活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2012年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年02月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

キヨミズ准教授の法学入門

キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書)キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書)
(2012/11/22)
木村 草太

商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

1980年生まれの若き憲法学者、木村草太さん。

東大法学部で3年間、法学政治学研究科で助手をつとめた後、
25歳で首都大学東京に准教授として着任しました。

同大大学院での、憲法の講義をまとめた演習書
憲法の急所」は、全法科大学院生の必読書として
有名になりました。

本書は、進路に迷う高校生や法学に拒絶反応を示す文学部生に
向けて書かれた、ストーリー形式の法学入門書。

高校2年生のキタムラ君が、学校帰りに寄った喫茶店で、
港湾大学で法学を教えるキヨミズという変わり者の准教授と出会い、
「法的思考」について講義を受けるところから物語は始まります。

キタムラ君は、平日の午後に喫茶店にいるキヨミズ准教授に、
「今日は、お休みなんですか?」と尋ねます。

講義をしようと、教室に行ったところ、履修する学生が、
今年も誰もいなかったとキヨミズ准教授は語ります。

キタムラ君は、受講生「0」の授業を担当する
キヨミズ准教授に興味を持ちます。

准教授が大学で担当する授業は「法学入門2=法学原論」。

  「法の概念・法解釈の方法論・法命題の構造・法秩序論
  といったテーマで、抽象的な話ばかりやる講義なんですね」

ちょっとテーマを聞いただけで、何やら難しそうで、
面倒なことを聞いてしまったと後悔するキタムラ君。

そんな困惑気味のキタムラ君をよそに、キヨミズ准教授は
楽しそうに「法的三段論法」の話を続けます。

ひどい犯罪行為があったときに、直感的に「これは死刑だ」と
考えてしまうのが「裸の価値判断」。

しかし、これだと「なんで死刑なの?」と反対する人を
説得することができません。

一方、「大前提→小前提→価値判断」の3段階で考えるのが、
「法的三段論法」。

まず、大前提となる法命題は、固有名詞や固有の指示対象が
入らない「要件」と「効果」のセットが規範となります。

  要件:人を殺した者は 
  効果:死刑または無期もしくは5年以上の懲役

法的三段論法では、この一般的な規範に事実を照らし合わせ、
冷静に議論してから結論を出します。

本書では、高校生でもわかる具体的な例を挙げ、
「キヨミズパネル」という名前の講義用の図解も用いて
説明されているので、非常にわかりやすい。

木村さんの「高度な内容を分かりやすく」というポリシーが、
まさに反映された内容となっています。

私のように、法学に全く無縁の人間でも無理なく読め、
法の思考理論とはどういうものかがわかります。

各章の最初に入る、漫画家・石黒正数さんのイラストも
イイ感じで効いて、難しいイメージの法学の入り口に、
スット入っていくことができます。

ただ、物語としては少し冗長なところがあるので、
この点は、木村さんの一般向けの次回作に期待したいところです。

この本から何を活かすか?

星海新社ではウェブサイト「ジセダイ」で、
これからの次代を担う若手のインタビューを掲載しています。

木村さんのインタビューはこちら

私は、キヨミズ准教授のイラストは、
木村さんがモデルになっているのかと思いましたが、
写真を拝見すると、イラストのちょっと枯れた感じとは全く違い、
木村さんは新進気鋭の憲法学者という印象です。

中2で、日本国憲法の条文をまとめた本を読んで、
面白いと感じるところがスゴイですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

このエントリーをはてなブックマークに追加

| ビジネス一般・ストーリー | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |