活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2013年02月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年04月

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強い力と弱い力

強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く (幻冬舎新書)強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く (幻冬舎新書)
(2013/01/30)
大栗 博司

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満足度★★★★
付箋数:28

  「人類、やるじゃないか!」

2012年7月4日、CERN(欧州共同原子核研究機構)が
ヒッグス粒子の発見を発表したとき、本書の著者、
大栗博司さんは2つの意味で、この発見に驚き感動しました。

1つは、この実験を支えたCERNの「技術力」の素晴らしさ。

CERNは、世界最大の素粒子物理学研究施設ですから、
その技術力の高さは、素人でも何となくわかります。

もう1つは、「数学の勝利」であったこと。

これは紙と鉛筆だけを使って、人間が頭の中だけで
理論構築したことが証明されたことへの感動です。

自然界にこういう素粒子があれば、論理的には辻褄が合うと
予言されていたことが、正しかったと証明されました。

この2つ目は、私は最初、あまりピンときませんでしたが、
本書を読むことで、大栗さんの興奮がわかるようになりました。

本書は素粒子の「標準模型」の全貌を解説し、
ヒッグス素粒子発見の本当の意義を伝える本です。

マスコミがわかりやすく報道するための例え話として使われる
ヒッグス素粒子「水飴論」が誤りであることを指摘し、
本質的な理解ができるように、わかりやすく解説します。

そのためには、標準模型の理解が不可欠。

この標準模型で主役を務めるのは、
「電磁気力」と「強い力」と「弱い力」の3つの力です。

本書ではこの内、タイトルにもなっている
「強い力」と「弱い力」について
発見の経緯から、
その作用まで順を追って説明します。

ちなみに、「強い力」と「弱い力」は、れっきとした
物理学の専門用語で、英語でも「ストロング・フォース」、
「ウィーク・フォース」とそのまま呼ばれているそうです。

大栗さんの説明は、『重力とは何か』のときも
非常にわかりやすかったのですが、本書ではそれに加え、
まるでミステリー小説のように読者を引き込み、
同時に知的好奇心を刺激します。

素粒子物理学の歴史に名を残した、40名以上の
天才物理学者たちのストーリーやエピソードを挿入し、
非常に魅力的な作品になっています。

標準模型の理論構築の過程で、大きな役割を果たしたのが、
2008年に「自発的対称性の破れ」の発見で、
ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎さん。

以前当ブログで紹介した『現代素粒子物語』でも、
南部さんの功績ついて詳しく書かれていましたが、
本書でも1章を割いて紹介されています。

私は、南部さんがノーベル賞を受賞したときに、
何がスゴイのかさっぱり理解できませんでしたが、
それもそのはず。

著名な物理学者でも、南部さんの仕事は
10年先を見通していると感じたようです。

そして実際に南部さんの理論を理解するに10年かかったとか。

マンハッタン計画の指導者だったロバート・オッペンハイマーさん
でさえ、何年も後になってピーター・ヒッグスさんの論文を読んで、
初めて南部さんの言っていることがわかったそうです。

この本から何を活かすか?

大栗さんは、偉大な理論物理学者を3つのタイプに分けています。

1つ目は「賢者型」で、明確な問題設定から始めて、
前提をきちんと指定し、論理を踏まえて進むタイプ。

このタイプの典型はアルベルト・アインシュタインさん。

2つ目は「曲芸師型」で、これまで誰も考えたことない
斬新な視点で問題を捉え、急峻な山々を軽々と登るタイプ。

このタイプの典型はリチャード・ファインマンさん。

3つ目は、「魔術師型」で、時代を超越しているので、
すぐには理解されませんが、自然界の深い真理を究明するタイプ。

このタイプはごく少数で、そのうちの一人が、
南部陽一郎さんのようです。

ちょっと難しいと思って読むのを避けていた
南部さんの著書『クォーク 第2版』に、
そろそろ挑戦してみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 08:48 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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JAL再生

JAL再生―高収益企業への転換JAL再生―高収益企業への転換
(2013/01/26)
引頭 麻実

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満足度★★★
付箋数:22

  「JALの利益回復は著しい。債権放棄や減損処理など
  更生手続による財産評定から生じたコスト圧縮が
  後押しした面は否定できないが、それによる利益押し上げ効果が
  すべてではない。むしろ、JAL内部の仕事の進め方そのものが
  大きく変わったことによる効果が、きわめて大きい。
  また、JAL社員ひとりひとりの仕事に対する考え方そのものも
  大きく変わった。
  これを可能にしたのは、稲盛氏の強力なリーダーシップである。」

2012年9月19日、JALは東京証券取引所に再上場を果たしました。
それは、経営破綻後、わずか2年8ヶ月後のことでした。

JALが再生できた要因は、法的整理をしたことと、
公的資金注入という政府支援があったからです。

しかし、短期間で再生し、更生計画を上回ったのは、
内部での稲盛和夫さんによる経営改革によるところも大きい。

本書では、外部要因ではなく、経営や現場が稲盛改革によって
どのように変わったのかという視点でレポートする本です。

稲盛さんをはじめ、JALの経営幹部、中堅幹部、現場社員など
約50名に取材を行い短期再生の要因を探ります。

稲盛さんのアメーバ経営、京セラのフィロソフィが、
どのようにJALに注入されていったかの記録でもあります。

本書でJAL再生が成功したカギとして挙げられているのが、
次の5つです。

  1. 衆目にさらされての再生
  2. 稲盛氏のリーダーシップと社内の共感
  3. 価値観を共有する仕組みや仕掛け
  4. 社員が共有できる管理会計や仕組み
  5. 新しい価値観に基づく社員ひとりひとりの行動

もともとJALが破綻への道を歩んだ原因は、
ナショナル・フラッグ・キャリアである驕りもありましたが、
すべてがJAL固有の問題ではありません。

他の日本企業が抱える共通の問題もありました。

本書では、経営基盤に関わる課題と、現場の課題に分けて、
JAL再生の様子がレポートされていますから、
その改革のプロセスは他の企業でも参考にできます。

リーダー教育からはじめ、トップに就任した稲盛さん自らが、
現場に足を運び率先垂範して改革に当たる様は、
経営と現場の距離感を縮めていきます。

そして、本当に意味でのお客様視点が浸透しはじめます。

稲盛さんなくして、JALのV字回復がなしえなかったことが、
本書を読むとよくわかります。

ただし、そもそも政府によるJAL救済は必要だったのかという
本書を読む前からある疑問には答えを出してくれるわけでは
ありません。

本書の巻末には、欧米の破綻して再生した航空会社の一覧や、
アメリカのチャプター11についての資料が掲載しています。

ここでは、今回のJALの再生のケースと違う点が
指摘されているわけではなく、どちらかと言うと、
JAL再生を肯定するための資料として使われています。

この本から何を活かすか?

私は、本書を読む前に次のような疑問がありました。

JAL支援は、民業圧迫にならないのか?
民間企業に政府が介入すべきなのか?
JALがなくなると、国民全体の損失につながるのか?
世界中のエアラインの利益の1/3を支援を、
受けたJALが挙げるのは異常なことではないのか?
本当にあのタイミングで再上場して良かったのか?

本書は、企業改革という点では参考になる本でしたが、
私の疑問に答えてくれる種類の本ではありませんでした。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1年で成果を出す P&G式 10の習慣

1年で成果を出す P&G式 10の習慣1年で成果を出す P&G式 10の習慣
(2013/02/02)
杉浦里多

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満足度★★★
付箋数:20

パンパース、ジョイ、マックスファクター、SK-Ⅱなど
いくつもの有名なブランドを持ち、一般消費財メーカーとしては
世界最大のP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)。

P&Gは、売上や時価総額が大きいだけでなく、
人材輩出企業としても評価が高く、2008年にはフォーチュン誌で、
「社員の能力が高い企業」ランキングで世界第1位となっています。

著者の杉浦里多さんは、ルイヴィトン・モエヘネシーグループ
からP&Gに転職し、10年弱の期間在籍した方。

生え抜き社員を重視する文化があるP&Gにおいて、
中途採用者の客観的な外部の視点をもって、
P&Gの強さの秘密を解き明かします。

  「P&Gでは “言葉” “考え方” “行動” において、
  全員が行うようにグローバルスタンダード化(全世界で標準化)
  された数々の習慣があるということです。
  それはP&Gが175年間、180ヶ国でビジネスを成功させてきた
  ノウハウを、誰もがしっかり身につけられるようにまとめた、
  最強の成果を出す習慣なのです。この “P&G式習慣” が、
  世界No.1企業、世界No.1人財を生む秘訣です。」

確かに、私が過去に2冊の「P&G式」を謳う本を読みましたが、
それらの本の著者は新卒でP&Gに入社した生え抜きの方でした。

他の企業から転職して、P&Gのどこが違うのかという視点で
見ていることが本書の特徴です。

杉浦さんが挙げた、「P&G式 10の習慣」は次の通りです。

  習慣1 「目的は?」を口ぐせにする
  習慣2 ダメだしよりまずポジティブな言葉
  習慣3 フィードバックの言葉をあげる・もらう
  習慣4 「消費者がボス! 」顧客志向で考える
  習慣5 リーダーシップは影響力と考える
  習慣6 「万が一」を想定する
  習慣7 「1ページメモ」で頭を整理する
  習慣8 他人の成功体験を徹底的にマネする
  習慣9 「量」より「質」の時間管理
  習慣10 ボスマネジメントをする

これらの習慣がP&Gだけのオリジナルのものかというと、
実際のところそうではありません。

では、なぜ、P&Gが優れているかというと、
これらの習慣を身につけている徹底度が高いからでしょう。

特に、習慣1の「目的は?」を口ぐせにして、
目的が企業の「ミッション」とズレがないかを
チェックすることが徹底されているのは、
本当の意味で企業の価値観が共有されている証しだと思います。

ただし、揚げ足を取るわけではありませんが、
杉浦さんがP&Gに転職して、社内の誰もが身につけている
P&G式習慣を身につけたおかげで、最優秀社員賞の
表彰を受けたという話はおかしいです。

P&G内において、P&G式習慣の差はないわけですから、
杉浦さんが社内で表彰された理由は、個人の能力・努力や、
前職の経験があったからと考えるのが妥当ではないでしょうか。

そう考えると、本書で挙げられている10の習慣は、
P&Gの中でも、更に秀でることができる習慣なのかもしれません。

この本から何を活かすか?

