  「実はビジネス書というのは、先達の名著を元に
  再構成した本が多い。派生本を数冊読むよりも、
  元本を読んだほうが、金額的にも安くすむし、
  時間もムダにならないのではないだろうか。」

これに対して、中島さんは重要書に限って難解な本が多いため、
図解本やマンガなどから入ることを勧めます。

  「難読本や長編本にあたったときにお勧めしたいのが、
  参考書を読んでから本格的な読書に入る方法だ。
  たとえば図解本や入門書は、だれにでも分かるレベルで
  易しく書かれている。マンガも立派な参考書になる。」

更に、成毛さんや中島さんは、重要な部分だけをつまみ読んで、
不要な部分は読み飛ばす多読・速読スタイル。

一方、平野さんは1冊を深く読み込むことで、10冊分の読書効果を
得ようとするスロー・リーディングのスタイルです。

これは成毛さんや中島さんがビジネスを生業としているのに対し、
平野さんは小説家ですから、立場による違いなのだと思います。

このように本書には色々な読書術が詰まっていますから、
自分の読書スタイルを肯定するために読むこともできますし、
自分に欠けている読書術を探すために読むこともできます。

個人的には、過去にその人の読書術の本を読んだことのなかった
松山さんと、平野さんのパートが新鮮でした。

残りの3人の方については、過去に当ブログで、
次の読書術に関する単著を紹介しています。

  ・成毛さん『本は10冊同時に読め!
  ・藤井さん『投資効率を100倍高める ビジネス選書&読書術
  ・中島さん『キラー・リーディング

この本から何を活かすか?

平野さんが勧める「スロー・リーディング」には、
次の3つのメリットがあるといいます。

  1. 自分自身と向き合える
  2. 相手のいわんとするところを正確に理解できるようになる
  3. 仕事が捗るようになる

助詞や助動詞に注意しながら、曖昧な単語は辞書を引き、
わからなくなったら前に戻って再確認し、
1冊の本を何度も何度も読み返すことで価値を見出します。

そして、「豊かな誤読」を心がける。

この誤読は、言葉の意味を勘違いしたり、論理を把握しない
ことによる「貧しい誤読」ではありません。

著者の意図を考えつつ、自分で自由に熟考に熟考を重ね、
著者の意図以上に興味深い内容を探り当てる誤読です。

スロー・リーディングは自分になかったスタイルなので、
試してみたいと思います。

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| 読書法・速読術 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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夢へのルートを逆算せよ!

夢へのルートを逆算せよ!  マッキンゼーを辞めてまで、ひとりでアウトドアベンチャーを始めた男の7つの成功ルール夢へのルートを逆算せよ! マッキンゼーを辞めてまで、ひとりでアウトドアベンチャーを始めた男の7つの成功ルール
(2013/05/09)
山田 淳

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満足度★★★★
付箋数:25

  「夢があれば、思考も行動も逆転し始めるのです。
  現状から何ができるか、ではなく、夢から逆算して
  何をしなければならないか、というふうに。」

本書の著者、山田淳さんは、灘高・東大卒、
エベレストを含むセブンサミッツ(七大陸最高峰)の
元最年少登頂記録保持者、マッキンゼー勤務、
その後、株式会社フィールド&マウンテンで起業という
異色の経歴を持ちます。

本書では、そんな山田さんが夢を実現するための方法論を語ります。

まず、最初にゴールを決める。

なぜなら、ゴールによって、そこへ到達するルートも、
努力すべき内容も異なってくるからです。

例えば、エベレストを目指すのか、K2を目指すのかで、
必要なトレーニングメニューも違ってきます。

エベレスト登山には耐寒トレーニングの優先順位が高く、
K2登山には登攀技術のトレーニングが欠かせません。

これは、ただの喩え話ではなく、実際にエベレストに登頂した
山田さんの話ですから、重みが違います。

そして、ゴールが決まったらそれに向け、全身全霊で取り組む。

山田さんの言う、全身全霊とは、一生懸命頑張るという
生易しいレベルのものではなく、他のものをすべて捨てて、
打ち込むということです。

  「 “集中と選択” では甘くて、 “取捨選択” して他は切り捨て、
   “一極集中” すべきなのです。」

山田さんにとって、全身全霊で1つのことに打ち込む原体験は、
中学受験にありました。

小学校4年生の時に、親から勧められたのではなく、
灘中受験を自ら決意。

もちろん、家族には協力してもらいましたが、
3年間寸暇を惜しんで、灘中受験に打ち込みます。

合格が分かった瞬間、山田さんのお母さんは言ったそうです。

  「3年間、これ以上勉強させられる時間は1分もなかった。
  これで落ちていたら、かける言葉がなかった」

この時の経験が、後のエベレストに向けたチャレンジや、
起業してライフワークに取り組む際のベースになっているそうです。

対象が受験でも、スポーツでも、ビジネスでも基本は同じ。

  「夢を思い描き、それを信じる。そして、その夢に向かうために
  方法論が見える “目標” を置いておき、その “目標” に向かって
  全身全霊で取り組む。周囲に流されない。驕らない。
  過度に心配性にならない。自分が決めた目標に到達できない
  言い訳をしない。対象が何であっても同じことです。」

山田さんの、夢に向かって全身全霊で打ち込む姿は、
アツイ コトバ』の著者である故杉村太郎さんを思い出させます。

本書は、夢の実現のために、それ以外のすべてを捨てて、
常に全身全霊で打ち込むことの大切さを教えられる一冊。

東大卒やマッキンゼーを売りにしたビジネス書とは、
一線を画しています。

この本から何を活かすか?

