活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2012年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年02月

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イノベーション・オブ・ライフ

イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへイノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ
(2012/12/07)
クレイトン・M・クリステンセン、ジェームズ・アルワース 他

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満足度★★★★
付箋数:25

著書「イノベーションのジレンマ」で有名な、
ハーバード・ビジネススクール(以下HBS)の看板教授、
クレイトン・M・クリステンセンさん。

クリステンセンさんはHBSで担当する講座の最終日に、
ビジネスや経営ではなく、卒業していく学生自身が、
どうすれば幸福な人生を過ごせるかについて講義します。

  ・どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?

  ・どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、
   ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?

  ・どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?

この問いだけ見ると、ありがちな自己啓発書と
変わらない感じもしますが、そこはクリステンセンさん。

それまでの講義で教えていた「ビジネス理論」を用いて、
卒業生たちに、人生の状況に応じて、
賢明な選択をするためのアドバイスを送ります。

  「優れた理論は、わたしたちをビジネスだけでなく人生でも、
  賢明な決定に導いてくれる」

また、「罪人にならずに・・・」という問いは、
エリートであるHBSの卒業生ならではなのかもしれません。

クリステンセンさんの同級生や教え子たちが、
優秀であるがゆえに陥ってしまう罠がありました。

学生時代に輝いていた彼らでも、その一部の人は
エンロン事件やウォール街でのインサイダー取引などに関わり、
人生を大きく踏み外してしまう実例を、
クリステンセンさんは目の当たりにしてきたからです。

本書でクリステンセンさんが大事にしていることが、
人生の目的を、学生のうちにじっくと考えることです。

  「わたしは学生たちに請け合う。じっくり時間をかけて
  人生の目的について考えれば、あとで振り返ったとき、
  それが人生で発見した一番大切なことだったと必ず思うはずだ。」

もともと、この最終講義はクリステンセンさんが
担当するクラスだけに行われてきましたが、
2010年には、HBS卒業生全員に向けて講演が行われました。

本書はその内容をもとに書籍化したもの。

3部構成、全10講からなる講義が250ページにまとめられています。

企業のケーススタディから理論を導き出し、
それを人生に応用する流れをたどりますから、
自己啓発書としては、かなり異質です。

  「この40年間で、なぜイケアを模倣する企業が現れないのか?」

こういった問いから、イケアのビジネスモデルの本質を探り、
抽象化したうえで、私たちの人生に応用する方法を考察します。

後半では、「子どもたちをテセウスの船に乗せる」と題して、
PCメーカーの「デル」のアウトソーシングモデルと、
子育てのアウトソーシングを比較していました。

個人的には、子どもに最良の機会を与えることを
検討するこのパートが、最も参考になりました。

この本から何を活かすか?

ちなみに、「なぜ、イケアを模倣する企業が現れないのか?」
について、クリステンセンさんは、次のような分析をしています。

  「競合企業はイケアの製品を模倣できる。
  店舗のレイアウトすら模倣できる。
  だがいまだに模倣されたことがないのは、
  イケアが製品と店舗レイアウトを統合している、その方法なのだ。」

イケアのビジネスモデルは、顧客がときおり
片付ける必要が生じる「用事」を中心に構成されていると、
クリステンセンさんは解説します。

つまり、顧客が引越しや部屋のレイアウト変更などで生じた
片付けなければならない「用事」を、
イケアは、あまりにも上手く、スッキリと片付けます。

用事を片付けることを、ワンストップでストレスなく
完結できるようにしたのが、イケアのビジネスモデルなのです。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 10:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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恐慌前夜

恐慌前夜 日本経済は急浮上する!恐慌前夜 日本経済は急浮上する!
(2012/12/07)
松藤民輔

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満足度★★
付箋数:17

  「さて、これからアメリカ経済は日本よりも
  悪くなるでしょうか?
  実は、悪くなるかどうかではなく、とっくの昔から
  日本よりはるかに悪いのです。」

このように説くのは、ミスター金山こと松藤民輔さん。
いろいろな数字の解釈の仕方があるものです。

本書は、今度こそ本当に「オオカミ=恐慌」がやって来るが、
日本は安泰だと力説する本。

物事を人とは違った見方ができる松藤さんらしい、
ユニークな見解が、様々な分野について語られています。

  第1章 日本は現場力で動いている!
     ― リーダー不在が日本の理想的リーダー
  第2章 悪あがきするアメリカ、ユーロ、中国!
     ― 今度こそ狼=恐慌がやってくる!
  第3章 財務省とマスメディアのウソ!
     ― 「日本の未来は暗い」なんて誰がいった?
  第4章 世界がうらやむ国!
     ― ほんとうはこんなにすごい日本!
  第5章 あっ、そうだったのか?
     ― 世界経済危機を勝ち抜く法則

アメリカの衰退は止まらず、ユーロは破綻し、
中国のバブルも崩壊する。

しかし、これからは日本の時代なので大丈夫。

なぜなら、日本はリーダーがダメな分、国民が利口になったから。

  「ボクはこう思います。こんなリーダーしかいないから
  国民は賢くなったんだ、自分たちで行動して考えなくちゃ、
  と思うようになったのだ、と。」

そして、いつものようにペーパーマネーの時代は終わり、
これから「金(きん)」の時代ががやってくると、
松藤さんの自説は続きます。

  「来るべき恐慌を前にして、世界はやはり最終的には
  金本位体制に落ち着かざるをえないのではないか、
  と考えています。」

金は、1トロイオンス2468ドルまで高騰する余地があり、
60年に1度のチャンス。

金は、これからの投資商品の中心になると。

確かに、ここ10年の金価格は上昇の一途を辿っています。

10 year gold

1トロイオンス1800ドル前後まで上昇していますが、
松藤さんの予測が正しければ、
まだ上値余地があることになりますね。

私も2008年に松藤さんの本、
マネーの未来、あるいは恐慌という錬金術」を読んでから、
東証に上場した金ETFに注目していますが、
こちらのチャートを見ても、一貫して上昇傾向です。

金ETF5年

この本から何を活かすか?

だからと言って、松藤さんの会社、
株式会社ジパング(2684)に投資をするのは危険です。

こちらの会社は、大証により「実質的存続性の喪失
(不適当な合併等)」の猶予期間入り銘柄に指定され、
上場廃止予定です。

また、2011年には松藤さんががジパング株を担保にした
投機で失敗し、担保株の強制処分が行われました。

他にも、いろいとと問題のある会社のようですから要注意です。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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LIFE PACKING(ライフパッキング)

LIFE PACKING(ライフパッキング)【未来を生きるためのモノと知恵】LIFE PACKING(ライフパッキング)【未来を生きるためのモノと知恵】
(2012/11/15)
高城 剛

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満足度★★★
付箋数:21

高城剛さんが5年ほど前に、自分の持ち物の99%を処分して、
「ハイパーノマド」としての生活をスタートさせたという話は、
モノを捨てよ世界へ出よう」に書かれていました。

では、高城さんが残した1%とは、どんなモノなのか?

  「本書には、僕が苦労の末に厳選した『残り1%のモノ』たちが、
  写真と文章とともに掲載されています。
  それらは僕にとって “生活” そのものです。
  さらに言えば、今の “人生” そのものなのです。」

本書では、高城さんが残した1%のモノを
1日・2週間・1ヶ月・3ヶ月・1年・未来を見据えた生活と、
旅行期間の長さで6つのカテゴリに分類して紹介します。

紹介されているアイテム数は89個。

基本的にグッズ本なので、見ていて楽しいですし、
高城さんが実際に使用しているモノの写真なので、
そこに高城さんの生活が垣間見えます。

1%に絞ったということで、移動に適した生活必需品だけかと
思いましたが、遊び心のあるラジコンのヘリコプターなども
紹介されていました。

これで、小型カメラと組み合わせて「空撮」しているとか。

また、旅の多い高城さんらしい苦労(気づかい?)も見られました。

それはイミグレーションで怪しまれないこと。

そのために、黒シャツではなく、常に白シャツを着ます。

そして、薬や文具、小型のガジェット類などは、
中身の見える透明のパックに入れます。

  「これだけのハードウェアをまとめて持っていると、
  空港の手荷物検査でまず引っ掛かります。
  しかも、ワケのわからない “電気温灸器” などがあれば
  なおさらです。そこで、検査員が外から見てパッと見て
  わかるように、ハードウェア類は透明のパックに入れるのです。」

入国審査で白シャツを着ているだけで、圧倒的に通りがよく、
透明パックも目視確認だけで、9割が検査をパスできるそうです。

私が本書で紹介されるのを待っていたのが、
1ヶ月程度の旅行で使用するカバン。

以前、「サバイバル時代の海外旅行術」で紹介されていて、
購入を検討していた、バックパックになるキャリーバッグ、
karrimor エアポートプロ 40」です。

しかし、本書にその姿はありませんでした。

  「長年愛用してきたkarrimorのairport pro 40がついに
  壊れてしまい、あらゆるモノ雑誌の編集者にいろいろと聞いて
  買い直した逸品がこのTUMIの『Bremerton』です。」

長年使って壊れるのは仕方ないにしても、
あれだけ推していたのに、同じモノを買い直さないのは、
それほど良いカバンではなかったということでしょうか?

私も妻も「karrimor エアポートプロ 40」を次の買い替えの
候補にしていたので、ちょっと残念でした。

いくら達人が厳選した良いアイテムでも、
時代とともに移り変わっていくということなのでしょう。

本書で私が使ってみようと思ったアイテムは、次の逸品です。

  「毛穴撫子 重曹つるつる石鹸

重曹が毛穴の奥まで入り込み、自分の体から出る匂いを
実感できるくらい、奥に詰まっているゴミを取り出すそうです。

ここでも高城さんが固形タイプの石鹸を使用していのは、
機内持ち込みの液体物の制限があるからです。

この本から何を活かすか?

今年の春、我が家では部屋のシャッフルがあります。

娘が中学生になるに当たり、少し大きな部屋へ移るのです。

その関係で、子供部屋が寝室に移り、寝室が書斎に移り、
書斎が子供部屋に移ります。

つまり、私の使っている書斎が一番小さな部屋に替ります。

高城さんのように99%のモノを処分とはいきませんは、
部屋移動のために、50%くらいのモノは減らしたいところです。

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| 科学・生活 | 06:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ファスト&スロー (上)(下)

ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?
(2012/11/22)
ダニエル・カーネマン

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ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?
(2012/11/22)
ダニエル・カーネマン

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満足度★★★★
付箋数:48(上25、下23)

私たちは毎日、数多くの意思決定をしています。

その中には、「直感」とよばれる自動的な判断と、
「意識」して考えた論理的な判断の2つがあります。

この2つの意思決定のシステムは、どのように役割分担をし、
どのような相互関係があるのでしょうか?

