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個を動かす

個を動かす  新浪剛史、ローソン作り直しの10年個を動かす 新浪剛史、ローソン作り直しの10年
(2012/12/13)
池田信太朗

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満足度★★★★
付箋数:27

  「これから本書で振り返る新浪改革の10年。
  一言で言えばそれは、企業内の “個” を奮い立たせて、
  地域の “顧客” と向き合う “個店” を作り上げる、
  ということだった。」

本書は、日経ビジネスの記者、池田信太朗さんが描く
ビジネス・ルポルタージュ。

主役は表紙の写真やサブタイトルからわかる通り、
株式会社ローソン代表取締役社長(CEO)の新浪剛史さんです。

新浪さんが43歳の若さでローソンの社長に就任してから10年。

池田さんは、その改革の歴史を新浪さんへのインタビューを交え、
入念な取材と抜群の構成力でレポートします。

新浪さんの人物像に焦点を当てた半生記を描こうとすると、
どうしても間延びするパートが出てきます。

しかし、本書ではローソンの改革がメインなので、
新浪さんの幼少~青年期のエピソードはごくわずか。

ほぼ社長就任前夜から、改革のクライマックスだけを
書いているので、濃密で面白いところだけしかありません。

業界王者のセブン-イレブンの模倣をやめたローソン。

改革当初の新浪さんは、ローソンのあるべき姿を、
次のように語っています。

  「隣にセブンがあれば、それはセブンに行く。
  むこうが “本物” なんだから。
  違う個性があるかこそ、こっちに来る。
  セブンが巨人ならうちは阪神。早稲田なら慶応になりたい。」

一方、セブンの生みの親、鈴木敏文さんはこう語ります。

  「これからセブン-イレブンをどうしたいか 
  ― マスコミの方にしょっちゅう質問されるのですが、
  いつも答えはひとつです。
  セブン-イレブンはいつまで経ってもセブン-イレブンなんですよ。
  ほかのビジネスに手を広げようとは思いませんし、
  まして看板の色を変えようなんて思わない。
  奇をてらったことは一切しません。」

この鈴木さんの言葉に反するように、
新浪さんは、ローソンを差別化戦略へ向けて舵を切ります。

目指したのは、「多様性」の重視と「分権」。
いずれもセブンの運営にはない思想です。

セブンは、全国に散る1500名もの店舗指導のスパーバイザーを
隔週で一箇所に集め、トップの意思を等しく伝える
「中央集権」のオペレーション。

その結果、全国どこでも均一のサービスが受けられます。

しかし、このオペレーションでは、加盟店は本部の指示通り
動くことが求められ、発注以外に考える余地はありません。

これに対し、ローソンが目指したのはその正反対の仕組み。
加盟店オーナー(MO)にマネジメント機能を移した制度です。

もちろん本部からのサポートはありますが、
MOの店舗をスパーバイザーが巡回することはなく、
加盟店に「考える権限」を与えた制度をとります。

日本国内のコンビニは、すべてがセブンを生みの親に持ちます。

だから模倣していては、いつまで経っても親は超えられない。

それがわかって、ローソンがあえて選んだ異端の道。

  「本書で筆者は、どんな問いにも淀みなく答えるけれど、
  私たちが手を伸ばそうとすると煙に巻くように姿をくらませる
  新浪社長の “本当の姿” に、そして、打ち上げ花火のような
  奇策を次々に弄しつつ、その背後でじりじりと体力をつけた
  この10年のローソンの “本当の姿” に、
  一歩でも近づきたいと思っている。」

この本から何を活かすか?

私もセブンとローソンが並んでいると、
ついセブンに入ってしまいます。

本書を読んだからには、今度はローソンに入り、
新浪さんがどこで差別化を図っているのかを
じっくりと自分の目で見てみたいと思います。

でも、佐藤可士和さんプロデュースの
「セブンカフェ」は、どうしても捨てがたい。

たった100円であの美味しさは、驚きです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 06:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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