山田さんがアウトドアベンチャーで起業したのは、
単に登山好きだからではありません。

得意なことを事業にするのが、一番社会貢献できると思ったからです。

山田さんは、2009年7月16日に北海道大雪山系トムラウシ山で
起きた死亡事故を知り、山に呼ばれていると強く感じ、
すぐに当時勤めていたマッキンゼーを辞めることを決断しました。

「登山人口の増加」と「安全登山の推進」という
二律背反を実現することをミッションとして、
フィールド&マウンテン社を立ち上げました。

私もアウトドア好きなので、このミッションには共感します。

山田さんのような使命感をもって、ビジネス化できる人が、
業界で活躍しとほしいと切に願います。

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| 目標達成本 | 07:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている

新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている―自動収入を永続化する9つの「思考」 (知恵の森文庫)新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている―自動収入を永続化する9つの「思考」 (知恵の森文庫)
(2013/06/12)
荒濱 一、高橋 学 他

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満足度★★★★
付箋数:24

著者の1人、高橋学さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

本書は、荒濱一さんと高橋学さんのヒット作、
「仕組み」シリーズ第2弾を「文庫化」したものです。

「仕組み」シリーズとは、光文社ペーパーバックから
刊行された、以下の2冊です。

  第1弾『結局「仕組み」を作った人が勝っている 』(2007年7月)
  第2弾『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(2008年7月)

つまり、5年前に出たペーパーバックの文庫化。

果たして、変化のスピードが速い現代において、
5年も前に出た本を、あらためて読む価値があるのでしょうか?

この5年間で世の中では、かなり大きな変化が起こっています。

一番気になるのは、5年前のビジネスのノウハウが、
陳腐化していないかということでしょう。

ハッキリ言って、本書はオリジナル版より読む価値が上がっています。

なぜなら、文庫版には「仕組み所有者たちの今」が
追跡取材されて、加筆してあるからです。

成功者へのインタビューを書籍化する場合、
一つ避けて通れない大きな問題があります。

それは、その人が、たまたまタイミング良く成功しただけなのか、
再現性のあるノウハウで成功したのかが、判別しにくいこと。

更に、偶然成功してしまった人の方が、
その時は勢いもあって、輝いて見えるから始末が悪い。

しかし、私たちが知りたいのは、環境やタイミングが違っても、
成功することができる普遍的な方法論です。

ですから、8人の成功者の5年後を追った本書は、
彼らが一発屋ではなかったことと、その方法論が時代の変化にも
耐えうることを同時に証明しているのです。

荒さんと高橋さんにとっても、本書を新版として出すことが、
5年前に取材した内容の正しさの裏付けにもなっています。

さて、このシリーズで言う「仕組み」とは、
次のように定義されます。

  ・「仕組み」とは、一度作ってしまえば、自分ではさほど
   動かなくても、自動的に収入が得られるシステムをいう。

  ・しかもそれは、「普通の人」が1人で、できる限り小資本
   かつローリスクで実現できるものでなくてはならない。

本書で「仕組み」の所有者として取り上げられるのは、
古澤暢央さん、高樹公一さん、午堂登紀雄さん、石田健さん、
田中正博さん、斉藤正章さん、菅野一勢さん、金森重樹さん。

いずれの「仕組み」の所有者も、最初にインタビューの時より、
この5年間で更に進化していることには驚嘆させられます。

本書では、これら8人の「思考」や「着眼点」にフォーカスして、
「仕組み」作りの体系化を図ります。

個人的には、田中正博さんの「賃料減額を切り口とした
保険販売モデル」には、目から鱗でした。

また、8人の所有者の中には、アフィリエイター、
情報商材販売者、株式トレーダーなどが含まれているので、
これらは胡散臭いと毛嫌いする人もいるかもしれません。

しかし、もしそうであっても、彼らの「仕組み」を作る
思考には注目すべき点があると思います。

この本から何を活かすか?

  斉藤正章さんの株式トレードのルール

  1. 証券会社のスクリーニング機能に25日MA乖離率-25%以下、
    5日MA乖離率-10%を入力
  2. 30銘柄以上ヒットすれば、MA乖離率が大きい順に、
    資金の許す限り、翌日の寄り付きで成り行き買い
  3. 株価の終値が買値よりも10%以上上昇、もしくは買付日から
    60日以上経過したら、翌日の寄り付きで成り行き売り

どんな市場環境でも機能する完璧なシステムはありません。

このシステムも、もし使う場合は十分なバックテストを行った上で。

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| ノウハウ本 | 07:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」

データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」    ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむデータ・サイエンティストに学ぶ「分析力」 ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむ
(2013/02/28)
ディミトリ・マークス、ポール・ブラウン 他

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満足度★★★
付箋数:23

  「最近急に “数字” の重要性が増してきた ―
  そう感じているのなら間違いだ。数字が重要になったのは、
   “ダイレクトレスポンス” というマーケティング手法が
  発明された頃にさかのぼる。」

本書でこのように語るのは、著者のディミトリ・マークスさん。

オグルヴィ・アンド・メイザー・グループのデジタル及び
マーケティング部門「オグルヴィ・ワン」の
マネージングディレクターで同社のデータ分析の第一人者。

ちなみに、オグルヴィ・アンド・メイザー社は
世界3大広告代理店のWPPグループ傘下の1つで、
「ブランド」という言葉の生みの親でもあります。

私にとっては、2011年12月に鈴木 良介さんの
ビッグデータビジネスの時代』を紹介した前後から
ビッグデータの活用が注目され始めたという印象でした。

しかし、本書はビッグデータ活用の前に、
すべき事があると言います。

それは、「Sexy Little Numbers」の活用。

Sexy Little Numbersとは、既に手元にある
魅力的なデータを意味します。

まずは目の前のデータを、これまでとは違った角度で分析し、
新しいビジネス戦略を立て、実行に移す。

本書では、オグルヴィ・アンド・メイザー社が培ってきた
マーケティング戦略立案時のデータ活用方法を整理し、
数多くの図表と実例をあげて紹介します。

簡単に言うと、webマーケティングの方法論が解説された本です。

個人的に必見だと思うのは、マーケティングのどの部分が
有効に機能し、どの部分が機能していないかを測定する方法を
解説した「第6章」です。

  「確かに “売上が12%増加した”  “利益が4%落ちた” など、
  全体像をつかむことはできる。しかしそれは全体としての結果
  でしかない。ある部分に対する1ドルの出費が、ゴールに近づくのに
  どれだけ効果を発揮したかを測定する必要があるのだ。」

本書では、この測定方法を段階を追って解説し、
更にオグルヴィ社の最大顧客の一つ、貨物運送会社のUPS
(ユナイテッド・パーセル・サービス)の事例を紹介します。

また、ディミトリさんは、データアナリスティックの未来では、
人間にはたった2つの仕事だけが残ると予想しています。

1つは、自動化されたシステムがスムーズに
機能することを守る「技術者」。

もう1つは、手元にあるツールを最大限に活用して、
売上や利益を劇的に改善するアイディアを創造し、
実行に移す「魔法使い」です。

この2つの仕事のどちらが欠けても、マーケティングは
成功しませんが、与えられた発見を有効活用していくためには、
今後、より多くの魔法使いが必要になると、
ディミトリさんは語っています。

本書は、オグルヴィ社の細かな分析ノウハウまでは
公開されていませんが、データ・アナリティクスの概要と、
一連の流れがわかる手引書になっています。

350ページ以上の力作なので、気軽に読むには適しませんが、
本気で学びたい人には、得るものがある本だと思います。

この本から何を活かすか?

  UPS社のトラックは左折しない?

UPSは、あらゆる業務を最適化し、業務オペレーションの
優位性の上に成り立っている企業のようです。

  「UPSのトラックは、ほとんど左折しない。
  左折するときに発生する待ち時間を回避することで、
  毎年数百万ドルのコストを削減できるという計算結果が出た
  ことから、左折をするのはそれ以外に選択肢がない場合のみ
  としたのである。」

では、左車線の日本では、運送会社はなるべく右折を
しないようにしているのでしょうか?

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| マーケティング・営業 | 06:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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これから3年、日本と「地球経済」で起きること

これから3年、日本と「地球経済」で起きることこれから3年、日本と「地球経済」で起きること
(2013/05/10)
浜 矩子

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満足度★★★
付箋数:18

経済を「座標軸」で考える本だったはずなのに、
最後は「魂」の行き先をマッピングしている一風変わった本。

著者は、辛口で明快な語り口がマスコミ受けする浜矩子さん。

本書は、2011年9月に刊行した『誰が「地球経済」を殺すのか
の続編です。

前作で浜さんは、経済を謎解きするための7つ道具を示しましたが、
本書ではその中の1つ、「座標軸」というツールをピックアップ。

  「本書では、(前作で)人気者となった座標軸くんに
  ぐっとフォーカスを絞ってみました。物価や金利。
  為替レートや対外収支。インフレ・デフレにTTP。
  我々の日常を取り巻くこれらの経済的時事テーマについて、
  丸ごと、座標軸分析で謎解きをしてしまおう。
  そんな大それた試みに挑戦した。それが本書です。」

浜さんの言う座標軸とは、いわゆる2軸のマトリックス。
4つの象限に分けられたフレームワークです。

スティーブン・コヴィーさんの「時間管理マトリックス」や
ボストン・コンサルティング・グループの「PPM
(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」などが
有名どころでしょうか。

本書では以下の手順で、座標軸を作成します。

  STEP1 テーマに関係ありそうなキーワードを絞込まず、
       すべてリストアップする
  STEP2 キーワードをテーマ別に小箱に分け、
       小箱を更に大箱に詰めて、縦横軸を設定する
  STEP3 縦横軸に名前をつける
  STEP4 軸の両端にも名前をつける

マトリックスで重要なのは、何と言っても軸の設定です。

最初に軸ありきでマッピングするのではなく、
キーワードを洗い出してグルーピングしてから
適切な軸を考える手順は、少し時間がかかるかもしれませんが、
外れのない方法だと思います。

本書の経済を座標軸で分析するという試みは新鮮でした。

しかし、いかに座標軸が有効なツールであっても、
これで何でもかんでも分析するのは、ちょっと無理があります。

  「日本のデフレ克服問題にいかなる解答がありうるか。
  端的にいえば、答えは座標平面の外にあり、
  ということになります。」

また、本書では、日本のアベノミクスの行く先を、
財政政策を横軸に、金融政策を縦軸にとって座標軸分析します。

その結果、出てきた答えは、実質デフレと資産インフレが
同時進行する単純なスタグフレーションとは異なる状態。

浜さんはこれを「バブデフレーション」と命名しています。

この辺りになってくると、分析というより、
ただの言葉遊びになっている感じがしますね。

更に、収斂と移転を軸に取った単一通貨圏の分析では、
浜さんは驚きの結論に到達しています。

  「日本は一国一通貨体制ではなく、一国多通貨体制、
  つまり、日本経済を構成する各地域経済が独自の通貨を持つ
  世界に大変身を遂げることになるかもしれません。
  いささかSF的ですが、決してその日が来ないと
  言い切ることはできません。」

私は、日本の地域経済が、それぞれ中央銀行を持ち、
独自の金融政策を行えない限りは、
決してそんな日は来ないと言い切ります。

この本から何を活かすか?

本書は、座標軸で経済分析をするのがテーマですが、
経済に限らず、マトリックスで考えることは、
思考を整理する上で有効です。

そんな思考法をまとめたのが、水野俊哉さんの
マトリックス図解思考』。

2013年6月現在Amazonでは、マーケットプレイスでしか、
入手できませんが、本書より汎用性の高い内容でした。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 07:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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クリエイティブ喧嘩術

クリエイティブ喧嘩術 (NHK出版新書 408)クリエイティブ喧嘩術 (NHK出版新書 408)
(2013/05/08)
大友 啓史

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満足度★★★
付箋数:22

映画監督として『るろうに剣心』や『プラチナデータ』などの
ヒット作品を生む大友啓史さん。

監督として独立する前は、NHKで史上最年少の演出チーフとして
大河ドラマ『龍馬伝』を撮り、他にもドラマ『ハゲタカ』や
『白洲次郎』などでイタリア賞や文化庁芸術祭優秀賞など
各賞を受賞した気鋭の演出家です。

本書は、そんな大友さんが作品の裏話とともに、
クリエイティブな仕事をするための極意を披露します。

  第1章 脱藩のススメ
  第2章 ハリウッドに学ぶ仕事の流儀
  第3章 現場に奇跡を起こす方法
  第4章 クリエイティブ喧嘩術

第1章で、大友さんはNHK時代から大切にしている
2つの仕事の心構えを語ります。

  「まず一つめは、常に “自分と喧嘩をする” スタンスで
  仕事をするということです。(中略)
  誰しも長いものに巻かれたくなるときはあると思います。
  しかし媚びそうになっている自分に “お前はそれでいいのか” と
  喧嘩を吹っ掛けながら、自分のうちにある “スタンダード” を
  確認し、言語化し、時がくるまで技術を磨く。」

これは自分が妥協しないために、あえて自分と喧嘩するという、
攻撃的なスタイルをとるということです。

妥協は知らないうちに癖になってしまいますから、
強力なカンフル剤として喧嘩が必要なのでしょう。

  「二つめは、周囲にあえて呆れられるという方法を取ることです。
  つまり、 “あいつだからしょうがない” というスタンスを
  つくっておくと、いざというときに気が楽になるものです。」

こちらは徹底してこだわる姿勢を見せ続けるのがポイント。

最初は周囲から非難されても、こだわって質の高い
アウトプットを続けると、「しょうがない」が良い意味に
変わっていくというもです。

そこまで周囲に認められれば、確かに仕事はしやすくなりますね。

第4章では、大友さん流の「いいものをつくる」ための
方法論が書かれています。

  1. 絶対に他人と違うことをする。それは否定から始まる。
  2. 仮想敵をつくり、喧嘩を売る。
  3. 仮想敵に喧嘩を売る理由を他人にも納得させる。

仕事の心構えと共通しているところもありますが、
この3ステップ、よく見ると、どこかの国や、どこかの新興宗教が
やっていそうな手法です。

それだけ集団をまとめるには、効果がある手法なのだと思います。

大友さんは、そのパワーをクリエイティブな方向に
集中させていることが大きな違いですが。

本書は、映画やドラマの演出に興味がある人や、大友さんの作品が
好きな方にはメイキングを見るような楽しみもあります。

しかし、私のように大友さんの作品を一つも見たことがない人でも、
十分に刺激を受ける内容になっていました。

この本から何を活かすか?

  「リザルト演出は絶対にやってはいけない」

これは大友さんが、ハリウッドに留学中に学んだ俳優演出の基礎。

小学校の先生が「これが正しい答えです」と言うと、
その瞬間、子どもたちは自分の感情を押し殺し、
先生の意見に自分の感想を合わせてしまいます。

つまり、気をつけないと権限のある人や影響力のある人の考えに、
おもねってしまう状態になってしまうのです。

リザルト演出にならないように、現場の監督は
簡単に答えを用意しないのが「礼儀」のようです。

これはビジネスでも同じですね。

上司と部下の関係にあるときはもちろん、
経験値の違う人が集まってチームをつくるときでも
起こりがちですから、クリエイティビティを殺さないように
注意しなければなりません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 07:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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国境のインテリジェンス

国境のインテリジェンス国境のインテリジェンス
(2013/03/27)
佐藤 優

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満足度★★★
付箋数:21

  「なぜ、日本は何も悪いことをしていないのに、
  中国や韓国から攻勢をかけられるようになったのか。
  前民主党政権が弱腰だったからか?
  そうではない。仮に自民党政権がずっと続いていたとしても、
  中国や韓国は対日攻勢をかけてきた。その理由は簡単だ。
  以前に比べて、日本が弱くなり、中国と韓国が強くなったからだ。
  こういうときに “国境のインテリジェンス” が重要になる。
  なぜなら、国家の力関係が変化すると、国境の引き直しが
  行われるのが、生きている政治の本質だからだ。(中略)

  領土が奪われると、その次にはわれわれの社会、
  文化にも攻勢がかけられる。
  日本の生き残りを賭けた大きな戦いがすでに始まっているのだ。」

このように語るのは、著者の佐藤優さん。

本書は前書、第1章、後書は書き下ろしで、
残り第2章から第6章までが週刊アサヒ芸能に連載した
「ニッポンの有事!」の記事をまとめたもの。

「国境のインテリジェンス」というタイトルからすると、
ガチガチに固い内容の本という印象を受けますが、
実際は硬軟取り混ぜた内容です。

領土問題などの時事ネタ + 外務省批判 + 下世話なネタ

この中でも圧巻なのは、外務省のキャリア官僚が
ロシアの売春バーで知り合ったロシアの金髪娘と結婚して、
日本に連れて帰った話です。

佐藤さんは、途中、外交や政局で重要な動きがあった週に
休みを挟むものの、実質6週間に渡りこのネタを書いています。

ロシア娘は、外交特権を持ち、運転手とメイドがいる
日本大使館員の生活を見て見て、日本でもこの水準の生活が
続くと考えて結婚したようですが、実際に日本に帰ってみると
公務員宿舎の質素な暮らしが待っていました。

それに嫌気が差して、ロシアに帰ってしまった妻を
公文書を偽造して、インチキ出張で追いかける外務官僚。

この尻拭いを佐藤さんが行ったという話です。

これは、アサヒ芸能の読者向けの下ネタというだけでなく、
外務省に対する威嚇の意味で佐藤さんは書いています。

実は、この一連のロシア娘の記事の前に、佐藤さんは
外務省時代に同僚だった、宇山秀樹ロシア課長から、
宣戦布告を受けていたと言います。

それは、訪日したロシアの要人に対して、
宇山さんが奇妙な情報を流したというものです。

詳細は本書に譲りますが、佐藤さんはこの宣戦布告に対して、
宇山さん以外の人の話を暴露し、戦う気があるなら、
ここまで書くぞという態度を示しているのです。

童貞で外務省に入ってくると、たいていロシア娘と
トラブルを起こすと前書きし、次のように宇山さんに
メッセージを送っています。

  「宇山ロシア課長を助けたこともある。
  宇山氏におかれては、記憶をよく整理しておくことだ。」

雑誌の連載中での喧嘩なら、リアルタイムで面白いのかも
しれませんが、この手の話は単行本で読むと、
興ざめしてしまう人もいるかもしれません。

この他にも、佐藤さんは、本書でかなりの実名を上げて、
外務官僚の批判を行なっています。

この本から何を活かすか?