本書は心理学者にして2002年にノーベル経済学賞を受賞した
ダニエル・カーネマンさんによる、
私たちの意思決定の仕組みを解き明かす本。

  「本書は、エイモスと私が行った以前の共同研究を
  解説することが目的ではない。
  そちらは、これまでに多くの研究者がやってくれている。
  本書で私がめざすのは、認知心理学と社会心理学の
  新たな出発点を踏まえて、脳の働きが今日どのように
  捉えられているかを紹介することである。
  この分野におけるとくに重要な進歩の一つとして、
  直感的思考の驚嘆すべき点とともに、
  その欠陥が明らかになってきたことが挙げられる。」

エイモスとは、カーネマンさんの共同研究者で心理学者の
エイモス・トヴェルスキーさんのことです。

残念ながらトヴェルスキーさんは1996年に59歳の若さで、
亡くなりましたので、生存者対象の規定により、
ノーベル賞の受賞はしていません。

しかし、本書を読むと、どれだけトヴェルスキーさんが、
2人の共同研究において重要な役割を果たしていたかがわかります。

この2人が創設した行動経済学。

今や日本でも、行動経済学やプロスペクト理論を解説する本が
数多く刊行されていますが、こちらは本家本元。

実験結果や実例をふんだんに交え、詳細に解説されています。

本書では、私たちの2つの思考モードにキャラクターを与えます。

「システム1」は、自動的に高速で働くファスト思考。
努力は必要なく、コントロールしている感覚さえありません。

「システム2」は、意識的に論理的に働くスロー思考。
こちらは注意力や努力を必要とする、制御されたシステムです。

本書のタイトル「ファスト&スロー」も、ここからきていて、
この内、本書の主人公となるのは、「システム1」の方です。

本書は上巻370ページ、下巻350ページに分かれ、
全体は5部構成になっています。

  第1部 二つのシステム
  第2部 ヒューリスティックとバイアス
  第3部 自信過剰
  第4部 選択
  第5部 二つの自己

ちなみに、プロスペクト理論が解説されているのは第4部。

また、巻末には、ノーベル賞の選考委員会が
受賞の実績として挙げた、トヴェルスキーさんと共同執筆した
2本の論文も掲載されています。

ノーベル賞を受賞した論文と聞くと、専門家しか読めないような
難解な内容かと思いましたが、意外に普通に読めました。

もちろん本文と比べると、表現がシンプルなので、
それほどわかりやくはありませんが、読めないことはありません。

平易に書かれている本文を読んだ後で、
内容をある程度理解したうえで、読むことが前提ですが。

本書は、上下巻あわせると700ページのボリュームなので、
私も読み切るのに、金曜から日曜まで3日かかりました。

この本から何を活かすか?

  「次の問題をよく読み、質問に直感的に答えてほしい。

  夜、一台のタクシーがひき逃げをしました。
  この市では、緑タクシーと青タクシーの二社が営業しています。
  事件とタクシー会社については、次の情報が与えられています。

    ・市内を走るタクシーの85%は緑タクシーで、
     15%は青タクシーである。

    ・目撃者は、タクシーが青だったと証言している。
     裁判所は、事件当時と同じ状況で目撃者の信頼性を
     テストした結果、この目撃者は緑か青かを80%の頻度で
     正しく識別し、20%の頻度で識別できなかった。

  では、ひき逃げをしたのが青タクシーである確率は何%でしょうか?」

これは本書に掲載されていた、ベイズ推定の標準的な問題。

私の「直感」は、まんまと引っ掛かってしまいました。

この問題、最も多い間違えは「80%」。

しかし、ベイズ・ルールに従って計算した正解は「41%」です。

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| 経済・行動経済学 | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「世界金融危機」のカラクリ

「世界金融危機」のカラクリ (PHPビジネス新書)「世界金融危機」のカラクリ (PHPビジネス新書)
(2012/11/17)
吉本 佳生

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満足度★★★★
付箋数:25

経済学者の吉本佳生さんは、本書で「ギリシャ危機」の
本当の理由を指摘します。

  「なによりも、ドイツとギリシャのあいだで、
  “為替レート” が大幅に変動してしまった結果だ。」

ちょっと、待ってください。
ドイツもギリシャも同じユーロという通貨を使っているはず。

それなのに、なぜ、この2国間で
“為替レート” が存在するのでしょうか?

そもそも為替レートの変動リスクをなくすことが、
統一通貨ユーロを使う一つの目的です。

  「ところが、表面的な為替レート変動は起きなくても、
  “実質的な為替レート変動” は起きているのです。
  結論からいえば、ドイツは同じユーロ圏内の国々に対して、
  実質的な為替レートを安くできたからこそ、経常収支黒字の拡大を
  エンジンに失業率を下げることができたといえます。」

吉本さんが言っているのは、「名目実効為替レート」と
「実質実効為替レート」の話しです。

名目実効為替レートとは、ニュースなどで毎日耳にする、
いわゆる普通の為替レート。

一方、実質実効為替レートとは、名目実効為替レートに
物価調整を加えたもの。

例えば、1ドル=100円の名目為替レートだった日米間で、
その後、米国はインフレが進み、日本はデフレが進んだ場合。

インフレとは物価が上がり、逆にお金の価値が下がること。
デフレは物価が下がるので、お金の価値が上がること。

従って、物価調整した実質実効為替レートで考えると、
以前と同じ比率で交換するためには、価値の下がった米ドルは
もっとたくさん必要で、価値の上がった円は少しで済むわけです。

だから、1ドル=80円でも、まだ以前より円安という
話が出てくるわけです。

ドイツとギリシャの話に戻ると、この2ヶ国は同じユーロを使っていても、
物価上昇率に大きな差が生じたため、実質実効為替レートでは、
ドイツは通貨安、ギリシャは通貨高になっているのです。

通常、実質実効為替レートの話は、円高かどうかの議論で
よく出てきますが、それをユーロ圏内に当てはめて、
ギリシャ危機の解説で用いているのが、吉本さんのウマイところ。

本書で吉本さんは、世界金融危機を読み解くために、
いつも複数のデータから、2つ以上の視点をもって考える
「複眼思考」のパターンをいくつも提示します。

そして、米国経済、欧州経済、日本経済と
順に解説することで、国際金融の仕組みを明らかにします。

いつもながらの、吉本さんの鋭い指摘やツッコミが満載。

国際金融のすべてを解説する教科書的な本ではありませんが、
本書を読むことで、複眼思考を持つと見えてくる
新しい世界を体験することができます。

この本から何を活かすか?

  「まとめると、国際金融に限らず、より一般的な
  “金融” や “マクロ経済” の内容を理解したければ、
  その前提として2つの点がとても大切になります。
  ひとつは、ここで述べたように複式簿記の考え方を身につけること。
  もうひとつは、統計データの読み方を身につけることです。」

これは吉本さんが、「あとがき」に書いている言葉。

会計の基礎を理解するための本としては、
昨年読んだ中では後正武さんの
伝説のコンサルタントが教える あまりにやさしい会計の本
が分かりやすかったように記憶しています。

また、統計データの読み方を身につけるには、
少し前の本ですが、神永正博さんの『ウソを見破る統計学』が
良かったですね。

そして、少し統計の知識が身についた方に、
是非オススメしたいのが、吉本さんの
確率・統計でわかる「金融リスク』のからくり』です。

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| 経済・行動経済学 | 11:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人間力―そこにどう火を点けるか

人間力―そこにどう火を点けるか人間力―そこにどう火を点けるか
(2012/11/30)
藤田 英夫

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満足度★★★
付箋数:24

大新聞に掲載されていた65歳の女性からの投書。

  「斬新なコスチュームに身を包み、
  街角でたばこの新製品を配っていた若い娘さん。
  杖をついて歩いていた夫に手渡そうとして、
  “失礼ですが、20歳を過ぎていらっしゃいますか”
  夫は75歳です。」

これは、本書で紹介されていた人々が「ロボット症」に
陥っていることを象徴するエピソード。

さすがに、この販促をする若い女性の話はヒドすぎますが、
もっと軽度のことなら、自分でもやりかねないと考えると
ゾッとします。

さて、私たちは当たり前のように「人間力」という言葉を
使ったり、耳にしたりしますが、実は本書の著者、
藤田英夫さんが、その言葉の生みの親。

  「私が “人間力” の概念とその言葉を創唱したのは、
  今から30年前の1982年であった。続いて “仕事力” を創唱した。
  これらは当時の世上で、かなり冷ややかな反応に出会ったことを
  今でも忘れない。」

最近では齋藤孝さんなんかが、好んで「○○力」と
何にでも「力」をつけた言葉を作っていますが、
その源流が藤田さんなんですね。

藤田さんは「組織改革研究会」のキャンパスリーダー(塾頭)。

この会は1971年に開設され、40年以上の歴史を持ちます。

大中企業から派遣された管理者から経営層までの参加者を、
毎月100名を集めて5日間の会を開催。

いわゆる研修会とは異なり、日常を超えた切迫感のある仕事を
自らの「人間力」で遂行する、仕事組織活動で、
「5日間のプロジェクトX」とも形容されているそうです。

本書では、その組織改革研究会で開発されてきた
「リード」というマネジメント手法を紹介しながら、
人を動かすリーダー論を語ります。

藤田さんは、その前段として、主体性・創造性・個性を
持って働く「人間力」と、冒頭のエピソードのような
単なる道具として、ロボットのように働く「ロボット症」を比較。

  「人びとの “毎日” は、 “人間力” 発揮トレーニングの
  場となっているか、それとも “道具力” 発揮トレーニングの
  場と化しているのか。(中略)

  ロボットが “道具力” 出さなければその存在価値はない。
  それと等しく、人間が “人間力” を出せないでいることは
  生ける屍だ。」

ロボットというのも、ちょっとレトロな表現ですが、
私たちが人間力を発揮していくためには、
その対極として意識した方がいいのかもしれません。

本書は、人を動かし、人を支えるリーダー論の本でありながら、
私たちの日常の中で、何をどう意識すべきかを
考えさせられる本でした。

この本から何を活かすか?

