活かす読書

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不愉快なことには理由がある

不愉快なことには理由がある不愉快なことには理由がある
(2012/11/26)
橘 玲

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満足度★★★
付箋数:25

  「近代文明は驚くほどの進歩を遂げたので、解決できる問題は
  あらかたは解決されてしまいました。
  だとすればいま残っているのは、問題の解決が
  新たな問題を生むようなやっかいなものばかりでしょう。
  不愉快なことには、すべて理由があるのです。」

本書は、橘玲さんによる、人類が解決できない
やっかいな問題についての社会批評集。

橘さんが週刊プレイボーイに連載しているコラム、
「そ、そうだったのか!?真実のニッポン」の
2011年5月~2012年10月掲載分をまとめ、加筆修正したもの。

このコラムは、橘さんのブログにも掲載されていますから、
そちらで読んでいる方も多いでしょう。

本書は、以下の様な構成でまとめられています。

  イントロダクション 
  たったひとつの正しい主張ではなく、たくさんの風変わりな意見を
  プロローグ 世界の秘密はすべて解けてしまった
  パート1 POLITICS 政治
  パート2 ECONOMY 経済
  パート3 SOCIETY 社会
  パート4 LIFE 人生
  エピローグ 進化論的リバタリアニズムのために

本書では社会批評の切り口として、「進化論」を採用しています。

進化論というと、チャールズ・ダーウィンさんが
「種の起源」の中で唱えた、自然選択による生物の進化理論。

いわゆる生物の分野の理論として、私たちは認識していますが、
現代の進化論は、進化心理学や進化生物学へ発展し、
更には社会科学と融合して、人間と社会の謎を解き明かす
統一理論としても注目されているようです。

つまり、現代の私たちを取り巻く不可思議な状況は、
そのほとんどが進化論的に説明できてしまうということです。

しかし、進化論には大きな欠点があります。

  「現代の進化論は不愉快な学問であると同時に、
  役に立たない学問であるとも批判されています。
  現状を説明することはできたとしても、
  それを変えていくための処方箋を出せるわけではないからです。」

ですから、本書で扱うテーマについても、
橘さんは、誰もが納得できるような最適解を
示しているわけではありません。

それでも、その分野の専門家では怖くて言えないような
核心的な話まで、独自の視点で鋭く切り込んでいきます。

身も蓋もない話をしたら、右に出る者はいない橘さん。
本書でも、その真骨頂が発揮されています。

私は、橘さんの著書はほとんどフォローしてきましたが、
本書は「さすが橘さん!」と唸るとことは多々あるものの、
橘作品の中では、それほど好きな一冊とはなりませんでした。

それは、本書が雑誌のコラムベースのため、
テーマが散在して、それほど深みがないことと、
やはり不愉快な問題を扱っているからなのだと思います。

この本から何を活かすか?

  「宝くじやtotoは、国家が独占的に行う “ガチャ” です。
  ゲーム会社はこれより洗練された “コンプガチャ” として
  消費者に提供したことで処罰されることになりました。
  日本においては、射幸心を煽ってボロ儲けを許されるのは
  国家だけなのです。」

これは国会宝くじ法が改正され、最高賞金の上限が
引き上げられたことに対する橘さん流の批判。

宝くじ発行側は、この改正で売上の前年比12%増を
見込んでいるそうです。

個人的には、宝くじの売上増を狙うなら、
賞金の上限金額を引き上げるより、
学校教育で確率の「期待値」計算を教えることをやめた方が、
効果があるように思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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