佐藤さんの情報源は、独自ルートのものもありますが、
ニュース自体は、私たちも利用な可能なソースから得ています。

ロシア情報に関して、本書に何度も登場したメディアが
外国向けロシア放送の「ロシアの声(VOICE OF RUSSIA)」。

私は、見たことのないサイトだったので、ロシア情報については、
今後、このサイトの情報も参考にしたいと思います。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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聞き上手 話し上手 38の可士和談議

聞き上手 話し上手 38の可士和談議聞き上手 話し上手 38の可士和談議
(2013/04/26)
佐藤 可士和、ウオモ編集部 他

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満足度★★★★
付箋数:24

ゲストがあまりに豪華過ぎて、驚いてしまう対談集。

本書は、集英社発行のファッション雑誌、月刊「UOMO」の
2009年1月号から2012年3月号に掲載された「可士和談義」と
2013年6月号の「可士和談義スペシャル企画 もうひとつの、対談。」
をまとめたもの。

2009年5月刊行の『佐藤可士和×トップランナー31人』に続く、
単行本化の第2弾です。

対談のホストを務めるのは、クリエイティブディレクターの
佐藤可士和さん。

この対談は、可士和さんが「会いたい人に会う」という
コンセプトで連載されていました。

1つの分野で成功すると、これだけいろいろな分野の
トップの人たちと会えるのか?
そう思えるほど、多士済々のゲストが登場。

第1弾も凄いゲストの方々が並んでいましたが、
本書はますますパワーアップしている感があります。

坂本龍一さん、大前研一さん、安藤優子さん、松任谷由実さん、
松任谷正隆さん、竹中平蔵さん、竹中直人さん、三木谷浩史さん、
林真理子さん、猪瀬直樹さん、秋元康さん、安藤忠雄さん・・・・

さすがに、すべてが可士和さんが会いたかった人たち。

どの対談でも、可士和さんは好奇心旺盛な少年のように
ゲストのクリエイティビティの源泉に切り込んでいきます。

可士和さんは、その人に会ってどうしても聞きたかった質問を
次々とぶつけて、ゲスト本質をうまく引き出しています。

ここに登場する各界のトップの方々は、まったくジャンルは違えど、
共通点があると可士和さんは言います。

1つは、「インデペンデント」であること。

インデペンデントという言葉は、竹中平蔵さんが対談で使っています。

  「どうしても日本的な人間関係の中では、 “中立” と “独立” が
  混同されがちなんですね。(中略)大事なのは、あらゆる利害から
  インデペンデントであることなんです。」

これは、何かに依存せず、ぶれない自分の軸を持っているということ。

そして、もう1つの共通点は、「クリアな視界を持っている」ことです。

こちらは、三木谷浩史さんが、アントレプレナーに
必要な要素として、次のように語っています。

  「今の立ち位置から将来を見るんじゃなく、鳥の目をもって
  鳥瞰的に将来を見て “あ、こうなるんだ” と気づけるか。」

この「見えている」状態は、ゲストの方に共通している特徴ですが、
恐らく各界のトップランナーの方であっても、
最初は意識して徐々に見につけた習慣なのだと思います。

また、本書はもともとファッション誌の連載記事なので、
毎回ゲストと可士和さんのツーショット写真が掲載されています。

単行本では、モノクロなのが少し残念ですが、
これらの写真は、ゲストの方が持っている雰囲気を切り取っていて、
なかなか素敵です。

この本から何を活かすか?

私は、この対談本を読んでイイ刺激をうかましたが、
同時に、これだけ自分の会いたい人に会える
可士和さんを非常に羨ましくも思いました。

では、著名なクリエイティブディレクターではない自分が、
可士和さんのように、会いたい人に会うことはできないのか?

こう考えた時に、私は何の準備もできていないことに気づきました。

まずはじめにすべきことは、自分が会いたい人をリストアップして、
その人に聞く質問を考えておくこと。

そして、ただ一方的にその人から教えを請うだけでなく、
自分がその人に提供できる価値も考えておくことも必要です。

チャンスは準備をしている人のところにやってくる。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰

覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 (Sanctuary books)覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰 (Sanctuary books)
(2013/05/25)
池田貴将

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満足度★★★★
付箋数:22

サンクチュアリ出版の高山さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「吉田松陰という存在は、没後150年以上たった今もなお
   “きみは本気で生きているのか?” と私に問いかけてきます。
  彼は30歳で亡くなりました。
  奇しくも同じ年齢で、私はこの本を作る機会に恵まれましたが、
  松蔭先生の存在ははるかに遠い。
  そのことをただただ痛感することになりました。」

このように語る池田貴将さんは、熱狂的な吉田松陰さんマニア。

デスク上に銅像を置いて毎日拝み、自らの講演の際には、
吉田松蔭さんの遺書『留魂録』を胸に忍ばせているそうです。

以前このブログで紹介した、池田さんの本
動きたくて眠れなくなる。』がかなり熱かったのは、
吉田松陰さんに影響されていたからなんですね。

本書は、吉田松陰さんの残した言葉を現代語訳した「名言集」。

タイトルにある通り、かなり「超訳」され、
堅苦しい文語ではなく、私たちが違和感なく読めるように、
現代風にアレンジされています。

本書では、吉田松陰さんの176の言葉が、
心・士・志・知・友・死の7つのカテゴリに分けられて
紹介されています。

  「私が尊敬するのは、その人の能力ではなく、
  生き方であって、知識ではなく、行動なんです。」

  「知識は、過去のこと。行動は、今これからのこと。
  したがって、行動を起こす前には、まず知識を疑うこと。」

吉田松陰さんの言葉が、熱く心揺さぶるのは、
自ら行動する人だったからでしょう。

その行動力は、当時の人からすると、常軌を逸しているとさえ、
思えるほどのものでした。

1853年の黒船来航に衝撃を受けた吉田松陰さんは、
密航してでも外国留学して日本のために学びたいと決意。

翌年、ペリーさんが再来航した際に、盗んだ小舟で黒船に漕ぎ着け、
そのまま甲板に乗り込み、密航を訴えました。

アメリカ艦隊は、突然の東洋人の訪問に驚き、
無防備な侍が、法を犯し、命がけで「学ばせてくれ」と訴える
吉田松陰さんの覚悟と異常なまでの好奇心に震撼します。

結局、密航の訴えは受け入れられず、投獄されることになりますが、
吉田松陰さんは後に、この事件を次のように振り返ります。

  「今ここで海を渡ることが禁じられているのは、
  たかだか江戸の250年の常識に過ぎない。
  今回の事件は、日本の今後3000年の歴史にかかわることだ。
  くだらない常識に縛られ、日本が沈むのを傍観することは
  我慢ならなかった。」

吉田松陰さんの、こういった志のある行動が、
松下村塾で弟子たちに受け継がれ、「明治維新」という
新しい時代の流れをつくっていくのです。

私は、本書を読んでんはじめて知りましたが、
吉田松陰さんが松下村塾で教えた期間は、
わずか2年半しかなかったそうです。

その短い期間で教えた中から、総理大臣2名、国務大臣7名、
大学の創設者2名という、世界でも類を見ないほどの
とんでもない数のエリートを生み出したそうです。

また、本書とは直接関係ありませんが、
吉田松陰さんの仰天エピソードについては、
幕末ガイド」のサイトで、面白おかしく読むことができます。

この本から何を活かすか?