  仕事力 = A脳力 × ( Bその気 × C意識 ) + D知識

これが藤田さんの示す「仕事力」の公式。

Aは、脳の機能なので、急激に変えられない。
Dは、ABCさえまともであれば、簡単に獲得できる。

従って、仕事力を決める最大の要素はBとCで、
この2つは主体性を持って、考え方を変えれば、
一変することができます。

この公式は、Dの部分だけが、掛け算ではなく足し算で
つながっているので、ノウハウや手法は、
あくまでも仕事力の本筋ではないことも示しているようです。

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| リーダーシップ | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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レスポンシブル・カンパニー

レスポンシブル・カンパニーレスポンシブル・カンパニー
(2012/12/07)
イヴォン・シュイナード、ヴィンセント・スタンリー 他

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満足度★★★★
付箋数:28

アウトドア用品を製造販売するメーカー「patagonia」。

アパレルを中心とするパタゴニア製品は、
アウトドアブランドの中では、価格が高いことで知られています。

ユニクロなどのフリースが1着1000円で買える時代に、
パタゴニアのフリースは、いまだに2万円前後で売られています。

なぜ、パタゴニア製品の価格設定はそんなに高いのか?

もちろん品質が高いからというのも一つの理由ですが、
フリース製品で価格が20倍も違う説明にはなりません。

ブランド価値があるからなのか?

これも完全なハズレとは言い切れませんが、
パタゴニアの思惑とはちょっと違います。

パタゴニア製品の価格が高い本当の理由は、
「顧客に買って欲しくない」からです。

メーカーとしては、自社の存在価値をも
否定しかねないことを考えているのがパタゴニアなのです。

流行のデザインを取り入れ、適度に壊れる製品を作ることが、
メーカーとしては買い替え需要を産み、利益につながります。

しかし、パタゴニアのミッションステートメントは、
「最高の製品をつくり、環境に与える不必要な悪影響を
最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に
警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」ことです。

パタゴニアは、役に立たないものや、長持ちしないものはつくらず、
必要のないものは顧客に「なるべく買うな」と言います。

また、製品が壊れたときには、すぐに買い換える代わりに、
まず修理できるように、修理部門を拡充しています。

パタゴニア製品は、本当に必要とする人だけが、
出しても惜しくないと考え、そして気軽に買い替えできないような
価格設定にしているのです。

そして、パタゴニアは顧客に買うなと言いながらも、
企業が存続するために必要な利益を上げ続けるという、
相反するように見える2つのことを実現しています。

本書はパタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードさんと、
創業時から経営に関わってきたヴィンセント・スタンリーさんによる
同社の文化や意思決定の歴史を伝える本です。

パタゴニアは自らをレスポンシブル・カンパニー
(責任ある企業)のモデルだとは考えていません。

間違った製品を売っていたこともありますし、
リストラをしたこともあります。

しかし、パタゴニアは間違いに気づいたら、行動に移します。

特に本書の中では、パタゴニアが製品に使うコットンを
全面的にオーガニックコットンに切り替えたくだりは、
「仲間に毒を盛っていた」というサブタイトルがつけられ
意思決定の様子が克明に描かれています。

本書では、パタゴニアの考える5つの利害関係者、
「株主・社員・顧客・地域社会・自然」に対して、
企業としてどのような経営責任を果たすべきかが語られます。

シュイナードさんの前著「社員をサーフィンに行かせよう」も
あちこちの大学で教科書として使われるような名著でしたが、
本書もそれに負けず劣らず素晴らしい本でした。

この本から何を活かすか?

私は、それほどブランドにこだわりはありませんが、
パタゴニア製品は長年愛用しています。

現在のパタゴニアのアウター(防水性ハードシェル)は、
名前も忘れましたが、18年間着ています。

まさにパタゴニアの長持ちさせる精神を実践。

しかし、さすがに最近は内側のコーティングが
ボロボロになってきたので、買い替えを検討していました。

価格やデザインを考えてコロンビアモンベルなど、
他ブランドへの買い替えも考えましたが、
本書を読んで、やはりパタゴニア製品で買い替えるとにしました。

次に買うアウター(ストームジャケット)は、
私が60歳を過ぎても着ることになるでしょう。

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| 経営・戦略 | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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トリアージ仕事術

10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術
(2012/11/30)
裴 英洙

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満足度★★★★
付箋数:26

  「どれも重要でどれも優先度が高くて、失敗は許されない。
  しかも同時多発的に飛び込んでくる仕事です。
  さて、いったいどうすればいいのでしょうか?」

これって、ビジネスでは、よくありがちな光景です。

しかし、ビジネス以上にこのような事態が頻繁に起こり、
しかももっと深刻な環境が「医療」の現場。

この困難な状況を打開する方法を本書で示すのが、
医師であり、経営者であり、コンサルタントの裴英洙さん。

本書で裴さんが紹介するのが「トリアージ仕事術」です。

これは仕事術というより、意思決定のための考え方。

トリアージとは、1995年の阪神・淡路大震災以降、
日本でも耳にするようになった、救命救急の医療の現場での
優先順位の付け方のルールです。

もともとは、フランス軍の衛生隊が野戦病院で始めた、
医療資源を効率的に分配し、効率的に人命を救うために
患者を振り分けるシステム。

トリアージでは、短時間で次の4つのカテゴリーに分けます。

  ・最優先治療群
     生命に関わる危篤状態で、救命の可能性が高いもの
  ・非緊急治療群
     早めに治療に着手すべきだが、危篤状態ではないもの
  ・軽処置群
     今すぐ治療の必要のない、後回しにできるもの
  ・死亡群、救命不可能群
     死亡または、危篤でも既に救命の可能性が低いもの

限られたリソースで最大の結果を得るシステムを
戦場のごとく緊急事態が次々と起こるビジネスの現場で、
応用するのが、トリアージ仕事術です。

ポイントは3つ。

  1. すべての仕事に優先順位をつける。
    ただし「常に変動するもの」とする。

  2. 「いざ!」というときに最大のパフォーマンスが出せるよう、
    あらゆる準備をしておく。

  3. ミスや失敗を未然に防ぎ、
    「ばらつき」を極力なくす方法を身につける。

本書のトリアージ仕事術の説明は、ビジネス上での利用例が
あまり書かれていないため、若干具体性に欠けるところがあります。

しかし、「思考法」としては、十分に実用的だと思います。

また、本書の後半では次第にトリアージから離れ、
裴さん流の様々な仕事術の紹介に移行します。

そのどれもが、医師の視点で書かれていますから、
既存のビジネス書で紹介されるノウハウと毛色が違って新鮮。

  「緊急性や重要性、トリアージ思考などの優先順位の
  つけ方について、私の考えをお話してきました。
  ただここで一つ、お伝えしておきたいことがあります。
  自分の体に関しては、すべてを凌駕する
  最優先事項になるということです。」

特にハイパフォーマンスを出すための資本となる、
「体・コンディションの整え方」に1章を割いているのは、
本書ならではの特徴です。

この本から何を活かすか?

  情報の捨て方5ヵ条

  1. 出典がない情報は捨てる
  2. 結論が明確でない情報は捨てる
  3. 数字がない情報は捨てる
  4. 5年前の情報は捨てる
  5. A4サイズ1枚以上の情報は捨てる

これが裴さんが情報の取捨選択で採用している原則です。

私は特に、4番目の「5年前の情報は捨てる」を
意識してみようと思います。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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不愉快なことには理由がある

不愉快なことには理由がある不愉快なことには理由がある
(2012/11/26)
橘 玲

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満足度★★★
付箋数:25

  「近代文明は驚くほどの進歩を遂げたので、解決できる問題は
  あらかたは解決されてしまいました。
  だとすればいま残っているのは、問題の解決が
  新たな問題を生むようなやっかいなものばかりでしょう。
  不愉快なことには、すべて理由があるのです。」

本書は、橘玲さんによる、人類が解決できない
やっかいな問題についての社会批評集。

橘さんが週刊プレイボーイに連載しているコラム、
「そ、そうだったのか!?真実のニッポン」の
2011年5月~2012年10月掲載分をまとめ、加筆修正したもの。

このコラムは、橘さんのブログにも掲載されていますから、
そちらで読んでいる方も多いでしょう。

本書は、以下の様な構成でまとめられています。

  イントロダクション 
  たったひとつの正しい主張ではなく、たくさんの風変わりな意見を
  プロローグ 世界の秘密はすべて解けてしまった
  パート1 POLITICS 政治
  パート2 ECONOMY 経済
  パート3 SOCIETY 社会
  パート4 LIFE 人生
  エピローグ 進化論的リバタリアニズムのために

本書では社会批評の切り口として、「進化論」を採用しています。

進化論というと、チャールズ・ダーウィンさんが
「種の起源」の中で唱えた、自然選択による生物の進化理論。

いわゆる生物の分野の理論として、私たちは認識していますが、
現代の進化論は、進化心理学や進化生物学へ発展し、
更には社会科学と融合して、人間と社会の謎を解き明かす
統一理論としても注目されているようです。

つまり、現代の私たちを取り巻く不可思議な状況は、
そのほとんどが進化論的に説明できてしまうということです。

しかし、進化論には大きな欠点があります。

  「現代の進化論は不愉快な学問であると同時に、
  役に立たない学問であるとも批判されています。
  現状を説明することはできたとしても、
  それを変えていくための処方箋を出せるわけではないからです。」

ですから、本書で扱うテーマについても、
橘さんは、誰もが納得できるような最適解を
示しているわけではありません。

それでも、その分野の専門家では怖くて言えないような
核心的な話まで、独自の視点で鋭く切り込んでいきます。

身も蓋もない話をしたら、右に出る者はいない橘さん。
本書でも、その真骨頂が発揮されています。

私は、橘さんの著書はほとんどフォローしてきましたが、
本書は「さすが橘さん!」と唸るとことは多々あるものの、
橘作品の中では、それほど好きな一冊とはなりませんでした。

それは、本書が雑誌のコラムベースのため、
テーマが散在して、それほど深みがないことと、
やはり不愉快な問題を扱っているからなのだと思います。

この本から何を活かすか?