個人的には、P&Gの「カルチャー」を知るということでは、
過去に読んだ2冊のP&G本の方が深いものを学べた印象があります。

  ・高田誠さんの『P&G式伝える技術 徹底する力
  ・和田浩子さんの『P&G式 世界が欲しがる人材の育て方

また、高田さんの本でも、「P&G式」メモのフォーマットが
紹介されていましたが、本書の説明と少し違いがありました。

お2人がP&Gを退職した時期にあまり差はありませんから、
どちらかが、社外でも使えるよう、一般向けにアレンジしたのでしょう。

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| ノウハウ本 | 06:39 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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金融緩和で日本は破綻する

金融緩和で日本は破綻する金融緩和で日本は破綻する
(2013/02/01)
野口 悠紀雄

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満足度★★★
付箋数:23

本書は、反リフレ派である野口悠紀雄さんによる、
アベノミクスへ浮かれる日本へ警鐘を鳴らす本です。

ダイヤモンド・オンラインに2012年1月から12月にかけて
連載した「経済大転換論」をベースに加筆・編集したもの。

本書で述べられる野口さんの3つの主張は、
「はじめに」を読んだだけでもわかるように、
明快にまとめられています。

  「第一に、金融緩和を叫ぶ前に、これまでの金融緩和が
  有効だったか否かを、冷静に客観的に検証すべきだ。」

要するに、過去の金融緩和は効果がなかったことを
言っているわけです。

国債購入によってマネタリーベースが増えても、
マネーストックが変化しないことの説明は、
本文で詳細に行われていますが、
これが素人が読んでも非常にわかりやすい。

  「(従来の金融緩和は効果がないが)日銀による国債の
  直接引き受けを認めれば、事態は一変する。
  なぜなら、政府は、税制改正なしに、そして市場の制約なしに、
  いくらでも財源を調達できるからである。
  これは、政府にとっては究極の錬金術であり、国民から見れば
  法律によらずに財産を没収される手段なのである。」

この2点目の主張は、金融緩和の真の目的は国債購入にあり、
日銀が国債を引き受けることで、コントロールの効かない
インフレと円安をもたらし、更にはキャピタルフライトが起こり、
日本経済が崩壊するというシナリオです。

  「現在の日本経済が抱える問題は、金融緩和や財政拡大などの
  マクロ経済政策で解決できるものではない。
  とくに金融緩和は、問題を一時的に見えなくするための
   “麻薬” でしかない。日本経済を活性化するには、
  構造改革が不可欠せある。これが強調したい第三点だ。」

本書では、アベノミクスで金融緩和がどのような結末を
もたらすかは述べられていますが、どのような構造改革が
必要であるかについてまでは、踏み込んでの説明がありません。

これは野口さんの本についてはいつも言えることですが、
説明が非常に論理的で説得力があります。

各論で見ても、データ分析、引用元、図表、補講が
整備され理想的な説明になっています。

私がここ最近で読んだアベノミクス関連本(『リフレはヤバい』、
アメリカは日本経済の復活を知っている』) と比較しても、
最も精密に分析し納得できる説明がなされています。

だからこそ余計に、安倍政権がすすめる金融緩和によって
日本がハイパーインフレに突入してもおかしくない
という結論には、違和感が残ります。

風が吹けば桶屋が儲かる的な、展開になっている印象。

しかしながら、各論での説明は非常にわかりやすいので、
アベノミクスに賛成する人も、反対する人も
一読する価値のある本だと思います。

この本から何を活かすか?

2013年1月20日放送のNHK日曜討論では、
「どうなる日本経済 アベノミクスを問う」と題し、
浜田宏一さんと野口悠紀雄さんの討論が行われていました。

しかし、私はこの討論を見逃してしまった。

そこで有料でも見たいと思って「NHKオンデマンド」で
探しましたが、そこにも映像はありませんでした。

会員登録しても、いまいち使えないNHKオンデマンド・・・・

仕方がないので、ネット上でアップされている
同放送の動画を探して見ることにしました。

2013-01.20 浜田宏一内閣官房参与出演!「アベノミクスを問う」

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| 経済・行動経済学 | 06:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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常識を疑うことから始めよう

常識を疑うことから始めよう (Sanctuary books)常識を疑うことから始めよう (Sanctuary books)
(2013/03/15)
ひすいこたろう、石井しおり 他

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満足度★★★★
付箋数:25

「本を読まない人のための出版社」
サンクチュアリ出版の高山さんからの献本いただきました。
ありがとうございます。

ある国の首相が、別の国の首相の訪問を受け、
官邸の一室で国家間の問題について話し合っていました。

すると突然、ひどく興奮した男性スタッフが駆け込んできて、
叫びながら机を拳で激しく叩きだしました。

この様子を見て、地元の首相はこう告げました。

「ピーター、どうかルールNO.6を思い出してください」

すると、その男性はすぐに冷静な状態に落ち着き、
お詫びの言葉を述べ、部屋から出て行きました。

2人の首相は話し合いに戻りましたが、
その20分後、今度はヒステリックな状態になって女性が、
激しいジェスチャーで髪を振り乱しながら部屋に入ってきました。

地元の首相は、再び声をかけます。

「マリー、どうかルールNO.6を思い出してください」

するとその女性もまた、瞬時に落ち着きを取り戻し、
お詫びの言葉を述べ会釈をして退室しました。

このような場面が3度繰り返されたとき、
訪問国の首相が、地元の首相に尋ねました。

「私は多くのことを人生の中で目にしてきましたが、
こんなに驚かされたことは初めてです。
どうかルールNO.6の秘密を教えてもらえませんか?」

「とてもシンプルです」と地元の首相が答えました。

「ルールNO.6は、マジメになり過ぎるなです。」

この答えを聞いた訪問国の首相は感心して尋ねました。

「なるほど、それは素晴らしいルールですな。
では、他のルールもお聞かせ願いますか?」

「ルールはこれだけで、他には何もありません。」

これはもともと、ロザモンド・ストーン・ザンダーさんと
ベンジャミン・ザンダーさんの共著である
The Art of Possibility』に出ているエピソードです。

原書の「Rule Number 6」を私が直訳して紹介しました。

このエピソードが、ひすいこたろうさんと石井しおりさんの
共著である本書でも紹介されています。

なぜ、あえて原文直訳を書いたかというと、
「ひすいマジック」を堪能して欲しかったからです。

ぜひ、本書を手に取り、私の味気ない直訳文と、
ひすいさんが物語る文章の違いを確認してみてください。

同じエピソードでも、ひすいさんの手にかかると、
伝わり方が全く違います。

本書には、「ルールNO.6」のように引用元がある話も多いので、
別の本で目にしたことがあるエピソードもあるでしょう。

しかし、聞いたことがあるエピソードでも、
見せ方を変えて、グイグイ引き込んでいくのが、
ひすいさんの凄さです。

同じ名言でも、ひすいさんがストーリーにして語ることで、
より刺さる言葉としてリアルに届くのです。

本書では、自分を縛る常識を手放すための24のエピソードが、
一流のストーリーテリングによって紹介されています。

この本から何を活かすか?

ひすいさんは、講演をよく聞きにくるタクシーの運転手さんに、
「僕も講演する人になりたいんです」と相談を受けたことが
あるそうです。

これに対して、ひすいさんは次のように返しました。

  「『強みの上にすべてを築け』というドラッカーの言葉があります。
  あなたはタクシーの運転手ですよね?
  ならば、それを生かしたかたちで、もっとあなたが輝けるように
  なることができるはず」

そうして考えだされたのが「名言タクシー」。

降りる時に、その人にあった名言カードを
プレゼントするタクシーです。

そんなタクシーなら、何度も乗ってみたいですね。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 07:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「デキるふり」からはじめなさい

「デキるふり」からはじめなさい (星海社新書)「デキるふり」からはじめなさい (星海社新書)
(2013/01/25)
千田 琢哉

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満足度★★★
付箋数:21

  「一度きりの人生ならば理想の人生を歩みたいと思うだろう。
  その理想の人生に近づくために、まず “ふり” から
  はじめることだ。
   “ふり” さえできないのに、それが実現するはずはない。」

本書は、「デキる人」になるための自己啓発書。

著者は、最近ものすごい勢いで本を執筆している千田琢哉さん。

千田さんは、「デキる人」になるための、
最もシンプルな方法は、「デキる人」をマネて、
「デキるふり」から始めることだと説明します。

それは、勘違いでも構いません。

自分は「デキる」と最後まで勘違いし続ければ、
それは本物になる。

最初は「デキるふり」をするのが少々ぎこちなくても、
それはだんだん板についてくるものです。

そして、他人から見るといつしか本当のデキる人と
区別がつかなくなる。

案外、あなたの周りにいる「デキる人」も、
デキるふりをしているだけなのかもしれません。

では、どんな「デキる人」をマネれば良いのでしょうか?

これもあまりハードルを高くして考える必要はありません。

マネしやすい「デキる人」を、無理せずマネることがポイント。

  「タイプが似ているデキる人をマネる。
  タイプの全く違うデキる人をマネても、ただの “痛い人” に
  なってしまう。そうではなくて、自分とタイプが似ている
  デキる人のマネをすることが大切なのだ。」

  「生い立ちが似ているデキる人をマネる。
  環境も境遇も時代も全く違うのに、その人をマネても
  成功する確率は低い。大切なポイントは、生い立ちが似ていて
  デキる人をマネすることだ。」

タイプも生い立ちも似ているデキる人なら、
自分の延長上にいる人のはずですから、
それほど思い切らなくてもマネがデキるはずです。

そして、仕事上でもいきなり「経営者意識」を目指すのではなく、
「二階級上の役職」になりきって仕事をすることをすすめています。

  「巷では、 “経営者意識を持て!” と言われるが、
  それは無理な話だ。経営者意識を持つためには、
  脱サラして独立する以外に方法はない。
  経営コンサルタントは、主に経営者たちと一緒に仕事をするのだが、
  本当の経営者意識というものを私はついに持てなかった。
  それは私が独立したからよくわかる。」

自分が経営者なら、と考えることが決して無駄ではありませんが、
それはあくまで、課長として考えられ、部長として考えられ、
役員として考えられた後でも良いのでしょう。

まずは、自分の2つ上のポジションの視点で
仕事ができるようになることが優先です。

本書では、合計54個の「デキるふり」からはじめる方法が
紹介されています。

「仕事」、「人間関係」、「お金」、「勉強」、「恋愛」
の5つのカテゴリーにまとめられていますから、
自分のデキるようになりたい分野からはじめることが可能です。

この本から何を活かすか?

最近、やたら千田さんの著書を見かけます。

本書は63冊目と書かれていたので、
千田さんの年別著作数を調べてみました。

  2007年 1冊
  2008年 2冊
  2009年 5冊
  2010年 6冊
  2011年 18冊
  2012年 26冊

2013年は3月現在で7冊執筆していますから、
このペースだと年28冊にもなりますね。

さすがにこのペースだと、質が心配になってしまいます。

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リフレはヤバい

リフレはヤバい (ディスカヴァー携書)リフレはヤバい (ディスカヴァー携書)
(2013/01/31)
小幡 績

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満足度★★★
付箋数:23

  「リフレとは何でしょうか?
  それはインフレを起こす、ということです。
  インフレとは、多くのモノの値段が上がるということです。
  モノの値段が一斉に上がったら、ふつう困りませんか?(中略)
  ふつうの人は、みんな困ります。
  なぜ、そんなことをあえてしなければならないのでしょうか?
  よくわかりません。
  なぜ、わざわざモノの値段が上がるようなインフレを
  起こさないといけないのでしょうか。それを強力に主張する
  人々がいるのはなぜでしょうか。まったくわかりません。
  本書では、リフレ、および、それを主張する人々の謎を
  解明していきたいと思います。」

このように安倍政権が進めるアベノミクスに警鐘を鳴らすのは、
デフレ派の論客として知られる小幡績さん。

このブログでも、かなり以前に小幡さんの
すべての経済はバブルに通じる』を紹介したことがあります。

小幡さんは、デフレ・円高の積極推進論者ですから、
アベノミクスに黙っていられるはずはありません。

インフレになるには、景気が良くならないといけない。

景気を良くするためにインフレにするという
リフレ派の考えは、因果関係が逆だと述べられています。

小幡さんが、リフレ派の誤りとして指摘するのは次の2点です。

1点目は、リフレ派が起こそうとしているインフレの
メリットは幻想にすぎないということ。

デフレと景気は別物で、ノーベル経済学賞を受賞している
ポール・クルーグマンさんさえも間違っていると一刀両断。

2点目は、そもそもインフレは意図的に起こせないということ。

起きるはずのないインフレを起こそうとして、
金融緩和をすすめると歪みが蓄積し、国債が暴落してしまう。

ただし、小幡さんは非常に冷静ですから、
国債は暴落しても藤巻健史さんが主張するような、
ハイパーインフレが起こるとは考えていません。

また、リフレを主張する専門家のほとんどが「男性」
という、ちょっと変わった指摘もなされています。

私は反リフレ派では、小幡さん以外では、
池田信夫さん、榊原英資さん、吉川洋さん、野口悠紀雄さん
などの有名どころしか知りませんが、こちらも男性ばかりです。

他に、モノの値段が上がることに敏感な主婦などに
支持されているということなのでしょうか。

私は先日、リフレ派である浜田宏一さんの
アメリカは日本経済の復活を知っている』を読んだので、
今回は、あえてその反対を主張する小幡さんの本を読みました。

両方の主張を聞くことで、議論が一方的にならず、
自分の中でのバランスが取れますし、思考の幅も広がります。

浜田さんの本は、「恨み節」が多かった印象ですが、
本書は「わかりやすく乱暴」と言った感じです。

共通して言えるのが、どちらも大味であるということ。

一冊だけだと、どこか片手落ちの感があるので、
浜田さんの本と小幡さんの本をセットで読むのがオススメです。

この本から何を活かすか?

