活かす読書

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動乱のインテリジェンス

動乱のインテリジェンス (新潮新書)動乱のインテリジェンス (新潮新書)
(2012/10/26)
佐藤 優、手嶋 龍一 他

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満足度★★★
付箋数:23

  「日本の国境線はいま、縮み始めている―。
  国力に陰りが生じ、政治指導力が衰弱すれば、
  周辺諸国はその隙に乗じて攻勢に転じ、国土は萎んでしまう。
  そんな冷厳な現実をニッポンも直視すべきです。」

本書は、インテリジェンスの専門家、
佐藤優さんと手嶋龍一さんの対談本。

このお二人、しょっちゅう対談しているので、
何冊も共著を出しているような気がしましたが、
書籍化されているのは「インテリジェンス 武器なき戦争
に続く2冊目でした。

ちなみに、インテリジェンスとは、
知能とか知性といった一般的な意味ではなく、
ここでは諜報活動や外交活動を意味します。

尖閣問題、竹島問題、北朝鮮、韓国、中国、ロシア・・・

日本周辺海域には、紛争につながる様々な火種があります。

そして周辺国は、隙あらば何かしらの利権を得ようと、
日本の失策を虎視眈々と狙っています。

日本ほどお金があり、お人好しで平和ボケした国は
他にありませんから、いいカモになっているのでしょう。

本書では、佐藤さんと手島さんのお二人が、
「今そこにある危機」を読み解き、
日本がどのような外交戦略をとるべきかを示します。

  第1章 日本の周縁で噴出するマグマ
  第2章 中国、そのモラルなきインテリジェンス
  第3章 イランの鏡に映る日本外交
  第4章 イランの核、北朝鮮の核
  第5章 アジア半球の新たな勢力地図

一般にニュースなどで報道される国際情勢と、
お二人の話には、かなり隔たりがあります。

これがインテリジェンスの世界での常識とばかりに、
しばし読者を置き去りにすることもありますが、
基本的には国際情勢を分かりやすく解説してくれています。

私が本書で興味深かったのた「TPP」についての議論です。
(以下、敬称略)

  佐藤 アメリカは、大統領選の政治の季節を迎えて、
     日本の参加にあれこれ注文をつけていますが、
     日本の要求を削ぎ落とす交渉のテクニックです。
     日本の参加なきTPPなど考えてもいませんから、
     日本にとって「TPP不参加」という選択肢など実際はあり得ません。

  手島 アメリカは、日本が不参加なら日米同盟からも
     離脱してもらうと暗に脅しを―。

  佐藤 そういうことでしょう。ですから、僕はTPPに反対する
     人たちに聞いてみたいのですよ。
     「TPPから下りるなら、『日米同盟』を放棄して、
     中国の軍門に下るのですか」と。

そして、佐藤さんは、野田総理が2011年秋に突如として、
TPP参加への協議に入ると表明したのは、
恐ろしくタイミングが良かったと評しています。

この野田さんの一言で、ロシアは驚愕し、中国はうろたえ、
カナダやメキシコも本気でTPPを考え始めるなど、
世界に大きな地殻変動を起こしました。

ただし、残念なことに、その地殻変動に
唯一気づいていないプレーヤーは、日本だったと。

TPP参加が国益になるかという議論の背景に、
各国の思惑がどのように働いているかを
まずは知る必要があるということですね。

この本から何を活かすか?

TBSのテレビドラマ「水戸黄門」で御老公一行が、
最後まで行かなかった所はどこか?

その答えは、「琉球」。

キー局のTBSは沖縄ロケをしようとしたそうですが、
沖縄ローカル局がそれを受け入れなかったそうです。

それは歴史考証上、クリアできない点が2つあったから。

1つは、沖縄の民衆が三葉葵の印籠を見ても、
それが江戸幕府、ひいては朝廷の権力だと知らないこと。

もう1つは、沖縄の民衆は琉球空手の達人だから、
助さん角さんに勝ってしまうこと。

こんなことも、お二人の対談では語られていました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 14:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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