  「宝くじやtotoは、国家が独占的に行う “ガチャ” です。
  ゲーム会社はこれより洗練された “コンプガチャ” として
  消費者に提供したことで処罰されることになりました。
  日本においては、射幸心を煽ってボロ儲けを許されるのは
  国家だけなのです。」

これは国会宝くじ法が改正され、最高賞金の上限が
引き上げられたことに対する橘さん流の批判。

宝くじ発行側は、この改正で売上の前年比12%増を
見込んでいるそうです。

個人的には、宝くじの売上増を狙うなら、
賞金の上限金額を引き上げるより、
学校教育で確率の「期待値」計算を教えることをやめた方が、
効果があるように思えます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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家を買いたくなったら読む本

人気のマネー誌ZAiが作った家を買いたくなったら読む本人気のマネー誌ZAiが作った家を買いたくなったら読む本
(2012/12/14)
小迎 裕美子、ダイヤモンド・ザイ編集部 他

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満足度:評価せず
付箋数:15

ホームインスペクション(住宅診断・住宅検査)で実績のある
「さくら事務所」さんから献本いただきました。

本書は、家を買うかどうか、買うとしたらどんな家が良のかと悩む、
人気イラストレーターの小迎裕美子さんの疑問に、
さくら事務所の創業者、不動産コンサルタントの長嶋修さんが
中立的な立場から答える本です。

各章の冒頭には、悩める小迎さん自身が主人公となった
8ページ程度のマンガが掲載され、本文はマネー誌「ZAi」のように
イラストや図解が多く取り入れられ、
家を購入するときのポイントが解説されています。

小迎さんが、いかにも小市民の代表のようなキャラクターで素敵。

本書は「家を買いたくなったら読む本」というタイトルにも関わらず、
そもそも「あなたは家を買っていいのか?」というところから、
話が始まります。

賃貸派、持ち家派のメリット・デメリットを客観的に評価。

家は購入すべきという前提で話が進まず、
すでに家が欲しくなって人にも、本当にどうすべきか、
判断できる材料を与えているところが、信頼できます。

実際のところ、賃貸と持ち家、どちらにメリットがあるのかは、
その人のライフスタイルや条件によって変わってきますから、
一概にどちらが良いとは言い切れません。

「家賃はドブに捨てるようなものだから、買ってしまった方が
いいですよ」という不動産屋さんの売り文句に、
安易に乗ってしまわず、冷静に判断することが必要です。

それでも、家を購入したいという人に、
本書ではマイホームを選ぶ際の3つの新基準を示します。

  1. 価値が落ちない、落ちにくい
     価値の落ちない家の代表ケースは立地のよいところ
  2. お金がかからない
     メンテナンスコストこそは見えない金食い虫
  3. 長持ちする
     長持ちする家の代名詞が「長期優良住宅」制度

そして、新築物件、中古物件それぞれの買い方・選び方以外にも、
ダメな不動産屋さんの見分け方、エリアの選定方法から、
気になるお金やローンのことまでわかりやすく解説します。

特に私の目を引いたのは、購入する土地のエリア選定について。

東日本大震災以降、土地選びはますます重要になっています。

本書では、住みたいエリアの危険度を
国土交通省の「ハザードマップ」でチェックすることを推奨。

更にグーグルアース内のラムゼイ歴史地図を使って、
古地図を現在の地図に重ねあわせ、土地の履歴を見ることで、
危険度を想定することを勧めています。

住宅を購入して、一生その土地に住むことを考えていたり、
何十年もの住宅ローンを組む場合は、
本書の勧める危険度のチェックは必須です。

本書は、表紙に「都心にこだわって家を探す人のために
超真剣に作った本」と書かれていますが、
特に都心に限定して書かれていませんから、
それ以外の地域の人が読んでも参考になります。

と言うより、一生に一度の大きな買い物をするなら、
最低限、本書のようなホームインスペクション会社が
監修した本に目を通しておくべきだと思います。

この本から何を活かすか?

幸か不幸か、私は今現在、田舎で妻の親の家に
二世帯で住んでいるので、家を買う予定はありません。

本書には中古物件を購入する際の、
建物や設備の不具合をチェックするポイントが、
掲載されていました。

私の住んでいる家も、古くなってきたので、
これらの項目をチェックして、
修繕すべき箇所がないかを確認してみます。

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| 科学・生活 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハーバード流宴会術

ハーバード流宴会術ハーバード流宴会術
(2012/11/24)
児玉 教仁

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満足度★★★
付箋数:22

  「僕にとって、そしておそらく多くの人にとって、
  宴会術とは暗黙知であり、体系的な整理・継承は不可能なもの
  だったのではないかと思います。
  ところが、これまで総合商社に脈々と流れる教えを血肉とし、
  それを創意工夫で自分に合うかたちしてきた宴会術。
  もう “本能” のように、無意識に行うようになっていた宴会術が、
  ハーバードで学習していった “経営学” という
  光を当てることによって、少しずつ整理され、体系立てて
  説明できるようになってきたのです。」

本書の著者は、バカバカしいけれど熱くなれる名作、
パンツを脱ぐ勇気」で知られる児玉教仁さん。

その本の中でも児玉さんが、
ハーバード・ビジネス・スクール時代に仕切って
伝説となった「ジャパン・トリップ」が紹介されていました。

児玉さんは、総勢140名の外国人の同級生を、
フィールド・トリップとして日本に連れてきました。

そして、10日間にわたる連夜の宴会の幹事として腕をふるい、
大興奮のうちにツアーを成功させました。

その成功の裏には、MBAで学んだノウハウが生かされていた。

本書は、児玉さんが三菱商事で鍛えられた宴会術に、
ハーバード・ビジネス・スクールで学んだ理論を組み合わせ、
宴会の極意を体系的にまとめたもの。

主に宴会の幹事をするうえでの、
実用的な48のスキルが紹介されています。

  ・参加者の「心のパンツを脱がせる」のが最高のおもてなし
  ・幹事は参加者の「エアー・タイム」を極大化する
  ・リーダーシップを磨くなら、「立食型」より「着席型」
  ・宴会のオペレーションも数値で管理する
  ・強いグリップの握手と、堂々としたキスで場を掌握
  ・幹事はファシリテーターとして、場のために身を捧げる
  ・外国人との宴会では「ピンポンパンゲーム」が鉄則
  ・カラオケの選曲は「マーケットイン」の発想で決める

本書では、宴会を参加者同志が信頼関係を築くための
「プロジェクト」としてとらえていますから、
ビジネススクールでのスキルが生かされるのです。

  「宴会。 それは強烈な力を秘めています。
  宴会によって人は変われると思っています。
  そして、優れた幹事は、宴会によって人を変えることさえ
  できると確信しています。」

もちろん細かなスキルも大切ですが、
宴会の幹事になった場合は、気持ちのうえで、
腹を据えて徹底的にやり切ることが重要です。

宴会が苦手な人でも気持ちよく参加してもらい、
参加者同士が「心のパンツ」を脱ぎ、信頼関係を築くために、
全力で宴会をつくりあげる児玉さんの意気込みが、
本書から伝わってきます。

ただし、あくまで本書はノウハウ本。

本書からは「パンツを脱ぐ勇気」を読んだときのような、
爽快感や感動は得られません。

この本から何を活かすか?

  「どんなに大人数でも名前は必ず覚えられる」

飲み会などで、最初の自己紹介だけで全員の名前を
確実に覚え、相手を名前で呼ぶと好感度上がります。

私は、記憶に自信がなくこれが苦手。

児玉さんは、パーティーなどで初めて会った参加者の名前を
「ストーリーのあるあだ名」をつけて覚えるそうです。

そして、一度覚えた名前はできるかぎり何度も発音する。

今度、この方法を試してみます。

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| ノウハウ本 | 06:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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キヨミズ准教授の法学入門

キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書)キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書)
(2012/11/22)
木村 草太

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満足度★★★
付箋数:21

1980年生まれの若き憲法学者、木村草太さん。

東大法学部で3年間、法学政治学研究科で助手をつとめた後、
25歳で首都大学東京に准教授として着任しました。

同大大学院での、憲法の講義をまとめた演習書
憲法の急所」は、全法科大学院生の必読書として
有名になりました。

本書は、進路に迷う高校生や法学に拒絶反応を示す文学部生に
向けて書かれた、ストーリー形式の法学入門書。

高校2年生のキタムラ君が、学校帰りに寄った喫茶店で、
港湾大学で法学を教えるキヨミズという変わり者の准教授と出会い、
「法的思考」について講義を受けるところから物語は始まります。

キタムラ君は、平日の午後に喫茶店にいるキヨミズ准教授に、
「今日は、お休みなんですか?」と尋ねます。

講義をしようと、教室に行ったところ、履修する学生が、
今年も誰もいなかったとキヨミズ准教授は語ります。

キタムラ君は、受講生「0」の授業を担当する
キヨミズ准教授に興味を持ちます。

准教授が大学で担当する授業は「法学入門2=法学原論」。

  「法の概念・法解釈の方法論・法命題の構造・法秩序論
  といったテーマで、抽象的な話ばかりやる講義なんですね」

ちょっとテーマを聞いただけで、何やら難しそうで、
面倒なことを聞いてしまったと後悔するキタムラ君。

そんな困惑気味のキタムラ君をよそに、キヨミズ准教授は
楽しそうに「法的三段論法」の話を続けます。

ひどい犯罪行為があったときに、直感的に「これは死刑だ」と
考えてしまうのが「裸の価値判断」。

しかし、これだと「なんで死刑なの?」と反対する人を
説得することができません。

一方、「大前提→小前提→価値判断」の3段階で考えるのが、
「法的三段論法」。

まず、大前提となる法命題は、固有名詞や固有の指示対象が
入らない「要件」と「効果」のセットが規範となります。

  要件:人を殺した者は 
  効果:死刑または無期もしくは5年以上の懲役

法的三段論法では、この一般的な規範に事実を照らし合わせ、
冷静に議論してから結論を出します。

本書では、高校生でもわかる具体的な例を挙げ、
「キヨミズパネル」という名前の講義用の図解も用いて
説明されているので、非常にわかりやすい。

木村さんの「高度な内容を分かりやすく」というポリシーが、
まさに反映された内容となっています。

私のように、法学に全く無縁の人間でも無理なく読め、
法の思考理論とはどういうものかがわかります。

各章の最初に入る、漫画家・石黒正数さんのイラストも
イイ感じで効いて、難しいイメージの法学の入り口に、
スット入っていくことができます。

ただ、物語としては少し冗長なところがあるので、
この点は、木村さんの一般向けの次回作に期待したいところです。

この本から何を活かすか?