  「すぐれた人の話や文章に触れて、自分もまねしてみようと
  思うことは簡単です。しかし、学んだ今すぐ、その気持を
  行動に移して、結果を出してみなければ、
  その学びは二度と自分のものにはならないでしょう。」

本好きで終わらないために、心に留めておきたい言葉です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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不完全性定理とはなにか

不完全性定理とはなにか (ブルーバックス)不完全性定理とはなにか (ブルーバックス)
(2013/04/19)
竹内 薫

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満足度★★★★
付箋数:25

  「私見では、アインシュタインの相対性理論と量子論と
  ゲーデルの不完全性定理が20世紀の “理数系3ワカラン”
  という気がする。」

これらは、いくら知識が増えても、概念的な飛躍がないと、
理解できない知の革命。

本書では、サイエンス・ライターの竹内薫さんが、
3ワカランの1つに認定した、クルト・ゲーデルさんが証明した
「不完全性定理」を比喩などを使いながら解説します。

目指したのは、「単なるお話」と「教科書」の中間に位置する
不完全性定理の超入門。

専門的な本へのつなぎ役として、ゲーデルさんや
アラン・チューリングさんのエピソードも交えながら、
不完全性定理の理解に迫ります。

  第1不完全性定理
  自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、ω無矛盾であれば、
  証明も反証もできない命題が存在する。

  第2不完全性定理
  自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、無矛盾であれば、
  自身の無矛盾性を証明できない。

簡単に言うと、「正しくても常に証明できるとは限らない」
ということを言いたいわけですが、ここに至るまでの道のりは
けっこう長いです。

無限ホテル、無限の順序数と濃度、対角線論法、
論理学の基礎、ペアノ算術、ゲーデル数

これらをそこそこ理解して、やっと不完全性定理を証明する
「あらすじ」までたどり着きます。

これらの準備は “理数系3ワカラン” の1つを理解することを
目指すわけですから、やむを得ないところです。

辛抱強く、読み返しながら一歩ずつ先に進むしかありません。

正直に言うと、私はけっこう時間をかけて本書を読みましたが、
内容の30%程度しか理解できませんでした。

カントールさんの対角線論法までは、目から鱗という感じで、
ハッキリ理解できていましたが、先に進むにつれ、
だんだん怪しくなっていきました。

第1不完全性定理は、なんとなく見えてきた気がしますが、
第2不完全性定理は、かなりモヤモヤとした感じです。

私のレベルでは、一度読んだだけでは、
完全に知識の飛躍はできなかったということです。

しかし、それで本書がわかりにくいということにはなりません。

あくまでも、そもそもの不完全性定理の理解が
難しいということです。

  「この本を読んで得をする読者は、きわめて少数かもしれない。
  私としても、こういうニッチな仕事よりも、
   “ビジネスマンのためのフェルミ推定” みたいな本を書いたほうが
  お金が儲かるのだが、数年に一度くらい、自らの知的好奇心に正直に
  ニッチな本を書く、ということがあってもいいように思う」

本書は、竹内さんが、サイエンス作家としてのプライドをかけて
書いていることが伝わってくる意欲作です。

この本から何を活かすか?

パズルで不完全性定理を理解する。

スマリヤンの決定不能の論理パズル』には、
次のようなパズルが載っているそうです。

  本当のことしか言わない「騎士」と、ウソしか言わない「奇人」が
  同じ島に住んでいました。

  島にはクラブⅠとクラブⅡの2つの社交クラブがあり、
  騎士は必ずどちらか一方のクラブに所属していますが、
  奇人はウソつきなので、どちらからも閉め出されています。

  ある日、この島を訪れたあなたはこの島の未知の住民が
  言ったことから、彼がクラブⅠの会員であることを
  推理できたとします。
  
  その人はなんと言ったのでしょうか?

この島の住人が、騎士か奇人かがわからないところがミソのようです。

このパズルを考えることが、ゲーデルさんの思考をたどることに
つながり、不完全性定理の理解に近づくそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 数学 | 07:03 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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100%好かれる1%の習慣

100%好かれる1%の習慣100%好かれる1%の習慣
(2013/04/12)
松澤 萬紀

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満足度★★★★
付箋数:23

あなたは、駆け出しの研修講師だったとします。

講師の仕事が欲しいのに、あまり仕事がありません。
そこへ、研修会社の営業担当者から急な依頼がありました。

  「明日、予定していた講師の都合がつかなくなったので、
  ピンチヒッターをお願いしたい。」

いつもなら、二つ返事で依頼を受けるところですが、
たまたま運悪く、明日は別の講師の仕事が決まっています。

こんな時、あなたはどのように答えますか?

もちろん先に入っていた仕事をキャンセルすることはできません。

  「明日は、別の研修講師の仕事があるので、大変、残念ながら
  お引受けできません。また次回、どうどよろしくお願い致します。」

このように丁重にお断りするのが、一般的な対応でしょうか。
きっと私がこの立場なら、この通り答えると思います。

本書の著者、松澤萬紀さんはこの依頼に対し、
次のように答えました。

  「あいにく私は、別の研修講師の仕事で都合がつけられません。
  けれど、どなたか引き受けてくださる講師の方を
  探すお手伝いを、私もします。」

そして実際に、知り合いの講師に電話をかけ、
数時間かけて代役の講師を見つけたそうです。

松澤さんは講師の仕事がなくて困っていた時に、
ある経営者の方から、アドバイスを受けていました。

  「良い縁が、良い円を生むんだよ。だから、人の縁を大事にしなさい。」

このアドバイスに従って行動した松澤さんは、
後日、その時の営業担当者から、
大学の講座を受け持ってほしいと依頼を受けます。

当時の松澤さんは、大学で教えた経験などなかったそうですが、
「あのときのような行動力があれば、必ずできます。」
とその営業担当者から見込まれて、頼まれたそうです。