世間はアベノミクスに沸き、新しい日銀のトップ人事も、
リフレ派となり、状況はリフレ派に有利になりました。

もう少し、反リフレ派の骨のある主張も聞いてみたいので、
野口悠紀雄さんの『金融緩和で日本は破綻する』も
近日中に読んでみようと思います。

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| 経済・行動経済学 | 11:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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7つの動詞で自分を動かす

7つの動詞で自分を動かす - 言い訳しない人生の思考法7つの動詞で自分を動かす - 言い訳しない人生の思考法
(2013/01/31)
石黒 謙吾

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満足度★★★
付箋数:20

  「受動的姿勢から立ち上がり、自分で自分の背中を
  どうやって押すか。手が届かないそこに対して。
  その対策としては、自分の意識の変化しかありえず、
  最終的には誰も手伝えるものではありません。
  だから、まず自分でやったかやらないか判別可能な “動詞” を
  思考の中に刷り込みましょう。」

本書が教えるのは、自分で自分の背中を押す方法。
それが、7つの動詞で考えて、能動的になる思考法です。

著者は、映画化、TVドラマ化された『盲導犬クイールの一生』の
原作者として知られる石黒謙吾さん。

2択思考』などの本も執筆している方です。

本書では、7つの動詞をどのように使うべきかを確認しながら、
石黒さんの半生を振り返ります。

タイトルからすると自己啓発本のイメージですが、
石黒さんの自伝的な要素の強い本です。

紹介されている内容は、すべて石黒さんが体験したり、
見聞きしたことがベースになっています。

ハッキリ言って、それほど高尚な話しではなく、
生活感のあるベタな話しが多いです。

だからと言って、ビジネスでは役に立たないなどど
考えないでください。

  「もしあなたが、こんなもの読んだって役に立たないと
  感じるとしたら、それは物事を置き換えて当てはめる力、
  イメージの広がりが不足しているのかもしれません。
   “この話は、自分の仕事や生き方に転化させれば、
  こういうことだ” と納得していただけるようなら、
  述べる内容の吸収はぐっと深くなると思います。」

本書で紹介される動詞は、次の7つ。

  「ぶつける」、「分ける」、「開ける、」、「転ぶ」、
  「結ぶ」、「離す」、「笑う」

最終章では、これらに加えて「捧げる」という動詞も
紹介されているので、正確には8つの動詞となりますが、
基本は、7つの動詞をモチーフに話しが進みます。

また、ニュアンスを正確に伝えるために、
これらに似ているけれど、意識に大きな差がある動詞を
比較対象として紹介しています。

例えば、「ぶつける」と「ぶつかる」。

1文字違いで、ほとんど同じ意味のこの2つの言葉ですが、
「ぶつかる」は相手からぶつかってくる場合など、
他者の行動を指す場合もあるので、受動的な言葉です。

一方、「ぶつける」は、自分の意思しか介在しない、
能動的な動詞です。

本書では、言い訳しない人生を歩むために、
あくまで行動の選択権が自分にある動詞で考えます。

本書で紹介される7つの動詞を中心に生きることは、
苦しいこともあるでしょう。

しかし、そこには「やらされる」苦痛はありません。

つまり、苦しいながらもストレスフリーで充実感のある
生き方ができるというわけです。

ちなみに、名詞は流行語になりますが、
動詞は流行語にならないそうです。

なぜなら、動詞は人間の本能と関わり深い、
太古から意識されてきた普遍性のある言葉だからのようです。

この本から何を活かすか?

私が、気になったのは石黒さんの
「分類王」というプロフィールです。

その特性が現れているのが、本書の「分ける」の章です。

  「いかなるジャンルのモノやコトでも、
  できる限り細分化してランキングしてみましょう。」

この訓練を積むことで、クリアしたい問題を提示されたときに、
その傾向をパターン分類できるので、対策が立てやすくなるそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アメリカは日本経済の復活を知っている

アメリカは日本経済の復活を知っているアメリカは日本経済の復活を知っている
(2012/12/19)
浜田 宏一

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満足度★★★
付箋数:21

国際金融へのゲーム理論の応用で世界的な業績があり、
東京大学やイェール大学で名誉教授の称号が与えられている
浜田宏一さん。

ノーベル経済学賞の候補者としても名前が挙がることもあります。

浜田さんは、日米で経済学の教鞭を40年以上もとり、
その教え子には、日本経済に影響力を持つ著名人が名を連ねます。

しかし、そんな浜田さんが自分のやってきたことに対し、
自信を失いかけていると言います。

それは、なぜか?

  「友人がいうように、教え子である日本銀行総裁、
  白川方明氏を正しく導くことができなかったからである。

  結論からいおう。20年もの間デフレに苦しむ日本の不況は、
  ほぼすべてが日銀の金融政策に由来するものである。」

本書は、かつての教え子だった元日銀総裁・白川さんへの批判本。

ことの始まりは、浜田さん、若田部昌澄さん、勝間和代さんが
鼎談本として2010年6月に刊行した、
伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本』にあります。

この本の中で、浜田さんは公開書簡として、
当時の日銀のやっていたことは、世界に通用する一般的な
マクロ経済政策から逸脱し、国民のためになっていないと、
白川さんへメッセージを送りました。

浜田さんの中では、かつて優秀な教え子だった白川さんが、
日銀理論に染まり、マクロ経済政策を忘れてしまったという
思いが強かった。

その本では白川さんのことを、
「歌を忘れたナカリヤ」とも記したようです。

まずかったのは、浜田さんからこの本が送られてきた時の
白川さんの対応です。

浜田さんのメッセージに答えるどころか、
「自分で買います」と返書をつけて送り返してしまいました。

いくら浜田さんのアドバイスに耳を貸す余裕がなくても、
かつての恩師に対して、やってはいけない仕打ちでした。

本書を浜田さんに書かせた原動力は、その時の恨みによるものです。

浜田さんの主張は、完全な「リフレ派」です。

日本の苦しみの原因を「デフレ」と「円高」と捉え、
この問題を解決するため円資産の供給量を増やす主張です。

そしてインフレターゲット。

本書には、嘉悦大学教授の高橋洋一さんの考えに同調し、
その発言を引用する箇所も多く見られます。

浜田さんは安倍政権の内閣官房参与として、
迎え入れられていますから、「アベノミクス」への
貢献度はかなり大きいものと考えられます。

しかし、アベノミクスに興味をもった人が、
本書を手にしても、日銀批判や思い出話が多く、
経済政策については、あまり詳しく書かれていないので、
少し期待はずれになるかもしれません。

アベノミクスも好調で、本書はベストセラーになりました。

更に、白川さん後の日銀総裁人事にも、
浜田さんの意向を反映することができましたから、
「最後の講義」と位置づけられる本書は、
その役割を十分に果たしたと言えますね。

この本から何を活かすか?

  「私や高橋洋一氏、若田部昌澄氏、勝間和代氏のように、
  日銀流理論を批判する者は、経済関係のメディアの世界では、
  なかなか主流になれない。正しいことを書きながらベストセラーを
  連発する勝間さんは、逆境を才能で克服している、
  まことに稀有な例だといえるだろう。」

いつのまにか、勝間さんがリフレ派の論客の一人に入っている?

勝間さんに才能があることも、人気があることも事実ですが、
積極的な金融緩和を全面的に主張した本で、
ベストセラーを出しているわけではありません。

浜田さんは、色々な方の著書に目を通しているようですが、
勝間さんに関しては、ちょっと誤解しているように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「中卒」でもわかる科学入門

「中卒」でもわかる科学入門  「中卒」でもわかる科学入門
(2013/02/09)
小飼 弾

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満足度★★★★
付箋数:26

私たちは、なぜ、科学を学ぶ必要があるのでしょうか?

その理由について、本書で小飼弾さんは次のように答えています。

  「その問いに対する答えは簡単で、話をするためです。
   “俺が勝手に決めた定義” 同士で話をしようとしても
  すれ違うだけ。 “コップ1杯” と言った時に、自分のコップと
  相手のコップのサイズが10倍も違うのに “同じコップだ” と
  強弁したら、それはフェアでも何でもありません。
   “キミもボクも共通の指標、共通の物差しを使って話をしよう” 、
  それこそが科学です。」

一般的には、英語が世界の共通言語だと考えられていますが、
実際のところ英語を公用語としている人口は14億人程度。

それよりも、はるかに数字を読める人の数は多く、
数学こそが真の世界共通語だと、小飼さんは説明します。

異なる立場の人が、議論をする上で欠かせないのが、
数字や科学の定量的な物差しという訳です。

では、私たちは、どの程度の科学リテラシーを
身につけるべきなのでしょうか?

現在の科学技術の範囲は広く、それぞれの分野の
最先端の研究内容を、一人ひとりが理解するのは不可能です。

ですから、本書で小飼さんが必要と説明しているのが、
専門家の出した「結論」が、正しいかどうかを判断する力です。

プロセスを理解するのは難しいことですが、
結論が正しいかを確かめたり、それを利用するには、
高度な科学知識は必要としません。

それが、本書のタイトルにもなっている「中卒」レベルの知識です。

中学数学で思い出してみると、「三平方の定理」も、
その定理を証明することよりも、数字を代入して確かめてみたり、
定理を使って計算することの方がずっと簡単でしたね。

小飼さんが、専門家と話ができるようになるために、
私たちが身につけるべき能力として挙げているのが、
次の「三種の神器」です。

  ・四則計算
  ・単位を揃えて考えること
  ・論理的思考

加減乗除の四則演算ぐらい、簡単にできると侮るなかれ。

これが、本当に使いこなせれば、政府が国民を
騙すために行った試算でも、見破れるようになります。

  「2030年の総発電量に占める原発比率をゼロにすると、
  電気代を含む光熱費が月額で最大3万2243円となり、
  10年実績(1万6900円)の約2倍に上昇する」

これは、MSN産経ニュース報道による政府の試算ですが、
小飼さんは、本書で簡単な四則計算を使って、
原発ゼロで光熱費が倍になるのがおかしいことを
証明しています。

実際に小飼さんがやっている計算は、
決して難しいものではないので、
「本当かどうか自分で計算してみよう」と疑って、
手を動かす習慣を身につけるのが大切なところです。

本書では、科学だけでなく政治についての言及もあります。

個人的には、どのようにすると、小飼さんのような
独自の視点で物事を考えられるようになるかの
一端を知ることができ、非常に参考になる本でした。

この本から何を活かすか?