星海新社ではウェブサイト「ジセダイ」で、
これからの次代を担う若手のインタビューを掲載しています。

木村さんのインタビューはこちら

私は、キヨミズ准教授のイラストは、
木村さんがモデルになっているのかと思いましたが、
写真を拝見すると、イラストのちょっと枯れた感じとは全く違い、
木村さんは新進気鋭の憲法学者という印象です。

中2で、日本国憲法の条文をまとめた本を読んで、
面白いと感じるところがスゴイですね。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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夢をかなえるゾウ2

夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神
(2012/12/12)
水野敬也

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満足度★★★
付箋数:20

ガネーシャが「笑いの神」として帰ってきた。

本書は、200万部を超えるベストセラーになり、
テレビドラマ化もされた「夢をかなえるゾウ」の続編です。

今回、関西弁を喋るゾウの姿をした神様、
ガネーシャに助けられる主人公は、お笑い芸人の西野勤太郎。

脱サラして、お笑い芸人になるものの、芸歴8年目にして
今だミニライブにしか出たことのない、売れないピン芸人です。

ガネーシャは、勤太郎のつまらないネタを見て、
一緒にお笑いコンビを組もうと申し出ます。

目指すは、3千組み以上のお笑いコンビが参加する
「ゴッド・オブ・コント」というコンテストで優勝すること。

実は、このイベントは本当の神様たちも参加する、
「リアル・ゴッド・オブ・コント」だったというストーリーです。

本作でのガネーシャは、メンターと言うより、
コンビの相棒という側面が強い設定です。

ガネーシの傍若無人ぶりは相変わらずで、
ますますパワーアップして、期待通りの活躍をしてくれます。

新キャラとしては、勤太郎が知らない間に8年間も
取り憑いていたという美しい貧乏神、「金無幸子」が登場。

勤太郎は幸子に秘かに恋心を抱きますが、
それを邪魔する恋敵「釈迦」も加わり、ストーリーを盛り上げます。

最後の方には、成功をつかんだ前作での主人公も登場し、
「夢ゾウ」ファンをニヤリとさせます。

今回は「ウケる技術」やDVDで「温厚な上司の怒らせ方
などをリリースしている水野敬也さんお得意の、
「お笑い」が題材なので、安心して読むことができます。

ストーリーもよく練られ、大笑いしながら、
無理なく勤太郎に共感して物語に引き込まれます。

ただし、1作目のインパクトがあまりにも強かったので、
それと比較すると、平凡な出来栄えに映るかもしれません。

水野さんも、前作のこともあるので、
テレビドラマ化を少なからず意識したのでしょう。

自己啓発的な内容を少なめにし、
ストーリーを重視したドラマ化しやすい仕上がりが、
作品を小ぢんまりと感じさせたのかもしれません。

巻末には、「ガネーシャの教え」、「金無幸子の教え」、
「釈迦の教え」と、3人の神様の教えがまとめられています。

夢をかなえるために、「お金」とどう向き合うか
というのが、今回の1つのテーマですから、
私は幸子の教えに一番説得力を感じました。

この本から何を活かすか?

幸子の教えによると、貧乏になりやすい人は、
大きく分けると3つのタイプがあるようです。

大きな夢だけを持って、望まれていないことをしてしまう
「ドリーム貧乏」。

目の前の誘惑に勝てず、嫌なことからは逃げてしまう
「ガネーシャ貧乏」。

お金を嫌な作業をするともらえるものと考えてしまう
「お駄賃貧乏」。

また、童話に出てきそうな教訓ですが、
本書の中で私の中に一番響いたのは、幸子の次の教えです。

  「自分が困っているときに、困っている人を助ける」

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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感情から老化していく人 いつまでも感情が若い人

感情から老化していく人 いつまでも感情が若い人 そのしぐさ・言動が「老化のサイン」です!感情から老化していく人 いつまでも感情が若い人 そのしぐさ・言動が「老化のサイン」です!
(2013/01/08)
和田秀樹

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満足度★★★
付箋数:21

さくら舎さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「老化といえば、記憶力の衰えが最初にくると思われがちだが、
  それは実感しやすいからそう思うだけで、じつは記憶力よりも、
  さらには体力よりも、もっと先に衰えてくるのが、感情なのである。」

このように語るのは、精神科医の和田秀樹さん。

本書は、「感情面」からの老化防止を説く本で、
感情の老化こそが、あらゆる老化現象の元凶だと説明されています。

そして、感情の老化は40代から始まる。

和田さんは、本書で感情の老化に現れる68の症状を指摘します。

その中からいくつか挙げてみましょう。

あなたに、当てはまる症状はありませんか?

  ・お世辞に弱くなった
  ・自分は角がとれて丸くなったと思う
  ・物が捨てられなくなる
  ・カッコよくありたいと思わなくなった
  ・涙もろくなり、感情のコントロールがきかない
  ・人の話を聞いていられない
  ・「水戸黄門」が心地よい
  ・新しい友人ができない
  ・漢字が書けなくなった
  ・たいして食べないのに太る
  ・服はラクなのがいちばんいい
  ・昔のベストセレクションCDを買う
  ・無駄な買い物はしなくなった
  ・集中力が落ちて飽きっぽくなった
  ・テレビのコメンテーターの意見を鵜呑みにしてしまう

これらの中には、老化というよりも、
元々持っている性格的なものもありますが、
私は結構当てはまる項目がありました。

「漢字が書けなくなった」などは、
ほとんどの文字をPCやスマホで入力する時代ですから、
誰にでも思い当たる節があるでしょう。

そこで更に老化を加速させてしまうのは、
漢字を書くことを「諦めてしまう」ことのようです。

わからなくても平気、負けても気にならなくなったら、
かなりマズイ状態。

わからないことを覚えていく努力を続けることが、
自分を老化から守ってくれるようです。

また、実際に「水戸黄門」を見ていなくても、
同じパターン、同じ店、同じ作者の本、同じ人間関係の中で
生活をしていると、前頭葉の機能が衰え、
それが老化につながるとも説明されています。

先が読める世界で安住していると、老化は進む一方なので、
常に新しいモノにも目を向けていくことが大切です。

本書は40代以上の人をターゲットにしていますが、
30代以下の人でも、和田さんが挙げる習慣のある人は、
早めの改善を考えた方がいいかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書で具体的な言及はありませんが、
私が、一番マズイと思ったのは「音楽」です。

そもそも音楽を聴く機会が、若い頃から比べると減りました。

たまに聴く音楽のジャンルも、若いころに聴いてた80sが中心で、
なかなか新しい音楽を聴く気になりません。

インターネットラジオで、好きなジャンルの音楽だけを
手軽に聴けるのも良くないのかもしれませんね。

今日は5時間以上ドライブする予定なので、
感情の老化防止のために、普段あまり聴かないジャンルの
音楽も聴いてみようと思います。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界の経営学者はいま何を考えているのか

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
(2012/11/13)
入山 章栄

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満足度★★★★
付箋数:25

あなたの知らない、経営学のフロンティアへようこそ。

  「この本は、世界のビジネススクールの最前線にいる
  “経営学者” たちが取り組んでいる研究、
  その “知のフロンティア” をわかりやすく、
  まるでエッセイを読むように、
  気軽にみなさんに知ってもらうことを目的としています。」

著者の入山章栄さんは、ニューヨーク州立大学バッファロー校の
ビジネススクールでアシスト・プロフェッサーをしている
経営学者です。

私たち日本人は、欧米の経営学というと、
ピーター・ドラッカーさんや、マイケル・ポーターさん、
ヘンリー・ミンツバーグさんといった大御所を思い浮かべます。

しかし、これらの大御所の時代は昔のことで、
今や世界の経営学は、もっと先に進んでいるようです。

しかも、多くの日本人は経営学に対して、
いくつも誤解をしていると入山さんは説明します。

  ・アメリカの経営学者はドラッカーを読まない
  ・HBR(ハーバード・ビジネス・レビュー)は学術誌ではない
  ・ビジネススクールで、よい授業をしても出世などできない
  ・経営学はケーススタディ中心ではない
  ・経営学に教科書はない
  ・ポーターの戦略だけでは、もう通用しない

ハッキリ言って、私はここに挙げたことすべてを誤解していました。

本書では、これらの誤解を解きながら、
世界の経営学の本質的な考えや、興味深い話を
非常にわかりやくす伝えます。

例えば、最近の「競争戦略」の研究はどうなっているのか。

まず、競争戦略と言えば、ポーターさんの「競争優位の戦略」。
これはライバルと競争を避けるための戦略で、言わば守りの戦略。

しかし、現在は競争優位が長く持続することができない
ハイパー・コンペティションの時代。

その状況下では、守りではなく、攻めの競争行動が有効になる。

この守りの戦略と、攻めの戦略は相反するものではなく、
両立は可能であるが、それがこれからの研究課題になっている。

こういった内容を、世界の経営学者は、
ケーススタディから観察する帰納的なアプローチからではなく、
理論仮説を立て、それを統計的な手法で検証する、
演繹的なアプローチによって研究しているようです。

経営学は、科学を目指している。

ちなみに、アメリカの経営学者がドラッカーさんの本を
読まなかったり、ドラッカーさんの考えをもとに研究をしないのは、
ドラッカーさんの言葉は名言であって、科学ではないから。

つまり、ドラッカーさんの本を読んで感銘を受けても、
研究する学問ではないということです。

私は、本書を読んで、かなり目から鱗が落ちました。

しかも、本書は経営学を専攻したことがない、
一般の読者でもわかるように、主流となる経営学の論文を
かなり噛み砕いて説明していますから、
350ページの本でもスッと読め、頭に入ってきます。

まさに、素人でも経営学の知的興奮が堪能できる一冊でした。

この本から何を活かすか?

トランザクティブ・メモリー 組織はどのように記憶するのか?