松澤さんは、縁を大事にしたことで、大きなチャンスを掴みました。

もしかすると、ピンチヒッター依頼の電話がかかってきた時、
松澤さんは、明日の研修準備で忙しかったのかもしれません。

それでも、相手の困っている状況に対して、
自分に何ができるかを考え、プラスアルファの行動をとりました。

それは、松澤さんだけができた行動ではなくて、
やろうと思えば、誰にでもできる行動でした。

そんな行動の習慣を持っている人は、わずか1%しかいません。

しかし、そんな人は、ほぼ100%に近い確率で、
どんな人からも好かれます。

それが、本書の「100%好かれる1%の習慣」です。

本書には、相手に寄り添ったプラスアルファのひと言を
習慣として言えたり、行動できる素敵な人が何人も登場します。

運動会の買い物をしにきたお客さんに対して、
「運動会、晴れるといいですね」と声をかける店員さん。

病院の待ち時間の長さに疲れている人に、
「病院に来るだけでも疲れてしまいますよね」と
いたわりの言葉をかける看護師さん。

「私は20年間、このビルに勤務して、たくさんの笑顔を
見てきましたが、そのなかでも、あなたの笑顔がいちばん素敵ですよ」
と声をかける警備員さん。

本書の最初に紹介されていたエピソードが、
元キャビンアテンダントが機内で会った芸能人ネタだったので、
正直、あまり期待して読み始めませんでした。

しかし、読み進めると、本当に人間関係を好転させる、
感じのよい事例がたくさん紹介された、
読んでいて気持ちのよくなる本でした。

この本から何を活かすか?

  「男性は、自分の体臭は少ないと思い込んでいる傾向があり、
  花王の社内モニターの調査では、実際にかなり強めの
  体臭を持つ男性でも、自分はニオイがあまりないと
  過小評価しているケースがあった」

男性は、女性に比べると消臭対策に消極的のようです。

私も自分の体臭が気にならないのは、自分だけなのかもしれません。
気をつけよう・・・・

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| コミュニケーション | 06:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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すごい講師の伝え方

すごい講師の伝え方すごい講師の伝え方
(2013/06/04)
中村 喜久夫

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満足度★★★
付箋数:20

TAC出版の佐藤さんに献本いただきました。ありがとうございます。

あなたは、スピーチ技術を磨こうとしていませんか?
あなたは、人前で上手に話そうとしていませんか?
あなたは、導入でインパクトのある話をしようとしていませんか?
あなたは、カリスマ講師のマネをしようとしていませんか?

これらのことに気持ちが向いてしまうと、
もっと大切なことを忘れているかもしれません。

最も大切なことは、聞き手に伝わる話をすること。

本書が伝えるのは、「わかりやすい説明のメソッドをマスターし、
自分らしい講演・講義をする」ことです。

本書の著者は、不動産鑑定士の中村喜久夫さん。

中村さんは、早口で、姿勢も悪く、笑顔を作るのも苦手なのに、
不動産関連の研修や講演はわかりやすいと評判で、
口コミとリピートだけで、年間受講者が9000人にもなるそうです。

中村さんが「わかりやすい説明」のためにやっているのは、
たった3つのことです。

当たり前といえば、あたり前のことですが、
この基本的なことを欠いて講師をしても、
受講者からわかりやすいと言われることはありません。

  1. 講演、研修の目的を明確にする
  2. 聞き手の属性を考える
  3. 目的、聞き手に合わせた話の構成を考える

そもそも講師といっても、大きく分けて2種類あります。

それは研修講師と講演講師。

研修講師は、知識をわかりやすく説明することが求められ、
研修の目的は知識を習得させ、合格に導くことにあります。

それに対して講演講師は、自分の経験によって得られたことを伝え、
聞き手を感動させたり、モチベーションを上げることを目的とします。

同じ講師といっても、このように求められていることが
違いますし、その研修によって目的も異なりますから、
まずはその目的にフォーカスする必要があります。

ですから、話の導入部分で必要なのは、
サプライズのある話ではなく、
「話を聞く必要性」を語ることなのです。

ちなみに、研修講師の役割について、もう少し詳しく言うと、
中村さんは、次のような持論を持っています。

  「研修講師は “知識” を売るのが仕事ではない。
   “時間” を売るのだ」

これは、講師が自分の時間を売るという話ではありません。

限られた時間で合格しなければならない受講者に対し、
勉強時間を短縮する技術を売るということ。

本来、合格までに200時間の勉強が必要なところを、
その半分の時間で合格させるのが講師の真の役割であると
中村さんは考えます。

本書の後半では、講師として食べていくために必要な、
ポジショニングや専門性の持ち方などの説明がありますから、
講師を目指す人にとっては聞きたい内容が書かれています。

また、特段、講師を目指していないビジネスパーソンでも、
人前で話す機会はよくありますから、
本書の第6章までの心得は参考になるでしょう。

  第1章 人を動かす! 「伝え方」意識革命
  第2章 こんな話では伝わらない
  第3章 「伝わる話」にするために
  第4章 「メッセージ」で聞き手に変化を起こす!
  第5章 パワーポイント活用法
  第6章 緊張はこうして克服する!
  第7章 職業としての講師
  第8章 講師として活躍するために

この本から何を活かすか?

講師として活躍するには、「著書」があった方が有利です。

そこで本書で紹介されているのは、
無料の出版プロデュースサービス「企画のたまご屋さん」。

このサービスは成功報酬制で、出版が決まると印税の3割を
たまご屋さんに支払うそうです。

本を出版したい人には、いいサービスですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 09:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本の景気は賃金が決める