  「本物の科学者と偽物の科学者を見分ける簡単な方法」

私たちは、肩書のある白衣をきた人が、
もっともらしいことを言っているのを聞くと、
その権威だけで、つい信用してしまう傾向があります。

そんな時に、小飼さんが本書で紹介していた、
本物と偽物を見分けるポイントを知っていると便利です。

  「本物は “私のことを疑ってください” と言い、
  偽物は “私を信用してください” と言うものです。」

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 11:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界へ挑め!

世界へ挑め!世界へ挑め!
(2013/01/23)
徳重徹

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満足度★★★
付箋数:21

現在、アジアの新興国の一つであるフィリピンの
国家プロジェクトに注目が集まっています。

それは、庶民の足であり、同時に深刻な大気汚染の
元凶の一つともされている「三輪タクシー(トライシクル)」を
電気自動車化(EV化)するプロジェクトです。

フィリピン政府は、アジア開発銀行の融資を受け、
2016年までに国内の三輪タクシー350万台のうち10万台を
EVタクシーに置き換えることを計画をしています。

この一大プロジェクトの入札に、手を挙げた
日本の大手バイクメーカーは1社もありませんでした。

なぜなら、フィリピン政府が提示した価格では、
どう頑張ってもEVタクシーを作れないから。

フィリピン政府が示したEVタクシー1台当りの価格は、
4000ドル~5000ドル。

大手メーカーでは、品質にこだわりすぎ、
オーバースペックになってしまったのでしょう。

そんな中で、この入札のために現地法人を作って
参入した日本のベンチャー企業がありました。

それが、本書の著者、徳重徹さんが代表取締役を務める
テラモーターズ」です。

テラモーターズでは、思い切った割り切りにより、
1台5000ドル以下でEVタクシーを作ることを実現し、
この入札に参加しています。

テラモーターズは、資本金2000万円で徳重さんが、
2010年に設立した電動バイクのベンチャー企業です。

わずか創業2年目で約3000台を売り、
ヤマハ発動機やホンダといったビックネームを追い越し、
電動バイクでは国内トップメーカーになったそうです。

  「アップルを超える企業になる」

テラモーターズは徳重さんが本書を執筆した時点で、
雑居ビルのレンタルオフィスに4畳半の事務所を構えた、
わずか社員16名の会社です。

しかし、はじめから世界ナンバーワンを狙っています。

  「自信を失い萎縮した日本人だが世界で戦う資質は
  いまなお、十分に持っている」

電気バイクこそが世界で勝負できる製品だと、
徳重さんは確信し、自分が先頭に立って、
萎縮した日本人のメンタリティを180度変えようとしています。

世界で勝てるメガベンチャーを立ち上げ、
日本を覆う閉塞感を払拭しようとしているのです。

本書は、そんな徳重さんが、テラモーターズの戦略と
世界で戦うための心意気を熱く語る本です。

日本がもう一度輝くためには、何が必要かが示されています。

やはり成長するベンチャーはこうでなければいけません。

本書は、テラモーターズの宣伝を兼ねる部分もありますが、
自らの志やテンションの高さを燃料にして、
前へ前へ進むアグレッシブな姿勢が伝わってくる一冊です。

この本から何を活かすか?

  「なぜ日本企業は世界で勝てないのか?」

徳重さんは、ミャンマーやベトナム、フィリピン、インドネシアで
よく耳にする話を本書で紹介しています。

  「たしかに日本企業は魅力的だが、一緒に仕事をするなら、
  意思決定の早い韓国企業のほうがいい」

つまり、日本企業が世界で勝てない理由はスピード。

韓国のサムスンが躍進できた理由も、
このスピード感を失わなかったから。

6割でスタートして、それから状況を見ながら軌道修正するのが
世界で勝負していくためのスピード感。

  「日本人の感じる六割とは、アメリカ人の七割、
  東南アジア人のは八~九割に相当すると思っていいい。」

この感覚を持つことは、個人・企業を問わず大切ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 07:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生が変わる2枚目の名刺

人生が変わる2枚目の名刺~パラレルキャリアという生き方人生が変わる2枚目の名刺~パラレルキャリアという生き方
(2013/01/17)
柳内 啓司

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満足度★★★
付箋数:18

  「2枚目の名刺を持つ働き方は、生活の基盤を持ちながら、
  したたかに自分の夢を実現していく “戦略” として、
  今の時代にとてもマッチしていると考えられます。」

本書がススメるのは、本業とは別に副業を持つワークスタイル。

必ずしも、収入増を目的とした副業である必要はありません。

なぜなら、本業とは別のキャリアを持つことが、
収入面以外にも様々なメリットをもたらすからです。

  「2枚目の名刺は、本業との相乗効果を生み、
  さらに人生を楽しいものにしてくれる」

本書の著者の柳内啓司さんは、パラレルキャリアを実践する方。

TBSテレビに勤めながら、年間延べ1000人以上を動員する
勉強会やネットワーキング・パーティーを主催します。

他にもバンドや自転車サークルのリーダーを務めるなど、
2枚目の名刺では、「人をつなげる場」を提供しています。

本業の安定収入があるからこそ、本当にやりたい夢を
小さくスタートすることができる。

そして2枚目の名刺での活動は、本業ではできないことが
経験できる場でもあり、その経験が本業にも活かされます。

藤井孝一さんが、「週末起業」というコンセプトを示して
著書がベストセラーになったのは、2003年のことでした。

当時は、終身雇用が崩れつつありましたが、
まだまだ副業禁止の風潮も根強く残っていました。

それから10年、雇用環境は大きく変わり、
同時にソーシャルメディアが発達し、
個人がやりたいことを小さく始められる環境が整いました。

今なら、自分の夢を始められる。

本書はどちらかと言うと、若い世代のビジネスパーソンに
向けて書かれていますが、10年前に週末起業を断念した
ミドル世代にも、もう一度チャレンジする気持ちを
思い出させてくれます。

  「 “生きがい” を本業とは別に持っておくと、
  会社に依存しなくなるので、会社に対して不平不満を
  ぶつけるようなこともありませんし、精神的に安定して、
  本業でも高いパフォーマンスを出せるようになります。」

本書は具体的なパラレルキャリアを持つ方法よりも、
2枚目の名刺を持つことの意義やメリットが中心に
書かれています。

  第1章 2枚目の名刺で活動するメリット
  第2章 2枚目の名刺を成功させるヒント集
  第3章 これから世界で起こること、そんな時代に合った働き方
  巻末インタビュー

本書の内容は、週末起業などを読んでいる方には、
読む前の予想を大きく超えるものではありません。

しかし、柳内さんの経験や、巻末に掲載されている
パラレルキャリア実践者9名のインタビューは、
時代が大きく変わったことを感じさせます。

そして、あなたの中に眠っていた「夢」の実現に向けて、
背中を押してくれるでしょう。

この本から何を活かすか?

本書の巻末インタビューに掲載されていた、
美容クーポンサイト「キレナビ」の編集長、伊藤春香さん。

伊藤さんは本業以外に、本を執筆したり講演をしたりと、
いくつもの名刺を持つ方です。

その中で、私の目を引いたのは、
ソーシャル焼き肉マッチングサービス「肉会」の
代表を務めていること。

  「肉会は、焼肉好きの男女が出会えるサービスなのですが、
  おかげさまでユーザー数も順調に伸びていて、
  たくさんのメディアにも取り上げていただいています。
  人が動くサービスなので、やっていてとても楽しいです。」

こんなSNSがあるんですね。参加したくなります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ブランディング | 06:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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本のチカラ

本のチカラ本のチカラ
(2013/03/12)
不明

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満足度★★★★
付箋数:23

日本経済新聞社、堀内さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

  「あなたにとっての希望の本は何ですか?」

本書は、作家、書家、アイドル、経営者、DJなど
各分野で活躍する22人の著名人に、「希望を与えてくれた本」
についてインタビューした内容をまとめた本です。

2011年の東日本大震災後、ラジオ番組のプロデューサーの
立川亜美さんの声がけにより、「希望の本棚」プロジェクトが
スタートしました。

  「誰かの希望になった1冊は、ほかの誰かの力になる!」

本書では、この趣旨に賛同した22人の著名人が
ボランティアで参加し、自分が勇気をもらった本を挙げ、
その本でどのように人生が変わったかのエピソードを語ります。

このブログで過去に紹介したことがある作家さんでは、
和田裕美さん、川上徹也さん、木暮太一さん、小阪裕司さん、
池田千恵さん、岩崎夏海さん、嶋津良智さん、立花岳志さん、
小山龍介さん、山田真哉さん、美崎栄一郎さんなどが参加しています。

この中で、特に私の目を引いたのは山田真哉さん。

山田さんが希望の本として挙げたのは、『英単語ターゲット1900』。

旺文社から出版されている受験用英単語集で、
ずいぶん昔から出ている本ですから、
受験時代にお世話になった方も多いでしょう。

もちろん、この本を山田さん以外の方が読んでも、
希望が湧いてくるわけではありません。

他にもたくさんの良い本を読んでいるはずの山田さんが、
あえてこの本を希望の本として挙げるのは、
それにまつわる忘れられないストーリーがあるからです。

1995年1月17日の朝5時46分。

当時、高3の受験生だった山田さんは、
前日にセンター試験を終えたばかりで、
2次試験に向け、旺文社のラジオ講座で勉強をしていました。

その時、起こったのが阪神・淡路大震災。

神戸市灘区に住んでいた山田さん一家は、
家族4人全員無事でしたが、住宅の1階部分が潰れ
避難生活を余儀なくされたそうです。

その時に、父親に必要な物だけ持って家を出ろと言われ、
山田さんが唯一、本で持ちだしたのが『英単語ターゲット1900』
だったというわけです。

山田さんは、今でもこの本を見ると、
当時の様々な想いが蘇ってくるようです。

そして、今回の東日本大震災をきっかけとした
「希望の本棚プロジェクト」に山田さんが参加したのも、
偶然ではなく、何か大きな力に導かれたようにも感じます。

  「本は当然、中身も大切ですが、どういうシチュエーションで
  読んだのか、どういう時間を共にしたのかによって、
  思い入れが出るものです。内容としての本ではなく、
  “モノ” としての本を感じさせてくれるのが、
  私にとっては『英単語ターゲット1900』です。」

本書で紹介されている本は、プロジェクトに参加した方の
人生を変えましたが、その人生を変えたストーリーが、
今度はあなたの人生に大きな力を与えてくれます。

この本から何を活かすか?