トランザクティブ・メモリーとは、交換記憶システム。

これが個人の記憶と組織の記憶の決定的な違いのようです。

個人の記憶では、何を知っているかが重要ですが、
組織の記憶では、誰が何を知っているかを知っておくかが重要。

つまり、トランザクティブ・メモリーを持つと、
それぞれの専門分野に特化して記憶することが可能になり、
必要なときに、専門の人や部門から知識を引き出すことが可能。

この「知のインデックスカード」を自然と形成できる
組織を作っていくことが大切なようです。

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| 経営・戦略 | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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年収150万円で僕らは自由に生きていく

年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)
(2012/11/22)
イケダ ハヤト

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満足度★★★
付箋数:18

  「僕は池田勇人元首相と同姓同名なんです。そのままの名前だと、
  検索エンジンで絶対に勝てないので、あえてカタカナにしています。
  池田勇人といえば、 “所得倍増計画” ですが、
  奇しくも同姓同名の僕は “所得半分でも楽しく生きられるよ”
  と説いているわけです。」

本書の著者、イケダハヤトさんは「プロブロガー」。

社会人3年目にして、勤めていた会社を辞め、
フリーランスとして生きる道を選択肢ました。

現在のイケダさんのブログの月刊読者数は約30万人。

毎日、5時間程度かけてブログを更新し、
アフィリエイトなどで、月20万円を稼いでいるそうです。

本書の主張は、ひと一人年収150万円あれば生きていけるので、
お金を稼ぐことに時間を使うのではなく、
貧乏でも時間に自由のある生活を目指せというものです。

  第1章 お金が、ない!
     僕らにとってお金がないのが「前提」だ。
     ただし「貧乏=不幸」ではない。

  第2章 金より、つながり!
     お金がないと何もできないのは逆に貧しい。
     「つながり」を築いて楽しく生きよ。

  第3章 さあ、柵の外へ!
     「飼い殺しの羊」になってはいけない。
     会社の外へ発信して社会とつながれ。

  第4章 仕事は、問題解決だ!
     「お金のために働く」のは時代遅れだ。
     なぜ僕らは働くのかを問い直せ。

  第5章 遊ぶように、社会と関われ!
     「脱お金」で日本は沈まない。
     税金を介さず、素手で「公共」を取り戻せ。

  第6章 所有は、ダサい!
     「買う」ことを疑い「シェア」しながら、
     150万円時代を明るく生き抜け。

本書には、年収150万円で生きるノウハウが、
紹介されているわけではありません。

また、150万円というのも一人あたりの年収なので、
家族が多ければ、もっと多くの年収を必要とします。

ですから、実際に年収150万円程度の人が、
本書を読んで参考にできることはありません。

あくまで、その気になれば、年収500万でも1000万円でも、
稼ぐ能力のある人が、そこまであくせく働かず、
時間に余裕のある生活をしましょうという主張です。

人によって目指す生活スタイルは異なりますから、
年収150万円という基準が、
すべての人には当てはまらないと思います。

ただし、イケダさんが言うように、
「自分の生活にかかる最低限のコストを計算しておく」
ことは重要です。

その最低生活コストを知っておくことが、
精神的な余裕につながりますから。

この本から何を活かすか?

個人的には、本当に「脱お金」を目指すなら、
稼げる時にはしっかり稼ぎ、会社勤めの人なら、
そのお金を持って早期退職を狙った方がいいと思います。

ここで大切なのは、ある程度の資金が溜まったら、
その「ストック」を切り崩して生活するのではなく、
その資金から「フロー」を生む仕組みを作ることです。

早期退職して、ストックを切り崩して何十年も生きていくには、
億単位の資金が必要ですが、
生まれたフローで生活するようにすると、
数千万円の資金でそれが実現できます。

もちろん、生活していくだけのフローを生むには、
預金金利だけでは不可能。

昔なら、それなりの資産運用能力も必要でした。

しかし、現在なら各証券会社等から
無料のシステム運用プログラムが提供されるので、
それほど高いハードルではありません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:53 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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社員と顧客を大切にする会社

社員と顧客を大切にする会社: 「7つの法則」を実践する優良企業48 (PHPビジネス新書 249)社員と顧客を大切にする会社: 「7つの法則」を実践する優良企業48 (PHPビジネス新書 249)
(2012/11/16)
坂本光司

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満足度★★★
付箋数:20

あなたは、現在、日本全国にどれくらいの
障がい者の方がいるか知っていますか?

本書の説明によると、身体障がいの方が約370万人、
知的障がいの方が約55万人、精神障がいの方が約325万人。

公式に障がい者と認められているのは、
合計すると約750万人、日本の人口のおよそ6%。

これ以外は、障がい者手帳が発行されないので、
正確な数値はわからないそうですが、うつ病の方が100万人以上、
発達障がいの子どもが50万人程度いるそうです。

これらを合わせると、日本の全人口の約7%の方が、
何らかの障がいをもって暮らしているそうです。

私が思ったよりも、かなり多い割合でした。

障がい者になりたいと思って生まれてきた人は、
この世に一人もいないので、障がい者の方々の幸せを
サポートするのは健常者の使命であると本書の著者、
坂本光司さんは言っています。

しかし、障がい者の方の就職となると、
健常者とは比べものにならないくらい難しい。

その中でも特に、就職が難しいとされるのが、
精神症がいの方です。

雇う側からすると、精神症がいの方は、奇声を発するとか、
一時的に情緒不安定になる方もいるので、
雇用を敬遠しているの企業も多いようです。

そんな中で、鹿児島県鹿児島市にある「ラグーナ出版社」は、
従業員40人中、32人が精神障がい者という会社です。

日本でいちばん大切にしたい会社」などの本で
有名になった坂本さんのもとに、1通の手紙が届きました。

  「いつの日か、私が働いている会社を訪問してください。
  そして、私たちの社長さんたちをほめてあげてください。
  先生、どうかお願いします。
  私たちがいくら感謝しても感謝しきれない。
  だから坂本先生に来ていただいて、社長さんたちに
  がんばっていますねと言ってください。
  きっと、涙して喜ぶとおもいますから・・・」

坂本さんは、この手紙をもらい、実際にラグーナ出版を訪問。

その後、ラグーナ出版を人を幸せにする会社として、
講演会で話したり、本で紹介するなどして、応援しています。

その結果、多くの人が反応し、会社見学に行ったり、
この出版社から本を出そうと応援の輪が広がっているようです。

本書は、このラグーナ出版のような、
「業績軸」ではなく「幸せ軸」で坂本さんが選んだ
48社が紹介されています。

正直に言って、坂本さんの過去の著書と大きな違いは
ありませんし、既に何度か紹介されている企業も登場します。

しかし、1度聞いた話でも、人を幸せにする会社のエピソードは、
読む人さえも幸せにします。

ただし、私が一つ気になったのは、坂本さんの数値の使い方。

冒頭の障がい者の割合について、
約7%を坂本さんは「1割、10人に1人」と表現しています。

これは、ちょっと盛りすぎという感じがします。

この本から何を活かすか?

私の出身地は北海道の帯広市です。

日本でいちばん大切にしたい会社」には、
帯広市の企業、お菓子の「柳月」が紹介されていたので、
里帰りの際に、同社の店舗兼工場(スィートピアガーデン)に
行ってみました。

本書では、人を幸せにする企業として、同じ帯広市の
焼肉店「平和園」が紹介されていました。

これで次の里帰りの際に、行く店が決まりました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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投資で一番大切な20の教え

投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識
(2012/10/23)
ハワード・マークス

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満足度★★★★
付箋数:25

世界一賢明な投資家として有名なウォーレン・バフェットさん。

そのバフェットさんが「This is that rarity, a useful book」と
大絶賛した投資本があります。

その本をバフェットさんは大量購入して、自身の運用会社
バークシャー・ハサウェイの株主総会で配布しました。

それがハワード・マークスさん著の「The Most Important Thing」。

本書はその邦訳本です。

マークスさんは、逆張り投資を得意とする世界最大級の
資産運用会社オークツリー・キャピタル・マネジメントの創始者。

この会社、リーマン・ショックで最も稼いだ運用会社として
知られています。

本書はマークスさんがオークツリーから発行する、
「顧客向けレター」をまとめたもの。

それはマークスさんが、長年の経験から得た投資哲学です。

  「投資を成功させるには、数多くの独立した要素に、
  同時に思慮深く注意を向ける必要がある。
  どれか一つでも注意を怠れば、満足できない結果となる公算が大きい。
  “一番大切なこと” という考え方を中心に
  本書をまとめたのはそのためだ。」

過去の顧客レターをまとめてみると、
マークスさんが、一番大切と考える投資哲学が、
20個あったというわけです。

マークスさんは、根っからのコントラリアン(逆張り投資家)。
本書で説くのは「バリュー投資」の極意です。

特にページを割いて説明しているのは、リスクについて。

リスクをどう考え、どのように対峙し、コントロールするのか。

リスクはリターンの源泉ですが、投資で成功するためには、
市場から退場させられないことが最も大切ですから、
リスクについて深く知ることは欠かせません。

私自身はバリュー投資も行いますし、
マークスさんが否定する、モメンタム投資も、トレードも行います。

様々な投資や投機の手法を実践した結果、
バリュー投資だけが有効という結論には至りませんでした。

ですから、手法としてはマークスさんの考えとは
相容れない部分もあります。

しかし、本書は投資の手法を解説するマニュアル本でも
ハウツー本でもないので、マークスさんの投資哲学は
大いに参考になりました。

投資哲学は本を読んで、一朝一夕で身につくものではありません。

経験を積みながら、その教訓を生かし、
少しずつ形作っていくものだと思います。

本書は、自分だけの投資哲学を形成する過程で、
より深く理解し、それを強固な哲学にする手助けをしてくれそうです。

本書には投資に対する深い洞察や叡智が詰め込まれていますが、
残念ながら読み取れるのは、その人の投資経験に応じた内容の
ところまでだと思います。

言わば、投資経験に呼応する本ですから、
1年後、5年後、10年後と経験を積んだ後に、
何度も読み返すことで、本書は真価を発揮するでしょう。

この本から何を活かすか?

  「運の影響力を認識する」

投資には「運」に左右されることも多く、
その運の要素をどのようにとらえるかで、
市場が見え方がまた違ったものになります。

マークスさんは、本書で投資と運について言及していますが、
そのパートでは、ナシーム・ニコラス・タレブさんの
まぐれ」からの引用を中心に考察を進めています。

この本、当ブログでも2008年4月に紹介しています。

私が読んでから5年近く経っているので、
タレブさんの本についても、
読み取れる内容が当時と違うかもしれません。

マークスさんの考察にあわせて、
「まぐれ」をもう一度読んでみようと思います。

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| 投資 | 06:36 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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脳には妙なクセがある

脳には妙なクセがある脳には妙なクセがある
(2012/08/01)
池谷 裕二

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満足度★★★★
付箋数:26

男性の性的妄想は、女性にバレている!?

