活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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訣別 ゴールドマン・サックス

訣別 ゴールドマン・サックス訣別 ゴールドマン・サックス
(2012/10/23)
グレッグ・スミス

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満足度★★★
付箋数:20
Why I Am Leaving Goldman Sachs
(なぜ私はゴールドマン・サックスを辞めるのか)」

2012年3月14日、このタイトルのオピニオン記事が
ニューヨーク・タイムズ紙に掲載され話題になりました。

書いたのは、南アフリカ共和国出身のグレッグ・スミスさん。

本書は、その記事をもとにスミスさんがゴールドマン・サックス
で過ごした12年間の日々を綴ったものです。

記事はスミスさんが辞める当日の掲載だったので、
「I Am Leaving」になっていますが、
本書が出たのは退職後なので原題は、
Why I Left Goldman Sachsとなっています。

スミスさんは、高校卒業後、米スタンフォード大学から、
全額給費奨学生の権利を得て渡米。

大学3年次に米投資銀行の名門中の名門、
ゴールドマン・サックス(以下GS)の
夏期インターンシップに参加する機会を得ます。

スミスさんはそこで結果を残し、
超難関を突破して、あこがれのGSに就職します。

以来、GSを愛してやまなかったスミスさんですが、
スミスさんが勤めた12年の間でGSの企業文化は
大きく変わってしまいました。

初めてインターンシップに参加した時には、
顧客に対しては決して嘘をついてはならないと
厳格に叩きこまれた顧客第一主義が、
いつしか、儲け第一主義に変わってしまいました。

実際にウォール街で、このように社風が変わったのは、
GSだけではありまあせんでしたが、
スミスさんがGSを愛し、献身的に尽くしてきたからこそ、
その失望も大きかったのでしょう。

大恋愛を経て結婚して、12年の間に変わってしまった
配偶者に幻滅して離婚を決意する話とベースは一緒です。

ただし、スミスさんならずとも、誰もがウォール街の
儲け第一主義に嫌気をさしていた時期だったので、
大きな共感を呼んだのでしょう。

金融業界の内部告発本のような要素もありますが、
基本的にスミスさんは、GSを愛していたので、
読んでいてそれほど嫌な感じはしません。

むしろ、あばたもえくぼではありませんが、
2010年にGSがアメリカ合衆国証券取引委員会(SEC)から
詐欺罪で提訴されるまでは、それまでにもあったはずの
GSの欠点がよく見えていない感じさえあります。

自分が心血を注いて勤めてきた会社が変わってしまい、
それに耐えられなくなった場合の選択肢は2つあります。

1つは、その会社に残って中から変えてくこと。
もう1つは、自分がその会社を去ることです。

スミスさんが選んだのは、2つ目の選択肢ですが、
単に嫌気が差して辞めるだけで終わらせず、
本書を通じて、金融システムが持つ
全体の問題点に光を当てようとしています。

この本から何を活かすか?

会社の儲け第一主義に嫌気が差し、
スミスさんとは違う選択肢をを選んだ男性がいます。

その男性は、顧客との良好な関係を取り戻すための
ミッションステートメント(提案書)を徹夜で書き上げて
会社に提出しました。

その理想に満ちた提案書は、多くの同僚から
共感を得たと喝采を浴びます。

しかし、会社からはあっさりとクビを告げられました。

その男性の名は、ジェリー・マクガイア。

結局、ジェリーが会社を去るときに、
その理想の働き方に賛同してついてきたのは、
一匹の金魚と、会計係のドロシーだけでした。

これ、トム・クルーズさん主演の1996年の映画
ザ・エージェント」の話しです。

現実的には、スミスさんのように辞めてから
本を出版するのが、関の山なのかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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