  『アミ小さな宇宙人
  『赤毛のアン
  『モモ

意外かもしれませんが、本書ではこれらの児童文学を
「希望の本」に挙げている方もいました。

永く読み継がれる児童文学は、子どもだけでなく、
大人が読んでも、新たな気づきがあるのかもしれません。

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| 心に効く本 | 11:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?

テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?
(2013/01/25)
理央 周

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満足度★★★
付箋数:21

本書は、現場で使えるマーケティングを物語形式で学ぶ本。

著者は『最速で結果を出す人の「戦略的」時間術』を
当ブログでも紹介したこともある理央周さん。

本書では、マーケティングを「売れる仕組みを創り出す」という
誰にでもわかる言葉で定義します。

そして、売り手目線ではなく、お客様目線で、
新しい考えを仕事に取り入れていくことを学びます。

本書のタイトルも、思わず手にとってしまいたくなる
ネーミングですが、各章にも同じような前のめりで
聞きたくなるようなタイトルが付けられているので、
その中からいくつか紹介します。

  Part3 小学生は、なぜDSで写真を撮るのか?
  Part4 iPhoneといちご大福は同じ理由で売れれいる!
  Part6 マルボロのCMは、なぜカウボーイが出てくるのか?
  Part8 なぜデジカメが欲しいとき、ヤマダ電機に行くのか?
  Part9 今どきの女子会は、なぜ神楽坂の焼き鳥屋なのか?

本書の舞台は、日本最大の広告代理店の博電堂。

そこにヘッドハントされ、鳴り物入りで営業マンとして、
やってきたのが主人公の伊藤新一(29歳)。

新一は、東大卒業で、外資系コンサル大手M社を経て、
ハーバードでMBAを取った、少々頭でっかちなキャラクターです。

本書は、知識や理論だけで、現場を知らなかった新一が、
クライアントに何度も怒鳴れれながら、
顧客視点を持ち、マーケティングの本質を学ぶストーリー。

同僚で年下の阪本奈美(24歳)やMBA仲間の吉川美恵子(28歳)
に助けられ、懐の深い上司の玉木洋介(45歳)に見守られながら
少しずつ新一はマーケターとして成長します。

新一は、MBAで学んだマーケティング理論だけでは、
実践で通用しないことがわかり、
何を・誰に・どうやって売るかをシンプルに考え抜き、
売れる仕組みをクライアントへ提案していきます。

新一の成長に合わせて、現場に必要なマーケティングが
段階を経て、わかりやすく学べるようになっています。

よくできた物語ですが、私が本書を読んで感じたのが、
主人公の新一がアホ過ぎるということ。

ハーバードMBAにしては、ずいぶん知性や学習能力が
足りないように感じます。

空気は読めないが、ヤル気だけはあって、
最初は、生意気で鼻持ちならないように感じるけれど、
付き合ってみると、意外と素直でいいヤツ。

もちろん、こんな新一のキャラの個性を
際立たせるためのデフォルメです。

しかし、理央さんは、新一がハーバードMBAであることは、
「世界ナンバー1であるビジネス・スクールであるという
尊敬の念を込めて」設定したと、あえて書いています。

私は逆に、そこに何か意図があるように勘ぐってしまいます。

この本から何を活かすか?

本書の値段を最後に言う通販として登場するのが、
「ジャパネットたかた」です。

本書では、ジャパネットが仕掛ける、買いたくなる手法を
顧客心理や行動経済学の面から解説しています。

マーケティングの基本原則に当てはめるだけなく、
もう少し詳しくその内側を知りたい方には、
次の本も参考なります。

ジャパネットからなぜ買いたくなるのか?

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| マーケティング・営業 | 06:46 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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運命を変える心とからだの磨き方

運命を変える心とからだの磨き方運命を変える心とからだの磨き方
(2013/03/04)
久住眞理

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満足度★★★
付箋数:20

人間総合科学大学の井上さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

本書の著者、久住眞理さんは同大学の学長を務める方。

  「この本は、人間を科学的に見るという目を持って書かれています。
  人間の本質を見ることは、あなた自身がより良く生きるための
  合理的なヒントを与えてくれます。
  私の様々な経験を通して感じてきた実感をお伝えすることで、
  あなた自身の迷いや不安をどう理解し、解釈し、どう処理していくか、
  そのヒントをお渡しできれば嬉しいと思っています。」

本書は、より良く生きるための自己啓発書。

気軽に読めるエッセイの形式をとりながら、
そのベースに科学知識があるところが特徴的。

バックボーンに医学がある、久住さんならではです。

事例としては久住さん個人の経験を通して書かれていても、
科学的知見が根底にあるので、かなり説得力があります。

そして本書で語られるメッセージは、
楽に生きるための小手先のテクニックではなく、本質論。

ですから、本書を読んで、あなたの抱えている問題が
すぐに解決されることはないかもしれません。

その代わり、メッセージがじわじわと染みこんできます。

本書の冒頭で江戸時代の儒学者、佐藤一斎さんの
『言志晩録』から引用の言葉がありました。

  「一燈下げて暗夜を行く。
  暗夜を憂うることなかれ。
  ただ一燈を頼め」

佐藤さんの『言志晩録』を含む4つの書『言志四録』は、
西郷隆盛さんの愛読書だったことで知られています。

久住さんは、闇夜のような人生を歩むための「一燈」は、
「いのちが自分に発する声」であると解説。

  「それは、細胞に刻まれた生きる意味と意欲、
  これまで育まれてきた心情、知らず知らずに培ってきた
  自分という存在、人のなかで生きる喜びや悲しみであり、
  自分の人生をかけ貫く何かでもあります。」

最初にこの説明を読んだ時は、正直、あまりピンとこなく、
本書が暗闇を照らす「一燈」になるのかな、
ぐらいにしか思えませんでした。

しかし、久住さんのメッセージをよく読んでみると、
「一燈」は他人から与えられるものではなく、
あくまで内なる自分声であることがわかります。

本書はそれに自分で気づくための
手助けをするために書かれています。

本書は、基本的に女性に向けの本です。

「女性」が凛として生きる、しなやかに生きる
ためのメッセージがいくつかあります。

しかし、ほとんどの内容は、
男性が読んでも、それほど違和感がありません。

人が本質的により良く生きるためには、
女性だから、男性だからといった性別による違いは、
それほどないのだと思います。

この本から何を活かすか?

  「人間は言葉を持つことによって、人としての特徴を
  発達させることになったのですが、その言語の起源については、
  いくつかの説が出されています。
  この仮説の一つが身振りによるコミュニケーションというもの、
  もう一つが音声によるコミュニケーションというものです。
  そのなかで “言葉は歌から生まれた” という仮説が
  有力だということが最近発表されました。」

これは、昨日、当ブログで紹介した
岡ノ谷 一夫さんの『「つながり」の進化生物学』に
書かれていた「相互分節化説」のことですね。

偶然ですが、つながっています。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「つながり」の進化生物学

「つながり」の進化生物学「つながり」の進化生物学
(2013/01/25)
岡ノ谷 一夫

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満足度★★★★
付箋数:24

本書は、動物行動学者の岡ノ谷一夫さんが、
埼玉県立川越高等学校及び川越女子高等学校の生徒、
計16名を集めて行った4日間の講義をまとめたもの。

進化生物学を軸に、動物と人間のコミュニケーションの違い、
人間の言葉の生まれ方、動物と人間の心の違い、
心はなぜ生まれたのかなどについて講義が進みます。

岡ノ谷さんは、一方的に説明をするのではなく、
問いを投げかけながら、高校生に仮説を立てさせて、
現実とくらべる作業をおこなうように話をすすめます。

知識を与えられる学校の授業と違い、
参加した高校生は動物の特殊な習性に驚きながら、
コミュニケーションの起源について学びます。

紙面でも、高校生が知的興奮を覚える様子が
見事に再現されています。

  第1章 鳥も、「媚び」をうる?
  第2章 はいまりは、「歌」だった
  第3章 隠したいのに、伝わってしまうのはなぜ?
  第4章 つながるために、思考するために

各章はいずれも濃い内容で、専門的な話も登場しますが、
対話をしながら講義が進みますから、
難しくて理解できないことはありません。

個人的に興味深かったのは、歌から言葉が生まれたとする
「相互分節化説」です。

言葉が生まれる前に、人類には歌があり、
それはジュウシマツのように求愛が目的の歌だった。

それが次第にいろいろなところで歌われるようになった。

例えば、狩りの歌と食事の歌。

当時はどちらも集団でやることなので、それそれの歌に、
「みんなでしよう」という文脈が入った。

両方に同じフレーズが入ることで、その共通部分が切り取られ、
もともとは歌の一部であったフレーズが、
意味を持つ「言葉」になったとする仮説です。

つま、人間の言葉の起源は「求愛の歌」だったという考え。

では、なぜ、同じ歌を持つ鳥は言葉を持たないのしょうか?

それは、脳の機能や発達の度合いが、鳥と人間では違うから。

人間の脳は、歌を切り分ける大脳基底核と、
状況を切り分ける海馬がかなり発達していて、
前頭前野を通じてつながっています。

岡ノ谷さんは、この2つの部位の働きが協調して、
相互の切り分けが可能になったと考えています。

ちなみに、言葉が生まれる前の歌は、音の高さに意味があり、
それで対象を表現していたのではないかと考えられています。

同じ音でも、高いとネズミ、低いとゾウを指すといった具合に。

また、当時の人類は、相対音感ではなく絶対音感を持っていました。

しかし、言葉の誕生で絶対音感は必要なくなり、
人間の能力から消えてしまった。

よく音楽をやっていて、絶対音感をもっている人は
スゴイと驚かれます。

しかし、そもそも動物が持っているのは絶対音感で、
人間も進化の過程で失った能力ですから、
絶対音感を持つ人は、実は原始的なのかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書では、いくつもの興味深い動物が紹介されています。

ハダカデバネズミ、ジュウシマツ、ミュラーテナガザルなど。

これらの動物の鳴き声は、本書の特設サイトで公開されています。

ジュウシマツの求愛の歌が、わたしたちの言葉に
つながっていると考えると、感慨深いものがあります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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心をつかみ人を動かす 説明の技術

心をつかみ人を動かす 説明の技術心をつかみ人を動かす 説明の技術
(2013/02/28)
木田 知廣

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満足度★★★
付箋数:24

著者の木田知廣さんに献本いただきました。
ありがとうございます。

当ブログでは、以前、木田さんの
ほんとうに使える論理思考の技術
を紹介したことがあります。

この本は、「イタい」論理思考に陥らないための、
論理でつかみ、心理で動かす技術がまとめられていました。

今回の著書のテーマは、相手に「説明する技術」。

心をつかみ人を動かす方法が、
「伝え方」を切り口にまとめられています。

  「モノゴトを相手にちゃんとわかってもらおうという
  “説明の技術” の本質は、相手の立場になって
  一番知りたい項目を教えてあげることです。」

これは、木田さんが本書の読者に伝える場合も同じこと。

本書の読者は、当然、説明力をアップさせたいと
思っている人が多いはず。

そこで、本書では、なぜその方法が効くかの詳しい解説は
後回しにして、冒頭で「明日から使える特効薬」として、
即効性のある3つの方法を紹介しています。

  1. 相手の既知情報をもとにした「たとえ話」を使った説明
  2. 「東京ドーム○個分」といったモノサシを提供する方法
  3. 専門用語が必要な場合の、「専門用語のあと出し法」

いずれも簡単な割に効果抜群の方法のようです。

相手に説明する場合、実際に「たとえ話」を使う人も
多いかもしれませんが、逆にそれでわかりにくくなってしまう
場合もあります。

ポイントは、聞き手の既に知っている情報を推し量り、
こちらの伝えたい情報にヒモづけていくこと。

本書では、スマホを使ったマーケティングプランを
部長に説明する例が紹介されていました。

  「町中の “ティッシュ配り” がありますが、
  今回のサービスはそれと同じと考えてもらえばけっこうです。」

部長としては、集客や売上アップにつながる話を聞きたいわけで、
ネットやスマホの技術的な話を聞きたいわけではありません。

そんな時は、部長が知っているティッシュ配りという
既存のマーケティング手法にたとえ、
更にスマホを使うことで、どんなメリットがあるかを説明すると、
ブリッジング効果で、部長にわかってもらえるというわけです。

また、本書では表面的な技術にとどまらず、
聞き手の「脳内マップを書きかえる」といった、
心理面の一歩深いところまで踏み込んで説明しているのが、
既存のコミュニケーション本とは違うところ。

これはテクニックというより、説明の技術の背後にある理論です。

  ・「分ける」と「わかる」~セグメンティング
  ・未知の情報を既知の情報とヒモづける ~ ペアリング
  ・ものごとの裏の共通項を見つける ~ ソーティング
  ・情報の位置づけを整理する ~ グレーディング
  ・知らないことに気づかせる ~ クリアリング

これらの「相手の脳内マップを書きかえる」5つの理論が
ベースにあるからこそ、様々なテクニックが生きてくるのでしょう。

この本から何を活かすか?