もし、女性に対して、男性が思い描くエッチな脳内妄想が
筒抜けだったら、大変なことになります。

そんなことがあるのなら、セクシーな女性とすれ違うだけで、
逮捕されるなんてことも起こりえるかもしれません。

しかし、米ライス大学のチェン博士は、男性にとって、
ちょっとギクリとするような実験結果を発表しています。

チェン博士は、次のような実験を行っています。

20代の男性20名を集め、2種類のビデオを見せて、
見終わった後の「汗」を集めました。

1つ目のビデオは、教育番組。
2つ目のビデオは、アダルトビデオ。

集めた汗は、それぞれ女性に嗅いでもらい、
どちらの汗が好ましいか判定してもらいました。

その結果、好ましさについて、2つの汗の差はありませんでした。

つまり、エッチなことを考えてかいた汗と、
それ以外のときにかいた汗を区別できないということです。

これで男性にとって、一安心かとおもいきや、
この実験には続きがあります。

チェン博士は、続いて汗を嗅いだときの
女性の「脳の活動」を調べてみました。

すると、脳の活動レベルでは、ハッキリとした差が出ました。

アダルトビデオを見ながら出した汗を嗅いだときのほうが、
女性の「眼窩前頭野」や「紡錘状回」、「視床下部」といった
脳部位が激しく活動していることがわかりました。

ちなみに、「視床下部」は性行為に関与する脳部位。

この結果から、男性のエッチな妄想は、
女性には意識上ではさとられないものの、
無意識下の脳にはバレていることがわかったようです。

本書には、このような「脳」に関するネタが詰まっています。

本書は、池谷裕二さんが過去5、6年で書いた
脳に関する長短100本以上のエッセイをまとめて再構成したもの。

書き下ろしで本を書くと、本業の研究に支障が出たり、
同業者から叱責を受けるため、時間が取られないように、
池谷さんは、過去のエッセイをまとめるという
執筆スタイルをとっているそうです。

しかし、そこは研究者としての凝り性を持つ池谷さん。

結局、集めたエッセイを分解し、再構成するうちに、
ほとんど全文を書き直し、編集作業だけでも
2年以上の歳月を要して、本書の刊行にこぎつけたようです。

本書の中で、第11章「脳は妙に笑顔を作る」、
第22章「脳は妙に不自由が心地よい」、第26章「脳は妙に使い回す」
の3章が、池谷さんの「脳観」をあらわしていると解説されています。

もちろんこの3章には、池谷さんのメッセージが込められていて、
素晴らしいですが、それ以外の章の脳エッセイも粒ぞろい。

軽快な語り口の中に、驚きの脳のクセが満載されています。

本書を読むと、最新の脳研究にも裏付けされた、
脳の不可思議さに驚くとともに、知的好奇心が刺激されます。

この本から何を活かすか?

  「脳は妙に知ったかぶる」

私は本書を読んだときに、初めて聞いた脳に関する情報が
たくさんあったはずでした。

ところが、ブログを書くために付箋を貼った箇所を読み返すと、
「この情報、はじめから知っていたかも」という箇所が
増えていました。

これは脳のクセの一つ、「後知恵バイアス」による思い込み。

脳は知ったかぶるように振る舞うんですね。

何でも知っているつもりにならないように、
注意しなければなりませんね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| | 06:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界経済が沈んでも日本は必ず繁栄する

世界経済が沈んでも日本は必ず繁栄する 日米主従同盟の終わり世界経済が沈んでも日本は必ず繁栄する 日米主従同盟の終わり
(2012/12/19)
中島 孝志

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満足度★★★
付箋数:21

さくら舎さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

年間3000冊の本を読み、「通勤快読」でお馴染みの中島孝志さん。

このブログでも、今まで何冊か中島さんの
ビジネス書を紹介したことがありますが、
中島さんの経済本を読むのは、今回が初めてでした。

過去に読んだ著作から、中島さんのビジネスノウハウに
注目しがちでしたが、改めて中島さんのプロフィールを拝見すると、
「経済評論家」とあるので、経済を語るのは本職なんですね。

さて、本書はタイトルにある通り、
非常にポジティブな日本経済論です。

私たちは、「日本経済が危ない」という絶望論をよく耳にし、
それが、常識にもなっています。

しかし、その常識のほとんどは、新聞やテレビなどの
マスコミの情報によって作られたものです。

それらの常識は、誰が、どんな思惑で、
わたしたち日本国民に刷り込んだものなのか?

本書では、その思惑を白日のもとに晒し、
私たちの「経済の常識」を、ことごとく覆します。

そして、日本は一流国であり、世界が大恐慌になろうとも、
日本の政治がダメでも、日本経済は全く心配ないと説きます。

中島さんが語る内容が、正しいかどうかは別にして、
新たな視点で日本を取り巻く経済状況を解説しているので、
本書は、自分の頭で何が正しいかを考えるきっかけを
与えてくれます。

  ・円高だから日本経済はもっている
  ・年金制度は破綻しない
  ・日本国憲法は国際法違反である
  ・米国債の格下げをきっかけに大恐慌が始まる
  ・TPPは悪名高い年次改革要望書の生まれ変わりか?
  ・日本、中国、韓国、台湾の中で全勝は日本だけ
  ・日本社会はエリートをつくらないほうが巧くいく

本書の中で注目すべきは、「TPP」に関する中島さんの考えです。

TPPといえば、参加の是非を問う日本の農業についての議論が
盛んに行われていますが、アメリカの狙いはそこではないと
中島さんは言います。

  「アメリカの真意が読めた。農業なんぞでちまちま儲けようなどど、
  せこいことは考えていない。儲けるならドカンと、永久的に設けてやる。
  どこの分野で?
  金融生損保、医療、薬剤、建設、そして知的財産権の分野だろう。
  農業で譲歩しているのは、日本国民がTPPに乗りやすいように
  錯覚させるための当て馬にすぎない。」

つまり、TPPは日本の富のすべてを強奪しようとする
アメリカの罠だということです。

交渉ごとは何でも、相手を交渉のテーブルに着かせるのが先決。

一度、交渉のテーブルに着いたなら、目に見えるカードの裏に、
相手がどんなカードを持っているかを読みながら、
交渉を進めなければなりません。

お人好しであることは日本人の美徳ですが、
国際経済の中で、交渉のテーブルに着く場合は、
TPPの先に何があるのかを考えておく必要があるようです。

また、個人的には本書の主張の中で、
円高歓迎論には、賛成できないところがありました。

その部分については、どこが自分の考えと違うのかを、
もう一度、論点を整理しながら読み直してみたいと思います。

この本から何を活かすか?

当ブログでは、2007年に中島さんの
キラーリーディング」を紹介しました。

この本、中島さんの読書法を解説した本の中では、
一番評判が良いようで、出版社を変え、
キラーリーディング 驚異の読書法
として2012年11月に復刻版が出ています。

復刻特典として最終章に「日本を語れるようになる読書30冊」
というページを写真入りで収録しているとのこと。

それはありがたい話ですが、どうせならKindle版で、
価格も安くして復刻して欲しかった。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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むしろ暴落しそうな金融商品を買え!

むしろ暴落しそうな金融商品を買え! (幻冬舎新書)むしろ暴落しそうな金融商品を買え! (幻冬舎新書)
(2012/11/30)
吉本 佳生

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満足度★★★★
付箋数:23

  「1990年代から、いま現在の期間で、株や投資信託、
  外貨などで資産運用して、トータルでみて儲かっているという人は
  どれくらいいると思いますか?
  本書をお読みいただければわかりますが、 “ほとんどいない”
  といっても過言ではありません。大儲けした人もいるでしょうが、
  例外的といえる比率でしかないはずです。」

このように語るのは、過去にも数々の優れたマネー本や
経済本を書いている吉本佳生さん。

今回は吉本さんにとって、かなりの意欲作。

なぜなら、通常、この手の本は、危ない金融商品を
「買ってはいけない」ことを警告する「守り」重視の本ですが、
本書はタイトルで「買え!」と言っている通り、
「攻め」ることを重視した本だからです。

では、どんな攻め方をすると、儲けることができるのか?

吉本さんが説く、過去に大儲けした人のパターンは次の2つ。

  「第1に、バブルに乗って短期で大儲けしたうえで、
  バブル崩壊前に逃げた人。
  第2に、他人(政府、金融機関、企業、各種団体、個人)の
  失敗につけこんだ人。」

特に第1のパターン、バブルに乗ることが、
本書のタイトルである「暴落しそうな金融商品」を
買うことに当たります。

その時に大切なことが、流動性を確保して、
損切りラインを決めておくこと。

本書では、長期投資の危険性が盛んに訴えられていますが、
短期にせよ長期にせよ、損切りのない投資は、
かなりの確率で大損または破綻するということです。

  「長期投資が絶対にダメだといいたいのではありません。
  暴落による大損を避けることを、長期投資よりも優先しろ
  ということであって、致命的な暴落が起きなければ、
  長期でひとつの資産を保有し続ければいいと考えます。」

しかし、吉本さんも本書で言及していますが、
致命的な暴落は、何度も繰り返して起きます。

だからこそ、損切りラインを決めることが必須なのです。

ちなみに、吉本さんは数値での損切りではなく、
「ボラティリティ」の変化を見て、
市場の暴落から逃げることを推奨しています。

吉本さんは、理論派でマーケットに身を置きません。

通常、専門家と名乗る理論派の人の主張は、
実際にトレードする人の感覚と乖離するものですが、
吉本さんの場合、それが少ないと思います。

本書は、私が投資やトレードの経験上
わかっていたことを、データと理論の裏付けで、
納得できるところまで落としこんでくれる本でした。

この本から何を活かすか?

