活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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ユーロの正体

ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める (幻冬舎新書)ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める (幻冬舎新書)
(2012/11/30)
安達 誠司

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満足度★★★★
付箋数:24

編集プロダクションのスタジオビビさんから献本いただきました。
ありがとうございます。

ベストセラーになった「円高の正体」の著者、
安達誠司さんが、今回はユーロを題材にヨーロッパ経済、
ひいては日本を含めた世界経済を読み解きます。

  「では今回なぜユーロなのかというと、実は “ユーロという通貨”
  こそが、日本を含む世界経済の縮図でもあり、
  ユーロのことがわかれば、 “そもそも経済とは何なのか?”
  “通貨とは何なのか?” “ユーロ危機で日本はどうなるのか?”
  “私たちの生活はどうなるのか?” “なぜ日本経済はよくならないのか?”
  “なぜ日本人は貧乏になってしまったのか?” 等々、
  日本人として知っておくべき明確な解が得られるからです。」

ギリシャ危機が起こる前、統一通貨のユーロは
成功したように見えた時期もありました。

それよりも以前は、ユーロによってアメリカや中国に匹敵する
一大経済圏が実現すると、思っていた人も多かったはずです。

基軸通貨がユーロに変わることを期待し、
ドルではなく、ユーロでの支払を求める企業さえ登場しました。

しかし、ユーロは生まれた時から、
欧州危機が運命づけられていました。

  「昨今、多くのニュースで “ユーロ危機とは、ユーロ参加国の
  放漫財政が生んだ、財政赤字の問題(ソブリン危機)だ”
  と言われていますが、それは原因と結果を取り違えた議論です。
  今回のユーロ圏の財政赤字問題は、結果であって原因ではありません。」

とりわけ、今回のギリシャ危機は、
ギリシャ国民が緊縮しなさ過ぎだとか、
公務員を優遇し過ぎだとか報道されていますが、
それは、根本の原因ではありません。

本当の原因は、ユーロに参加したことで、ユーロ各国が
「独自に金融政策を実施できなくなってしまった」ことにあります。

そもそも、ユーロの理想としては、
参加条件をクリアた国が、同じ通貨を使うことによって、
参加国の経済状況が平準化されることにありました。

その平準化は、ドイツがギリシャの水準まで下がるのではなく、
ギリシャがドイツの水準まで上がると予想されていました。

だからこそ、高かったギリシャの長期金利が、
一時期ドイツの水準まで下がったのです。

平準化したのは、経済全体ではなく、長期金利だけだったのです。

そして、経済の実態を伴わない長期金利の低下は、
不動産バブルを引き起こし、やがて崩壊に向かいます。

ここにきて、独自の金融政策を打てないことが致命傷となりました。

簡単に言うと、固定相場制にして、長期金利だけ下げると
経済は持たないということです。

正直、安達さんの説明は、論旨が明快で物凄く分かりやすかった。

その分かりやすさは、ちょっと危険なくらいです。

次々と問いを立て、安達さんは端的に答えていきます。

本書を読み通すと、通貨や経済のことなら、
何でも分かってしまったと勘違いしてしまうくらい、
様々な疑問点が腹に落ちます。

ただ実際には、安達さんが自ら立てた問に答えているわけで、
本書だけで経済のすべてが分かることにはなりませんから、
その点は注意して読まなければなりません。

この本から何を活かすか?

  「投資家は手持ちのユーロをどうすべきか」

安達さんは、ユーロ投資について、
本書で3つのポイントを挙げています。

  1. いま、あせって手持ちのユーロを売ってしまうのは危険
  2. 投機的な周辺国債券購入は危険
  3. 非ユーロ加盟国への投資もリスクはある

結局、持っていても持っていなくても、
様子見というスタンスのようです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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