  「やらないほうがましなパワポでピラミッド」

ロジカル・シンキングで定番として使われる
「ピラミッド・ストラクチャ」。

木田さんは、ピラミッド・ストラクチャを作る時に、
パワーポイントを使ってはいけないと言います。

ピラミッド・ストラクチャで大切なのは、
何度も修正しながら精度の高い論理構成を作ること。

パワポでピラミッド・ストラクチャを作ると、
何度もテキストボックスを描いて、
線をつなぎなおす面倒な作業が発生します。

ですから、木田さんはワードなどの「インデント機能」の
簡易的なストラクチャ構造を使って、
論理構成を練り上げることを推奨しています。

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| コミュニケーション | 06:53 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?

君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?
(2012/12/01)
田村 耕太郎

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満足度★★★
付箋数:22

  「私がこの本を書こうと思った理由は1つ。
  日本人に、これからの時代への準備の大切さを知ってほしいからだ。
  大げさに言えば、自分で自分の救命ボートを用意してもらう
  その術について書いたつもりだ。」

田村耕太郎さんは、以前にこのブログで紹介した
君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』でも、
かなり熱く語っていましたが、そのテンションの高さは
本書でも変わりません。

今回のキーワードは、「Plan for the worst, hope for the best」。

最悪を想定して準備に励む。
そして最大限の準備をした上で最善の期待をする。

田村さんは、準備のないポジティブ思考には意味がないと言います。

そして、最悪を想定することと、最悪を期待することが、
とかく混同されがちですが、ワーストケースを考えておくことが、
ポジティブ思考の原点であるとも言っています。

本書には、田村さんの自民党代議士時代に、
最悪の事態を想定して議論しようとして、
「そんなことを言っていると本当にそうなるぞ」と
先輩議員から叱責されたエピソードが紹介されていました。

これは政治の世界に限らず、いかにも言われそうなセリフです。

しかし、一度、最悪の事態を想定して準備するからこそ、
本当にポジティブに考えることができると田村さんは説きます。

本書で田村さんは、日本と世界の現状を俯瞰し、
今後の世界で活躍できるリーダーシップなどの条件を挙げます。

そして、世界と戦うために、私たちが行動原則をどのように変え、
何を準備しておくべきかについて熱く語ります。

何と言っても、「世界に出て行くため」にではなく、
「世界と戦うため」ですから、
かなりアドレナリンを出しまくっていますね。

そのハイテンションさが、田村さんの文書の魅力。

  「心に悪魔の代理人を持て!」

ユダヤ社会では、議論を深めるために、メンバーの1人が
あえて反対意見を言う「デビルズ・アドボケイト」があります。

田村さんが言っているのは、自分の心の中にも、
別人格のデビルズ・アドボケイトを持ち、
反論を加えて決断の精度を高めよということです。

意思決定を行う際、自分の都合のいいように
物事を解釈してしまわないように、
心の中に別人格として持つのはイイことですね。

ただし、これを自分の中でやるとすると、
頭の中だけで考えていると、何がなんだかわからなく
なりそうなので、言葉として紙に書き出した方が良さそうです。

本書には、グローバルに戦うための思考法、教養の身につけ方、
英語を学ぶモチベーション、身体を鍛えることの重要性など、
いわゆる世界のエリート達と伍していくための方法が、
当然必要であるというスタンスで書かれています。

ちょっと最近やる気が起きないと感じる人や、
春からなにか新しいことにチャレンジしたいと考える人には、
心に火をつけてくれる一冊です。

この本から何を活かすか?

  「世界の女性は筋肉が好きだ。日本ではあまり話題にならないが、
  欧米の女性が恋愛対象とした男性の職業として
  トップに来るのが常に “消防士” 。ハリウッドでは消防士の
  活躍を描いたアクション映画が多い。日本で言うと海上保安庁の
  若手隊員の活躍を描いた『海猿』のような感じだろうか?」

これは、本書に身体を鍛える意味の1つとして書かれていたこと。

私は、消防士が活躍する映画といえば、
タワーリング・インフェルノ』や『バックドラフト
などの古めの映画しか知りませんが、
最近でも路線として消防士映画があるのでしょうか?

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| リーダーシップ | 06:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アップル 驚異のエクスペリエンス

アップル 驚異のエクスペリエンス ―顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則アップル 驚異のエクスペリエンス ―顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則
(2013/01/24)
カーマイン・ガロ

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満足度★★★
付箋数:23

  「アップルストアが成功したのは製品のおかげだと言われますが、
  では、ウォルマートやベストバイ、ターゲットでも大半の製品は
  買えるし、そちらならなにがしかの形で値引きも得られるというのに、
  また、アマゾンならすべての製品が買えるし、売上税を払わずに
  すむというのに、なぜ、世間の人々はアップルストアに詰めかけ、
  定価で買おうとするのでしょうか。」

これは、アップルの小売部門を率いていた
ロン・ジョンソンさんの言葉。

アップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアックさんも
iPadが発売された時は、少しでも早く手に入れようと
アップルストアの前に12時間以上も並んだそうです。

アップルの直営店、アップルストアは2013年3月現在、
日本で7店舗、世界で約350店舗を展開します。

店舗当たりの年間売上は平均3400万ドルで、
単位面積あたりの売上高は高級店より多いといいます。

他でもまったく同じ製品が、場合によっては少し安く手に入るのに、
人々がわざわざアップルストアを訪れる理由。

それは、人々はエクスペリエンス(体験)を求めているから。

  「アップルストアに行くと、なぜかいい気分になれる。
  その理由は、顧客体験を高めようとする人々がいるからだ。
  情熱とやる気に満ち、商取引を体験に昇華させるのに必要な
  各種資源を与えられ、コミュニケーションスキルを教えられた
  人々がいるからだ。」

本書は、『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の
著者でもあるカーマイン・ガロさんが、
アップルストアに足しげく通い、顧客を虜にする
アップルの魔法を徹底分析してまとめたもの。

顧客に体験を与えるアップルストアの方法論を
他の店舗、他の業種でも取り入れられるように紹介します。

ちなみに、アップルストアで提供される顧客サービスは、
次の5ステップとなっています。

  A(Approach) 顧客一人ひとりを、あたたかいあいさつで出迎える
  P(Probe) 顧客のニーズを丁寧に聞き出して理解する
  P(Present) 顧客に解決策を提示する
  L(Listen) 課題や懸念などをしっかりと聞いて解決する
  E(End) あたたかい別れの挨拶と次回の来店を促す言葉で別れる

実際に、AT&Tではアップルの顧客サービスを学び、
体験を提供する方法に変えて成功していますから、
この法則は、アップル以外でも通用するということです。

また本書では、アップルストアやアップル中心に話は進みますが、
他にも顧客に体験を与えることが得意な企業の成功事例が
いくつも取り上げられています。

フォーシーズンズ、ディズニー、サウスウエスト航空、ザッポス、
リッツ・カールトン、ノードストローム、スターバックスなどなど。

ですから、純粋なアップル本を期待している方には、
他社の事例が意外と多く、肝心のアップルに関しての記述が
少なく感じるかもしれません。

しかし、スティーブ・ジョブズさんが、アップルストアの
顧客サービスはフォーシーズンズを参考にしたと言っているように、
アップルストアが唯一無二のものではありません。

むしろ、アップルストアという特殊な環境だけを参考にするよりは、
他業種の成功例も参考にするほうが応用が効くと思います。

この本から何を活かすか?

ガロさんは、アップルの管理者には、
スティーブン・コヴィーさんの『スピード・オブ・トラスト』に
書かれていることが浸透していると書いています。

この本の信頼できるリーダーが持つ13の習慣を検討し、
自分自身や自分のチームに適用するようアドバイスがあります。

私はこの本、読んでいないので、読んでみようと思います。

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| マーケティング・営業 | 07:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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一目惚れの科学

一目惚れの科学 (ディスカヴァー携書)一目惚れの科学 (ディスカヴァー携書)
(2012/12/26)
森川 友義

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満足度★★★★
付箋数:24

  「 “恋愛感情” とはつまるところ、女性の持つ卵子と
  男性の持つ精子を引き合わせて子どもを産ませるための
  情動ですが、どんな女性でも、優秀な精子と結合したいと思い、
  またどんな男性でも、優秀な卵子と結合したいと願います。
  両者とも、よりよい卵子や精子を求めて、
  相手を選ぼうとするわけです。」

本書は、進化生物学、進化心理学、進化政治学の立場から
恋愛を解き明かす本です。

著者は早稲田大学国際教養学部教授の森川友義さん。

私たちは優良な遺伝子を残すために、
視覚、臭覚、聴覚、味覚、触覚の五感を最大限に駆使して
理想的なパートナーを探しているという話です。

本書では、人が異性に惹かれる恋愛感情を、
遺伝子が生き残るための戦略として捉え、
五感にどのように訴えるかを詳細に説明します。

五感の中でも、特に重要なが、「視覚」と「臭覚」。

人を好きになる場合、一目惚れなどの、
見た目から入ることも多いでしょうから、
視覚が重要視されるのは十分に納得できます。

では、どのような見た目が異性に魅力的に映るのか?