もう1つの、大儲けの王道で
「他人の失敗につけこむ」方法として本書で紹介されてたのが、
「オプション取引のストラングルの売り」です。

リスクを過大評価した金融機関の失敗につけ込む手法ですが、
こんな方法を推奨する理論派は、吉本さん以外にいないでしょう。

個人的には、オプション取引は誰にでも
勧められないと考えます。

吉本さんの理論外の投資方法ですが、
私が誰にでも勧められる方法として挙げるのが、
このブログで何度か紹介している
マネースクウェアの「トラップリピートイフダン」です。

ただし、この方法もリスク計算だけはやっておかないと、
破綻の可能性がありますので、
実際に投資をはじめる際はご注意ください。

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| 投資 | 06:54 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室スタンフォードの自分を変える教室
(2012/10/20)
ケリー・マクゴニガル

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満足度★★★
付箋数:24

禁煙したい、ダイエットしたい、節約したい、
仕事ができるようになりたい、いい親になりたい・・・

そのために何をべきかは、分かっています。

しかし、いつまでたっても、それができません。

最初は、やるべきことができても、それが長続きしない。

なぜ、途中で挫折してしまうのか?

それは単に「意志が弱いから」ということではありません。

  「どういうときに、どういう場所で、どうして失敗するのか
  ということを、自分自身でちゃんとわかっていないからです。」

自己コントロールの第一歩は、自分を知ることからです。

本書はスタンフォード大学の生涯教育プログラムの中でも、
絶大な人気を誇るケリー・マクゴニガルさんの講座
「意志力の科学」を書籍化したもの。

マクゴニガルさんの講座は、受講生の97%が、
自分自身の行動を以前よりも理解できるようになったと感じ、
84%の受講生が授業で学んだ方法で、
以前よりも意志力が強くなったと感じたそうです。

本書では、その講義内容を1週間で1章ずつ進み、
全10章で10週間かけて受講する形で再現します。

マクゴニガルさんは、意志力を次の3つの力に分類します。

  「やる力」、「やらない力」、「望む力」

この3つこそが、私たちがよりよい自分になるために
必要な力です。

言葉の通りですが、「やる力」とは、やるべきことをやる力。
「やらない力」とは、やめたい習慣をやめる力。
「望む力」とは、人生の長期的な目標に向かおうとする力です。

本書では、自分を知り、自分をコントロールするために
必要な方法を科学的根拠と共に、マクゴニガルさんが解説します。

そして、実践に移すために「マイクロスコープ」と
「意志力の実験」という2種類の課題が用意されています。

1つ1つの課題は、それほど難しくありません。

本書のポイントは、どこにフォーカスを当てたら良いかを学び、
10週かけて少しずつ意志力を強化していくこと。

自分を変えるといっても、性格をがらっと変える必要はありません。

有益な習慣を1つでも身につけることができれば、
それだけで人生を大きく変えることができるのです。

ですから、本書はじっくり腰を据えて取り組む自己啓発本です。

1週間に1章のペースで進むなら、原書にチャレンジしても
いいかもしれません。

原書はこちら。「The Willpower Instinct

Authors@Googleの映像では、マクゴニガルさん本人が
著書について語っていますので、興味のある方はご覧ください。
54分間の映像です。


この本から何を活かすか?

  「呼吸のペースを1分間に4回から6回に抑える」
  「欲しい物を手に入れるまで10分間待つ」

本書では、即効性のある方法はあまり紹介されていませんが、
すぐにでも実践できそうなのがこの2つ。

自制心が必要な時には、かなりゆっくりめに呼吸する。

目先の快楽に飛びつくことを10分待つことで、
本来の長期的な目標と冷静に比較する。

私はこの2つのルールを、今日から取り入れることにします。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 11:44 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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外資系コンサルのスライド作成術

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック
(2012/10/19)
山口 周

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満足度★★★★
付箋数:25

  「本書は、読者の皆さんに対して、プロフェッショナル・
  コンサルティング・ファームの現場で日々活用されている
  様々な “スライド作成の技術” を網羅的にお伝えすることを
  目的に書かれています。」

著者の山口周さんは、英語とロジカルシンキングに加え、
「わかりやすいスライドを作成する技術」もまた、
ビジネスパーソンにとって必須の能力であると説明します。

なぜなら、グローバルコミュニケーションにおいては、
価値観や立場の異なる人たちに、自分の考えを説明し、
共感させ、意思決定してもらうことが重要だからです。

本書では、山口さんが外資系コンサルティングファームで、
新卒採用者・中途採用者に向けに行なってきた、
「わかりやすいスライドを作成する技術」の研修内容が、
惜しみなく公開されています。

  PART1 スライド作成の基本
  PART2 グラフの作り方 ~数値を視覚化する~
  PART3 チャートの作り方 ~概念や関係構造を視覚化する~
  PART4 シンプルなスライドに磨き上げる
  PART5 練習問題

山口さんは、本書の中で、スライド作成時に意識することの
1つとして、「SN比」を挙げています。

「SN比」とは、情報通信において、信号(Signal)と雑音(Noise)
の比率を表す用語。

スライド作成時にも、必要な情報(信号)と
余計な情報(雑音)の峻別、つまり、SN比を高めることが
重要であると述べられています。

この表現を借りると、本書もスライド作成の教科書としては、
非常にSN比が高い内容です。

見た目は、シンプルで多色刷りではないので地味ですが、
スライド作成の手順と、何をどうすると分かりやすいスライドに
なるかが的確に説明されています。

  「基本的にほとんどのスライドは、モノクロで100%の完成度まで
  もっていけると考えてください。
  もし、皆さんがスライドを作成していて、
  白と黒の2色以外の色が必要だと感じることがあったら、
  それは色数の問題ではなく、表現しようとしているグラフや
  チャートの内容に問題がある、更に言えば、伝えようとしている
  情報そのものが複雑すぎるケースがほとんどだということです。」

スライドではありませんが、本書自体もモノクロで、
完成度100%になっていると言って良いでしょう。

また、私が本書で好感を持てたのは、スライドの基本構成6要素の
1つである「出所」の重要性が述べられていたことです。

「出所」は、書く場所こそ、スライドの下の方ですが、
書く順番では、「メッセージ」の次に書いてしまいます。

データやインタビュー、記事等の「出所」を省略せずに示すことが、
そのスライドの信頼性を担保する意味で重要なのです。

本書は、スライドを作り慣れていない人にはバイブルになりますし、
作り慣れている人にとっても、自分のスライドが
「わかりやすいスライド」の指針に沿っているかどうかを
診断するのに、欠かせない一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

  「フォーカスは引き算で考える」

スライド作成でやってしまいがちなのが、
重要なことを「足し算」で、強調してしまうことです。

しかし、スティーブ・ジョブズさんはじめ、
達人が作るスライドは、何かを足すのではなく、
何かを引くことで、フォーカスを当てたい事象を
浮かび上がらせています。

「フォーカスは引き算で考える」は、
伝わるスライド作成のために、強く意識したいことですね。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 09:14 | comments:0 | trackbacks:4 | TOP↑

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解決する力

解決する力 (PHPビジネス新書)解決する力 (PHPビジネス新書)
(2012/11/21)
猪瀬直樹

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満足度★★★
付箋数:20

猪瀬直樹さんのヒット作「決断する力」に続く、シリーズ第2弾。

猪瀬さんが東京都の副知事時代に、
日々、何をどのように考え、問題解決してきたかを
リアルに伝えるコラム集。

週刊文春、一個人、日経BPネット、歴史人、中央公論、THE21
などに掲載したコラムをテーマ別にまとめています。

  プロローグ 石原・橋下「倒幕シナリオ」
  Ⅰ 東京電力との闘い
  Ⅱ 電力不足を救う
  Ⅲ 尖閣諸島購入問題
  Ⅳ オリンピックとスポーツの力
  Ⅴ 災後社会のネットワーク
  Ⅵ 東京のパワー
  エピローグ “平常心”の保ち方

これから東京都知事として、活躍することが期待される
猪瀬さんの物事に対する考え方や、行動力がよくわかります。

個人的には、猪瀬さんとアップルのCEOティム・クックさんの
イメージが重なります。

アップルは、スティーブ・ジョブズさんという
稀代のカリスマを失った後も、大方の予想に反して、
実務派のクックさんが、安定した成長を実現ました。

同じように東京都も石原慎太郎さんというカリスマが退いた後、
ツイッターを駆使するコミュニケーション能力の高い猪瀬さんが、
今まで以上に都政改革を推進しするのではないかと期待しています。

本書で猪瀬さんの東京電力との攻防や、
震災時のツイッターの活用などを見ていると
石原さんとは、違うタイプの都知事であることがよくわかります。

また、63歳でジョギングを始め、65歳でフルマラソンに
出場してしまう、猪瀬さんのバイタリティには脱帽。

ジョギングでも、iPhoneアプリを活用しているのは流石です。

さて、本書ですが、さすがに作家だけあって、
都のマネジメントの現場の臨場感が伝わり、
1つ1つのコラムの質は高いと思います。

しかし、いろいろな雑誌に掲載したコラムを
寄せ集めいているので、一冊を通したメッセージに欠けています。

1+1が2や3にならず、1.5にしかなっていない印象。

個々のコラムが面白いだけに、非常にもったいない感じがします。

ページ数が足りなかったのかもしれませんが、
メインの「一個人」に連載されたコラムだけを
まとめた方が、重複もなく、統一感もあり、
本の出来としては良くなったと思います。

「まえがき」こそ本書のために書き下ろしていますが、
プロローグもエピローグも、それぞれ別の雑誌に掲載された
コラムの転載というのは、いただけません。

この本から何を活かすか?

2012年10月21日、東京・千代田区のベルサール秋葉原で、
知的書評合戦 ビブリオバトル首都決戦2012」が開催されました。

本書には、猪瀬さんが特任教授を務める東工大で
学生を募って、ビブリオバトルに出場をしたエピソードが
紹介されていました。

私は、ビブリオバトルなるイベントがあることを
本書で初めて知りました。

ビブリオバトルとは、本を紹介するコミュニケーションゲーム。

ビブリオとはラテン語で、書物のこと。

ビブリオバトルは、制限時間5分間で、
自分の読んだ本のプレゼンを弁論のように行い、
「どの本が一番読みたくなったか?」を投票して決めるゲームです。

小説とかビジネス書といった分野を超えて、
戦いが繰り広げられるのが面白そうですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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2013謹賀新年

あけましておめでとうございます。

昨年中は大変お世話になりました。

年明けの記事は、猪瀬直樹さんの
「解決する力」からスタートします。

本年も、よろしくお願いします。

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