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アメリカは日本経済の復活を知っている

アメリカは日本経済の復活を知っているアメリカは日本経済の復活を知っている
(2012/12/19)
浜田 宏一

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満足度★★★
付箋数:21

国際金融へのゲーム理論の応用で世界的な業績があり、
東京大学やイェール大学で名誉教授の称号が与えられている
浜田宏一さん。

ノーベル経済学賞の候補者としても名前が挙がることもあります。

浜田さんは、日米で経済学の教鞭を40年以上もとり、
その教え子には、日本経済に影響力を持つ著名人が名を連ねます。

しかし、そんな浜田さんが自分のやってきたことに対し、
自信を失いかけていると言います。

それは、なぜか?

  「友人がいうように、教え子である日本銀行総裁、
  白川方明氏を正しく導くことができなかったからである。

  結論からいおう。20年もの間デフレに苦しむ日本の不況は、
  ほぼすべてが日銀の金融政策に由来するものである。」

本書は、かつての教え子だった元日銀総裁・白川さんへの批判本。

ことの始まりは、浜田さん、若田部昌澄さん、勝間和代さんが
鼎談本として2010年6月に刊行した、
伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本』にあります。

この本の中で、浜田さんは公開書簡として、
当時の日銀のやっていたことは、世界に通用する一般的な
マクロ経済政策から逸脱し、国民のためになっていないと、
白川さんへメッセージを送りました。

浜田さんの中では、かつて優秀な教え子だった白川さんが、
日銀理論に染まり、マクロ経済政策を忘れてしまったという
思いが強かった。

その本では白川さんのことを、
「歌を忘れたナカリヤ」とも記したようです。

まずかったのは、浜田さんからこの本が送られてきた時の
白川さんの対応です。

浜田さんのメッセージに答えるどころか、
「自分で買います」と返書をつけて送り返してしまいました。

いくら浜田さんのアドバイスに耳を貸す余裕がなくても、
かつての恩師に対して、やってはいけない仕打ちでした。

本書を浜田さんに書かせた原動力は、その時の恨みによるものです。

浜田さんの主張は、完全な「リフレ派」です。

日本の苦しみの原因を「デフレ」と「円高」と捉え、
この問題を解決するため円資産の供給量を増やす主張です。

そしてインフレターゲット。

本書には、嘉悦大学教授の高橋洋一さんの考えに同調し、
その発言を引用する箇所も多く見られます。

浜田さんは安倍政権の内閣官房参与として、
迎え入れられていますから、「アベノミクス」への
貢献度はかなり大きいものと考えられます。

しかし、アベノミクスに興味をもった人が、
本書を手にしても、日銀批判や思い出話が多く、
経済政策については、あまり詳しく書かれていないので、
少し期待はずれになるかもしれません。

アベノミクスも好調で、本書はベストセラーになりました。

更に、白川さん後の日銀総裁人事にも、
浜田さんの意向を反映することができましたから、
「最後の講義」と位置づけられる本書は、
その役割を十分に果たしたと言えますね。

この本から何を活かすか?

  「私や高橋洋一氏、若田部昌澄氏、勝間和代氏のように、
  日銀流理論を批判する者は、経済関係のメディアの世界では、
  なかなか主流になれない。正しいことを書きながらベストセラーを
  連発する勝間さんは、逆境を才能で克服している、
  まことに稀有な例だといえるだろう。」

いつのまにか、勝間さんがリフレ派の論客の一人に入っている?

勝間さんに才能があることも、人気があることも事実ですが、
積極的な金融緩和を全面的に主張した本で、
ベストセラーを出しているわけではありません。

浜田さんは、色々な方の著書に目を通しているようですが、
勝間さんに関しては、ちょっと誤解しているように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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