それは、シンメトリー(左右対称)であること。

顔にしても体型にしても、シンメトリーだと、
異性から魅力的に感じられるようです。

  シンメトリーな人ほど、
   ・異性の目には魅力的とうつる。つまりモテる。
   ・過去の恋人の数が多く、性体験が豊富。
   ・風邪をひきにくく、喘息にもなりにくい。
   ・体脂肪率が低い
   ・よいにおいを発する

そして、恋人の資質として、視覚の情報と同じくらい
重要視されるのが臭覚。

本書で言及されているのは、私たちが無意識のうちに
感じとる「においの相性」である「HLA」。

HLAとは、Human Leukocyte Antigen(ヒト白血球抗原)
のことで、白血球のタンパク質をつくる遺伝子の複合体。

いわゆるABO型の血液型は、赤血球の血液型ですが、
HLAは白血球の血液型で、6つのタイプ(座)、
12の組み合わせに分けられます。

ABO型の血液型による性格診断が、科学的根拠がないと
言われているのに対し、HLAには科学的根拠があります。

男女間では、HLAが近いほど臭いと感じ、
HLAが異なるほど良いニオイと感じるようです。

本書は、ノウハウ本でないので、読んだからといって
恋愛が成功するわけではありません。

努力で変えられる点では、せいぜい五感に訴える言葉を発し、
ユーモアのセンスを磨き、音楽の素養を持つことぐらいです。

しかし、知的好奇心は十分に満たしてくれる一冊です。

また、一部の章末にあるQ&Aのコーナーは、真面目なのか
不真面目なのかよくわかりませんが、けっこう笑えます。

この本から何を活かすか?

では、私のツボにハマった、
Q&Aコーナーの森川さんの回答をいくつか紹介します。

  Q1. よく「2番めに好きな人とか、ほどほどに好きな人と
   結婚すべき」「美人と結婚しても飽きる」などどいわれています。
   真偽のほどはどうでしょうか?

  A1. うそです。こうした格言は自分に都合のよいように
   つくられたものです。(中略)2番めに好きな人と結婚して
   良いことはありません。「美人と結婚しても飽きる」、
   これも意味がわかりません。「美人でない人と結婚したら
   もっと飽きる」でしょう。

  Q2. 私の彼は、煙草を吸います。どうしたらよいでようか?

  A2. 次の恋人は、吸わないようにしましょう。

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| 科学・生活 | 06:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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はじめる技術 続ける技術

はじめる技術 続ける技術 一流アスリートに学ぶ成功法則はじめる技術 続ける技術 一流アスリートに学ぶ成功法則
(2013/03/05)
中野ジェームズ修一

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満足度★★★
付箋数:24

さくら舎さんから献本いただきました。ありがとうございます。

スポーツトレーナーの中野ジェームズ修一さんは、
ジュニアの選手に「君はどうなりたいの?」と
聞く機会がよくあるそうです。

その時に、「ウィンブルドンに出場したい」とか、
「金メダルをとりたい」と答える子どもがいます。

そんな大きな夢を持つ子どもの将来は有望でしょうか?

一般的には、大きな夢がある方が大成するイメージがあります。

しかし、中野さんが見ているところでは、
大きな夢を語る子に限って、2~3年であきらめて
やめていくことが多いそうです。

それは、目標があまりにも高すぎて、
具体的に何をすべきかまで、落とし込めていないから。

やめていくパターンの子どもに、
「ウィンブルドンに行くために、いまは何をしたらいいと思うの?」
と聞くと、「はい、頑張って練習します」という答えしか
返ってこないそうです。

「どうなりたいか」という「動因」と、
「そのためにどうしたらいいか」という「誘因」の2つが
組み合わさってモチベーションが生まれる。

トップアスリートになる人は、夢だけでなく、
現実的な細かな目標も同時に持っているようです。

本書は、卓球の福原愛選手やテニスのクルム伊達公子選手など
多くのトップアスリートのフィジカルトレーナーを務めた
中野さんが、モチベーション理論を用いて、
「はじめる技術」と「続ける技術」を解説します。

スポーツはもちろん、仕事や勉強、ダイエットや禁煙などにも
使えるテクニックです。

人間はみな「サボる」生き物であることを前提にしていますから、
今まで何をはじめても三日坊主で終わっていた人でも大丈夫。

長く続けるには、「やる」と「やらない」の2択ではなく、
その間の選択肢を作るのがいいようです。

例えば、ランニングでは、「走る」と「やらない」の間に
「歩く」という選択肢を用意します。

そして、ずっと走り続ける必要はなく、
できれば「走る」と「歩く」を交互に繰り返す。

やさしいことと、むずかしいことを交互に繰り返すことで、
習慣づけをします。

また、「やらない」日があっても、自分をダメだと思い込まず、
また始めればいいと考えます。

私が本書のモチベーションテクニックとは別に驚いたのが、
スポーツトレーナーという仕事の大変さです。

中野さんは多いときで10人ぐらいの選手のトレーナーを
引き受けることがあるそうです。

1人の指導にかかる時間は1時間から1時間半。
選手の都合で朝早かったり、夜遅かったりするのはいつものこと。

トレーナーとして、体調を崩すことはもちろん、
ちょっとでも酒の臭いやタバコの臭いがしてもいけません。

また、一緒に走ったりするので、体力もつけなければいけません。

なぜ、中野さんは、そんなハードな生活を20年も続けられるのか?

その最大の要因は、中野さんが、トレーナーの仕事が好きだから。

報酬などの「外発的動機づけ」ではなく、
それをやっているが楽しいという「内発的動機づけ」を
見出すことが、継続性を維持する最大のポイントです。

この本から何を活かすか?

ストレッチを続けるのは、ランニングを続けるより難しい。

それは、効果が容易に体感できないからのようです。

私は、肩こりがひどいので、ストレッチを続けたいのですが、
なかなか続けられません。

続けるためには、どこでもできるように
いくつかのバリエーションを覚えて、
効果を実感することが大切のようです。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生を楽しみたければ ピンで立て!

人生を楽しみたければ ピンで立て!人生を楽しみたければ ピンで立て!
(2013/01/26)
藤巻 幸大、阿久津 康弘 他

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満足度★★★
付箋数:20

  「この本には、フジマキ流の “ピンで立つ” ための
  行動ルールを詰め込んだ。 “ピンで立つ” ことができれば、
  会社は必ず君を認めてくれることになるだろうし、
  仕事はもちろん、人生そのものまでも楽しめるようにもなる。
  今日から、いや今すぐ、行動を始めてほしい。」

本書は、元伊勢丹のカリスマバイヤーで、
2012年12月に参議院議員に繰り上げ当選した、
藤巻幸大さんの仕事や人脈作りのルールをまとめた本。

フジマキさんは、昨日紹介した『ひとたまりもない日本』の
藤巻健史さんとは、ご兄弟です。

お二人とも分野は違いますが、それぞれの道を極めた方。
ただし、性格は両極端と言えるぐらいに違います。

このブログでは、以前、朝日新聞土曜「be」に連載していた
「フジマキに聞け」に習い、兄の健史さんを「藤巻さん」、
弟の幸大さんを「フジマキさん」と表記します。

  第1章 夢なき者に理想なし
  第2章 行動が世界を変える
  第3章 コミュニケーションを武器にしろ
  第4章 成功のカギはマーケティングにあり
  第5章 「自分ブランド」を確立させる

ピンで立っていれば、勤めている会社が、
明日、経営破綻しても大丈夫だとフジマキさんは言います。

ただし、本書では会社を辞めて独立することを
勧めているのではなく、会社勤めをしているからこそ、
ピンで立つ必要があると述べられています。

そもそも会社は、登記簿という名のただの紙切れ。

その中でピンで立つには、「志」をもって働く必要があると
フジマキさんは考えます。

そして、ピンで立つことの最終目標は、自分ブランドの完成です。

サラリーマン時代からピンで立ち続け、
コミュニケーションの達人であるフジマキさんにおいても、
究極の自分ブランド完成には、まだ道半ばのようです。

フジマキさんが目指すのは、自分自身がエルメスのような
ブランドになること。

  「僕は、エルメスはすごい企業だと思っている。
  エルメスにはマーケティングという考えがないからだ。
  “顧客目線” など一切考えずに、自分たちのすきなものを
  つくって売っている。(中略)
  好きなものをつくっても世界中から愛されてしまう。
  それがエルメスというブランドだ。」

つまり、ピンで立ち、究極の自分ブランドが完成すると、
自分の好きなことだけを思い切りやっても
愛される存在になるということです。

私の目から見ると、フジマキさんは十分、
自分ブランドを完成した存在に見えますが、
ご本人はもっと高い志をもって行動しているようです。

フジマキさんさんなら、これから国会議員としても
活躍が期待できそうです。

本書は、フジマキさん流の人生のルールや信条が
熱い言葉でまとめられていますから、
日々会社の仕事の中で、懸命にもがいている
ビジネスパーソンには、読んで欲しい一冊です。

この本から何を活かすか?

本書はフジマキさんのビジネスパートナー、
阿久津康弘さんとの共著ですが、本文はフジマキさんが執筆し、
コラムを阿久津さんが担当しています。

その阿久津さんのコラムで、フジマキさんの
面白い携帯のアドレス管理方法が紹介されていました。

例えば「阿久津康弘 メガネ ピンクのシャツ」
というように容姿の特徴を入れて登録しているそうです。

携帯に登録している人数のケタが違う
フジマキさんならではですが、これいい方法ですね。

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| 仕事論 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ひとたまりもない日本

ひとたまりもない日本  根拠なき「楽観論」への全反論ひとたまりもない日本 根拠なき「楽観論」への全反論
(2013/01/22)
藤巻 健史

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満足度★★★
付箋数:17

  「 “ずーっと外れているから2012年も外れる” と考えるか、
  “その昔JPモルガンで長らく世界の儲け頭だった男が、
  最近はずーっと外れているから、そろそろ当たる” と考えるか?
  読者の皆様いかんである。」

ありがたいことに、2012年も藤巻健史さんの予想はハズレました。
2013年もその予想はハズれるでしょう。

そもそも藤巻さんの予想は当たってもらっては困ります。

しかし、世の中の誰もが藤巻さんのことを
「破綻」、「ハイパーインフレ」、「沈没」といった
ネガティブな言葉で恐怖を煽っているだけの
「オオカミおじさん」だと信じこんでしまい、
完全に相手にしない状態になるのは危険だと思います。

藤巻さんの予想は当たらないけれど、可能性の一つとして、
シミュレーションしておくのが健全なところでしょう。

さて、本書は週刊朝日に連載のコラム、
「案ずるよりフジマキに聞け」の2012年掲載分をもとに、
識者や世間から寄せられた藤巻さんへの反論に対する反論
という形でまとめられた本です。

「ハイパーインフレを生き延びた後に到来する、明るい未来を
迎えるための新しい経済常識」が、本書の謳い文句です。

  ・ハイパーインフレは起こらない
  ・日本は成熟国家で円高はむしろ好都合
  ・為替のレートは市場介入では動かせない
  ・自国通貨建ての日本国債はデフォルトしない
  ・国の借金はそもそもゼロにする必要がない

これらの主張は、「真実のようなウソ」として、
藤巻さんは本書で反論を試みます。

しかし、その反論は藤巻さんの実務経験や
他の専門家の説の一部を引用したもので、根拠が脆弱です。

それでも自分が正しいと自信をを持って
主張できるところが藤巻さんのスゴイところです。

そして、何度も何度も繰り返し同じ内容を
多少表現を変えて新刊として出すしぶとさがあります。

また、最近、私が藤巻さんの本を読む時の
楽しみになっているのがアマゾン・レビューの酷評です。

本書も「星1つ」のレビューが圧倒的に多くなっていますね。

炎上マーケティングではありませんが、
それも狙いの一つなのでしょう。

どんなにレビューが酷くても、藤巻さんの主張は変わりません。

  「私は、人の言うことを聞かないことで有名です。
  モルガン銀行東京支店長時代は、ニューヨークのボスから
  “たまには人の話を聞け、人の意見に耳を傾けろ”
  とよく怒られました。」

このように言っている藤巻さんですから、
アマゾンのレビュー程度なら、あまり影響がありません。

藤巻さんに言って聴かせることができるのは、
奥さんのアヤコさんか、かつての部下のウスイ女子くらいしか
いないのでしょう。

この本から何を活かすか?