日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)
(2013/04/18)
吉本 佳生

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満足度★★★★
付箋数:28

本書はアベノミクスに反対する本でも、賛成する本でもありません。

放たれた矢であるアベノミクスを、どのように修正すれば、
日本の景気が良くなるかを現実的に考えた本です。

吉本佳生さんは、アベノミクスの成否を分けるポイントは、
「誰にお金を回すか」にあると考えます。

モノやサービスの価格がじわじわと下る現象をデフレと呼びます。

普通に考えると、モノやサービスの価格が下がることは、
生活者にとって良いことのはずです。

しかし、問題なのは、モノやサービスを買うための
「賃金」が下がっていること。

より深刻な問題なのは、「賃金デフレ」です。

一般的に日本はアメリカなどから比べると、
賃金格差が少ないと考えられがちですが、
それは「男・大・正・長」の場合です。

これは「男性で、大企業に就職して、正規雇用のかたちで、
長年働いている人」を指します。

この「男・大・正・長」の条件の内、どれか一つでも外れると、
日本の賃金格差は主要先進国の中で最悪となるようです。

最も条件の良い「男・大・正・長」と対極にあるのが、
「女・小・非・短」。

吉本さんが日本の景気回復に必要と考えるのは、
「女性で、中小零細企業の社員で、非正規雇用で短い勤続年数の人」
の労働賃金を上げることです。

ハッキリ言うと、正社員の賃上げよりも派遣の時給アップが
必要ということですね。

そこで本書で提案されているのが、「おしくらまんじゅう政策」。

「女・小・非・短」の属性を持つ人が最も多く働く業種が
宿泊・飲食サービス業です。

マスコミで日本経済を論じる場合は、製造業を中心に
語ることが多いですが、そもそも第二次産業は
日本の産業別GDPの24%しか占めません。

GDPの75%を占めるのが、第三次産業であるサービス業。

そのサービス業で求人が多くなり賃金上昇につながるのが、
「稼働率」が上がることです。

稼働率を高くするには、人が集まることが必須です。

広範囲に住んでいた人が、都市部に集まって、
都市部の人口密度が高くなれば、宿泊・飲食サービス業での
求人が増え、「女・小・非・短」の人たちの賃金につながります。

そのために都市機能をもっと高度化して、都市部の不動産価格が、
安定的に上昇し、多くの人もそれを期待することが重要です。

つまり、「おしくらまんじゅう政策」とは、
金融緩和が引き起こすであろう不動産価格の上昇を利用して、
人口を都市に集めて、サービス業の需要を増やす政策。

それは、人が集まることで、集まった人たちの体温で
暖まろうとする、おしくらまんじゅうに似ていることから、
吉本さんは、このように命名しています。

物価上昇が必要とするアベノミクスの三本の矢を、
賃金格差縮小のため次のように修正するのが本書の提案です。

  1. 金融緩和 : 金融緩和を不動産価格上昇につなげる
  2. 公共事業拡大 : 公共事業は都市部で交通網整備などに使う
  3. 成長戦略 : 人口の都市部への集積でサービス業は成長

本書は、リフレ派と反リフレ派の批判合戦に組みせず、
アベノミクスを成功に導くにはどうするかという点に
照準を合わせているところがイイですね。

この本から何を活かすか?

本書で吉本さんが解説に使う図表は全部で68枚。

これらのほとんどは、吉本さんが持論の正しさを裏付けるために
作成したものではなく、政府発行の白書に掲載されているものです。

公開されているデータでも、それをどう読み取るかは、
その人次第ということがよくわかりました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 07:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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空想科学のツイッター

空想科学のツイッター空想科学のツイッター
(2013/03/15)
柳田理科雄

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満足度★★★
付箋数:23

  「アンパンマンの頭の直径は推定76cm。市販のアンパンと
  比較すると、重量は38kgとなるが、彼の頭はどこから見ても丸い。
  世にも珍しい球形のアンパンだ。それを加味して計算し直せば、
  重量はなんと94kg。これを投げるバタコさんを、筆者は尊敬する。」

たまに思い出して読みたたくなる、空想科学研究所、
柳田理科雄さんのベストセラー『空想科学読本』シリーズ。

本書は、漫画やアニメの疑問を科学で解説する
柳田さんの「ツイッター」1000本をまとめたもの。

はじめは、ツイッターの文字数で、
空想科学読本』の面白さが表現できるの?
と思いましたが、これが意外と良かったですね。

ソーシャルメディアには全く興味がなかった柳田さんでしたが、
秘書のツイッターがきっかけで、つぶやくようになりました。

当初は、シリーズの既刊の中から、
地味だけど少しビックリ感のあるネタを紹介しようと思って
「空想科学ツイート」を始めたようです。

それが、徐々にツイッターオリジナルのネタが増え、
ついに新旧のネタ比率が逆転。

秘書からは「柳田さん、いい加減に仕事してください~」と
言われるほどになったとか。

本書に掲載の秘書のコラムによると、
新規ネタをツイートするには、ネタとなる漫画などを読み、
測定・実験・計算をして、125字以内の原稿にまとめる作業が
必要なので、1ツイートに約2時間を要するそうです。

これで、1日平均3個の空想科学解説をツイートし続けるのは、
かなりの労力ですね。

  「地球侵略を狙うケロロ軍曹は、日向家に居候して、
  家事手伝いをやっている。皿洗いでは、流しに水を溜め、
  自分も中に入って洗っていたが、この方法は危険だと思う。
  カエルは皮膚から水分を吸収するので、洗剤の入った水を
  飲んでいるのと同じなのだ。」

  「『黒子のバスケ』陽泉高校の紫原敦はダンクシュートを決めて
  ゴールの支柱を折った。支柱の断面が縦50cm、横30cmの長方形で、
  厚さが5mmだったとすると、紫原は102tの力でボールを叩き込んだ
  ことになる。力のいれすぎだと思う。」

  「『サザエさん』の歌によれば、サザエさんは、お魚くわえた
  ドラ猫を裸足で追いかけるという。猫のトップスピードは
  100m7.5秒。これに追いつくとすれば、ウサイン・ボルトにも勝てる。
  でも、奪還したからといって、あの一家はドラ猫が
  くわえた魚を食べるのか?」

ツイッターであっても、ネタとして成立するには、
作品名、条件、結論(計算結果)、オチとなるつぶやきが
入るわけですから、かなり難易度が高いと思います。

特に、最後のオチの部分に柳田さんのセンスが光り、
たった125字でも十分に笑えます。

欲を言えば、本書に挿入されている近藤ゆたかさんのイラストが、
1ツイートの掲載スペースの中に縮小されていて、
小じんまりし過ぎているので、これだけはもっと大きく
掲載して欲しかった。

私は本書を読んで、私は空想科学研究所をフォローすることにしました。

この本から何を活かすか?

柳田さんは、若い人たちの理科離れを食い止めるために、
全国の高校の図書館に向けに『空想科学 図書館通信』の
FAX送信サービスを無料で行っています。

理科好きになるきっかけをつくるのは大切なことですね。

最近、ウチの中1の娘も、だんだん理科から遠のいてきているので、
柳田さんの本をリビングに何気なく置いておくことにします。

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| 科学・生活 | 08:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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