活かす読書

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生命の逆襲

生命の逆襲生命の逆襲
(2013/04/19)
福岡伸一

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満足度★★★
付箋数:20

本書は、週刊「AERA」に、福岡伸一さんが連載する生物学コラム
「ドリトル先生の憂鬱」をまとめたもの。

2012年3月に出版された『遺伝子はダメなあなたを愛してる』に
続く第2弾です。

  第1章 昆虫少年のまなざし
  第2章 センス・オブ・ワンダー
  第3章 ♀の優越、♂の憂鬱
  第4章 生命の秩序と混沌
  第5章 ヒトという困った生物

ところで、なぜ、ドリトル先生は憂鬱なのでしょうか?

ドリトル先生とは、児童文学作家ヒュー・ロフティングさんが
創作した童話シリーズの主人公。

時代設定は19世紀前半で、動物の言葉が話せる医師、
ジョン・ドリトル先生が珍しい動物や植物を求めて旅に出る物語。

  「ドリトル先生は、自分の発見によって栄誉を求めたり、
  お金儲けを企んだりすることは決してありません。
  ただただ動物たちの物語に耳を傾け、世界の豊かさを知りたいと
  願っているのです。だから、もし、ドリトル先生が現代に
  生きたとしたら、今日の私たちのあり方・考え方に対して
  嘆くことはありません。」

今私たちに必要のは、浅知恵で生命をコントロールしようと
することではなく、人間は未熟な存在であると自覚し、
ドリトル先生のように他の動物たちの囁やきに耳を澄まし、
リスペクトを示すことだと、福岡さんは言います。

確かに、長い生命の進化の歴史の中では、
人間はほんのひよっ子に過ぎませんから、
彼らを差し置いて、地球は人達のものだと考えるのは、
傲慢以外の何ものでもありません。

  「本書では、人間の思惑に対して生物たちがどんなふうに
  逆襲を果たすかについて、あれこれ考察してみました。
  逆襲とはいえ、それは攻撃や復讐ではありません。
  つねに教訓と展望を含んだ諭しであり、寛容さの表れなのです。」

現代人は、ドリトル先生のようなナチュラリストを目指すべき。

また、福岡さんは、『ドリトル先生航海記』に新訳をつけ、
現代に問い直すことが、ひとつの夢だと言っています。

実は、このドリトル先生シリーズは、
2011年から英文学者の河合祥一郎さんが新訳をつけて、
角川つばさ文庫から刊行しています。

井伏鱒二さんの翻訳本よりは、今の小学生には、
はるかに取っ付きやすそうですが、私たちの世代からすると、
表紙や挿絵がアニメチック過ぎる印象がありますね。

できれば福岡さんが翻訳するときには、
もう少し大人向けの挿絵にして欲しいものです。

この本から何を活かすか?

本書の表紙は、何に見えますか?

これは細密画家、池田学さんの2004年の作品
「はなかまきり」です。

福岡さんによると、カマキリにはいくつもの伝説や謎があるそうで、
本書では次の2つが紹介されていました。

1つ目は、交尾の後、オスはメスに食い殺されてしまうというもの。

実はこれ、かなりのレアケースで、ほとんどの場合、
オスは事後、さっさとどこかへ消えてしまうのが一般的だそうです。

2つ目は、ハリガネムシのパラドックス。

これは、カマキリの体内に寄生しているハリガネムシが、
どのように宿主を操り、本来の生息地の水辺へと誘導して
いるのか、そして体内にいるハリガネムシはどのようにして
宿主が水辺に達したかを察知するのかというもの。

寄生者に何も知らない宿主がコントロールされるなんて、
なんともSFチックですね。

Youtubeには、カマキリの肛門から驚くべき長さの
ハリガネムシがにゅるにゅると出てくる様子の映像が
あるとのこと。

けっこうグロい映像のようなので、
食事中は見ないようにした方がいいそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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