本書の143ページに、1998年当時、日銀総裁や大蔵大臣に
藤巻さんが適任と、冗談で噂されていたエピソードが
掲載されていました。

あれ、このエピソード、ついさっきも読んだばかり?

同じエピソードを使い回す藤巻さんでも、
いくらなんでも1冊の本で2度同じエピソードを掲載するなんて・・・

そう思って、前のページを見直しましたが、
これは私の勘違いでした。

実は本書を読む直前に「藤巻プロパガンダ」の2013年2月24日
掲載分を読んだので、その内容との重複でした。

藤巻さんなら、ひょっとして有り得ることと思いましたが、
さすがに編集の方が見逃すはずはありませんね。

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| 経済・行動経済学 | 06:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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金持ち父さんの お金を自分のために働かせる方法

金持ち父さんの お金を自分のために働かせる方法金持ち父さんの お金を自分のために働かせる方法
(2012/12/21)
ロバート キヨサキ

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満足度★★
付箋数:16

ロバート・キヨサキさんの最新刊ということで
読んでみましたが、内容は過去の著作の焼き直しでした。

本書は青春出版社が発行するビジネス・マネー誌、
「月刊BIGtomorrow」にキヨサキさんが連載する
「金持ち父さんの先読み世界経済」をまとめたもの。

同誌では2007年から「金持ち父さんの逆襲」というタイトルで
キヨサキさんの連載を開始し、2013年3月現在も
タイトルを変え「先読み世界経済」として連載中です。

本書にまとめられているのは、2009年から2012年分の連載です。

「金持ち父さん」シリーズを読んでいない人が、
そのエッセンスを知るためには調度良い内容です。

しかし、同シリーズの読者にとっては、
特に目新しい内容はありません。

もちろん、雑誌への連載なので時事ネタが盛り込まれていますが、
基本的にキヨサキさんが語っている内容は同じです。

キヨサキさんが2000年に刊行した第1作の
金持ち父さん貧乏父さん』は本当に衝撃的でした。

私もこの本を読んで、お金に関する考え方が変わった一人です。

そして、続く第2作目として刊行された
金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』では、
お金の世界にいる人を4種類(E:従業員、S:自営業者、
B:ビッグビジネスオーナー、I:投資家)に分ける考えが示され、
これもまた画期的でした。

しかし、3作目以降は多少新しいエピソードは出てくるものの、
同じ内容を言葉を変えて書いているだけで大差はありません。

大切な内容なので何度も繰り返すという意味では
価値がありますが、そうでなければ冗長な本が、
続編を出すことで、ますます冗長になっています。

「金持ち父さん」シリーズを読んでいない方は、
機会があれば、1・2作目は読んでいただきたいと思いますが、
この2冊でも合計すると600ページありますから、
ポイントだけ知りたい方は、本書でキヨサキさんの考えを
知るのはアリだと思います。

もっと簡単にキヨサキさんの考えを知りたい場合は、
瀧本憲治さんの『セカンドマネーを創りなさい!』に
うまくまとめられていますから、そちらを読んでもいいでしょう。

投資で得られる利益は、値上り益の「キャピタルゲイン」と
利回り益の「キャッシュフロー」があります。

キヨサキさんの投資スタイルは、不動産でキャッシュフローを
得ることを基本とします。

それが、お金を働かせるということ。

そして、キャッシュフローを生む不動産を得るための借金は、
良い借金で、マイホームや車を購入する消費のため借金は、
悪い借金と考えます。

また、マイホームは「資産」ではなく「負債」です。

これらが、本書を含めた「金持ち父さん」シリーズでは、
繰り返し何度も述べられています。

本書も、できればプロローグぐらいは書き下ろして
欲しかったところですが、こちらも来日特別インタビューとして
「BIGtomorrow」に掲載された文章そのままでした。

この本から何を活かすか?

大切なのは、キャッシュフローを得る仕組みを作ること。

しかし、不動産でキャッシュフローを得るのは、
ハードルが高いと感じる方も多いでしょう。

そんな方にオススメなのが、バン・K・タープさんの
魔術師たちの投資術』です。

この本の考えにマネースクウェア・ジャパン社の
「トラップリピートイフダン」を組み合わせれば、
不動産を購入するほどのリスクを負わなくても、
キャッシュフローが得られるようになります。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 投資 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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一流役員が実践している仕事の哲学

一流役員が実践している仕事の哲学一流役員が実践している仕事の哲学
(2013/01/17)
安田 正

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満足度★★★
付箋数:20

  「これまで多くの方々と接してきてわかったのは、
  優秀かどうかの差というのは紙一重の習慣にあるということです。」

ロジカル・コミュニケーションのカリスマ、
パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表の
安田正さんは、講師として、これまで一般社員は5万人、
部長以上の役職者には1000人以上に指導を行ってきました。

そして、わかったことは、一般社員、課長・部長、
それ以上の役職者では、それぞれ共通点が異なるということ。

一般社員には一般社員の共有点があり、
課長・部長には課長・部長の共通点があり、
役員や経営者には役員や経営者の共通点がある。

ただし、役員レベルの方がやっていることは、
決して一般社員のレベルでできないことではありません。

それは、本当は誰にでもできることですが、
ほとんどの一般社員はやっていないことです。

本書では、その紙一重の差を「平社員と部長と役員の違い」、
「三流の仕事 二流の仕事 一流の仕事」、
「平社員で終わる 人部長止まりの人 役員まで行く人」
の3つのカテゴリーに分けて紹介します。

例えば、ネクタイを見るとこんな風に違います。

  平社員は、安物やファッション性の高いもの
  部長は、奥さんに選んでもらっている
  役員は、たいてい長いネクタイをしている

ネクタイは消耗品のように考えている方も多く、
なかなか普通の人はお金をかけません。

しかし、役員レベルではネクタイにこだわっている人が
多いようです。

良いネクタイはワールドワイドのブランドもので、
欧米人体型に合わせて設えてあるので、
日本人には長くなってしまうそうです。

これは、身につけるものの例ですが、
その他、行動についても、どういう差があり、
それがどうして違うかについて解説されています。

また、私にとって、ちょっと意外だったのは、
「英語」に関してです。

  三流は、TOEIC700点を目指す
  二流は、ビジネス英会話に通う
  一流は、あえて勉強しない

これは、一般的なイメージと異なるかもしれませんが、
安田さんが会う役員の方で、外資系企業の役員意外は、
英語をしゃべれない方が多いようです。

そして、安田さんがそういった方々に聞いてみると、
次のような返答があるそうです。

  「英語は話せるようになるまでの膨大な時間と労力がかかり、
  費用対効果が悪い。だから、無駄な投資はしない。」

これって、成毛眞さんが『日本人の9割に英語はいらない』で
言っていたことと同じです。

さすがに、安田さんもこれからの時代は、
英語はいらないと言っていられないとも書いていますが、
英語に限らず、世間でどう言われようが、費用対効果で考え、
自分に必要なモノを見極めることが大切なのでしょう。

本書は、文字数もページ数も少ない本でしたが、
書かれている内容には、かなり説得力がありました。

この本から何を活かすか?

  お風呂に入る時
  
  三流は、シャワーを浴びるだけ
  二流は、しっかりと湯船につかる
  一流は、朝風呂を浴びる

私は、基本的には朝シャワー&夜入浴派ですが、
一度、朝風呂も試してみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 10:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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セカンドマネーを創りなさい!

セカンドマネーを創りなさい! :勝負しないで勝率99%!  利回り8%のインカムゲイン投資法セカンドマネーを創りなさい! :勝負しないで勝率99%! 利回り8%のインカムゲイン投資法
(2013/01/18)
瀧本 憲治

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

金持ち父さん」で有名なロバート・キヨサキさんの教えを、
デフレ下の日本でどのように実践すべきかを解説した本。

  「リスクを負って起業するつもりはないけれど、
  サラリーマンを続けながら、お給料以外に、チャリンチャリンと
  勝手にお金が入ってくる状態を創りたいと考えておられる方は
  多いと思います。この本は、そのような方が、働かなくても
  お金が入ってくる状態を、いかにしたら創れるのか。
  ということを、『金持ち父さん貧乏父さん』の教えや、
  私の体験を通してお伝えすることに主眼を置いています。」

著者の瀧本憲治さんは、現在、投資業、貸金業、証券業、
ソーシャルレンディングなどを行なっている方。

瀧本さんは、十数年前に行った株式投資で失敗し、
400万円を失って、投資で狙う利益には、
「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の
2種類があることを知ります。

キャピタルゲインとは、売買した差額が利益になる値上り益。

インカムゲインとは、家賃・配当・利息などの利回り益です。

瀧本さんは、株式投資に見切りをつけて、
同時にロバート・キヨサキさんの「金持ち父さん」との出会い、
インカムゲインで利益を上げる方法へシフトします。

ただし、株で損をしたのは、瀧本さん自身も認めている通り、
単なる研究不足だと思います。

それが瀧本さんにとっては、不動産投資という
自分に合った投資法に出会うキッカケになったので、
良かったのでしょう。

本書では、その自身の経験を通じて、「金持ち父さん」では、
概念論しか書かれていないインカムゲインを得る方法を
具体的に紹介します。

  第1章 『金持ち父さん 貧乏父さん』から
      学んだこと・学べなかったこと
  第2章 「インカムゲイン」VS「キャピタルゲイン」
  第3章 ファイナンス村の住人になってみた
  第4章 「天下の回りもの」のはずのお金の流れが
      止まっている現状を打破!
  第5章 お金に対する才能を目覚めさせよう!

正直、「金持ち父さん」はオリジナルを読めばいいことですし、
不動産投資を通じてのインカムゲインを得る投資方法は、
ハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。

ですから、本書に手法が具体的に書かれていても、
参考にできる人は意外と少ないように思えます。

しかし、私にとっては以外な副産物がありました。

馴染みがなかった、ソーシャルレンディングについて
学べたことと、経営破綻した日本振興銀行について
書かれていたことです。

特に瀧本さんが木村剛さんと接触し、経営していた会社が、
日本興業銀行グループに入り、同行が破綻するまでの
ドキュメンタリーはなかなか面白かった。

このパートを読むだけでも、私には本書を読む価値がありました。

この本から何を活かすか?

本書は、ロバート・キヨサキさんの教えを
解説する部分が多いので、先日紹介した松田元さんの
時給800円のフリーターが3年で年収1000万円に変わる仕事術
にも書かれていた、「ロバート・キヨサキ氏の会社が倒産」
というニュースに触れています。

松田さんは、倒産する会社を経営する人の教えは信用できない
と考えていましたが、瀧本さんの考えは違います。

損害賠償を求められ、倒産したのは、
キヨサキさん個人ではなく会社。

つまり、キヨサキさんは著書で述べていた、
「会社を作って、訴訟から自分を守る」を実践したのだと。

私は、この瀧本さんの考えに同意します。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 投資 | 06:18 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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