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統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である統計学が最強の学問である
(2013/01/25)
西内 啓

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満足度★★★★
付箋数:30

  <次の食べ物を禁止すべきか考えてみましょう>

  ・心筋梗塞で死亡した日本人の95%以上が生前
  ずっとこの食べ物を食べていた。

  ・強盗や殺人などの凶悪犯の70%以上が
  犯行の24時間以内にこの食べ物を口にしている。

  ・日本人に摂取を禁止すると、精神的なストレス状態が
  見られることもある。

  ・江戸時代以降日本で起こった暴動のほとんどは、
  この食べ物が原因である。

これは因果関係も見極めず「これが原因です」といった、
無意味な主張が、世間で蔓延っていることに対して、
警鐘を鳴らす意味で、著者の西内啓さんが紹介した例です。

この食べ物とは、「ごはん」。

適切な比較を行わない、一面的な単純集計だけでは、
「ごはんを食べることを禁止」という愚かな結論に
至ることもありえる(実際にそういう言説も多い)と
西内さんは指摘します。

さすがに、この例では、そんなバカな結論を出すワケがないと、
思うかもしれませんが、統計学の素養がない人は、
気づかないうちに、こんなことをやっているのかもしれません。

  「だが、 “十分なデータ” をもとに “適切な比較” を行う、
  統計的因果推論の基礎さえ身につければ、
  経験や勘を超えてビジネスを飛躍させる裏ワザは
  もっと簡単に見つかるはずなのだ。」

本書は、西内さんがコンテンツプラットフォーム「cakes」に
連載した「統計学が最強の学問である」の記事をまとめたもの。

では、なぜ、統計学が最強の学問なのか?

  「その答えを一言で言えば、どんな分野の議論においても、
  データを集めて分析することで最速で最善の答えを
  出すことができるからだ。」

学問で「最強」を定義するのは、正直難しい。

特に、統計学の有効性だけでなく、
その限界も熟知している西内さんも本心では、
「最強」という表現に違和感を持っているのかもしれません。

しかし、2013年現在ブレイク中の芸人、武井壮さんが、
「地上最強の生物、百獣の王」を目指していることもあり、
「最強」が時代に合った表現なのでしょう。

さて、統計で重要なことは、どのようなデータを収集し、
どのように分析するかということ。

本書では、統計学がどのような経緯で発展してきたかの
歴史的背景を踏まえて解説します。

読む人を選ぶ本かもしれませんが、
私にはピッタリのレベルの本でした。

読んでいて、これだけ興奮をおぼえた本は久しぶり。

特に、本書での次の説明は眼から鱗でした。

  「大学の統計学の教科書を読めば、t検定だとか
  カイ二乗検定だとか、分散分析だとか回帰分析だとかいう
  手法が必ず登場する。
  しかしながらこれらの統計手法はすべて、大きく言えば
  “一般化線形モデル” という広義の回帰分析の考え方で
  統一的に理解できることが、1972年にネルダーとウェダーバーン
  という2人の統計学者によって示されている」

紹介されていた、一般化線形モデルをまとめた「1枚の表」は
本当に有用で、これだけでも本書を読む価値がありました。

この本から何を活かすか?

  シンプソンのパラドックス

  「A高校とB高校の同じ学年の生徒に対して
  同じ模擬試験を受験させた。

  男子生徒同士で比べるとA高校の平均点はB高校よりも5点高い。
  女子生徒同士で比べるとA高校の平均点はB高校よりも5点高い。

  ではA高校とB高校の平均点を男女全体で比較すると
  どちらが高いだろう?」

男女それぞれどちらでも、A高校の平均点がたかいのだから、
全体でも当然A高校の平均点が高いと考えた方は、
まだ統計リテラシーが足りない可能性があります。

本書は、かなりオススメなので、是非、読んでみてください。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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